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【場】メインストリート その2

559新島 明日奈『ジャスト・プッシュ・プレイ』:2013/08/17(土) 01:27:38
>>558
「………」

難儀なスタンドだなー、と内心で。

「わっ!?」

手を取られて一瞬驚くも、続いての言葉に笑顔で頷く。

「OKなんだよっ。
今から私とあなたは友達だよっ」

こっちからも強く手を握り返す。

560愛川楓月『スクリーム・アウト・ラウド』:2013/08/17(土) 01:39:44
>>559

「……ほ、本当ですか!」

新島の気持ちいい返事に、愛川はオモチャを与えられた子犬のように、手を思いっきり握り締めて振り回す。

「と、友達! 『スタンド使い友達』! ふっ、不幸者ですが、よ、よろしくお願いします、明日奈さん!」

新島の笑顔を受けた愛川の顔には、なんだかぎこちない感じで、それでいて『満面』の笑みが張り付いている。
変な顔に変わりはないが、そこに先ほどのような『不自然さ』はない。

     ブン…… ブン…… 「はっ」

愛川はしばらく新島の手を握ったあと、興奮から我に返って手を離し、顔を真っ赤にしながら一歩下がった。
そして焦りながら急いだ様子で体中を漁り、ふと何かに気付くと、別の話題を見つけたかのようにポシェットから『携帯電話』を取り出した。
数年前のガラケーで、半ば朽ちた『雪だるま』のマスコットが下げられている。

「あ、あの、えと、あー、その…… と、『友達』の、『番号』、知りたいな〜 なんて……」

561新島 明日奈『ジャスト・プッシュ・プレイ』:2013/08/17(土) 01:45:00
>>560
「楓月ちゃんもよろしくなんだよっ!」

良くも悪くも裏表のない自然な笑顔を浮かべる。
そして問いかけに笑顔で頷く。

「それくらいお安いご用なんだよっ」

ポケットから二つ折りの携帯を取り出して操作、番号とメールアドレスが表示されている画面を見せる。

562愛川楓月『スクリーム・アウト・ラウド』:2013/08/17(土) 01:54:35
>>561

「よろしくですけど! あれ? この文字はどうやって……」

愛川はぶきっちょな手元で、苦戦しながら自らの携帯にデータを入力していく。
こういった状況に慣れていないのかもしれない。
……そうして効率は悪かったが、なんとか二人は連絡先を交換した。

「携帯の電話番号交換……友達……『スタンド使い』……
 『カズ』や『詩織さん』も、その仲間ですけど……新しい友達…………
  ウフ、ウフフフフ」

自らの携帯電話を見つめながら妙な顔でニヤニヤ笑う愛川だったが、ふと、何かに気付く。

「あっ、そうだ! 明日奈さん……
 さっき、ずっと走ってましたけど、急いでたんじゃ?
  もも…… もしそうなら随分時間取らせてしまいましたけどどど……」

まずい、という感じに口に手を当てて言う。

563新島 明日奈『ジャスト・プッシュ・プレイ』:2013/08/17(土) 02:01:21
>>562
「……」

入力に四苦八苦する楓月を微笑ましい感じで見守る。
そして問いかけに表情が変わる。

「………………あ」

携帯で時間チェック。
暫くして「やばっ」という感じの表情になる。

「……うん、大丈夫だね。
ちょっと急げば十分間に合うんだよ。
さっきは、なんとなく走ってただけだしねっ」

ホントはかなーりギリギリだがそれをおくびにも出さない。

「じゃあ、そろそろ行くんだよ。
今度一緒にショッピングでもするんだよっ、じゃあねっ♪」

そう言って、再びズドドドドド……と走って行った。

564愛川楓月『スクリーム・アウト・ラウド』:2013/08/17(土) 02:17:51
>>563

    「あ、ま、また会いましょうですけどー!」
           けどー…… どー…… ドー……

    ズドドドドドドド……

愛川はその場で、新島が見えなくなるまで手を振って送り出す。
やがて新島が道路の先に消え、走る音も聴こえなくなると、ようやく静かに腕を下ろした。

「ウフ、友達が増えましたけど…… この『メモ帳』をなくしたときは焦りましたけど……
 『灯台元暮らし』……じゃない、『急いては事を仕損じる』、『果報は寝て待て』?
  ぜんぶ違いましたけど…… とにかく、よかったですけど。ウフフフ」


愛川はしばらく一人で変に笑ったあと、急にさみしそうな顔になった。

「…………『カズ』は『親友』だから、わたしは言ったとおりにしてますけど……
 本当に、『友達』の明日奈さんや『神友』の詩織さんの、『スタンド対策』なんて考える必要あるのかな……?」

出会いの発端となった自らの『メモ帳』を見ながら、誰ともなくつぶやいた。

565アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2013/08/18(日) 23:36:12
「ふふん、チョロいチョロい」

夕暮れ時。
金髪碧眼の少女が、得意げな笑みを浮かべながら歩いている。
白いワイシャツを着崩し、深いプリーツの入った赤のミニスカートといった出で立ち。
ネオンの街並みの中にあっても尚映えそうな外見だったが、
その割に手にあるのは野菜とかがはみ出たエコバッグと妙に所帯じみた有様だった。

566綾部薫『サンセット・ラブダウン』:2013/08/19(月) 00:31:37
>>565

『おや、あれは……』

「あん? どうしたんッスか?」

ロックなイケメンだというのに実は女、綾部薫。
そのスタンドの『サンセット・ラブダウン』。狐耳や尻尾が眩しいぜ。

そんな二人(?)がアウレアに気が付いた。

「はー、もう退院したんっスか。メデタイ事っスねェー」

『……あの女がエコバックとか、かなり違和感があるんですけど』

ずかずかと、アウレアの方に近づいてくる。

「オーイ! 何がチョロいんすかねェー!」

『ロリ団地妻でも目指してるんですかー!』

しかも、二人して馴れ馴れしく絡んで来た。

567アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2013/08/19(月) 00:41:07
>>566
「〜〜♪」

なかなかの上機嫌だった。
近づいてきた綾部に気付いて振り返り、

「……うわ」

開口一番のコレだ。

「はぁ……、これで何度目なんだか」

溜息を吐く。
別に、アウレアと綾部は親しい間柄というわけではない。
むしろ、一度は殺されかけた身。当然ながら、仲良しこよしで会話できる関係ではない。
いまこうして面と向かってもすぐさま攻撃しないのは、
単に此処が住宅街で人目につくから、というだけの話である。

「何? あんたってばアウレアちゃんのストーカー?
 悪いけど奇行ヤローの追っかけは間に合っているっつーか。
 『そっち』のお仕事はもう足洗ったから、お相手してあげらんないのよねぇ」

そう言って、そのまま取り合わずに歩いて行く。

568綾部薫『サンセット・ラブダウン』:2013/08/19(月) 00:55:25
>>567

『そっちの仕事? 足を洗う……?』

「いやいや、偶然っスよ偶然。女が女をストーキングしても、何の得にもならないっス。
 何スかそれ。まるで更正しているような物言いは……。
 というか、まるでこっちが極道の世界にでも浸っているような物言いは何なんっすか」

何やらショッキングなものがあったらしく、たじろぐ二人。
ちなみに、スタンド使いかを確認するためとはいえ、最初に攻撃したこっちもこっちである。

「何だか右から左へと受け流されてる感がぬぐえないっス……」

『あの反応……男でしょうか? 女が変わるって、それ位しか考えられません』

「女が変わるきっかけは、大抵男っスからねェー!」

きゃっきゃっきゃっきゃと、勝手に考察している二人。
というか、二人でガールズトークを始めちゃってる感がどことなくある。

569アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2013/08/19(月) 01:10:10
>>568
「………………」

綾部と『サンセット・ラブダウン』のあーだこーだを黙って聞いていた。
ちなみに歩きながら、だ。アウレアをあーだこーだ言いながら追いかける綾部の図。
……想像していただきたい。なかなかイラッとくる光景ではないだろうか?

