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ばらの騎士
1
:
さーじょん
:2004/04/05(月) 22:00
Der Rosenkavalier
作曲:リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)
台本:ヒューゴー・フォン・ホフマンスタール
初演:1911年、ドレスデン
43
:
さーじょん
:2007/11/25(日) 23:48:05
11月25日(日)NHKホールにて、ドレスデン国立歌劇場来日公演鑑賞。
http://www.japanarts.co.jp/html/dresden2007/index.htm
http://www.japanarts.co.jp/html/dresden2007/abstracts.htm
http://japanarts.cocolog-nifty.com/dresden/
http://www.ntv.co.jp/opera/outline/derrosenkavalier.html
劇場のサイト
http://www.semperoper.de/en/oper/welcome.html
http://www.semperoper.de/en/oper/repertoire/der_rosenkavalier.html
ウヴェ=エリック・ラウフェンベルク演出、ファビオ・ルイジ指揮、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団・合唱団。
アンネ・シュヴァンネヴィルムス(元帥夫人)、クルト・リドル(オックス男爵)、アンケ・ヴォンドゥング(オクタヴィアン)、ハンス=ヨアヒム・ケテルセン(ファーニナル)、森麻季(ゾフィー)。
当初は準・メルクルが振り、デノケが歌うはずだった「ばらの騎士」、指揮者・出演者の変更があり、上記のメンバーとなりました。トータルとしては、最後の最後にこの上なく美しい響きが聴けたので、大いに満足してきました。
演出は「読み替え」ではなく、公演プログラムによると、1950年代くらいに時代を移しているとのこと。それでも登場人物間の関係性そのものに大きな変化はないので、印象としては
>>31-37
の新国立劇場公演よりも多少凝ったところが見受けられるかな、といったところでした。
44
:
さーじょん
:2007/11/25(日) 23:48:49
ただし「セックス」の描き方はかなり特徴的でした。第1幕冒頭、音楽が鳴ると同時に、酔った元帥夫人とオクタヴィアンが雪崩れ込んできて、さも「一刻も早くしたくてたまらない」といった様子で服を脱ぎ捨て、下着姿となってベッドへ潜り込みます。この冒頭の音楽が睦言の描写であることはよく知られていますが、かくも露骨に舞台上で演じるのは珍しいのではないかしら。
第2幕でも、レルヒェナウ家の連中がファンニナル家の女中を追いかけ回すシーンでは、数人で1人の女中を押さえつけて、ズボンを脱いで挑みかかろうとする場面が演じられました。第3幕では、マリアンデルの「泣き上戸」の場面で、マリアンデルはベッドに腰掛けて泣き出します。衝立の向こうではオックスが脱衣し、下着姿になります。ベッドに腰掛けているマリアンデルに挑みかかり、その後「コルセットがきついんじゃないか?」の台詞につながるわけです。
舞台装置はオーソドックスと言ってよいでしょう。/ \のような基本形は3幕とも共通です。第1幕は下手寄りにベッドが置かれています。かなり従来通りの「元帥夫人の寝室」です。第2幕では、舞台後方の大きな窓の外に街並みが見えるという趣向ですが、街並みから判断すると、ファンニナル家は高層マンションのようです。室内には「\/」のような形に赤絨毯が敷かれています。これは要するに「ばらの騎士」が通るわけです。ばらの献呈の場面の直前、ちょうど「ばらの献呈」が行われる場所を照らすように、舞台上にスポットライトが置かれます。カメラマンたちも入ってきます。今日風に言えば、「セレブ嬢の結婚」ということで、マスコミも注目しているということなのでしょうか。
第3幕はやはり従来通りの旅籠の一部屋です。下手寄りの開口部に「大きなベッド」が置かれますが、ベッドの組み立て場面から始まったのは、なかなかに面白いと思いました。ラストはなぜか、元帥夫人の小姓の黒人少年と、アンニーナが連れてきた「パパ〜、パパ〜、パパ〜」と叫ぶ子どもたち(4人だけです)の追いかけっことなって幕です。
45
:
さーじょん
:2007/11/25(日) 23:49:57
演出については、とくに優れたと思える趣向もありませんでしたが、反対に気に障るようなこともなく、音楽を楽しむことを妨げていない意味では、まあ、良い演出と言ってよいのかもしれません。
何よりも印象に残ったのは、やはりオケの響きの美しさでした。第1幕、元帥夫人のモノローグからオクタヴィアンとの二重唱にかけて、第2幕、ばらの献呈の場面、オクタヴィアンとゾフィーの「涙をためて君は僕のもとに来た……」の二重唱、幕切れのオックス男爵のワルツ、そして第3幕、オックス退場のワルツ、元帥夫人とオクタヴィアンとゾフィーの三重唱からオクタヴィアンとゾフィーの二重唱、そして幕切れまで。タンホイザー
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073745535/33
と同様の、深い響きで、なおかつ明瞭な音でした。
歌手陣で最も特筆すべきは、クルト・リドルでしょう。まあ、デノケ欠席ですので、この中で「超一流クラス」というと、リドルになるわけです。どちらかというと、ハーゲンなどを歌ってしっくり来る歌手なので、オックスはどうだろう?と思っていたのですが、このクラスの歌手は、何を歌っても上手いものです。元帥夫人、張りがあってなおかつ品のある声で、僕はかなり気に入りました。
年長者二人に比べると、若い二人はちょっと分が悪かったかもしれません。オクタヴィアンは好演でしたが、ちょっと声量の点で不足もあり。森麻季は、う〜ん、今年観た三つの「ばらの騎士」のなかでは、最もゾフィーらしいルックスでしたが、声のほうは……。
>>41
でマリン・ハルテリウスについて、「いまいち国際的活躍とまでは行っていない歌手」と記しましたが、さらにそこからワンランク下がる感じです。まあ、日本人歌手がこの中に入って歌ったというだけでも、よしとすべきかもしれません。
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