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【場】砂浜

1ZAKI:2015/01/01(木) 00:41:57

倉庫街の西、H湖の入口にほど近い砂浜地帯。
以前殺人事件が起きた『いわくつきの場所』だが、今は落ち着きを取り戻している。
シーズン中には海の家が栄え、沖では沈没船が静かに時を過ごす。
治安は悪くもなく、ランニングにやってくる一般人も多く見られるが、
『歩くスイカ』や『突然変異クラゲ』、『人を操る影』など不思議な情報も多く、
『黄金町のミステリースポット』と化しているきらいもある。


―┘          ┌┘
―┐ H湖     ┌┘   ┌┐   住  宅  街   
  │      ┌┘   .┌ ..│...      ‖
   ┐     │    ┌ ┌┘       ‖←メインストリート
   │    │   ┌  │         ‖
    ┐   │  ┌  ┌..       黄金原駅
     │  └─┘┌―      ┏ ━■■━ ━ ━
  ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛    ‖←ネオンストリート
       │      └―┐黄金港.. 繁 華 街  
       └┐   ┌――┘       倉庫街
 ─────┘   └◎―――――――――――

443久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/15(土) 22:44:29
>>442
《………もしやこの街………いや………》

惑いと迷いを滲ませ言いよどむ『像』をよそに、ぽんと手を叩く。

「…………何かこう、見た感じがと思ったんですけど…解りました!マリオですよマリオ!!」

きっとどこかに先が繋がっているのだろう。
そう考えると『いけなかった』と言うのもなんとなく話が通じる…。
(敵が強すぎてクリアできなかった、とか)

「…………」

正直中を覗いてみたい気はあるのだが、自前の腕力ではああして蓋を開けるのは厳しいかもしれない。
…いや、開いている今がチャンス…?

バサッ

敷いていたシートの端を掴んで大きく一度翻させる。丁度マジシャンが、そうしてマントの中から何かを出すみたいに。
ただし出てきたのはリンゴでも鳩でも万国旗でもない。

「と言うわけで、お願いしますっ」
「確かに、気になりますね」

『姫カット(ただし10歳くらい)』が重々しく頷く。
水着は花柄のワンピースタイプでパレオつきのものだ。

スーッ

『姫カット』は足音を殺して、穴に近づく。
限界一歩手前まで『濃度』を薄めた『傀儡』の肉体は非常に軽く、砂浜につく足跡も浅い。
尾行や偵察にはもってこい、だった。

444高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/15(土) 23:00:37
>>443
「…んー…
 あついなのー」
傀儡の足音に気づくことなく、少女は海の方をずっと見つめている。

「んー、もしかしたらうみのなかなら?
 つづいてるのかな、なの」
そう言ってのそのそと少女はマンホールの中から這い出して

「あ、しめとかないとなの」
そう言ってスタンドにきっちりとフタを閉めさせようとしている。
一応人並みの速さが、間に合わないか?

445久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/16(日) 00:19:31
>>444
「あっ…」

開けたら閉める。穴に誰かが落ちないようにするための当然のマナーだ。
間に合いそうにないが、これはどう考えても正しい行為である。

「………」

バッバッ

所在無げにこちらを振り向く『姫カット(10歳)』に野球よろしくサインを送る。

『話カケテ仲良クナレ』

うなづく『姫カット(10歳)』が、気を取り直して当たり障りなく問いかけた。

「……何をしているのですか?」

446高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/16(日) 00:30:37
>>445
「ふー、おなかすいたの」
軽くお腹を鳴らしてから、しばらく海の様子を見ていたリルカ。

と、後ろから誰かが声をかけてきたので
「んー?」
振り向いて首を傾げる。

「こんにちはーなの。」
こくり、と頭を下げる。

「え、なにしてるのって?
 ちょっと『じごく』にいってみようとおもってたの!」
…と、少女は笑顔で姫カット(10歳)に答えた。

447久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/16(日) 00:35:47
>>446
「こんにちは」

つられて『姫カット(10歳)』も頭を下げる。

「じ……『じごく』ですか」

さあ困った。
非常にフレキシブルかつ人間的に稼動する『傀儡』であっても、困るときは困る──そう、誰もが困るような時には。

「そのう、たぶん海には無いんじゃないでしょうか。ええと…そもそもなぜ、『じごく』に?」

見た目は10歳だが、その基幹にあるのは本体と変わらない。
とりあえず当たり障り無く、会話を続けてみることにした。

448高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/16(日) 00:39:00
>>447
「えーっ、うみにはないの?
 しらなかったの。」
随分と残念そうな表情である。
そんなに切望しているのだろうか?


「えーっと、いきたいのはなんでか、なの?」
そう言って少し下を指さして答える。

「おとーさんとおかーさんがいるからなの!」
笑顔で。

449久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/16(日) 01:42:15
>>448
「ま、まあ私も行ったことはないので、正確に表現するなら『あるかどうかわからない』、ですけど。
…………と言うか、この暑さはすでに『じごく』と言ってもいいのでは」

どうしたものか。
意図を計りかねつつ、当たり障りの無い話に終始する。

「そっ…そうですか……おとうさんとおかあさんが…」

バッバッ

後ろ手でサイン。

『難シイカモ知レマセン』
『ガンバレ ガンバレ』

横目で見た背後の返答に嘆息した。

「ま、まあでも、たぶん無理して今行かなくいても、いずれ行ける、と、思いますよ…はい」

450高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/16(日) 01:49:45
>>449
「んー?あるかわからないのに、あついかどうかはわかるのー?」
不思議そうな表情で答える。


「でもたしかにあつ〜いの。
 つめたいところのほうがすきかな、なの」
リルカの顔もどこか汗だくである。水不足の危険ありだ。

「そうだねなの〜。
 いつかいってみせるの!」
そう言って軽くVサインする。

「…ずっとあつくて、なんだかくらくらするの。」
ちょっと顔を抑えながらリルカは答えた。
マンホールの中の状態も気になったところだが、
ちょっと長時間いたら危ないのかもしれない。

451久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/17(月) 00:23:42
>>450
「そうぞう図みたいなのはありますからね。本とかにかいてあります。
………だいじょうぶですか?ねっちゅう症とかだっ水しょうじょうとか…………」

ガシッ

少し迷ってから、『姫カット(10歳)』はリルカの手を握る。

「だいじょうぶでなさそうですね…。
こっちにきて休んだほうがいいですよ」

その手を引いて、リルカをビーチパラソルの下に導いた。

「はい、どうぞ」

すかさず本体が、冷たい緑茶のカップを差し出す。

452高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/17(月) 00:31:17
>>451
「そうなのお?
 …ちょっとさがしてみる、なの」
そう言って軽く頷いて、

「うー…ありがとう、なの。
 のどかわいて、しょーがないなの」
どうやら軽く熱中症気味のようだ。
そのまま導かれるままにビーチパラソルの元へと向かう。

「あ、ありがとうなの。
 いただきます。」
緑茶のカップを手に取ると、すぐにごくごくと喉を鳴らしながら飲み始める。

「うー、つめたくておいしいー、のー!
 おかわり、なの!」
あっという間に飲み干して、おかわりまで要求している。
よほど喉が渇いていたのだろうか

453久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/17(月) 01:02:14
>>452
「今年は暑いですから……特にこういう所に来る場合、飲み物は用意しておいたほうがいいですね」

二杯目を差し出した。

「次はゆっくり飲みながら、、飲んだお茶が身体に染み込んでいくのをイメージしてください。
結構、違うはずですよっ」

454高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/17(月) 01:10:15
>>453
「そっかーなの、
 こういうときはがまんじゃだめなんだなの。
 また、おしえてもらったのどぎゃくのことなのー」
不思議そうな顔をしながら二杯目を手に取る。

「んー、こんどはゆっくり…」
少し不思議に思いながら、リルカはゆっくりとお茶を口に運んでいく
そして…できるかぎり体に染みこんでいくようなイメージを自分の頭をフル活用させて想像する。