「……いきなり容赦なく車を叩き落して来るようなヤツが、まともな人間だとでも?」

不意に痛いところを突かれた。

「ま。テメーが女だろうが男だろうがどうでもいいけどさ。
 ひとつ、勘違いしているんじゃないかな?」

そう言って、綾部に視線を向ける。

「テメーとアウレアちゃんは仲良しこよしの友達なんかじゃない。
 今こうしてわたしの『射程内』にいることが、どれだけ命知らずな行動か。
 その意味をきちんと理解できているのか? その楽天的な脳ミソはさぁ」

570綾部薫『サンセット・ラブダウン』:2013/08/19(月) 01:38:12
>>569

『いや、もうあれはヤルしかないなーと思いまして』

「そうっスそうっス。逃げたら逃げたで腰抜けとか絶対言うタイプの癖に何言っちゃてるんですかこの人」

『それに、今ならまだ私達に理がありますよ?
 こっちはスタンドONでそちらはOFF。
 能力的に考えれば、もうこの距離なら転がらせることだってできるんですよ?』

余裕な顔立ち。へらへらと笑っている。
どちらも殴りたくなるような顔だ。

「でもそんなことはしないっス。今日はちょいと忙しいので、この辺で撤退!」

『足洗ったとか何とか抜かしても、お変わりの内容でご安心しました!』

「『それではさようならー!』」

そういうと、とっととどこかへと走り去って行った。
……何がしたいのかよくわからない二人である。

571アウレア・グラウコーピデ『ラヴ・ランゲージ』:2013/08/19(月) 01:50:19
>>570
相変わらず、返事はなかった。

――ちなみに、間合いを見誤っているのは綾部の方だ。
転倒させるほどの『傾き』を生み出すには、
いかに神速の『サンセット・ラブダウン』でも多少の時間がかかる。
この射程圏内なら、『ラヴ・ランゲージ』の一撃の方が早い。
そして『ラヴ・ランゲージ』の一撃は、それだけで一撃必殺の威力を秘めている。

「……ま、良いや♪ さっさと帰ろ。
 いやあ、『タイムサービス』とか初めてだったけど、
 案外チョロいもんだねえ。アウレアちゃんの美貌のお蔭かね?」

そんなことを呟きつつ、帰り慣れない道を歩く。
相変わらずの性格だが、彼女を取り巻く環境そのものは大きく変化していたのだった。

572ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/20(火) 22:54:19

――『メインストリート』に面した小さな公園。
その一角に、大型のワゴンカーが停車している。

ボディカラーは空色。
そこに大きく、『移動図書室』と書かれた文字が見える。
ワゴンの周囲には簡易本棚が運び出され、
車の内外ともに様々な本が並んでいる。
折り畳み式の椅子やテーブルも置かれ、
何人かの住人が、本棚を熱心に眺めている。

――奇妙なのは、そこに並んだ、小さな『テント』だ。
三角錐の形のそれは、ちょうど人二人が入る大きさ。
ワゴンの空色に対して、こちらは夜空の濃紺だった。
狭い入り口には帳が下ろされ、こう書かれている――

『人生の主役になりたい人だけ、お入りください』

573ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/20(火) 23:04:19
「クソックソッ……アイツらめッ、アイツらめッ」

鼻を強く掌に擦りつけて、真っ赤に染まったそれを観る。
シャツも真っ赤だ。これもまた誤魔化さなきゃならない。
うちに帰るのが億劫だ。くそ、クソクソクソ……ッ!


   「……」

ちらりと、移動図書館が目に入る。
あまり、本は読まない性質だ。興味が薄い。

だが――

             「…………主役?」

その単語に、心臓を突かれるような思いがした。

574ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/20(火) 23:11:37
>>573
奇妙な宣伝文句に興味を惹かれる。

『テント』の周囲には、不思議と人気がない。
視線を送る客はいるが、独特の雰囲気に気圧されてか、
帳の向こうを覗こうという者はいないようだ。

575ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/20(火) 23:20:14
>>574
「…………主役……主役ね」  「ハハ」

――――クダらねー。
きっとアレだ。スピリチュアルとかそんなものに違いない。
こんなことで何が変わる?

こんなものに関わってなんかいられるか。
それよりもこれだ、この血のシミ。これをどうにかしたい。

ああ、なんでこんなことでいつも悩まされるんだ……
いつも……みじめだ。


「…………くそ、主役なんてものが居るなら……」
「奴らがそうだ。僕はきっと違う。せいぜい……モブか?」

べっとりとついた血を改めて眺め――


              「………………クソッ!」

中へと踏み入る。
下らないこと言い出したら、言い返して論破してやる。
それぐらいの腹いせをしないと、今日はもう帰る気がしない。

576ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/20(火) 23:35:25
>>575
帳を上げ、狭い入り口を潜る。

テントの中は、青白い光に照らされていた。
最初に目に入ったのは、床に置かれたランプだ。
ガラス製のその中には、無数の『蛍』がぎっしりと詰められており、
それらが交代しつつ明滅を続けている――光の正体はそれだ。

次に目に入ったのは、奥に座する女。
長い白髪を三つ編みにし、肩に下げている。
ほっそりとした面、首筋、鎖骨に現われた黒い肌が、
揺らめく炎を映し、芸術品のように輝いている。

眼鏡をかけた顔はまだ若い――しかし、
穏やかなその瞳は、一種独特の雰囲気を湛えていた。

「――ようこそ。お座りくださいな」

女の唇を割り、耳触りのよい声が漏れた。

「・・・・本はお好きですか?
 生まれて最初に読んだ本のことを、覚えていますか?」

577ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/20(火) 23:41:51
>>576
「………………」

『ホタル』。


割とここらは町中に近いと言っていい、はずだ。
なのに、こんな沢山の『ホタル』――――


           「…………」

     「あ? え?」   「――――ッ」


『女が居る』。クソが。見惚れてるのを見られちまったか。
クソッ、クソッ……気圧されんな。気圧されんな。

「覚えてなんかねェ――よッ!
 クソッ! 主役ってなんだよ。『誰もが自分の人生じゃ主役』とか抜かすのか?」

機先を制して、言いそうなことを言ってやる。
こうなったらヤケだ。手についた血をシャツの胸元に擦りつけて拭った。

「本も……読まねェよ」

578ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/20(火) 23:51:13
>>577
「――『誰もが自分の人生では主役』。
 美しい言葉ですね。しかし真実ではありません」

微笑し、男の言葉に応ずる黒人の美女。
その身を包む民族衣装といい、どこか『占い師』のようだが、
女の前に、『水晶玉』の類はない。
あるのは、平積みされた本が数冊――それだけだ。

「この世界が舞台であるならば、『主役』は限られた存在です。
 そのために必要とされるのは・・・・能力。
 誰にも負けない、他人を蹴落とすことも可能とする能力。
 ――そうは思いませんか?」

579ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/20(火) 23:59:48
>>578
「………………は?」

思ってもみない言葉だ。
何を言いたいんだ……この女。

本をさっと眺め……ふと気づいた。
コイツ、黒人か? 日本語がやけに上手いな。

「…………そうだ。『主役』っつーのは」

「『人を食い物に出来るやつ』だよな、こんなふうに」

シャツを掴んで血に染まった箇所を示す。


「僕はさっきまでいつもみてーに殴られてた。
 金も盗られた。だから、アンタにやれるモンはねェーッ」

「だけどちょっとだけ興味が出たぜ。なんだ?
 『能力』ってのは? 『腕力』の間違いか? それとも何か教えてくれるのか?

 …………僕の事、潰す奴らを潰し返すよーなナニかをさ」

580ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/21(水) 00:19:21
>>579
「私も、そうだと思いますよ」

血で染まったシャツを見ても、
何ら表情を変えることなく、女は頷く。

「私のいう能力とは、『精神の力』です。
 貴方の思いが強いほど、強力な力を発揮します。
 スタンド――そんな風に呼ばれている『力』です」

「もし貴方が、『主役』になりたいと。
 何人を犠牲にしようとも――
 強くそう思われるなら、力をお貸ししましょう」

「貴方という『物語』を、もう一度最初から読み返すのです。
 『語り部』たる私がそれをすれば、『物語』は変わります。
 貴方は望みのままに、必ず『主役』になれるでしょう」

「ですが――そのためには、三つのものが必要です。
 貴方の御名前。
 生まれて初めて読んだ本。
 そして、私との『約束』・・・・この三つです」

ひとしきり語った後、女は沈黙する。
眼鏡越しの瞳の中で、ちろちろと青い炎が揺れている。

581ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/21(水) 00:35:07
>>580
「……はッ!」

『精神の力』? 『スタンド』?
何言ってんだコイツ? イカレてんのか?

