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おんJ艦これ部SSの会
69
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/04(金) 15:11:02 ID:BJz40fog
なぶるように体中をまさぐる触手の群れは増えることはあれど減ることはない。
その中に今まで現れなかった奇妙な触手が現れた。
まるで注射器のような先端部分を持ち、他の触手よりも一回りちいさいその2対の触手は未だ他の触手たちの接触の無かった胸部へと向かう。
快感に身悶える伊勢の乳房へと触手の先端が突き刺さり、ドクドクと何らかの液体を流し込む。
「あっ…胸が…胸が…!」
変化は一瞬であった。瞬く間に乳房が膨らんでいき、タイツがその膨張に耐えられずに弾ける。心なしか、腰や太ももの肉付きもよくなってきている。
70
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:05:09 ID:vwIN8G02
ーーーーーーー
深くなり始めた夜、時刻は既に11時を指していた。既に職務は全うし、夕食も終え、風呂も入り、1日すべきことは殆ど終わらせた2人には就寝という選択肢を選ぶのは必然であろう。
窓の向こうはしとしとと雨が降り、部屋には雨の雫が地を叩く音と時計が時を刻む音、2人の静かな呼吸音だった。
――――雨で濡れる夜、カッコカリ記念に贈呈された煎餅布団に2人は潜り、提督は小さな明かりとなる灯篭を手元に寄せて仰向けの状態で読書に勤しみ、反対に霞は彼に背を向けるようにして丸まっていた。
特に会話もなく、ゆっくりと流れる雨音と共に時間が進んでいく。
――――暫くして霞はモゾモゾと身体を動かした。
寝返りを打った訳ではなく心寂しさを紛らわす為に動いたのだが……一向に寂しさは消える様子はない。ならば、と目を瞑り眠ろうとするが、中々寝付けない。胸奥に何か張り付いたような物悲しさが、全ての試みを邪魔をする。
やがては、火に油を注いだの如く小さな寂しさは直ぐに身体全体へと回ったーーーー
71
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:05:47 ID:vwIN8G02
ーーーーーこの心寂しさは彼を求めれば消えるだろうが彼女の性格による強過ぎる自制の意思が、そうはさせまいと理性を踏みとどませる。
しかし、自分を抑え付ければ抑え付けるほど、比例して反動が大きくなるのは言うまでもない。
彼に抱かれた時に感じた、充足感と幸福感が頭を過る――――。
――――大きな腕に抱かれ、彼に求められ、時には獣のように後ろから組み敷かれ、時には優しく手を繋ぎあったり、抱き合いながら。
抱かれる情景を思い出したところで、心臓が高鳴った気がした。次いで、自分の中の悪魔が想像に甘い毒を添えて理性を溶かしてくる。
――――想像してみなさいよ。
――――あの口で愛を囁かれたら。
愛してる、その言葉を耳元で呟かれた事を想像するだけで甘美な陶酔に襲われ、思考が鈍る。
――――あの指で好きなように身体を弄ばれたら。
ゴツゴツとした指先は、外見に似合わず繊細な動きで弱い所を狙って快感を高めてくれるだろう。そう思い浮かべるだけで、身体はたちまち甘い痺れに囚われる。
――――あの逞しい物で突かれたら。
下腹部辺りが熱く疼く。女としての本能なのか……求めて止まず、胎は彼の物で満たされる事を望んでいる。熱持った身体は今にも暴走しそうな、欲望に染まりつつある。
――――本当、いやらしいわね。
違う、違う――そう否定したいが、彼に馴染んだこの体躯は、想像だけでもう蜜が滲み始めている。考えてしまうだけで、この心は、この身体は彼を欲してしまう。
――――でも、彼はこんなあたしでも受け入れてくれるわ。
悪魔が、そう呟く。媚びるような、艶やかな声で。
――――そう、彼が愛しているのはあたしだけ。あたしも愛しているのは彼だけなんだから――――
72
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:06:39 ID:vwIN8G02
――――彼女は今まで向けていた背を逆にし、向き直った。彼の横顔に黄金色の瞳を移すと、彼の服の裾を引っ張った。興奮して、速くなった吐息や鼓動に気付かれないよう願いながら。
「ねぇ……」
「ん?」
そして、声を掛けると腕を掴んで小さな体躯を彼の腹部の上に動かし、馬乗りのような体勢となった。掛けて合った掛け布団は捲り上がる。
本を退けると視界一杯に彼女の身体が映る。彼の顔は疑問が映り、彼の瞳から見える彼女の顔は期待しているような面持ちだった。
「……どうした」
「……言わないとわからないの?」
僅かに孕む怒り気味の声色、小さな左手で頬を触られる。ほんのりと温もりと冷たさを帯びた掌が心地よい。灯篭の明かりが照らす彼女の顔は声に反して赤らんでいるように見える。何時もは結んでいる銀色の髪は解けていて、何処と無く色気づいているように感じられた。
その様子にふ、と彼は微笑むと本に栞を挟まず、畳に置くと彼女の顔をゆっくりと引き寄せた。静かに口付けを交わす。
最初は啄ばむような、優しい接吻から、身体を擦り付けるマーキングのような深い口付けになる。吐息も段々と速い物となり、血液がふつふつと滾るような火照りを帯びる。
「ちゅ、る、んっ、ふぅ……ん」
「っ、ぅ、ちゅ……ぅ、ふ……」
ふぅふぅ、と彼女の弱々しい吐息が当たってなんともこそばゆい。
彼も、強弱をつけながら彼女との深い接吻を楽しむ。
「ん、ふっ……ぅ、ちゅる……」
「く、ふ……ぅんん……」
搦めるように這わせ、2人の間からには唇と舌が絡む音が漏れている。唾液が混ざり合い、 舌が擦れる度に走る仄かな快感に身を任せる。
それでも足りないと言わんばかりに滑りを纏った小さな舌がより深く求めるように蹂躙する。興奮も昂まり、程よい劣情が2人を蝕み始めた頃になると口が離れた。
彼女は口付けの余韻を反芻するように味わっていると、跨った箇所から熱を感じた気がした。
「……もう大きくなってるわよ、変態司令官……?」
「……誰のせいだか、な?」
挑発的な発言に応えるように、彼は器用に片手で彼女のパジャマのボタンを外していき、対して彼女は彼の身体に指を這わせつつシャツを捲り、剥き出しになった肌を撫でる。
彼女の指が悩ましげに彼の胸を伝っていると既にボタンは全て外され、パジャマが取られた。幼さが残る彼女のシミ一つない体躯を露わにした。女性的な成長を感じさせつつも未成熟さがある身体つき。幼さ故に肌はハリがあり、瑞々しさがある。
また、最前線の戦場に常に立ち、駆逐艦故に他の艦より速く動く事は多々ある。その運動の賜物だろう、腹回りは引き締まっていて、ボディラインをはっきりとさせている。
「……綺麗だ」
「あんた、いつ見てもそればっかね」
呆れたように言う霞だが、声質は優しげであり、口元は少しであるが微笑みを浮かべている。
73
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:07:51 ID:vwIN8G02
「……触るぞ」
短く呟くと、くびれが出来始めた腰に手を触れる。まだ成熟しきってないせいか、ほっそりとしてはいるものの、成長過程である彼女の体は肉が付き始め、女性らしい柔らかさが掌に馴染む。
「あ、ぅ……くすぐったいわ……」
ぺたり、ぺたりと身体の触り心地を確かめ、手は上へ上へと進む。やがては胸を覆う布……ブラジャーへと辿り着いた。少し膨らむ双丘を柔柔と触れる。布越しでありながら、柔らかさと弾力が伝わる。
食い入るように見つめ、壊れ物を扱うかのような手つきと彼の真面目な様子にふ、と霞は微笑を湛えた。
「……あ、あんたってば、本当……胸好きよね……」
「……惚れた女の胸は男なら誰だって……触りたがるものだろう」
「そういうものかしら……っ、ぁ……♡」
「……少し、大きくなったか……?」
「……っ、ん……ぁ……確かめて、みる……?」
小さな甘い吐息を漏らしていた彼女はそう提案すると、彼は小さく肯定した。焦ったそうに声を漏らしていた霞は彼の手をやんわりと退かす。不思議な表情を浮かべる彼をよそに彼女はスポーツブラジャーとも呼ばれるそれを脱ぎ捨てて、胸を晒した。
「……」
彼は思わず固唾を飲んだ。なだらかでありながら、白磁の肌の中でツンと上を向き、淡い桜色に色づく乳頭。幾度も見たが、何度見ても止まぬ新鮮味と慣れぬ劣情。
乳房はうっすらと形状を表す程度の大きさでしかないが、形は整っていて清楚な雰囲気を感じさせられる。
徐に、触れる。霞はピクリと反応しながら、切なそうな顔を浮かべつつ受け入れる。まだ芯の残る乳頭の弾力と、相反した乳房の柔らかさ。掌に収まらない大きさに得も言われぬ背徳感が興奮をそそる。
「っ、んっ、ぅ……ふぅ……」
今度は円を描くように、優しく揉む。手に吸い付くような、しかしながら一方で吸い寄せられるような魔性の魅力を放つ小さな乳肉は感度は良好で、こうやって静かに愛撫されているだけで、弱々しい心地よさが霞の身体をくすぐる。
「……可愛いな」
「ぁ、っう……ば、ばか……♡」
手にとって一つ一つ揉み解くような、丁寧な愛撫。じんわりと、馴染ませるような快感が興奮を燻る。細い喉から出る小さな嬌声が段々と大きくなっていく。
彼は頃合いを見計らい胸から手を離すと、指でピンと主張する淡い桃色の小さな乳首を弾いた。
「ぁあっ♡」
敏感になっていた部分に、幾分か強い刺激。あまりの刺激に腰が浮くが、それだけでは終わらなかった。
「ふ、ぅんんっ♡」
彼は指の腹で摘みあげた。断続的な快楽の波が局部に集中し、あまりの暴力的な快感に抑え気味だった口元が緩む。一気に押し寄せる快感に肌には汗が浮かび、身体が火照る。
しかし、攻めに徹していた彼は急に手を止めた。かと思えば、霞の身体をゆっくりと押し倒し、慣れた手つきでズボンを取り去ってしまった。
「あ……」
露わになる淡い水色のショーツ。彼が見つめる先のクロッチ部分が、生地の色より濃く染まっているのは錯覚ではない。
流石に、間近で見られるのは抵抗があるのか華奢な太腿を寄せて隠そうとする。彼はその様子に釘付けになりつつも、自らのズボンも脱ぎ捨てた。
互いに、下着一枚。隔てる物は、殆ど無くなった。
「……んっ、む……ふぅ」
「ちゅる、ん……ぅ、ぅん……」
再び、深い接吻。今度は抱き合いながら、身体を擦り合わせつつ交わす。肌と肌が重なり、温もりが直に触れ合う。
すっかり情欲に染まりきった興奮は簡単に理性の箍を外す。より深く、より強く求めるように、彼は彼女の背中に手を回し、抱き締める力を強める。
74
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:08:28 ID:vwIN8G02
「ぅ、んふ……ちゅ……」
「っ、ぅぅ……ふぅ……っん!?」
口付けをしていた霞の表情が驚きの表情を浮かべると、唇の間から嬌声混じりの水音が漏れる。それもそのはずである、彼女の引き締まった美尻が揉みしだかれてるのだから。
胸とは違い弾力性が強いが、もっちりとした柔らかさがある彼女の尻は揉む事に適している、そう思える程の物で、夢中になって愛撫を続ける。
彼女は嫌がる素振りが少しはあったものの、直ぐに受け入れ順応する。昂ぶった性的興奮は収まる事を知らず、寧ろ先程感じた嫌悪も快感として変換されているようで、強く揉まれて、屹立とした物を押し付けられてるだけで彼女の下腹部には熱が集まる。
「っ、んんぅ、ふぅう……ぷぁ、はぁ……♡」
離れた口から漏れる甘い息。さりげない仕草でも劣情を燻り、幼い外見に似合わぬ色香と艶やかさで一層、彼を惑わす。
愛欲に濡れた意識の中、彼女は膝立ちになると、スルスルと蜜を吸った下着をまるで見せつけるように脱いでいく。興奮によるものなのか、濡れやすい体質のせいなのか、クロッチ部分から媚糸が引いていた。
「……っ」
一糸纏わぬ彼女の身体。傷一つなく、瑞々しい素肌には熱りからか汗が伝う。下腹部には、ぬらぬらとした光沢を帯びた媚肉がほんのりと鬼灯色に染まり艶かしく蜜露を垂らしている。灯籠の明かりで照らされる姿は何とも妖艶で彼の視界を揺らす。
媚態に見惚れて動けない彼を余所に彼女は彼にしなだれかかると、下着に手をかけて少しずつ、少しずつ脱がして行く。自己主張するそれに引っかかったものの、慣れた手つきで難なく脱がす事に成功した。
「はぁぁ……♡」
待ちに待った物が手の届くところにあるという喜びの溜息。
それは限界まで勃起していて肉幹は全体的に薄黒く、血管が浮き出てグロテスクな印象を受ける。ふっくらと膨らむ亀頭からには我慢汁が止めどなく滴る。
裏筋に指先を這わせばピクリと揺らし、僅かな快感に震える。
75
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:09:28 ID:vwIN8G02
「ぅあっ……」
霞は桜色の唇を舌舐めずりすると、人差し指で亀頭周りを刺激し始める。カウパーの雫を指の腹に塗ると、鈴口から肉竿にかけて全体にまぶす。弱々しい悦楽、もどかしい愛撫はなんともむず痒い。絶頂とまでは至らない快感に身を任せていると、彼女は指を離し、我慢汁で濡れた人差し指を親指で弄ぶ。粘り気が強く、糸を引く光景を数回程眺める。
「……ん♡」
仄かに鼻につく雄臭い性臭。それだけで、思考がぼやけ、蜜が垂れ、表情も悦楽に蕩ける。
霞は指についた先走り汁を舐めとると、そのまま膝立ちの姿勢から彼の肩を掴み、馬乗りに転じた。腰の下ろした位置が丁度、肉竿が彼女の恥丘に下敷きの形へとなった。
「じゅる……はぁ、っぅん、ぁっ……はっ……♡」
溢れかえる蜜露を擦り付けるように、腰を前後に動かす。湿った水音が耳を刺激し、先程よりもはっきりとした快楽に視界が眩む。
霞も霞で、腰を巧みに使うことで小さな肉芽を擦り上げて、砕けそうな快感に意識が淀む。蜜は既に彼の太腿を濡らす程まで溢れかえっており、我慢していたせいもあるのか霞の限界も遠くはなかった。
「はぁ、はぁっ、んっ、ぁ、ぁっ♡」
淫する霞の腰の揺れる速度は遅くなる所か速くなっていた。愛液でしとどに濡れた陰茎は擦られる度にくぐもった淫猥な音を奏でる。
数往復ほど、回数を繰り返した時だった。体重を支えている彼が矢庭に動いた。
持ち上げた両手を小ぶりな胸へと矛先を向ける。しかし、柔らかな触り心地を堪能するわけでもなく目的はピンと主張して震える小さな乳首。指の腹で捕らえると、優しく捏たり少し力を入れて引っ張ったりと弄ぶ。
