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タンホイザーおよびワルトブルクの歌合戦

1さーじょん:2004/01/10(土) 23:38
台本/作曲:リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)
初演:1845年、ドレスデン

4さーじょん:2004/01/12(月) 22:18
はじめに買ったのはバイロイト盤のDVD。舞台中央に置かれた大きな円盤と照明とを効果的に使った、よくできた演出だった。ブレンデルが歌うウォルフラムはいたく気に入ったが、いかんせん表題役が、「チビ・デブ・ハゲ」三拍子……。こうなると、なぜエリザベトが、ウォルフラムではなくハインリッヒに惹かれたのかがまったく理解できない。

5さーじょん:2004/01/12(月) 22:24
もう少し抽象的ではない演出も観たいと思い、メト盤購入。台本ト書きどおりの、わかりやすい演出。いくつか出ているメトのワーグナーものDVDは、ことごとく「ト書き通り」の演出のようだ。全世界のあらゆる階層を対象にしたハリウッド映画が、誰にでも分かりやすくつくられているのと同じことなのだろう。ちらりと映る客席にも、お上りさん多そうだし。
広い舞台を存分に活かし、たくさんのエキストラ(合唱?)が登場する舞台は、DVDで観ていても十分迫力があるが、ここでも問題は表題役。

6さーじょん:2004/01/12(月) 22:31
バイロイト盤
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000E6FTD
メト盤
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005J49C
バイエルン盤
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/B000055XST

7さーじょん:2004/01/12(月) 22:38
メト盤で表題役を歌うR.キャシリーは、ハンブルグ国立歌劇場のマイスタージンガー(DVD、71年)ではワルターを歌い、ベーム指揮のサロメ(CD、70年)ではヘロデ王を歌っている。1927年生まれ。メト盤の収録時にはまだ55歳だが、かなりおじいちゃんに見えてしまう。第2幕幕切れや第3幕ローマ語りの直前など、痰がからんだのか、声が割れた上にしまいには咳き込んでケツかる(怒)。朗々と響く声にはほど遠く、興ざめもいいとこ。

8さーじょん:2004/01/15(木) 00:20
バイロイト盤のDVDは、95年収録だから、コロももう60歳手前。ヅラ無しで出てきたのは少し焦った。
お気に入りは>>3に書いたように、序曲のシーン。どうして?と聞かれると少し困るが何と言ったらよいのだろう、夢の中で、脈絡なくいろんな人物が登場して、辻褄の合わない出来事が次々と起こる、でもずーっとその夢を見ていたい、そんな気持ちに近いかな。だから、観ていて何とも言えぬ快感がある。
もう一つ、この序曲の演出は、ハインリヒは浮き世に嫌気がさしたからこそ、ヴェヌスの丘に赴いたのだ、という事実を思い出させてくれる。その事実は、第1幕第1場、ヴェヌスの歌の中にちらっと触れられているだけだが、多分ハインリヒはヴェヌスの丘に行く以前から、自分の周囲の人間をバカにしていたか、居場所のなさを感じていたのだろう。

9さーじょん:2004/02/22(日) 00:28
>>8
×「バイロイト盤」
   ↓
○「バイエルン盤」

10さーじょん:2004/03/10(水) 22:20
久しぶりにバイロイト盤DVD鑑賞。ていうか、おカネ出して買っちゃった以上、観なきゃ勿体ない。改めて観ると、シンプルな舞台は、ワーグナーの音楽そのものを愉しむには悪くないなーと思う。
特に気に入ったのは第3幕前半、ヴォルフラムがエリーザベトを見かけて、巡礼が通り過ぎて行き、エリーザベトが祈りを捧げて、ヴォルフラムが夕星の歌を歌うあたりまでは、息を呑むほど素晴らしい。シンプルで動きのほとんどない舞台が、かえって管弦楽の美しさを際立たせてくれる。

11さーじょん:2004/03/10(水) 22:20
ブレンデル扮するヴォルフラムが「エリーザベト、僕にもお供させて下さい……」と歌った後、ステューダー扮するエリーザベトが退場していく。その歩みは、鳥肌が立つほど遅い。注意していなければ動いていることが分からないほどだ。そのとき、ヴォルフラムは実に哀しげに顔をそむける。そして、おもむろに「夕星の歌」が始まる。
あかん、こうして書いているだけで、泪出てきそうだ……

ヴォルフラムって漢だなぁ……

12さーじょん:2004/03/11(木) 07:11
シノーポリ指揮の管弦楽もイイ音を出している。
一つだけ気になるのは、録音のせいだろうか、音が大きくなったときに若干割れている。ヘッドフォンで聴くとちょっと耳につく。

13ウィンザーの陽気な名無しさん:2004/09/29(水) 23:15
デイヴィッド・オールデン演出、ズビン・メータ指揮、バイエルン国立歌劇場1994年収録のVHS
http://www.kulturvideo.com/AB2046000/showdetl.cfm?&DID=6&Product_ID=2115&CATID=1
キャスト等詳細は↓参照
http://1876.net/wagner/video/vdtanhau.htm
 >>3に記したように、映像ソフトとしてはいちばんのお気に入り。ていうか、シノーポリ+バイロイトやレヴァイン+メトがいまいちだったので購入したビデオ。
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081007485/4-6のコロに感動したので、その勢いで観てしまいました。当然ながら、コロに始まりコロに終わるタンホイザーであります。この公演のときは、コロは59歳。おそらく正規の映像ソフトとしては最後のものではないかしら? 20世紀を代表するワーグナー歌手の、一つの到達点と言ってもよい名演ではないでしょうか。DVDでコロを観るといつも思うことですが、表情がいいですね。このVHSでは、第1幕ヴェヌスとのからみ、第2幕歌合戦、第3幕ローマ語りの前後、いずれも演技・歌唱ともに素晴らしいですね。

14さーじょん:2004/09/29(水) 23:15
 コロに次いで、マイヤー(ヴェヌス)、ヴァイクル(ウォルフラム)が良いです。とくにマイヤーの演技は、コロに負けず劣らずだと思います。
 演出については、あまり細かく書いてしまうと「ネタばれ」になるので、感想のみ。舞台装置・小道具・登場人物の動き一つ一つが、僕には「何を意味しているのか」はさっぱりわけが分かりませんが、とてもインパクトがあって、次はどうなるんだろう?とワクワクしながら見入ってしまいます。それにしても、バイエルン国立歌劇場の舞台の、奥行きの深さには驚きました。その広い舞台を、十分に活かしているところが素晴らしい。
 演奏は、シノーポリと比べると、こちらのほうが力強さ・情熱では勝っていると思いますが、美しさでは、シノーポリのほうが上かなと思います(レヴァイン+メトは比較対象外、ってことで……)。
 ところで、ショルティの自伝にこのオペラについての言及があったように記憶している。探し出せたら書き込んでおこうと思う。確か「歌合戦の場面が難しい」って話じゃなかったかな?

