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エリーンちゃんとの愛の妄想を書き込むスレ 2ペロ目

1名無しさん:2014/09/12(金) 18:09:50 ID:qJ/hqs.Q
エリーンペロペロ

949しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:26:30 ID:rXy2pB/o
〜未就学キツネエリーン 完結編 2「優等生、シオリ」R18〜

学校へ通う事をきっかけに主人はキツネエリーンに名前を付けた。シオズ、シオナからとって、シオリと名付けた。
名前を付ける事で個人としての明確な立場が確立する。
未就学エリーンは飼いエリーンであっても名前を付けられる事はほとんどない。その程度の扱いなのだ。

学校は戦時下でとりあえず教養を付けさせる為の突貫教育といった感じで、初等〜高等まで一貫だった。
学年は一緒でも年齢や成長具合はバラバラで、本来なら職に就いているであろう年頃のエリーンも多い。
成熟したエリーンであっても自分で着替えすら出来ず、授業中にお漏らしする者もいた。

この学校ならシオリでも何とかやっていけそうだと主人は判断した。
シオリも自分で靴下すら履けなかったし、おねしょ癖も中々治らなかった。

制服着用の義務がなかったのも主人には有難かった。制服なんて買ったら破産していた。
それでも入学祝いとしてランドセルをプレゼントした。中古だがシオリは喜んだ。
生活は相変わらず苦しかった。仕事を増やし、休みなく働いて学費を捻出した。

イヌエリーンの死後、しばらくはお互いに距離を感じる事もあったが、二人はもう間違えたくなかった。
主人は保護者として、親として、シオリを"一匹"ではなく一人前のエリーンに育ててみせると心に誓っていた。

シオリもまた、今でも家族として厳しく優しく接してくれる主人に深く感謝し、恩返しをしたいと思っていた。
野良エリーンの自分を受け入れ、過ちを犯しても見捨てないでいてくれる、守ってくれる、
そんな主人の事が大好きで大好きで仕方なかった。

失敗、過ちの事実は消える事はない。イヌエリーンへの罪の意識はこれからも二人を縛るだろう。
歪かもしれないが、これが二人を繋ぐ絆になっているのも確かだった。

――初等教育を終えたシオリは中等教育に進級し、学級委員になっていた。
授業参観で初めてその事を知り、主人は驚いた。シオリなりのサプライズらしい。
元気良く手を挙げて授業に参加する姿勢は、今までのシオリの素行を考えると目覚ましい成長ぶりだった。
あれだけ覚えようとしなかった言葉も今では随分と達者になった。

ある日の放課後、委員会の仕事が長引いたシオリは下校時刻を過ぎてもまだ学校に残っていた。
優等生になったシオリは教師や同級生からの信頼も厚く、あちこちに駆り出される日々だ。

あんなに賑やかだった校舎はオレンジ色の静寂に包まれ、シオリの軽い足音だけが長い廊下に響いた。
早く教室に戻って帰り支度をしなくては。シオリは食事当番なのだ。主人がお腹を空かせて帰ってくる。

教室の扉に手を掛けた瞬間、何者かの気配を感じ取るシオリ。誰も残っていないはずの教室に誰か…いる…。
つま先をピンッと伸ばし扉の窓から教室の中を覗いてみると…っ?!

…用務員のヒュマ♂が息を荒げながらシオリのランドセルに股間を擦り付けていた。
思わず息を呑むシオリ。彼がナニをしているのかすぐにわかった。シオリは色んな意味で優等生なのだ。
ヒュマ♂はシオリの名前を何度も叫ぶと、ランドセルに白濁液をぶちまけた。

主人に買って貰ったランドセルを汚されたという怒りと、自分に向けられた劣情への戸惑い、
そして、主人にもヒュマ♂と同じものが付いていて、白濁液が出るのかと思うと頭がぐちゃぐちゃになった。

帰り道。何度拭き取っても独特のニオイが取れないランドセルを背負いながら物思いに耽っていた。
これまで主人に向けていた大好きという気持ち。この気持ちは一体何処から来るのだろうか。
罪を咎めないから?主人だから?家族だから?…異性だから?わかるようでわからない。
ただ、確かなのは主人に向けて特別な感情が芽生えてしまったという事だ。

950しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:27:34 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーン 完結編 3「劣情」R18〜

それからというもの、シオリは主人の顔さえ碌に見られなくなった。
何かあったのかと主人は心配したが、お年頃という事もあり深くは詮索せず見守る事にした。

シオリ(大好きなご主人様。私の事をどう思っているんだろう。本当は私を憎んでいるのかな?
    ご主人様の事が気になって仕方がない。モヤモヤとドキドキが止まらない。
    ご主人様と手が少し触れただけでケモ耳としっぽの毛が逆立つ。思わず距離を取ってしまう…。)

最近は主人の帰りが遅い。また一つ仕事を増やしたらしい。
食事の準備をしながらもシオリの頭の中は主人の事でいっぱいだ。

ふと、シオリはヒュマ♂がしていた行為を思い出す。主人も同じ事をするのだろうか。
そんな事を考えると身体が火照ってくる。その日、シオリは初めて自分を慰めた。

それからシオリは学校から帰ると毎日自慰をした。オナリーンだ。
行為は日に日にエスカレートして主人の下着のニオイを嗅ぎながらするようになっていた。
大好きな主人のニオイはシオリの脳を直撃した。一度果ててもまた次を求めてしまう程だった。
足をピーンと伸ばすと気持ち良い事を覚えた。しっぽをニギニギしつつ股を擦ると「ンッ」と声が漏れた。

激しく自慰に耽るとボロ家のあちこちが軋む。寝床にしている段ボールの劣化も早い。
カタカタと音のする方を見ると本棚に飾られたイヌエリーンの似顔絵と目が合った。
まだ言葉が話せなかった頃、イヌエリーンからクレヨンを奪い取ってシオリが描いたものだ。

似顔絵のイヌエリーンは幼かった。それに比べてシオリは成長し、無様にも♀として発情までしている。
後から来た野良のシオリがイヌエリーンを死なせ、主人を独り占めし、恋心と劣情まで抱いてしまっている。
そう、シオリは主人を異性として好きになっていたのだ。

シオリ(こんな卑しい私をイヌエリーンは許してくれるかな…)

罪悪感でたまらなくなったシオリは主人の下着のニオイを思い切り吸い込み、しっぽをニギニギする。
シオリは時間を忘れて自慰に耽った。今は快楽の海を泳ぎ、もっともっと深い所へ潜りたかった。

――数えきれない程の絶頂に息を切らし、ようやく我に返るシオリ。
快楽の余韻に浸りつつも身体をゆっくり起こすと目の前には仕事から帰った主人の姿があった。

主人「おっと、会社に忘れ物をしてきてしまった」(スタタタタ…)

と、よそよそしく言うと慌てて去って行く主人。シオリは自慰行為を主人に見られてしまったのだ。
恥ずかしさと気まずさで快楽の余韻が一瞬で吹き飛ぶシオリ。オナリーンあるあるだ。

最近のシオリの態度から主人も感づいてはいた。お年頃だもの。
仕事から帰るとシオリは決まって潤んだ目をしているし、それ特有のニオイが立ち込めていたからだ。
こういった事に興味があるのは主人も理解しているが、気がかりなのは主人の下着を持っていた事だ。

…30分程経った頃だろうか。再び帰ってきた主人はいつも通りだった。リスタートだ。
シオリは相変わらず主人の顔を見られなかった。

951しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:28:38 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーン 完結編 4「主人」〜

あっという間に時は流れ、俺は歳をとった。仕事を幾つも掛け持ちするのは正直辛くなってきた。
だが、この生活ももうじき終わる。シオリが独り立ちするのだ。俺はイヌエリーンの似顔絵に語り掛ける。

シオリは今看護師になる為、国家試験を受けにヴェリカまで行っている。あの子なら大丈夫だ。きっと受かる。
一貫校を卒業後、まさか看護学校に通いたいなんて言い出すとは思わなかった。
イヌエリーンの件があったからなんだろうな…。

長かったような短かったような…色々な事があった。イヌエリーンを失った悲しみは一生癒える事はない。
シオリは俺の悲しみに気付いていたし、罪悪感もあったようだ。

俺は保護者として、親としてシオリを一人前のエリーンに育てる事だけを考えるようにした。
シオリは俺の大切な家族だ。今日までスクスクと育ってくれた事を誇りに思う。
感情の起伏が激しくわがままで、あんなに手を焼いた子が見事に成長してくれた。
これから先、シオリは立派にやっていけるだろう。本当に良い子に育ってくれたよ。

シオリの気持ちに気付いてはいるが、シオリが自分の幸せを掴む日が来るまで、
俺はシオリの保護者として、親として見守っていきたいと考えている。
看護師資格が取れたら、これまでシオリの為に積み立てしていた通帳を渡そう。まぁ多くはないが。

(ドォォンッ!!バゴォ!ドガシャアアン!!)

うおおお!!何だ今の衝撃は!何が起きた?火事か?!

――主人が慌てて外に出ると集落の周りを中型モンスターの群れが取り囲んでいた。
集落に住む飼いエリーンや飼い主、森から逃げてきたであろう野良エリーンが無惨な姿で横たわっている。

最近集落に来たばかりの幼いウサギおちびーんは何が起きたかわかっていないようで、
「ァィ!ァィ!」言いながらヨチヨチとモンスターの方に歩いて行ったが、瞬く間に踏み潰されてミンチになった。
これがこの世界の日常なのだ。アルボレアとはそういう世界だ。

中型モンスターの群れは集落全体を轢き潰すように主人の方へ向かってくる。
…幸いにもこの場にシオリはいない。主人にとってはそれだけが救いであり、希望だった。

主人「ふぅ…これは俺もいよいよ覚悟を決めなきゃいけないな。罪は俺が全て背負っていくよ。シオリ…xxxxx」

952しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:29:28 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーン 完結編 5「シオリ 上」〜

看護学校での日々は一貫校に通っている時よりも遥かに大変だった。
私が貧乏集落出身だと知ると教員達はあからさまに態度を変えたし、同級生達からイジメも受けた。
でも、ちっとも辛くはなかった。私にはやりたい事がある。
一時はお医者様を目指そうかとも思ったけど私の身分では難しかった。

それに今度は私がご主人様を支える番なのだ。ご主人様はあまりに働き過ぎた。
気付けば眼鏡をかけるようになっていたし、白髪だって目立つようになった。
それでも私にとってご主人様は特別で、大好きな人だ。
看護師資格が取れたら、もう一度ちゃんと向き合おうと思う。自分の想いを告げよう。

――国家試験を終えたシオリは手ごたえを感じていた。
まだ結果が出ていないにも関わらず「ァーィ!」とVサインを空高く掲げた。
他のエリーンと比べると小柄で痩せ型ではあるが、立派なエリーンへと成長したシオリ。ナース服も似合うだろう。

せっかくヴェリカまで来たのだし、主人へのお土産でも買っていこうと散策をするシオリ。
創造の工房、魔法アカデミー…集落とは文化レベルが全く違う。芋を干してる所なんて何処にもない。

当然、物価も高かった。うっかり高級洋菓子店に入ってしまったシオリの視線に飛び込んできたのはケーキ。
クリスマスに食べられなかったケーキ。夢にまで見たケーキがズラりと並んでいる。
涎が垂れそうになるのをグッと堪えるが、値段を見て思わず吹き出しそうになった。これは無理だ。
何も買わずに店を出るのも気まずいし甘い香りが鼻腔をくすぐる…だが、値段を見ては現実に引き戻される。

