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【場】メインストリート その4

1ようこそ、『黄金町』へ:2015/02/26(木) 23:55:26
住宅街を南北へ抜ける、『黄金町』の大動脈。
アーケードの下には様々な店舗が並ぶ。
道幅は広く、平日は人通りも少なく見えるが、
様々なイベントが催される祝日・週末には、
ちょっとした祭りとなり、人並みが押し寄せる。


―┘          ┌┘   ◎
―┐ S湖     ┌┘   ┌┐   住  宅  街   
  │      ┌┘   .┌ ..│...      ∥
   ┐     │    ┌ ┌┘       ∥←メインストリート
   │    │   ┌  │         ∥
    ┐   │  ┌  ┌..       黄金原駅
     │  └─┘┌―      ┏ ━■■━ ━ ━
  ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛
       │      └―┐黄金港  繁華街  
       └┐   ┌――┘
 ─────┘   └――――――――――――

     太 平 洋

前スレはこちら
【場】メインストリート その3
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1395578072/

944稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/20(日) 00:20:24
>>943

「えひ――だろ? 溝だ。溝……」

恋姫は少しだけ、目を細めて。

「僕はみんなの、お姫さま。」

           フ

       「……みんなが僕の、王子様。」

小さな笑みを浮かべ、囁いた。

   ト   ト
 
     「えひひ。」

少しだけ、溝呂木から距離を置く足。
ダウナーに笑って、溝呂木を見上げて。

「……スキャンダルになっちゃうかもだぜ。
 ……悪徳司書、アイドルを篭絡……いや逆か……」
 
「司書とお姫さまのラブロマンスは……新ジャンルかな……えひ、ないわー……」

           ニマー

       あまり深刻でもなさそうに、笑った。
       恋姫のスキャンダルなど、地元ローカルの舞台でしかない。

945溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/20(日) 00:49:18
>>944

「おー、洒落たこと言うねぇ」

みんなのお姫さまで、みんなが王子様、か。
なるほど、そりゃあいい。そういう世界に足を踏み入れるのは、さぞ楽しいことだろう。
ちょっとだけ、アイドルって世界に興味が湧いてきた。

「どっちかと言うと、『幼いアイドルと共に歩く謎の男。アイドル業界の闇に迫る!』かな」
「僕もほら、一応公務員の端くれだから、宮廷司書とお姫さまのロマンスだと思えば結構アリだと思うけど」

私立図書館勤めだから、一応地方公務員の端くれではあるんだよね。
宮廷司書って言うにはあれだけど、まぁ文官とかだと思えば字面としてはアリなんじゃないかな。
なんつって、もちろん本気で言ってるわけじゃないけどさ。

「まぁ、ともあれ、どの道この辺でお別れかな」

僕は足を止めて、ちょっとだけ距離を取ったお嬢ちゃんに向き直る。
うん、ここで僕は道を左に曲がるんだよ。だから本屋に行くお嬢ちゃんとはここでお別れなのさ。
相変わらずにへらっと笑いながら、うやうやしく胸に手を当てて一礼するよ。

「それでは、姫」
「此度は姫の道行きに同道できたこと、誠に光栄に思います」
「またいずれお目通り願えれば幸い。その時を心待ちにしております……」

「……なんて、ね」

946稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2015/12/20(日) 01:13:50
>>945

        ニ

陰気な笑みで、返す。
みんなのお姫さま。白馬の王子さまは、未だどこにも。

            ・・・・舞踏会はいつまで続く?

「……明日の一面に、なっちゃうかもな。」

冗談っぽくそういって、立ち止まった溝呂木に向き直り。
お姫さまらしく、笑みを作って。

「……えひ。宮廷司書ってより、きざな騎士だ。
 ……此度の護衛、大義であった。褒めて遣わす――って感じ?」

     フリ

   手を小さく振る。
   すぐ、元の顔に戻った。

            「……んじゃ。またな。」

      トコ

          トコ

                   ――エンディングは、未だ。

947溝呂木『レッドバッジ・オブ・カラッジ』:2015/12/20(日) 01:37:39
>>946

「ははは、ばいばーい」

ひらひら手を振って、道を曲がる。
ちなみに私立図書館と言ったがあれは嘘だ。というか誤字だ。
市立が正しいね。じゃなきゃ公務員じゃないし。

「…………アイドル、ねぇ」

僕からすれば、非日常。
彼女からしてみれば、きっと日常。
羨ましいような、そうでもないような。
名前も知らないお姫さま。みんなのかわいいお姫さま。

「……ま、なんでもいいか」

それでもやっぱり、僕にとっては『ゲームが好きなお嬢ちゃん』だし。
僕もまぁ、『図書館の不良職員』ってポジションに不満があるわけで無し。
お互いの間に『溝』があっても、対岸からボール投げてキャッチボールはできるしさ。
そんなことを考えながら、僕は商店街を歩くのでした、なんてね。

948鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/22(火) 23:44:30
代々薙精肉店。
店の隣にクリスマスツリーが置かれている。

そして…
店の前にはサンタコスをした女性がメガホンを持って宣伝している。

「えー、本日クリスマスキャンペーンを実施していまーす。
 チキンまるごとを格安の値段でお買い上げ頂けますよー。」
ちょっとやる気のなさそうな声である。

「えー、あと…
 本格派じゃなくていい人は手羽先の照り焼きのセットも付いてますよー。
 えー、皆さんお買い上げくださいー。」
と、声がメインストリートの商店街に響く。

949人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 18:50:03
>>948
「あら……………………『安売り』?」

通りがかりの女が、『鶫』の声に足を止めた。
栗色のふわふわしたロングヘアーが特徴的で、
クリーム色のコートに身を包んでいる。

寒がりなのか、毛糸のマフラーと手袋、ニット帽で『完全武装』したその姿は、
どこか『雪だるま』を思わせる。

「チキン……そうね、鶏肉も良いわねえ……
ごめんなさい、これ、おいくらかしら?」

『チキンまるごと』一羽を指し示し、店先の『鶫』に尋ねる。

950鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 20:52:41
>>949
「あ、いらっしゃーい。
 今日はとことん寒いですがぁ〜
 頑張ってうちも商売しますよ〜
 この時期はかなりお客さんが来るのでねー。」
と、軽く頭を下げながら人吉佐和子に目線を向けた。
サンタの衣装はミニスカ仕様のものであるため、どこか寒そうだ。

「えーっと…チキンマルごとでお買い上げいたします場合はー
 大きい奴は1200円、こっちの少し小さい方は1000円位になりますよー。」
指差した大きい鳥は中々まるまる太った奴のようだ。
サイズ的に見れば中々の安売りのようである。

「あ、ちなみに手羽は出来立てのやつが大体400円位のパックになってますー。」

951人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 22:02:32
>>950
「わあ…………この季節にそれは寒そうねえ」

鶫の足元に目をやり、思わず呟く。

「わたしも高校時代はそんな格好してたかしら…………
さすがにタイツは履いてたわね………………うう」

ブルルッ

「思い出したら寒くなってきちゃった」

「ええと……『一羽まるごと』で1000から1200円で……
大きい方は、ちょっと食べ切れなさそうねえ。
立派過ぎるわぁ……一緒に食べる人もいないし」

割と真剣に悩み始めた。

「手羽先なら400円…………あっ、これ、味付けはどうなってるのかしら。
照り焼きなら、甘さが強めだと良いんだけれど」

952鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 22:19:48
>>951
「まぁ、ウチもできれば家の中のこたつでゴロゴロしてぇところだけど…
 あ、したいところですがねぇー…
 シーズン的にこういうのは集客になるんですよー」
サンタコスは確かに好評なようだ。
…写真に収めようとする奴も居るっぽいが

「まぁ、とりあえずこれをすぐに終わらせればなんとかなるはずなので…
 お客さんもっと来てほしいなぁー。」
と周囲を見る。
どうやら周囲に居るのはお母さんらしきひとが多いようだ。

「まぁ、こういう丸鶏はご家族向けって感じですので…
 あ、手羽先の方をお求めですかぁー?」
そう言って手羽先のパックを手に取る

「あー、特にこの時期には甘辛いあじつけがこのまれてるから
 甘辛ダレを絡めた奴になってますよー。
 まぁ、塩もあるけど…買いますぅ?」

953人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 22:39:27
>>952
「『かきいれどき』だものねえ…………お店も大変ねえ」

意味が分かっているのか微妙なセリフを吐いた。

「でも『サンタさん』の格好、似合ってるわぁ……わたしが着たら、そうねえ」
「――サンタさんじゃなくて、『だるまさん』になっちゃう。うふふ」

冬に備え、若干『蓄え』を増した自分の身体を見て、言った。

「家族で焼き鳥……じゃない、ローストチキン、素敵ねえ。
わたしもいつか――今のところ、アテは無いけど」
「うん、そうね、『手羽先』にしようかしら。甘辛タレ……………」