15さーじょん:2004/09/30(木) 07:49
昨夜書き忘れた。>>13のVHS、左右の音のバランスが良くない。左に偏っていて、ヘッドフォンで聴くとかなりつらい。名演だけにこれは痛い。日本盤DVD出ないかな。。。

16さーじょん:2005/03/03(木) 02:13:12
サヴァリッシュ指揮1962年バイロイト実況録音
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000414W
http://1876.net/wagner/tannhauser/sawalisch62.htm
 家で仕事しながら、小音量で流す。消費者物価指数(生鮮食品除く)の月次長期時系列データ取れたから喜んでたのに、肝心の原稿、保存しそこねて、原稿用紙5枚分ほどパーにしちまった。。。書き直しで時間食っちゃった。今日は疲れたよー。
 あ、CDの感想、何も書けない。。。

17さーじょん:2005/07/02(土) 10:46:52
 怒濤の劇場通いhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085705161/13からようやく一段落し、巡航速度の生活に戻る。でもって、通勤電車で3日間かけて聴いた>>16サヴァリッシュ盤。
 おなじフィリップスのバイロイト実況なので、やはり音質はかなりhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1082733675/6-12に似ている。ライブの雰囲気がよく伝わってくる音質だと思います。サヴァリッシュの指揮、僕は好きだなあ。熱気もあるし、第3幕前半では、優しさと緊張感が両立しているし。歌手陣では、ヴェヒターがいいですね。とくに「夕星の歌」なんかは、これまで僕が思っていたヴェヒターと、だいぶ印象が違います。ヴィントガッセンも、立派な歌だと思います。

18さーじょん:2005/09/29(木) 02:34:25
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/75に予告した通り、東京文化会館にて、バイエルン国立歌劇場引越し公演鑑賞。
ズービン・メータ指揮、デヴィッド・オールデン演出、バイエルン国立歌劇場管弦楽団・合唱団。
マッティ・サルミネン(領主ヘルマン)、ロバート・ギャンビル(タンホイザー)、サイモン・キーンリサイド(ヴォルフラム)、アドリアンヌ・ピエチェンカ(エリーザベト)、ワルトラウト・マイヤー(ヴェーヌス)。
公演概要↓
http://www.nbs.or.jp/stages/bayerische/perform01.html
バイエルン国立歌劇場↓
http://www.bayerische.staatsoper.de/c.php/spielplan/vorstellung.php?id=64&termin=3357&dom=dom1&l=en&archiv=
 >>13とまったく同じプロダクションです。ついでに言うと、指揮者とヴェーヌスも同じです。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/79にも書いた通り、演出についての詳細は割愛します。ていうか、この複雑な舞台を文章で表現しようとすると、確実に気が狂いそうです。

19さーじょん:2005/09/29(木) 02:35:02
 ヴィジュアル・ソフトですでにお馴染みとなっているプロダクションを、改めて実演で観る、っていうことそれ自体は、どうなんでしょ? 何とも微妙です。次に何が起こるかワクワクしながら観る楽しみは減りますが、ポイントがわかっているので割と気楽に観ていられる、とも言えます。まあ、一長一短でしょう。ただしこのプロダクションに限っては、事前に映像を見ておいて良かったなあと思います。
 もちろん、VHSだけでは気づかなかったことも、いくつもあります。ひとつは、照明がかなり強烈な効果を発揮しているということ。それから、今日は4階席だったので、舞台全体がよく見渡せて、たとえば冒頭のヴェーヌスとタンホイザーの二重唱の間に、舞台ではいろいろなことが起きていることも、よくわかりました。
 それにしてもこの演出、実際に観ても何が何だかさっぱりワケわかんないけど、でもとても好きだな〜。
 今日の舞台は、かなり傾斜がついていました。4階席で観ていてそう思ったのですから、実際にはかなりの傾きでしょう。VHSのほうは、どれくらい傾斜がついているのか、見当がつきません。もしかしたら、舞台の奥行きがない分、傾斜によって遠近感を出そうとしたのかも知れません。
 VHSでは、兎に角、舞台の奥行きが印象的だったので、比較のために、第3幕に出てくる、舞台奥から手前に向かって地面に横たわっている巨大なハシゴ(バルコニーの手すりがうち捨てられたもの)の、横木の本数を数えてみました。VHSのほうは、30本くらいで、今日の公演は20本くらい。大ざっぱに言えば、今日の舞台の奥行きは、バイエルンの3分の2程度だったということでしょう。

20さーじょん:2005/09/29(木) 02:35:36
 同じプロダクションといっても、もちろん、1995年と違う箇所もあります。いちばん大きいのは、第3幕大詰めです。VHSでは、ヴェーヌスが登場すると、後ろの壁の割れ目が大きく開きますが、今日の公演ではそれはありませんでした。ヴェーヌスの退場も違いました。1995年のほうは、ヴォルフラムの「エリーザベト!」の一声で、ヴェーヌスは地面に開いた穴を降りていきますが、今日の公演では、しばらく巨大ハシゴに腰を下ろしてから、おもむろに舞台奥の壁の開口部に消えていきました。以上、第3幕のヴェーヌスの登場と退場の演出の違いは、もしかしたら舞台装置に制約されたのかもしれませんが。
 あと、大詰めで巡礼たちが合唱しながら登場してから幕が下りるまでは、とくにヴォルフラムの動きがかなり違っています。
 VHSのほうは、タンホイザーが事切れると、ヴォルフラムは巨大ハシゴに腰を下ろして、メモ帳を2、3枚破り捨てて、杖に新芽が吹いているのを確認すると、安心したように舞台奥の壁の開口部に向かって歩いていきます。大詰めでは、巡礼たちも舞台から去っていきます。
 今日の公演では、巡礼たちの歌が聞こえて、タンホイザーが事切れると、ヴォルフラムは、あたかも合唱の声を聴くのが苦痛であるかのように、両耳を手でふさいで身もだえします。その後、巡礼たちのうち何人かがタンホイザーの亡骸に近づこうとするのを、ヴォルフラムは必死で制止しますが、新芽の吹いた杖をいれたガラスケースが舞台奥に移動すると、巡礼たちはみなそちらの方に向かって行きます。ガラスケースが高く掲げられ、巡礼たちはみなそれに手を差し伸べて幕が降ります。
 なお、最後に登場する合唱団の衣装も、VHSのほうは黒一色でしたが、今日の公演では、女性たちはさまざまな格好をしていました。

