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【ミ】『黄金町の夕闇』 その2

412アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2015/08/05(水) 17:35:43
>>410
「単に『素早いだけ』……?」

本当にそうだろうか。
単に素早いだけなら、こちらを始末する方法はいくらでもあったはず。
アウレアに関しては人並み以上に素早いので、相打つ可能性を警戒しただろう。
だが瀬良野に関しては速度も遅い。始末するタイミングならいくらでもあったはず。
何より此処までの移動でもやはり『死角』だ。

  (……いや)

そう考えて、自分の思考を振り払う。
今のは相手の弱点を読むための思考ではなかった。
『少しでも希望を見つける為に現実から目を背けているだけだ』。
相手が死角を選んで移動していたのは単なる偶然、あるいは最適解を選ぶため。
瀬良野を始末しなかったのは、下手に動いで後の先を取られないようにする為。
そう考えれば、今までの動きのすべてに必然性が生まれる。

(奴の手には『血液』……つまり、あれを首筋にでも刺されれば
 血液が即座に凝固して死んじまう……って訳だ。
 そりゃあ、わたしが無意識に『楽な方』に思考を逃がすのも仕方ないな)

客観的に自分の思考を分析できているのは、頭が冷えたからだ。
相手が素早い動きで移動することができると言うのであれば、
考えるべきは接近を許した上でどう動くか、
あるいはいかにして接近を許さないようにするか、ということ。

「……産婦人科、か。
 将来お世話になるかもしれない人相手にそうそう乱暴するわけにはいかねえな」

そう言って、『ラヴ・ランゲージ』の右拳を使い、床を『黄金化』。
握り拳ほどの『金塊』を作り出したい。
その間もアウレアは『看護婦』の観察は怠らない。

そして、思い返す。
『看護婦』の言う通り『単に速く動くだけ』の才能というのであれば
『バジ』のような瞬間移動とは違い、人並み程度に踏み込みはあったはず。
それとも、羽のように軽やかに移動していただろうか?


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