――――だが。

『何人も犠牲にしようとも』。それが気に入った。

僕に足りないのはそういう態度だ。
連中はそれがある。僕にはそれがない。

『誰を犠牲にしようが』『僕がいいのなら――』

          ハトリ ショウヤ
「名前――」  「羽鳥 聖也」

「生まれて初めて読んだ本は――」
「クソッ、覚えてるのだったら……小学生の時のヤツだ。
 確か……タイトルは。……『闘技場』。外国の作家だった」

息もつかずに告げる。どう考えたっておかしい。
おかしいのだが、どうしてもせずにはいられない。

こんなこと言ってくれる相手、僕の人生にはいなかった。

「『約束』……?」 「……何を、アンタと約束しろってんだ??」

582ようこそ、名無しの世界へ…:2013/08/21(水) 00:42:53
>>581
「・・・・思い出されたようですね」

満足そうに言うと、黒人の女――『語り部』は、
最後の条件について説明する。

「『約束』とは・・・・
 貴方が得た『力』で、私の『お願い』を叶えてもらう、ということです。
 もちろん、これは『約束』ですから、貴方にも決める自由があります。
 私が与えた『力』に、貴方が満足していただけた時だけ、
 『約束』を果たしていただければ、それで構いません」

「・・・・どうしますか?」

583羽鳥聖也『一般人』:2013/08/21(水) 00:50:56
>>582
「――――――タダじゃねえ、と」

「いーよ。それぐらい……アンタがマジでそれをくれるなら、だけど」

『スタンド』……だっけ、か?
『電気スタンド』買わされるとかいうオチなら――

いやいや、『迷い』は『弱さ』だ。
『踏みにじること』に『躊躇』しちゃらない。


「いいぜ。叶えてやるよ。
 その代り、スゲー力をくれ。僕はもう……」

               「『誰にも負けたくない』」

584『移動図書室』:2013/08/21(水) 23:03:49
>>583
「・・・・貴方の『覚悟』は、本物のようですね。
 それでは、私も手を貸すとしましょう」

膝を進め、羽鳥に一歩近づく『語り部』。
端正なその顔が、間近に近づいた。

「怖ければ、目を閉じても構いませんよ」

『子供をあやす歯医者』のような表情で、
しなやかなその指を、羽鳥の額へと伸ばす――

585羽鳥聖也『一般人』:2013/08/21(水) 23:12:25
>>584
「――――――」

どう考えたって怪しい。
正気じゃない。どうなるかなんて解らない。
騙されてるって考える方が合理的だ。


「眼は、閉じねえ」

「アンタが何するか『見届けてやる』」

だが――騙されて失くすようなモノがそもそもない。
最初からゼロなら、1になるかもしれないだけマシだ。

『見届ける』。

586『移動図書室』:2013/08/21(水) 23:28:46
>>585
「では、ご自由に」

特に気にした風もなく、女の指が額に届く。
中央に触れ、鼻梁をなぞって縦に降りたその先に、
違和感が現われるのを、羽鳥は感じた。
目と目の間、近すぎて見えない鼻梁から――
女の指が、何かを摘み、引き出していくではないか。

    ズ ズズズ・・・・

女が引き出したそれは、一冊の本だった。
白黒の表紙に描かれたコミカルなイラスト。
タイトルは『闘技場』――著者は『フレドリック・ブラウン』。

それは、羽鳥が生まれて初めて読んだはずの本であった。

「見つかりましたね・・・・『貴方』という『物語』が」

女がページをめくり、満足げにそうつぶやくのが聞こえた。

587羽鳥聖也『一般人』:2013/08/21(水) 23:32:54
>>586
触れた感触を覚え――くすぐったいと感じ――

>    ズ ズズズ・・・・


――――異様な状況に目を剥いた。


「……おッ!? おおッ!!」


         ドザ!


仰け反ってしまい、上半身のバランスが崩れる。
倒れかかり、しりもちをついて女を見上げた。


「……なに、しやがった!」

「それ……」 「どっから」 「どーやって!」

588『移動図書室』:2013/08/21(水) 23:46:05
>>587
「貴方の心の中から取り出しました。
 あらゆる書物は、読んだ者の中に蓄積されています。
 本人が覚えていなくとも、精神の骨格を成しているのです。
 幼少期に読んだ本ならなおさら――
 これを見て、思い出すものが貴方にはあるはずです」

改めて本の表紙を見せてくる。
特徴的な表紙を目にして、羽鳥の中に自然と、
この本を読んだ際の記憶が甦ってくる・・・・
本を手にした経緯、家族、環境――
そして、あらゆる『敗北』を知らなかった頃の自分。

「私は貴方に何かを与えるわけではありません。
 ただ、思い出させるだけ。
 『挫折』を覚える前の頃・・・・貴方に出来ていたはずのことを」

      パラリ パラリ

ページを繰り、『語り部』は本を読み始める。
滔々と流れ出す声で『闘技場』の物語を朗読していく・・・・

589羽鳥聖也『一般人』:2013/08/21(水) 23:56:28
>>588
「………………ハハ」

手品か……?
しょっぱならか突飛なモノを見せりゃ信じる。
そういう手口だっていうなら理解する――


「…………」


「『気が付くとカーソンは、上を見ていた。』」

「『そこは、すりガラスのような感じで一面に青く光っていた。』」

共に、朗読する――長い話ではない。

人間と異星人の兵士が、自分の種族の存亡を賭けて決闘をする話だ――
そうだ。人類は勝ち、異星人たちは『全て滅びた』。

勝つためには、生き残るためには、『踏みにじる強さ』が必要だ。


       ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



「『「……ほんとに残念です。そんな印象的な出来事を見逃したなんて」』」

ラストのセリフまで。最後まで。
だが、僕は『見逃さない』。

何が起きるか最後まで、見届ける。

590『移動図書室』:2013/08/22(木) 00:13:45
>>589
女の朗読に合わせ、『闘技場』を読む羽鳥。
こうして読んでいるだけで、過去の自分に戻った気がしてくる。
記憶の彼方にあったはずの、大昔に読んだ一冊に、
これほどの『影響力』があることを、肌で納得させられる。

だが――真の驚きは、『闘技場』を読み終えた後だった。

「『「……ほんとに残念です。そんな印象的な出来事を見逃したなんて」』」

「『――羽鳥聖也は本を閉じ、しばし思いにふけった。
 言い知れぬ興奮がその身に震えを起こしていた。
 勝つためには、生き残るためには、『踏みにじる強さ』が必要だ。
 そんなことを、この短編は教えてくれた。そんな風に思った』」

  ゴ ゴ   ゴ ゴ

『闘技場』を読み終えた後も、朗読が続くではないか。
本を読んだ後の羽鳥の反応、その後の人生までも・・・・
まるで羽鳥の生涯が、全てその本に書かれているかのように、
女は朗読をやめない・・・・一年、五年、十年と読み進んでいく。

――全てを、この女に『読まれていく』。

591羽鳥聖也『一般人』:2013/08/22(木) 00:19:39
>>590
「――――は?」

続く。朗読が――
『僕の人生が続いている』。

ぴしり、ぴしりと楔が食い込むように、
言葉の一つ一つが脳に刻み込まれていく――


「……そうだ。
 僕はあの時『そう思った』」

「必要なのは『強さ』だ。
 踏みにじること、それを躊躇しないこと――」

言葉が心地よい。最後まで、最後までだ。
どうなるのかを、自分の人生を『読み直す』。

592『移動図書室』:2013/08/22(木) 00:30:02
>>591
――やがて、朗読は羽鳥の現在に追いついた。
複数の襲撃を受け、怪我を負い、メインストリートを彷徨ううちに、
偶然見かけたこのテントに入り、奇妙な女の誘いに乗るところまでだ。
女が『闘技場』を自分から取り出し、読み始めたところで、
唐突に朗読は途切れた。

羽鳥は気付く――
自身の背後に現われた、強烈な『気配』に。

「思い出しましたね――貴方自身を」

両掌で本を閉じ、『語り部』は静かな視線を羽鳥の背後に向ける。

593『移動図書室』:2013/08/22(木) 00:30:35
それでは、貴方を『主役』にする『力』について語りましょう。

無数の『六角形』を帯びた人型のヴィジョン。
強力無比な戦闘力もさることながら、
『彼』の最大の特徴は、この世界の裏側に『戦場』を作ること。
能力の発現は、『彼』の周囲の地面や床が、
無数の『六角形』で区切られることでわかることでしょう。