「…ふはぁー。」
どうやらいい感じのようだ。先程よりも表情がずっと穏やかである。
「おいしー・・・」

455久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/17(月) 21:02:04
>>454
「ふふふ…………良かったら、傘の下に入りませんか?」

ビーチパラソルの陰、シートの端を軽く叩く。

「鉢植えに水をやる時も、一気にやると水は鉢の底の穴から出て行ってしまいます。
けど、ゆっくり水をかけてやれば、しっかり土と根が水をキャッチしてくれる…人間の体も同じですよっ。

それはそれとして、『地獄』ですか………よかったらその辺りのお話、もう少し詳しく聞いてもいいですか?」

まるで二人の会話を全部知っているかのように問いかけた。
その時ふと、リルカは気がつく…さっきの『姫カット』の子が、どこにもいない。
本当についさっきまで、そこに居たのに。手にはまだその、握っていた感触が微かに残っているのに──

456高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/17(月) 21:19:14
>>455
「はいるの、はいるのー!」
どうやら喜んで入るつもりのようだ。

「へー…よくわからないけど、
 ゆっくりのんでたほうが、いいんだね、なの。」
またゆっくりとお茶を飲んでみる…
しばらくそうしていると。

「…あれー?さっきのひとはどこなの?
 どこにもいないの。」
急に心配そうな顔をして答える。さっきの姫カットの少女の姿は見えない。
たしかにそこに居た感触はあるのだが…

「んー?『じごく』がなんなのかきいてみたいなの?
 でも、おぢさんとおばさんに『おとーさんとおかーさんはそこにいる』ってことしかきいてないから
 よくわかんないの!」
まるで彼女は何でもないといった感じで答えている。
よく見れば少女は右目を前髪を垂らしている。
…よく見れば少女の体のあちこちに怪我のようなものがある。

457久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/17(月) 21:58:35
>>456
「彼女はちょっとその…まあ色々ありまして。
そのうちまた出てきますよ」

リルカをあやしながら話を聞く……。
どうやら思った以上に難しいお話に首を突っ込んでしまったようだ。

「……『地獄』に関して言えば、微妙に私は専門外なんですけど…。
まずそれ以前に、本当に『地獄』にお父様とお母様が居られるのかどうか、が問題ですね。
私が知ってる意味での『地獄』は基本的に、一度行ったら戻ってこれません。
行った後になって間違ってました、実は別のところに居ます、ってなってしまったら、それこそ二度と会えませんよ。

だからとりあえず、『地獄』については一度横に置いておきませんか?」

458高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/17(月) 22:04:06
>>457
「へー、そうなんだ。なの。
 じゃあまっててもだいじょうぶだね、なの。」
あっさりと、彼女が消えたことを受け入れてしまっている。
気にしてないのだろうか。

「…うーん、そうなの?
 でも、ふたりとも、なんでもしってるっていってたのになの…
 …うーん、よこにおいとく…なの?」
どうにも、妙なことを教えこまれていそうだ。
だが、縁組さんの言葉は素直に聞いて、不思議そうな顔をしながら
横に置く、という動作を考える。

「むずかしーなの…。」
ちょっとしょんぼりしているようだ。

459久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/20(木) 00:19:04
>>458
「何でも知ってることと、本当のことを言っているかどうかは別ですよ?単純に『勘違い』してる可能性もありますし」

言葉を選びながら、リルカを諭してみる。

「何せ物凄く遠いですからね…一度行ったら帰れないくらい。
そんな場所に、うっかり間違えて行っちゃったら困るんじゃないですか?

まあ、一番良いのは誰かに調べてもらう事ですけど…私の知り合いに、調べ物の得意な人は…誰がいましたっけ…………」

記憶を探る……確か、『探偵』を名乗っていた人が……居たはずだ。
名前は聞いていただろうか。顔は思い出せるが……。

「あ、よかったらお昼、一緒にどうですか?」

ランチボックスを開ける。中身はサンドイッチだ。
みりんを混ぜて甘みをつけたフレッシュマヨネーズを塗って、塩麹で軽く漬けたキュウリを挟んだサンドイッチ。
生クリームを塗って、小さく刻んだ桜桃とマンゴーのサンドイッチ。
からしマヨネーズと、焼いたベーコン、チーズ、レタスたっぷりのサンドイッチ。
三種類のサンドイッチが、ケースの中に行儀よく整列している。

460高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/20(木) 00:28:03
>>459
「むー…かんちがい…
 おとなでもわからないことってあるの?」
ちょっと納得行かなそうな顔だが、嫌というわけではないようだ。

「えー、いちどいったらかえれないの?
 …それはちょっといやだけどなの…
 うーん、どうしようかな、なの。
 …だれかにおしえてもらおうかななのー。」
ものすごく遠い、そう聞いて困った顔になったようだ。

が、そこで
「…あっ、おいしそうなの!
 じゃー、いまはごはんのほうがいいかな、なの!」
そう言ってサンドイッチを見回して
…一つ手にとって見る。桃とマンゴーのサンドイッチだ。

ぱく ぱく
「んん!?なんなのこれなの!
 すっごくおいしいの!」
今までにないくらいに驚いた表情でサンドイッチをむしゃむしゃしている。
かなり感激しているらしい。

461久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/20(木) 00:57:06
>>460
「いっぱいありますよ!?
むしろ解らないことだらけですねっ。

折角知り合ったのも何かの『縁』ですし、探偵さん探すの、手伝ってあげましょうか?」

有料で、と言い掛けて口を抑えて噤む。

「んふふ、ありがとうございます。
と言っても普通にマヨネのかわりに生クリームを…ちょっとだけクリームチーズを混ぜて塗って、挟んだだけですけど」

ランチボックスは4人前は入っていそうな量なので、リルカがパクモグしても全く問題なかった。

462高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/20(木) 01:04:35
>>461
「そうなのー?
 おとなになってもわかんないこといっぱいなんだねなのー。」

「…おねがいします、なの。
 そのたんてーさんってひとが、なんとかしてくれるならなのー。」
ペコリ、と頭を下げて答える。

「とってもとってもおいしいなのー!
 なんだか、ぜんぶたべたいくらいなの」
パクパク
       モグモグ
「あ、おみそはないのかな、なの。
 わたしねー。おみそがだいすきなの!」
ふと、手を止めて不思議そうな顔で答えた。

463久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/20(木) 01:24:18
>>462
「だから面白いんですよ。
解らないから知りたくなる、出来ないからやりたくなる、届かないから進みたい……。
人生はその繰り返し、ですねっ。

んふふ、いいんですよ。私も私で腕のいい探偵さんとはそろそろ仲良くなっておきたかったですから」

ニヤリ

「そうなると、連絡をとる手段が欲しいですね…むむむ」

考え込んでいる間に、みるみるサンドイッチは減っていくが、大して気にしていない。

「味噌ですか!?
さすがにサンドイッチに味噌を合わせるという発想は…ごめんなさい。
もし作るなら………味噌カツサンド…?ゴマと味噌と辛子で……………刻みキャベツと…」

今度は新たなレシピに没頭し始めた。

464高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/20(木) 01:28:42
>>463
「ふーん…わからないから…
 なんだかわかるなのー。
 わたしも、わからないことがどんどんわかりたいっておもってるからなのー。」
彼女の言葉に強く同調を示す。
彼女もまた何かを知りたがる人間なのだろうか。

「もぐもぐもぐ…」
彼女の考えこんでいるのを尻目に、どんどんサンドイッチを減らしていく。

「しらないなのー?おみそをつけたらなんでもおいしいの!」
ジャンキーとしか思えない話しぶりで答える。
「あたらしいのができたら、たべさせてねなのー。」

465久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/21(金) 23:55:19
>>464
「ありがとうございます。
それだけ、美味しそうに食べてもらえると、作ってよかったって思えますから…」

自分は後でどこかの海の家でラーメンでも食べよう。

「いいですよ。
私のおうちは───『御蔵神社』、と言って解りますか?」

466高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/22(土) 00:05:39
>>465
「ふー、どれもおいしかったもん、なの。
 おりょうり、てんさいなのかもしれないの!」
べた褒めである。
普段は何を食べているのか分からないが大感激である。