「―――――――ッ♡♡♡」
それだけで容易く限界点が決壊し、声にならない詰まった嬌声を彼に囁く。
許容を超えた快感が津波の如く押し寄せ、彼女を思考もろとも飲み込む。過剰な快楽の余波が下腹部から背筋を通り抜けて、目の前が白く光ったかのような錯覚の後、陶酔感と脱力感の残滓がそっとのしかかる。
「――――はぁ……♡♡はぁ……♡♡んっ♡」
暫く小刻みに躯を痙攣させて心地よい確かな余韻を味わうと、彼に接吻を交わしつつもたれ掛かった。オーガニズムによる快感が身体の中から抜け切っていないのか震えは止まらず、交わした口付けは覚束ない物だった。それでも、最後の一滴まで搾り取るように貪り合う。
「っ、ん……ちゅる……っ♡」
暫し抱き合いつつ、安心感のある快感を感じあっていると絶頂の海に漂っていた霞がやおら動いた。肩で息をして、持ち上がった白い身体はうっすらと血色良く紅色に色付いている。
動向を見守っていると、華奢な体躯を布団の上に広げた。そのまま、肩で息をしつつ脚をM字に折り畳むと小さな声で呟いた。
76
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:10:10 ID:vwIN8G02
「……そろそろ……お願い」
無いなだらかな恥丘。陰唇は閉じていて幼い印象を与えるが、箍が外れた肉壺は汗と共に愛液が滴り、灯篭がほとを暗い中でも反照させ卑猥さがより一層強調されている。
「はやく、しなさいよ……♡」
強烈な視覚的刺激。それを更に追い討ちをかけるかのように、彼女は自らの蜜液で潤った陰唇を人差し指と中指で開き、挿入を誘う淫靡な格好で彼を煽る。にちゃりと卑猥な音を立てて、白く濁った愛液が垂れる。
普段はしっかり者として振舞っている彼女が目の前で、娼婦のように誘って来ている。普段とは違う、蠱惑的な魅力に心臓は早鐘を打ち鳴らす。なくなった理性を袋叩きにし、脳が彼を本能的な衝動に駆り立てる。
淫らな甘い匂いに誘われるがまま、彼女に寄り掛かる。小さな輪郭に合わせるように身体を重ねと、彼女は来て、と囁いた。
ぬらぬらと濡れる陰唇に先端をつぷり、とあてがう。潤滑油が充分過ぎるぐらいに溢れかえってるせいだろうか、少し力を入れるだけで亀頭は埋まり、すんなりと入ってしまった。
「ん、はぁぁぁ……♡」
とろとろに蕩けた粘膜。狭い襞を掻き分け、ゆっくりと、ゆっくりと押し進める。膣肉は待ち望んだ物を歓迎するように歓喜に震え、潤んだ膣内を更にじくじくと蜜を溢れさせる。
「くっ、はぁ……」
張ったエラが擦れる度に腰が浮きそうな快感とこのまま一気に突き込んでしまいたいという獣の本能が意識に混じるが、まだこの幸せに満ちた充足感と甘美な悦楽は手放したくはなかった。
「んんっ……♡」
纏わり付く膣肉を抉った先には、コツンと膣内とは違った感触が。膣奥まで到達した、そう理解すると同時に彼女はくぐもった喘ぎ声を漏らす。体格差があるせいか4分の1程秘肉に埋まり切らず、肉竿の根元が見えている。
「はぁっ……♡はぁっ……♡」
彼女は息も絶え絶えといった様子だが、愛液をだらしなく垂らす肉壺は意思を持っているかのように蠢き、もっと動けと言わんばかりに締め付ける。
77
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:11:56 ID:vwIN8G02
「……動くぞ」
言葉が出る頃にはもう行動に移していた。恋人繋ぎで彼女の片手を絡め、太腿を掴んで動きを固定すると、密着状態だった子宮口に先端で小突く。それだけで彼を逃がさないようにと膣内をきゅうきゅうと収縮させるが、そんなことはお構いなしに節操のない肉棒は収縮する襞を無視して容赦無く穿いて引き抜き、より強く突き入れた。
「あっ、ぁん、ふぅ、んんっ♡」
胎の隔てる入口を突かれる感触は筆舌に尽くし難い気持ち良さがあるらしく、トントンと小刻みにノックされたり、押し付けられる圧迫感だけで身体の芯から快楽の波が響き、ゾクゾクと皮膚の逆立つような感覚が彼女は好きだった。
「っ、ぅ、んぅぅ、あっ、ぅっ♡」
初めのうちは単調な前後の往復だけだった動きが縦長の螺旋を描くように、膣奥から膣の側壁までくまなく刺激する。そして、ある程度彼女の反応を確かめるとピストン運動に切り替わる。
しかし、先程のような小刻みな振り幅ではなく、一往復毎にゆっくりではあるが間隔は大きくなって、肉棒が抜けるぎりぎりから一気に腰を叩きつけて奥の奥まで突き入れる、乱暴な挿入と抽出だった。
カリ首が襞を強く撫で上げ、膣奥が断続的に抉られる度に生まれる暴力的な快感が霞の脳髄奥深くに叩き込まれる。単純な運動故に生まれるはっきりとした快楽。
肉と肉がぶつかるような音が、部屋を支配する。
「っふ、ぁ、ぁあっ、んんぅ♡」
立て続けに襲う快楽に瞳に涙が零れ、噛み締める力もなくなったのか、緩んだ口元から段々と嬌声が漏れる。結合部には泡立った愛液で溢れ、行為の激しさが増しているのを表している。
「っ、っ、ふぁ、んっ、ぅ、ぅ♡」
瞳を閉じて半開きの小さな唇からは、切なげな吐息が漏れている。往復する腰は段々と動きが速く、そして振り幅が大きくなってくる。数往復毎に彼女の身体がぶるぶると震える。その度にじゅんと濡れた感触が広がると膣内は一瞬収縮する。
「っ、っっふ、っんん♡♡」
肉棒が子宮口を穿つ毎に詰まったような嬌声を上げて、形の良い眉に皺を寄せて唇から先よりも幾分か甘い声を上げた。軽く達したのだろう。その証拠に子種を強請るようにぎゅうぎゅうと肉壺が引き攣っている。
狭い秘肉が搾り取ろうとしてくる。乱暴にストロークを繰り返している彼も、余りの快感につられて絶頂しかけるものの歯を食いしばって、悦楽に震える筋肉を無理やり動かす。
「っ、っ、っ……」
「ひ、ぃ、ひってる♡ひってるから、ぁぁっ♡」
舌が攣っているのか、呂律は回っていない。オーガズムを迎えたばかりの膣内は敏感で、それこそ肉芽を弄られたかのような強過ぎる快感が連続して襲ってきている。
78
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:17:40 ID:vwIN8G02
「っ、ひぅ、ぁっ、あっ、ぁくっ、あっ♡♡」
膣奥まで到達する度に、子宮口を押し拡げられる。その都度、彼女は壊れそうな刺激に何度も何度も絶頂を迎え、弓なりに痙攣しっ放しである。律動的に腰を揺すると、一突き毎に悲鳴が上がり、絶頂。引き抜けば張ったカリ首が敏感な襞を抉り、また絶頂。それでも彼女の膣内は彼を離そうとしない。
挿入する度に肉棒を締め上げる膣内。限界を知らない絶頂と見境のない収縮に彼も限界が近づく。ラストスパートに入口から最奥まで強く、深く、刻むように突き挿れる。
「はっ、はっ、はっ……!」
「ひ、っ♡あっ♡っ♡ま、またっ♡」
「ぐ、ぐっ……っっっ!!」
「く、は、ぃ、い、いっひゃぅぅうっ!! ああぁぁぁっっ!!!! ――――っっっっっっ!!!!!」
最後の一突き、奥に到達した瞬間。彼女の絶頂の断末魔が響いた時。彼の目の前が白く弾け、同時に背骨から衝撃が突き抜け、下半身が砕けるかのような凄まじい快感が襲う。二度、三度と弱く脈打ち、次いで歯止めが利かなくなった欲望の塊が一気に噴き出して、子宮一杯に拡がっていく。
「――――――っっっ♡♡♡♡」
何度も何度も脈打つ肉棒。その微かな動きさえ気持ちいいのか、同じリズムで肉棒が跳ね返る度に身体が震え、注ぎ込まれる大量の精液をまるで飲み干すように、膣が収縮を繰り返している。だが、射精はまだ止まらない。彼女を孕まさんとばかりに肉棒はまだ子種を吐き出す。
――――――5分をも時間を掛けて漸く射精が治まった。
彼は大きく息を吐き出す。強張った身体から力が抜け、心地良い余韻が訪れる。強張った筋肉は緊張が解け震えているものの、まだ動かせる。
「はっ♡ひっ……♡ぁ……♡♡」
吐精が終わったのを見計らい、結合部に目をやると白濁液が胎入り切らずに漏れ出ていた。まだ硬度がある肉槍を引き抜けば、膣内に残った白濁液の残滓がこぷりと溢れてシーツを汚す。何度も突き上げたせいだろう、陰唇は閉じず膣内がヒクついて愛液と混じった子種汁が流れる様子を露わにしてしまっていた。
その淫猥な光景にまた肉棒が臨戦態勢に入るが、彼女の事が気にかかった。
視界を彼女の方に向けると、余韻を反芻しているのか少し視線が危うい。しかし、まだ意識はあるようで瞳は虚ろではなかった。絶頂の連続で体力は相当消耗した筈だというのに平気な辺り流石、艦娘だろうか。
「はぁ……♡はぁ……♡……ん……っ……はぁぁ……♡♡♡」
陰唇を拡げ、零れる子種を見て嬉しそうに笑む。それだけで、彼に再び火を付けるには充分だった。徐に近づいて彼が優しく覆いかぶさる。彼女は僅かに驚いた様を見せたが、直ぐに抱き留めた。
掻き抱くように、温もりを離さまいと言わんばかりに強く強く力を込めて、彼の欲望を受け止めた。
夜の暗がりが昇り始めた朝日が空を青く色付けるまで……営みは続く。
79
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:19:09 ID:vwIN8G02
――――――――
朝。昨夜の雨はもう止んでいて、外には何時も通りの、鎮守府の喧騒が窓の外で慌ただしく鳴り響いている。喧騒に混じるように、目覚まし時計が起きる時刻だとけたたましく騒ぎ立てる。
「んん……ぁ……?」
顔に感じる温もり。頭が何かに包まれているような感触もある。耳に聞こえる騒がしい音と共に、ゆっくりと彼は目を覚ました。
寝惚け眼に映る視界は肌色と淡いピンクの……
脳がそれが何であるか認識すると、その正体が動いた。
「ぅ、ん……」
頭上から聞こえる愛らしい声。何かに包まれて動けない頭を動かし何とか上げてみればーーーーー
「……あら、やっと起きたのね。お寝坊司令官」
うっすらと目を開けて、優しげに微笑みを湛える彼女と目が合った。何気無く彼女の小さな左手で頬を撫でられ、温もりと冷たさを感じる。
同じように彼が彼女の頬を撫でればくすぐったそうに笑って言った。
「おはよう」と。
そして、おかしそう言うのだ。
「酷い顔よ。一緒にシャワー浴びなきゃね」と。
80
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/06(日) 01:19:39 ID:vwIN8G02
過去作品ばっかですまんな、終わりやで
ほなまた……
81
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/07(月) 20:15:05 ID:IleeSgxg
瑞加賀やで
今日は冬の風が吹く12月7日。
明日、12月8日はかの昔、真珠湾攻撃があった日である。ある空母娘はその当時を想起し、噛み締め、またある空母は栄光の日々を懐かしんでいた。はたまたある空母は自身が経験したことがないこの出来事の大きさを味わっていた。
ここに2人、空母娘がいた。名前は加賀と瑞鶴、どちらもあの大海原の戦いに口火を切った者である。
「加賀さん、なんか用事?寒いんだけど。」
「少しぐらいはいいじゃない、瑞鶴。」
「だーから用事ってなんなのよ!少しぐらいは、ってどういうことなのよ!?」
「突然だけど、貴方に明日のプレゼントを予約済みなのよ。」
「え?プレゼント?」
「ええ、食べ物よ。意外と思ったかしら、瑞鶴?」
「いや、別に……明日はただ、真珠湾攻撃があった日だけじゃない?確かに私の初陣だけど……記念日とはちょっと違うと思うんだけど……。」
「まあ、いいじゃない。初出撃記念日なんだから。」
「そうね……ちょっと不思議な感じはするけど、もらっておくものはもらっておくことにするわ。で、プレゼントは何?」
「七面鳥。」
「七面鳥ですって!?冗談じゃないわ!ってなんでなの?」
七面鳥。瑞鶴はその言葉に一瞬凍りつき、そして苛つきを覚えた。瑞鶴にはマリアナの戦いで艦載機が七面鳥撃ちと揶揄されるほど撃墜されていった記憶があるからだ。そして、加賀の口からたびたび煽り文句として耳にタコが出来るほど聞かされているということもある。ヒートアップする思考を抑えつつ、瑞鶴は理由を尋ねる。
「あら、どうしたの瑞鶴、要らないの?それなら葛城にあげようかしら。彼女ならきっと喜んでくれると思うわ。」
「そ、それは……」
ずるい。葛城は瑞鶴を尊敬している空母娘である。しかし、葛城には七面鳥のくだりを知らない。彼女なら純粋に豪華な食事の前で目を輝かせるだろう。そして、瑞鶴自身も葛城から尊敬される先輩でありつづけるため、出来る限り不甲斐ないところを見せたくはなかった。今でも、葛城に見せたくない姿であるのに。
加賀は瑞鶴の案の定の反応に見て、さらに追撃をかける。
「と言うより、もう予約しているからキャンセルは出来ないわ。」
「ったくー!最初から食べさせる予定だったでしょう!?」
瑞鶴はやっぱりな、と思いつつ、美味しそうな七面鳥に想いを馳せていた。
「ええ、ただの七面鳥よ、瑞鶴?おいしそうな七面鳥。せっかく私が予約したから、食べてほしいわね。」
「加賀さんったら……もう……わかったわ……七面鳥いただくわ。」
「決まりね。明日の夕方には自室で待機しておくのよ、瑞鶴。」
「分かったわ……。」
「自室にいなかったら私が食べることになるから。」
「わかった、わかったわ。そうね!七面鳥を食べたかっただけだから!!もう!!!」
瑞鶴はそう早口でまくし立てると、そそくさと自室へと戻っていった。
こうして瑞鶴は加賀の作戦にまんまとはまり、七面鳥を食べることとなった。
82
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/07(月) 20:16:48 ID:IleeSgxg
12月8日当日。日が落ち、小宴会場では8名ほどの正規空母が騒いでいた。机の上にはサラダ、焼き鳥、七面鳥、そして鍋とごった返していた。特に瑞鶴はジューシーな七面鳥に夢中である。
「ん〜最高!加賀さんありがとう!」
「食べる方の七面鳥は良いでしょう、瑞鶴?」
「もちろん!葛城もほら!」
既に葛城も七面鳥を頬張っていた。葛城は食べることに夢中になっており、ただただ無言で幸せそうに七面鳥にありついていた。
正規空母の会の夜は長い。
(終)
83
:
たまにはジョイナス
:2015/12/08(火) 05:20:26 ID:ahcvioM2
秋イベ反省 おちんぽジョイナスだ!
