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東方魔弾撃

172終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/01(土) 21:17:44 ID:tnUqxAwM
〜〜新年特別編〜〜

うp主「新年明けましておめでとうございます。うp主の黒騎士です。」
将「新年明けましておめでとうございます。闇影 将だ。」
愛里「新年明けましておめでとうございます。南・F・愛里よ。」
うp主「この度は東方魔弾撃をお読みいただいて誠にありがとうございます。」
将「我々一同今年もしっかりと幻想郷を守りたいと思っております。」
愛里「うp主の場合はこの小説をしっかりと更新していきたいでしょうけど。」
うp主「おい、人のセリフをとるな!」
愛里「いいじゃないのよ、減るもんじゃないし。」
うp主「俺の発言数が減るわ!」
将「えー後ろで乱闘が起きそうなのはさておき、これからも東方魔弾撃をよろしくお願いいたします。
  まだまだ、文書の能力が未熟なうp主ではありますが、生暖かい目で見守ってやってください。」
うp主「こら!聞こえてるぞ!」
愛里「思い起こせば去年2月の半ば、「過去より未来を大切にするみんなの板」でうp主の手によって将と私が誕生いたしました。」
うp主「いつの間に!?オホン、そして荒らし騒動があり、こちらの「【音楽動画ダウンロード掲示板/-PC vs PSP-】」に移転したのが
    スレ立て日の3/2でございます。」
天子「ちょーっと待ちなさい!この特別編は比那名居 天子(ひなない てんし)が乗っ取らせてもらうわ!」
将「それから9ヶ月、こうして新年を迎える事が出来ました。これも読者の皆様が居られるからでございます。」
天子「ちょっ・・・無視!?」
うp主「読者の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。」
衣玖「新年明けましておめでとうございます。永江 衣玖(ながえ いく)です。」
うp主「これは衣玖さん、あけましておめでとうございます。」
衣玖「新年早々総領娘様がご迷惑おかけいたしました。」
愛里「別に気にしてないわよ。」
天子「これは放置プレイね!ハァハァ・・・。」
うp主「勝手にハァハァしてるどこぞの天人は放置しまして、これで特別編を締めさせていただきます。」
一同『それからも東方魔弾撃よろしくお願いいたします!』


黒騎士・黒獣『私(俺)たちは!?』

〜〜正月特別編 END〜〜

173終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/09(日) 21:45:50 ID:tnUqxAwM
〜〜愛里〜〜
私は装備を整えてハンクと共にスキマを通って私達の世界に戻ってきた。
そこは平穏な街の裏路地ではない。
そう、戦場と化した街の裏路地、本来私達が居るべき場所だ。
紫の情報によれば、もうここは敵の包囲網のど真ん中。
紫から渡された地図を見ても1kmは移動しなければならない。
「ハンク、頼りにしてるわよ。」
「任せろ。」
そうして、私達は裏路地から大通りへ飛び出した。
しかし、予想に反して人影は見当たらない。
「どういうことだ・・・?」
尚も味方の居る場所を目指して進んでいると足音が聞こえてきた。
私達は建物の影に身を隠して、足音の正体が姿を見せるのを待つ。
ざっ・・・ざっ・・・ざっ・・・。
歩いてきたのは1人の兵士。
多分哨戒兵だろうか。
「確認するわ。」
狙撃銃のスコープで相手をじっくりと見る。
よく見ると腕にワッペンを見つけることができた。
そのワッペンは・・・・ガルドミラのワッペンではなかった。
スコープから目を離しあたりを確認する。
あいつ一人のようね・・・。
「ハンク、あいつ拘束するわよ。」
「分かった。」
私は狙撃銃を構え相手の銃に向けて発砲する。
それと同時にハンクが走り出した。
そして、相手が気づき、銃構えようとした所で私の打った弾によって銃が弾かれ、
ハンクに押し倒され拘束された。
私は近寄っていき、相手の頭に狙撃銃を突きつける。
「さぁ、色々としゃべってもらうわよ。」