ジュルリ

「あ、塩も一パック頂戴ねえ」

954鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 22:45:45
>>953
「まぁねー、
 忙しいのも大変なわけだし…
 人ではだいたい自分だし
 働かないと小遣い手に入らないし」
ちょっと小声でぐちぐちと言っている。

「この格好だと寒さもある程度我慢しなきゃいけないしねー。
 そのカッコだとどっちかというとひげの生えたサンタさんのほうが似合いそうだ。」
と、ジロジロと彼女の姿をよく見回す。

「まぁこっちとしてはローストチキンでも何でも、
 買っていただけると嬉しいですがねー」
と言いつつも手羽先のパックを2つ持った。

「まいどあり〜、
 えーっと塩と甘辛ダレ一パックずつでお買い上げですねー。」

955人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 23:17:39
>>954
「うんうん」
「分かるわあ……まあ、わたしはこの時期は
そんなに忙しくは無いけどねぇ」

愚痴に対して、何故か頷いている。

「うふふふ…………『おひげ』は『おひげ』でも、
わたしがつけるのは『泡のヒゲ』だけよ、なんちゃって」

そう言うと、『ジョッキ』を飲み干すジェスチャーを示した。
……今夜は(そしてきっと明日も)『独り酒』なのだろう。

「はぁ〜い……えっと、800円よねえ」

そう言うとゆっくりサイフを取り出し……
100円玉ばかり8枚、もたもたと出して差し出す。
相当に『マイペース』なしぐさだ。

956鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 23:24:07
>>955
「繁忙期ってやつかなぁ?
 こういう時期に暇なのは羨ましいもんだよ」
と、ウンウン頷きながら返す


「へぇー、つまり…
 アナタもこっちがイケル口ってわけ?
 フフフ、やっぱりクリスマスはそういう日じゃあないとねー。」
と言いつつ鶫も同じジェスチャーで応える。
彼女もまたお酒がいける口らしい。

「はぁーい、どうもどうも。
 まいどあり〜。」
そう言ってゆっくりと100円玉を八枚手に取る。
こっちはこっちで少し呪い動作で紙袋に
パック詰めの手羽先を詰め込んだ。

「ちょーどいただきました〜。」
そう言って営業スマイルで差し出した。

957人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/23(水) 23:41:10
>>956
「そうかしらぁ……まあ、そうねぇ。
でも春先は大忙しよぉ……だから『お花見』とは無縁ねぇ」

「あらぁ、あなたも?
うふふ、今度一緒にどうかしら、なんて」
「……わたしはすぐ潰れちゃうけどねぇ」

冗談めかして言って、朗らかに笑う。

「ありがとぉ…………ほんと、美味しそうな香りよねぇ」

紙袋を受け取り、はみ出した『照り焼き』の香りに目を細める。
そそくさと手に提げ、ルンルン気分で歩き出す……

パサッ

何か、コートのポケットから落ちた。『手帳』のようだ。
人吉は、気付いていない。

958鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/23(水) 23:46:27
>>957
「春にお仕事かぁ〜。
 いろんな仕事があるけど、
 お花見でお酒が飲めないのはちょっと寂しいかもねー」
と、のんきに返事を返す。

「あー、ウチは割と飲める方だから
 結構やれるんだけどねー。
 …まぁそのせいで迷惑かけてないか心配だけどねー、他の人に。」
と、軽く微笑みながら返す。

「どうもどうもー、今後ともご贔屓に…ん?」
そのまま彼女を見送ろうとした矢先…
 何か手帳が落ちたように見えた

「あ、ちょっと待って、
 何か落としてるよー。」
と、手帳を手にとって軽く振りながら呼びかけてみる。

959人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/24(木) 00:05:27
>>958
手帳には、手書きの崩れた文字で『Dream Diary』と書かれていた。
ファンシーな『羊』の落書きが、表紙に添えられている。

「あらっ」

背後からの声に、のんびりと振り返り、

「あら、あら」

そして鶫が手にした手帳を見て、慌てて歩み寄る。

「ごめんなさい、落としちゃったのねぇ。
うっかりしてたわぁ」
「拾ってくれて、ありがとう」

960鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/24(木) 00:14:12
>>959
(…何の手帳だろう?
 メルヘンだなぁ)
と、表紙を見て少し首を傾げる。

「あ、どうもどうも。
 落し物には気をつけたほうがいいと思うよぉ〜。」
と言って手渡そうとする。

「…一体何が書いてあるのかな…」
思わず声に出た。

961人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/24(木) 00:28:38
>>960
「は、はい〜。どうもすみませぇん」