21さーじょん:2005/09/29(木) 02:38:29
 演奏に関して、最も印象に残ったのはやはり、バイエルン国立管弦楽団・合唱団でした。オケは本当に重厚で、柔らかさと剛さが見事に同居していたと思います。メータの指揮、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/75とは別人のようだ……とまでは言いませんが(実際、冷や冷やした箇所もあった)、合唱とオケの噛み合わせは、今日のほうが格段に良かったです。
 歌手陣で最も印象に残ったのは、キーンリサイドでした。本当に朗々と響く美しい声で、やはり「エリーザベト、僕にお供させてくれないか……」から「夕星の歌」までは、オケの深い響きとあいまって、本当に鳥肌が立ってしまう名唱だったと思います。ちなみに、VHSではヴォルフラムはヴァイクルで、衣装ももちろん同じですが、ヴァイクルが「金策に奔走している中小企業の経営者」みたいに見えたのに対して、キーンリサイドは「青白きインテリ」といった感じでした。見た目が変わると、登場人物間の人間関係も、微妙に変わったように見えてしまいますね。
 ピエチェンカのよく通る清冽な声、僕はとても好きです。この役にぴったりだと思いました。サルミネン、本日も好調なり!
 マイヤーは、さすがに衰えているのか、声圧にちょっと物足りなさを感じたのですが、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073787503/11と同様に、「CD、DVDで聴いたことある声」が響くと、それだけで十二分に嬉しいものです。何よりも舞台姿がすてきでした。妖艶という言葉がぴったり。このプロダクションそれ自体が、マイヤーのために構想されたのではないかと思うほどです。
 表題役のギャンビル、第1幕、第2幕は「あれれれ???」という感じでした。中音域には何の問題もないのですが、ちょっと高音になると輝きがなくなり、引き絞るような、まったく通らない声になってしまいます。ちょうど、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1085705619/27のジョルダーニが、高音が良くて中〜低音域がイマイチだったのと、反対ですね。「ローマ語り」からは、急に調子が良くなったように感じました。もっとも、もともと「ローマ語り」には高音を張り上げるようなところがありませんからね。

22さーじょん:2005/09/29(木) 02:39:08
 さすがに、10年演じ続けられているプロダクションというのは、こうも完成度が高くなるモノなのですね。バッカナールにしても、第2幕の歌合戦の場面にしても、第1幕と第3幕に登場する巡礼たちにしても、まるで映画を観ているような、ギクシャクしたところはまったくない動きでした。う〜ん……ひるがえって、われらが新国立劇場……。
 それにしてもこの作品、DVDで観ても、実演で観ても、終わった後に何とも言えない寂寥感というか、寂寞感が残るのは、なぜなのでしょう? 今日は会場に知り合いもいなくて、独りで見ていたせいかしら? 同じく独りで見ていた新国マイスタージンガーでは、終演後はとても気分が高揚していたしなぁ……。
 全体を通して、とても心地よい音楽なのですが、見終わったときには明らかに自分のテンションが下がっているのがわかります。第3幕で静かな場面が続くからでしょうか。僕がヴォルフラムの目線でこの作品を見ているからなのでしょうか? 僕にとってタンホイザーは「ダウナー系オペラ」ですなあ。

23さーじょん:2005/11/20(日) 00:40:36
ショルティ指揮1970年録音。
http://catalogue.deccaclassics.com/catalogue/prodshow.jsp?searchstr=414581
http://1876.net/wagner/tannhauser/solty.htm
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006469W
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=841229
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=437899
 名演です……が、ショルティ+ウィーン・フィルのワーグナー作品デッカ録音ってことで、音はだいたい想像できてしまう。CDでばかり聴いていると、こんな名演でも、「あー想像どおりだな」と思ってしまい、大きな感興は湧いてこない。不思議なものだなあ。こんなのいちどでも実演で見たら、大興奮なんだろうけどね……。
 ルネ・コロはやはり素晴らしい。とくにローマ語り。タンホイザーはある意味、ハマり役だと思います。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/2と並んで最初期のレコーディングですが、その後のワーグナー歌手としての大成が、もはやこの時点で約束されているような歌唱ですね。

24さーじょん:2006/04/14(金) 02:11:28
通勤電車の往復で三日間かけて聴いた、>>16-17のサヴァリッシュ盤。
 文句なしの歌手陣にライブの熱気が加わった、名盤だと思います。歌合戦の場の大詰め、タンホイザーがヴェヌスを讃える歌を歌うところで、剣を抜く音がひっきりなしに入っています。こういう臨場感って、僕は結構好きなんです。

25さーじょん:2006/05/02(火) 09:41:00
2003年9月収録、ヴェルザー=メスト指揮チューリヒ歌劇場公演DVDを観る。
http://www.emiclassics.de/xml/6/850080/5997339.html
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1811024
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00030FJTE
 マイスタージンガーhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/33-34やばらの騎士http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081170028/20-22では優しすぎるかなと思ったヴェルザー=メストの指揮ですが、このタンホイザーは熱さと歯切れの良さが程良くブレンドされていて、僕的にはとてもイイ感じです。ザイフェルト、改めて聴くと、声質とか歌い回しとか、ルネ・コロに似ていると思う瞬間があります。ブラインド・テストされたら、かなり迷いそうです。Trekelのヴォルフラム、ちょっと細かい節回しで不安定になるのが気になりました。女声は二人ともなかなかの好演です。
 演出は、>>13-14のようなインパクトはないものの、そこそこ面白いと思います。ただし、歌手のアップばかりで、舞台全景がほとんど映らないカメラワークは、まったくいただけません。登場人物同士が、どういう位置関係で立っているのか、まったくわからない場面もあります。
 あと、2枚目のトラック11で音飛び(画飛び?)起こすのは、閉口するなあ。めちゃくちゃ盛り上がってる場面なのに……。結局PCでの鑑賞に切り替えました。