シオリは平静を装い、チョコレートが数個入った小さな小袋を手に取る。これが一番安かった。
レジに向かうと店長らしき人物が目を細めてこちらを見ていたが、無事に買う事が出来た。

支払い中に店長と軽く話をしたが、この店は富裕エリーン御用達で、ヴェリカでは人気の洋菓子店なんだとか。
しかし、香りに釣られて野良の未就学エリーンもやってくるらしく、トラブルになる事も多いようだ。

店長「中でも印象的だったのはゲロまみれのリスエリーンだなぁ。
   暴れるし汚いしはした金しか持ってないのにケーキを指差してうるさくてなぁ。参ったよ。
   仕方ないから有り金で買えそうなチョコを一粒渡してやったら喜んで帰っていったけどw」

相槌を打ちながら店長の話を聞いていたシオリは、このリスエリーンが誰の事なのかすぐにわかった。
集落に伝わるおつかいの風習は本当にあったのだと、シオリはこの時に初めて確信した。
自分はおつかいに出されなくて良かった…お勉強頑張って良かった…安堵するシオリ。

リスエリーンがいなくなっても集落の大人達は何も触れなかった。主人でさえも…。
仲良しだった三人も今ではシオリ一人だけになってしまった。
リスエリーンから奪い取ったどんぐりの蒸しパンの味は今でも覚えている。お腹を壊した事も覚えている。
感傷的になるシオリだったが、だからこそ強く生きなければならない。
泣き言もわがままも言わない。そう決めたのだ。大好きな主人の為にたくましく生きる。

953しょんべりーん:2022/02/02(水) 01:30:26 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーン 完結編 END「シオリ 下」〜

集落に帰還したシオリを待ち受けていたのは悲惨な光景だった。
倒壊した木造家屋、吐き気を催す嫌な臭い。見慣れた集落は留守の間に随分と様変わりしていた。
一部の倒壊家屋は火事で焼けたらしく黒焦げになり、煙が細く立ち上っていた。
様子を見るに事が起きてからはそこそこ時間が経過しており、既に脅威は去った後のようだ。

腹が大きく縦に裂け、腸がはみ出した状態で倒れている野良エリーン、
下半身をぺちゃんこに潰されたエリーンは、少し前に読み書きを教えてあげた近所の飼いエリーンだった。
凹んだ地面にこびりついたミンチ肉。大きな何かによって潰されてしまったのだろう。原形を留めていない。
僅かだがウサ耳らしきものが残っていた。恐らく最近集落に来たばかりの幼いウサギおちびーんの亡骸だろう。

一人ずつ状態を見つつ息があるか確かめるシオリ。だが、誰一人として生きてはいなかった。
イヌエリーンとリスエリーンでよく遊んだ場所にはイヌエリーンのお墓を立てていたが、跡形もなかった。
やがて、シオリはかつて我が家が建っていたであろう場所まで戻ってきた。

大きな何かで上から押し潰されたような我が家の残骸。
足元には主人がうつ伏せで倒れていた。シオリにはもうわかっていた。主人は死んでいる。
シオリは主人を優しく抱きかかえる。主人の身体は上半身のみになっていた。

主人は両手で何かを大切そうに持っていた。
既に硬直が進んでいたが、主人はまるでシオリに手渡すかのようにすんなりと両手を解いた。

主人が持っていたのは、通帳とハンコ、イヌエリーンの似顔絵だった。
恐らくシオリの為に積み立てしていた通帳だろう。

ふと、通帳の間から何かがこぼれた。それは目に涙を浮かべた主人と笑顔のシオリが写った写真だった。
一貫校の卒業式の後、主人と一緒に撮った唯一の写真だ。

写真の裏を見ると「俺の自慢の娘、シオリへ。幸せになりなさい」と書いてあった。
シオリは泣いた。幼かったあの頃のように泣いた。泣く事しか出来なかった。

シオリ「ゥ...ウェァァ!ウェェァァアアア!ァァアアアア!!ヘメヘェァ...グウ゛ェァァアアア!!ア゛アッアアァァァ!!!」

――こんなのってないよ。これが私の罪なの?私があの時イヌエリーンを死なせ…殺してしまったから…、
だから…だからこんな事に…。リスエリーンを失って、イヌエリーンを失って、今度はご主人様まで…っ。
もう間違えないって、これからは大好きなご主人様を支える為に、一緒に生きていくんだって決めたのに。

ご主人様のいない世界なんて私には何の意味もないよ…看護師になんてならなくて良い。
言葉なんてわからなくて良い!人の言葉なんて話せなくて良い!昔みたいにバカのままで良い…!!
こんな悲しみなんて知りたくなかった!私なんて野良のまま死んじゃえば良かったんだ!!

私はズルくて嫌なエリーンだ…大好きなご主人様でいやらしい妄想までして…悪いエリーンだ!
ご主人様がいてくれなかったら…私は幸せになんて、、なれないよ…。

――ひとしきり泣いた後、シオリは主人の亡骸にキスをした。最初で最後の恋。
キスをしながら、シオリは背後に何者かの気配を感じていた。

シオリ「……ご主人様、愛してるデス。ずっとずっと…いつまでも」

おしまい。

954名無しさん:2022/02/02(水) 05:14:17 ID:UN4dwuGY
しょんべりーん!当時めっちゃ楽しんで読ませてもらってました

955名無しさん:2022/02/03(木) 00:40:43 ID:EGMS4ISg
大量投下草
毛リーンきもすぎ
未就学エリーンシリーズ読んでたから泣くわ
おつかいのリスエリーンとかすげー懐かしい

956しょんべりーん:2022/02/03(木) 23:21:44 ID:rXy2pB/o
誰もいないと思って大量に投下し過ぎました。サ終までまだ少しあるのでちょっとずつ投下します。
当時も今もこんな妄想に付き合ってくれて本当にありがとうございます。
あと二つのシリーズでTERAの妄想創作は全て終わりなので、もう少しだけお付き合いくださァーィ。

〜未就学エリーンレポート 1「保護施設のエリーン」〜

俺はアルボレア全土を駆け回るエリーンネタ専門の記者だ。
エリーンモデル界の薬物汚染や人気アイドルエリーングループの枕営業や恋愛スキャンダル、
ディーラーエリーンのA〇墜ちなど、俺が取り上げたネタは瞬く間にバズった。
それこそ"エリーン砲"などと呼ばれた事もあるくらいだ。

何故そこまでエリーンに執着するのか。俺は決してエリーンが好きなわけではない。むしろ嫌いだ。
だからこそ、化けの皮が剥がれた時の滑稽さといったら…笑えるじゃないか。
「〜デス!」とか言って媚びへつらっていても、所詮は獣臭いクソガキなのだ。

さて、今回は未就学エリーンが暮らす保護施設を取材しようと思う。
ポラ・エリーヌ主導で未就学エリーンの自立支援や職業訓練なども行われているのだが、
政策がうまくいってるとは言い難い。その為かこの手の施設はそこかしこで乱立しており、怪しいものも多い。
未就学エリーンを対象とした孤児院や宗教施設、セミナーハウスなどでも色々ときな臭い話を聞く。
一部では邪教も関わっているとか…?闇が深そうだ。

今回取材する保護施設は周りからの援助や寄付のみで経営されていて、正直厳しい状態らしい。
なので、俺に取り上げて貰って宣伝して欲しいのだそうだ。
お涙頂戴系に仕上げつつも、汚くて気持ち悪い未就学エリーン共を晒し上げてやるつもりだ。バズれば良いのだ。

――昼過ぎ、施設に着くと代表のヒュマ♂が挨拶してくれた。いかにもエリーンが好きそうなタイプの男だ。
施設は思った以上にボロかったが、雨風を凌げて食事も与えられるのだからエリーン共には最高の環境だろう。
戦況の悪化から、安全な土地の物価は上がるばかりだ。こういった場所にしかアテがなかったのだろう。

施設に職員はおらず、ボランティアが毎日入れ替わりでエリーン共の世話をしているという。
ここで暮らすエリーンは元は飼いエリーン、野良エリーンの貧乏未就学エリーンだが、
いずれも路頭に迷っている所を保護されたのだという。

「アーィアーィ!」施設の裏庭へ周ると、あのウザったい声が聞こえてきた。気に障る。クラクラしてくる。
今日は天気も良いし暑いので庭にビニールプールを設置し、水遊びをするのだとヒュマ♂は言った。
小さな家庭用のビニールプールなので、グループ別に交代で入るみたいだ。

ボランティアがエリーン共に水着?を渡す。…近隣からお古のグレーインナーを分けてもらったのだそうだ。
お古なだけあって状態は悪く、破れていたりベロベロに伸びてしまっているものもあった。
中には"エソーソ"と書かれた名札がついたインナーもあり、股間部分が黄色や茶色で酷く汚れていた。
洗濯されていないようで、獣の毛が大量にこびりついていて酷く臭かった。オエェ。

エリーン共の着替えにも立ち合わせてもらった。普段着ている服もお古らしく毛玉や継ぎはぎだらけだった。
うさぎぐみのスモックとは雲泥の差だが、この経営状態では仕方がない。裸で暮らすよりはマシだ。

エリーン共は恥らう様子もなく服を脱ぎ捨ててインナー水着に着替え始めた。
施設に入居してから多少はマシになったのかもしれないが、相変わらずガリガリに痩せていて気色悪い。
頭と手は大きいのに身体は骨が浮き出ているし、エリーン特有の下半身もガリガリ。まるで宇宙人のグレイだ。
通常、エリーンは( Y )のような下半身をしていて、ケモ耳やしっぽと同様にエリーンの象徴とも言える部位だ。
しかしながら、ここにいるエリーン共は下半身が)Л(のようになっており、太ももはくっきりと隙間が空いている。

インナーのピチピチ素材が頭に引っかかり、顔に張り付いて口をパクパクさせている鈍臭いエリーンがいた。
下半身丸出しでもがいている。しっぽも半分近く欠損しているし、惨めな姿だ。

957しょんべりーん:2022/02/05(土) 00:39:05 ID:rXy2pB/o
ショォ?!未就学キツネエリーンのタイトルが途中から未就学エリーンになってた。ミスですンー。

〜未就学エリーンレポート 2「保護施設のエリーン」〜

一通り着替え終わるとエリーン共を整列させた。こう見るとブスなエリーンが多い。ブスーンという奴だ。
糸目エリーンや、ブタ鼻エリーン、ボサボサ眉毛エリーン、歯抜けエリーン、斜視エリーン、
頭に金貨大のハゲがあるエリーン、ケモ耳やしっぽが欠損しているエリーンもいた。肌も浅黒くて汚い。
巷でよく目にするような可愛いエリーンとはまるで違う。育ちの悪さが浮き彫りになった容姿だ。

まだヨチヨチ歩きの小さなおちびーんも数匹いたが、サイズが合うインナー水着がなかったのか素っ裸だった。
小柄で痩せているものの、太ももはムッチリしていて股はωみたいな形をしていた。
相変わらず頭は大きくて重そうだが、幼いせいかケモ耳やしっぽの毛はまだ生え揃っていないようだ。

大中小と様々なエリーンがいるが、頭の出来にはあまり差がないように見えた。頭は大きい癖に中身は空っぽだ。
一見、身長が高く大人びて見えるエリーンでも毎晩夜泣きをしたり、おねしょをする事も多いとか。
飼いエリーンは基本的に甘ったれでわがまま。ぼっちりーんは挙動不審で心を開きにくいらしい。
置かれた環境によって性格に違いが出るのは当然だ。それに所詮は未就学エリーンなので"ァーィアーィ"言うだけだ。