174終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/15(土) 21:37:50 ID:tnUqxAwM
相手が震えている。
拘束されてビビッて居るのかしら?
私は銃を突きつけたまま質問をする。
「所属軍を答えなさい。」
「よ・・傭兵部隊ローンゲイルだ。」
声が震えている。
完全にビビッテているようね。
でも傭兵部隊が何でこんな所に・・・。
「どこに雇われたの?」
「ガ・・・ガルドミラ軍の要請でガルドミラの援護に来た。」
援護?そんな話しは聞いてないわね。
ハンクはどう思っているのかしら?
「ハンク、どう思う?」
「こいつは完全に震え上がっている。まともな嘘もつけまい。
 信用して大丈夫だろう。」
ハンクがそういうなら大丈夫でしょう。
銃を下ろすと、ハンクも拘束を開放した。
相手は何が起こったか分からないらしく目をパチクリさせている。
「ごめんなさいね、私達もガルドミラの援軍なのよ。」
「だが、お前達ローンゲイルが加勢しているという情報は聞かされていなかったんだ。」
相手が立ち上がりパンパンと服を叩いている。
「そういう事だったのか、俺はローンゲイルのアルバートだ。」
「私は南・F・愛里よ。大概はヴァルキリーで通っているわ。」
「俺はハンクだ。」
簡単な自己紹介が終わった所で本題に入りましょうか。
早く基地に行かないと、状況がまるで分からないわ。
「ガルドミラの基地があるのはどこかしら?」
アルバートは地図をだて私達に見えるようにして大きい青い輪の中央を指差した。
「この青線が今の最前線、この輪の中心が基地だ。そして現在地がこのあたりだ。」
指されたのはちょうど輪の中心と内側の間ぐらいの所。
「ありがとう助かったわ。私達はこれから基地に向かうわ。」
「分かった。多分敵兵は居ないと思うが気をつけてくれ。」
「あんたも、死なないように気をつけなさいね。」
そういって私達は走り出した。
基地を目指して全速力で。

175終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/24(月) 22:39:54 ID:9FLp3hEo
〜前線基地にて〜
ガルドミラ軍アルティア基地。
そのその外壁は頑丈な造りになっているも今はひび割れや弾痕がのこる。
その会話は中央司令室で行われていた。
「大佐!ローンゲイルの援護によりAブロックの奪還に成功しました!」
友軍からの無線を通信士が声を上げる。
「よし、そのままBブロックも奪還せよ。」
その部屋の中央に立つ一人にの男が命令を下す。
「了解!」
通信士が兵士に向かって通信を飛ばす。
「くそっこんな時にあいつ等が居てくれれば・・・。」
その時。
「お呼びかしら?」
開け放たれた扉の向こうに、金髪の女性とガスマスクをした兵士が立っていた。

〜愛里〜
私はタイミングを見計らって扉を開けた。
「お呼びかしら?」
中に居た兵士達は皆最初はキョトンとしていたが、
その表情は一変、驚きに変った。
「ヴァルキリー!?お前、生きてたのか!?」
「人を勝手に殺すんじゃないわよ、全く・・・。」
勝手に死亡扱いにされてるなんて・・・たまったものじゃないわ。
「で、後ろのお前は・・・?」
「ほう、この声・・・忘れたとは言わせんぞ、大佐殿。」
中央に立っている男・・・大佐の顔が驚きと驚愕の混じったような顔になっていく。
「嘘・・・だろ?貴様は死んだはず!」
「ならここに居る俺は何か?死体か、幽霊とでも言いたいのか?」
あんた実際死んでるでしょうがと突っ込みたいわね。
「くっ・・・。」
「早速だけど、前線に出るわ。無線とか支給してもらえないかしら?」
「分かった。」
物分りのいい大佐で助かるわ。
どこぞの石頭指令と比べれば大分マシね。
でも、これで前線に出撃できるわ。
一刻も早く前線の奴らを援護に行かないと・・・。