Roman Trekel  http://www.romantrekel.de/

26さーじょん:2006/10/15(日) 08:23:54
 秋はタンホイザーの季節です。誰もそんなこと言ってませんけど、僕の中では、そういうことになっています。というわけで、>>23のショルティ盤を聴く。
 時間をおいて聴くと、やはりウィーン・フィルの美しさに、うっとりとしてしまいます。とくに第3幕の静と動の対比が素晴らしいですね。やっぱり、この作品の第3幕前半って、秋に相応しいなあ(というか、場面は秋なんですよね)。
 あとは、>>23にも書いた通り、コロのローマ語り。もう何回聴いても、素晴らしいとしか言いようがない!

27さーじょん:2007/03/19(月) 23:07:06
3月18日(日)、東京文化会館にて「東京のオペラの森」公演鑑賞、とはいっても、夜は用事があり、2幕までしか観られませんでした。
 ロバート・カーセン演出、小澤征爾指揮、東京のオペラの森管弦楽団・合唱団。
 アンドレア・シルベストレッリ(領主ヘルマン)、ステファン・グールド(タンホイザー)、ルーカス・ミーチェム(ヴォルフラム)、ムラーダ・フドレイ(エリーザベト)、ミシェル・デ・ヤング(ヴェーヌス)。
ゲネプロ↓
http://www.music.co.jp/classicnews/c-news/2007/0311-0317.html
東京のオペラの森↓
http://www.tokyo-opera-nomori.com/top.html
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073787503/8-12http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223444/19-25に引き続いて、3年連続の「東京のオペラの森」鑑賞でした。とはいえ今年は、上に書いたようにやんごとなき事情により、第2幕までしか観られませんでしたが、演奏が結構気に入ったのと、>>22に書きましたが、最後まで観なかったお陰で、「寂寥感」は感じないですませられたので、良しとしなければなりますまい。

 演出は、2005年のエレクトラと同じロバート・カーセン。今回も才気を感じさせてくれました。タンホイザー、ヴォルフラムやその他の吟遊詩人たちは画家、領主ヘルマンは美術館のオーナー(おそらくは富豪でしょう)という設定の、読替演出です。正直言うと、いちばん肝心な「オチ」を見ずに読替演出についての評価を下すのは、非常に気が引けますが、僕が見たところまでに関して言えば、結構良かったのではないかしら……。
 上のゲネプロの写真が今回の公演の雰囲気をよく伝えていると思います。どうしても気になるのは、ヴェーヌスは本当に一糸まとわぬ姿で登場したのか、という点ですが、当然ながらこれはデ・ヤング自身ではなく、吹き替えの女優さんでした。

28さーじょん:2007/03/19(月) 23:07:57
 演出もさることながら、今回は演奏・歌唱が、とても覇気があって、僕好みのモノだったと思います。タンホイザーは、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081007485/22-25のフロレスタン、エリーザベトはhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1075558224/45-49のジークリンデです。フドレイ、ジークリンデのときは、ステューダーの出来損ないのような、「微妙に綺麗な声」でしたが、今回は十分に彼女自身の個性を感じさせる美声だったと思います。やはり音楽家にとって、1年というのは変化するには十分な期間なのでしょうね。
 デ・ヤングは当然として、ミーチェム(ヴォルフラム)もシルベストレッリ(領主ヘルマン)もかなり好印象でした。とくに領主ヘルマンの声はかなり印象に残りました。
 エレクトラのときはその「ヌルさ」がかなり不満だった指揮+オケですが、今回はかなり熱気を感じさせる演奏でした。やはり3年続けてきた成果があらわれているのでしょうか。
 会場にはNHKのテレビカメラも入っていましたので、おそらくいずれ放送されるのでしょう。この演出の「結末」は、そのときまでお預けとなりそうです。

29さーじょん:2007/03/24(土) 01:04:44
>>27-28の「東京のオペラの森」公演を最後まで観られなかったから、というわけでもないけど、>>13-14のバイエルン盤VHS鑑賞。久しぶりにちょっと観てみようかな、と思って見始めたら、結局最後まで観てしまいました。
 >>18-22では実際の舞台も観ているわけですが、やはり僕はこの演出が好きだなあ。演出家が何を言わんとしているのかはまったくわかりません。しかし「得体の知れないものに追いつめられて現実の世界から逃げ出したところに落ち着こうとしたものの、そこも自分の居場所ではないと感じて現実に戻るが、結局のところ安息を与えてくれたのは死であった」ということが、本当によく伝わってきます。
 さてこのように理解すると、ヴォルフラムやエリーザベトはどうなるの?という疑問が湧きますが、そこまでは僕も考えが回りません。

30さーじょん:2007/10/29(月) 23:14:24
10月24日(水)、新国立劇場公演鑑賞。
 ハンス=ペーター・レーマン演出、フィリップ・オーギャン指揮、東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団。
 ハンス・チャマー(領主ヘルマン)、アルベルト・ボンネマ(タンホイザー)、マーティン・ガントナー(ヴォルフラム)、リチャード・ブルンナー(ヴァルター)、大島幾雄(ビーテロルフ)、リカルダ・メルベート(エリーザベト)、リンダ・ワトソン(ヴェーヌス)。
公演概要&初日舞台写真↓
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000007.html
http://www.nntt.jac.go.jp/season/opera/index.html
 チラシには「若杉弘芸術監督就任第一作」、「注目の2007/2008シーズンオープニング・プロダクション」、《開場10周年記念フェスティバル公演》と書かれていました。否応なく期待は高まったのですが、結果としては、「う〜ん、残念」でしょうか。
 新国立劇場、昨シーズンの〆が、http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1081170028/31-37の「ばらの騎士」、直近に観たワーグナーといえば、「トリスタンとイゾルデ」http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073744514/49-56でした、ついでに言うと、21日(日)に観た、勘三郎主演の「文七元結」(新橋演舞場)、仁左衛門・玉三郎主演の「牡丹灯籠」(歌舞伎座)、これがともに素晴らしい公演でして、ここのところ舞台鑑賞に関しては、水準の高いモノばかりでしたから、ちょっと当方の要求水準が高まっていたのかもしれません。率直に言って、たとえば東欧の歌劇場のドサ周り来日公演で、これくらいの水準のものが観られたら、まず文句を言うことはないでしょう。
 でもそれにしてもやはり、もうちょっと何とかならんかったか? という思いは否定できませんなあ。