ボランティア「1,2,3,4!5,6,7,8!」 エリーン共「ァ,ァー,ァ,ァィ!ァーァ?...ィ..?ッィ」
ボランティアに先導されて準備体操をするエリーン共。リズムが合ってない。鈍臭すぎる。
痩せっぽちの身体でガニ股になり、腕を上げたり、身体を反らせたり、何故か腰を振っている者もいる。
素っ裸のおちびーんもマネしようとするが、バランスを崩し尻餅をついて「ァ゛ァェァーェ><」と泣き出した。

準備体操が終わると号令も待たずに飛び込むエリーン共。ビニールプールはすし詰め状態だ。
グループ別とは何だったのか。何匹かのエリーンはプールに入れずにモジモジしている。きめぇ。

「ャー!ャー!」(ギュッギュッ)「ギョェ!!」(ポテェ!)「…ヒッヒッ...ウェェァアウェァ!!ペァアァァ!ブェェェ><」
狭さにイラついたブタ鼻エリーンが歯抜けエリーンをプールから押し出した。
歯抜けエリーンは地面に頭をぶつけ、口を大きく開けて泣き出した。歯抜けというか、生えてる歯の方が少ない。

片やプールでは斜視エリーンがプールでしゃがんだまま急にプルプルと震え出した。
汚い前歯で下唇を噛んだかと思うと、(モッ!ボルボルッ!パモァーパモァーモジュパァ!!)とうんこを漏らした。
かなり緩い部類のうんこだ。あっという間にプールの水が茶色く濁る。
一匹が粗相をした事で、他のエリーン共も共鳴したかのように前歯で下唇を噛んで力み出した。これはヤバい。

もう周りの大人達は阿鼻叫喚。慌ててエリーン共をプールから引き上げようとするが時既に遅し。
プールは肥溜め状態。プカプカと浮かんだうんこをおちびーんが口に入れて咀嚼している。食糞だ。

栄養状態が悪いのか、スロースの排泄物と同レベル…いや、それ以上の悪臭かもしれない。
未就学エリーンは可愛いとか可哀想とか変な妄想に取り憑かれてるマニアもいるらしいが…理解出来ない。

季節は夏…。エリーン共の濡れたしっぽから滴る水滴と糞汁を見つめながら俺はぼやく。

「暑い…臭い…帰りたい。頭がおかしくなりそうだ…フヘェ…」

958しょんべりーん:2022/02/06(日) 20:10:25 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーンレポート 3「保護施設のエリーン」〜

酷いプールタイムだった。今まで俺が取材してきたエリーンはああ見えて優秀だったんだな…改めて思う。
プールに入れなかった一部のエリーンはどうやらPTSDという奴らしい。
過去に悲惨な体験をしていると(例えば川で溺れたり、飼いエリーン時代に虐待されていたり)、
特定のものに対して酷く怯えたり拒否反応を示したりするらしい。アホな癖して繊細かよ。

――再びボロい古着に着替えるエリーン共。おちびーんにはまだオムツが必要みたいだ。
ボランティアが布オムツを穿かせようとすると、おちびーんは股をおっ広げて「ェヘェヘ」と笑った。

ボサ眉エリーンは片眉を上げながら慎重にパンツを穿くが、片方の穴に両足を突っ込んでいた。
どうやら一人ではまだパンツが穿けないらしい。どういうこっちゃ。
全ての着替えが終わると施設内に戻っていった。汚いパンツが何着か落ちていたのが気になるが…。

プール後はお勉強タイムだ。未就学エリーンとやらの学力がどんなものか見せてもらおう。
おちびーん共にはまだ勉強は無理みたいで自由時間になったが、大半は寝てしまうらしい。
寝る子は育つというが、おちびーんは他のエリーンに比べて睡眠時間が長いんだとか。

古びた机と椅子にちょこんと座るエリーン共。しっぽはまだ湿っていて重そうにぶら下がっている。
…明らかにケツ丸出しのエリーンもいるんだが…。パンツを穿き忘れているようだ。

今回の授業は言葉の勉強らしい。うむ、まずはこれが一番大事だな。いつまでも「ァーィァーィ」じゃ困る。
ヒュマ♂が黒板に"こんにちは" "ありがとう" "いただきます"などの基本的な言葉を書いていく。

ヒュマ♂「("こんにちは"の文字を指差して)エリーンちゃん、これは何と読むかな?わかる人〜」
エリーン共「…??」「ァーァー?」「キャハハハ^^」「ンガンガッ…(ブタ鼻をほじるエリーン」「ペーショ…」

こりゃダメだ、一匹も理解していない。理解する気が全くない。

ヒュマ♂「じゃ、エリーンちゃんみんなで一緒に言ってみようね。こんにちは!」
エリーン共「…??」「コー!チ゚ャー」「コチンコ!チンコ!キャハハ^^」「ヘッキシ!…(クシャミをするエリーン」「ペーショ…」

これが未就学エリーンなんだな。かろうじて言葉を紡ごうとしてる奴もいるが…厳しい。
エリーンの中でも底辺の未就学エリーン。そんな底辺の中にも上と下がいるという事実。

続いてヒュマ♂は黒板に"ただいま" "おかえり"などの言葉を書いていく。

「キャハハ^^...タマンダ...ンフフフ!...タマタマ!タンマダ!タダマンタダマン!キャハハハハ^^」

さっきから金貨ハゲエリーンはこの調子だ。こいつは下ネタ担当だな。

授業は15分程で終わった。これ以上やっても無駄だろう。エリーン共はすっかり飽きている。
髪の毛を一本ずつ毟って毛根を食べるエリーン、丸出しのケツをボリボリと掻き毟るエリーン、
鼻くそを机の脇にくっつけているエリーン、鉛筆や消しゴムを齧るエリーン、うわ言を呟き続ける変なエリーン。
机の脚に椅子の脚を一本のせ、椅子の不安定な揺れを楽しむエリーンもいたが、
のせた椅子の脚がガタンと音を立てて落ち、驚いた様子で「(゚ε゚)」こんな顔のまま微動だにしなくなるエリーン。

どいつもこいつもクソエリーンだ。課題は多い…。

959しょんべりーん:2022/02/08(火) 00:31:32 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーンレポート 4「保護施設のエリーン」〜

お勉強タイムを終えたエリーン共にも休息が必要という事で、しばらくお昼寝タイムになった。
何処の施設もこんなもんなんだろうか…。こいつらを見てると俺も疲れてくる。

――(もわ〜〜〜〜ん) エリーン共「ショォ〜〜〜ミャァァァァン(歓喜」
さっきまでグースカと鼻ちょうちんを膨らませて昼寝をしていたエリーン共が一斉に起床する。
ふむ、この匂いは…。そう、夕食の時間だ。台所から料理の匂いが漂ってくる。

歓喜に打ち震えるエリーン共は机の上に乗っかって「ンフッフフッフ♪」と踊り出した。行儀の悪い奴らだ。
おちびーんも幼児用の椅子に乗っかり、同じように踊り出すが椅子から落ちて「ァゥェァァ><」と泣いた。うるせぇ。

ヒュマ♂はエリーン共にダンスを教えた事はないと言っていたが、
未就学で幼くても媚びへつらう手段だけは一丁前に身につけているようだ。
エリーンダンスってのは本能的な行動なのかもしれない。にしても下手なダンスだ。
腰を横ではなく前後に高速で振っているエリーンもいた。金貨ハゲエリーンだ。こいつはイカれてる。

そうこうしてる内に料理が運ばれてきた。こいつらは普段どんなものを食べているのか…どれどれ。
小さなお盆の上には乾燥したコッペパンとスープが入ったお椀のみが載せられていた。
これだけ?スープには具なんてほとんど入ってないじゃないか。

こんなみすぼらしい食事にこれだけのはしゃぎ様…。
まぁ、今まで飢えに苦しんでいたわけだし、食べられるだけ有難いんだろうな。

ヒュマ♂「エリーンちゃん、ご飯だよ!"いただきます"しようね!いたd…」
エリーン共 (ガツガツズズーガツガツッ)(カッカッキッカッカ!ンガクック...)(ジュルルツーモサッモサ)(ハフッァンムァンム)(ムシャムシャチャグッチャクチャラクチャァ)

号令の合図も待たずに物凄い勢いで食べ始めるエリーン共。食に対する執着心の高さが窺える。
どいつもこいつも大きく口を開けて次から次へと頬張っていく。凄い形相だ。

自分で食事が出来ないおちびーんは「ァー!ァー!」と若干キレ気味に食事をねだっていた。ちっとも可愛くない。
ボランティアが傍につき、小さく千切ったパンをスープに浸して柔らかくしている。
幼児食のようなものも用意されていないらしい。アレルギーとか大丈夫なんだろうか…。

俺もエリーン共のスープを試食させてもらったが、はっきり言って不味い。無味。
調理ボランティアは「今流行りの減塩です」と言って誤魔化していたが、これでは栄養すら碌に摂れないだろう。

960しょんべりーん:2022/02/09(水) 00:25:05 ID:rXy2pB/o
〜未就学エリーンレポート END「保護施設のエリーン」〜

食後、エリーン共はお風呂タイムだ。案の定浴室は狭い。プールの時の地獄再来。またもやすし詰め状態だ。
元々、未就学エリーンには入浴という概念が備わっていない事も多いので、基本的に身体は洗わないらしい。
洗わせようとすると嫌がって暴れたり、ボランティアに噛みついたりもするそうだ。

そんな話を聞いてるとまたもや斜視エリーンの様子がおかしい。こ、これはもしや…。
突然目をかっ開いたかと思うと舌を出してアヘ顔を晒し出した。

斜視エリーン「クワッ!!…ァヘーィヒヘー///」(ンニョーロロローォ,ロロローォ…)

やりやがった。お風呂の定番!お風呂でおしっこ!やると思ったぜ!
一匹が粗相をした事で、他のエリーン共も共鳴したかのように目をかっ開いた。これはヤバい。

もう周りの大人達は阿鼻叫喚。慌ててエリーン共を風呂から引き上げようとするが時既に遅し。
金貨ハゲエリーンに至っては腰を前後に振りながら立ちションをキメている。飛沫がかかる…。
おちびーんは口を大きく開けて金貨ハゲエリーンのおしっこを直飲みしている。飲尿だ。

――俺は気が遠くなった。これは記事にして良いものなのか?
これまではバズれば良いとハチャメチャやってきた俺だが…流石にこれはキャリアに傷がつきそうだ…。
などと考えているうちに施設は消灯時間を迎えようとしていた。

昼寝の時はボロいタオルケットだったが、夜は継ぎはぎだらけのカビ臭い布団で寝るそうだ。ダニがヤバそう…。
今までは段ボールや枯草などを集めて寝ていたはずなので、それに比べればマシだろう。

既にエリーン共はおやすみモードだ。布団に入るや否や秒で寝やがった。のび太君かよ!野比のびリーン…。
糸目エリーンは何故か目を開けたまま寝ていた。起きている時は糸目だったのにどういう事だ。
こいつらの事だからどうせおねしょもするんだろう。気持ち良さそうに寝やがって。

こっちはエリーン共の耳障りな声が耳にこびりつき、プールや風呂での地獄絵図が目に焼き付いてしまった。
今夜は眠れそうにない。帰ったらリカノールビールを浴びる程飲もう。そんな気分だ。