「…えっと、じんじゃ…
 おやまにあるところ?
 そこにいったら、たべさせてもらえるのかなの?」
ちょっと自信なさそうに答える。

467久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/22(土) 00:27:37
>>466
「いやあ、そこまで言われると流石に面映いですねっ」

照れながらもじもじした。

「湖のほとり、と言ったほうが近いでしょうか。
ここに、こんな風に……」

砂浜に指先で地図を描いて、説明をする。

468高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/22(土) 00:31:08
>>467
「えへへー、まいにちたべたいなのー。」
と、嬉しそうに答えた。よだれもたらしている。

「ふむふむ…ここは…
 なるほど〜なの。」
じっと砂浜に描かれた地図を見つめて、
納得したように頷く。

「そこのあたりはよくしってるなのー。
 たまにきてるからなの。」
どうやらある程度知っている道のようだ。
ならば迷う心配もないだろう。

469久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/22(土) 23:56:08
>>468
涎をタオルで拭いてやる。気分はお母さん。

「ちょっと遠いので、バスか何か使うといいかも知れませんねっ。
………それはそれとして」

少し、いやだいぶ……迷って、考えてから問いかける。

「その…………ええと、随分お怪我をなさってるみたいですけど…」

470高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/23(日) 00:26:10
>>469
「ばす…うーん
 どうしようかな、なの。
 ちょっとしかもってないけどなの…」
どうやらお金もあんまりないらしい。
心配気味の表情だ。

「んー?このけが?」
ふと、思い出したように体を見回す。
よく見れば彼女の両手の中指には『ドリルのような螺旋』の刺青が彫られている。

「えーっと、
 おうちでよくあったんだなのー!
 いたいのへーきになったらごほーびもらえるってなの!」
とっても笑顔で答えた。

471久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/23(日) 00:55:26
>>470
「むむむ………」

最近は物騒だ。  スタンド
どうやらこの子、『守護霊』憑きのようではあるが、それはそれで別種の災いを齎す。
簡単に誘ってよいものかどうか…。

「……………??
済みません、ちょっと良くわからないですね…『痛いの』ってなんですか?『ご褒美』は誰が?」

472高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/23(日) 00:58:13
>>471
「えーっと、こう、ばっしーんって!
 それがいたいの、だとおもうの!」
そう言って自分の右腕を大きく振って、ちょうど叩くような仕草を見せた。

「おじさんとおばさんなの。
 でもいまはじーっとしてるから、なんにもないけどなの…
 おうちにもかえってないから、いまどーなってるのかもわからないの」

473久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/23(日) 01:39:15
>>472
「……………………」

超弩級の爆弾発言に、思わず額を押さえる。
あの食欲も、ふらつき具合も得心が行った。単に不足していたのだ───何もかも。

順当に行けば、付き添って『おじさんとおばさん』のところに届けるべきだろう。
もうちょっと気を配るなら、警察に連れて行き、良い扱いを受けていないことをきちんと通報するべきだろう。
同情するのは簡単だが、犬猫やカラスやしゃべるスイカの面倒を見るのとは訳が違うのだ。

さりとて、そうなんですかー大変ですねーで済ませれないほど、『縁』は持ってしまった。どうしたものか…。

「それじゃあその…………寝るときは何時の、あのフタの中で?」

474高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/23(日) 01:52:29
>>473
「…へんなこといっちゃったかなの?」
当の本人はわかってなさそうだ。
そこがなかなか厄介だろう。

「ねるときは…
 うーん、あそこだとねるのむずかしいんだけど…
 ちょっとだけとまらせてくれるところもあるんだよなの。」
そう言って軽く微笑んだ。
多分、野宿している人向けの宿などが有るのだろうが…
それでも毎日要られるわけではない。おそらくはフタの中で寝ようと試みたことも有るのだろう。

「でも、あつくてたいへんなのー…
 どこかにいかないとなの…」

475久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/23(日) 23:37:03
>>474
「いえ、気にしないでください。大丈夫ですよ」

微苦笑する。

「大変でしたね。特にここ最近は残暑も厳しいですし…。
………もうちょっとどこかこう、快適に過ごせる場所が………あ」

ぽん、と手を叩いた。
あそこなら…可能性はあるかも知れない。
勿論これは応急処置であり、いずれ根本的な解決は別途図らなければならないだろうが。

「一つ、宛てがあります。今から私と一緒に行って、ちょっとお願いしてみませんか?」

476高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/23(日) 23:45:48
>>475
「そっかー、ならいいのー」
どうやら安心したらしい。

「そうなの…
 ごはんはおかねがあるからたべられたんだけどなの…
 ん?」
ふと、心配そうだった顔を上げて首を傾げた。

「ちょうどいいところがあるなの?
 うれしいの!いってみようなの!」
大きく頷いて答える。

477久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/23(日) 23:52:55
>>476
「決まり、ですね。
ところでまだお腹減ってますか?」

サンドイッチもあらかた食べつくしたリルカに、緑茶を注いだカップを差し出す。

「もしまだ足りないなら何か食べに行きましょう。
まあ…私の手料理より美味しいお店は、そうそうないですけどねっ」

478高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/23(日) 23:59:44
>>477
「ん?うーん…
 いまはもうおなかいっぱいだとおもう、の。」
どうやらほとんどのサンドイッチを食い尽くしてしまったらしい。
よほど飢えていたのだろうか、あるいは元から大食らいなのだろうか…

とりあえず緑茶を入れたカップを手にとってごくごくと飲み干した後
「あまいのも、おいしいのもあったから、
 ちょっとまんぞく、なのかなのー。」
とりあえずは、満足しているらしい。

479久々宮 縁組『ザ・プレイヤー』:2015/08/24(月) 00:43:53
>>478
「解りました、それじゃ………」

おもむろに立ち上がる。

「泳ぎましょう!海に来たのに遊ばないのは損ですよ!」

480高井戸リルカ『アングラガルド』:2015/08/24(月) 00:46:58
>>479
「わーい!」
リルカはすぐさま彼女の提案に乗る。

「わかったの!
 いーっぱいおよごなのー!」
そう言って彼女とともに、元気に泳ぎ出すのであった。

結構泳ぎは速かったようだ…

481イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/27(木) 00:01:39

海である。
そろそろ日も傾きはじめ、観光客は引き上げるような時間帯。
ざざん、ざざんと波が寄せては引き、海鳥の鳴き声がどこか空しく響く。

「夏もそろそろ終わりか……」

そして、少女が一人。
パーマのかかった紺色のショートカット。顔立ちからするに、外国人だろう。
童顔ではあるが、その実既に成人を果たした大学生だったりする。
そんな少女が、砂浜でどこか遠い目をしながら――――


「それにつけてもあのクソガキども人の事埋めたまま帰りやがってぜってぇ許さねぇ」


――――砂に埋まっていた。

……よくある、寝ている人の上に砂を乗せて、首だけ出して砂風呂にする奴だ。
お腹の上には砂で富士山が作られていた。無駄に気合いの入ったクオリティであった。
ともあれ、要するに砂に埋まって動けないのである。
土はパンパンに固められ、しかも結構量が多いので抜け出そうにも抜け出せない。つらい。

482イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/27(木) 23:16:43

  「ぐおおおおっ」

      「で、出れねぇ! マジで出れねぇ!」

    「だ、誰か助けてくれェーッ!!」

483鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/27(木) 23:40:12
>>481-482
      ザバァ

   ザッ
         ザッ
     ザッ




ふと、もがくイザベルの視界に影が落ち、続いてボタボタと生ぬるい液体が顔に降りかかった。

「………………」

頭上に視線を向ければ、ずぶ濡れの大男が無言で見下ろしてきているのが分かるだろう。
蓬髪の上に中折れ帽を乗せ、カーキのスーツに身を包み、無精髭は伸び放題。
そして、イザベルに向けられる、艶のない淡褐色の瞳。
青ざめた無表情で、どうにも不気味な雰囲気を醸し出している。

484イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/27(木) 23:51:32
>>483

     ジタ
   「うおおおっ」
        バタ
               ポタタッ

       「ぅえッ……な、なんだぁ?」

顔に降りかかる液体に顔をしかめ、動きを止める。
視線を上に。
陽光を遮る、スーツの大男。
……しかもなぜかずぶ濡れの。

     「…………………………」

…………沈黙。
しばし、視線が交差して。

          「………………………………」

      「………………助けてくれねェ?」

怪しさとかそういう事情より、とりあえずこの状況から抜け出したいという意志が勝った。

485鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/28(金) 00:21:20
>>484
「…………………………………」

イザベルへの返答はない。
無言のまま、帽子を手に取って、表情を隠すように顔にあてがう。



                             ブルブルブル


――――その肩は何かを堪えるように震えている。

「く、くくく、うひっ」

というか、明らかに笑い声が漏れ聞こえてきた。

     「ぶひゃはははははははははははははははははははははは!!!!」

しまいには、大口を開けて笑い転げ始める。
その姿、少なくとも先程までの不穏当な空気は払拭されているだろう。
代わりに、大の大人が助けを求める少女を笑いものにしている、最低の状況が出現しているが。

486イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/28(金) 00:35:55
>>485

「あっ、てめっ」

カチンと来た。

「何笑ってんだテメェオラァーッ!
 調子くれてんじゃねぇぞオラァーッ!
 みせもんじゃねぇぞオラァーッ! わかってんのかオラァーッ!」

首だけをジタバタと動かし、憤怒の形相で喚いている!
……が、首だけしか動かないので結局出れないし何もできない!

   「このヤロー! オラー!」

出れない。

          「……オラー!」

出れない。

             「…………おらー」

出れない。

                「……………おらぁちくしょー」

……ちょっと泣けてきた。

487鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/28(金) 00:52:46
>>486
「うひひ……いやァ、悪い悪い。
 ついさっき、あっちの方で酷い目にあってさ」

顎をしゃくって、『倉庫街』の方向を示す。

「這々の体で逃げ出した所に、こんな面白ぇオブジェがあったもんだからよ。
 一気に和んじまって……オイオイ泣いちゃった? マジごめんって」

謝罪の言葉を投げかけるが、その口角はニンマリと上がっていた。
 
「そんで、助けりゃいいのか?
 けど、これ崩しちまうの勿体無えなァ。
 立派なゲージュツじゃん」

イザベルの横に回り込み、富士山をポンポンと叩きながら、軽口も叩く。
見た目の厳つさに比べて、中身はひたすら軽く出来ているらしい。

488イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/28(金) 01:08:48
>>487

「ぐすっ……泣いてねェよおらぁ。
 笑ってんじゃねェぞおらぁー」

ちょっと泣いてた。
めちゃくちゃみじめであった。少なくとも当人的には。
まぁ当人でなくてもみじめだと思う光景だろうが。

「……まぁアタシも立派なもんだと思うけどよォー。
 でも動けねぇんだよォー。
 時間が経てば潮が満ちて、海水で砂も崩れるだろけどよォー。
 そしたらアタシはあと何時間こうしてりゃいいんだよちくしょォー!」

その場合、数時間はこのままの計算であった。

「もうなんでもいいから助けてくれよ……」

489鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/28(金) 01:29:22
>>488
「おう、任せろ!」

ドンッ、と胸を叩き、砂の富士を崩す作業に入る。
そして――――



「あー……もう無理、駄目だわ。
 腕に力入んないもん」

8合目辺りで力尽きた。
まだまだ、富士の重みはイザベルにのしかかっている……

490イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/28(金) 01:48:58
>>489

「諦めんのはえーよ!」

イザベルは突然(でもないが)キレた……。
こっちは色々必死なのだ。温度差がひどいが。

「もうちょっと頑張れや!
 つーかバカ正直に山から崩さなくてもいいだろ!?」

足とか胸とかから崩せや! とかなんとか喚きつつ。

「おら応援してやるから!
 がんばれ! がんばれ!
 やれるぞー! お前なら絶対やれるぞー!」

491鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/28(金) 02:14:20
>>490
「へへ……そこに山があったから、つい、な」

パチリとウインクが送られる。

「しかし、真面目な話、もう他の箇所から崩す体力も無いわ。
 ……だがまァ、安心しろや。
 声援に応えて、助けるのはちゃんとやっから」

言いつつ、ふらふらと、覚束ない足取りでイザベルから離れていく。

「あー、周りに人目は、無しと。
 一応警戒はしとくとして……」

忙しなく辺りを見回し、ぶつぶつと呟きながらスーツの懐を探るその姿。
控えめに言っても不審者だった。
そしてその不審者が懐を探る手に持つ物。
イザベルには、鉤葛がジャケットの陰で、銃把のような何かを握っているのが見える筈だ。

492イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/28(金) 02:37:49
>>491

「登山家か!
 ……いや登山家は山崩さねェな! バカか!」

もっとも、状況のバカさ加減的にイザベルも人の事はあんまり言えないのだが。

「どんだけ体力ねェんだテメェ。
 ああいや、なんか逃げてきたとか言ってたっけか……?

      「……あっ、おい、だいじょぶかお前フラついてんぞ」

呆れたような顔をして、しかしすぐに表情は相手の体調を慮るものに変わった。
距離を取る鉤葛に心配そうな視線を向ける。
というかそれしかできないのだがそれはそれだ。
が。

   (あ……? 人でも呼ぶのか?
    いや、あれは…………)

      (――――オイオイオイオイ、銃じゃねぇかアレ!?
       二ホンで『銃』ってなんだよ! ここはバルセロナのスラムじゃねェんだぞ!?)

  (ちげェよな! 水鉄砲とかだよな!
   あるいは拳銃型のケータイとかよ! そういう趣味の悪いもんなんだろ!? な!?)

状況がマズくなってきた気がした。
いや、そりゃ、いきなり銃把っぽいものが見えたらビビる。
しかも人気の無い状況で、自分は動けなくて。
ハラハラドキドキのスリルとサスペンス、どころの騒ぎではない。

     (でもアイツさっき『倉庫街から這う這うの体で逃げてきた』とか言ってたよなァァァーーーッ!
      もしかするともしかするんじゃねぇかこれ!?
      いやでもアタシ撃たれる理由ねェけど! なんで今銃だよ!)

493鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/28(金) 23:08:30
>>492
    『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』

鉤葛が懐から引き出した、片手に収まるサイズのソレ。
イザベルにとっては一安心というべきか?
拳銃ではなく、ちょうど拳銃の銃把だけが独立したような形状だった。
『引き金』の上には銃身が存在せず、代わりに『リモコン』の発信部のようなものがついている。

「さて、いっちょ派手にやるとして……。
 ん〜、目とか口とか閉じといた方がいいかもな。
 なァに、ほんのちょっとばかし、一瞬で済むからよ」

問題は……ジョークグッズのようなソレで、この男が一体何をするつもりなのかという事だろうが。
砂山を見つめ、『リモコン』の『引き金』に指を掛けるその姿は、奇妙な自信を湛えている。

                          「それじゃ、行くぜ? サン、にぃ〜、イーチ!」

494イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/28(金) 23:27:10
>>493

  (銃…………じゃ、ねぇ!)

「……おいなんだそれ」

銃ではなくて一安心、だが、逆に意味不明でそれはそれで不安が募る。
パッと見た感じ玩具のようだが、本人はなにやらやる気だし……

「あ?
 ……まぁ別にいいけど、あんま危ねェことすんなよ……?」

とりあえず、素直に目と口を閉じる。
瞼を閉じて……ああでも不安になってきた。
派手にやるってなんだよ。
爆発か。爆発でもするのか。

    (……………あっ、まっ、まさかこいつ『メン・イン・ブラック』――――!?)