31さーじょん:2007/10/29(月) 23:15:53
 演出は、かなりカネはかかっていると思います。でも、幕間に知人の方とお話ししたように「何もなさ過ぎ」でした。照明も(ちょっとムダに)綺麗だし、序曲では舞台の上下移動機構をフル活用していましたし、舞台奥の、たまに歌い手のアップが映し出されるスクリーンとか、ずいぶん凝ったつくりではあるのですが、恐ろしいほど効果は薄かったと思います。
 第1幕は、演奏もかなり眠い感がありました。救われたのは、第2幕で合唱が入ってきてからでして、オケもそれなりにメリハリが出てきたと思います。ただ、ある方は「あまりに健康的」と評されたそうですが、まさにその通りで、何となくモーツァルトっぽく聞こえてしまうワーグナーでした。オーギャンの指揮、2006年「東京のオペラの森」のオテロhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223444/19-25同様、「手がたい」というべきでしょうね。
 歌手では、現役バイロイト歌手のエリーザベトが出色でした。やはり昨年のコシ・ファン・トゥッテhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1083257631/20-21よりは、こちらのほうが似合っていました。あと、2005年のマイスタージンガーhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/52-57、2006年のドン・カルロhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1079223702/12-15に続いて3回目の新国立劇場登場のヴォルフラムですが、僕はこの声、かなり好みだなあと思います。今後、ヨカナーン、クルヴェナール、バラクなども歌ってほしいところですね。

32さーじょん:2007/10/29(月) 23:19:40
 急きょ代役となった表題役、かなり声が不安定でした。僕は幸いにも3階席でしたが、1階席で観ていた知人の方によれば、かなり見た目にはキッツイものがあったそうです。
 それにしても、やはり秋はタンホイザーの季節ですね。この第3幕、とくに前半って、この寂しさがかなり好きだなあ。とくに今回はヴォルフラムが好みの声だったから、聴き応えあったなあ。。。

33さーじょん:2007/11/19(月) 00:39:21
11月17日(土)東京文化会館にて、ドレスデン国立歌劇場来日公演鑑賞。
http://www.japanarts.co.jp/html/dresden2007/index.htm
http://www.japanarts.co.jp/html/dresden2007/abstracts.htm
http://japanarts.cocolog-nifty.com/dresden/
http://www.ntv.co.jp/opera/outline/tannhauser.html
劇場のサイト
http://www.semperoper.de/en/oper/welcome.html
http://www.semperoper.de/en/oper/repertoire/tannhaeuser.html
 ペーター・コンヴィチュニー演出、準・メルクル指揮、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団・合唱団。
 ロバート・ギャンビル(タンホイザー)、ハンス=ペーター・ケーニヒ(領主ヘルマン)、アラン・タイトス(ヴォルフラム)、カミッラ・ニールンド(エリーザベト)、エヴリン・ヘルリツィウス(ヴェーヌス)。
 今回は「タンホイザー」、「ばらの騎士」、「サロメ」3演目とも観に行く予定のドレスデン国立歌劇場来日公演です。指揮者やら歌手やら変更が相次ぎましたが、まずは大いに感動しました。10日と13日に振ったガボール・エトヴェシュなる指揮者は非常に評判が悪かったようですが、メルクルはさすがに良い音を出していました。4階席で聴いたおかげもあったかもしれませんが、オケの音もたいへん明瞭で、さすがに弦楽器の深い響きは他では聴けないモノでした。
 セットの構造上、合唱がオケから離れて奥に引っ込んでしまう場面があって、そこでちょこっと足並みが乱れかけたことを除けば、まとまりも非常に良かったと思います。

34さーじょん:2007/11/19(月) 00:39:58
 そして今回、何よりも楽しんだのは、「演出」でした。再三にわたってここに書いているように、僕は「演出意図」なるものを汲み取るのは非常に苦手でして、今回もどういう意図なのかはさっぱりわかりませんでしたが、やたらと「ツボ」にはまったことが多く、大いに楽しんだ次第です。
 冒頭、緞帳にロココ調(?)の聖画が描かれています(プログラムの表紙裏の見開きにある絵です)。ちょっと「版ズレ」してるような、「ピンぼけ」してるような感じだったので、何かなと思ってたら、映写と緞帳に描かれた絵が重なっていたのでした。この絵が、第2幕、第3幕の冒頭にも出てきますが、少しずつ小さくなっていきます。これがまず、意図不明で良かったですねー。「ヲイヲイ、どこまで小さくするんだよー」と思ってしまって。。。
 幕が開くと、クリーム色の、巨大なボールかお椀を半分に切ったような斜面です。下手にタンホイザーが、柄の部分が十字架になったような剣を持ってたたずんでいます。この形の剣は、他の吟遊詩人たちも持っていました。一見して「十字架の象徴」とわかるものでしたね。
 先ほどの巨大なお椀の縁に、タンホイザーの小さな人形がいくつか現れます。それを持っているのは、ヴェヌスベルグの女性たちです。衣装は真紅で、手足と顔は黄緑に塗っています。やがて女性たちはお椀の斜面を滑り台のように滑り降りてきます。そして、中くらいのタンホイザー人形が、次いで等身大のタンホイザー人形が投げ入れられ、女性たちに嬲られます。最後に巨大タンホイザー人形が登場し、その首が外されて、みんなのおもちゃにされます。その後登場するヴェヌスも、女性たちと似たような出で立ちでした。
 タンホイザーがヴェヌスベルグに別れを告げようとするとき、巨大なお椀が、上手奥、下手奥、手前の3つに別れます。なぜかそのとき、タンホイザーの「そっくりさん」が何人か登場して、このお椀を切り分けるかのように剣を振るっていきました。その手前の部分、巨大な半円の指輪様の物体は、最後まで舞台に置かれています。
 牧童は、背中に一枚だけ大きな翼を付けていて、ミツバチのコスプレのような姿でお椀の縁に登場です。巡礼たちは割と普通に登場しますが、なぜかタンホイザーに対し、彼が「スター」であるかのように手をさしのべて握手を求めていました。領主ヘルマンと吟遊詩人たちがタンホイザーを説得し「さあ、戻ろう」という場面は、ラインダンスのように肩を組んで、足を上げていました。