帰り際、ヒュマ♂から宣伝と記事について改めてお願いされたが、少し考えさせてくれとだけ答えた。
未就学エリーンは確かに酷かった。だが、施設の連中のやり方にも問題があったように思う。
言っちゃ悪いが…頭がエリーン並というか、未就学エリーンのレベルにヒュマ♂達が引っ張られてるように感じた。
少なくとも俺はもう未就学エリーンの取材はやりたくないと思った。こっちまでおかしくなりそうだ。

――季節は秋になり、朝晩は随分冷え込むようになった。こうなると夏の暑さが少し恋しくもある。
夏の思い出といえば未就学エリーンの保護施設だが、つい先日閉鎖したという知らせが届いた。
あれから代表のヒュマ♂は情緒が不安定になっていったらしく、今は行方不明だそうだ。

入居していたエリーン共がどうなったのかは知らない。
また路頭に迷う日々を送っているのか、それとも何処かへ売りに出されたのか、もう死んでいるのか…。

結局、俺は記事にはしなかった。記事にしていたところで結果は変わらなかったと思う。
あくまでこのレポートは非公開。自分用の日記のようなものだ。そう、日記だ。
何故なら俺は記者なんかではないからだ。エリーン砲?なんだそれは。俺は知らない知ってたけどなかった。
エリーンちゃんの声が耳にこびりついて取材しないと食事にしよう。そうだねおかえりって言ってフヘア
まーたうんこ漏らしたの僕はパパ先生だからエリーン共に躾しないと怒ったらだーめ!殴って殴ったら泣いたぞ?
ンフッフフッフンフッフフッフ!a-nアーン!今日も一日頑張ってエリーンちゃんのお世話!最初から最後まで全部エリーン。
パパ先生は取材の依頼をしたから僕が挨拶してエリーン共のプールの時間だ。俺は椅子突き落とすフヘ
頭割れて泣く泣いてるの?死んでるかボランティアもエリーンちゃん先生も記事にしたら確かめたっけ!
エリーンエリーンはまもなく光あれ!アルボレアは取材対象じゃないエリーンちゃんと布団のだったからデス!
ァーィヒュマ♂サsssキミのにはエリーンちゃんがいるそこだったんだね。すぐいく。俺がそうなだよ。

おしまい。

961しょんべりーん:2022/02/11(金) 21:31:08 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 1「エリーンの家 ふるさと -辿り着いた場所-」〜

バラカ「お勉強をしたい子はこちらへ。教室に集まってくださいね」 エリーン達「「「ァーィ!」」」

ここは精霊の気が強く宿る自然豊かな地。平和と調和を愛するエリーンに最も適した場所だ。
アルボレア全土を旅し、数々の未就学エリーンを救ってきたバラカは遂に安息地を見つけ、施設を建てた。
所謂、未就学エリーンの保護施設なわけだが、そこらの怪しげな保護施設とは一味も二味も違った。

なんと、かき氷屋で成功を収めたベラード商団のリリア・エリーンが施設の立ち上げに協力しているのだ。
リリア・エリーンにはこれまでも度々世話になった。今もとある調査を依頼中であり、バラカは頭が上がらない。

ここまでの道程は長く険しいものだった。
すっかり歳老いたバラカにはアルボレア全土を旅するだけの体力はもう残っていなかった。
得意のヒールもここ数年で急激に衰え、発動すら難しくなっていた。
残りの余生はこの穏やかな場所でエリーン達と過ごしたいと考えていた。

既に数多くの未就学エリーンがこの場所で暮らし、成長し、巣立っていった。
知恵を身につけ、知識を手にし、知性を持つ。あとはチャンスを与えてあげれば良い。
バラカはその手伝いをする為にリリア・エリーンと協力して施設を立ち上げた。

今、この施設で暮らしているエリーンは6期生にあたる。

・飼いエリーンだったが戦災孤児となった姉妹のエリーン。
 姉はキツネエリーン、妹はイヌおちびーん。姉妹といっても定義的なもので血の繋がりはない。
 保護された当初、姉は警戒心が強く、バラカに噛みつく事もあった。妹りーんは泣き虫で甘えん坊。

・閉鎖された保護施設の裏庭で発見されたボサ眉のリスエリーン。
 コミュ障のぼっちりーんで施設に着た頃はパンツも一人で穿けず、言葉は「ペーショ」しか話せなかった。

・上記の施設内部で鍋に頭を突っ込んだまま倒れていたおかっぱのネコエリーン。
 過酷な環境下に置かれていたのか、外斜視で頭頂部が丸くハゲている。

・ケモ耳が片方欠損した丸坊主のウサギおちびーん。生粋の野良エリーン。
 モンスターに食べられそうになっていた所をバラカが保護した。当時はかなり衰弱していた。

・キツネばぶりーんと角なしヒツジばぶりーん。
 巨大な精霊樹周辺でエリーン密猟者に捕獲されそうになっていた所をリリア・エリーンが保護した。
 まだ赤子なので、ケモ耳やしっぽの毛が生えておらずピンク色をしている。髪も産毛程度しか生えていない。

この7名がバラカの元で穏やかな毎日を過ごしている。

最初こそは未就学エリーンそのものという感じだったが、バラカの指導と生育環境の良さが功を奏し、
今ではみんなバラカに懐き、スクスクと順調に成長している。
おちびーんやばぶりーんはまだ言葉を話せないが、年長組は意思の疎通や簡単な読み書き位は出来るようになった。

エリーンの飼育は難しく、乱立する保護施設でもエリーンが成長したという記録は残っていない。
あのエリーン研究所ですらも匙を投げるくらいだ。これは一体どういう事なのだろうか。

バラカは長い旅を経て、ある結論に至った。エリーンを成長させる上で大切な事。
衣食住、教育…勿論大切だ。でも、これらだけはダメなのだ。

重要な要素は二つある。一つが精霊の気が豊かである事。エリーンの成長には絶対必要な要素だ。
そして、二つ目は…愛情。そう、愛なのだ。

これはエリーンだけに限らず、生命にとって最も大切な要素だ。
陳腐に聞こえるかもしれないが、愛が心を、魂を育てていく。
バラカは知識の探求者として、一つの真理に到達した。

962しょんべりーん:2022/02/12(土) 22:29:20 ID:rXy2pB/o
>>910 ひきこもりーん >>617 巾着エリーン が成熟して登場します

〜ラストストーリー 2「エリーンの家 ふるさと -モリスとクルミ-」〜

バラカ「では、先生お願いしますね」
???「はいデス、お任せあれデス!」

今はバラカが教壇に立つ事は少ない。というのもこの施設には教師がいるのだ。
実はこの施設ではバラカ以外にも職員が数人いる。皆、バラカの意志を継ぐエリーンだ。

教師エリーンの名前はモリス。かつて、ひきこもりーんをしていたリスエリーンだ。
バラカ主催のあおぞら教室に参加した際、バラカに感銘を受け更生したという。
それからメキメキと学力を上げ、教員免許を取得してすぐにこの施設の教員に志願した。
ひきこもりのリスだからモリスだ…。

モリス「皆さん〜、今日も楽しく授業を始めるデスよ〜!」
エリーン達「「「ァーィ!」」」

授業はバラカ譲りの内容と進行で、絵本やおとぎ話を引き合いに出しながらも、
現実でどう応用していくか、実際にどう使うのかを丁寧かつユーモアを交えて展開していった。
言葉も文字も公式も暗記するだけでは意味がない。実際に使ってこそ楽しさが芽生えるものなのだ。

一方でおちびーんやばぶりーんはどうしてるのかというと、こちらにはもう一人のエリーンが面倒を見ていた。
保育士エリーンの名前はクルミ。彼女もまたバラカのあおぞら教室出身だ。

大きな巾着袋を背負ったきぐるみ姿のヒツジエリーンはあおぞら教室で失禁してしまった過去がある。
その時にバラカの機転を利かしたフォローによって救われたという。
バラカの優しさと面倒見の良さに感銘を受け、保育士を目指したのだそうだ。
名前はクルミ。きぐるみだからクルミだ…。

大きな巾着袋ときぐるみ姿はクルミのトレードマークになっていて、おちびーんやばぶりーん達も懐いている。
巾着袋からは積み木や折り紙、絵本などが次から次へと出てくる。
たまーに飴玉や玉子ボーロ、マシュマロなどを取り出す事もあるという。
おちびーん達からすれば魔法そのものだ。何でも出てくる魔法の巾着袋だ。

エリーン研究所や他の保護施設とは明らかに違う和やかな雰囲気。
カリキュラムはしっかりと組まれているが、決して自由を縛るものではない。
この施設では職員もエリーンもみんな家族であり、お互いに助け合いながら社会生活を学んでいく。
うさぎぐみでは過保護っぷりがしばしば問題になっているが、ここではエリーンの自主性を重んじているようだ。

963しょんべりーん:2022/02/13(日) 22:18:07 ID:rXy2pB/o
>>400 トリックォァトリート >>429 コックリーン >>764 「パンピリーンとコックリーン編」などが元ネタです

〜ラストストーリー 3「エリーンの家 ふるさと -クリン-」〜

午前中の授業が終わるとお待ちかねの昼食タイムだ。食堂からは食欲をそそる美味しそうな香りが漂ってくる。
エリーン達は教室の後ろに列を作って並び、前習えをした。

一番小柄なボサ眉エリーンは先頭で腰に手を当ててキリッとした表情をしている。
以前のようなコミュ障っぷりはもう感じられない。だが、両側の眉毛は繋がっている。

エリーン達「イチ!」「ニィ!」「サン!」「「「ァーィ♪」」」

何と点呼まで始めた。既に数字も理解出来るようになっている。天才だ!教育の成果!
これから楽しい食事が始まるという事で心なしかみんな張り切っている。

(ザッザッザッ)と一列に並んで食堂に向かうエリーン達。
斜視エリーンは左右の手足が一緒に出てしまっていたが、姉リーンが見本を見せるとすぐに改善した。
だが、目のピントは大きくズレていて、明後日の方向を向いている。

食堂に着くとに年長組、おちびーん組、ばぶりーん組に分かれて席に着いた。
姉リーンは妹りーんがいるおちびーん組の席に座り、坊主ウサギおちびーんとコミュニケーションを取っている。
クルミは哺乳瓶に入ったミルクの温度を片眉を上げながら確かめている。ばぶりーん用のミルクだ。

???「皆さゃん〜!お昼ごはんの時間デスョ〜!いっぱぃ食べるデスョ〜!」

そう、この施設では調理担当のエリーンもいる。彼女もまたバラカに救われたエリーンの一人だ。
名前はクリン。元コックリーンと言えばわかりやすいかもしれない。コックリーンだからクリンだ…。

ハロウィンでバラカから貰った甘くて美味しいお菓子、魔法の言葉「トリックオアトリート」
初めて教えてもらった言葉、初めて覚えた言葉、救いの言葉。自意識の覚醒。
辛い時に心の中で「トリックォァトリート」と呟くと元気が出た。クリンにとってはまさに魔法の言葉だった。

それからクリンはバラカへの恩返しを誓い、料理人になる為に修行を積んだ。
厳しい修行の末、クリンはプロの料理人となり、豊穣祭では総合料理長に抜擢された事もある。
その活躍はメディア出演や料理本の出版、何故か歌手デビューなど多岐に亘ったが、
被災地や貧困地域での炊き出しにも積極的に参加した。そこで偶然バラカと再会し、今に至るというわけだ。

――食事のメニューはプロの料理人だけあって完璧な仕上がりだった。
栄養バランスは勿論の事、彩も豊かだし盛り付けにもこだわっていた。
また、おちびーん用に幼児食のようなものもしっかり用意されている。