176終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/01/30(日) 23:13:28 ID:9FLp3hEo
〜将〜
そこは迷いの竹林の奥深く。
俺と愛里は今、1基の墓の前に立っている。
結論から言おう。
戦いには勝ったが、俺達は大切な仲間を失ってしまった。
そう、ハンクは死んだのだ。
あれは、2人と合流して永遠亭戻ってきた時のことだった。
〜回想〜
「おう、2人とも下はどうだった?」
「みんな、元気だったわよ。」
俺が永遠亭の玄関に手をかけると戸が勝手に動いて。
「あ、お帰りなさい!」
扉の先でうどんげが元気良く出迎ええてくれた。
俺達はそのまま家に上がってくつろぐ・・・はずだった。
俺が靴を脱ごうとした時、ドサッという音がした。
振り返ってみればハンクが膝を付いており、ガスマスクごしで表情は分からないが、
胸の辺りを鷲掴みしていて、苦しそうだ。
「うどんげ!永琳呼んで来い!」
「は、はい!」
ドタドダとうどんげが駆けて行く中俺はハンクの元に寄り添う。
「大丈夫か!?」
「将、なんかやばそうよ?」
ガスマスク越しで聞き取り辛いが少しづつではあるが呼吸が荒くなっている。
愛里の言う通り、相当やばそうだ。
「同状況なの?」
横から永琳の声、来てくれたか。
「さっき、入ってきたら急に・・・・・もしかしたら、アレが?」
「どういうことなの?」
「向こうで、1回なんだけど私達と大怪我した仲間が敵に囲まれたのよ。
 その時・・・大量の銃弾うけながら敵を殲滅してくれたのよ。」
「なんにせよ、2人で処置室に運んでちょうだい。出来る限りやってみるわ。」
俺と愛里でハンクを処置室に運び込んで1時間が経とうとしていた。
処置室が開き、俺達は中に通された。
そこには処置室の治療台の上で横たわるハンクの姿。
俺は永琳の方を見ると永琳は横に首を振った。
クソッ・・・永琳であっても無理だったか・・・。
「将・・・愛里・・・。」
寝かされているハンクの声。
もう限界なのか、その声はかすれて聞き取り辛い。
「ハンク、しゃべらないで!これ以上しゃべったら。」
それを遮るようにハンクが話しはじめた。
「いや・・・もう無理だ・・・。」
「そんなこと言わないで!もう少し頑張れば・・・。」
「自分の・・・体は・自分・・が良く分かって・・・居る。」
俺は愛里の肩に手を置き、首を横に振る。
「でも・・・!」
「いいんだ・・・。将・・愛里・・・お前達と戦え・・て・・・本当に・・・嬉し・・かった。
 俺は・・ここ・・・までだ。後・は・・お前・・・達・次第・・だ。」
「・・・!」
愛里は涙を流しながらハンクの横で立ち尽くしている。
「さら・・ば・・だ。」
そう告げるとハンクの体はゆっくりと茶色く変色して、砕け散った。
〜回想終了〜
そして今、ひっそりと葬儀をしているのだ。
そう、身を呈して仲間を守った1人の兵士の葬儀を。
永遠亭の面々と俺達とにとりが1人づつ墓石に手を合わせる。
全員が手を合わせおわると、1列に並んだ。
そして・・・。
「その身を呈して仲間を救った英雄に敬礼!」
そこに居る全員で墓に向かって敬礼をした。
その身は人間のものでは無かろうと、そこには1人の兵士・・いや、英雄が眠っているのだ。
だが、その英雄は生き続けていた。
そう、俺たちの心の中で・・・すっと・・・。

