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【ミ】『黄金町の夕闇』 その2

410『婚約期間』 ─5日目─:2015/08/05(水) 01:07:14
>>406(ウィル)

「──方法は二つ。
 『直接的』なものと、『間接的』なものがあります」

謎めいた看護婦の返答を耳に、
ウィルは一歩、後ろに下がろうとする。

       ビス!
                   キィン!

背後と頭上で金属音が響いた瞬間、        ブ ン ッ !
看護婦の姿が──眼前から消滅した。
女のいた床に突き刺さる、瀬良野の『コイン』。

いや、『消えた』のではない・・・・
説明通り、そこに特殊な能力は存在しない。
ただ、とてつもなく『速い』のだ──
『ヴェノム&ファイヤ』の弾速にも匹敵するほどに!

           コ ツ

半歩下がった自身の背中に、温かな感触が触れる。
誰かの背中が当たったようだ・・・・・

それが誰の背中かを、ウィルは会話から知ることになる。

>>405>>409(瀬良野)
抑制の効いた、けれどきわめて挑発的に、
瀬良野は看護婦に声をかけ──同時に、『指弾』を発射する。

ウィルの死角に入った女の位置は、
本来なら天井での跳弾で狙える位置ではないが、
『アメイジング』の高精度な目は、『蛍光灯』の一角に、適切な角度を見出した。

       ビス!
                   キィン!

頭上から狙う奇襲だが、瀬良野はこれで決まったとは考えない。
おそらくは避けると考え、『次弾』をその手に発現する。
ウィルに対して、右か左か。どちらから出るか見極め、
出てきたところを狙う──つもりだったが。

             ブ ン ッ !

──看護婦の動きは、常識の域を超えていた。
『次弾』の発現より早く飛び出した白衣の影は、
目にも留まらぬほどの『神速』をもって、
ウィルの前面から背後へと、一瞬で回り込んでいた。

『コイン』を構えた時には、
すでに看護婦はウィルと背中合わせの位置。
その狙いは明らかだ──『弾』を外せば、ウィルに命中する。

「素晴らしい命中精度ですね。
 それに『コイン』を自在に作り出せる。
 死んだ人間を蘇らせることも出来る。
 それがあなたのスタンド──素敵です」

看護師が瀬良野を見つめ、饒舌に語る。
その瞳は、確かに何かの『熱』に浮かされた者のそれだ。
『狂信者』──
いや、もっと適切な、そして単純明快な言葉がある。

「私は、ただ『速い』だけ。
 とても速く動ける・・・・たったそれだけの才能です」

          ド  ド ド     ド ド ド  ド

「四人のスタンド使いを相手に勝てるなんて思いませんが、
 あの方が望まれるなら、全てを賭けて戦います。
 『看護師』としての技術と──」

     ス   
                   チュッ

ポケットから現れ出たのは、携帯用の『注射器』。
その先端から、色のついた液体が微量、噴き出される。
人目に触れぬためか、手は下に向けたままだ。

「──この『命』を使って」

>>407(アウレア)
エレベーター内の警備員に背を向け、
抜け目なく死角を潰しておくアウレア。

自身の前方に『ラヴ・ランゲージ』を構えさせ、
油断なく瀬良野の後方から、状況を把握する。

──故に、もっとも距離のあるアウレアが、
一番的確に、上記の状況を確認することが出来た。

死角に回り込む能力・・・・
スタンド的な発想をしたアウレアだが、
彼女の説明が真実なら、そうではない──
単純に『速い』・・・・それだけの『才能』のようだ。

女の取り出した右手の注射器には、赤黒い液体が入っている。
見えないほど細い針の先から、床に向かって液体が噴射される様は、
プロフェッショナルつぃての高い技量と自信を思わせた。
当然だろう──相手は『看護師』なのだ。

>ALL

「改めて自己紹介させていただきます。
 松前総合病院、産婦人科看護婦、『並苗 瑠衣』です。
 看護師歴は──『5年』です」


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