高木「さて今日でイベントもおしまい秋刀魚からの長い秋もおわりです。でもおじいちゃんは寒い冬は苦手ですねえ」
福谷「今回のメンテナンス・アップデートではクリスマスmodeやクリスマスボイスを用意しているそうですね。
やはり今回のアップデートの目玉は今まで無かった高雄型への追加要素があるというところですね」
高木「クリスマスmode?性なる夜にはやはりちんぽがふさわしい。
田島!寒空に高々とちんぽ出せ!」
浅尾「田島君は年棒大幅アップでホクホク中だ!シーズンの反省も含めて僕が代わりにジョイナアアアアスゥ!」
小田「イベント反省! THE END猛省! こんだけやっても図鑑未完成! 備えろ遠征! 次の育成駆逐が安定!」
高木「小田、ロリコンだったのか(呆れ)憲兵には通報しておいた
しかし、あのJP?、なんですかあれは、私の自慢の駆逐艦たちの主砲がまるでジョイナスできないじゃないですか」
福谷「監督、ジェルミー・パウエルではありません、PTです…
これでも史実どおりのステ調整だという意見もあります。
ただやはりS逃しの原因になりやすいので、おっしゃってることはよくわかります」
荒木「群れる馬…?落合さんならただ一人の駿馬を愛してくれるから、こんな敵実装しないのに」ヒヒーン
高木「黙れ素人が! あの幼子イメージはおじいちゃん新たな境地に辿りつきそうです」
坂井「もうすぐ3周年でも新たなエロ需要を提供し続けるその姿勢
艦これの未来は明るい(ガッツポ)」
吉見「なんてことだ…なんてことだ…」
84
:
名無しのおんJ提督
:2015/12/17(木) 01:04:41 ID:h3z3.s2E
昨日から新たな海域の輸送作戦が始まった。歴戦の猛者はもうバニラ湾まで達したらしい。一方で戦力に乏しい我らは先任者の情報を待つことにしたが・・・。
提督「もう我慢できねぇ!出撃だ!」
霞「待ちなさいクズ!約束が違うでしょうが!」
提督「だって他所の提督は出撃してるのに・・・ちょっとくらいなら・・・」
霞「情報が揃うまで待機って何度言えばわかるのよこのクズ!朝まで待機!」
提督「うぅ・・・E1くらいなら・・・」
霞「あーもうめんどくさい縛り付けてやるわ!」
提督「えっ・・・ま、待っ・・・」
提督「何も手も足も縛らなくてもいいのではないでしょうか」
霞「だめです」
提督「うぅ・・・」
霞「小娘にこんなことされて恥ずかしくないの?」
提督「恥ずかしいです・・・」
霞「みじめよね。ふふっ…」スリスリ
優しく股間を撫で始めた。
提督「ぅ・・・」
霞「もうおっきくなってきたわ」ジジー
社会の窓が開かれ、イチモツが溢れてくる。
提督「うっ・・・」ボロンッ
霞「ちょっと触っただけでビンビンね」シコシコ
提督「くっ・・・あっ・・・アーイキソ・・・イクイク」
霞「誰がイっていいって言ったかしら?」
提督「もうイきそうです・・・イかせてください・・・」
霞「どうしようかしら」シコシコ
提督「くっ・・・」
霞「まだ駄目よ」
提督「そんな・・・」
およそ30分に渡る寸止め地獄で、イチモツはパンパンに膨れ上がり、我慢汁でベトベトになってしまった。
提督「うぅ・・・許して・・・」
霞「出してないのにビクビクしてるわ」
提督「はぁはぁ・・・」
霞「さて」
そう言うと、向き合う形で私の上に股がってきた。すぐ目の前に霞の頭が見える。
提督「まてまて、付けないとまずいだろ」
霞「そうね、出したら妊娠しちゃうかもね・・・んっ・・・」
いきり立ったイチモツが霞の中に飲み込まれていく。極限までシゴかれたイチモツは気を抜けばすぐにでも爆発しそうだ。
霞「いくら提督でも妊娠させたらマズいわねぇ」
そういいつつ腰を動かしていく。
提督「うっ・・・くうっ・・・」
霞「んっ・・・出したら妊娠しちゃうかもね・・・我慢しないとね」ズンズン
提督「そんなっ・・・うっ」
霞「ほら我慢しなさいな」ズンズン
提督「もう出るっ・・・!」
焦らされ続けたイチモツから精液が鉄砲水のように溢れ出し、目の前が真っ白になった。
1分も持たずにぶちまけてしまった、
提督「ふぅ・・・たっぷり出してしまったな」
霞「出しすぎよ、本当に妊娠しちゃったかもね」
提督「そしたら二人で育てていけばいいんじゃないかな」
霞「そうね・・・」
提督「さて、一発出したし何発出しても同じだな」
霞「随分と元気なのね、いいわよ」
朝霜「よっ!昨夜は帰ってこなかったけどどうしたんだ?」
霞「ちょっと仕事が終わらなくて」
大淀「その割には目がキラキラしているようですが」
霞「な″っ」
足柄「ふぅ〜ん?そっか〜そうだったんだ〜」
霞「な何よ司令のこと少しくらい感謝してるし…ち違う!」
清霜「まだ司令も何も言ってないよ」
大淀「熱い夜を過ごされたようでなによりです」
霞「〜〜〜〜ッ!!」
って感じの薄い本を読みたい。
85
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/01(金) 04:48:14 ID:2QA0o0tE
しば駆でジョイナス!2016元旦ともに!
敷波「みんな新年あけおめことよろだよ、正月といえばビッグな臨時収入!司令官!お年玉は?」
綾波「司令官はいま1-3任務の羅針盤とダンス中です、だから代わりに綾波が明〜けました〜!!!!!!」
深雪「オショウガ・ツー! カドマ・ツー! 改ツーフラグもいよいよ立った!
晴れのしおいは 彼の気負い! きたよーきたきた期待の時が!」
敷波「深雪ちゃん、今年も衝突には気をつけるんだよ。でも2016年は何か起こる気がするよね…」
白雪「駆逐はもちろんほかの艦種でも機運が高まってますね。ちなみに改二候補有力な初雪ちゃんのコメントはこちらです」
『ちゃんと挨拶できたし、もう今年はがんばらなくても良いや…』
叢雲「そんなことより、私の僚艦の機運も高まっているのよ? なっ!別に一人で寂しいわけじゃないんだから!」ツンデレー
吹雪「艦これのメイン絵師の復活…、3周年を迎えてもまだまだ私たちの活躍は終わらないんだから!」ガッツポ
磯波「なんてことだ…なんてことだ…」
86
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/01(金) 04:51:44 ID:2QA0o0tE
あ、アゲとこ
磯波はぶったのはもう許せるぞオイ!
深雪磯波ラインとはなんだったのか…
87
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/01(金) 16:32:15 ID:eq2u.35M
サカサカサ…スタコラー
「ZZZ…」
「ちゃんと寝てますね…皆さん、用意はいいですか?」
「バッチリだよー」
「ウイー」ヒック
「ムニャ…ムニャ…眠い…帰りたい…」
「ダメだよ、折角今日はみんなで迎えるって決めたんですから」
「そうだぜ、お祭りは楽しまなくちゃな!」
「あ、そろそろですよ。3…2…1…」
2 0 1 6 年 1 月 1 日 00:00
綾波「しんねん!あーけましら〜!!」チュドーン!!
「ファッ!?」
深雪「深雪スペシャル!2016verだぜ!」カタメー
「」
深雪「落ちたな(確信)」
吹雪「私がやっつけちゃうんだから!」ドサー
(おお…視界がめっちゃ白い…)
吹雪「着地をミスった!?」
白雪「吹雪ちゃんは相変わらずね。司令官 明けまして、おめでとうございます」ニッコリ
「あ…おめでとうございます… えーと…これはどういうことなのかな…?」
吹雪「そりゃもちろん!新年の挨拶ですよ!挨拶!」
「パンツも含めてちょっと刺激的じゃないですかね…あと寝正月にしたいから起こしたりするなって言ったような…」
敷波「そんなの水臭いんだよね〜あったあったポチ袋♪」
「あ、こら勝手に引き出しを漁るな」
敷波「いいじゃんいいじゃん♪………!?」
メッチャスクナイ…
ニンズウガオオイカラネ…
88
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/01(金) 16:33:16 ID:eq2u.35M
初雪「ん…」ポンポン
「え?」
初雪「……」ブツブツ
「はい?」
初雪「明けまして…おめでとうございます!」キリッ
「お、おう…」
初雪「じゃあ…もう寝る…」ピュー
「そこ俺の布団…」
初雪「あ! そうそう艦娘対抗歌合戦で優勝したんだよ、じゃあ」バサ
「だから俺の布団… そうなんか寝てる間に昨日はみんなでそんなことやってたのか…」
深雪「全く子供みたいな奴だよなー司令官はよー 8時に寝るとかいろいろ正月を損してるぜ」
吹雪「司令官がいなくても大晦日のイベントは楽しかったですけど、ちょっと寂しかったんですよ」
白雪「そうですよ、隼鷹さんたちも飲ませて潰す奴がいないって残念がってましたし」
綾波「エッヘヘーwwおかげでしれーかんの分まで一杯のめらしら〜」フラフラー
敷波「もう綾波は帰ったほうがいいんじゃないかな…(綾波の分チョロまかそうっと…)」
「付き合い悪くてすまんな、ちゃんと蕎麦食べたときまではいただろ?たっぷり寝られる幸せを子供は理解できんのだよ」
吹雪「毎日疲れてるから、お正月くらい休ませてあげても良かったんですけど折角なので」
深雪「明日寝ればいいじゃん!今日の昼間は羽根突きで動きまくってもらうからな〜ぼろ雑巾のようにしてやるぜ」
敷波「初詣とか…行ってもいいんだよ?あ、みんな一緒でいいから」
「そうなるから今日寝ようって思ってたんだがな…」
綾波「らめですよ〜きょうは〜ねかせませんからね〜」ダキッ
(酒臭い綾波……ええな…)
「しょうがない子やな〜w」
吹白深敷(なるほど…酔ってたら許されるんだ…)
白雪「さて、まあこの時間なら今から寝ても大丈夫でしょうから、私たちはお暇しますね」
吹雪「朝8時に起こしに来ますからね」
深雪「まあこの深雪様は日の出まで起きてるけどな!」
敷波「じゃあまた朝にねー ちょっと綾波連れていくから誰か手伝って」
深雪「しかたねえな〜」
ヤンヤヤンヤ…
「行ったか…やれやれ…とんだ年越しだったな…でも来年からは日付変わる瞬間まで起きてやるとするか…」
「まあいい、来年の話をいまからしたら鬼が笑うどころじゃないしな、さて寝正月の続きを…」
膨らんでいる布団
「おいおい…初雪忘れてるじゃねえか…」
「しかたない…一緒寝てても大丈夫だろう」フトンメクリー
初雪「ハッ!」
「ちょっと待て!布団の中でPC出して何やってるんすか!初雪さん!てかどこからPCでてきた」
初雪「待って、今大事なところ…司令官の布団の中から生放送してるから…視聴者数100超えてる…」ビッ
「そのサムズアップはなんなの…」
初雪「視聴者から 凸キタコレ!とか、追い出して寝室占拠しようずwww とかっていうコメントがたくさん…」
「艦娘がコメントしているとはにわかに信じがたいな」
初雪「ということで、ちょっとこの部屋借りるから出てって…」
「ええ…」
初雪「全艦娘が注目してるんだよ?」
「マジかよ…逆らったら、後日大変な目に遭いそうだな、わかった好きにしな、なんか物が無くなったりしても何も言わない」
初雪「話がわかる人でよかった…しのびねえな」
「かまわんよ」
―――
――――――
―――――――――――――――
89
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/01(金) 16:33:59 ID:eq2u.35M
「さて、というわけで無事追い出され、手持ち無沙汰な俺は外で一服してるわけだが…」
「寒い…寒すぎる…上着着ただけで寝巻きだし…それに日の出まであと6時間以上あるんだよなあ…」
「簡単に部屋を明け渡したのは間違いだったな…」
「どこかに人がいそうなところは… ! 食堂だ!あそこならおせちやら何やらで人がいるはず」
「鳳翔さんなら、どこかで寝させてくれるかも知れん、行くぞ」
(移動中…)
「着いた!明かりもついてる!ここが避難所や!」
「おじゃましまーす!」バーン!
「!?え!誰ですか!?」
「鳳翔さんじゃない!?」
「磯波!? どうしてここに!? あとここには磯波しかいないのか?」
磯波「え、あ、はい…おせちはもう出来てあるのでもうここには私以外誰もいません」
「そうなのか…そういえばさっきの騒動のときに磯波はいなかったな…」
磯波「そ、それは…これをお持ちしようかな〜って…でもちょうど良かったです今出来たところなので…
参加しないか?って深雪ちゃんに誘われたんですけど、その話を聞いて私も何かしてみようって思って…
でもやっぱりなんかおかしいですよね…」
「…… いやおかしくなんかないぞ、すごく嬉しいぞ磯波…」
磯波「本当ですか!あ、いまお持ちしますね。はい、お汁粉です。」
「お汁粉かあ、外寒かったから地獄に仏だよ…」イタダキマスー
磯波「お雑煮にしようと思ったんですけど、好みを聞き出せなくて…」
「お汁粉のほうが俺は好きだぞ。うむ、間宮のと比べて小豆の粒が残ってて俺好みの味だ。暖かい甘さで生き返るようだよ」
磯波「嬉しいです!お代わりもあるんですよ。」
「いいねいいね!」
磯波「よかった頑張って…提督が起こされたあと寝ちゃうと思ってたので、朝の忙しい時間だと迷惑かな?と思ってたんです」
「あーそうだな、朝は絶対やつらに囲まれてると思うわ、ある意味初雪はグッジョブだったな」
磯波「へ?初雪ちゃんが?」
「まあこんなことになっててな…(事情説明)」
磯波「じゃあ今日は朝まで部屋に帰れないんですか…」
「そうなるな、悲しいことに」
磯波「提督の睡眠時間が心配ですぅ… は! じ、じゃあ隣の宿直室なら気兼ねせず眠れますよ!私がここを使った後そこで寝るつもりだったので」
「本当か!良かった、これで寝られる…」
磯波(良かった…朝一で届けようと思ってた準備がうまくいったみたい…)
「じゃあ私は後片付けするので、提督は先に行っててください」
「いや俺も手伝うよ、それから一緒に行こう」
磯波「え?いいんですか?」
「少しくらいはお礼をしないとな」
―――――しばらく後――――――
提督!泡が残ってますよ!
きゃあ!水出しすぎです!
90
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/01(金) 16:34:33 ID:eq2u.35M
「布団はあったけえなあ…」
「でもちょっと疲れました…」
「ホントごめん…」
「あんなに下手クソだとは思わなかったです」クス
「家事は向いてないって良くわかった」
「私は毎日手伝ってますよ、でも冬の洗い物はつらいので今回提督に押し付けようと思ったら逆効果でしたね」
「水跳ねさせて磯波にかけてしまって、すまん」
「良いんですよ…提督にくっついてると本当に暖かいです」
「手…大分冷たいな…ヒンヤリして落ち着かん」
「ご、ごめんなさい…」
「安眠を邪魔する冷たい手はこうだ!」
「ひゃあ!急に握らないでください! は、恥ずかしいです…」
「でもこうしないと温まらないだろう?」
「ううう…」
「そもそも、二組布団敷こうって言ったのに、一緒に寝るって言ったのは磯波のほうなんだよなあ」
「もうやめてください!それは水かけた提督も悪いんですよ!」
「だから謝ってるだろう?それじゃあこうしよう」
「きゃあ!?」
「そら逃げられないぞ、このまま磯波が寝るまで俺が抱きかかえたままだからな」
「うう意地悪ですぅ…」
「おやすみ、磯波」
91
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/01(金) 16:35:12 ID:eq2u.35M
深雪「ちっくしょー!寝過ごした!日の出まで起きようと思ってたら知らない間に寝ちまってたぜ!」
深雪「ん?なんか食堂のほうが騒がしいな…」
ワイワイガヤガヤ…
深雪「すまん、何かあったのかい?通るよ!通るよー!あっ…」
司令官「スヤァ…」
磯波「スヤァ…」
「一部の過激派が発見し、ここで晒すように仕向けたらしい」
「これ起きたらどうするんだろ」
「新年早々ネタですか!?」
「さすがにやめたほうが…」
「Don't touch ! デース! 規制線の中には立ち入らないで欲しいデース!」
深雪「新年早々大変だなあ、司令官…」
―おわり―
92
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/01(金) 16:37:57 ID:eq2u.35M
(*^◯^*)磯波の正月ボイスがないから無理やりポジってやったんだ!後悔はないんだ!