配膳には年長組も加わり、全員に食事が行き渡るとバラカの号令を待つ。

バラカ「今日も美味しそうなご飯ですね。私もお腹が空きました。それでは、"いただきます"」
エリーン達「「「イチャアキマシュ!!」」」 「「ァーィ!」」 「「ァー!」」

楽しい食事の始まりだ。スプーンやフォークを器用に使って食べるエリーン達。
施設に来たばかりの頃は号令も待たず、手掴みだったり、皿に顔を突っ伏して一心不乱に貪っていたという。
姉リーンはモグモグと咀嚼しつつも、幼児食を小さなスプーンで掬って妹りーんに与えている。
他のおちびーんやばぶりーんはバラカやモリス、クルミらが協力して食事を与えた。

クルミ「ミルク飲んだらちゃんとゲーゲーしゅるデチュよ〜」(サスサス…サスサス)
キツネばぶりーん&ヒツジばぶりーん「ゲェェップ…ァーィ」「…ゲッ...ガフッ…ゴゲェェエェップ!!…ァーィ」

ばぶりーんにゲップを促す為、きぐるみ越しの大きな手で背中をさするクルミ。母性溢れる優しい表情をしている。

実に愉快で平和な食事の時間だ。
みんなが美味しそうに食べる様子を満足げに見つめるクリン。とても幸せそうだ。

964しょんべりーん:2022/02/14(月) 22:50:37 ID:rXy2pB/o
>>948 未就学キツネエリーン完結編 が元ネタです

〜ラストストーリー 4「エリーンの家 ふるさと -シオリ-」〜

ある日の午後、バラカは近所の診療所に来ていた。あまり体調が芳しくないらしい。
施設のエリーン達の健康診断もこの診療所で行っている。健康管理は大切なのだ。

バラカ「ゴホッゴホッ!!…まぁ、私も歳ですからね。年輪が凄い事になってますよ。ハハハ」
???「もう、笑い事じゃないデス。エリーン達もいるんですから長生きするデスよ〜!」

またもやエリーンの登場だ。看護師のキツネエリーンで、名前はシオリ。
主人を亡くし、失意のどん底にいた所をバラカに保護された。

――あの日、バラカはシオリが暮らしていた集落であおぞら教室が出来ないか交渉に向かおうとしていた。
集落に着いた時には既に酷い有様だった。生存者を探していたところ、泣き崩れるシオリを見つけたのだ。
シオリは精神的にとても衰弱していて、しばらくはまともに食事も出来なかったという。

それでもバラカはシオリに寄り添い、懸命に励まし続けた。
最初はそんなバラカを煙たく思っていたシオリだったが、少しずつ心を開いていった。

シオリはバラカにこれまでの事を話した。こぼすように、ぶつけるように、声を震わせながら話した。
バラカは時折、目に涙を浮かべながらも静かにシオリの話を聞いた。

全てを吐き出したシオリは声を上げて泣きじゃくった。何も言わず、優しく抱きしめるバラカ。
やがてバラカはシオリをあやすような優しい声色で語り始めた。
アルボレア全土を旅した事、各地で出会ったエリーンの事、これからの夢の事…。
そして、シオリの主人が写真の裏に残した最期のメッセージについて。

気付けばシオリはバラカの腕の中でスヤスヤと寝息を立てていた。
シオリの頬を伝う悲しみと安堵が入り混じった涙を拭い、その大きな手の平で優しく髪を撫でるバラカ。

バラカ「生きましょう。大好きなご主人様の願いを叶えましょう。幸せになりましょう」

それからシオリは少しずつ気力を取り戻していった。看護師資格も無事に取得出来た。
シオリはお世話になったバラカや保護施設のエリーン達のサポートをする為、この診療所で働き始めた。

未就学エリーンが抱える苦しみや孤独、それを支える大人達について、シオリはどちらの気持ちも理解していた。
自身の経験とスキルが誰かの役に立つのなら、その為に精一杯生きよう。それがシオリの新たな夢になった。

――咳止め薬と腰痛用の湿布を受け取るバラカ。

バラカ「どうもありがとう。それではまた。身体に気を付けて」
シオリ「それはこっちのセリフデス!お大事にデスよ!あまり無理しないように〜」

一回り小さくなったバラカの背中を見送るシオリ。

シオリ「(長生きするデスよ。あなたは私にとって命の恩人なのデスから。本当にありがとうデス)」

965しょんべりーん:2022/02/15(火) 20:20:04 ID:rXy2pB/o
>>910 ひきこもりーん が元ネタです

〜ラストストーリー 5「エリーンの家 ふるさと -ドーナ-」〜

???「ゼェゼェ...やっと着いたデス。ここがあの女のハウスね…」

霊杖を持ったエリーンが保護施設の前に突っ立っていた。エレメンタリストのようだ。

エレーン「もしもし、エリーンちゃんが来たデスよ。ピンポンピンポン!」
バラカ「はいはいー。…おや?これは可愛らしいお客さんですね。さぁ、どうぞ中へ」

エレーンを施設内に迎えると、乱暴に靴を脱ぎ捨てて辺りをキョロキョロ見回し始めた。

エレーン「ヘェー、悪くない所デスね。ここにあの女がいるのね。約束通り会いに来たデスよ」
バラカ「それはどうも。お友達をお探しでしょうか。少々お待ちください」

やたらと態度がデカいエレーンだ。誰かを探しているという。
すると、丁度授業を終えたばかりのモリスが騒ぎを聞きつけて出てきた。

エレーン「ァ!!見つけたデス!会いに来てやったデスよ!感動の再会デス!泣いて良いデスよ!」
モリス「……???…、…、、ァ!…ァーィ!!あなたはあの時の!久しぶりデス!よくここがわかったデスね!」
エレーン&モリス「ァーィァーィ♪」

モリスは今まですっかり忘れていたようだが、エレーンはモリスとの約束をしっかりと覚えていた。
このエレーンはモリスと共にバラカ主催のあおぞら教室に参加していた元未就学エリーンで、
モリスがひきこもりーんから更生した際、エレーンは自立支援施設に入所した。
そう、あの角オナばかりしていたエリーンだ。名前はドーナという。角オナリーンだからドーナだ…。

別れの際、再会の約束をしていたが、それっきり何の音沙汰もなくなってしまっていた。

ドーナは自立支援施設に入所してからも角オナ癖が治らず、周囲から浮いた存在になっていた。
ある程度言葉が話せるようになった段階で施設を飛び出し、野良エr…旅のエリーン(自称)になった。

旅に出てすぐ、剣を杖替わりにしてヨタヨタと歩いている足の悪いエリーンと出会った。野良エリーンだろう。
ドーナは何か食べ物をよこすように言うと、野良エリーンは何も言わずに傷んだ干し肉を数枚渡し、去っていった。
あっという間に食べ尽くすとお腹の調子が悪くなり、上から下から悲惨な事になった。

その後、ゲロと下痢まみれで倒れている所を奇妙なエレーンに拾われ、一緒に行動するようになった。

奇妙なエレーンは掴み所がなく、海岸でイクラを出産したり、豊穣祭では畑でカボチャに擬態したり、
変なコスチュームで勝手に他人のPTに同行したり、奇行ばかりしていた。
そんな奇妙なエレーンにドーナは親近感を覚え、このエレーンと一緒いれば角オナし放題だと思った。

旅の途中、奇妙なエレーンの霊杖をこっそり借りて股間に擦り付けていた所、偶然にもイクラを出産。
エレメンタリストとしての能力を開花させ、ドーナはエレーンになった。
だが、使えるスキルはイクラの出産のみで、霊杖で股間を擦らなければ発動しなかった。

そして、奇妙なエレーンはある日突然「ガチ恋営業系Vtuberで食っていこうと思ってるんデス」と言い出し、
霊杖をドーナに渡すと何故かウクレレに持ち替え、そのまま何処かへ走り去っていった。

またしても一人になってしまったドーナは昔の約束を果たす為、モリスの行方を追って旅をしていたそうだ。

ドーナ「という壮絶な旅をしてきたんデス。だからテイチョーにもてなすデス。これからしばらく世話になるデス」
モリス「それは大変だったデスね…エ?え?ば、バラカ先生、どうしましょう…ホュユユ…」
バラカ「ゴホン…まぁ、これも何かの縁です。お二人には積もる話もあるでしょう。好きなだけウチにいなさい」

こうして、角オナエレーンのドーナが保護施設の居候として迎えられる事となった。

966しょんべりーん:2022/02/17(木) 19:25:23 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 6「エリーンの家 ふるさと -異常者-」〜

(ゴホッゴホッ…)たまに咳をしながらも優しい笑顔でエリーン達を見守るバラカ。
エリーン達は施設内の庭でエリーンダンスの練習をしたり、花壇に水をやったり、自由時間を過ごしていた。

おちびーんは蝶々を指差して「ァーァー!」と言っている。
年長組のエリーンが自慢げに蝶々を捕まえようと両手でパチンとはたくが、
まんまと逃げられてしまい、首をかしげている。エリーンの定番リアクションだ。

シオリが持ってきた健康診断の結果も全員異常なし。エリーン達はみんなスクスクと成長している。
…バラカの診断結果だけ要精密検査で、近々ヴェリカの総合病院で検査する事になっている。

ヒュマ♂「ああ!エリーンちゃん見っけ!こんな所にも施設があったんだね〜!エリーンちゃあん」
バラカ「??こんにちは。失礼ですが、どなたでしょうか?」

突然現れた謎のヒュマ♂。目が血走っていて、身体のあちこちに掻き毟ったような傷が残っている。
警戒心を強めるバラカ。エリーン達も危険を察知したのかヒュマ♂から距離をとって、一箇所に集まった。
年長組のエリーンが前に出て、おちびーん達を隠す。おちびーん達はビクビクと震えている。

ヒュマ♂「あああ!!お前!…お前も!生きてやがったのか!このクソエリーン!!!」

年長組のエリーンを見て突然大声を上げるヒュマ♂。どうやら顔見知りのようだ。

ヒュマ♂「おお俺はね、エリーンが大嫌いなんだよ!!ちっとも言う事聞かないし!アホだし!フヘ!
     その癖、自分が可愛いと思い込んでるのかデカい態度しやがって!死ねよ!マジで!!
     あー許せないなー!俺は上手くいかなかったのに!こんなジジイのバラカがエリーン囲いやがって!
     なぁに幸せそうな顔して暮らしてんだよ!平和ボケしやがって!ヘイワーチョーワー!バカバカしい!!」

バラカ「落ち着いてください。エリーン達が怖がります。話なら私が聞きますから。さぁ、こちらへ」

(ドガッ!)(ドタンッ)ヒュマ♂にド突かれて尻餅をついてしまうバラカ。腰痛に響く。

エリーン達「「「センセー!!」」」
バラカ「ダメです!来ちゃダメです。そこにいなさい。良い子だから」
ヒュマ♂「触んなジジイ!俺はな、お前みたいな偽善者も大嫌いなんだよ!!」
妹りーん「……ヒッ...ヒッヒッ...ゥ,ウェァァ!ァゥェァア!ァアアア!!!>o<」
姉リーン「ァラァラ,泣ィチャダーメョ、ヨシヨシ、ヨシヨシー」

ただならぬ状況に妹りーんが泣き出してしまうが、すかさず妹りーんをあやす姉リーン。何という姉妹愛。

騒ぎを聞きつけ、シオリやモリス、クルミ、クリン達も庭に出てきた。
シオリはバラカの元へ。モリス達はエリーン達に駆け寄り抱きかかえた。
バラカはシオリの手を借りて起き上がると、大きな身体を壁のようにしてエリーン達の前に立った。