『戦場』は、この地面の裏側に存在する『異世界』です。
物質や建物は現実世界と全く同じですが、生物は存在しません。
誰もいない『彼』だけの世界――でもそれは『戦場』ではないですね。
そこを『戦場』と呼ぶ理由は、『彼』の同類・・・・
即ち、スタンド使いとそのスタンドと戦う際にわかるでしょう。

『戦場』には、『彼ら』に適用される絶対的な『ルール』があります。
『戦場』が展開されている間、全てのスタンドとその本体は、
現実と『戦場』に強制的に別れ、決して『傍』にはいられないのです。
もちろん、貴方も例外ではありません。
スタンドとスタンド、本体と本体が戦うという図式を思い描けば、
最初の理解としては正解でしょう。

ですが・・・・『彼』の真価は、ここから。
その拳で殴ることで、彼は『六角形』をひっくり返し、
その上にあるものを、現実と『戦場』とで『入れ替えて』しまうのです。
道具の融通にも役立ちますが、この能力の最大の使い道は、
本体とスタンドをも強制的に『入れ替えて』しまうことでしょう。
『ルール』がある限り、両者が同じ世界には存在できませんが、
どちらの世界に位置するか、その組み換えを『彼』だけが行えるわけです。


『彼』の名は――『ハウリング・ヘックス』。
貴方の『物語』は、これからです――

『ハウリング・ヘックス』
破壊力:A スピード:B  射程距離:E(B)
持続力:B 精密動作性:B  成長性:E
※()内は『戦場』時。

594羽鳥聖也『ハウリング・ヘックス』:2013/08/22(木) 00:46:12
>>592-593

    「え?」  クルリ

傍らに立つ、『六角形』を纏った人型。
幽鬼のように傍らに立ち――

脳内の神経網が組み直されたような感覚。
外へ外へと神経が突き出、不可視となったそれが『繋がる』。

――繋がったそれは像と固く結ばれて。
『自在に動かせる』という『確信』。


     ド        ドドド


            「…………ははッ!」

       「『ハウリング・ヘックス』ッ!
           『 吼  え  ろ  ォ――ッ 』!!」



          《ルヲヲヲヲォォォオ〜〜〜〜ンッ!!》


産声を轟かせ。

双眸をギラつかせ。

漲る力で両腕を突き上げる!

           「……アンタ、嘘つきじゃないな」

           「いいぜッ! 約束も守るッ!」

595『移動図書室』:2013/08/22(木) 00:55:51
>>594
「『約束』は、しばらくはありません。
 その『力』は自由に、存分にお使いなさい。
 わからないことがあれば、こちらに連絡すれば、
 何でも答えましょう」

『語り部』から名刺を渡される。
漆黒の紙に、白い文字。
電話番号とメールアドレスのみ書かれている。

「それでは、今日はこれまでです。
 また会える日を楽しみにしています」

女が小首を傾げ、別れの挨拶をする。
それ以上の会話を許す雰囲気ではなく、羽鳥は『テント』を出た。


――数分後、ワゴンもテントも、
跡形もなく公園から消え去っていた。

596羽鳥聖也『ハウリング・ヘックス』:2013/08/22(木) 20:59:09
>>595
「そーだよなーッ、取り立てる権利はアンタにあるわけだ……」

「いつでも持っていってくれて構わないぜ。
 ありがとうな……マジに感謝するよ」


出る。
気分は爽快だ。

そーいや『スタンド使い』――っつー連中が居る、のか?
ソイツらはどこに居んだろ。探さなきゃな……

なんせ詳しーことが解らねー。
『ソイツら相手の為の能力』……っぽいしな。

                  . .
        《オイィィ――ッ イヴちゃんよォォ――ッ》

         《まだウロついてんのかーッ
          辛気クセー顔まだ晒してんじゃねェよ、殺すぞゴラァッ!》


お、丁度いい。


    「…………な、アンタら。
     これ、見える……?」


        《――――は? 遂にイカレたのか?》

            《頭殴りすぎたんと違う?
             こりゃもういっぺん殴って直してやらねーとよーッ》


「……………………ははッ」  《ルヲヲヲヲヲヲォォ〜〜〜ッ》

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――翌日。
『秋映学園』に通う学生二人が、重傷を負って倒れているのが発見された。
新聞記事にもなったが、素行の悪い二人であり、喧嘩もよくあることだったので……


ほとんどの人間が違和を覚えず、次の日には忘れた。

597クレシアル『一般人』:2013/08/24(土) 05:35:40
可愛らしい子猫を抱えて深夜のメインストリートを散策する。

「美しい。忠犬ハチ公とか。フランダースの犬とか。動物の純粋な好意はいつも美しい」

それでも、人は動物の純粋な好意を踏みにじるのだ

598クレシアル『一般人』:2013/08/24(土) 18:04:34
そのままメインストリートを歩き去る

599クレシアル『一般人』:2013/08/26(月) 04:31:58

深夜のメインストリートを散策する貞子そっくりの人物

「つまんない人達ね」

通行人を見て呟いた
自分がつまらない人間だから世界がつまらなく見えるって言葉を思い出す

600クレシアル『一般人』:2013/08/26(月) 09:54:15
深夜のメインストリート散策を終えて帰宅しましょう

601ハイジ『クールボーン・スウィング・トループ』:2013/08/28(水) 23:57:37


    ズビズバー
                   ズズズズズッ


  「かきあげ、茄子、かぼちゃ追加で」                 ド
                                           ッ

  夕暮れ時、蕎麦屋で忙しそうに蕎麦を啜っている。      ヒ
  腕を振るった拍子に、カウンターの七味が落下する。     ュ
                                       ウ

                                       ゥ

602ハイジ『クールボーン・スウィング・トループ』:2013/08/30(金) 23:11:09


    ヒュォッ

              パシュゥ!


「っと、あぶねぇな」

スタンドの腕で七味を回収し、再び蕎麦をすすりはじめた。

603ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/02(月) 22:37:24
昼下がりの公園。
毛の長いアイリッシュ・コリーを連れた褐色白髪の青年が、のんびりと歩いている。

「いい天気だね パーシヴァル」
『ワン!』

604黒人青年『一般人?』:2013/09/02(月) 22:47:04
>>603

「ふぁ〜眠い」

白い髪、白い爪の黒人青年が歩いている。
貴方を見ると黒人青年は早足で接近してくる。

605ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/02(月) 22:52:39
>>604

「おや?」

思わずそちらの方を向いて、驚く。自分と同じく、褐色の肌と白髪を備えていたからだ。
祖国でも、そうそう同じ人間に出会うことはなかった。
この街は、日本の中でも多国籍化が進んでいるのかもしれない。

「Good afternoon(こんにちは)」

そちらに向けて頭を小さく下げ、まずは笑顔で挨拶をする。

606黒人青年『一般人?』:2013/09/02(月) 23:05:42
>>605

「こんにちは!」

私も笑顔で挨拶をします。
とても好意的な方で助かりますわ。
動物に愛情を注ぐ『人間』は、素晴らしい人が多いですね。

「可愛らしいワンちゃんですね」

「撫でてもいいですか?」

動物が好きなのだろう。
触りたくてウズウズしているよ!

607ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/02(月) 23:13:05
>>606

「ありがとう もちろんだよ」

即座に頷くウィル。
自慢の家族を褒められて、嬉しくないはずがないからだ。
当の犬、パーシヴァルも、律儀にお座りをしてじーっと青年を見上げている。

「この子の名前はパーシヴァルって言うんだ」「ぼくの名前はウィル」
「きみはなんて言うんだい?」

608ヴァン『一般人?』:2013/09/03(火) 00:30:43
>>607

パーシヴァルちゃんの首筋を撫でて遊ぶ黒人青年。

「『名前』ですか?」

「僕の名前はヴァンです」

ウィル君は優しそうな方ですね。
このワンちゃんもウィル君に似て優しそう。
忠犬ハチ公とか。フランダースの犬とか。
動物の純粋な好意はいつも美しいもの。

609ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/03(火) 00:39:52
>>608

『クゥーン』

首筋を撫でられ、気持ち良さそうにしているパーシヴァル。

「そうか」「よろしく ヴァン」

手を差し出し、握手を求める。
初対面で名前を呼ぶのは馴れ馴れしいかもしれないが、
彼が名前だけを自ら名乗ったのだから、そうさせてもらおう。
もちろん自分が名前で呼ばれるのは気にしない、どころか、嬉しいぐらいだ。