35さーじょん:2007/11/19(月) 00:40:47
 第2幕、先ほどの「半円の指輪様の物体」は残っていますが、舞台は三方を高い青色の壁で囲まれ、下手奥から上手上方に向かって傾斜きつめの階段があります。エリーザベトは快活な現代っ娘といった趣の演技です。タンホイザーとエリーザベトの二重唱の間、ヴォルフラムは下手手前にいて、客席からはむしろ彼のほうが目立って見えます。二重唱の途中でヴォルフラムは手前中央に移り、タンホイザーもエリーザベトも彼がいることを意識しながら歌っています。エリーザベトは「お許しください。どうしてよいかわからないのです」の台詞を、ヴォルフラムに向かって歌います。これ、もちろん通常とは違うわけですが、なかなかに上手い趣向だなあと感心した次第です。
 領主ヘルマンとエリーザベトが歌合戦の準備にかかりますが、なぜか領主とエリーザベトが、賓客のための帽子を用意し、半円形のオブジェの上に並べていきます。男性用には銅色のつば付き帽子、女性には原色の、てっぺんに布飾りの付いた三角帽子です。それにしても、何で領主自ら帽子の準備してるんだよー。入ってきた客がみな帽子を手に取ってかぶりますが、「この帽子は気に入らないから、そっちの帽子にしよう」と選んでいるさまが、また妙に可笑しくて。。。吟遊詩人たちと男性客は階段に座り、女性客たちは舞台上に座ります。
 歌合戦の場面、女性客たちは吟遊詩人を讃えるように手を差し伸べながら聴いていますが、タンホイザーの歌い始めると「え、ちょっと違う……」という表情に変わっていきます。途中までエリーザベトは(そして彼女だけが)タンホイザーに賛意を示すように拍手しますが、ビーテロルフの歌に対するタンホイザーの返歌あたりから「え、ちょっと違う……」という表情に変わっていきます。
 最後のヴォルフラムの歌の場面、タンホイザーは半円の上に横たわって、ヴォルフラムを茶化すように、彼の歌うさまの物まねをしますが、ヘルマンに咎められて、後ろの階段に引きずり連れ戻されます。ローマへの出発は、階段を上っていきます。

36さーじょん:2007/11/19(月) 00:41:40
 第3幕、半円状のオブジェは黒い色に、後方は人の背の高さほどにやぐらが組まれていて、後ろは階段状の舞台。床も黒い色です。左右手前に、やぐらに上る階段があります。
 巡礼たちが、白い衣装に、妙なメガネを付けて登場ですが、なぜか走り込んで入ってきます。しかも、初めの方に入ってきた連中なんか、慌てて行き過ぎて、ちょこって戻ってきてやんの! どこが巡礼だよー!
 夕星の歌の直前、エリーザベトは、舞台手前に座ったヴォルフラムの膝に寄りかかりつつ、ヴォルフラムの十字架様の剣でリストカットして事切れます。タンホイザーが上手から登場したとき、ヴォルフラムはエリーザベトの亡骸にコートを被せます。当然このコートは、最後の「エリーザベト!」の箇所で外されます。
 ヴェヌスは舞台奥上方から階段を下りて登場。ヅラも外し、化粧もかなり剥がれた状態で、衣装も何だか「スナックのママの休日」といった出で立ちで、手には酒瓶を持って、明らかな飲んだくれですね。まあ、タンホイザーに捨てられたわけですから。。。
 黒装束、黒頭巾の巡礼たちが入ってきて、舞台手前で事切れたタンホイザーとエリーザベトが座り、ヴェヌスが二人を後ろから抱きかかえて、3人がヴェヌスを頂点とした二等辺三角形のような形となります。舞台下手上方には、「法王の杖」が差し出されますが、これがなぜか、「緑の芽」が吹いているのみならず、ひまわりのような花まで咲いている……を〜い、花まで咲かせる必要ないっての!!!

37さーじょん:2007/11/19(月) 00:43:50
 2004年バイエルン国立歌劇場来日公演のタンホイザーhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/7336/1073745535/18-22でも表題役を歌っていたギャンビルですが、今回のほうがはるかに出来がよかったですねー。言うまでもなく、>>30-32よりははるかに素晴らしかったですね。
 本年6月の新国立劇場「ばらの騎士」での元帥夫人が印象的だったニールント、やはり美しい声です。そういえばあの名演って、今年だったんですねー。何となくずいぶん前のような気がしてしまいました。あと、領主ヘルマンもヴェヌスも、なかなかの歌イッぷりでした。ちょっと平板かなと思ったのは、タイタスです。デカ声がウリなのでしょうか。ヴォルフラムのように、弱声で美しく歌ってほしいような役では、少し欲求不満となりますね。
 トータルとしては、上にも書いたオケの美しさと、演出の楽しさ(というか、僕が勝手にツボにハマって楽しんだだけですが)が相まって、とても印象に残る公演でした。さて「ばらの騎士」と「サロメ」、どうなりますことやら。

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39さーじょん:2008/01/23(水) 00:11:25
2008年初めのオペラ実演鑑賞です。1月19日(土)、東京文化会館にて、チェコ国立ブルノ歌劇場来日公演鑑賞。
http://www.ints.co.jp/tannhauser/index.htm
http://ameblo.jp/aowndft2849/
http://classical.eplus2.jp/article/72649488.html
 ラディスラフ・シュトロス演出、ヤン・ズバヴィテル指揮、チェコ国立ブルノ歌劇場管弦楽団・合唱団。
 マルティン・グーバル(領主ヘルマン)、ヘンドリク・フォンク(タンホイザー)、ウラディミール・フメロ(ヴォルフラム)、ダナ・ブレショヴァー(エリーザベト)、ボロシュ・チルラ(ヴェーヌス)。
 所謂「旧東欧圏出稼ぎ公演」です。公演プログラムにスケジュールが載っていますが、1月12日から20日までの9日間に、西宮、宇都宮を含めた7公演。本当にドサ周りですねー。当方もかなり期待値を下げて行きましたが、これはなかなかの「拾いモノ」でした。まあ、5階席にしては、国内オペラ団体に比べると多少高かったのですが……。それでも、後述するように、タンホイザーを観た悦びは十分に味わえました。