ヒュマ♂「うぜぇうぜぇ!そういうのがうぜぇんだわ!雑魚共が群れてピーチクパーチクと!痒い痒い!身体が痒い!」

皮膚を抉るように全身を強く掻き毟るヒュマ♂。既に血だらけだ。これは相当イカれている。

モリス「何なんデスか、あなたは!お引き取りください!」
ヒュマ♂「はぁはぁ…フヘア!フヘアアハハ!実は俺さ、俺さ〜、あのね、あのねのね〜
     初めてじゃないんだよね、…エリーン殺すの。フヘア!」

967しょんべりーん:2022/02/18(金) 18:52:49 ID:rXy2pB/o
>>258 ムカつくサラーン >>701 採集放置おかっぱブタデブーンとインガマン >>956 未就学エリーンレポート

〜ラストストーリー 7「エリーンの家 ふるさと -ヒューマン-」〜

その昔、ヒュマ♂はヴァルキオン連合に所属するウォーリアーだった。
Lvを上げ、装備を更新し、火力としても盾としても真面目に役目をこなしていた。

だが、思ったように評価されず、ギルメンのサラーンからは罵声を浴びせられる毎日。
この頃からエリーンに対して屈折した感情を抱くようになっていった。

ヒュマ♂は新兵の頃からちょい乗りたぬきをペットとして可愛がっていたが、
ある日、サラーンが無理矢理たぬきを染色し、瀕死の状態まで追いやったのだ。
激昂したヒュマ♂はサラーンを拉致し存分に拷問した後、首を絞めて殺した。

自責の念に駆られたヒュマ♂は手首を切って自害しようとしたが、傷が浅かった為に死ねなかった。
たぬきはヒュマ♂がサラーンを拷問してる最中に息を引き取った。助からなかったのだ。

ヒュマ♂はエリーン殺しとペットを失った事で精神を病んだ。ギルドも除隊になった。
それでもヒュマ♂は持ち前の真面目さ、勤勉さ、贖罪の気持ちから鍛錬を積み、インガマンとなった。
そんな中でまたもやエリーンとトラブルになってしまう。

祝祭でイチゴの採集をしようとしたところ、採集ペットのルイに仕事を任せて放置しているエリーンがいたのだ。
このエリーンは採集場を独占し、ルイに採集させたイチゴをひたすら貪り続けるという怠惰のデブーンだった。

ペットに愛情を注がず、横暴に振る舞うデブーンに激昂したヒュマ♂は、デブーンを川に突き落とした。
ブクブクと川底に沈んでいくデブーン。その様子をじっと見つめるヒュマ♂の顔には笑みがこぼれていた。
この日を境にヒュマ♂はますます狂っていった。

成熟したエリーンがクソエリーンなら、成熟する前に教育してやれば良いと考えるようになった。
退役したヒュマ♂は保護施設の代表として未就学エリーンをかき集め、躾と教育を施した。
しかし、これも上手くいかなかった。成熟したエリーン以上にクソエリーンばかりだったのだ。

経営難、借金、クソエリーン…何をやっても上手くいかない自分、評価されない自分。
ヒュマ♂の精神状態は限界を超えていた。薬物にも手を染めた。尿検査にはお茶を提出した。
幻覚、幻聴…現実と妄想の区別が付かなくなっていった。

錯乱したヒュマ♂は保護施設のエリーン達を虐殺した。
取材がどうの、エリーン砲がどうの、わけのわからない事を喚き散らしながら虐殺した。
その時に運良く逃げ延びたのが、ボサ眉エリーンと斜視エリーンだ。

ヒュマ♂「エリーンは皆殺しだ!フヘア!エリーンの声が聞こえる!光あれ!エリーン殺す!世界が俺が!フヘ」

元々は真面目で勤勉、動物好きの心優しいヒュマ♂はこうして闇に吞み込まれていった。

968しょんべりーん:2022/02/19(土) 21:24:13 ID:rXy2pB/o
ラストストーリー 8「エリーンの家 ふるさと -お父さん-」

バラカ「そ、そんな…。貴方は自分が何を言っているのかわかっているのですか!
    人の命をなんだと思っているのです!?恥を知りなさい!」

ヒュマ♂「人?人って?ここにいるのはみんな獣臭い畜生じゃん!バラカのジジイは見た目からして化け物!
     だからこうやって殴り飛ばしてもオッケー牧場!!フヘア!」

(ボガァアッ!!)(ダアァン!!)腹を殴られたバラカの大きな身体は宙を舞って庭の花壇まで吹き飛んだ。

バラカ「グハァッ!!ゴホッ!ゴッホェェゴホゴッホ!!」
ヒュマ♂「フヘア!偽善者のロリコンジジイ…トドメを刺してやる!取材の時間だ!」
シオリ「バラカ先生!今行くデス!しっかりするデス!」
ヒュマ♂「おっとぉ!動くんじゃねぇ!クソエリーン!アホ毛引っこ抜くぞ!」

激しく咳をして吐血するバラカ。肋骨も何本かやられたようだ。元インガマンは拳も強かった。
シオリはバラカに駆け寄ろうとしたが、ヒュマ♂が睨みを利かせて動く事が出来ない。

斜視エリーン「…ォ..ァ,アッ…アィ..センセ,,…オトャ...シャ」(モジモジ)
ヒュマ♂「んあ?」
斜視エリーン「ォ…、ャー……ォトーシャ...ォトーシャ…ヲ..イジメルナー!!!」(トテテテテテ)
ボサ眉エリーン「オトーシャ!オトーシャ!ティヤーーー!!!」(トテッテテテ)
坊主ウサギおちびーん「パ..パー…!パーパーーーー!!!」(ヨチチチヨチチ…コロン)「チィィィ...パァ..パァパァ!パーパー!!」(ヨチチチ)

何と斜視エリーンがヒュマ♂に突進していった。前の施設では酷い目に合ったというのに凄い勇気だ。
ボサ眉エリーンも媚びへつらったエリーン走りでヒュマ♂に突進していく。
坊主ウサギおちびーんですらも拳を突き上げヨチヨチとヒュマ♂に向かって走っていく。が、転んでしまう。
しかし、泣く事もなくすぐに立ち上がり、再びヒュマ♂に向かっていく。

二人のエリーンがヒュマ♂に群がり、しがみついたり噛み付いたり、薄くなった頭髪を引っ張ったりしている。
その隙に姉リーンは妹りーんを抱えたまま、バラカの元へ駆け寄る。

クルミ「ダダダダメデス!ミャ..みんなその男から離れるデス!ァァァ危ないデス!!」(チーロロロ...)
バラカ「ゴフッ…貴方達、、いけません!…ゴホッゴホ!何て危険な事をっ…!」

顔面蒼白のクルミ。離れるように叫ぶが、自分は恐怖で一歩も動く事が出来なかった。
それどころか、もふもふのきぐるみの中で少しだけおしっこをちびってしまっていた。

ある意味、こういう時は成熟したエリーンよりも精神的に未熟なエリーンの方が行動的なのかもしれない。
善悪の区別も含めて、何が安全で危険か熟知出来ていない分、感情のまま無鉄砲に動けるのだろう。

バラカの心情は複雑だった。エリーン達を危険な目に合わせてしまった。
こんなに老いて弱くなった自分を守る為に。自分は何て無力なのだろうか。
エリーンを救うなどと大口をはたいてこのザマだ。情けなくて仕方なかった。
それと同時に「お父さん、パパ」と呼んでくれるエリーン達からの信頼、成長が嬉しくもあり、誇らしかった。

969しょんべりーん:2022/02/20(日) 23:35:46 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 9「エリーンの家 ふるさと -小さなファイター-」〜

ヒュマ♂「あーあー!アー!痒い痒い!うぜぇんだよ!この畜生共が!ンギョオオ!!」(ドガガァ!!)

ヒュマ♂にしがみついていた二人のエリーンが瞬く間に吹き飛んで散っていく。
斜視エリーンは施設の壁に背中を叩きつけられ、ボサ眉エリーンは花壇のレンガに頭を打ちつけてしまった。
それでも二人のエリーンは泣かなかった。歯を食いしばって立ち上がろうともがいている。
師であり父であるバラカを守る為に。

と、ヒュマ♂の足元に坊主ウサギおちびーんがようやく辿り着いた。

坊主ウサギおちびーん「ァーァ!ァーァ!パーパパーパ!!」(ペチペチ)

ヒュマ♂の足元で小さな打撃を繰り返す坊主ウサギおちびーん。小さなファイター、ぼこりーんだ。

ヒュマ♂「あ?フヘアフヘア〜…あ!?」

睨みを利かすヒュマ♂。すると、坊主ウサギおちびーんはプルプルと震え出す。流石に荷が重い。
こんなに幼いえりーんが敵う相手ではない。

坊主ウサギおちびーん「ァ....ァ...ンムヘメェ…ショォ...(プルップルル」(ジョロロ…ジョロロロチチチチ…ョーーショーーー)

つい先日オムツがとれたばかりの坊主ウサギおちびーん。フルスロットルの大失禁だ。
ヒュマ♂の足はホカホカのおしっこに濡れて湯気が立っている。

ヒュマ♂「こ、このクソエリーンが!!フヘア!俺様の神聖なおみ足を汚しやがって!ぶっ殺してやる!!」

激昂するヒュマ♂。当然である。まさにしょんべんくさいエリーンにおしっこをかけられたのだから。
喜ぶのは変態エリーンマニアくらいである。

ヒュマ♂は坊主ウサギおちびーんの片方しか残っていないウサ耳をギュッと掴んで持ち上げる。

坊主ウサギおちびーん「ンギョ!!!ッコ....」(プシッ...ョーロロロ…チーィー)

ウサ耳を掴まれた激痛で身体がスタンした坊主ウサギおちびーん。坊主頭には血管が浮き出て脈打っている。
おしっこで重さを増した幼児パンツは黄色く染まり、今尚溢れるおしっこの受け皿としてビチャビチャと音を立てる。

ヒュマ♂は坊主ウサギおちびーんの幼児らしいお腹にポフッと軽く、それでいて力の篭った一撃をぶつける。

坊主ウサギおちびーん「ボゲェエェ!!!ェゲェェォォロロロ!!!」(グビュルロロル!ボレレレレレ!!!)
バラカ「やめ、ゴホッ!ああ…な、なんて事を…なんて事をっ!!」

坊主ウサギおちびーんは白目を剥きながらゲロを吐いた。
これでは…ぼこりーんではなく、ぼこられりーんと呼んだ方が正しいだろう。
ウサ耳を掴まれた激痛に加え、この一撃で坊主ウサギおちびーんは意識を失った。

ヒュマ♂「きったねぇなあ!しょんべんに!ゲロに!ァー痒い!フヘァーィフヘハ!」(ポイッ)

まるで小さな紙屑のように放り捨てられる坊主ウサギおちびーん。
坊主頭が地面で何度かバウンドしてコロコロ転がった後、まんぐり返しの体勢になったまま動かなくなった。
パンツに染みたおしっこが身体を伝って顔まで垂れていく。全身おしっこまみれだ。

ヒュマ♂「今からクソエリーンを一匹ずつ殺していく。バラカのジジイはそれを見届けてからだ。名案だあ!」
バラカ「s、、コハァ!…そんなことはさ、させ…ガゲホッッゴッホォェ!!」