「ぼくはイングランドから 最近こちらに来たんだ」「きみはどこから?」

恐らく自分と同じ人種なのだろう。
ひょっとして、ヴァンも同じくイギリスからの来訪者なのかもしれない。

610ヴァン『一般人?』:2013/09/03(火) 01:02:02
>>609

ふふっ、可愛いです。
こんなに可愛らしいワンちゃんと『仲良し』になれて嬉しいですわ。

「よろしくです」

「ウィル君」

『人間』との握手も生まれて初てですね。
初めてが、ウィル君で良かったです。

「僕もウィル君と同じですよ」

ちょっと危なかったかしら?
ドッキリですね。

611ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/03(火) 01:11:17
>>610

「ーーーーーーーー」

手を離し、沈黙するウィル。
同じく、『イギリス』から。
それを聞いたウィルは、変わらず微笑んでいたが、何故かそれは少し寂しそうにも見えた。

「・・・・・そうか」

『ゴシゴシ』

パーシヴァルはそんな主人の様子にも気付かず、ヴァンの身体に頭をこすりつけている。

「・・・・・きみは 『祖国』を愛しているかい?」

612ヴァン『一般人?』:2013/09/03(火) 20:19:47
>>611

どうしたのでしょうか?
悲しそうな顔をされてしまうと心配になります。

「愛している・・・・と、『建前』だとしても言うべきなのでしょうか」

私は『人間』が好きです。
ですが、個人の話となれば・・・・

613ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/03(火) 21:35:09
>>612

「いや・・・」「個人の主義主張は自由だからね」
「色んな人間がいるんだ 色んな考えがあっていい」

『建前』という言葉を出したヴァンに対しても、特に気を悪くした様子もない。
再び主人の所へ戻ってきたパーシヴァルの頭を、よしよしと撫でてやるウィル。

「確かにこの街も素晴らしいけどね」
「それでも国へ戻った時は 日本との違いを見てその魅力を再確認してくれたら嬉しいな」
「ジャイアンツ・コーズウェーなんてとても綺麗だよ」「ぼくの家の近くにあるんだ」

と、そこでウィルはふと疑問に思う。

「きみはどの位前からこの国に来たんだい?」

614ヴァン『一般人?』:2013/09/03(火) 21:54:31
>>613

あら、意外と心の広い方ですわね。
惚れてしまいそうです。
私だって女性ですもの。

「最近ですよ」

「そんなことよりも」

下手に話を続けているとボロが出てしまいます。
別の話題に変えなければ……

「ウィル君は優しそうだよね」

「友達や彼女はできましたか?」

615ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/03(火) 22:05:10
>>614

「ぼくはまだまだ人として未熟だから」
「故にそんなぼくを優しいと言ってくれるきみこそが 優しいんだと思うよ」

首を振り、犬をひとしきりなでてから立ち上がる。

「友人はいっぱいできたけれど 恋人はまだだね」
「ヴァンはどうだい?この国や ここの人たちと上手くやっていけそうかな?」

616ヴァン『一般人?』:2013/09/03(火) 22:22:48
>>615

「いいえ、ウィル君は良い『人間』です」

「僕は『人間』として不完全ですよ」

『みんな』と一緒に居る為に、『人間』を知り尽くそうと研究中です。

「僕ですか?」

「これから『沢山』の友達をつくりますよ」

617ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/03(火) 22:30:52
>>616

「きみとはこうして先ほど出会ったばかりだけれど・・・『不完全』などとは思わないな」
「どうしてそう思うんだい?」

犬を連れた青年は、首を傾げる。
彼になにか悩みがあるのならば、力になってやりたいと思うが故に。

>「これから『沢山』の友達をつくりますよ」

「それはいいことだね」「では『友人』からのアドバイスを」
「『日本人』は礼儀正しいけれど 少々内向的な方が多い」
「こちらから笑顔で積極的に話していくと 打ち解けて仲良くなれると思うよ」

ピッと指を立てて、自分なりの考えを伝えるウィル。

618ヴァン『一般人?』:2013/09/03(火) 23:30:40
>>617

「礼儀正しい?」

「内向的? 違うね、他人の隙を伺って『悪意』を研ぎ澄ましているだけさ」

「彼等を可哀想だと思わないかな?」

「未だに過去の過ちを繰り返す。精神論や村社会などの忌まわしいものに縛られたままだ」

「本当の事を知るとみんな狂って何も考えられなくなるから、自分の小さな人生を保身する為に、互いに互いを監視し、寄生して歪で無駄なギスギスした村社会を作っている」

まるで、『別人』の様に変化したヴァン。
静かにドス黒い『悪意』を吐き出す。

619ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/03(火) 23:44:22
>>618

「・・・・・・・・・・」

「ヴァン」「きみは『性悪説』を知っているかい?」
「人間の本性は『悪』だからこそ 努力をして『善』に近付くべきだ」「そういう考えだ」

「過去にきみは 出会った人間のせいで嫌な思いをしたのかもしれない」
「でも だからこそ そんな人間のように『悪意』を吐き出してはダメなんだ」
「そういった『悪』ーーー『弱さ』に負けたくはないだろう?」

リードを離す、ウィル。

「きみが『善』であろうと努力し続ける限り ぼくはきみの味方だ」
「だから どうか道を踏み外さないでほしい」「ぼくも同じく 『善』であろうと頑張るから」

620ヴァン『一般人?』:2013/09/04(水) 06:42:55
>>619

「正しい人間は強い」

「しっかりしていなかったら、生きているべきでない。優しくなれなかったら、生きている資格がないと……」

ウィル君、『正しい』だけじゃ人間は駄目なのです。
『正しい』ことが、『善』だとは限りません。

「何故、弱い者を『悪』と切り捨てるのかな?」

「『みんな』が、正しく、強く、善でいられる訳じゃない」

「それに……『人間』の在り方こそ真の邪悪かもしれないよ。あらゆる生物を『根絶』に追い込み、踏み台にして『頂点』に至った」

ヴァンは微笑みながら、楽しそうに『善』を否定する。
先程までの優しげなヴァンの面影はない。

「そもそも、僕は生まれつき邪悪な人間だ。環境だとか、他人の影響だとかに影響を受けて……」

「いや、一人だけ……アイツが……アイツは………えっと、誰だったかな?」

微妙に思い出せない。
あれ、何で―――こんなにくだらない話を続けているのでしょうか?

621ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/04(水) 22:27:59
>>620

「別に切り捨てるわけじゃあないよ」「言ったろう?ぼくもまだまだ未熟なんだと」
「自分勝手な事で怒りたくもなるし 楽な方向に逃げたくなる時もある」
「人間は元からそういう生き物なのかもしれない」

「それでも ぼくは少しずつでも正しくありたいと願っている」
「弱さは『悪』ではないけれど 『悪』から抜け出せないのは人の弱さ故にだと思うよ」
「・・・ただ これも人に強制できることではないからね」
「きみがそれを望まないのなら ぼくには何もできることはない」

自分の言葉がどうあれ、心を動かすのは本人に他ならないのだから。
様子の変わったヴァンを見て、顔を伏せたウィルは、静かに訊ねた。

「・・・・・ヴァン」「きみは『スタンド』って聞いたことはあるかい?」

622ヴァン『一般人?』:2013/09/04(水) 23:17:10
>>621

皮肉に満ちた嘲笑を浮かべていたヴァンは居ない。
今は、犬を撫でていた大人しいヴァンに雰囲気が戻っている。

「ご、ごめんなさい」

何度も謝る。
『スタンド』を知っているか訊ねられると……

「ウィル君は優しい人だから教えてあげます」

「『僕』はスタンドです」

623ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/04(水) 23:24:00
>>622

「謝らないでほしい」「きみも間違ってはいないよ」
「『悪意』だって こうして誰も傷付けないところで漏らす分にはいいんだ」

ヴァンの過去を知らない自分には、先程吐き出した言葉について、
どちらが正しいかは分からない。本当に、ヒドい人間達に会ってしまったのかもしれない。
それでも他人を恨まず、真っ直ぐに生きるというのは容易いことではない。
だから、彼は悪くはないと思っている。

