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【ミ】『黄金町の夕闇』 その2
447
:
『婚約期間』 ─5日目─
:2015/08/23(日) 23:26:53
>>444
(瀬良野)
「おまえさんのスタンドは、
『状況』と『金』さえ揃えば、たいていのコトは何とかなッちまう。
『イル・ソン・パティ』もそうだが、
連中に目をつけられたら、ガチで不味いほど危険な能力だ。
この病院での練習を打ち切ったのは、それもあるンだ」
「だから、誰かに見られるような状況で、
気軽に『過去』をいじッたりすンじゃねーゾ?
せッかくの『力』を、『無駄』にしねェためにもヨ」
瀬良野は金貨時計を取り出し、時間を見る。
病院に来てから、まだ15分たらずだ。
「馬鹿言え。
『ヨハネスブルグ』はすでにこの町を牛耳ってる。
防犯カメラの情報が、誰かの手に渡ってても何もおかしくねェ状況だ。
おまえらはとッくに『レジスタンス』側なんだよ」
「何処で顔を合わすかわからネェが、油断だけはすンな」
相変わらず飄々たる口ぶりで、だがしっかりと釘を刺された。
そして、瀬良野の考えた能力条件を告げる。
「ブ ブ────ッ」
『エルガマル』が、声真似で『ブザー』を鳴らした。
「──外れだな。
つーか、そんな条件なら、オレにだッて見当つくかヨ。
無闇な当てずッぽうは、自分を追い込むハメになるゼ?」
「・・・・ま、おまえさんはウィルらと違って、
最初にルンクスに会った場面を話でしか聞いてない。
『過去』も見れなかッたしな・・・・当てずッぽうもしョうがねェか」
>>445
(アウレア)
「ブ ブ────ッ」
外れのようだ。
「言ッたろ。
直接的な条件なんざ、オレにもわからねェ。
それこそ星の数ほど可能性があるからな。
ま、オレほどの男なら、『経験則』から絞れはすルが」
髭がググンと奮い立つも、
「本人と戦いもせずに、ンなもんわかるわけがネェ。
そんな無茶な問題は出さねェよ」
「オレの推理は、
『奴の体液をどう使ったか?』ッてこッた」
何のことはない。
アウレアの最初の想定でよかったらしい。
>>446
(ウィル)
「──ほう」
『ブザー』用に頬を膨らませていた『髭の男』が、瞠目する。
「ピンポンピンポン!
完全にじャあねーが、『正解』でいいだロ」
「そうだ──あの夜、おまえに話しかけてきた、
並苗の唾液・・・・それがおまえに付着し、
能力が発現したと、オレは見る」
「ただ、『花嫁』の体液でも・・・・てのは、懐疑的だネ。
それでいいなら、わざわざ『旦那』の血液を保存する必要がない。
おそらくはおまえさんに飛んだ唾も、旦那の『ソレ』だ」
「──思い出してみな。
お前らの目の前で、濃厚なのをカマしてたろ?」
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