(*^◯^*)嫁をお年玉要求銭ゲバ野郎にキャラ崩壊させるのは意外と楽しかったんだ!後悔はないんだ!
あけましておめでとうなんだ!これからもよろしくなんだ!
93
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/03(日) 10:02:43 ID:flTzcc1E
う〜んこのほのぼの感 ええねぇ…
よろしくやで〜
94
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/03(日) 23:24:10 ID:ZNlifuIA
読みづらいですが、投下しておきますね
取り敢えず突っ込みどころがあったらアドバイスの方をお願いします
艦娘との出会い
西暦2027年12月10日
F135エンジンの唸る愛機のF-35の前に私は緊張しながら乗り込もうとしていた。訓練ではなく初めての実戦に行くからである。
西暦2025年12月7日に突如米国ハワイを襲った生命体、深海棲艦は各地で撃破されつつも数が減ることなく、物量を生かして着実に制海権を奪いつつあった。そしてその魔の手は日本にも及ぼうとしており、既に硫黄島付近に連中の姿は見せ始めていた。それを迎撃するために日本に取り残された米国海軍第7艦隊および国防海軍(海自)や国防空軍(空自)が展開しつつあった。それに私も加わろうとしていた。
管制塔「発進を許可、幸運を祈ります」
私は「了解」と言い、スロットルを思いっきり引いて空に上がった。
「隊長、敵は遠距離からの攻撃で仕留められるらしいですよ。これだと訓練よりは楽かもしれませんね」
慢心は駄目だと私は言ったが、各国からの戦闘記録を見てから私も楽勝だとは思っていた。
「隊長、下を見てください、すごいですよ」
と別の部下が言ったので下を見たら、下に第7艦隊と第1護衛隊群の艦隊が見えた。あまりの壮大な姿に息をのんでいたが、突如無線が入ったので、慌てて応答した。
「こちらはAWACS、敵機の大編隊を確認、直ちに米軍や他の飛行隊と協力して迎撃せよ」
私は了解と答えると前方から来ている敵編隊50機のうちの2機にロックオンしてアムラームミサイルを撃ち撃墜した。他の飛行隊の迎撃もあって第一次攻撃隊は壊滅させた。
この調子なら初陣は無事帰れそうだと思っていた時に突如海上の旗艦いずもから緊急通信があり別の敵飛行隊がこちらに来ていると通信があった。レーダーを慌てて確認すると微弱ながら反応があったので他の飛行隊とその方向に行き、迎撃したがかなりの数が残っていたので、
ドッグファイトに持ち込むことにして敵機に接近して絶句した。
ほぼ球体ものが空を飛んでいたからである。しかもそれは生きているかのように口を上下に動かしながら編隊を組んでいるのである。腰が引けながらも他の友軍と機関砲で撃墜しながらも数が減らずに艦隊上空までドッグファイトしていたその時、
一機の敵機がイージス護衛艦こんごうに体当たりをしようとしていた。それを見て私はとっさに操縦桿を下げ脱出し機体を敵機に体当たりさせた。私はこんごうを守れたことに安堵しつつ艦隊の外れの海面にパラシュートで落下したが対艦ミサイルの迎撃を生き残った敵戦艦の砲撃が艦隊を襲い始めていた。
95
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/03(日) 23:29:16 ID:ZNlifuIA
もう駄目だと思ったとき海面を浮ぶ深海棲艦とは違う人型の姿が複数見えた。彼女たちは弓を持っており、弦を引いて矢を放つとそれらがかつての太平洋戦争で活躍した零戦や97艦攻、99艦爆になって飛び立っていった。
それとは別方向から私に接近してきた彼女はセーラー服を着ており、私があっけにとられているとこう言った。
「私は大日本帝国海軍所属駆逐艦吹雪です。大丈夫ですか?」
言葉も出なかったが無線の「海に少女が浮かんいでる!」「敵戦艦、沈黙!当方の攻撃ではありません!」や「隊長が…」という声で我に返った。
その後、私はその吹雪を名乗る少女にお助け出され、海戦自体はいくつかの艦艇の損傷があったぐらいと数機の戦闘機を失ったことで勝ち、さらに深海棲艦により対抗できる存在である艦娘を手に入れ、人類は本格的な反攻を作戦が始まろうとしていた。
それから2週間後、私は初めて艦娘と遭遇した人物として「提督」に選ばれ、海軍に出向し、他の「提督」に選ばれた人たちと練習巡洋艦の3人(香取、鹿島、香椎)から指導を受けた。
その後に海軍の航空隊の基地がある鹿屋基地に隣接している鹿屋鎮守府に着任することになった。
私が鎮守府に入り、執務室に入った時に配属されている艦娘が入ってきて敬礼した後に横一列に並んで自己紹介を始めた。
祥鳳「私は軽空母祥鳳です。小柄ですが、妹の瑞鳳と頑張ります。」
瑞鳳「私は瑞鳳です。練度が上がれば正規空母並みの活躍をして見せます」
伊勢「航空戦艦伊勢です。この部隊に配属されて光栄です。」
日向「同じく航空戦艦日向だ、航空戦艦の戦い方を見せてやるさ。」
摩耶「よ、アタシ、摩耶ってんだよろしく!」
鳥海「摩耶が失礼な言葉遣いしてすいません、あ、私は鳥海と言います。」
秋月「秋月型防空駆逐艦、一番艦、秋月。ここに推参致しました。防空戦闘はお任せください!」
照月「秋月型防空駆逐艦、二番艦の照月よ。秋月姉さん同様、どうぞよろしくお願いします。」
皐月「皐月だよっ。よろしくな!」
卯月「卯月でっす! うーちゃんって呼ばれてまっす!」
深雪「深雪だよ。よろしくな!」
吹雪「はじめましてってあれ?…失礼しました!吹雪です。よろしくお願いいたします!」
一通り自己紹介が終わったので私が自己紹介をした後に訓示を言って解散させた後に吹雪を引き止め礼を言った。
「あの時はありがとう。吹雪。」
吹雪「いえ、その…私は当然のことをしただけです…それよりもこれからよろしくお願いします。」
その後私はこの部隊の特性を見極めるため資料を見た。
どうやら他の部隊の防空の手助けや対潜戦闘をするための遊撃隊染みた部隊のようだ。
資料を一通り読み終わって窓開け海を覗きながら私はこれからの事を考えてため息をついた。
-終わり―
戦闘シーンはないですがこんな感じです
続編は評判次第で書こうと思います
しつこいですがアドバイスの方をオナシャス
96
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/03(日) 23:53:01 ID:ck0Ms3To
真面目路線いいゾ〜これ
ここは気軽に投下してええから、どんどんやってクレメンス。
これでS(しばふ)S(専)の会にせんでええわ
97
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/04(月) 00:07:36 ID:ZNlifuIA
>>96
サンガツ
しばふニキについて話し合うのも楽しそうやな
98
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/04(月) 00:16:32 ID:ck0Ms3To
早めにするんやで、ワイがしばふ艦SS降下作戦考えてるから(制作中並感)
99
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/04(月) 18:04:11 ID:ZNlifuIA
>>95
の続編やで
初めての演習
時間が昼を回っていたので食堂に行くことにした。食堂には鎮守府の設立を祝って給糧艦間宮を名乗る子が横須賀から来ていた。聞くところによると彼女も艦娘だという。私は金曜だったので海軍の風習に従ってカレー(中辛)を頼んだ。そして配属された子達が机に固まって雑談しながら昼食を食べていたのでそこに向かうことにした。
「祥鳳だっけ?ちょっとそこに座っていいかな?」
祥鳳「提督!ええ大丈夫です!」
私は座るとともに質問攻めにあった
特に聞かれたのは空軍とはどんな組織だということと、なぜパイロットの私が提督になったのかということだったので一から説明することにした。
提督「空軍、もとい日本国防空軍は航空自衛隊という組織の発展で…」
といった具合にカレーを食べながらかれこれ20分間説明し最後に提督になった理由を答えた。
提督「私は味方の船を守るために敵に体当たりをして脱出し、海面に漂っていたところを吹雪に助けてもらったのが世界で初めて艦娘と遭遇した事例らしくそのおかげでな。」
深雪「お、吹雪赤くなってるぜ」
吹雪「深雪ちゃん!」
摩耶「それにしてもあたしらが海の底にいる間に色々あったんだな」
日向「そうか瑞雲みたいな水上機は消えたのか…」
伊勢「そういえば日向、私たちは水上機を訓練でしか積んだことないのになんで日向は瑞雲などの水上機の事が気になるのさ?」
日向「なぜか知らんが、この体を手に入れたら瑞雲や空を飛ぶものにあこがれるようになってな…」
鳥海「そういえば私も摩耶みたいに防空改修してないのに対空戦闘が気になります」
秋月「私と照月も元から対空艦なのですが、同じような事思っていました。」
照月「私も秋月姉と同じものを感じます」
提督「そういえば気にしているメンツが護衛艦に居るから関連があるのかもしれんな」
卯月「うーちゃん、難しい話ししていて退屈だぴょん」
皐月「卯月ちゃん、失礼だよ」
提督「卯月の言っている事も一理あるな…そうだな、君たちの興味を持ったことや趣味とかについて話そうか」
瑞鳳「私は最近、料理にはまっていますね。」
祥鳳「私は茶道とか気になりますね…機会があればやってみたいです!」
日向「私は艦載機の整備だな…」
伊勢「私も同じだなあ…物をいじくるのが好きになったなあ」
摩耶「あたしは趣味なんてないし…」
鳥海「そう言ってるけど雑誌のモデルの服装見てショッピングとかに行きたいって言ってたでしょ」
100
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/04(月) 18:09:38 ID:ZNlifuIA
摩耶「そんなことねえし…」
提督「まあ戦闘が落ち着いたら暇ができるからそれまでの辛抱だな」
鳥海「そうですね」
秋月「私は照月と共に鎮守府の裏で野菜を育てようと思ってます」
照月「テレビを見て新鮮な野菜が食べられたらいいなと思っていてそこからですね」
提督「野菜つくりは大変だからたまには手伝うよ、こう見えても実家は農家でよく手伝いをしてたからね」
秋月照月「その時はよろしくお願いします」
皐月「ボクと卯月ちゃんは趣味決めてないなあ」
卯月「うーちゃんは楽しければ何でもいいぴょん!」
吹雪「私は釣りですかね…深雪ちゃんとテレビの釣り番組見ていたら興味を持っちゃって…」
深雪「私も吹雪と同じだぜ!」
提督「そうか…近くにちょうど海沿いだし、釣り道具は近くのお店から調達してこよう」
吹雪「司令官がそんな事しなくても大丈夫ですよ」
提督「恩返しみたいなものだから気にしないでいいよ、さて食器を戻すか…」
そして私は食器を戻し執務室に戻った。
連絡があったみたいなので折り返し問い合わせたら、明日の10時にあぶくま(Ⅲ)型護衛艦×4隻とこちらの駆逐艦で演習してほしいとの事だった。
目的は人型の深海棲艦に対抗するためのデータ取りらしい。
そのことを鎮守府内放送で伝えて鎮守府の散策したのち、工廠に居た整備の人達と妖精さんに挨拶して、みんなと夕飯を食べたのちに21時に就寝することにした。
そして翌日私は演習するメンツと呉にUS-2で行き、艦娘の体に演習用の器具を取り付けさっそく演習を開始した。
敵役の護衛艦は防御重視の輪形陣を取りながらMk45 5インチ砲の射程距離に詰め寄ろうとしていた。
提督「モジュール装備の対艦ミサイルはないのか…単縦陣で移動だ!小回りを利かして敵艦隊の左側面に回れ!」
吹雪「はい!私が先頭で深雪ちゃん、皐月ちゃん、卯月ちゃんの順で行きます!」
綺麗な単縦陣になり敵の左側面に突入した。敵役からは砲撃を表す演習器具の光が頻繁に見えるが吹雪たちには当たる様子はない。
そうこうしているうちにあっという間に左側面にいた「じんつう」の右側面に攻撃が命中し、撃沈判定を貰ったらしく、機関と砲撃が停止した。
その後輪形陣の後ろにいた「なか」が左翼に行こうと移動したが後方に回り込んだ吹雪たちにより艦尾に攻撃が当たり撃沈判定を受けた。
その後敵役の艦隊の後ろに回りながら、右側面後方に回り込み敵役の「せんだい」、「あぶくま」に攻撃をし、演習上では撃沈する形になった。
わずか30分にも満たずに演習は終わった。演習後のミーティングが終わりUS-2で鹿屋基地に戻った。
吹雪たちは疲れていたため寝ていたが私は今回の演習で彼女たちに恐ろしさを少し感じていたが気にしないことにした。
101
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/04(月) 18:11:53 ID:ZNlifuIA
最後に用語解説
あぶくま(Ⅲ)型護衛艦(現DE-X)
先代あぶくま型(今は現役)などの一部護衛艦の後継として開発建造されたコンパクト護衛艦で配備数は25隻。
モジュール装備によって装備の入れ替えが可能になっており対艦仕様、掃海仕様などになったりする。小中規模の作戦においては艦娘の指揮所兼母艦として活躍する。
武装(素の仕様)
Mk45 5インチ砲、MARLIN-WS×2門、ヘリコプター格納庫上にSeaRAM×1基
参考画像
http://i.imgur.com/heKs3AQ.jpg
http://i.imgur.com/BYG1XSS.jpg
http://i.imgur.com/L1xs8o2.jpg
US-2
みんな大好き大艇ちゃんの子孫。本来の用途は救難だが、哨戒機や輸送機として運用されている。
なんか気になるところや誤字があったら意見をオナシャス
102
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/05(火) 03:00:35 ID:RgMurCNY
艦娘が人型やから、砲撃が当たらん、現代の装備では対抗できないっていう感じなのかな?
あと旧海軍の記憶引き継いでるんか、ええな
103
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/05(火) 08:25:39 ID:PLQxJaOA
>>102
読みづらいがそんな感じやで
あと一部の子に旧軍時代だけではなく、自衛隊に居たもしくは居る記憶が微かながらあるって感じやで
104
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/05(火) 16:30:57 ID:eq2u.35M
「失礼します、綾波です」コンコン
「お、入っていいぞ」
ガチャ
「司令官、出来た書類大淀さんに持っていってきましたよ」
「おう、ありがとう。こっちも明日の作戦計画終わったぞ…」
「これで今日のお仕事終わりですね!」
「そうだ…仕事始めとはいえ結構溜まってたな…大体年末年始の経費関連だったが…」
というか紙で管理する必要はあるのかという疑問は綾波に言ってもしょうがないので愚痴るのはやめることにした
「領収書貰ってきてもらうの大変でした〜」
「全くだな、何でも経費で落ちると思ってる癖にその辺適当だからな、あいつら…。雑用頼んですまなかった」
「大丈夫ですよ、司令官と一緒にお仕事は年末以来だったので、張り切っちゃいました!」エヘー
「元気がいいな、こっちは久しぶりの書き仕事で手がだるいよ…、手が攣りそうだ…」
受け答えしつつ、仕事の緊張が解けると、今まで酷使していた右手に不意に違和感を放ってきた
低い気温のせいか手全体の血色も余り良くなく、見た目も全体が冷たく硬そうな印象で
親指と人差し指の間の固いコリをグイグイと押してみると
鈍い痛みと硬い感触が跳ね返ってくる。
「ここ自分で押してもあんまり効いてる感じしないんだよなあ…」
「自分でやるのはリラックスできないので効かないのは当然ですよ?