多分それは違う。

495鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/28(金) 23:49:57
>>494
「いやいや、大丈夫、大丈夫、ダイジョーブだって!」

どうにも適当な感じで詰問を流していく。
そして、


――――ドグォン!!
               「オゲエッ!?」

瞼を閉じて幾許か、不安を募らせるイザベルの耳に爆音が届く(ついでに誰かの悲鳴も)。
砂の富士山から聞こえてきたのは、間違いなく期待通りの『爆発』音だった。
同時に、パラパラと砂粒が顔に落ちる感触があり、身体にのしかかっていた重みも消えている事だろう。

496イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/29(土) 00:03:05
>>495

>――――ドグォン!!
>               「オゲエッ!?」


      「!?」


期待はしてないッ!
そりゃ『予測』とかはしたが、断じて『期待』はしてない……が、それどころじゃなくほんとに爆発した――――!?

    「―――――ッ!
     お、おい、なんか悲鳴聞こえたが、大丈夫か……!?」

爆音でダメージを受けた鼓膜を庇い、耳を押さえながら目を開けて、おぼつかない足取りでどうにか立ち上がろうとする。
身体にかかっていた重みはもうない。
さっきまでがウソみたいに、立ち上がるのは簡単で……

         「……うっ立ちくらみ」

それはそれとして立ちくらみを起こしてフラフラとしゃがみこんだ。
そりゃずっと寝そべって上に土とか乗っかってたんだから、血の巡りとか悪くなって当然なのだ。
ともあれ視線は鉤葛がいた方に向けたままで、さてどうなった……?

497鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/29(土) 00:23:06
>>496
少し離れた所で、顔面を砂まみれにしてぶっ倒れている。

「ううううう……」

うめき声を上げているので、一応無事ではあるらしい。
足元には崩れかけた砂山の一部だったものが落ちており、その塊を顔面で受け止めたようだ。
ついでに辺りを見れば、富士山があった場所。
イザベルの半径1mの砂が、爆心地のように抉り取られているのが見て取れる。

「あの砂山、随分としっかり固められてたらしいな、オイ。
 思った以上に威力が出た……作者はああいうアートの本職かよ。
 ――っと、ホレ。そっちこそ大丈夫か?」

身体についた砂を払いながら立ち上がり、しゃがみこんだイザベルに手を差し出す。

498イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/29(土) 00:47:56
>>497

「ぐおお結構大惨事じゃねぇか……?」

頭を片手で抑えながら、周囲を見渡す。
まさかのクレーター状態だ。
……なんでこれで自分が無事だったのか疑問が残る。こええよ。

「あー……クソッ、クラクラする……。
 作者はガキだったけどなァ……やたら手際よかったけどよ……」

    「っと、悪ィな」

差し出された手を掴んで、どうにか立ち上がった。
元々泳いでいて湿っていたのか、白い肌には砂が張り付いている。
立ち上がっても身長は140cmを少し超える程度で、かなり小柄と言えるだろう。
……が、スタイルはかなりいい。バストもヒップも豊満で、ウェストは華奢だ。
装いは当然の如く水着。大胆なビキニスタイルで、その柄は赤、黄色、赤のボーダー……
――――否、その豊かな右胸に燦然と輝く『国章』――――こいつ、『国旗ビキニ使い』だッ!
このビキニそのものがッ! スペインの国旗を描いているッ!

      「助かったよ、ありがとな。
       ……しかし今の……なぁお前、やっぱその……『メン・イン・ブラック』なのか?」

ともあれイザベルも体についた砂を払いつつ、どこか期待を込めたまなざしで問いかけた。

499鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/29(土) 01:08:00
>>498
「むっ……」

問いかけに反応したように、掴んだ手にギュッと力が篭もった。

  「……『メン・イン・ブラック』ぅ〜〜?
   何言ってんだいお嬢ちゃん。
   ありゃあ、映画とか、都市伝説、SFなんだよ、な?」

茶化すように否定するが、先ほどまでのニヤケ面は鳴りを潜めている。
感情の乗らない乾いた瞳が、イザベルの姿を嘗め回すように観察している……。

500イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/29(土) 01:30:32
>>499

「うっ」

一瞬、怯む。
が、持ち前の勝気さがすぐに上回ったか、悪童のように笑って。

「だけどよォ。
 じゃあお前今何したんだよ?
 『玩具の銃』じゃあねェよなぁ。それで砂山吹き飛ばしたりはできねェもんなぁ」

実際、周辺の惨状は大したものだ。
玩具の銃どころか、実銃を用いてもこうはいくまい。

「『メン・イン・ブラック』じゃねェなら、なんだ?」

  「『不可能な任務(ミッション・インポッシブル)』に挑むエージェントか?」

「殺しのライセンス持った『00ナンバーのスパイ』か?」

   「それとも――――『ただの超能力者』か?」

鋭い視線が鉤葛に向けられる。
紺色の瞳が、鉤葛の瞳を捉える。


       「…………まっ、助けてもらった義理もあらァな。
        別になんだっていいっちゃなんだっていいんだけどよォ」

……が、そこまでいってイザベルは視線を切り、肩を竦めた。

501鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/29(土) 02:04:03
>>500
「――――想像力があるのはいい事だぜ。
 そいつは、俺みたいな奴の『同類』を相手にする時にゃ、一番の武器になる」
 
   「まァ、色々察しがついてる時点で、どうやらオメーも俺と『同類』らしいがな……ひひ」

自身が『それ』である事をアッサリと認めてしまう。

だが、イザベルが視線を切っても、鉤葛の視線は変わらず注がれ続けている。
絡みつくように、執拗に、だ。
つまるところ――――


「しかし、それにしてもよォー……ふひ、ひひひひひひ!
 最近の世代ってのは発育いいなァ、おい!」

視線の意味はこういうことだった。

502イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/29(土) 02:17:52
>>501

「ハッ、そりゃどーも。
 アタシとしちゃ、『メン・イン・ブラック』だって言ってもらえたほうが夢があったけどな」

ニシシと笑う。
つまり、『そういう事』だろう。

「あ? 発育だァ?
 嫌味かそりゃ。アタシは別に背は――――」

怪訝そうな顔をして。
視線を相手の目に向けて。
相手の視線を辿って。

    「―――――――なッ」

理解。
沸騰。

      「見せモンじゃねェよボケッ!!」

情け容赦のないフックが鉤葛を襲う! パス精CCC

503鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/29(土) 02:41:25
>>502
「おごあッ!?」

乙女の怒りが篭った必殺のフック、避ける術も、耐える余裕もない。


      「うううううう……」

鉤葛は190cmに迫る長身で、それ故にイザベルの拳は顎先をぶち抜いた。
殴り飛ばされた先で、立ち上がることも出来ず、生まれたての子鹿のように跪いている。

「す、すんませんでした……なんつーか、俺もまだまだ若いもんで、男の性って奴が悪さを……!
 本当に申し訳ありませんでしたァ!!」

そんな、ほとんど土下座のような体勢から、大の男が弁解を試みる。

504イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/29(土) 02:57:21
>>503

思いのほかいい一撃が入ったァ―――ッ!

「……やべっ」

ちょっといいの入れ過ぎたかもしれない。
完全に波紋が入った音がした。嘘だ。
冷や汗をかきつつ、鉤葛を見る。
大分ダメージ受けてたが、結構余裕ありそうだった。セーフ。
内心胸を撫で下ろしながら、サクサクと砂浜の上を歩いて鉤葛の下へ。

「まぁ反省してるならよし!
 アタシも殴っちまって悪かったな!」

そして快活に笑いながら、スッと手を差し伸べた。
そう、今度はイザベルが手を差し伸べて助け起こす番なのだ。
これぞ麗しき友情……!(会った直後で友情も何もないが)

「でもお前……アレだぞ! そういうのよくねぇからな!
 そうやってジロジロ見るのはこう……バレないようにやれよな!」

バレなければいいのだろうか。イザベル的にはいいのだろう。

505鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/29(土) 03:26:18
>>504
「お、おう……ちと、優しすぎ、とも違うか……?」