またもや吐血するバラカ。折れた肋骨が内臓に突き刺さっているようだ。

970しょんべりーん:2022/02/22(火) 19:32:42 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 10「エリーンの家 ふるさと -凌辱-」〜

姉リーン「モ,モモーヤメルデス!エリー…チャ,ャガ,,,ミンナヲマモル!デス!」(ガタガタ)
ヒュマ♂「ほう、最初に死ぬのはお前か。この中では一番利口そうなクソエリーンだ!ジューシーだぜ!ァーィ」

庭で育てていた朝顔の支柱を一本引っこ抜き、剣のように構える姉リーン。恐怖でガタガタと震えている。
元は飼いエリーンであった姉妹のエリーンは、ある日突然戦災孤児の野良エリーンになった。
野良として生きるのは苦難の連続だった。それでも妹りーんを守る為、生きる為に姉リーンは何でもやった。
物乞い、盗み、時には他の野良エリーンと食料を奪い合い、血みどろの喧嘩にもなった。

それに比べてモリスやクルミなどは貧乏でありながらも自立するまで飼いエリーンとして過ごした。
彼女達は常に守って貰える立場にあった。その差が今この時に表れている。
自分より幼いエリーンが勇敢に立ち向かっているにも関わらず、腰が抜けて一歩も動けない。
だが、エリーンなんて大半がその程度なのだ。

ヒュマ♂はいとも簡単に支柱を取り上げる。当然だ。すると、姉リーンを押し倒して股を開かせた。

姉リーン「ナ!ナナ..ナニスルデス!」
ヒュマ♂「ナニって…フヘア!ナニだよぉ、わかるだろ〜?取材させてもらいますよぉ」

ヒュマ♂は取り上げた支柱を姉リーンの股にあてがい、ゆっくりといやらしく擦り付けた。

姉リーン「ヒャァ!ショォォォ...!」
ヒュマ♂「気分はどうだあ?ん?畜生の癖に感じてんのか?ぉおん?フヘアヘヘヘ」

ゲスの極みである。姉リーンにそういった知識はなかったが、物理的な接触には抗いようが無かった。
これまで感じた事のない刺激が姉リーンの全身を駆け巡る。

姉リーン「…ミ,,,ミヤァァ///」
ヒュマ♂「フヘアフヘア!傑作だ!何て声出してんだお前〜!密着取材デス!ヨッ!ホッ!」
バラカ「や、やめな…やめさない。フガッ!ゴホッゴホッ!やめなさい!!!」
妹りーん「ホュュ...?ンッ...チ...ンッンッ…ォワーィ///」(モゾッモゾゾゾ)

姉リーンの元へ這い蹲るバラカ。
気持ちとしては嫁入り前の娘を見ず知らずの男に目の前で犯されているようなものだ。

そんな姉リーンの真似をするように妹りーんもオムツの中に手を入れて股を擦り始めた。
何もわかっていないようだが、股を擦ると良い気持ちになるという事は覚えてしまったようだ。
最年少オナりーんの誕生だ。姉が凌辱されてる姿を見て致すとは中々の変態えりーんである。

ヒュマ♂「ほーれほれ。おたくの娘さんね。性の喜びを知っちゃいましたぜ〜!ァーィァーィ!!
     どんな気持ち?ん?そろそろ貫通しちゃう?大人の階段の〜ぼルゥ♪」

ヒュマ♂は姉リーンのパンツを乱暴に引きちぎり、バラカの顔に投げつけた。
露になった未熟な秘部は赤みを帯びてぷっくりと膨れており、日差しのせいかテラテラと濡れているようにも見える。
ヒュマ♂は支柱をレロレロと舐めると、姉リーンの秘部に押し当てる。いよいよだ。

――と、その時。

???「そこまでデス!」

971しょんべりーん:2022/02/24(木) 22:48:33 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 11「エリーンの家 ふるさと -英雄-」〜

空から何者かの声が。それは太陽を隠すように大きかった。…飛竜だ。
施設の上空を何体もの飛竜が旋回している。

ヒュマ♂「バカな!飛竜だと!?俺はオリバー&ダニエルすら持ってないのに!」
(シュババッッ!)
ヒュマ♂「ショォ!な、何だ?何が起こったんデスー?!ヘァ?ヘァ?!」

ヒュマ♂が上空に気を取られている隙にまた別の何者かが姉リーンとバラカを救い出し、シオリに預ける。
一体何者なのだろうか。ヒュマ♂を含め、この場にいる全員が状況を飲み込めずにいた。

すると、一体の飛竜がゆっくりと地上に降りてきた。飛竜に騎乗していたのはリリア・エリーンだった。
そう、施設の立ち上げにも協力している、ベラード商団のリリア・エリーンだ。

リリア・エリーン「遅くなってごめんなさぁい。バラカ先生〜、見つけてきましたよぅ」

そう言うとリリア・エリーンはもう一人の方へ視線を移す。
バラカはシオリに抱えられながらも視線の先をその者に向けた。痛みで視界がぼやける。
目を細めてよーく見てみると、そこに立っていたのは……。

バラカがよく知っているエリーンだった。…全ての始まり。
師であり、父である今の"バラカ先生"という人生は、このエリーンとの邂逅から始まった。

――自分にもっとエリーンという種族についての知識があれば、理解があれば、きっと救えたはずだった。
貧乏で人見知りだけど、健気で、無邪気で、頑張りやさんの小さなエリーンの事を。
カキ氷が大好きで、お化けが苦手で、おもちゃではしゃぐウサギエリーンの事を。

各地を旅してたくさんのエリーンと出会った。救いを必要としているエリーンは大勢いた。
贖罪…と言えば聞こえは良いかもしれない。ただ、エリーン達に幸せを。笑顔を。夢を与えたい。
世界は広い。そして、エリーンはこんなにも小さい。守りたい。

その一心でバラカは今日まで生きてきた。
バラカが蒔いた小さな種は一つ、また一つと芽を出して…夢に向かってスクスクと育ち、美しい花を咲かせた。
立派に育った花達はバラカを支え、新たな夢を育てる為に小さな種を蒔き始めた。

自分の役目はもうじき終わりを迎える。バラカはそう考えていたが、一つ心残りがあった。
あの時救えなかったウサギエリーンの行方についてだ。

旅をしている間、ウサギエリーンの行方をずっと追っていたが、全く足取りを掴めなかった。
ひょっとしたらもう…などと悪い考えが頭をよぎる事もあった。だが、バラカは諦めたくなかった。
長い年月が経ち、老いたバラカは旅を終えてこの保護施設を建てた。
バラカはリリア・エリーンに後の捜索を委ねた。ウサギエリーンとも面識があるし、何より顔が広い。

そして、遂にリリア・エリーンはやり遂げた。今、目の前にウサギエリーンがいる。
あの頃とは見た目が大分変わってしまっていたが、それは年老いたバラカも同じだ。

両ケモ耳の欠損を隠す為のほっかぶり、失明した左目には手作りの眼帯、右足は麻痺して不自由だった。
しっぽの毛もほとんど残っておらず、身体の状態は劣悪な野良エリーンそのものだった。

バラカと別れてからのウサギエリーンがどれ程壮絶な人生を歩んできたのか…、
身体の状態を見ればすぐにわかった。見えない所にもきっと幾つかの障害が残っているだろう。
バラカの目頭は熱くなった。それでもよく生きていてくれた、また会えて良かったと心から思った。

972しょんべりーん:2022/02/25(金) 22:56:46 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 12「エリーンの家 ふるさと -霜天-」〜

しかし、こんなにボロボロのウサギエリーンが先程のように一瞬でバラカ達を救えるだろうか。
いや、確かに身体こそボロボロだが、ウサギエリーンは元ヴァルキオン連合の兵士であり、ウォーリアーなのだ。
そんじょそこらの軟弱なパンピリーンとは違う。腐ってもヲリーン、ウサギヲリーンなのだ!
だが、果たしてそれだけだろうか?

ドーナ「もうさっきからやかましいデスね〜。せっかくばぶりーん達が寝た所なのに起きちゃうデス!
    ベビーベッドで角オナを披露してやったらばぶりーん達も喜んでスヤスヤしたデス!チョロイもんデス^o^
    ッテ,大体何でお客サンのエリーンちゃんが子守なんてやらなきゃいけないんデスか!」

ドーナだ。どうやら今の今まで子守でばぶりーん達を寝かしつけていたらしい。
あろうことかまだ赤子のばぶりーんに角オナを見せつけるという変態行為に及んでいる。
この変態クソエレーンは施設からとっとと追い出した方が良いだろう。教育上良くない。

ドーナ「…ショォ?!あ、あんたはあの時のみすぼらしい野良エリーンじゃないデスか!
    あんたのせいでエリーンちゃんはお腹がピーピーになったデス!謝罪を要求するデス!!
    ルゥ...それにしてもあんた変わったデスね。オーラがあるとゆーか…マ,エリーンちゃんには劣るデスが」

旅に出てすぐにドーナが出会ったという足の悪いエリーンはこのウサギヲリーンだったのだ。
バラカはアルボレア全土を旅しても会えずじまいだったというのに。縁とは不思議なものである。
もしかすると、エリーンには精霊の気を通じて互いに引き寄せ合う何かがあるのかもしれない。

ドーナの発言にもあるように、ウサギヲリーンにはとある大きな変化があった。
なんと!ウサギヲリーンはLv60からLv70になり、ズタボロの太陽装備から最新の霜天装備にレベルアップしていた!

リリア・エリーンの計らいによって用意された「急速成長(Lv.70)」によって
ウサギヲリーンはジャンピングウサギヲリーンとして目覚ましい成長を遂げていたのだ!

リリア・エリーンはもはやチート、いや…運営だ。
現在、アップデート記念で2キャラ分のカンストが出来ちゃうスペシャルプレゼントを配布中だ!
復帰勢はこの機会にLv70になって再びアルボレアを冒険してみないか!?急げ〜!!

そして、上空を旋回する飛竜に乗っているのは、リリア・エリーンが組織したエリーン騎士団の面々であり、
彼女達もまた復帰勢としてLv70になったジャンピングエリーンだ。
飛竜は幻獣大放出セレクトガチャを回してゲットしてくれ!急げ〜!!

973しょんべりーん:2022/02/27(日) 20:02:02 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー 13「エリーンの家 ふるさと -エリーン達の勝利-」〜

ヒュマ♂「何なんだよ!次から次へとエリーンが湧いてきて!俺は記者なんです!フヘア!NKGWどこー?
     エリーン砲がァーィ!イエヤスが殺せって言ってイチゴ食べたかったのに教育だから。ショォでしょ?
     痒いよぉ、ボリボリ!エリーチャは未就学デスからおフヘァ勉強するデスァ!アッアッ!エリーンの声が聞こえる」

ドーナ「もしもし、そこのハゲたおっさんどーしたんデスか?クレイジーデスねぇ…。ビョーキデス」

錯乱状態のヒュマ♂は支離滅裂な事ばかり言って要領を得ない。あのドーナにすら呆れられている。
すると、リリア・エリーンは目で合図を送る。コクリと頷くウサギヲリーン。

ウサギヲリーン「フンギョォァァァ!!!ハァッ!ヤァッ!ンン!ペェ!...ホォォォ!!ザァァァッ!!!」(ビシッ!バシャシャ!ズサン!ピョンピョン!ザシュ!〜〜)
ヒュマ♂「くっっ!ごぇ!やm、ショォ!!ぐはっ!元未就学インガエリーンちゃ痛えぇよおがはヘハヘアぁぁ!!」

ヒュマ♂にお仕置きの攻撃を叩きこむウサギヲリーン。クライ、コンバ、ランブローなどのヲリスキルが飛び交う。
久々過ぎてスキルの順番は滅茶苦茶であり、途中で何故かぴょんぴょんジャンプしてしまったり、
3段スラストに激遅ディセクトなど、復帰勢あるあるのミスを連発しているが、ヒュマ♂には効きまくりだった。

ヒュマ♂「…ミャァ,,ルゥルゥショォ...テェーペー……バタンキュー...ォオゥァ!!…ァーィ...コォ」(バタンッ!)