あ、そうだ!良かったら綾波がやって差し上げましょうか?」
「え?いいのか?」
「綾波がやりたいだけなんですよ」
「なんかいやらしいこと考えてない?」
「それは司令官のほうこそじゃないんですか…? でも、司令官の手触りたいってのは正直ありますよ」
「…正直だな、実は俺も誰かの人肌が恋しくてな…冬だからだろうか」(本当にド直球で言ってくるよなこの子は)
「そうかもしれませんね、冬は人恋しくなりますよねーでもさすがに正月早々磯波ちゃんと一緒で寝てたのはー…」
「だからそれは誤解だと…」
あれから、ロリコンが輪をかけて酷くなったとみんなから呆れられ(長門は理解してくれたが)
そして、なぜ最後までしなかったのかという、甲斐性なしキャラもついてしまうやら
それについて敷波から『いつもアタシには甲斐性ない鈍い奴だったから、今更だけどね』という皮肉を貰うやらで
いろいろダメージを受けてしまっているのだ。
「綾波までいじめる…うう…みんな冷たい、俺の手も冷たい」
「別にいじめようって訳じゃ…」
(対抗しようと思っただけなんですよ…、やっぱり司令官って鈍感です)
「はいはい司令官もやってほしいし、綾波もやってあげたい。これで決まりですね、じゃあちょっと準備してきますね」トテテー
「その間机片付けといてくださいね」
105
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/05(火) 16:31:28 ID:eq2u.35M
「はいお待たせしましたー洗面器にお湯、そしてハンドクリームです!」
「おお!いいぞ、なかなか本格的だな」
お湯を張った洗面器は目にも温かですぐに手を漬けてみたい衝動に駆られる
「あ、勝手に始めちゃダメです!それはまだです」
「ええー」
「さっきも言いましたが、まずリラックスしないとマッサージの効果は薄くなっちゃうんです
最初は深呼吸!お腹を意識して腹式呼吸で10回です」
「しかたない綾波先生の言うことを聞こうか…」
「肩の力は抜いてー、あと吸うからじゃなくて吐くのから始めるんですよ『呼』『吸』って書くでしょ?
古い空気を出すことを意識するんです」
「なるほど」ハースーハースー
「次は手をプラプラさせてー肩の力は抜いたままですよー」
「ぷらぷらー」プラプラー
水泳にでも行くのかというツッコミはよしたほうが良いみたいですね、綾波先生
「はい、じゃあお待ちかねのお湯にどぼーん!しちゃってください、本当に勢いつけなくてもいいですよ?」
言われなくても分かっておるわいと、ようやく洗面器に両手を浸す
温 っ け え …
手だけなのに、身体全体がほぐれるような感覚は何でだろうか、湯加減もちょうど良い
思わず大きく息を吐く、もうこれだけで良いんじゃないですかね…
「気持ちよさそうですねえ、しばらく温めたらいよいよほぐしにかかりますよ」
「痛くしないでくれよ?」
「どうしよっかなあ〜♪」
不敵に笑ってるが、洗面器に浸している俺の手に優しくお湯をかけてくれている
「冗談ですよ。はい、もういいでしょうか。水気を取りますね さあ、揉んで行きますよー」
タオルで肌を痛めないように優しく水分を拭き取った後、クリームを手に取りのばしていく
綾波のやわらかい手指が滑らかに手の甲を滑り、極上の感触を残してゆく
指先から手首にかけて押し流すように滑っていき、
疲労が流されていく感覚、血行が復活して行く様な感覚を覚える
手がみるみる赤みを帯びていくのは決してお湯で温めた効果だけではないのだろう
「全体はこれくらいにして、先端のほうから始めますよ」
と親指人差し指で俺の指を一本ずつ挟みこみながらくるくると回す
くるくるくる
爪の生え際辺りに疲労が溜まりやすいんですよといいながらそこを重点的に刺激していく
力の強弱のリズムに合わせて鈍い痛みが、ぎゅっと発生して、ぱっと散っていく
かすかな痛みとこそばゆさのバランスがちょうどいい
指が終わると、指の付け根 谷の様になっている部分をつまんで刺激
自分でやっていても気持ちが良い部位 人にやってもらって気持ち良くないわけが無く
チリチリとした痛気持ち良い感覚に思わず唸ってしまいそうになる
「司令官、力んじゃダメです、深呼吸ですよー」
綾波が優しく囁く
普段は結構快活な声なのだが、今は大分丸く落ち着いた声だ
そんな声出せるんだなあ、と感心しながら目を閉じ大きく息を吐く
目を閉じていてもはっきりと手の触覚が快感を脳に運び
文字通り、手に取るように、綾波の指先を知ることが出来る
すすーっと手の甲の骨が浮いてきている部分を滑らかに
かと思えば、手のひらの側面を力強く
まるで自分の手が違う生き物のようにドクドクと脈打っていく
「気持ちがいいな…」
「手だけでいろいろな感覚があじわえるでしょう?」
「ああ、全く飽きる気がしないよ…」
「次は手のひらです」
手を裏返され、今度は手のひらを刺激される、結構硬く締まってしまった手のひら
この前、深雪が手の大きさを比べようと言って、お互いの手を合わせた時硬さの違いに驚いたっけ…
と、そんなことを思い出しながら、ちょっとは柔らかくなるかなと、ちょっと期待しながら
綾波に親指が手のひら押し込んでいく感覚を楽しむ
106
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/05(火) 16:32:15 ID:eq2u.35M
「はい最後は、やっぱりここですよ」グイグイ
親指と人差し指の間をぐにぐにと押し込む
「あ、やはりそこかあ…」
「ちゃんと力抜いてくださいね」
包み込むようにいて手で握ると親指で押し込むように力を加えてくる
リズミカルにそして力強く、だが痛いと感じることは無く、逆に強い快感が襲ってくる
「ここ、合谷は直接脳への刺激が出来るツボらしいです」
ぐにぐに
脳に直接の言葉通り、脳が快感を伝える信号で埋め尽くされる
真っ白になるというより、あたたかな光に満ちるような
大変幸福な時間が訪れる
「…もっと押して……」
「ここは強いツボだから、あんまり押せないんですよ、ごめんなさい、ほかのところをやりますね」
余韻を残しながら、惜しむように綾波の指が滑る
だがそれすらもわからなくなるほど、俺の意識は深く深く落ちて行った
107
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/05(火) 16:32:55 ID:eq2u.35M
「ふう…こんなものでしょうか…」
「司令官?左手これからやりますよー?」
スースー……
「あれ…寝ちゃってます…」
「仕方ないですね、左手終わってから起こしてあげましょうか…」
「………司令官の右手………」
今なら誰にも見られてないし司令官は寝てる
ちょっと出来心で指を絡め合わせてみる
「えへへー恋人繋ぎですよー」キャッキャッ
「でも…もっと思い切っても…いい…かな…」
と、力なく椅子から垂れている右手を手に取り
そして口を近づける
「んっ…」
そっと人差し指に口付けすると、そのまま舌でなめずる
リップ音が心なしか大きくなる、起こしてしまうんじゃないかという不安が
さらなる衝動を呼び起こし、行為を止める理性を吹き飛ばしてしまう
そしてついに指を頬張ってしまう
(やだ…止められない……)
唾液の水音が次第に大きくなっていき、息をつくことも忘れるほどに指に吸い付く
(ダメ…ダメなのに…)
淫らな方へ力なく流されていく自分を責め、恥じながらも
己の欲を抑えることが出来ない
ジュッポジュッポ…
グチュグチュ…ズーッチュ…
レロレロレロ…
―――
――――――
―――――――――――――――
(はあ…どうしちゃったんでしょう…)
唾液まみれになった司令官の右手を拭いながら、ついさっきまでの行為を恥じる
(早く…帰らないと…この状態のまま起こすのは司令官には悪いけど、恥ずかしすぎます)
手早く道具を片付けて退散の構えをとる
(司令官、ごめんなさい。綾波は悪い子です)
心の中で謝罪を唱えながらドアを開けようとしたその時
「綾波?」
(!?)
もう時間空間全てが停止してしまった様に感じた
「また続きやってくれよな」
「ん〜っ!!!!!」
返事など出来るはずも無く、ましてや振り返ることなど出来るはずもなかった
―おわり―
108
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/05(火) 16:34:38 ID:eq2u.35M
(*^◯^*) この時期は手が荒れて大変なんだ、みんなも気をつけて欲しいんだ
109
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/10(日) 22:33:15 ID:Ig4yNLbg
※注意:提督は女性です
提督「お久しぶりです、先輩」
木曾「あぁ、久しぶりだな…そうか、もう提督になったんだな」
提督「えぇ」
木曾「……」
提督「……」
そこは、鎮守府内のバー
夜になっても轟音鳴り止まぬ鎮守府において、ここだけはいつでも静かで温かい
海の薫りを忘れ、酒の香りに浸る…それが、この殺伐とした時代における提督の唯一の楽しみでもあった
木曾は彼女の通っていた女性士官学校の先輩だった
しかし司令部に艦娘としての素養を見出されると、予定より早く学校を去ってしまったのだった
そして転戦の後にやって来たこの鎮守府で…『提督』と『艦娘』は出会った
木曾「…もう結婚してんのか」
提督「…えぇ」
木曾「そうか」
木曾が静かにグラスを傾ける
二人の間に『フォアローゼス』の香りがそっと訪れた
110
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/10(日) 22:34:28 ID:Ig4yNLbg
(続きは明日のこの時間ぐらいに書きます)
(非エロです、ごみんに♪)
111
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/10(日) 23:08:16 ID:4D4FjH.s
あら^〜いいですわゾ〜
112
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/11(月) 22:33:55 ID:Ig4yNLbg
(木曾先輩の続きです)
提督「…先輩、改二になられたんですね」
木曾「ああ。先の撤退作戦でな」
提督「一騎当千のご活躍だと伺いましたよ」
木曾「別に、俺だけの力じゃないさ。艦隊の皆のおかげだ」
提督「…」
木曾「…」
キャンドルの焔がグラスに映える
静かな時が、ただ滔々と流れてゆく
提督「…怖く、ないんですか?」
木曾「うん?」
提督「その…艦娘として、戦う事が…」
木曾「まぁ…怖くない、と言ったら嘘になるな。けど、俺達が怖気づいてちゃダメだろ?」
提督「…強いんですね、先輩」
木曾「どうだかな…」
提督「今でも、私達の憧れの先輩なんです」
ふと、木曾の横顔を見遣る
茜色に染まる隻眼の横顔は、どこか嬉しそうにも、悲しそうにも見えた
木曾「…俺にしてみたら、お前達の方が強いと思うぜ」
提督「えっ?」
木曾「艦娘になってみて、初めて分かったよ。お前達の『強さ』がな」
先輩はいつまで経っても憧れの存在なのだ
ならば…先輩にとっての憧れとは、何なのか?
提督「…」
木曾「…まぁ、成長したって事だよ。お前も、俺も」
提督「先輩…それって、」
木曾「これからよろしく頼むぜ、『提督』よ」
そう言って、木曾は席を立つ
どこかぎこちない、寂しげな笑顔を残して
去り際にそっと提督の頭を撫でる
温かく優しい、震える手で
提督は慌ててその背を見遣る
提督「あ、あのっ…!」
木曾「うん?」
木曾は振り向かない
提督「…こちらこそ、よろしくお願いします…『先輩』」
木曾「…」
何も言わず、木曾は店を出ていく
一人残った提督は、グラスの酒を煽る
苦く、仄かに甘く、潮臭く…『スキャパ』の香りが鼻腔をくすぐった
113
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/11(月) 22:36:09 ID:Ig4yNLbg
(続くような気がします…構想が出来次第投稿していきます)
114
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/12(火) 03:46:13 ID:KTg9GEps
おう続きあくしろよ
115
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/12(火) 22:59:53 ID:Ig4yNLbg
(木曾先輩、なんとなく続き)
翌日の鎮守府バーにて
加賀「…久しぶりね」
木曾「…お久しぶりです」
秘書官・加賀の左手には、指輪が輝く
彼女が席に着くだけで、何も言わずにグラスが出てくる
『ハイランドパーク』
加賀「それで、私に何の用?」
木曾「…ただの挨拶ですよ」
加賀「その割には、随分とお酒の進みが早いわね」
木曾「…」
木曾はちらりと加賀の横顔を窺う
航空機動部隊総指揮艦、共同連合艦隊旗艦、一航戦、加賀…彼女の横顔はどこまでも冷徹だった
木曾「…別に、用なんてないですよ…それとも、用がなくちゃダメですか?」
加賀「お好きにどうぞ」
木曾「…」
加賀「少なくとも、私に何か言いたい事があるのではないのかしら」
木曾「何か、って…」
加賀「――そう。決心がつかないのなら、別にいいわ」
そう言うと、加賀は瞬く間にグラスを空けた
氷が溶ける暇もなく、乾いた音がバーカウンターに響く
加賀「まぁ…よろしくお願いするわ…『重雷装巡洋艦 木曾』さん」
木曾「ッ…」
言葉と屈辱を置き去って、秘書官・加賀は席を立った
116
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/12(火) 23:14:43 ID:Ig4yNLbg
執務室…もとい、提督の自室にて
提督「…加賀さん」
加賀「何かしら」
提督「今日は…どうしたの?なんかすごく怒ってるように見えるけど」
加賀「…そんな事、ありません」
提督「ほら、やっぱり怒ってる」
加賀「そんな事ッ…!」
提督「…」
加賀「……あっ…ごめんなさい」
提督「う、うん、いいよ…」
加賀「…」
提督「何か、悩んでるの?」
加賀「…いえ」
提督「もしかして、先輩の事?」
加賀「ッ……」
提督「やっぱり、そうなん…」
加賀「『先輩』じゃありません、提督。彼女は『艦娘』、雷巡木曾です」
提督「…」
加賀「…私達艦娘は何があろうとあなたにお仕えするのが矜持。私情を捨て去り、任に徹するのが至上。…その事だけでも、ご理解ください…『提督』…」
提督「…」
加賀「…」
提督「私はさ、」
加賀「…?」
提督「艦娘のみんなは大事な仲間だと思ってる。先輩も…勿論、加賀さんだって」
加賀「…」
提督「…飲みましょう、今日は」
加賀「…はい」
117
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/12(火) 23:29:02 ID:Ig4yNLbg
次の夜…鎮守府バーにて
木曾「…」
提督「…」
二人の間で沈黙が踊る
二人のグラスにそれぞれ注がれた酒…その水面に、寂しげな二人の顔が映る
木曾「…これから言う事は全部独り言だ」
提督「…」
木曾「俺は『提督』になりたかった。だけど、なれなかった。今の俺は一人の艦娘…ただ一つの砲弾として生きるしかない」
提督「…」
木曾「憧れも届かない。嫉妬も追いつかない。逃げた運命を掴む事なんてできやしない…わかってる」
提督「…」
木曾「ただ…できるのなら。俺は…」
声が震えている
隣の席を覗き見る事が、提督にはできなかった
そっとグラスを手にして、黙したまま待つ
木曾「……できるのなら、俺はいつまでもお前の『先輩』でいたい」
提督「…」
全てを吐ききって、木曾は一気に酒を流し込む
目頭に刺激が訪れ、すぐに抜けて行った
提督「…『艦娘ハ人ニ非ズ 兵器トシテ扱フ事』」
木曾「…」
提督「そう、習ってきました。先輩と出会った、あの学校で」
木曾「…」
提督「…私は悪い子ですね、先輩」
木曾が、沈んだ瞳を提督に向ける
提督は――あの時の、自分自身によく似た――悲しい笑顔を浮かべていた
提督「…これからも、よろしくお願いします。『先輩』」
木曾「っ……あぁ、よろしくな…『 』」
グラスを置く二つの音が重なり、そして再び沈黙が訪れた
118
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/12(火) 23:30:18 ID:Ig4yNLbg
(ひとまずおしまいです。描写不足な上に内容もうっすくなり申し訳ないです)
119
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:40:09 ID:Ig4yNLbg
(引き続き、今度はスレにて予告していた『ノーパン摩耶様』です)
(こっちはちゃんと完結させましたので、どうぞ)
120
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:40:27 ID:aJs6NF3w
しっとりといい話やね…
121
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:40:41 ID:Ig4yNLbg
鳥海「あのね、摩耶…すっごく言いづらい事なんだけど」
それはある朝の鎮守府
神妙な顔でそう切り出した姉妹艦に、摩耶は訝しみながらも聞き返す
摩耶「ん、なんだ?」
鳥海「あの…昨日さ、出撃から帰って疲れたーって、すぐに寝たじゃない?」
摩耶「ああ」
鳥海「それで今日、朝風呂してからこうして出てきたわけじゃない?」
摩耶「ああ、それがどうした?」
鳥海「……あのさ、摩耶の…下着…たしか、全部洗濯中だったと思うんだけど…」
摩耶「えっ?」
鳥海「今さ…ちゃんと、穿いてる…?」
摩耶「…えっ」
… … …
しばらくの沈黙の後…摩耶の顔が一気に紅潮していった
摩耶「えっ、あっ…うそ…」
鳥海「やっぱり…」
摩耶「きッ、気付いてたんなら言えよバカ!…うわ、もう時間ねーし…」
鳥海「今気付いたのよ…たしかこれから出撃だったわよね、摩耶?」
摩耶「うぐ…やべぇ…ど、どうしよ…」
鳥海「私もこの後演習だから…そうね、私の方が先に終わると思うから、終わったらここで合流しましょ!その…私の替えになるけど、持ってきておくから…」
摩耶「なっ…そ、それもそれで…うぅ…でも、穿いてねぇよりかは…」
鳥海「ほら、とりあえず急ぎましょ!」」
摩耶「わ、わかったから走るなって!スカートめくれるだろーが!」
122
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:41:18 ID:Ig4yNLbg
執務室…
提督「では、以上が作戦概要だ。各自慢心せず取り組むように」
「「「「「了解!」」」」」
摩耶「…」モジモジ
提督「…ん?どうした、摩耶」
摩耶「ふぇっ!?」
提督「今日は珍しく元気がないな。具合悪いのか?」
摩耶「そ、そんな事ねーよ!」
摩耶(うぐ…あんまり見ないでくれよ……クッソ恥ずかしいじゃねぇかよ…)
提督「?…そうか、それならいいが。今回の海域には敵潜水艦も出るからな、一撃喰らわないようにしろよ」
摩耶「お、ぉぅ…」
123
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:42:09 ID:Ig4yNLbg
出撃中…
霞「あんたにしては静かねぇ?どうしたのよ」
摩耶「は、はぁ?べべべ別になんともねぇし…」キョロキョロ
霞「…もしかして、あんた」
摩耶「!」
霞「私のレベリングの随伴が嫌なわけ?」
摩耶(…よかった…さすがに気付かれちゃいねぇな…)
摩耶「んな事ねーって…前見てろっての」
満潮「まぁまぁ霞、きっと摩耶先ぱぁ〜いは女の子の日なのよ」
霞「あらぁ^〜それは気付かなくって申し訳ないですわね^〜」
摩耶(クッソこいつらむかつく……)イラッ
摩耶(それにしても…あれだな…)
摩耶(あたし…穿かねーまま出撃しちまってるんだな…)
摩耶(もしバレたら…どうなっちまうのかな…)
摩耶(…)カァァァァ…
摩耶(だっ、ダメだ!そんな事考えるな、あたし!)