妙に慌てた風で、手帳を受け取る。

>「…一体何が書いてあるのかな…」
「あらっ、ええと、その」
「うう、言えないわぁ、『21』にもなっていまだに
『夢日記』付け続けてるなんて……!」

などと口に出してから、うっかり言っちゃったことに気付いた。

「あっ、やっ、何でもないのぉ」

慌てながら、ばたばたと歩み去っていく。……動きはせわしなくても、歩くのは遅いが。
……その肩口から、『羊』のスタンドが『鶫』を見ていた。

962鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』:2015/12/24(木) 00:33:27
>>961
「夢日記…?
 悪く無いと思うけどなぁ、
 ウチは今朝の夢とか直ぐ様忘れちゃうけど」
と、頭を掻きながら応える。


「いや、別に問題ないよー。
 それじゃ改めてうちの肉屋をご贔屓に‥ん?」
手を振って見送った辺りで…

「スタンド…
 はぁ、ほんと多いんだなぁこの辺りは。」
と、スタンドに目線を向けてちょっと感慨深そうに答えた。

963人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』:2015/12/24(木) 00:45:19
>>962
『メヘェェェ』

目が合う。『羊』が鳴いた。
それに気付いたか、人吉が振り返る。

「そ、そうかしらぁ〜、悪くない……
そうね、おかしくないわよね、うんっ」

少し気恥ずかしそうに答え……
すぐにその表情が笑みに変わる。
『悪くない』という言葉が、よほど嬉しかったようだ。

「あのぉ、えっと……
また来るわ、お肉屋さん、またねぇ」

そう言って、はにかみながらひらひらと手を振り、
アーケードの中を歩いていった。

964ようこそ、名無しの世界へ…:2015/12/25(金) 00:19:13
ドヒュゥ
               ダンッ

荷物を背負った赤いコートの影が、屋根や壁の上を駆け抜けていく。

965立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 00:50:33
>>964
「……サンタ?」


買い物帰りだろうか、
ウサギとクマの絵が描かれたマイバック持った女の子が、
ふと、上を見上げ、小さく呟いた。


「サンタなんていない、と気づいたのは、さて、何歳頃だったか……」


と言いつつも、影の去っていったほうへ足を向ける。

966ようこそ、名無しの世界へ…:2015/12/25(金) 01:12:01
>>965
       キョロキョロ
ダンッ

                ズサー

時折足を止めて、周囲を見回しているようだ。
そして赤いコートの影は一軒の住宅の前に下り、チャイムを鳴らすと、その家の母親と思しき女性に背負っていた荷物の一つを手渡した。

ペコリ

頭を下げると、再び駆け出していく…速い。そしてジャンプ力も凄い。
時々足を止めて道を確認しているのと、住宅街の中を行ったり来たりしていなければ簡単に引き離されてしまいそうなほどだ。

              シャランラ…

再び足を止めて、周囲を見回す…赤いコート、太い金髪の三つ編み、何より目を引くのが、ピカピカに光る『ブーツ』だ。

967立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 01:26:05
>>966
「……あれは!? 見間違いではなかったか」


この女の子――少なくとも外見は小学生の少女――は、
妖怪や木の精霊などというものがいることを知っている。
で、あるのならば、サンタもいるのではないか?


「いやいや、サンタが赤いのは某企業の宣伝戦略によるものに過ぎない。
 フィンランドだったかには公認サンタも存在するが、
 世界中の子供達にプレゼントを配るなどといった超常的な存在ではない。
 あの赤いコートの人物も、トナカイもいなければソリもない。直接親にプレゼントを渡しているしな……
 確かに都会は入り組んでいるからソリじゃやりにくいだろうし、家に煙突のある家なんて数少ないが……」


そう思いつつも、なおもブツブツと否定しつつ、
赤コートの人物の方へ寄っていく。
その目的は、あれはサンタではない、という確信を得るためだ。

968ようこそ、名無しの世界へ…:2015/12/25(金) 01:55:39
>>967
いくつかの家を回り、背中の荷物がかなり減った頃…。
『赤コート』は住宅街の公園に。

カシュッ

「フー………」

ベンチに座ると、自販機で購入したホットココアで一息つき始めた。
赤いもこもこのコートの下は白いニットのセーター、ショートパンツに焦げ茶のストッキングを履いている。

…こうして見ると、(いわゆる一般的共通認識上の)サンタとは違う感じだ。

969立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 02:08:17
>>968
「結構経ってしまったな……なにやってんだ俺は……」