177終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/02/06(日) 22:14:25 ID:9FLp3hEo
あの戦闘から3週間。
イリスからの攻撃は無く平凡な日々をすごしていた。
その出来事は唐突に起こった。
それは、俺が人里に来ていたときの事だった。
「将じゃないか。」
後ろから声がかかったので振り向くと慧音が歩いてきていた。
「なんだ、慧音か。どうした?」
「なんだとは失礼だな。これから暇か?」
「ああ、やる事は済んしな。」
「なら良かった。ちょっと教師をやってみないか?」
「教師!?」
俺は思わず耳を疑った。
いままで人に物を教えた事と言えば、後輩兵士にコツを教えたぐらいで
教師なんてやった事がない。
「ああ、前に愛里にも頼んだんだが、将の方が向いてると言って断られてしまってな。」
あのヤロウ・・・面倒を押し付けやがったな。
「どうだろうか?外の世界の事を教えてやって欲しいんだが。」
こうも頼まれてはかなり断り辛い・・・。
仕方ないので引き受けよう。
「分かった・・・引き受けよう。」
「そうか!なら善は急げだ今から行くぞ!」
「今からかよ!」
まぁ、この後も用事は無いので特に問題はないが、
開発中のサイサリス用B兵装を見ておきたかったな。
そんなこんなで慧音に強制連行されて現在教室の前に居る。
「で、どんな内容を教えればいいんだ?」
「外の世界の事だ。」
「また、ざっくりとした内容だんな。」
頭の中で何を話そうか考える。
そういや、カロシーメイトをもっていたな。
俺の昼飯だが・・・まぁいいか。
「将は呼ぶまで待っていてくれ。」
そう言って慧音は教室の中に入っていってしまった。
「みんな、おはよう!」
「おはようございまーす。」
慧音の挨拶の後に元気な子供達の声。
まあ、なんとかなるか。
「今日は特別な人をお呼びしたので特別授業だ。入ってきてくれ。」
俺は引き戸を開けて入っていく。
すると教室内は一気に騒がしくなったので慧音が静める。
「先ほど初回に与った闇影 将だ。今日は慧音に代わって俺がみんなの先生だ。よろしく頼むぜ。」
「今日は将先生に外の・・・そこ、はしゃぎたいのは分かるが今はじっとしていろ。
 えー外の世界の事を話してもらえる事になった。静かに聞くように!」
そうして俺の半日先生は始った。

178終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/02/12(土) 22:17:09 ID:9FLp3hEo
半日先生か・・・全く俺は向いてないんだがなぁ・・・。
そう心の中でぼやきながら、授業を始めたのだが、
子供達は目をキラキラさせながら聞き入り、時には質問攻めにしてくれたが、
これだけ熱心なら話しがいがあると言うもの。
俺も、自然と話しに熱が入ってしまう。
そのまま、何事も無く授業が終わるかと思った。
ドゴォォォォォン!
外から爆音・・・と言うよりは何かがぶつかった音と共に揺れが寺小屋を襲う。
「何だ!?」
「俺が見てくる。慧音はここで子供達を!」
「頼んだぞ!」
返事を聞けば、俺は全速力で走り出す。
音の聞こえてきた方向からして人里の外、外周あたりか。
人里の中を全速力で駆け抜け、音のした場所へ向かう。
そこあったのは・・・・・・GP-02だった。
しかし、その肩、アトミックバズーカの本体が連結されている場所には
3連装の細長いコンテナが、連結されていた。
「どういうことだ・・・?」
「いてて・・・。」
声と共に、GP-02の頭部が外れる。
装着しているのは・・・・・にとりだ。
「こんなところで何やってるんだ?」
「あ、将。」
立ち上がって、俺を見つけたにとりは一瞬ドキッとした顔をしたように見えた。
「いや〜、ちょっと試験飛行をね。」
「試験飛行をしてて墜落か?」
「いや〜ちょっと風にあおられて・・・。」
「ほう、今日は風は吹いてないぞ?」
「うっ!・・・・はぁ、正直に話すよ。B兵装が完成したから試験飛行してたら
 バランス崩して墜落したんだよ。」
「B兵装!?完成したのか?」
うん、この背中のミサイルポッドがそうだよ。
「MLRS・・・・。」
「そう、多連装ロケットシステム。総弾数は6発。最大ロック数6。原作どおりだよ。」
にとりが誇らしげな顔をしながら、前面装甲を外してGP-02から出てくる。
すると・・・。
ドゴォォォォン!
丁度反対側から爆音。
だがさっきとは違う純粋な爆発音。
「またかよ・・・。」
「これ、使って!暴走はしないはずだから!」
「なら使わせてもらうぞ!」
俺はGP-02に乗り込み、腕通し前面装甲を付け、頭部をはめる。
機体のシステムを立上げ、システムチェック・・・・オールグリーン。
GP-02起動。
「出るぞ!」
「OK、気をつけてね。」
そして、空に飛び上がった。
目指すはここの反対側、爆発音のした所だ。