40さーじょん:2008/01/23(水) 00:12:32
 演出は、ところどころちょっとした工夫はありますが、時代や設定を移すこともなかったようで、きわめてオーソドックスなものでした。
 基本的な舞台は3幕共通。全体が緩やかな階段状で、下手奥にそれほど高くはないひな壇。全体を通して「何もない」舞台でしたが、意外と物足りないという感想は抱きませんでした。
 ニンフたちは鮮やかな赤色の全身タイツで、頭にはインドの神様を思わせるような金の髪飾り。ヴェーヌスは同じ鮮やかな赤色のガウンを着ていました。ひとつ面白かったのは、タンホイザーがヴェーヌスへの賛歌を歌い始めると、下手後方のひな壇の上に、ヴェーヌスとニンフたちが登場しました。ただし、歌合戦を見守る紳士淑女たちは、ヴェーヌスたちの登場には最後まで気づかないという演出でした。
 巡礼たちが登場する場面では、まず下手に十字架が立てられました。軍装のような格好の男性が3人入ってきて、着衣を取ってふんどし一丁になります。そのうち一人が十字架の前で手を広げて、十字架に掛けられたキリストのような姿となります。残りの二人は脇に付き添います。この、十字架+ふんどし男は、第2幕幕切れや第3幕前半にも登場しました。

41さーじょん:2008/01/23(水) 00:13:12
 オケの力量については、当方も期待はしていませんでしたが、予想を超えるものではありませんでした。第1幕前奏曲のヌルさ、第2幕前奏曲でのバラつきなどなど、旧東欧の歌劇場の出稼ぎ公演なら、このくらいでしょう。ただ、第3幕前半、夕星の歌までは、木管が本当に頑張っていました。僕的には、タンホイザーの聴きどころは第3幕前半なので、大いに満足しました。
 歌手陣は、表題役が僕の好みでなかったことを除けば、総じて好演と言ってよいでしょう。とくに、第1幕ではヴェーヌス、第2幕ではエリーザベト、第3幕ではヴォルフラムと、各々の「見せ場」ではかなり良い歌を聴かせてくれました。もっとも印象に残ったのは、ヴォルフラムの朗々と響く声。エリーザベト、ヴェーヌスも、東京文化会館のような大会場は慣れていないのか、絶叫一歩手前といった瞬間もあって、ちょっとヒステリックかなあと思う場面もありましたが、トータルとしてはなかなかのモノでしたね。
 上ではオケについて酷評したものの、もともと舞台上の動きが多いこの作品で、舞台とオケとがずれることなく、うまくまとめていたので、指揮者はそこそこ手練れなのでしょうね。不思議と指揮については悪い印象はありませんでした。

42さーじょん:2008/01/23(水) 00:13:50
 それにしても、東京のオペラの森、ドレスデン国立歌劇場来日公演、新国立劇場、そして今回の公演と、1年以内に東京ではタンホイザーが4公演あって、いちおう(「の森」は不完全ですが)すべて観たわけですが、なぜか今回の公演が最も「タンホイザーという作品を見た」というよろこびをしみじみと感じました。
 演出をこねくり回していないせいなのか、それとも、演奏・演出じたいは大したことがなかったおかげで、かえって作品それ自体のすばらしさを認識できたということなのか、理由は分かりませんが、改めて、タンホイザーって名作なのだなあと感じ入った次第です。う〜ん、やっぱりオペラは奥が深いなー。

43さーじょん:2008/12/04(木) 01:08:16
秋はタンホイザーの季節です……って誰もそんなこと言ってないし、もう秋も過ぎて冬になっちゃったし。でも寒くなるとタンホイザーが聴きたくなります。というわけで、>>16-17>>24のサヴァリッシュ盤。
現在は、単品では売っていませんが、「バイロイト名演集(33CD)」に入っています。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2714566
うむ。やはりこの時代のサヴァリッシュ、熱いですね。でもしなやかです。あとヴィントガッセン、タンホイザー役としては僕は結構好きです。

44さーじょん:2010/10/03(日) 00:31:38
やはり秋になると聴きたくなるなー。といっても、昨年は聴いていないわけで、ほぼ2年ぶりですが。>>23>>26のショルティ盤を聴く。歌手では、ルネ・コロとクリスタ・ルードヴィヒがイイですね。ウィーン・フィルも美しい。。。

45さーじょん:2013/01/27(日) 12:53:22
2013年1月26日(土)新国立劇場公演鑑賞。>>30-32の再演です。
 ハンス・ペーター・レーマン演出、コンスタンティン・トリンクス指揮、東京交響楽団、新国立劇場合唱団。
 クリスティン・ジグムンドセン(領主ヘルマン)、スティー・アナセン(タンホイザー)、ヨッヘン・クプファー(ヴォルフラム)、ミーガン・ミラー(エリーザベト)、エレナ・ツィトコーワ(ヴェーヌス)。
公演概要
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000611_opera.html
初日舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000202_frecord.html
2007年初演時の舞台写真
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000024_frecord.html
合唱指揮者三澤洋史さんの日記
http://cafemdr.lolipop.jp/main/RunRun-Dairy/2013-1/MDR-Diary-20130114.html

46さーじょん:2013/01/27(日) 12:56:01
 演出が何もないのは相変わらず、バレエかと思ってしまうような舞台です。演奏は尻上がりによくなっていきました。大詰めの合唱に聴き応えがあったのは流石です。お目当てのヴェーヌスは期待どおりの安定感&舞台姿。あと、(表題役以外の)男声陣、ヴォルフラムと領主ヘルマンがなかなかの充実でした。
 各幕とも、出だしで必ずホルンがコケていたのは、どういうわけなんでしょうね? そういう仕様か??
↓これも三澤さんの日記より。おもしれー・・・っていうか、三澤さんもツィトコーワ萌えかいなwww
http://cafemdr.lolipop.jp/main/RunRun-Dairy/2013-1/MDR-Diary-20130121.html