女の子は、子供用携帯で時間を確認し溜息を吐いた。
しかしここまで来てしまった以上、引き返すのも癪である。
というのは損切り出来ない人間の思考か。


「ふう……やっと地上に降りてきたか。
 あの格好……女か? それにそんなにサンタって感じでもないような……」


本人は別にサンタのつもりなどなかったのではないか?
少女が勝手にサンタ……の真似だと思って追いかけていただけなのかもしれない。
だとすると少女の独り相撲なのだろうか。いや、一方的に追いかけているのでその通りかも。


「おっと、隠れなければ……あっ」


よくよく考えれば別に隠れる必要も無い気がするが、追い掛け回していたことが後ろめたいのだろうか。
しかし買い物の荷物を持ったまま、空中を飛び回るサンタ(?)を追い掛け回したため、疲労していたようだ。
少女は特に何もない地面だというのに転んでしまう。


「ううっ……」

970ようこそ、名無しの世界へ…:2015/12/25(金) 02:48:34
>>969
「ダイジョブ、デスカ?」

転んだ立花に、ベンチから立ち上がり、駆け寄った『赤コート』が声をかける。
ややイントネーションは怪しいが、日本語だった。

「立てマスか?」

手を差し出した。赤いセルフレームの眼鏡にそばかす、やぼったい三つ編みのせいもあるが、地味な顔立ち。
ただ………ニットセーターを内側から突き上げる膨らみだけが、むやみやたらとセクシーだ。

971立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 02:58:43
>>970
「……」


転んだ少女は地面に伏せたまま電池の切れた玩具みたいに沈黙した。
動かないことで痛みを堪える策である。
しかしその隙に赤コートの女性が接近していたことに少女は気づかない。


「!」


声をかけられた少女は、後ろからいきなり撫でられた猫みたいに素早く顔をあげた。
ぱっちりとした目が、さらにまんまるに見開かれている。驚いているようだ。


「ああ。あ、ありがとうサンタさん……あ、いや……違くて、その」


少女は迷いつつも差し出された手をとるが、
心の中でサンタサンタ言っていたせいで、ついサンタと呼んでしまう。
慌てて否定しようとするが、言葉が出てこなかった。

972ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』:2015/12/25(金) 03:29:50
>>971
「フフ。そう呼ばれるの、なんだか嬉しいデスネ。
ワタシの故郷、フィンランドの隣デスし」

助け起こすと、服の汚れを払ってあげる。

「荷物、ダイジョブデスカ?ケーキとか、入っていなければイイのデスが………」

ちらりとマイバッグに視線を移した。

973立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/25(金) 03:40:32
>>972
「う……すいません」


素直に助け起こされると、
恥ずかしさからか顔を赤くした少女は、一言だけ小さく謝った。
学校で先生をお母さんと呼んでしまったような……という気持ちが近いだろうか?
……ちょっと違うかもしれない。


「あっ、そうだ」


その言葉に、ハッとバッグに目を向ける。
慌ててしゃがみ、中を覗いて数秒硬直した。


「だ、大丈夫……」


少し声が震えているが、大丈夫の範疇らしい。

974ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』:2015/12/26(土) 00:54:11
>>973
「オゥ……………」

思わず同情的な声が出た。
少し考えてから、ぽんと手を叩いた。

「チョト崩れたくらいなら、生クリームを買って、ナイフで一度崩れたクリームの部分を削いで、盛りなおす、いいデスよ。
家の人に手伝ってもらうと、一緒に作ってるみたいで、楽しいデス」

975立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/26(土) 01:13:05
>>974
「なるほど、あ、でもイチゴが……いや、これならまあ
 ……うん、大丈夫です」


少女は振り向き、そう繰り返した。
ニコラの助言に何か考えたようだが、やはり大丈夫だという結論に達したようだ。



「ええと、配達(?)の途中でしたよね。邪魔してしまってすいません」


少女は自分の膝を撫でながらそう言った。
冬ゆえの厚着で、肌が露出していないので擦り剥いてはいないが、ちょっと痛かったらしい。
それはそうと、その言葉は、建物の上を跳びまわる様子を見ていた。という告白も同義なのだが。

976ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』:2015/12/26(土) 02:59:09
>>975
「ダイジョブ、デスヨ。もうほとんど終わって、休憩していたところ、デスから。
それに、ケーキほどデリケートなものじゃないデスし……。

足、怪我ない、デス?あるけるマスか?」

病院まで連れて行った方がいいだろうか…。
心配しつつ、人差し指を立てて口元にやる。

「それでその…ナイショでお願いシマス。ワタシ、臨時の先生してるデスが、今日はそれとは別にアルバイトで…」

977立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/26(土) 03:13:56
>>976
(あ、見てたことを言ってしまった、が……気にしてないみたいだしいいか。
 『スタンド使い』だよな、多分)