ちょっぴり心配にもなる。

「とにかく許して貰えるならありがてぇ」

友情! とばかりに、イザベルの手を借りて立ち上がろう。
多少足元が覚束ないが、歩けないわけでもなし。
色々あった間に、ずぶ濡れのスーツも乾き始めている。

そろそろ帰途についてもいい頃合い……最後に一つ、残った問題が解決さえすれば。

「ところでさ――」


          「電車賃貸して貰えねえかな?」


「いや、財布とか、スマホとか、全部スリ盗られちまってんのよ、マジで!
 駅から出て、南の方をぶらぶらしてたらよォー!
 どうなってんだよこの町ッ! 取り返そうとしたら、ホームレスが徒党組んで襲ってくるし!」

何か行間でそういう目にあっていたらしい。
必死に金の無心を仕掛けてくる。

506イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/29(土) 03:45:33
>>505

「おう、アタシは寛大だからな!」

寛大なので許してくれるらしい。
これは寛大でいいのだろうか。ちょっとバカなだけなんじゃなかろうか。

で、ともあれ助け起こして、そろそろ日も沈んで……

「……お前マジか」

事情を聞いて、呆れ半分同情半分の顔をした。

「あー、お前それ『倉庫街』行ったんだろ。
 この街の倉庫街、めっちゃ治安悪いんだよなァ。
 スリで済んでラッキーだったかもしれねェぞ。たまに殺しとかあるからなあそこ」

正直なんであそこあんな治安悪いんだよほんとに二ホンかよ、とも思うが。
しかしどーもこの街の警察はやる気がないのか、倉庫街に限らず事件多めである。
にしてもホームレスが徒党を組んで襲ってくるのは恐ろしい話だ。
そのうち帽子カッター飛ばしてくる人とか出てくるんじゃないだろうか。

「んでまァ、電車賃ぐらい貸してやってもいいんだが……」

歯切れ悪く、言いよどむ。
そして両手を横に広げて、無手を示すジェスチャー。

「悪ィんだけど、今財布持ってねェんだわ。
 家に置いてきちまってよ。しまうポケットもねェしな」

507鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/29(土) 22:05:20
>>506
「殺しがたまに、ね。おっそろしいトコだ」

どうにかこうにか、そういう事件の被害者として数えられずに済んだが。
果たして、運が良かったと言っていいものか。

「うーむ、そいつは至極残念……だがまァ、気にしてくれるな。
 俺の都合で、無い袖振らせるわけにもいかんしよ。
 ……で、それはそれとして」

何やら、表情が真剣なものに切り替わる。

「嬢ちゃんさ、まさかと思うがオメー。
 そのビキニで家から直接ここまで来たのか……?」

手ぶらを示すジェスチャーをそういう風に解釈してしまったらしい。
一応、この男なりに大人の立場で、色々と心配した結果の発言ではある。

508イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/29(土) 23:07:00
>>507

「ま、災難だったな……」

殺人事件に巻き込まれなかったから幸運だったね!
……とは、流石に言えないだろう。
それが不幸中の幸いだったとしても、不幸であることには変わりないのだし。

   「ぷっ」

「『無い袖』ってか! 確かに袖はねぇな!」

確かに水着に袖は無いが、なにが面白いのか、ツボにはまったらしくゲラゲラ笑い出す。
ゲラゲラと体を上下に揺らして笑っている……ので、こう、つられて揺れた。何がとは言わないが。

    「ひーっ、ひーっ……」

ともあれ、真剣な顔でその格好でここまで来たのかと問われれば、どうにか笑いを堪えて。

「ん、ああ」

  「流石にアタシもシャツぐらい着てきたわ。
   ほれ、あそこに……」

イザベルが街の方を指し示す。
指の先にあるのは、海と陸とを隔てる段差の部分。
通行人などが砂浜に落下しないように、そこには手すりが設置されている。
そしてその手すりには、白いTシャツが雑にかけられて―――――

        カー

     「あっ」

――――カラスがTシャツを浚っていった。

    「……あそこにシャツがあったが、たった今無くなったな……」

カラスはあっという間に夕闇の空に消えていく。
イザベルはそれを茫然と見送るのであった。怒る気にもなれねぇ。

509鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/29(土) 23:43:48
>>508
「お、おう」

想定外にウケを取ってしまった時の居心地の悪さ。
まあ、今まで普通に日本語で話していたが、どうも外国人らしいし。
カルチャー・ギャップってやつなんだろう。

そうこうする内に、カラスの盗難を目撃する事になる。

「ム――!」

片手には、まだ例の『リモコン』を握ったままだ。
その引き金をちょいと引き絞れば、Tシャツを手放させるぐらいは出来ようが。

   「ええい、仕方がねえなッ! ったく」

バサリ、とイザベルの頭に生乾きの布――鉤葛の着ていたジャケット――が被さってくる。

「そいつを貸してやるから、羽織って帰れや。
 海水で洗ったばっかだ。汚かねぇだろう」

カラスの墜落死体なんぞ、少女にわざわざ見せずともいいだろう、という選択だ。
それに、カラスは法律で保護されているからな……。

510イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/30(日) 00:07:30
>>509

「…………まぁ家そんな遠いわけでもねェし――――」

別にいいさ、と言おうとして。

    「わぷっ」

鉤葛のジャケットが被さる。
視界が塞がるから、慌ててジャケットをどかして手に持って。

「こいつは……いいのか?」

それがジャケットだと確認して、上目遣いに鉤葛に問う。

「つーかお前、こっからどうすんだよ。
 帰りの金もねェんだろ? このジャケット、返すアテもねェしよ」

511鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/30(日) 00:34:34
>>510
「まァ、今の寝床は隣町……つーか、市だしな。
 何時間か気合入れて歩けば、どうにかなるだろ。
 きっと、多分、恐らく、メイビー」

かなりの希望的観測にまみれた返答だった。
そして、気にするなとばかりに手をひらひらと振りながら、イザベルに背を向ける。

「ジャケットはその内に取りに行くから、大事にしてくれよ。
 クリーニングに出すなら、ドライで頼むぜ!」

手すりを乗り越え、砂浜から陸に上った辺りで、振り向きざまに。

512イザベル『アーキペラゴ』:2015/08/30(日) 00:55:42
>>511

「そうか……ありがとなっ!
 気を付けて帰れよ! また襲われたりしねェようにな!」

去っていく鉤葛に、ニカっと笑ってブンブンと手を振る。

「おう!
 あっ、住所……えーっと、アタシはだいたい海にいるから!
 だからちゃんと取りに来いよな!」

取りに行くと言われても、そういえば住所がわからなければ取りに行くのも無理だろう、ということに気づく。
が、ここで住所を叫んでも一度で記憶できるか怪しいし……ということで、主な活動地域を伝えた。
ブンブンと手を振って、大きく叫んで鉤葛を見送る。

「『アディオス、アミーゴ(じゃあな、お友達)』!」

513鉤葛『トリガー・ザ・ブラッドシード』:2015/08/30(日) 01:09:19
>>512
「おうよ、また会おうぜ、アミーゴ!」

こちらも負けないぐらいの手振りで答える。

「ひゃははははははははははははは! ――やべーぞ、膝も笑うッ!?」

上機嫌な笑い声と、もうダメそうな叫び声をBGMに、夕日の向こうへ立ち去った。


後日、イザベルがジャケットを洗濯などしたのなら、
裏地に縫い付けられた万札を見つけるイベントが発生したとかしないとか。

514薄金次郎『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2015/09/03(木) 19:52:37
海を見ている。

「・・・」

特に理由は無い。海を見たくなったからここに来た。
海を見たくなった理由も特に無い。
いや、あるのかもしれないが、言いたくないか忘れたかのどっちかだ。

「ふん」

515タタラ『インスタント・カルマ』:2015/09/04(金) 23:39:12
>>514

     ザ
        ザァ  --ン

「こんにちは。」

声をかける。
理由とかはなく、先客だから。

「お近く、よろしいかしら。
 釣りをするのだけど――」

クラシックなメイド服を潮風に揺らす。
その手に持っているのは、つり具。

     「お邪魔なら、場所を変えますワ。」

大きな水色の目で水面を見て、言う。

516薄金次郎『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2015/09/06(日) 09:18:10
>>515
振り返る。
まだ涼しくなったとは言えないが、学ラン。校則ギリギリの長髪を、首の後ろで括って纏めてある。
それなりに整った顔立ちだが、彫り込まれたような眉間のシワ。険悪一歩手前の目つき。あまり人好きのする顔でもない。