47さーじょん:2019/03/24(日) 12:27:56
2019年2月9日(土)新国立劇場公演鑑賞。>>30-32>>45-46の再々演です。
 ハンス=ペーター・レーマン演出、アッシャー・フィッシュ指揮、東京交響楽団、新国立劇場合唱団。
 妻屋秀和(領主ヘルマン)、トルステン・ケール(タンホイザー)、ローマン・トレーケル(ヴォルフラム)、リエネ・キンチャ(エリーザベト)、アレクサンドラ・ペーターザマー(ヴェーヌス)。
公演概要
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/tannhauser/
初日舞台写真
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_013302.html

48さーじょん:2019/03/24(日) 12:28:33
 はじめの方「結構ワイルドだなぁ」と思ってましたが、後半にイクにつれてまとまりが出てきて、第3幕は好印象でした(といっても記憶頼りだから、実際は「どうだったっけなぁ〜。。。」って感じですが)。
 まあ、この作品、僕は第3幕が好きだから、好印象なんですけどね。今回はローマ語りも飽きることなく聴いてたから、なかなかに緊張感をキープした演奏だったと思います。

49さーじょん:2021/03/14(日) 03:28:29
2021年2月20日(土)東京文化会館にて東京二期会公演鑑賞。
キース・ウォーナー演出、セバスティアン・ヴァイグレ指揮、読売日本交響楽団、二期会合唱団(合唱指揮:三澤洋史)。
狩野賢一(領主ヘルマン)、片寄純也(タンホイザー)、大沼徹(ヴォルフラム)、田崎尚美(エリーザベト)、板波利加(ヴェヌス)。
公演概要↓
http://www.nikikai.net/lineup/tannhauser2021/index.html
 当初アクセル・コーバー指揮の予定でしたが、コロナ禍で来日不可。昨年末から読響公演のために来日していたヴァイグレが、滞日期間を延長して振ることに。終わってみれば、「二期会公演」と言うより「ヴァイグレ+読響&三澤+二期会合唱団公演(付録:歌と演技)」と言って良いくらい、オケ(と合唱)が本当に素晴しかったです。

50さーじょん:2021/03/14(日) 03:29:29
 ヴァイグレ+読響、全体を通して充実した演奏で、スケールも大きく、歌舞伎で言う「たっぷりと」という言葉がしっくり来ます。第1幕前奏曲や第3幕前奏曲、とくに第3幕前奏曲での動と静、騒と寂の対比が鮮やかで、とっても「深い」演奏。第3幕のエリーザベトの詠唱からヴォルフラム「夕星の歌」までは、実に美しく「たっぷりと」聴かせてくれました。強く感銘を受けて、やっぱり落涙。。。
 各幕のフィナーレでも、オケ、アンサンブル、そして合唱も素晴しかったし、普段は苦手な歌合戦の場面も緩急自在といった感じで、全く飽きることがありません。
 以前に二期会公演の「サロメ」「ばらの騎士」でヴァイグレ+読響を聴いたとき、一つ一つのライトモティーフが鮮やかに聞こえたことがとっても印象に残っていました。僕は勝手に「ヴァイグレマジック」と呼んでいますが、合唱指揮の三澤さんのブログに「なんというバランス感覚!」「ベルリン国立歌劇場オーケストラの首席ホルン奏者を務めていたヴァイグレならではの周到な配慮」という言葉があるのを見て「我が意を得たり!!!」と驚喜↓
http://cafemdr.org/RunRun-Dairy/2021-1/MDR-Diary-20210222.html
上の記事「合唱で要求されるのは90パーセントまで」のくだりが、本当に興味深い!!!

51さーじょん:2021/03/14(日) 03:30:48
 演出については・・・う〜ん、残念ながら最後までよく分からず、全般的に意図不明でした。とくにヴェーヌスベルクで出てきた子役の意味。。。1カ所だけ、エリーザベトの縊死を示唆する演出でしたが、これはこれで「祈って祈って・・・死にました」という元々の筋よりはマシかな、と思いました(が、キリスト教では禁じられている自殺をしたエリーザベトが、救済をもたらし得るのか、という疑問は残ります)。
 SNS等の事前の情報では表題役の評判がすこぶる悪かったので、僕も相当にハードルを下げて行った所為か「それほど酷くもないかな・・・」という感想。音程が上がるときに所謂ポルタメントのクセがあって、どうやら高音を一発で「当てる」ことが出来ないっぽい。。。ま、それでも、ローマ語りはそこそこ聴けましたけどね。

52さーじょん:2021/03/14(日) 03:32:11
 今回、二期会合唱団を指揮した三澤さんのブログがとっても面白くて、↓の二つの記事は秀逸だと思います。
http://cafemdr.org/RunRun-Dairy/2021-1/MDR-Diary-20210125.html
http://cafemdr.org/RunRun-Dairy/2021-1/MDR-Diary-20210215.html
 こんな状況下で、無事に千秋楽まで辿り着いたのは、本当に奇跡でしょう。僕的には滞日期間を延長してくれたマエストロ・ヴァイグレに心から感謝、であります。SNSでは「日本一のヒーロー」なんて賛辞もありましたが、ホントに「神様仏様ヴァイグレ様!!!」ってな感じです。
2022年2月、ヴァウグレ+読響の「エレクトラ」
https://yomikyo.or.jp/2021/02/222.php
2022年7月、東京二期会+ヴァイグレ+読響「パルジファル」
http://www.nikikai.net/lineup/2021shusai.html
双方とも、今からとっても楽しみです!

53さーじょん:2022/01/08(土) 23:47:08
第一土曜日深夜のイベント欠席、時間ができたので久しぶりにオペラDVD観賞。
2019年バイロイト音楽祭。トビアス・クラッツァー演出、ワレリー・ゲルギエフ指揮。
https://www.amazon.co.jp/dp/B084WLZ13N
http://www.hmv.co.jp/product/detail/10744074
歌の殿堂をバイロイトの丘に設定。こういう「オペラの舞台裏」っていう設定、新国立劇場マイスタージンガー https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/7336/1074176301/119-123 でもあったし、2011年ザルツブルク音楽祭の影のない女 https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/7336/1085704860/74-75 でもあった。もしかして流行り?
ゲルギエフの指揮、やはり凝集力高いですね。歌手は、流石にバイロイトなので高水準。やはり特筆すべきはツィトコーワタソ!!! 芸達者だしキュートだし、もう、いつまでもツィトコーワタソだけを観ていたいにゃ〜。


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