「あ、ちょっと打っただけだから大丈夫ですよ」


少女はパッと膝から手を放すと、足の元気さをアピールするように
軽いキックを2〜3回繰り出した。


「先生なんですか……ええと、英語教師とか?
 公務員はバイト禁止っていうのは聞きますけど、臨時でもそうなんですね。
 別に誰にも言いませんよ」

978ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』:2015/12/26(土) 03:38:48
>>977
「それなら、よかったデス」

子供らしい元気アピールに笑顔になる。
…跳ね回っていたことよりも、むしろ『アルバイト』のほうを気にしているあたり、天然なのかも知れない。

「ありがとうデス。
秋映で……近くの学校で、美術の講師をしてるデス。臨時講師は常勤講師なので………アルバイトがOKなのは、非常勤講師のほう、デスね。

あ……」

ふと、何かに気づいて空を見上げる。ちらり、と、ひとひらの白いものが舞い、立花の肩に落ちて溶ける。

「…降ってきたデスね。早く帰って、ケーキを待ってる人、安心させてあげるいいデス。
遅くなりマシたけど…………メリークリスマス」

コートのポケットに押し込んでいた三角帽子を、むぎゅっと立花の頭に被せた…深く被せすぎて、前が見えないくらいに。

「ホー、ホー!!」

取ろうと四苦八苦して、やっと取れたころには…『赤コート』の影は、もう遠くの屋根の上、だった。

979立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/12/26(土) 03:53:34
>>978
「美術の先生でしたか」

(確かに。美術とか音楽とかって臨時ってイメージあるな……
 俺が中学高校の頃は普通に常勤の教師だったが……)

「ん? 雪か……」


落ちてくる雪に合わせて、てのひらを伸ばす。
手の中に落ちてきた雪は、かすかな冷たさと共に、一瞬で水に変わる。


(あの人はまだ帰ってないだろうけど……
 確かにそろそろ帰らなくてはな)

「あ、はい、メリークリスマぷっ!?」


返事を返そうとしたところに、視界をさえぎられる。
ここまで深く被せられるとなると、おそらく大人用の帽子なのだろう。
小学生の頭には大きすぎた。


「やっと取れた……ってもう行ってしまったか。
 この帽子は貰っていいのかな?」


赤い影を見送った少女は、白い息を吐いて帰路についた。

980葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/27(日) 04:09:40

新学期から高校生、葉鳥 穂風(はとりほふり)15歳。
そんな彼女は今何をしているのかというと。

        キョロ ・・・

              キョロ ・・・


(ゲーム屋さん……どこだろう。
  そもそもこの町にあるのかな……
   ゲームセンターとは、また違うんだよね。)

ゲーム屋を探しているのだ。
はた目にはキョロキョロしながら歩いているだけに見えるが。

            ・・・・片手には、スクールバッグ。

981小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 01:12:49
>>980

(……なにかしら彼女。)

遠くから葉鳥を眺めるものがいる。

(スクールバッグ……学生?学校で見た覚えは無いけど。)

一応図書委員。
カウンター業務中に見かけた顔から該当者を探す。
次に今までの学校生活。
いない。見た覚えが無い。
いや、全学年の生徒を記憶しているわけではない。
そういうこともあるだろう。

(あんまり挙動不審だと補導とかされかねないわね。)

(私には関係ないことだけど、困っていそうな人を見捨てると)

(どこかの誰かと同じになりそう。)

そう思い、小鍛治は葉鳥に近づく。

「あなた、なにしてるのかしら。」

982葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 01:22:05
>>981

「えっ、あ……」

      「あの、私……ですか?」

    キョトン

(な、なんだろう。
 何か怪しい事、してたかな……)

穂風には声を掛けられる心当たりが無かった。
穂風にとっては、しっかりした目的がある行動だから。

             ・・・・ともかく。

「あ、あの。
 ゲーム屋さんを、探してて。」

「この辺りに会ったような、気がするんです、けど……」

隠す事でもないし、穂風は聞いてみることにした。

983小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 01:27:11
>>982

「えぇ、あなた以外に私が声をかけている相手はいないわ。」

艶やかな黒髪を揺らす。

「ゲーム屋、そう。」

「……多分、知ってるわ場所を。」

あごに手をあて、しばらく思案した後小鍛治はそう言った。
心当たりがある。ここからそう遠くないところだ。

「案内しましょうか?」

984葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 01:32:01
>>983

「は、はい。そう、ですよね。」

         コク

    (なんだかクールな人、だな……)