だがそんなウィルも、次のヴァンの発現には驚いた。

「きみが・・・『スタンド』?」「どう見ても人間にしか見えないけれど・・・」
「だからさっき ぼくと同じイングランドから来たと嘘をついたのかい?」

624ヴァン『一般人?』:2013/09/04(水) 23:44:36
>>623

「最近のスタンド使いは狂暴なので秘密にしているのです」

「優しいウィル君は特別ですよ!」

「『私』の名前は『バースディ・マサクゥル』」

「『自立型スタンド』みたいな存在です」

ヴァンの正体は『スタンド使い』とも違う存在。
『スタンド』そのものだ。

625ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/05(木) 00:02:02
>>624

「I see(なるほど)」

ジャイアンツ・コーズウェーはイギリスの誇る『世界遺産』の一つだ。
だがそれは、イギリスの中でも北アイルランドに位置している。
イングランドとは、離島の関係にあるのだ。間違っても、ウィルの家の近くには存在しない。

もっとも、もはやイギリスのどこにもダイバー家の住居は存在しないが。

「・・・確かに『スタンド使い』には好戦的な人間が多いね」

あの『ネオンストリート』の夜を思い返し、頷く。
ミス・チノはともかく、あのミスター・シグマは『Berserkr(狂戦士)』だ。
この彼、『バースディ・マサクゥル』とて、腕が立つなら狙われるだろう。

「それなら・・・ぼろきれを纏った『指』に『黒い炎』の
 『刺青』がある男性には気を付けて」「彼は戦闘を好む」

それにしても、『自立型スタンド』なるものが存在するとは。
興味深く、眼前のヴァンを見るが、やはり普通の人間にしか見えない。

「・・・・・・・・その」
「きみは『ヨハネスブルグ』や『語り部』といった言葉に聞き覚えはあるかい?」

626『バースディ・マサクゥル』:2013/09/05(木) 00:27:42
>>625

白い目を『カラコン』で誤魔化せてよかったです。

「黒い炎の『刺青』をした男性に襲われたのですか?」

「私は弱いので瞬殺されてしまいそうです」

『みんな』で戦うのは避けたいもの。
私だって死ぬのは嫌。

「世界一危険な都市らしいですね」

「『語り部』?」

『語り部』については知らないらしい。

627ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/05(木) 00:45:06
>>626

「もっとも 戦う意思のないものを命まで奪ったりはしないだろうけど」
「それでも暴力的であることには変わりはない」「気を付けて」

訊ねた二つのワードについては、断片的な反応が返ってきた。
もっとも『ヨハネスブルグの尖兵』ならば、自分が『スタンド使い』だと
分かった時点で、襲いかかってきてもおかしくはない。
戦闘向きのスタンドではない可能性もあるが、なるべくなら敵であってほしくはない。

「なんでもその二つのワードは『危険』だと知人の『スタンド使い』が言っていてね」
「『刺青の男』ともども 注意した方がいいかもしれない」


『ワン!』

と、そこへパーシヴァルが、リードを咥えてぐいぐいと寄ってきた。
早急に散歩を再開しろ、と言っているのかもしれない。

628『バースディ・マサクゥル』:2013/09/05(木) 01:15:35
>>627

「ごめんなさいね」

あの方の個人情報は言えないのです。
ウィル君とワンちゃんに謝り、公園を立ち去る。

「また会いましょう」

なるべくウィル君とは戦いたくないですから……
この事は『語り部』様に黙っておきましょう。

629ウィル『ヴェノム&ファイア』:2013/09/05(木) 01:32:10
>>628

「気にしないでくれ」
「この子はちょっと元気すぎるんだ 時々休むくらいがちょうどいい」

散歩の邪魔をしてごめんとパーシヴァルへと謝るヴァンに、首を振る。
妹一人に散歩を任せられない理由は、これだ。もっとも、そういう所も可愛げがあるが。

「うん」「また会おう ヴァン」

去り行く褐色白髪の背中に手を振る。
時折口調や一人称が変わるのは、『自立型』故の不安定さなのだろうか。
実に不思議な存在だった。好奇心が色々と彼への質問を持ち込んできたが、
それでもやはり、『ヨハネスブルグ』らへの警戒心がそれを許さなかった。

「・・・敵であってほしくはないな」

それでも、念のため。仲間へと連絡はしておこう。
この心配が杞憂に終わることを願って。

630貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/06(金) 23:19:12
    「ふんふふ〜ん♪」

ケーキの入った紙箱入りのビニール袋を手に提げて歩くあたし。
ダークブラウンの髪を肩くらいで切りそろえ、メイドさんがつけるホワイトブリムのようなカチューシャをつけていること以外は
多少メイド服っぽい着こなしの制服くらいしか目立った点のない、普っ通〜〜の女子高生よ。

そんなあたしは今日、黄金原駅前のお菓子屋さんでおいしいケーキを買ってしまったのでしたァーッ!
『バベット』の能力で出せはするんだけど、それだと『時間制限』があるからね。
冷蔵庫で冷やしたままとっておいたりできないから、すぐ食べないといけなくなっちゃって勿体ないわ。

631ようこそ、名無しの世界へ…:2013/09/07(土) 01:47:19
>>630

      ビィィィ――z__ッ

そんなアンタの横合いから原付が突っ込んでくるぜ。
周囲をちゃんと見ておくべきだったな……

632ようこそ、名無しの世界へ…:2013/09/07(土) 02:19:01
>>631
そんなバイクを見つめる少年。スタンドを発現。
一筋の『閃光』をバイクのタイヤに放つ(パス精:AAA)

633貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/07(土) 02:29:45
>>631-632
   「――ハッ!?」

気が付くと原付があたしの横合いから……!
こ、これは……このままだとケーキが――!!

とか咄嗟に動くこともできずに考えていたら、バイクのタイヤに『閃光』が当たってるけど。
……? ?? い、一体何が……?

634イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/07(土) 02:38:12
>>633

「……オォ?」

誰か見えたぜ。
こーいう時は、だ。

          ドゴドンッ!

『相棒』の拳を強く地面に突き込ませて、原付の車体を掴ませる。
そのまま固定しつつブレーキ。車体は大きく傾くが――

          ギャキキィ

足を挟みそうになりつつも、停車、だ。
ぶつかりそうになった相手を確認する。

「お」

        「――――、じゃねーか」
          (誰だっけェェ――ッ
           名前ェェ〜〜〜〜ッ)

黒いTシャツ、黒いレザーパンツ、黒いロングコート。

そっちからすれば学校――同じクラスで見た顔だ。
生意気だとか、あだながヘンとかいじめられてるヤツ――

>>632
光線だとかは気づかねーな。目の前ので手いっぱいだ。

635ようこそ、名無しの世界へ…:2013/09/07(土) 02:51:29
>>633-634

気づかない?
当然だ、ちょびっと『放射』したから。

「狙いは適当」

「それに見えないだろうね」

ゆっくりと立ち去る。

636貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/07(土) 03:00:59
>>635(?)
結局何だったんだろ……?
光線も良く見たらタイヤに当たってなかったし。
……まあいいか。で、こっちの少年だけど……。


>>634(イヴ)
えーっと、確か、コイツはクラスで『あだ名をからかわれてイジメられている』……・

             「……イヴ、君?」

呆然としながら、ボソリと呟く。
本名は、確か下の名前が『せいや』って読みだったのは覚えてるんだけどな〜……。

イヴ君の方も、あたしのことは知っているかもしれないけど、印象は薄いかもね。
あたし達のグループの中では、割と中心人物的なポジションにいるけど、
それって結局『あたし達のグループ』の中だけの話だし。クラス全体の場では目立たないようにしてるからね。

637イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/07(土) 03:09:03
>>635
まあ、どーでもいいや。
他の時だったら判らねーが……

>>636

     カッチィーン

おっと、イラつく呼び方が入りましたァァ〜〜〜ッ。
コロしてやろーかと思うが、僕も名前知らねーしな。

 ハトリ
「羽鳥って呼べよォ〜〜〜ッ
 そー呼んでいいのは親父とお袋だけだぜッ」

「あ、あと……移動図書館のねーちゃんな」

原付を起こしながら、貝橋の顔を見る。
そっちからは僕の傍らに『蜘蛛みてーな顔の像』が見えるだろう。

          《ウシュル ウシュシュ……》

 「コスってねェよなァー……無事かー」
「ウマいことやったぜ。さすがだなァ〜、スタンドってのはよォ〜ッ」

         ズ
             ズズ

『全身に六角形の模様の刻まれた人型』が僕に重なって消えていく。

638貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/07(土) 03:24:18
>>637
「あッごめんつい……、」

しくった! 思わず口に出ちゃった……と思ったところで、その『ヴィジョン』を見る。

   「なッ!? スタンド使い!?」

思わず、構えそうになったところで……、
そ、そういえばイヴ君……もとい羽鳥君はスタンドであたしを助けてくれたんだっけ。
警戒するのは、筋違いってヤツね。

      「ごめんね、助けてくれたのに。
       実はあたしも――」

                       ズ ズ
                                「『スタンド使い』なの」
『バベット』を見せる。
……霜月さんが言っていたように、『スタンド使い』だってみんながみんな危ないわけじゃない。
こうやって自分からスタンドを見せれば案外普通に仲良くなれたりだって――、

639イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/07(土) 03:30:20
>>638


    「おッ?」

スタンド使い、という単語に驚き。


      「オオォォォ〜〜〜ッ!?」

スタンドのヴィジョンに驚いた。
まさかこんな身近にいるとは――――


            ガシャンッ

バイクの脚を立て、その場に停める。
ニヤニヤと笑いながらヴィジョンを眺めるぜ。


「面白ェなァァ〜〜〜ッ」

名前を思い出した――『貝橋 詩織』。
我ながら現金だと思うぜ。スタンド使いじゃねーと興味が出ねー。

  「でも弱っちそうだぜ。
   試すか? どうするか?」

           ビュウッ!