179終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/02/19(土) 23:04:14 ID:9FLp3hEo
上空から見る限り人里の中は相当混乱しているようだ。
こちらを見て、叫ぶ者。
慌てて駆け回っている者。
必死に子供をなだめる者。
まさに十人十色だ。
そろそろ、爆発現場が見えてくる頃か。
現場は煙が上がってるので場所は分かるが、現場の状態が見えない。
とりあえず、現場の少し前に降りて周囲を確認する。
煙の上がる周囲には特に何も無い。
問題は・・・。
立ち昇る黒煙、その地面はまるでクレータのように、えぐれている。
こいつの時とは違うえぐれ方・・・何かあるには違いない。
俺はビームサーベルを抜き、ゆっくりと近寄ってみる。
すると、突如黒煙の中から手が出てきた。
俺はとっさに体を捻り何とか回避したが、この太い腕に捕まっていたら
どうなっただろうか。
「ふん、それなりの戦闘能力はぁ、あるってぇことかぁ。」
煙の中から現れたのはゆうに2mを越えようかという、大きな人間。
「・・・あ、白い悪魔みっけぇ!」
こいつ俺を探していたのか・・・?それもとこのサイサリスを?
「そぉの力ぁ、俺によぉこしやがれぇぃ!」
そいつは生身のまま俺に向かって襲っいかかってきた。
走って突っ込んできているだけだが、かなり早い。
とにかく、捕まれば危険という事は間違いない。
俺はブースターを最大出力にして、空に上がる。
そのまま、体制を立て直してバルカン砲で牽制する・・・はずだった。
「あぁまいわぁ!」
そいつはジャンプした。
そう、ただジャンプしただけだ。
しかし、そいつは俺に前にいて。
「ぐふぁ!」
俺を地面に叩き落したのだ。
「伝説の白い悪魔と聞いて来て見ればぁ、とぉんだ雑魚のようだなぁ。」
あの、ジャンプ力・・・・超人かよ。
とりあえず、立ち上がり体制を立て直す。
幸い、ビームサーベルは持ったままだ、まだやり方はある。
敵さんもよく、こんな奴ばかり集められたもんだ。
そんな事を考えながらまた襲い掛かってくる敵をビームサーベルで迎え撃つ。

180終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/02/28(月) 00:01:35 ID:9FLp3hEo
相手の戦い方はシンプルで肉弾戦のみ。
しかし、その1発1発は人間のパワーを遥かに越えておりスピードこそ対応できる速さなものの、
その構え、技の出し方からプロボクサーを彷彿させる。
俺は、その攻撃をビームサーベルでなんとか逸らしているのが精一杯で、
反撃する余裕など無かった。
「ぶるぁぁぁぁぁぁ!防戦いっぽうじゃぁ、私には勝てんぞぉぉぉぉ!」
「ちぃ!」
何か忘れている気がする・・・・・。
俺は何を忘れているんだ・・・?
そうだ、頭部バルカン砲・・・アレなら目くらましぐらいには・・・!
相手のパンチをビームサーベルで弾いてバルカン砲を放つ。
しかし相手には当たらなかった。
首を曲げて避けたのだ。
こいつ超人通り越して化け物じゃねぇか・・・。
しかし、俺はその顔面に無理やり左フックを叩き込む。
よし、今度は当たった!
「ぐふぁぁぁ!いぃ〜たいじゃないの!」
相手がひるんだ隙にブースターを噴かせ空に上がる。
そして、ミサイルポッドを開け一気に発射する。
もちろん人里に被害の無いように爆風のことを計算しながらだが。
「うぁっちぃ!」
爆風で見えないが、敵はこれで多少なりともダメージを・・・。
やがて爆風が消えゆっくりと地上の様子が分かってきた。
「嘘だろ・・・。」
敵は、火傷はおろか、傷一つ無かったのだ。
「こざかしぃマネをしてるんじゃねぇぇぇ!」
敵はまた、ジャンプして墜落させようとするものの、後退して回避する。
「同じ手は2度も通用しねぇよ。」
こっちはミサイルの切れたサイサリス、相手はほとんど傷なしの無敵超人。
かなり不利な状況だが勝つしかないんだよなぁ・・・。