頷く穂風。
実際、他にらしい人もいないのだ。

「あっ、ほ、本当ですかっ。
 あの、案内……お願いしても、その、いいですか?」

穂風は喜色を浮かべて、お願いする。

     (・・・・良い人、みたい。よかった。)

         少なくとも時間を割いてくれる程度には。

985小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 01:37:38
>>984

「嘘ついてどうするのよ。」

「いいわ。案内してあげる。私も散歩のついでだったし。」

そっけなく答える小鍛治。
さっさと歩き出した。着いて来るようにと態度が表している。

「あなた、随分嬉しそうだけど。」

「そんなに行きたかったのかしら。」

ゲーム屋へと至る道で小鍛治はそう質問した。

986葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 01:43:09
>>985

「あ、ありがとうございます!」

     ニコ‐

     「そ、そうですよね。えへ……
      嘘つく理由なんて、ないですね。」

         トトト    

小鍛冶の後ろを、離されないよう着いていく穂風。
スクールバッグは、しっかり握りしめる。

「あ、はい……
 実は困ったことに、なって。」

「ゲームの、ソフトだけ、もらってしまって。
 ハード……が、ないと、遊べない、から・……」

          ト ト ト

後ろを歩きながら、答える穂風。
そもそも望まぬプレゼントだが……まあ、どうせだ。
         
「それで、ゲーム屋さんを、探してて……」

             ・・・・そういうことだ。

987小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 01:50:45
>>986

「えぇ、そうよ。」

「嘘は信用も信頼も失うの。軽々しく口にするものでは無いわ。」

「うふふ。重々しく口にしても許さないけど。」

マイペースだ。
自分の理論。自分の哲学。
それを垂れ流しながら歩く。
相手が聞いているかなど気にしていないかのように。

「……お友達かなにかからのプレゼントかしら?」

「家族だったらどういうハード持っているか把握しているものですものね。」

疑問だ。
なぜ?持って無いハードを?

「着いたわよ。」

小鍛治が足を止める。
そこはゲーム屋の前だ。
内側からポスターをべたべたと貼っているせいで中の様子は分からない。
看板や店先に汚れている様子は無い。
きちんと客商売として気を遣っているのだろう。

「ところで何を貰ったのかしら?」

ゲーム屋の扉を開けながら小鍛治が問うた。

988葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 01:59:41
>>987

「…………は、はい。」

    (嘘はいけない……
      そう、だよね。悪い事だ。)

     コクリ

小鍛冶の言葉は、重く聞こえた。
穂風の首肯も、少しばかり、重々しい。


「あっ、ええと。
 あの……サンタさん、からの、プレゼントで。
 だから、持ってないって、知らなかったんだと……」

         モゴ

穂風は大きい。
サンタを信じる年ごろではない。

           ・・・・が、サンタなのだ。

「あ――ここ、ですか。」

ゲーム屋の前。
開けてもらったドアをくぐる。

(うわ……ゲーム、たくさん……!)

         キョロキョロ

――と、そこで問われた。

    ゴソ

「これ、を……」

『わがものガールズおしゃれロード』。
穂風が鞄から取り出したのは、そういうゲームだった。

      「お洒落がしたい、って、お願いしたら。 
       あの、このゲームがプレゼントされて……」

                  「……せっかく、なので。」

                      ・・・・微妙な顔をする穂風。

穂風の服装はあまり上等ではない。
妙につぎはぎな、黒いマントのような外套。
布を裂いたような、同じく黒いリボン。
スクールバッグだけが、ぴかぴかだ。

989小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 02:12:50
>>988

「うふふ。そう重くなくていいのよ。」

「あなたのゲーム屋に行きたいというのが、嘘じゃなければの話だけど。」

……

            ……

「サンタ。そう。いいわね。私のトコにはもう来ないのよ。」

「私は悪い子なのかしら?」

口元に手を当ててくすくすと笑っている。
冗談だろう。小鍛治自身、葉鳥が心からサンタを信じているとは思っていない。

「……随分とおかしなサンタさんね。」

「いえ、プレゼントをくれた相手を悪く言うつもりは無いのよ。ええ。
 でも……いえ、やめましょう。受け取り方、考え方は人それぞれですもの。」

おしゃれがしたいと言われたらどうするだろうか、と小鍛治は考える。

(服を贈るわね。)