その鼻先に拳を突きつける(ス精BB)。

640貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/07(土) 03:35:38
>>639
 ビュウッ!
       「ううッ」

スタンドで拳を突きつけられて、思わず一瞬遅れてのけぞるわ。

         「……試すって、何を……?」

               「腕相撲とかなら、『バベット』だってそれなりに自信あるわよ。
                大の大人と戦えるくらいなんだから! ……でも、スタンド相手となると厳しいかしら……?」

                                 『ギャウ……』

相手の言っていることが分からなくて、思わず首を傾げてしまうわ。
えーっと、別にあたしのことを痛めつけてやろうとかって意思がないことは分かるけど……?

641イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/07(土) 03:45:09
>>640

「……ビビった?」

そーいうことに少し驚いた。
あの『探偵ヤロー』は手馴れてるみてーだったからな。
コイツ、闘い馴れてねーのか?

                               .
  「よくわかんねーがスタンド使いっていうのは『僕が天敵』らしい」


 「だけどよォーッ そもそもスタンドってのがよくわからねーッ
  能力ってのも一つしか知らねーしな。戦い方判んねーと」

「……潰せねぇだろ? こんな風に」


              グォッ

大きく手を広げて、貝橋の頭に翳し、そのまま圧す。
パワーは目いっぱい、とはいかねーな。遊んでやるぜ(破ス精:CBB相当)。

     「金銀マダラヤローみてーなこと出来んのかァァ〜〜ッ
         見 せ て み ろ ッ!! 貝橋ィィ――ッ」

642貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/07(土) 20:44:16
>>641
   「えっ」 「ちょっ!」
         「わわっ」  「ぎゃん!」

フツーに考えて……防御なんてできねーわ。
『バベット』のスピードはあくまで『人間並み』だもの。
見たところ『シグマ』と同等程度の『並』のスピードとはいえ、『バベット』には対応できない。
必然的に、あたしはそのまま羽鳥のスタンドに押し倒されて……、

                            『……ギャウ』

でも、『バベット』まで止まっているわけじゃないわ。
『テーブルセッティング』で羽鳥の足元までクロスを敷き、(スB)
それを引っ張ることであたしと同じように転ばせる。(パスCC)

643イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/07(土) 23:14:48
>>642
抵抗は――ねェェ〜〜ッ!
なら問題なく押し倒せるぜ。

     「ヘヘッ」

「スタンドも使わねーとは、マジ弱ェ」

         グ

        「――! 足がッ!?」

       シュスゥゥ――ッ

強く引かれたクロス! こんなモノを何時の間に。
コレが『コイツの能力』かッ! 倒れ込みつつ、仰向きの態勢を保つッ。


      「『ハウリング・ヘックス』ッ! 備えろッ!」

無理して抵抗はせず、観察を続ける――――
どういう能力なのか。興味はそこにあるワケだからな。

644貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/07(土) 23:23:12
>>643
     「くうッ」

あたし本体は転がるように、『バベット』は使用人としての技能を使って去り際に
クロスを翻して目隠しにしながら羽鳥との距離を取る。
『5m』よ。おそらく羽鳥のスタンドは『近距離パワー型』。
ジョセフィーヌの『エレメント・オブ・クライム』の射程距離は『5m』で、これがかなり長めだから……、

                  ザアッ

そこまで下がれば、向こうの攻撃は届かない。
こっちよりもパワーやスピードの能力が上の『近距離パワー型』に対して、
真っ向から射程距離内での戦闘を挑むんじゃ手も足も出ないからね。

          「あ、あんたいきなり何のつもりよッ!?」

                   「スタンドで押し倒したりして! 怪我したらどうするのッ!?」

……って、違うでしょうがあたし! そんなマヌケなセリフは今言うことじゃないでしょ!
決まっている……この場で、あたしにこんな風に攻撃をするってことは……
コイツは『ヤバいスタンド使い』ってことよ! 知り合いだし『胡蝶』の連中とは別だと思うけど!

『話し合いで解決できる』……に越したことはないけど、期待はできない……!

645イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/07(土) 23:31:56
>>644
「へ、へへ……」

翻るクロス。こっちに被せるわけでもねーならそのままだ。
こっちに被せるなら『HH』に掴ませてみようか。

          グ
            グン

立ち上がり、5メートルの距離を確認する。
『射程距離外』。こういう戦い方は初めてだな。

『離れる』――
能力が遠くまで届かねーなら、その距離まで離れりゃいいワケだ。

そして。

「テメー、なんで僕の射程距離見切ってんだ?」

   「経験があるな?」 「こういうことによォ」

           ス

『ハウリング・ヘックス』を前面に出し、接近だ。
もう少し、能力を観察したい。こういうタイプの能力。
『布を出す』――『どっから取り出した?』 気になるぜ。

「怪我ぐらいよォ――ッ 大したことじゃねェーだろ。
 僕は毎回してっからさ。なに、撫でるぐらいだからよォ」

      「手加減は」  「しねーがなッッッ」

             2 メ ー ト ル
『射程距離外』――『射程距離内』へ。
前進と後退なら前進の方が早いッ! 踏み入ったならぶん殴るッ!

646貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/07(土) 23:47:44
>>645
クロスは倒れている状態の羽鳥の視界を一瞬誤魔化す為のものでしかないから、かぶせたりはしないわ。
多分、多少ゆがんだ形にはなるだろうけど元のように敷きなおされるはず。

   「くッ、このッ……」

接近する。分かりやすい態度ね。
でも、これで――アヴェルスのような『遠距離攻撃可能な能力』がないことは証明された。
あくまで接近するというのなら……、

      「『バベット』!」

こっちも接近してやるわ! ただし! 羽鳥が足を下ろすタイミングを見計らって再度『クロス』足元に発現させる(スB)。
通常、こういうやり方(『テーブルセッティング』)の後は『30秒』のインターバルが必要なんだけど、
『なにも発現しなかった場合』に限り、通常通りのインターバルでクロスを発現させることができる。
そして、いくらスタンドが素早かろうと『シグマ』じゃないんだから本体のスピードは人並み。
しかも、さっき発現したクロスは解除していないから……布の上にさらに布を敷けば、多少滑りやすくなる。
テーブルクロスっていうのはつるつるしているものだからね。自信満々に踏み込んだ瞬間、クロスで滑って転ぶと良いわ!

『バベット』が射程距離に入った瞬間即座に殴る、と決めているなら……
おそらくタイミング的に、殴ったのとほぼ同時に滑って転んで『バベット』への攻撃は若干ズレるはず。
その間に、『バベット』は小さな体と素早い身のこなしを利用して羽鳥の懐に潜りたい(スC)。

647貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/07(土) 23:48:43
>>646
接近するのは『バベット』だけね……。一応。
あたしも一緒だと的が大きすぎるし、あたし自身も滑って転んじゃうかもしれないからね。
あたしはせめて少しでも距離を取る為に後退するわよ。

648イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/07(土) 23:57:48
>>646-647
「オイオイそーいう行動」

  「僕が慣れてねーからってッ」
「同じ手口なら読めるんだよォ――ッ」

クロスの上にクロスを重ねたタイミング。
『ハウリング・ヘックス』が地面を思い切り踏みつける!