181終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/03/13(日) 23:11:18 ID:9FLp3hEo
変更
将:黒騎士、黒獣のの会話時の「」を消しました。


俺は敵に捕まらないように飛行しながら対抗策を考える。
何か・・・何かないのか?
そういえば・・・あれならいけるか・・・?
「「いけるかもしれんな。」」
黒騎士か。そういやここ最近ずっと静かだがどうしたんだ?
「「それは後回しだ。今はこいつに集中しろ。」」
へいへい、わかってますよ!
「ぶるあぁぁぁぁぁぁ!」
またジャンプしてきたか・・・。
今度は空中宙返りから踵落としを叩き込んでやった。
「ぐぶぁぁぁぁ・・・。」
予想以上に綺麗に叩き込めたらしく、敵は仰向けで地面に墜落していった。
今がチャンスか。
「「そのようだな。」」
ブースターを最大出力で地面に向かって飛び、体性を戻して着地。
ブースターの影響で地面をすべりながら、装甲をパージ。
そして。
「合身黒騎士。」
そう、黒騎士のあのスペルなら倒せるかもしれない。
敵に向かって走り出す。
[暗黒一閃]
持っている剣の刃が黒紫のオーラに包まれる。
「そぉんな剣1本でこの俺を倒そうなんぞぉ、無理な話だぁぁぁ!」
「ぬぉぉぉぉ!」
その剣で敵の腹を真横に斬り裂いた。
相手の体には傷はだろうが確証は無い。
なぜなら・・・・斬った跡が黒紫のオーラに包まれていて見えないからだ。
あのオーラは剣の・・・。
「はぁぁぁっはっはっは!だから言ったのだ。そんな剣でこの俺を・・・・ぐぉぉぉぉぉ!」
敵が腹を押さえて苦しみ出した!?
「痛いぃぃぃぃ苦しいぃぃぃぃ!」
ひどく苦しんでいるようだが・・・・ん?オーラがゆっくりと敵の体を包んでいくぞ?
そのオーラはやがて敵の体を完全に被い隠し。
「ぐぉぉぉぉ!なんだこれは・・・やめろ、やめろぉぉぉぉ!」
敵の体ごと地面に吸い込まれるように消えていった。
敵が居たところはまるで最初から何も無かったようだ。
「これが・・・暗黒一閃の力。」
暗黒一閃・・・苦しみと共に全てを飲み込む闇の剣・・・今まで使わなかったがこれほどの威力とは・・・。
俺の作ったスペルだが、えげつねぇスペルだな。
合身を解き、GP-02のパーツを集めて装着ていく。
「将・・・。」
頭部を装着しようとした時に声をかけられた。
被ろうとしている頭部をおろして声のするほうを見ると。
「慧音か。」