摩耶(うぅ…でも…スースーするし……クッソ…考えたくねーのに変な事考えちまう…)
霞「…!」
摩耶(あ、あたし…変になっちまったのかなぁ…)
霞「摩耶ッ!」
摩耶「えっ?」
ふと気づくと、目の前に敵艦がいた
正確には目下――海面下から今まさに浮上してきた状態の――潜水ヨ級elite
124
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:42:44 ID:Ig4yNLbg
ヨ級「…ヨ?」
摩耶「…よ?」
その敵艦の視線は、必然的に海面から上空を見上げる形となっている
それが、自分の足元に
…つまり、その視線の先は…
摩耶「…」
一瞬遅れてその答えに気付いて…摩耶の頭の中で何かが爆発する音がした
摩耶「ひゃあああいあいあいあいあいあい!!!!」ズドドドド
ヨ級「ヨヨヨヨヨ…」
満潮「ちょ、ちょっと!あんたは対潜攻撃できないでしょ!」
霞「ったく…バカ!」
霞の三式爆雷投射機からの対潜攻撃がヨ級に命中する
目前に生じた派手な水柱に、摩耶は思わず海面に尻もちをついた
摩耶「はぁ…はぁ…」
摩耶はしばらくへたり込んだままだった
混乱している頭を、なんとか切り替えていく
満潮「敵艦は!?」
霞「…撃沈したわね」
満潮「そう、よかった」
霞「よくないわよ!ちょっと摩耶!」
摩耶「!」
名前を呼ばれ、呆けたままだった摩耶の思考が現実に引き戻される
慌てて脚を閉じてスカートの裾を引っ張ると、注意深く立ち上がった
霞「何よ今の!?あんたの役目は索敵でしょう!?わかってるの!?」
摩耶「あ、あぁ、すまん…」
霞「撃沈できたからいいけど、私が気付かなかったらあんた今頃海の藻屑よ!?」
満潮「ちょっと霞!」
霞「なに…よ……えっ」
ふと我に返った霞は…目の前で、今にも泣きそうな摩耶の顔を見た
霞「ちょ、ちょっと…泣く事はないじゃないの!わ、私こそ警戒を怠って悪かったわよ…」
摩耶「グスッ……」
満潮「…」
125
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:43:19 ID:Ig4yNLbg
帰投後…
摩耶(くそが……あれじゃあたしがヘタレみたいじゃんか…)
摩耶(……でも……敵艦とは言え…み、見られちまった…)
摩耶(あ、あたしの…恥ずかしいとこ…)カァァァァ…
摩耶「だぁあああ!」
満潮「うわっ」
摩耶「はぅわっ!? …な、なんだ、満潮…まだいたのか…」
満潮「いたのか、じゃないわよ。あんたの様子がおかしいから何かあったのかと思って見に来ただけよ」
摩耶「べ、別に何ともねーって言ってるだろ!」
満潮「嘘。いつもはあんなに…その、かっこよく、敵艦をぶちのめしていくあんたが、今日に限ってなんであんなだったのよ?」
摩耶「…」
満潮「…何か隠してないでしょうね?」
摩耶「し、しつけーぞ!このっ…」
詰め寄って来た満潮を、思わず振り払う
適当に振り回した手が
満潮「えっ、ちょっ…」
満潮の服に引っ掛かり、そして…
どんがらがっしゃーん
満潮「…う、うぇえええええええん!!!摩耶に殴られたぁああああ!!!」
摩耶「えっ、ちょっ、ち、違っ…!」
126
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:43:52 ID:Ig4yNLbg
再び、執務室
提督「――で、どういう事だ?」
摩耶「…ほんと、すまねぇ」
提督「満潮は膝を擦り剥いただけで済んだからよかったが、もし大怪我したらどうするんだ?艦娘同志の喧嘩は御法度って言ってたよな?」
摩耶「…」モジモジ
提督「……それと、さっきから気になっていた。なんでずっとスカートの裾を押さえているんだ?」
摩耶「えっ…い、いや、別に…」
提督「……」
摩耶(な、なんだよ…そんな見るなって言ってんだろーが…)
摩耶(クソ…なんで…なんであたし……提督に見られて…身体が熱くなっちまってんだよぉ…)
提督「……ふむ、どうも熱があるみたいだな。とりあえず、今日の事は不問に伏す。早く休むように」
摩耶「お、おう……」
127
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:44:27 ID:Ig4yNLbg
鳥海「……」
摩耶「な、なんだよ…」
鳥海「…ふぅん?」ニヤニヤ
摩耶「は、早く、それ寄越せよ!」
鳥海「それよりも…どうやら随分と『お楽しみ』だったみたいね?」
摩耶「はぁ!?」
鳥海「そんなに顔真っ赤にしちゃって。脚も震えてるし、目も潤んでるし」
摩耶「う、うるせぇ…」
鳥海「もしかして、ちょっと気持ちよかったり?」
摩耶「う、うるせぇよ!さっさとしろ!」
鳥海「あらあら怖い怖い」フフフ♪
摩耶(気持ちよくなんか…あるわけねぇだろ…)
摩耶(気持ちよくなんか…)
摩耶(…〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!)
鳥海(意外とそういうとこは乙女なのね、摩耶)
鳥海(…ふふ♪ パンツ隠しておいて正解だったかもね♪)
End
128
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 01:45:07 ID:Ig4yNLbg
(いい話からの変な話でした)
(長くなりました…おやすみなさい)
129
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/13(水) 03:20:28 ID:TnRs5Wd.
草生える
末っ子をガンガン弄っていくスタイルいいゾ〜これ
130
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/17(日) 03:03:25 ID:Ig4yNLbg
今度は真面目なお話(?)
入院ニキに贈る『看護師秋津洲と病床提督』
131
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/17(日) 03:04:24 ID:Ig4yNLbg
秋津洲「提督、ご気分はいかが?大丈夫かも?」
提督「あぁ…まぁ、そこそこだな」
鎮守府医務室。
提督はまっさらなシーツの上で横になっていた。
傍らに立つのは、春から艦隊の仲間入りを果たした秋津洲だ。
提督は肺に持病を抱えている。
普段は至って健康だが、稀にこうして寝たきりになってしまう事があるのだ。
幾度か手術も経験しているが、提督業を諦めるつもりは毛頭なく、病床においても常に中将の腕章を着けている。
その真摯な性格と確かな手腕から、艦娘たちからの人望も厚い。
そして秋津洲の方はと言うと、元々工作艦として活動していた事もあり、支援向きの改修を施されている。
その為戦闘は不得手ながら、本人なりに鎮守府を支えて行こうと、今は医務室長・大淀の下で看護師見習いとして働いているのだ。
いつも彼女の傍らにいる二式大艇は、今は部屋の隅で眠っている。
提督「秋津洲がいてくれて助かったよ、すまないな」
秋津洲「いえいえ!私で良ければ何でも手伝うかも!」
提督「ん?」
秋津洲「え?」
提督「…いや、なんでもない」
苦笑したまま、提督はそっと上体を起こした。
過度な運動はできないが、多少身体を動かす程度なら問題ないと大淀に言われている。
提督「今日は…暇なのか?」
秋津洲「ええ。提督の御容態も安定しているようですし!」
提督「あぁ、いや…他の業務とかあるんじゃないか?」
秋津洲「今の私の役目は看護師として提督を見守る事かも!」
提督「はは、俺だけの看護師、か。なんだか贅沢だね」
ふと、窓の外を見る。駆逐隊が演習をこなしている様子が見えた。
冬の海は寒いだろう。
それでも彼女達はめげる事なく鍛錬に励んでいる。
その心意気は…提督として椅子に座すしかない彼にとって、とても有り難く、そしてとても嬉しい事であった。
秋津洲「第七駆逐隊のみんなだね。ちょっと寒そうかも」
提督「強いな、お前達は」
秋津洲「えへへ…そう、かも」
ベッドの上、二人並んで窓の外の景色を眺める。
長閑な日だ。こんな平和が、いつまでも続けばいいのに。
132
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/17(日) 03:04:54 ID:Ig4yNLbg
秋津洲「…」
ふと秋津洲の方を見ると、彼女の視線も目下の駆逐隊に注がれていた。
だが、その優しい表情からは…どこか寂しさと、悔しさが垣間見える。
提督「…」
そうだ。彼女も戦う為に鍛えられた艦娘なのだ。
今自分があの場にいない事が。
今自分が戦力として数えられていない事だ。
彼女にとってどれほどの屈辱なのか…。
提督「…秋津洲」
秋津洲「はい?」
提督「ごめんな」
秋津洲「へっ?」
提督「お前を…前線に立たせてあげられなくて」
秋津洲「…ううん、大丈夫かも。私には私の役割があるから」
そう吐き捨てるように言って、秋津洲は顔を伏す。
膝の上の拳が握られているのを、提督は黙って見つめる。
提督「…」
秋津洲「……前にいた、鎮守府でね」
顔を伏したまま、秋津洲は囁くような声で喋る。
その声色は、いつもの明るい彼女とは違う。
か弱い、一人の少女の声色だ。
秋津洲「私、無能だ無能だって言われて……それで、結局一度も出撃させてもらえなかったの」
提督「…」
秋津洲「それでね……その…この前の深海棲艦の襲撃で…そこの鎮守府が、潰されちゃって」
提督「…」
秋津洲「私、何もできなかった……怖くて、ずっと物陰で震える事しかできなかった……悔しかったな…みんなを、守れなくて」
提督「…」
秋津洲「私が戦っても…きっと誰も守れない。きっと何もできない。…わかってるんだ、わかってる…」
提督「…」
『艦娘"秋津洲"、出撃ニ能ウ兵装ニ非ズ』。
秋津洲が来た時に上官より手渡された彼女に関する資料…その一頁目に書かれていた言葉が提督の脳裏に過る。
133
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/17(日) 03:05:29 ID:Ig4yNLbg
提督「…秋津洲」
秋津洲「…はい?」
提督「こんな事を訊くのは『艦娘』たるお前には屈辱的かもしれないが…」
秋津洲「…」
提督「…お前の本当の名前、何ていうんだ?」
秋津洲「へっ?」
唐突な質問に、秋津洲は顔を上げる。
艦娘は『艦娘』になる前はごく普通の少女だ。
適正のある少女が選抜され、艦船の力と名を与えられて『艦娘』になる。
秋津洲にとってもそれは同じ事。
秋津洲「え、えっと…『×××××』です」
提督「へぇ…×××××…かわいい名前だな」
秋津洲「そ、そんな事ないですよぅ…」
ほんの少し照れくさそうに、秋津洲の顔が綻ぶ。
そんな彼女の…×××××の表情を見て、提督も優しい微笑みを浮かべる。
提督「なぁ、×××××」
秋津洲「な、なんですかぁ?その名前で呼ばれると、恥ずかしいかも…」
提督「はは……そう、もしもだ。お前がここにいなかったら、俺は一人でこの部屋にいただろうな」
秋津洲「え、ええ…」
提督「けど、今こうしてお前がいてくれる。すぐ傍で、こうして語り合っていられる。それが一つの安らぎになっている」
秋津洲「えっ、えっ…」
提督「喩え周りの奴らが艦娘『秋津洲』をどう言おうとも……お前は…×××××は、俺にとって必要な存在だ」
秋津洲「提督…」
ほんの少し、秋津洲の頬に朱が差す。
134
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/17(日) 03:06:03 ID:Ig4yNLbg
提督「×××××」
名を呼びながら、提督は少女の頭に手を置く。
月白の髪を撫でると、微かに海風の香りがした。
秋津洲「んぅ…」
彼女も、一瞬ぴくりと反応したものの、従順に撫でられる。
掌が髪を撫でる度に顔がどんどん紅潮してゆく様は、純情な乙女の表情そのものだ。
そんな彼女の顔をまっすぐ見つめながら、提督は言う。
提督「ありがとう。ここにいてくれて」
秋津洲「……てぇとく…」
潤む瞳が上目遣いで提督の視線と合わさる。
純真な少女の瞳と、優しい青年の瞳。
互いに見つめ合う内に、遂に少女の方が決壊した。
秋津洲「う、うわあああああああああん!!」
提督「おっと」
滂沱の少女が、彼の肩に顔を埋めた。
そっと身体を抱き寄せると、そのまま彼女も身を委ねる。
そのまま二人は静かに、二人きりの時間を過ごした。
135
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/17(日) 03:06:40 ID:Ig4yNLbg
大淀「ただいま帰りました。提督、ご気分はいかがです?」
提督「うん、おかげさまで。とりあえずは何も問題ないよ」
大淀「それはよかったです……あら?」
提督「ん?…あぁ、ちょっとしばらくこのままにしてあげてくれ。彼女も…色々と疲れているだろうからな」
大淀「…あぁ、成程。ふふ、わかりました」
提督「よし、それじゃ残ってる報告書、こっちに運んでおいてくれるか?」
大淀「ええ、少々お待ちを」
秋津洲「くぅ…くぅ…」スヤスヤ…
(長くなりましたが『看護師秋津洲と病床提督』完)
136
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/17(日) 03:25:46 ID:doGtP0Jg
(秋津洲で)勝てる訳ないだろ!
馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前(錦大帝)
ほんまええ子やでぇ…
137
:
名無しのおんJ提督
:2016/01/17(日) 12:26:34 ID:vRdDhS7g
ええこや…秋津洲ちゃん…だから早くドロップしてくれ
138
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/16(火) 21:45:07 ID:IleeSgxg
グラーフ・ツェッペリンとルミナリエに行くお話。
〜三宮駅〜
グラーフ「ヒトハチサンマル……集合場所はここで合っているみたいだが、アトミラールはどこだろうか?」
提督「待たせたな、グラーフ。早速地下鉄に乗るぞ。」
グラーフ「ちか、てつに乗るのか?どうしてだ?」
提督「ああ、グラーフ。それはな、県庁前から行く方がいくぶんか楽だからさ。その代わりそこそこ歩くが。あと、これ渡しておくぞ、ラガールカード。これを改札に入れておけばいい。」
グラーフ「なるほど……これは有り難い、アトミラール。」
提督「ああ、行くぞ、グラーフ。」
グラーフ「ああ、そうだな、アトミラール。」
〜地下鉄三宮駅〜
グラーフ「アトミラール、ふと思ったのだが、山手線、ミドリと来ればこの列車はおそらくだが、ぐるぐる回るのだな?」
提督「それは東京の路線だ……。」
グラーフ「……あ、ああ、そうだったな。すまない。」
提督「それはともかく、2番線の西神中央行きに乗るぞ。」
グラーフ「了解した。あのエスカレーターを下って行くのだな。」
提督「そうだ。エスカレーターしか無いのが不便だがな。乗車位置は……あまり前でなくて問題ないはずだ。」
グラーフ「なるほど……。」
グラーフ「アトミラール、降りる駅はどこだ?」
提督「県庁前さ。まあたった一駅だけどな。」
〜県庁前駅〜
提督「県庁前だ、グラーフ。ここから南東に向かって歩いて行くぞ。」
グラーフ「出口はこれで間違いないはずだ、アトミラール。私もついていく。」
グラーフ「……なあ、アトミラール?これから先は歩道は行き止まりみたいなのだが……?」
提督「……あっ迷った。来た道を戻るぞ。」
グラーフ「しっかりしてくれ……アトミラール……。」
提督「お、ここに兵庫県庁の案内図があった。よし、この方向で問題ないはずだ。」
〜元町駅前〜
グラーフ「ヨットエル……いや、ジェイアール元町駅前だな。アトミラール、この先はどうするんだ?」
提督「先に南に降りたほうが良かった気がするが、まあいっか。警備員が案内路を作っているからそれに沿っていくぞ。」
グラーフ「了解した。」
〜移動中〜
グラーフ「提督よ、教えてくれ。私たちはどこまで歩くんだ?」
提督「混雑回避の為に迂回路を設けられている。近くにあと15分ほどの標識があったな。」
グラーフ「そうか……わかった。」
提督「混んでいるときは途中で止められて待機させられることもあるが、今日はスムーズに流れていそうだ。」
グラーフ「!アトミラール!見えたぞ!」
提督「慌てるな、まだその時じゃない。まだ迂回させられている途中だ。その間に三宮近辺をいろいろ紹介しようじゃないか、ツェッペリン。」
グラーフ「……ほう……アトミラール、頼む。」
提督「まず、JR元町付近に商店街があっただろう?それを東にいけばセンター街がある。」
グラーフ「ふむふむ。」
提督「センター街西館は一言で言えばアニメグッズとか同人誌がある場所だな。私もよく行っている。とらのあなとか、アニメイト、メロンブックスとかがあるぞ。」
グラーフ「ほう、そんなところがあるのか。私も……行ってみようかな。」
提督「別に構わんが……責任は負わんぞ、ツェッペリン。」
提督「次に見えるのはホテルケーニヒスクローネだな。グラーフは知っているか?」
グラーフ「む、それは、私の国の言葉で言うと、勝利の王冠という意味だな。つまり……どういうことだ?」
提督「あー、特に深い意味はないよ。洋菓子屋さんだよ。主にドイツ菓子を取り扱っているんだ。」
グラーフ「ほぅ……つまり、日本でも祖国の味を楽しめるということだな?」
提督「それは分からないな、グラーフ。そうそう、ここのお薦めはクローネという菓子だ。コルネみたいなものだが、パイ生地でカスタードクリームが包んであって、サクサクふわふわといった不思議なお菓子だな。」
グラーフ「……気になるではないか、アトミラール。今度買って食べようではないか。」
提督「後でだぞ、わかったな。」
グラーフ「ああ。」
提督「お、大丸が見えたな。」
グラーフ「百貨店、だな。ここにもあるのか。」
提督「そうだ、こっちのほうが大きい。だけど三宮のそごうがとても行きやすいからなぁ。ここには余り行かない。そうだグラーフ、もうすぐルミナリエのお出ましだ。」
グラーフ「お、そうなのか、アトミラール。流石にこの私も……気分が高ぶる。」
139
:
某所との関係はないです
:2016/02/16(火) 21:46:14 ID:IleeSgxg
〜会場へ〜
グラーフ「アトミラール、光の廊下が見えてきたな。……きれいなものだ。」
提督「今回の電飾は屋根付か。流石にこれは凄いな。」
グラーフ「……アトミラール、なぁ、アトミラール……?」
提督「どうした?」
グラーフ「美しいなぁ……あと……いや、なんでもない……。提督、ゆっくり歩こうではないか。」
提督「ああ、そうだな。この時間を、噛みしめよう。」
〜東遊園地〜
提督「ここがメイン会場となる東遊園地だ。段差に気をつけろよ。」
グラーフ「ほう、回廊とかいろいろあるのだな。どれも、美しい。」
提督「今日は平日だからそこそこ空いているな。じっくり見ていくぞ。」
グラーフ「ああ。」
グラーフ「回廊、柱の電飾……どれも綺麗だ。心が奪われるとはまさにこういうことなんだろう……な……。」
グラーフ「ところで、この行列はなんだ?」
提督「これか、これは鐘を鳴らすための行列のようだ。ツェッペリン、一緒に鳴らしてみるか?」
グラーフ「いや、いい……。これ以上時間をかけるのもまあ……なんだ……。」
提督「そうか。ツェッペリンもだいぶ見ていっただろう。ここからは引き上げるぞ。」
グラーフ「ああ、そうだな……。」
〜フラワーロード、神戸市役所〜
グラーフ「アトミラール、次はどこへ行く?」
提督「市役所だ。24階に展望台がある。ルミナリエを上から見に行くぞ。」
グラーフ「上から……か。良いな、アトミラール。これなら寒くなさそうだ。」
グラーフ「すぐに展望台に着いたな……ここのエレベーターは速いな。」
提督「ここならゆっくり見れるだろう、グラーフ。」
グラーフ「ああ。上から見る、ルミナリエもなかなか、いや、とてもいい。」
提督「グラーフ、気に入ったか?」
グラーフ「ああ……もちろんだ。そうだ、少し調べたのだが、ルミナリエはここで起きた大地震の犠牲者を弔うものなんだな、アトミラール?」
提督「そうだ。……もともとはな。今は冬のイルミネーションの代名詞の1つになり、観光のメインにもなっている。」
グラーフ「そうだな。確かに人も多かった。このことについては……アトミラールはどう思う?」
提督「……少し食傷気味なところはあるな。ルミナリエ継続のための募金活動も行われているし、本来の目的からは乖離している部分はある気がする。」
グラーフ「そうか……。」
提督「伯爵よ。こんな暗い話はよそでしよう。今日はドラマチックな夜にしようではないか。」
グラーフ「そうだな、アトミラール。私も、貴方との夜を愉しむとするよ。」
〜エピローグ〜
提督「さて、駅に戻ったな。ってなんだこの大混雑は?」
グラーフ「アトミラール、何故こんなに混んでいるんだ?」
提督「ルミナリエの影響としか言えないな……。」
提督「そうだ、伯爵殿。シュトーレンを売っているところを見つけた。時間稼ぎに買うか?」
グラーフ「シュトーレン……流石に気分が昂ぶる。ああ、アトミラール。もちろんだ。」
-fin-
140
:
くーねるぷりんつ
:2016/02/17(水) 00:26:43 ID:aO3uRXqk
ミ゛ーンミンミンミンミ゛ー!
もう何度目の夏でしょうか…。
梅雨が明けたばかりでベタつくような湿気と、ジリジリと照りつける太陽によってもたらされる酷暑。
そして外の木々からはミンミンゼミたちの大合唱が強烈な日光を引き立てる、これぞまさしく日本の夏。
「ううう…」
(ドイツはこんなに暑くないのになあ、日本の夏は何でこんなに暑いんだろう…)
私の生まれ育ったキールの港町はドイツでも北部に位置していて、7月でも20℃をやっと超えるくらい、時には10℃位になるので長袖も必要です。
日本ではそれは全く必要ないみたいですが…。
そうだ、ご紹介が遅れましたね!
私の名前はPrinz Eugen。
アドミラル・ヒッパー級3番艦です。
幸運艦とも呼ばれていますが、そんな幸運な私でもこの夏の暑さは…。
「はあ…」
私は古い家屋のベランダでそんなお昼時にうだっていました。
仰向けに寝転んでジッと目を閉じています。
(暑い、暑い…)
私の今の服装は『戦っていた頃の』長袖。キールでの通常のスタイル。それに帽子を顔の上に乗せて、日光が顔に当たらないように隠していました。
「んぅ……」
しかしジワジワ蒸し焼きのような暑さに汗が流れます。
…ああ、もうダメ…!
「Ich kann es nicht ertragen!(もう我慢できない!)」
私には無理でした、日本の夏の暑さに負けたよ!
寝転んだ体勢からピョンと飛び上がると、イソイソとじんわり汗の染みた服を脱ぎます。
「あー暑い、暑いけれどまだマシかなぁ…」
それからブラジャーとパンティの下着姿になった私は再び寝転びました。
真夏の太陽の光に直接肌を晒すことになってしまいますがやむを得ません。
(またこんがり真っ赤に焼けちゃうなあ…)
毎年毎年、日本の夏は痛いというのが私の思い出になっています。真っ赤にヒリヒリに焼けますから。
もちろん健康的です!
ドイツでは日焼けは魅力の象徴にもなります。夏になると南の海へ身体を焼きに出かける人も珍しくありません。
(でも焼くならカリブ海より日本が1番かもね…)
誰に力説するでなく、日本のおひさまのパワーに私は打ちのめされていたのでした。
141
:
某所で書いたものの転載です
:2016/02/17(水) 00:27:45 ID:aO3uRXqk
ブァーン…
(ああ、自動車? この音は配達のトラック?)
キュルキュル、クー。
「あっ」
しばらく横になって、遠くから珍しく自動車の走る音が聞こえた頃、私のお腹からもだらしない音が聞こえました。
(お腹すいたなあ…)
暑いからでしょうか、朝はきちんと食べたはずなのにお昼すぐに音がするなんて…。
戦艦や空母みたいに燃費が良くないな…。
(今月はピンチなのに……)
『あの頃』と比べて、収入が減り、特に厳しい最近は1日1食と決めていましたが、私のお腹はペコペコ。我慢してもどうにもなりません。
「仕方ないか…」
汗をたくさんかきながら、私は立ち上がって冷蔵庫へと向かいます。
室内なのに暑い…。
142
:
くーねるぷりんつ
:2016/02/17(水) 00:28:20 ID:aO3uRXqk
ガチャ、ヴィーン…
「知ってたよ…」
唸る冷蔵庫、そのドアを開けた私は自分に言い聞かせるように呟きました。
冷蔵庫の中身はそこそこの量のもやしと豆腐。昨日安売りしていたので買ってきたもの。
日本に来て食べるようになった2つですが、安価で売られている素晴らしい食品です。
ただ、ただ…。
(この厳しい暑さを乗り切るには動物性タンパク質が欲しいっ!)
ソーセージ、ハンバーグ、ステーキ……そんなものはここにはありません。高いですからっ!
暑さから考えた僅かな期待は現実に打ちのめされて私はへたり込んでしまいます。
(大人しく冷奴を食べよう…)
諦めて冷蔵庫から豆腐を一丁取り出そうとした、その時…。
「プ、プリンツさーん、お届け物です」コンコンコン
幸せを告げるノックと声が外から聞こえてきました。
143
:
くーねるぷりんつ
:2016/02/17(水) 00:28:59 ID:aO3uRXqk
ドタドタドタ…!
「今、行きまーす!」
普段なら『どうしよう、服を着なきゃ!』や『はしたない!』なんて気持ちが先に回りますが、空腹と酷暑だったからでしょう。
「おあ! 私がプリンツ! プリンツ・オイゲンです!」
「は、はい?!」
下着姿のまま勢い良く扉を開けて、配達員さんをびっくりさせてしまいました。
配達員さん、ダンボールを抱えて持っていたのに、こんな受け答えをしてしまってごめんなさい!
「プ、プリンツさんですねお荷物がきていたので…!」
「いただきます!」
配達員さんもビックリしたのでしょう。顔を真っ赤にして帽子を目深にかぶり直しています。
荷物を抱えているのに器用だなあ。
抱えるような大きなダーンボールを受け取るとヒンヤリして冷たい!これはクール便ね!
「えーっと送り主はビスマークさん?」
「ビスマルク姉さまから!?」
「あー、ビスマルクさん…?」
そんな喜びを一層高めてくれたのが、この贈り物がまさかのビスマルク姉さまからのものだということ!
確かに包装紙は懐かしいドイツの言葉が書いてあった。
やったあ!
「そ、それじゃあサインしてもらえますか?」
おっといけないいけない。
目があっちを見たりこっちを見たりと落ち着きがない配達員さんを放置したまま喜んでちゃいけないよね。
私はペンを借りてサインをスラスラと書きました。
宛名は日本語なのに送り主の名前はドイツ語。
ビスマルク姉さまの日本語は長門さんの固そうな字では無くて柔らかい丸い字だから大好きです。
「ありがとうございましたっ!」
私のサインを貰うと礼儀よく一礼して配達員さんは去っていった。すごい、あれがヤーパンニンジャ…!
どうして股間を抑えていたのか分からないけれど、お仕事頑張って!
144
:
くーねるぷりんつ
:2016/02/17(水) 00:29:32 ID:aO3uRXqk
カチカチカチ! ガサガサガサッ!
さてさて、再び1人になった私の部屋。
残されたのは私と大きなダンボール。ダンボールの側部には『Matjes』と書かれている。
「わーい! Matjesだぁっ!」
うん、嘘は無し!
ダンボール箱をカッターで開けてみると、Matjesのパックがギッシリ詰められてました!
http://i.imgur.com/v0o3zpu.jpg
http://i.imgur.com/e9TqDVk.jpg
※画像はオランダのMatjesです。
「Matjesを贈ってくれるなんて、ビスマルク姉さまありがとうございますっ!」
あっと、Matjesといきなり言われても、分かりませんね。
Matjes(マトイェス)とは新物の若いニシンの塩漬けのことです!