ボコボコになったヒュマ♂はうわ言を言いながら仰向けに倒れ、少しもがいた後に動かなくなった。
腰をユラユラ揺らしながら戦闘状態をキープしていたウサギヲリーンはそっと剣を納刀する。
戦闘終了。エリーン達の勝利だ。安心したのか、モリスやクルミ達がヘナヘナとその場に座り込む。あひる座りだ。

リリア・エリーン「みんな〜もぅ大丈夫ですよぉ♪」
バラカ「や、ゴホッゴホッ…やったのですか。…はっ!皆さんを!エリーン達の治療を!!ウゥッ!」
リリア・エリーン「喋らないで。こちらにはプリーンもエレーンもいますから大丈夫ですよぉ♪」

飛竜に乗ったエリーン騎士団が降りてきてエリーン達の治療に入る。シオリも看護師としてサポートに入った。
幸い、エリーン達はみんな命に別状はなかった。この中で一番の重傷はバラカだ。
ああ見えてヒュマ♂はエリーン達には手加減をしていたのかもしれない。

ドーナ「仕方ないデスね。ここはエリーンちゃんに任せるデス。ンッンッンッ///ウバレルー!」(シュッシュッシュッシュ)(ポコッ)

ドーナは霊杖で股を擦りイクラを出産した。手慣れたものである。絶句するエリーン騎士団達。
出産したイクラをバラカに手渡そうと近付いてくるドーナ。その表情は恍惚としている。とんだ変態エレーンだ。
バラカはその様子をぼんやりと眺めていたが、イクラを手にする前に意識が途絶えた。

リリア・エリーン「あぁん、バラカ先生ぇ…気を失っちゃったみたいですねぇ。今はゆっくり休むんですよぉ。
         ところで、あのヒューマンさんはきっと…エリーン症になっちゃったんでしょうねぇ」

エリーン症。エリーンの事で頭がいっぱいになり、幻聴や幻覚、妄想、思考障害などの症状を引き起こす。
重症化すると自らをエリーンだと思い込み、エリーンのような仕草や言葉遣いをするようになるという。

……未就学エリーン保護施設襲撃事件。
犯人のヒュマ♂はエリーン騎士団に取り押さえられ、然るべき場所へと連行されていった。
怪我人は多数出たが、リリア・エリーンとウサギヲリーンの活躍によって事件の幕は閉じた。

974しょんべりーん:2022/03/01(火) 20:28:17 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー END「エリーンの家 ふるさと -リオ-」〜

バラカは診療所のベッドで目を覚ましていた。あれから一週間も眠ったままだったらしい。
怪我をしたエリーン達はエリーン騎士団のプリーン、エレーンの治療のおかげですぐに回復した。
既に施設に戻り、モリス達と平和な日常を取り戻したそうだ。

シオリ「バラカ先生〜、入るデスよー!」(カチャ)「あらあら、お邪魔だったかしらデスね〜^^」(カタン)

シオリは空気を読んで病室を出る。バラカの病室にはウサギヲリーンがいた。
バラカが目を覚ますまでの間、ずっとつきっきりで看病していたらしい。
それは看護師の仕事だとシオリが言っても、首を横に振って聞かなかった。

バラカとウサギヲリーンはこれまでの時間を取り戻すように色々な話をした。
ウサギヲリーンは元々無口で喋りが苦手ではあったが、脳にダメージを負った時に言語障害も残った。
中々言葉が出てこなかったり、どもりながらも今日までの事をゆっくりと話した。
ウサギヲリーンの壮絶な日々を黙って聞くバラカの目には涙が溢れ、老いた頬を川のように伝った。

続いてバラカもこれまでの事を話した。長い長い旅、恵まれないエリーンについて、施設について、
ウサギヲリーンのおかげで今の自分がある事、ずっと行方を捜していた事。

月日が経ち、お互いに変わってしまった部分も多いが、不思議とあの頃に戻ったような気分になった。

バラカ「ずっと会いたかった…伝えたかった。あの日、貴方を一人にさせてしまった…本当に申し訳なかった。
    そして、貴方のおかげで…私は自分の役目に気付けた。本当に…ありがとうございます」

深々と頭を下げるバラカの肩は静かに震えていた。
そんなバラカの肩をウサギヲリーンがそっと抱きしめる。
小さなエリーンにとってバラカの身体はあまりに大きく、全てを包み込む事は出来なかったが、
ウサギヲリーンは心でバラカの心を抱きしめた。ギュッと抱きしめた。

体格や種族なんて関係なかった。ウサギヲリーンとバラカは心で繋がった。

ウサギヲリーン「…ッ...ァ,ァーィ!…ァィ,,アリガトゥ…ッ..ォト…オトォサン♪」

――季節は夏。新しい夏。燦々と降り注ぐ太陽。花壇の向日葵。蝉の鳴き声。そして、エリーン達の元気な声。

エリーン達の無邪気な声を聞いて「ンフフ」と笑うウサギヲリーン。
ウサギヲリーンはバラカから名前を付けてもらった。その名はリオ。ヲリだからリオだ…。

リオはドーナと共に保護施設の警備を任される事になった。

ドーナ「朝から暑いデスねー、何でエリーンちゃんが警備なんて…あ、もしもし、イクラでも食べるデス?」

居候でいられなくなったドーナはブツブツと文句を言いつつ、朝っぱらから霊杖で股を擦ってイクラを出産する。
リオは神妙な面持ちでイクラを見つめる。それはドーナを信用していないからではない。
ただ、昔の事を思い出していたのだ。「ァリガトゥ」と言うとリオは笑顔でイクラを受け取った。

リオはもう独りではないのだ。この施設には…この家にはみんながいる。
エリーン達が暮らす家。身寄りのないエリーン達にとっての実家であり、故郷。
それがこの場所「エリーンの家 ふるさと」だ。

「ただいま」と「おかえり」が言えるこの場所で。
大好きな家族が暮らすこの家でいつまでも、幸せに生きていく。

バラカ「さぁ、お勉強したい子はこちらへ」

おしまい。

975しょんべりーん:2022/03/01(火) 20:30:09 ID:rXy2pB/o
〜ラストストーリー エピローグ「エリーンの家 ふるさと -また何処かで-」〜

――知識の探求はまだまだ続いて行く。バラカにはもう一つ見えてきたものがあった。
この世界についてだ。考えれば考える程、一つの答えに収束していく。

それは…この世界、アルボレアは何者かによって作られた仮想現実なのではないかという事だ。
更にこの仮想現実は一つではなく、二つ、三つ…と、無数に存在するのではないか。
自分達は何者かが本に書き記した創作物の一つであり、それもまもなく終わりを迎える…。
無数に存在するアルボレアは何かのきっかけを以て、終焉の道を辿っている。そんな気がしてならなかった。

創造、維持、破壊。それが宇宙のサイクルだ。決して逃れられない運命。
この世界は既に破壊の段階に入ったのだとバラカは考えていた。

それでも自分達にとってはこの世界が全てだ。我々は生きている。
共に暮らすエリーン達には希望を、未来を諦めて欲しくない。
例え終わりゆく世界であっても、バラカがやる事は変わらない。

バラカ「私達の物語を見ている貴方へ。楽しんでもらえましたか?私達はこの世界で幸せに生きています。
    貴方も、貴方の世界で幸せになりなさい。また何処かでお会いしましょう」

エリーン達「「「「ァーィ♪」」」



976しょんべりーん:2022/03/01(火) 21:01:31 ID:rXy2pB/o
これで妄想創作はおしまいデス。
貧乏ウサギヲリーンから始まり、未就学エリーンなど下品で酷い妄想ばかり書いてきました。
中には救いを求める声もあっていつかは完結編を、と思ってましたが、気付けば数年が経っていました。

サ終の告知がきっかけで再び書き始めて、自分はエリーンちゃんが好きなんだと改めて気付かされました。
突貫ではありますが、何とか無事に書き終える事ができてホッとしてます。ンーフー♪
ここまで妄想に付き合ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
内容に不快な思いをされた方がおられる事も存じております。ごめんなさァーィ。

もしもTERA2があるならば、エリーンちゃんの声は今までと同じボイスを使って欲しいデス。
エリーンちゃんはこの容姿とこの声だから最高に可愛いんデス。

ァーィ♪

977名無しさん:2022/03/03(木) 09:05:38 ID:PMSvaxEQ
しょんべりーんお疲れ様!全部読ませてもらったよ
サービス終了前に復活すると思ってなかったから楽しませてもらった
懐かしいエリーンが成長して帰ってくるストーリーに感動した
これまでの話が全部繋がってるのはさすがだなと思った
貧乏ウサギヲリーンとバラカ先生の再会が泣ける

しょんべりーんワールドの集大成だった
どこかでバッドエンドを仕込んでくるのかと思ってたがハッピーエンドでよかった

978名無しさん:2022/03/03(木) 09:14:36 ID:PMSvaxEQ
感想ついでに個人的に好きなキャラも

ヒュマ♂ まさかラスボスとは エリーン症とは
エレーン 奇行が好きだった
未就学キツネエリーン まさか成長して名前までつくとは
おちびーんばぶりーん 新たな属性が新作で出るとは
バラカ先生 ついにこちらの存在まで気づいてしまうとは

今回の新作に出てこなかったエリーンも読み返すと個性的で面白い
あと今気づいたが一番のエリーン症はしょんべりーんというオチね

979名無しさん:2022/04/19(火) 02:44:06 ID:9hO3qihg
ついに明日終わるのか、、

980名無しさん:2022/04/20(水) 08:46:53 ID:TjlFnPU6
ああ、ついに終わってしまった

981しょんべりーん:2022/04/20(水) 21:25:35 ID:rXy2pB/o
とうとう終わってしまったね…エリーンちゃんがいない世界なんてクソデス!!
ひたすら踊り続けたエリーンちゃんも、重過ぎて何も出来ずにゆらゆら揺れてるだけのエリーンちゃんも、
片眉を上げながら花火職人に徹したエリーンちゃんも、現実逃避で蝶々を捕まえようとしてるエリーンちゃんも、
サ終を理解出来ずに路地裏でゴミを漁り続けた貧乏野良エリーンちゃんもみんな消滅してしまった…。
そして、海外のエリーンちゃん達も消滅が確定してしまった…。

妄想創作を読んでくれた方、本当にどうもありがとうございました。
妄想でならエリーンちゃんに会える。今でもエリーンちゃんの声が聞こえる…。

VRChatでエリーンちゃんのアバターが使えたら最高にァーィ!なのに。
メタバースエリーンちゃん実装はよ!

982名無しさん:2022/04/21(木) 16:40:06 ID:mUWcu.Pg
終わってしもうた
エリペロスレもしょんべりーんもスレ住人も乙やで

983名無しさん:2022/04/21(木) 18:56:18 ID:OcXLYHPA
この板が活気あった頃が一番TERA盛り上がってたよね

984名無しさん:2022/04/22(金) 23:41:25 ID:WrODCPAw
サ終で反応あったのがよりによってこのスレだけってのが泣ける
終わるべくして終わったんやね


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