182終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/03/20(日) 00:19:12 ID:9FLp3hEo
慧音が門の影から心配そうにこちらを見ていた。
「お前があの時の騎士だったのか。」
そうか、さっきの合身解除見られてたか。
「ああ、そうすると・・・さっきの一撃も?」
「ええ。」
「そうか・・・どうだ、俺に対する見かたが代わっただろう?・・・そう、俺は冷酷な兵士だ。」
「おい、冷酷とまでは・・・。」
「いや、慧音も俺の本性を知ればそう思うはずだ。」
「本性・・・?」
そう、俺の本性。
冷酷な兵士と・・・死神の称号を持つ兵士と呼ばれる由縁。
慧音には話しておかないといけないな。
もしかしたら・・・さっきの一撃であいつが動いたかもしれない。
「ああ、俺の持つ称号の死神・・・容赦なく全てを排除する者のみ与えられる称号。
 そう、真の殺し屋にのみ与えられる称号。」
「真の殺し屋・・?」
「ああ、邪魔する者は排除して任務を遂行する者。たとえそれが味方でも・・・無力な一般人であってもだ。」
「嘘・・・そんな・・・嘘だろ?」
「いや、嘘じゃない。俺はそうやって戦ってきた。」
そう、今までの戦い方・・・冷酷な兵士、死神、ナイト隊を外れてから付いた称号。
それが俺、本当の闇影 将。
「やっぱり・・・あなただったのね。」
空からの声・・・読みが当たったか。
「博麗 霊夢・・・。」
「闇影 将・・・あなたは幻想郷にとって危険すぎる。
 だから、私がここで排除するわ。」
ここまで予想が当たると怖いものがあるが・・・そんな事も言ってられないか。
頭部を被り、システムを再起動する。
「待ってくれ霊夢!将は・・・」
「慧音は黙ってて!彼は危険すぎる・・・あんたにも分かるでしょ!?
 彼にに集中莫大な霊力・・・幻想郷にとっては危険因子なのよ!
 もう紫が何言おう知ったこっちゃないわ!」
俺は空に上がりながらにとりの方に向かって飛ぶ。
「あ、待ちなさい!」
「おい!2人とも!」
慧音がなにか言った気がするが気にしない。
とりあえず、この機体をにとりに預けないと。
黒獣、いけるか?
「「おう、いつでもいいぜ!」」
黒獣からの頼もしい返事。
霊夢との位置を考えながらにとり人里を挟んで反対側に下りる。
「あ、お帰り!どうだった?」
何も知らないにとりが人里の影から走って近寄ってくる。
俺はすぐに機体を外して霊夢の来る方に向き直る。
空にはもう霊夢が仁王立ちしていた。
・・・白か。
「もう観念したの?」
「あれ?霊夢?」
「さあ、どうだろうな。・・・合身黒獣」
どうする?霊夢を殺すか?いや、こいつは手こずりそうだ・・・夜襲にするか。
「え?え?」
困惑するにとりは放置。
俺は霊夢をじっと霊夢を睨みつける。
緊迫した空気、困惑するにとりの声を除けばあたりはしーんと静まり返っている。
そんな空気の中先に動いたのは・・・俺だ。

183終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/03/27(日) 23:07:06 ID:9FLp3hEo
俺は地面を蹴って一気に接近する。
「早い!?」
そのまま霊夢の横を通過して回し蹴りで霊夢を地面に叩き落す・・・はずだった。
やはり、博麗の巫女そう簡単にはいかないか。
俺の回し蹴りは両腕でしっかりと防がれていたのだ。
一旦霊夢の腕を足場に距離をとって滞空する。
「それで終わりなのかしら?」
まさか?この俺が何も考えてないと?
「[咆哮 バインドボイス]」
大きく息を吸い込み吼える。
「グォォォォォォォォォォォォン!」
悪いが人里にはがまんしてもらおう。
その代わり、霊夢が耳を塞ぐ時にできた一瞬の隙を俺は見逃さなかった。
「[破撃 バスターブレス]」
「しまっ・・・。」
空中で放った為俺も後ろに吹っ飛ばされてしまったが、どうやら霊夢にも直撃したらしい。
ここは1時撤退しよう。
装備も整えたいがこの分だと永遠亭には先回りさせろうだ。
・・・・しかたない、魔法の森で撒くとするか。
そうと決まれば全速力で魔法の森にむかう。
できるだけ低空を出来るだけ早く駆け抜ける。
時間がかかると思っていたら案外早く森が見えてきた。
森に入ると速度を落して隠れられそうな場所を探す。
どこかに隠れられそうな場所はないか?
すると、目の前に巨大な大木が見えてきた。
その根元には大人が1人余裕で入るぐらいの穴が開いていた。
近くに降りて中を覗き込んでみると暗くなっていて見えにくくなっている。
ここでいいか。
合身を解いて、穴の中に入る。
黒獣との合身の影響で体が痺れて動かしづらいがマントで体を覆って人目に付かないようにする。
痺れがひどくなっていく。
起きていても何も出来ないし、一旦寝るか。
丁度眠気も襲ってきたところだ、寝よう。
そうして俺は目を閉じた。