ドイツではちょうど6月頃、つまり初夏にニシン漁が解禁されます。
そこで獲れたニシンを2枚に開き塩漬けにして膵臓から出る酵素で発酵させた食品をMatjes(マトイェス)と呼んでいるんですよー!
お店ではパックや缶詰で売られていますが、私はパックで売られている方が好きかな。中身の様子がしっかり見えるので!
一時期はニシン漁も行われなくなりましたが、こうしてMatjesが作られるほど、海に平和が訪れるようになったのは嬉しいことです。
「ふっふっふーん♪」
…もっとも平和な祖国の海よりも私の胃袋にお魚さんが訪れる事の方が今の私にとっては一大事ですが。
「よーし料理しちゃおう!」オー!
145
:
くーねるぷりんつ
:2016/02/17(水) 00:30:08 ID:aO3uRXqk
ポンポンポン……。
さて、パックで贈られて来たこのMatjesですかどう料理しようかな…。
とりあえず包丁で切ってみて……。
シャリシャリ…
パックから出してみると水が少し溶けてシャーベットみたい…。
普段ならちゃんと解凍するけれど、今日は暑いし…。
「よし、決めた!」
まずはもやしをさっと茹でることにします。
鍋に水を貼ってコンロをカチリと強火に…。
もやしは茹ですぎるとシナシナ、生だと泥臭いような青臭いようなとなかなか難しいお野菜です。
(私は少しシナっとしてるのが好きだから…)
鍋の水が沸騰したのを確認したらもやしを投入。
時計を確認して20秒!
もやしの入った鍋をザルにめがけて、流しへ!
ザルの上には茹でられたもやしが残りました。
「味見!味見!」
もやしを1本口へと運ぶと、シャキッと軽やかな音が。
よーし!シナっとしなかったけど、泥臭くなかった!これは成功!
皿へもやしを乗せて、その上へ半分凍ったMatjesをそのまま乗せて。
最後にゴマ油を少し垂らしたら、完成っ!
茹でもやしのMatjes乗せ!
茹でたもやしにMatjesを乗せただけの簡単な料理ですけどね。
146
:
くーねるぷりんつ
:2016/02/17(水) 00:30:38 ID:aO3uRXqk
パンッ!
手と手を合わせた軽い音が部屋に広がりました。
テーブルの上にはお昼ご飯、その前には目を光らせている私。
「いただきます」
昂りそうな声を落ち着けて静かに言いました。
そして合わせた両手の指と指の間に箸をはさみ、もやしとMatjesを口へ。
そうそう、日本での生活が長いので私は箸の使い方も完璧ですよ、えへん!
「んー!!」
シャキッという口の中の音がすると同時にブルっとブルっとしました!
「Das schmeckt sehr gut!(とっても美味しいー!)」
Matjesは塩漬けした発酵食品ですから、かなりしょっぱくて、そして酸味が後から来るのですが美味しい!
もやしのシンプルな味とMatjesの強い味がバッチリ!
(ごま油も2つの味を引き立てる香ばしさ…。 ちょっと冒険だったけどかけてよかった!)
もやしの余熱で半生の氷のような感じも無くなったしこれは解凍しなくて正解!
久しぶりの動物性タンパク質、久しぶりの故郷の味、私の口とお腹と頭は幸せいっぱいです!
脂がよく乗ってますし、小骨も無いからおいしく食べれます。
ピンポーン!
幸せを噛みしめるように食べている時に現実に戻すチャイムの音。
またお客さんなんて、いったい誰かしら?
147
:
くーねるぷりんつ
:2016/02/17(水) 00:31:24 ID:aO3uRXqk
バタンッ!
「す、すみません! ペンを忘れてしまいました、返していただけますか!」
鍵を開けたら、戸が勢い良く開きました。
その外に立っていたのは、さっきの配達員さん。
酷暑の中走ってきたみたいで、汗がダクダク、お腹と肩が大きく揺れていました。
「あ!」
ダンボールの脇には確かにさっきしたペンが。
私としたことが、うっかりで…。
これはお詫びをしないといけませんね。
「ごめんなさいっ! これですね」
「ありがとうございます、助かりました!」
ペンを渡すと速やかに後にしようとした配達員さん、そうはいきません!
「すみません、忘れ物ですよ?」
「えっ?」
「これもどうぞ!」
「あぐっ!?」
即座に箸で挟んだMatjesを私は配達員さんのお口へ入れました。
モグモグと口を動かし飲み込んだ配達員さんの顔は満更でもないようで…。
「…美味しい」
飲み込んで喜んでくれました!やった!
「ですよねっ!」
「この魚、あれですね。 ショウガ醤油とかネギとかで食べても良いかも…」
「ショウガ! それは素敵ですねー!」
「ビールにも合うんじゃないかな…」
「bier!! 最高ですっ! そうだ、レントラー踊りましょうレントラー!」
「ええっ、配達が!?」
「ほらほらほらー!」
そして暫く私は配達員さんとレントラーを踊りましたとさ。
配達員さんごめんなさい!
こんな日本での生活、少し貧しいかもしれないけど私は今をとても楽しんでますっ!
【続くかも?】
148
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:02:52 ID:98XSotw.
スレの方でも言ったけど投下しますよーするする
(台本形式じゃ)ないです。
若干の百合要素があるかもしれない。
149
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:03:56 ID:98XSotw.
僕が。
ここに着任してから、随分と経つけれど。
山城とは、長い付き合いで。
僕が山城を好きになったのも、きっとずっと前の話で。
それに気付いたのは、ほんの最近の事で。
どうして僕が山城を好きになったのかは、分からない。
けれども、艦娘がたくさん、集まっている時は。
僕の目は必ず山城を最初に探している。
大勢の艦娘がおしゃべりをしていて、僕も誰かと話している時も。
僕の耳は、どこかから聞こえてくる山城の声を手繰り寄せようとしている。
150
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:04:32 ID:98XSotw.
ぼくが最初に山城に会った時は。
山城は少し怖い目をして、ぼくを品定めするようにじっと見ていた。
そして、ぼくに取られないようにするみたいに。
一緒にぼくの所に来た、扶桑の手をずっと握っていた。
しばらくはずっとそんな調子だったけれど。
ぼくが扶桑と打ち解けていくに連れて。
本当に少しずつだけれども。
山城も、ぼくと話をしてくれるようになっていった。
多分。
この時には、ぼくはもう山城を好きになっていたんだと思う。
151
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:05:02 ID:98XSotw.
山城は。
扶桑のことが、ほんとうに好きで。
僕が山城と話をしたい時は、いつも扶桑の事を聞く。
その方が、山城が楽しそうだから。
……本当は、もっと別の話がしたいけれど。
もっと言うと僕の事を。
山城の事を。
話したいのだけれど。
でも、僕は。
山城が笑ってくれるなら、それでいいって。
思ってしまう。
ねえさまはね、ねえさまはね、って。
僕の目を見ながら。
僕を見ないで話す山城は。
とても綺麗で。
僕は時々、それがとても悲しい。
152
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:05:49 ID:98XSotw.
ぼくは、山城が扶桑といつも一緒にいることが。
一緒にいなくても、山城はいつも扶桑の心の隣にいることが。
だんだん、煩わしくなってきて。
そんな自分が、とても醜く思えて。
それがつらくて。
なにかをせずにはいられなくなって。
ぼくは、思い切って山城を食事に誘ってみた。
山城はとても驚いた様子で。
ぼくは、なんてバカな事をしてしまったのか、と。
思ったのだけれど。
山城は、しばらく考え込んだ後。
ねえさまに聞いてみます、と言ってその場を離れて。
それから少しして。
戻って来た山城の頬は、少しだけ赤くて。
ぼくの前で随分悩んでいたのだけれど。
いいですよ、と。
言ってくれて。
153
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:06:22 ID:98XSotw.
夕立が教えてくれたのだけれど。
扶桑は、少しだけ山城と一緒にいる時間が短くなったみたいで。
山城も、少しだけ扶桑の話をしなくなったようで。
僕は、一体どうしたのだろう、と心配になったけれども。
扶桑も。山城も。
なんだかほんの少しだけ、楽しそうで。
そんな山城を見るのが、僕も少しだけ楽しくて。
154
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:07:00 ID:98XSotw.
あれから、ぼくと山城は時々一緒に食事をするようになって。
たまに休みが合った時、扶桑と3人でどこかに行く事も増えて。
山城も、だんだん自分の事を話してくれるようになって。
ぼくの事も、尋ねてくれるようになって。
そんな僕たちを。
扶桑はずっと、楽しそうに見ていて。
ああ、扶桑もすごく素敵な人なんだな、って。
山城にずっと、ずっとそう言われていたのに。
ぼくは今さら気づいて。
……それから、また随分時間が経って。
155
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:07:48 ID:98XSotw.
僕は、前より扶桑と話すことが増えた。
山城とも話すけれど。
時々、扶桑と二人で会うようになった。
する話と言えば、山城の事ばかりだけれど。
僕が扶桑と会うのが増えると。
山城と会う事は、前より少しずつ減っていった。
でも、山城も。
誰かに会いに行っているようで。
僕は今でも山城が好きで。
でも。
156
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:08:29 ID:98XSotw.
ぼくたちは、ふたりで会うことが多くなっていった。
周りの艦娘も、だんだん勘付き始めた。
ぼくは臆病だったから。
ウワサになるのは、嫌かな、と。
そう聞くと、彼女は。
すこし考えて。
嫌ではないです、と。
言ってくれて。
それで、もう。
歯止めが利かなくなって。
それから。
少し、時間が経って。
157
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:09:11 ID:98XSotw.
ある時、山城がなんだかぼうっとしていたから。
僕が、どうしたの、と聞くと。
山城は少しだけ躊躇ったけど。
大切な人が、増えたかもしれない、と。
答えてくれて。
僕は。それは、だれ?と。
聞く事は。
出来なくて。
どんな人?と聞いたら。
あなたに少しだけ似ているかもしれない、って。
言われて。
ああ、聞かなければ良かったと。
僕は。
それから、また。
少しだけ時間が経って。
158
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:09:53 ID:98XSotw.
僕は、結婚式に呼ばれていた。
……山城の結婚式だ。
僕の隣には、扶桑がいる。
山城の隣にいるのは。
僕じゃない。
山城は、僕を見つけると。
柔らかな笑みを浮かべて。
今までずっとありがとう。もちろん、これからもずっとお世話になるけども。
私たちの新しい門出を、どうか祝ってください。
そう言った。
159
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:10:50 ID:98XSotw.
僕は、やっぱり、泣きそうになったけど。
うん、幸せにね、と。
どうにかそれだけ言って。
山城と。
その手を取って歩く。
提督を。
見送った。
扶桑は、その姿を見送った後。
山城にとって、今までも、これからもずっと。
あなたは大事な存在なのだから。
泣かないで、時雨。
そう言って、僕の頭を優しく撫でた。
僕は、うん、と言ったけど。
やっぱり、泣いた。
160
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:11:26 ID:98XSotw.
了
161
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:21:23 ID:y7swjfoQ
乙やで〜
時雨の届かぬ思いが儚くてええな
162
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:24:09 ID:pc3QkV36
人の夢と書いて儚いンゴねぇ・・・
163
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 12:32:33 ID:3ScQeaWA
切ないなぁ…
近くなることはいいことかもしれないけれど、
恋を超えて愛になることで実らないものもあるんだなぁ
164
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 20:46:33 ID:98XSotw.
帰ってきて見たらわりと反応あって嬉しいわ
しかし改めてわかりづらいなコレ
一人称やっぱ揃えちゃった方が提督が浮気してるっぽくなったな
反省
165
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 21:38:27 ID:Ig4yNLbg
えー、球審の不知火です(半ギレ)
弟に温泉をテーマにSSを書くよう言われたので投下し、弟を退場処分としてスレを再開します
というわけで蔵王温泉+最上SS(短編)
最上「提督ー!見てたー!?」
提督「ああ、見てた見てた」
白銀の世界を軽やかに滑り降りてきた最上は、ゴーグルを額に上げて笑顔を見せた。
ここは山形県山形市。
蔵王山は多くのスキー場があり、また樹氷などの観光資源も豊富だ。
そして何より、火山である蔵王山の代名詞はやはり温泉である。
提督と最上は束の間の休日、最上の故郷である山形の、この温泉地へとやって来たのであった。
しかし風呂の前に一汗かきたいという最上の要望に応え、二人はゲレンデに来ていた。
スキーウェアに身を包みながらも軽快な動きで雪原を堪能する最上。その動きは海上と殆ど同じと言っても過言ではない。他の艦娘もスキーは得意なのだろうか。
提督「それで、もう満足なのか?」
最上「うん、ちょうどいい運動になったよ」
提督「どうする?もう温泉入るか?」
最上「うーん、その前に小腹が空いたなぁ」
提督「ん、そっか…じゃあちょっと街を歩いてみようか。何かおいしいものあるだろ」
最上「うん、そうしよう!」
166
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 21:38:57 ID:Ig4yNLbg
最上「へいほふー!ほれおいひい!へっひゃおいひい!」
提督「とりあえず飲み込んでから喋ろうか」
温泉街というのは独特の風情がある。ましてや雪国の温泉街ともなれば猶更だ。
立ち込める湯煙の中、雪景色と共存する街…どこか浮世離れした、異世界のような空気感。
しかしその中にはしっかりと人が住み、人が往く。
この風景こそが温泉旅行のお醍醐味ではなかろうか。
そんな風景に居て、最上は露店で買った玉こんにゃくを頬張っていた。
マフラーに顔を埋めながらもぐもぐやっている姿は年相応の少女らしく、かわいらしい。
最上「ごくん」
提督「そういや温泉卵とかないのかな」
最上「んー、蔵王温泉は酸性の泉質だから卵の殻が溶けちゃって作れないんだってさ」
提督「なにそれこわい」
最上「硫黄温泉だからね。火山の活動が激しい時は硫化水素がゲレンデにも吹き出すんだってさ」
提督「なにそれこわい」
最上「というわけで、旅館に到着だね」
提督「はしょったな」
最上「今日は空いてるね」
提督「俺達しか宿泊客がいないらしいぞ。どうする、一緒に温泉入るか?」
最上「あ、いいね!」
提督「えっ」(冗談のつもりだったんだけど…)
最上「えっ?」
167
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 21:39:36 ID:Ig4yNLbg
温泉街に旅館は数あれど、選択基準として好ましいのは『源泉に近い事』だ。
分湯升というお湯を汲み上げて各旅館に送る装置、それがすぐ近く、或いは敷地内にある旅館は源泉から殆ど劣化していない良質な温泉を提供してくれるのである。
まさに源泉掛け流し。
二人が選んだのもそんな旅館だ。
最上「…提督、あんまりじろじろ見ないでよ?さすがにボクも恥ずかしいからさ」
提督「いや、まさか本当に一緒に入って来るなんて思わないだろ?」
最上「誘ったの提督じゃん…」
そんな事を言いながらも、最上は特に体を隠す様子もなく、提督と並んで露天風呂に浸かっていた。
ほんの少し体を預け合うように、肩が重なる。
ただ、こうして沈黙に身を任せ、二人並んで星空を見上げる…。
それもまた、温泉旅行の風情なのかもしれない。
提督「…なぁ、最上」
最上「うん?」
提督「なんかいい地酒、知ってるか?」
最上「酔っ払いたいの?」
提督「ああ、いいだろ?」
最上「…うん、じゃあ『出羽桜』とかどう?」
提督「いいな…一緒に飲もうか」
最上「……うん」
ほんの少し、最上が笑顔を見せる。
彼女の短い髪を撫でながら、提督も小さく笑顔を浮かべていた。
雪国の夜は長い。
(終)
168
:
名無しのおんJ提督
:2016/02/19(金) 23:35:58 ID:VTEiJNrk
温泉いいゾ〜
もがみんは地酒にも詳しいのか
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