「・・・釣り?」

ちょっと首を傾げ、相手の顔と持ち物と服を見て、ちらっと周辺(つまり砂浜だ)を見回し、

「その格好で?」

とりあえず一番突っ込みやすいところに突っ込んだ。

517タタラ『インスタント・カルマ』:2015/09/06(日) 20:00:24
>>516

「ええ。」

     ザッ

「この格好で、ですワ。
 生憎、釣りらしい服の持ち合わせがなく。」

もっとも、受容もされてはいない。
薄金から五、六歩ほど離れたところに、だ。

「手持ちで一番、動きやすい――着慣れた服を。
 それに、一番『格調高い』服でもありますワ。」

つまりどこにでも着ていける服だ。

「貴方は学校帰りということかしら?
 なにせ、もう二学期が始まっていますものね。」

準備をしつつ、話題を振る。
お互いお喋りしにきたわけでもないだろうが、雑談もまあよかろう。

518薄金次郎『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2015/09/06(日) 23:32:11
>>517
「ええ・・・」

そうなの? 女の人ってそういうもんなのかな・・・。

「でも絶対、針がからむとおもう」
「それに、ここからだとあんまり魚いないぜ。あっちの桟橋はいる。僕も釣りならあそこでやるんだけど」

ちょっと向こうにある桟橋を指さす。今は誰もいない。

「あとイクラはあんまり食わない。好みがあるのかな。とにかく虫団子とかそういうののほうがいい」
「サビキも最近全然食いつかないしな」

男の子は趣味の話になると饒舌になるのだ。
相手が初対面の女性でも。

519タタラ『インスタント・カルマ』:2015/09/06(日) 23:44:41
>>518

タタラは女だが、メイドだ。
それに、スタンド使いでもある。一般的女性ではない。

「アラ、そうなのですか。
 生憎、釣りの経験はあまりありませんで。」

桟橋をチラ、と見てから――

      「情報感謝しますワ。」

   ペコー

頭を大きく下げる。
二秒ほどしてから、上げる。

      「お詳しいんですのね、釣り。」

「サビキ釣りは初心者も安心、と聞いたのだけれど……
 季節の問題かしら? それとも、何か、こう――環境的な話?」

相手が饒舌なら、ほどほどにノろう。
釣りの知識は欲しいし、話のネタも欲しい。

520薄金次郎『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2015/09/06(日) 23:59:11
>>519
「季節もあるけど・・・でも今年全然だったから多分環境」
「サビキするなら倉庫街のほうにいいとこあるけど、土地柄が悪いし」

頭を下げられてなんか狼狽えかけたが、釣りの話に戻すことで平静を維持する。
確かに格好といい目の色といいなんだか一般人っぽくはないけど、女性なのは間違いないわけだ。

「それに今日は凪いでるしな・・・ここちょっと荒れてるくらいでそこそこなんだよな」
「多分あんまり、魚いないと思う」

やる前からなんだが、釣り糸を垂らすのが楽しい以外の理由で今日やる意味があんまり無いように思うので、言う。

「・・・釣ったら、晩ご飯にでもするのか?」

521タタラ『インスタント・カルマ』:2015/09/07(月) 00:12:51
>>520

「環境。地球温暖化とか――」

「いろいろ大変ですワね。」

難しい話は面倒だ。
少なくとも、雑談では。

     ・・・・海面を見る。

(波がないなら良く釣れるんじゃあないのね。)」

「倉庫街は、避けたいですワね。
 荒事になれば困りますもの。」

心得の有無の問題ではない。
荒事になれば、『罪』を作ることになりかねないし、怪我もするだろう。

「ええ、晩御飯にしますワ。
 焼き魚か、煮魚か……魚料理のリクエストがあったから。」

「帰りに魚屋で買って帰ろうかしらん?
 テレビドラマの釣り好きのみたく……バレるのがオチね。」

冗談かどうか分かりづらい顔で、そう言って、釣り具を拾う。
見込みがないことに長い時間をかけるわけにもいかない。

522薄金次郎『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2015/09/07(月) 00:51:06
>>521
「色々大変なんだろうね。魚も」

何せ食われるかどうかって話だものな。

「荒事はよくないよな。避けるべきだよ。
 そういや、ところで――」

片付け始めた(決断が早くていいな、と思った)女の人を見つつ、

「この辺でいい魚屋さんを知ってる。船で釣ってきたやつを売ってるんだけど」
「良かったら案内しようか」

せっかく来たのに、気分を折ってしまったかなという負い目もある。

523タタラ『インスタント・カルマ』:2015/09/07(月) 01:03:23
>>522

「漁師さんや、魚屋もですワね。」

何せ食えるかどうかの話だ。
・・・・ともかく。

「あそこ、殺人事件やらも起こってますものね。
 夜のネオンストリートがかわいく見えちゃうわ……と。」

そこで魅力的な提案を受けた。
笑顔(『模範的』だ)を見せるタタラ。

       「マア。」

(気が利くじゃない……)

「それなら、オチがつかなくて済みそうですワね。
 ええ、ぜひ。案内していただいてもよろしいかしら?」

実際これは助かる話だ。
釣ってきた魚を食わせるとは言ったが、自分がとは言ってない。

      (……嘘をつかずにすんだわ。)

524薄金次郎『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2015/09/07(月) 01:37:18
>>523
「・・・まあ・・・そうだね・・・」

何となく歯切れが悪くなる。
別に足を切断したからって死んだと決まったわけじゃあない。が、歯切れが悪くなる。

「近寄らない方が―――」「・・・」

仏頂面に拍車がかかる。
女の人に笑顔を向けられることに根本的に慣れていないのだ。

「まあ、誰が釣っても魚は魚だものな」
「こっちだよ」「・・・持とうか?荷物」

人として当然の気遣いだと思う。思うが、言ってから何となく気恥ずかしくなった。

525タタラ『インスタント・カルマ』:2015/09/07(月) 01:49:51
>>524

     「……?」

(何よ、急に。
 ……関係者?)

          (……罪人? まさかよね。)

目を細める、が――

「ええ、近づかないようにしますワ。」

……『疑わしきは罰せず』。
人吉多々良という人間の基本原理だ。

「むしろ素人仕事で釣った魚より、いいかもしれませんワ。
 餅は餅屋。家事はメイド、釣りは漁師ってとこですワね。」

そして。

     「ありがとう。」

(紳士的ね。)

紳士の申し出は断らないものだ。

「折角だし、お願いしますワ。」

  ヒョイ

荷物を渡す。
……ほどほどの重さだ。

526薄金次郎『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2015/09/07(月) 01:54:24
>>525
まさかだよな。
まさかこんな人相は悪いが人のいい高校生つかまえて『殺し屋』だと看破できるヤツなんていない。

「かも知れないな。やっぱり〆方が違うと、臭いが違うよ。全然生臭くないもんな」

言いつつ荷物を受け取り

「ふぐっ」

見た目よりそこそこ重かったのでちょっと声が出た。
釣り竿か何かがぐらっと落ちそうになるが・・・    ギャン!  ヒョイ   ・・・一瞬だけスタンドで支えて持ち直し、

「どういたしまして」

『スタンド使い』としては、ちょっとした隙だ。

527タタラ『インスタント・カルマ』:2015/09/07(月) 02:05:45
>>526

「釣った魚がウマい、って聞いて、張り切ったけれど……
 よく考えたら、それはその場で食べるから、って話なのかもですワね。」

     「達成感の味かしら。」

       コク

頷きつつ、歩き出そうと――

     ギャン!  ヒョイ


「―― ・ ・ ・・・・ええ。」

      (多いわね、スタンド使い。
        そう多いだけ……まさか、でしょ。)

