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【ミ】『黄金町の終わる夜』 第三幕
115
:
『黄金町の終わる夜』
:2014/06/18(水) 22:51:11
■『月』 月面(仕舞屋、高泉、ゼンチ)
>>94
(ゼンチ)
意を決し飛び込んだのは、優れた決断だった。
上昇する岩盤が発火したのは、ゼンチが飛び込んだ数秒後、
距離にして『10m』下だったからだ。
直後、真下から迫った『泡』が岩盤を飲み込んだが、
『泡』の中でも『青い火』は踊り、中の人間を燃やし始める。
ゼンチは即座に『イースト・ミーツ・ウェスト』の引き金を引く──
ガァ────アン!
ビス!
『青い火』が瞬時に消えるのを確かめ、自らも『泡』に飛び込んだ。
■『電波塔』 屋上(青田、フェリシア、吉本、新妻)
>>96
>>112
(吉本)
倒れた新妻を抱え起こそうとするが、青田に止められた。
それよりも『月』が問題だ。
勇ましく『コイルガン』を天に向けた吉本だが、
新妻の状況を見るに、『体温計』を仕込むのは間に合いそうにない。
今や、上空を占める月の表面、そこにいる人物まで見えていた。
距離にして地上『300m強』。屋上からは『100m強』だ。
それは吉本のスタンドにとって、『手が届く』距離。
──止めなければ、屋上の自分たちが最初に『死ぬ』。
分速『100m』・・・・それが月の『落下速度』だ。
>>99
(青田)
吉本を止め、新妻の手を掴み、床に落ちるのを止めた。
新妻は意識を失っていないが、白衣の背中が切り裂かれている。
鋭利な傷口が複数覗くが、どれも出血はしていない──
「・・・・油断です。
話に聞いていた『吸血ガラス』です。
『無音透明』で、落下に気付けませんでした」
「フェリシアさん。全員に『バリア』を。
まだ降ってくるかもしれません」
「・・・・私は大丈夫です。
『月』が落ちるまで、スタンドを解除したりもしません」
ザッ
屋上の床を蹴るように立ち上がると、
眼鏡を直しつつ、『月』を睨む──絶望的に近い『月』を。
(距離『100m強』)
>>108-109
(フェリシア)
声をかける間もなく、次の『流星』が穴から飛び出すのが見えた。
そう、すでに『月』の穴は目視圏内だ。(距離『200〜100m』)
それは即ち、準備の余裕なく『流星』が向かってくることを意味する。
まずは一発──『物置』ほどに大きな『流星』が、
青く光りながら突っ込んできた。
空中で『バリア』を展開し、受け止めるフェリシア。
シュッ
パキィィイイン!
新妻が『体温計』を当てた直後、凍結した『流星』はバリアを砕き、
そこから屋上に墜落した。床が鳴り響く。
次の『流星』は、まだ見えないが、準備しておかなければ『間に合わない』。
■『電波塔』 居住区(小角、ピエール、有馬、四季、鶴山、砂原、太田垣)
>>93
(小角)
「屋上に戻りましょう」
唐突に提案する四季。
「もう『塔』は揺れていません。
危険はあるでしょうが、『月』があそこまで来たなら、
どこに隠れても同じです。それなら役立てる場所へ」
率先して、階段を昇り始める。
その手は震えていたが、足取りは確かだ。
■『黄金町』 河原(アラベル、神山、ロンパリ)
>>97
(ロンパリ)
工場棟の屋根まで上ったロンパリは、
どこか異常な空気の緊張を感じ取る。
空に異常なし。黄金町は平和な夜の中だ。
それなのに・・・・
心臓は独りでに脈を早め、戦慄に胸が高鳴る・・・・
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