随分と現代的なサンタさんだ。宅配便でプレゼントを配送してきそうなほど。

「それのハードはここよ。」

小鍛治は特に質問をせずハードが並べられたコーナーまで案内する。
黒いロングスカートが揺れる。
小鍛治は白いシャツの上に黒いカーディガンを羽織っていた。アクセサリーの類は見つからない。

「ところであなた、お金は持ってきているわよね?」

「いえ、あなたを疑っているわけじゃないのよ。でも、そういうのあるでしょう?」

「なにさせるついでになあなあで別の欲求を飲ませる人。」

葉鳥の服装からそういう連想をしたわけでは決して無い。
しかし、少し怪しんでいる。

990葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 02:21:02
>>989

「い、行きたいです。本当に。」

         コク

  ・・・・

         ・・・・

「あの、ええと……
 私も、そんなに、良い子じゃない、ですし。」

       モゴ  モゴ

       (……どうだろう?
        私、良い子なのかな……?)

胸は張れない。
けれど、自分が悪い事は、穂風は思わない。

「お金、高かった、から……
 良い子じゃなくても、くれるんだと思います。」

           コク

金で買ったサンタクロース。夢が無ければ、こんなものか。

        ト ト ト

(良いな、お洋服……)

ハードの前へ。

「高っ……」

思ったより、高かった。
件の靴下で、穂風のお金はそんなにない。

         「……あの、諦め、ます。
           お金、足りないみたい、だから。」

お金が足りないのだ。
そこまでしてほしいものでもないし、諦めは早い。

借りる――そんなことはしない。

††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† †††
あッ!でも他人にお金を貸すとかはダメよ!
††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† ††† †††

          ・・・・借りるのもダメだろう。
             従僕ではない、だが、助言は聞き入れる。

991小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 02:34:22
>>990

「お金?変な事を言うのね。」

「まぁ、いいわ。そういうこともあるわよね。」

噛みあっているのかいないのか分からないが、少なくとも小鍛治の中では会話になっているらしい。

「ええ高いわよ。今時のゲームなんてね。」

「私、あまりこういうのはしないけれど。」

ちらりと横目でハードたちを見るが、小鍛治はそこに価値を感じられない。
興味をあまり持てないでいた。

「そう。残念ね。」

「あれだけ楽しみにしていたのに可愛そう……だから私が―――なんて思わないわ。」

「私とあなたはついさっき会ったばかりだし。」

「いえ、たとえあなたが私の妹だったっとしても、お金で甘やかしたくは無いの。」

小鍛治は淡々と告げる。
もとより金を貸そうなどと言う思考は無い。
それは小鍛治にとって堕落の証明であるからだ。

「お金を貸すときはお金をあげると思って貸しなさい、そう言われたわ。」

「あげられないわ。あなたにも誰にも。」

少なくともそこまで信用できる相手が今の小鍛治にはいない。

「お金を稼ぐか親御さんにねだるかしなさい。」

「厳しいかもしれないけど、私が言えるのはそれだけよ。」

992葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/12/29(火) 02:44:13
>>991

穂風は元より、借りる気などない。
自立を是とする穂風には、そもそも金借りは気に合わない。

           キョトン


「……え、あ、は、はい。
 そう、ですよね。お金を貸すのは良くない、って。」

淡々とした釘刺しに、少しきょとんとして。

   「教えて、もらいました。
    だから、厳しくないと思います。
     ……あの。案内、ありがとうございました。」

       ペコリ

それから、小さく頭を下げる穂風。
そして――

 「では、また。」

       「……」

(素直に、お洋服ってお願いしてればなぁ……)

       トボ

            トボ

一つ穂風は失敗した。
けれど、これからまだ、時間はいくらでもある。 

           ・・・・背中をやや丸めて、店を去る。

993小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』:2015/12/29(火) 02:52:13
>>992

「ふうん。教えてもらったの。」

「いいじゃない。教えてくれた人を大切にするのよ。」

葉鳥を見送る小鍛治。
帰るのは小鍛治も同じだが、一緒に店を出ようとは思わなかった。

(……あの子、なんでスクールバッグだったのかしら。)

(聞きそびれたわ。)

別に何を買うわけでもない。
何の用も自分はこの店に無いのだ。

ぐるりと一周して見て回り、やはりここが自分の興味を引かない場所だと感じ、小鍛治は店を出る。

(……いたずらじゃなかったのよね。)

(少し、悪いことしたかしら。)

(今度会ったら謝ろうかしら。いえ……どんな言葉をかけるというの?)

(……)

心にもやがかかったような気分だ。
不思議な心持で小鍛治は帰っていった。


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