特異だが……悪の要素ではない。
疑わしきは罰せず。深追いするつもりもない。

      ・・・・自分は閻魔様ではない。

「それじゃあ……
 案内お願いしますワ。」

      ニコ

重いか? などと聞くのも失礼だ。
メイドらしく、模範的な笑みを向け、出発を促す。

528薄金次郎『アヴェンジド・セヴンフォールド』:2015/09/07(月) 02:23:53
>>527
「(・・・今、見てたかな。気のせいかな・・・そうだな。うん)」

「いや、魚は釣りたてより、一日二日経った方がうまいよ」

アミノ酸とかの関係らしいが、経験則以上のことはわからない。
だから魚屋さんでも一番うまいタイミングのを売ってくれる。

「じゃあついてきて」「そこ段差キツいから」

転ぶなよと注意を促しつつ、一緒に魚屋に行くのだ。
何ごとも無く買い物は終わるし、何ごともなくおいしい夕食が待っているだろう。

529タタラ『インスタント・カルマ』:2015/09/07(月) 02:30:54
>>528

垣間見えた『影』に、タタラは何も言わない。

「ああ、いえ。それは、総いうものだけれど――
 自分で釣った魚だと、達成感が調味料になるのかな、と。」

     「そう思ったんですワ。」

科学的根拠はない。
が、あながち大間違いでもない、気がする。

       ・・・・そして。

「ええ。」

「ご忠告、感謝しますワ。」

小さめのお辞儀。
そして薄金のあとに続き、魚屋へ。

      ・…今夜の食卓には、秋魚が並ぶだろう。

530鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/17(木) 01:26:46
夏も終わり、本格的に秋に近づいていくある日。
夕暮れ時である。
砂浜に一人の少年が座り込んでいた。
和服に身を包み、肩まで黒い癖毛を伸ばしている。
膝を抱えるように座る彼はじっと海を見つめていた。

「……海きれぇやなぁ。」

ぼーっと海を眺めている。

531久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2015/09/17(木) 01:37:17
>>530

  サク サク

日課のスケッチのために
わざわざ秋風のふく砂浜にやってきた墨彦。


  「あっ涼くんだ」


だったがこんなところで珍しく、見知った後ろ姿を発見だ。
そういえば、お見舞いのお礼がまだだった……(やべっ)


  ソロ〜〜〜〜


海を見つめる友人の背中に忍び足でこっそり近づく。

532鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/17(木) 01:48:17
>>531

「……ん〜」

しばらく眺めた後、伸びをした。
クマのぬいぐるみのように両足を伸ばすと
太ももの上に編みかけの編み物が乗っていた。

「続きしよかな。」

編み物を手に取り、作業を始める。
後ろから誰かが近づいているのには気付けていない。

533久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2015/09/17(木) 02:00:40
>>532

「(秋の海辺で何をしているのかと思えば……)」


  意外! それは『編み物』(しかもくま)!


涼くんにそんな趣味があったとは……
分かるような……分からないような……

しかし編み物作業中となると、背中からこっそり近づいて
ワーッと驚かせる作戦ができなくなってしまったな……(中学生並の発想)


                 ⇒ ソロ〜〜〜〜


いったん離れて、適当な物陰に隠れる。
そしてスマホをスチャと取り出して、
『ショートメッセージサービス』を涼くんに送るぞ。

連絡先はお見舞いの時に交換したし、普段もやりとりしているのだ(言い切り)。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                                    ______
                                  /         \ 
                    未読          <    やあ    |
                    05:38  PM       \______/   フーィ



                                _________
                              /             \ 
                  未読        <    今ひまかい?   |
                  05:38  PM     \_________/   フィ

534久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2015/09/17(木) 02:09:00
>>533 (自レス・訂正)

てっきりクマのぬいぐるみを編んでるものと空目しましたァ……!(ごめんなさい)

535鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/17(木) 02:10:07
>>533

「……」
              「……」

編み物を続けている。
が、それは直に止められることになる。

ヴヴヴ

懐の辺りからバイブ音が響き、鈴元はスマホを取り出す。

「あ、墨彦さんやぁ。」

若干明るい声色の言葉が漏れる。

(ひまかい?やて。墨彦さん暇なんやろか。)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                                     ______
                                   /         \ 
                    未読           │    うん    >
                    05:39  PM       \______/   

                                     ______
                                   /         \ 
                    未読           │  ひましてた   >
                    05:39  PM       \______/

536久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2015/09/17(木) 02:17:40
>>535

「おっ。きたきた」

いたずらっぽい笑みが浮かぶ。
なんか適当な海の家かなんかの陰に隠れたまま、ぽちぽちスマホを打つ。

「へへ」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  <   ひましてた  |  既読            
    \______/   05:39  PM 

                                    ______
                                  /         \ 
                    未読           |    それ    >
                    05:39  PM       \______/   フーィ

                                _________
                              /             \ 
                  未読         |  誰かにあげるの?  >
                  05:39  PM     \_________/    フィ

                                _________
                              /             \ 
                  未読         |     (・∀・)ニヤニヤ   >
                  05:40  PM     \_________/    フィ

537鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/17(木) 02:23:53
>>536

「?」

(?)

 ?彼は一体何を言っているのだろうか?

(それ?ん?)

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  <   (・∀・)ニヤニヤ |  既読            
    \______/   05:40  PM 

                                    ______
                                  /         \ 
                    未読           |    ?      >
                    05:41  PM       \______/   フーィ

                                _________
                              /             \ 
                  未読         |  それってどれ?    >
                  05:41  PM     \_________/    フィ

                                _________
                              /             \ 
                  未読         │あ、送る相手間違えた?>
                  05:42  PM     \_________/    フィ

538久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2015/09/17(木) 02:36:48
>>537

「ぷふっ」

素直なリアクションに思わず吹きだす。

「アハ……純真だなあ涼くんは」

笑いつつスマホをぽちぽち打つ。
フフフ、この文面ならどうだ?


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  < あ、送る相手間違えた? |  既読            
    \__________/   05:42  PM 

                                _____________
                              /                  \ 
                 未読          |  さーどうでしょう(・∀・)ニヤニヤ >
                 05:42  PM      \____________/   フーィ

                                 __________
                               /              \ 
                               |  そんなところで     |
                   未読         |  編み物してたら     >
                   05:42  PM     \__________/    フィ

                                  _________
                                /             \ 
                   未読          |  風邪引いちゃうよ   >
                   05:42  PM      \_________/   フィ

539鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/17(木) 02:46:31
>>538

「へ?」

編み物、と久染は言った。
確かに今編み物をしている。
しかし、なぜそれを彼が知っているのだろうか。
病院のときのようにスタンドで悪戯しているのか?
                                 __________
                               /              \ 
                               |  墨彦さん         \
                               │   どこにいるの?      >
                   未読         |                 /
                   05:42  PM     \__________/    フィ

                                  _________
                                /             \ 
                   未読          |  僕のこと覗いてる? >
                   05:42  PM      \_________/   フィ

540久染 墨彦『インク・フィッシュ』:2015/09/17(木) 02:56:06
>>539

「フフフ」

気づいた気づいた。

ササーっと海の家の陰に身を潜めつつ、鈴元の様子をチラっとうかがう。
目が合うかもしれないし合わないかもしれない。

へっへっへ……病院での仕返しだ!

                                 ___________
                               /              \ 
                   未読         |  え? なんのこと?   >
                   05:43  PM     \__________/    フィ



                   未読                (・3・)〜♪
                   05:43  PM                        ポン

                                  _________
                                /             \ 
                   未読          | で、誰にあげるの?  >
                   05:44  PM      \_________/   フィ

541<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

542鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/09/17(木) 03:08:37
「ん……とぼけてはるわ。」

きょろきょろと辺りを見回すが久染の姿には気付かない。
何度かスマホの画面と膝の上の編み物を交互に見る。
しばらくして、はぁ、と息を吐き久染に返答をする。

                                 ___________
                               /              \ 
                   未読         |     イケズ        >
                   05:44  PM     \__________/ 

                                 ___________
                                /               \ 
                   未読         |  墨彦さん用の贈り物   >
                   05:45  PM     \__________/ 

                                 ___________
                                /              \ 
                               │驚かせようと思って    │
                    未読         | 内緒にしてたのに…… >
                    05:45  PM     \__________/


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