        ス″
        ト″   「こまけーやり口も嫌いじゃねーが」
        、オ   「『力づく』も試すかァァ〜〜〜ッ!?」
        ノ
         ツ
         / /
         ・ ・

地面に杭打ちするような蹴り足をそのまま蹴上げる!
地面をぶっ壊して砕いた破片を吹っ飛ばすぜ!(破ス精:ABB相当)
ついでにクロスもまとめてフッ飛ばしちまうとするぜ。

距離を取った理由――あのサイズから考えるに……

接近は継続だ。

649貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/08(日) 00:12:56
>>648
あ、うん。これは無理だわ。

相手が油断しているうちにどーにかこーにか決着をつけたいと思ったんだけど……。
『蹴上げる』という行動だから、狙いは大体上半身近くでしょう。
両腕で頭を庇いつつ、咄嗟に転ぶようにして直撃を回避したいけど……。
……腕逝っちゃうかな……?

クロスが踏み抜かれた時点で接近の計画は中止。『バベット』はあたしの傍で待機。
回避が成功するにしろ失敗するにしろ、牙を剥いて威嚇させるわ。

650イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/08(日) 00:26:51
>>649
蹴上げた拍子に砕けるから、破片は相応に小さいかもしれねー。
当たったら痛いだろーが、骨は折れねーかもしれねー。

どっちだろーが構いやしねー。


        ズイ

「『射程距離内』だぜ。
 この距離なら僕の『ハウリング・ヘックス』のが素早いよな?」

――――『勝負』だ。

あの時、あの野郎は僕を見逃した。
だから、なりふり構わねえ……なんてことはしねー。
ああいうやつに勝つには、乗り越えなきゃならねー。


  「『降参』するなら見逃してやるよォ」

「だけどよォ〜ッ まだ、それ。見切っちゃいねーから」
「底まで出し尽くさせてから終わりにしたいぜ」

        ゴ                ゴ
                   ゴ         ゴ

蹂躙するっていうのは全て出し尽くさせてから踏みにじること、だ。
『僕の方が優越する』――それを証明するために。


        「まだ全部出し切ってねェーだろ?」
                       . . . .
               「どうだ……やるかい?」

651貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/08(日) 00:48:08
>>650
「痛ッッッ〜〜〜〜〜…………!!」

        「…………!!」

       「……やるわけねーでしょ! 馬鹿なの!?」

痛みに耐えてから即答よ。
何か『恐怖は克服するモンだー!』とか言うどこぞのシグマみてーなヤツを彷彿とさせるけど。
あたしってば、そういうヤツらとは『生きているノリ』が違うのよ。
『目の前の試練から逃げ出す奴は根性なしだ』とか『やられたまんまでいるなんて許せない』とか、
そんなことに命を懸けて痛い目見るなんて馬鹿そのものよ!

      「降参して、見逃してくれるなら降参するわ。
       腕試しはあたしの負け! これでいい? 満足した?」

   「ったく、問答無用で襲い掛かって来たのかと思って刃向かって損したわ。
    そういうのがやりたいなら、『通り魔』相手にでもやってなさいよね……」

立ち上がって、服に着いた砂埃を叩こうとして、腕に走る激痛でそれをやめる。
完全に警戒を解いたわけではないけど、最低限戦闘態勢ではなくなるわ。
ううクソ、これはヒビ入ってるかな……? 晴れてないから重傷ではないと思うけど……。

652イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/08(日) 00:58:29
>>651

「…………なああンだよォォォォォ〜〜〜〜ッ
 ノって来いよなァ! ッたくよォ、女ってのはこれだからァァ〜〜〜ッ」

        ガヅッ!

地面の残骸を蹴り上げ、鼻を鳴らした。拍子抜けだ。
だが、理解した。『物体を取り出せる能力』というのがある。
クロスだとかも一瞬だった。鞄で振れるのが起点か?

「別に殺してもいいんだけどよォォォーッ
 あ、でも、やっぱりナシだな。テメーだと殺してもサマにならねー」


          「弱ェェ〜〜ッし」
       「で、『通り魔』? 僕のことかよォ?」

原付の方へ近づくと、停車用のスタンドを蹴倒す。
そのまま押しながら貝橋の方へと近づいた。
『ハウリング・ヘックス』は解除済みだ。

「ソイツ、パワーがねーな」

「でも2メートル越しても近付けるってワケだ。
 『パワーと射程距離には相関関係がある』」

                「『覚えた』」

653貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』:2013/09/08(日) 01:20:15
>>652            ダイナー
      「フン! ウチの職場の先輩よ」

教えてやるわ。
あの人なら別に襲われても困るどころか嬉々としてそうだし。

      「錏葉九郎、スタンドは『ザ・シグマ』!」

              「ワイルドな人だから一瞬で分かるはずね」

弱いとか言われても、別に気にしないわ。事実だし。
このままコイツといても面倒なだけだし、さっさと離れよう……。
……あ、そうだ。これだけは言わないと。

   「あと」

     「『殺す』とか、そーいうことを軽々しく口にしない方が良いわよ」

           「……人によっては、マジで殺す気で襲われるからね」

そう言って、踵を返すわ。



……って、あー!? ケーキ、ケーキが……さっきの瓦礫で壊滅状態にー!?

654イヴ『ハウリング・ヘックス』:2013/09/08(日) 01:26:01
>>653
「…………『ダイナー』、『シコロバクロウ』『ザ・シグマ』。
 『ワイルドなヤツで一瞬で解る』。それも『覚えて』おくぜ」

なんだコイツ。物知り博士か?
いいこと教えてくれてるじゃねーかよ。

ま、どっちにしろ負けねーから問題はねー。



「………………『殺すって軽々しく口にしない』」

「へえええ? それは……『覚えておかねェ』」

まるっきり母親の言い分ってヤツだな。
まあ、弱い奴なら殺す必要もねーだろ。

…………そもそも殺さなきゃならねーぐれェヤバいヤツに会えるかな。

      ギャリリィ
             ドッドッドッドッドッ

「――『楽しみ』、か?」

去るぜ。もうちょっと覚えねーと。

655烙『クライムウェイヴ』:2013/09/09(月) 22:55:48
「ふう」

脇腹を押さえる。
ちょっと歩いては立ち止まり、歩いては立ち止まりを繰り返す。
少しずつだが前には進む。
黒いよそおいの男だ。ピアスとネックレスは金色に光っているが、純金ではない。

「・・・痛ぇー。やっぱりホッチキスはダメかなあ」「くそう」

656音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2013/09/09(月) 23:35:45


           グビィィィィィ〜〜〜〜〜〜ッッ


             ヒック

                       ヒック


     「うぁぁぁ」

                「クソ、クソ、

                    ぁ、ぅぅ、私は、

                             あのスタンド、さえ、」


葬儀場から去った翌日から、ピエールはびた一文働いていなかった。
よれよれのドレスシャツから突き出した顔はアルコールに浮腫み、
片手にしたワイン瓶と共にメインストリートを徘徊している。
足取りだけはシャンとしているからこそ、逆に恐ろしくもある。


    「う、」

                「うぼ」


烙の前でピタリと足を止め、


                     「うぼ

                        げ

                         ぇ             ビチャ

                          ぇ              チャチャ――――

                          (
                               )」


黄土色の液体を思いっきり吐き出した。

657烙『クライムウェイヴ』:2013/09/09(月) 23:42:09
>>656
「うわあ」

大丈夫か?
でもかかるのは嫌だから、一歩退こう。

  ビチャ

でも躱しきれずに、裾にかかる。
ちょっとイラつくな。

「おい、君、大丈夫か? 水でも飲んだほうがいい」

話しかける。

658音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2013/09/09(月) 23:52:02
>>657

   「うぅ、うるでぇ!」


          「気安ぐ 寄るんじゃ ゲボ

                         ねぇぇ」


          ドサッ

                       オ ボ ボ ボ ボ ...


その場に四つんばいになり、吐瀉物を路面に広げていく。
ワインの芳醇な香りは履き続けた靴下のような汚臭を放ち、
咳き込む度に唾の塊が照り付く汚物に飛散し、
熱の入ったホットケーキの生地にょうに無数の気泡を生み出す。


    「ぅぅ」


             「何故、私は、

                  あの時、ぅぅ、


                      私がやらなければならなかった……。
                      どんなに強大な敵だったとしても、
                      私が、剣を手に取ったのだから、だから、ぁぁ」


         ジリジリ
                   ジリリリ


嗚咽交じりに泣き言を零しながら、
濡れた路面に爪を立て、己の末端を抉るように引っかいていく。


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