184終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/04/03(日) 22:07:36 ID:9FLp3hEo
ん・・・ずいぶん寝てしまった。
マントから頭をだして、穴の外を見るとあたりは真っ暗。
夜になったか。
体を起こそうとしたがやめる。
さっきからガサガサと足音が聞こえるからだ。
とりあえずナイフを抜いていつでも対応できるようにしておこう。
「ん〜どこに隠れたのかしら。この辺ってことは分かってるんだけど・・・。」
あの声・・・クソッもうここまで・・・・流石博霊の巫女というだけのことはある。
どうする?気づかれてない今なら確実に仕留めることが出来るぞ。
だが、相手が目視できない以上迂闊には動けない。
もう少し待ってみよう、こっちに来た時がチャンスだ。
どんどん足音が近寄ってくる。
もう少し・・・もう少し・・・見えた!
霊夢の赤いスカートが見えた瞬間俺は穴から飛び出した。
ナイフは左手で持ち右手で相手の頭を掴んで首にザクリだ。
「しまっ・・・きゃぁ!」
霊夢が言葉を言い切る前に頭を掴んで押し倒しナイフを逆手に構える。
そして・・・。
「そこまで!」
あと、数センチで首にというタイミングで制止がかかる。
「紫・・・なぜ止める。」
「そりゃぁねぇ。博霊の巫女は幻想郷の重要なポジションですもの。
 そう簡単に殺せてあげられないのよね。」
空中のスキマに腰掛けてのんきに話して居るが霊夢の顔はむっとした顔になる。
「紫、あんたが連れてきたんでしょ!どうにかしなさいよ!
 博霊大結界に影響が出てないだけまだマシだけど、危険すぎるわよ!」
「そう言われても、イリスとか言う敵を倒せるのは彼だけだと思うわよ。」
「バカじゃないの?妖怪退治と異変の解決は私達の専売特許よ!」
「そうかもしれないわね。でも今回はそんなスケールの問題じゃないのよ。
 今回は引いてちょうだい。将もよ。」
「断る。」
「そういうと思ったわ。来てちょうだい。」
そういうと紫がスキマから降りて位置を変えてスキマを作り直す。
そこから出てきたのは愛里だった。

185終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/04/10(日) 22:35:35 ID:9FLp3hEo
紫はやっぱりといった顔でこっちを見ている。
「ちょうどさっきまで、彼女と話しをしてたのよ。」
愛里はこっちを見るや否や、やれやれといった風にため息を付いた後、
腰に手を当てこう言った。
「いったいどういう状況なのよ・・・。とりあえず、将は一旦下がりなさい。」
愛里が言うなら下がろう。
まあ、いつでも仕留めに行けるようにナイフは出したままだが。
「いたたた・・・、助かったわ、紫。」
霊夢が頭を押さえながら起き上がってくる。
どうやら、相当お怒りのご様子で、
こっちに1歩でも近寄ったら攻撃するぞと言わんばかりの雰囲気だ。
まあ、当然と言えば当然だが。
「さて、霊夢。何で将を襲ったのかしら?」
紫が霊夢に問い詰める。
俺としては排除するだけなので、意味を成さないだろう。
「あいつは危険よ!あの霊力、あのスペル・・・。早くこいつをどうにかしないと!」
「博霊大結界は問題ないし、彼は幻想郷を守ってくれてるわ。」
「紫あんた・・!」
「それに、彼は今の幻想郷に必要なの。」
「・・・分かったわ、その代わり私も好きに動かせてもらうわ。」
そう言い残して、霊夢が去っていく。
「霊夢にも困ったものね。」
紫がため息をついてスキマをつくり、手招きをする。
入れという事か。
俺達はスキマに入っていくと、そこは紫の屋敷の目の前だった。
「入ってちょうだい。話しがあるわ。」
話し・・・なんだろう。
イリス関連の話か?
屋敷に上がり、客間に通される。
「話しとって言うのは他でもないわ。イリスの事よ。これを見てちょうだい。」
差し出されたのは1束の書類だった。

186終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/04/18(月) 00:03:37 ID:9FLp3hEo
その書類を受け取り読んでみる。
そこには敵の所在に関わる事とこれからの敵の動向が書かれていた。
「おい、これ・・・・。」
「貸しなさいよ。」
愛里に書類をひったくられた。
横目で愛里の顔を見るが俺と同じく信じられないという表情をしている。
「これ、どうやって手に入れたの?」
「キザな占い師さんが渡してくれたのよ。闇影 将宛てにね。」
そういや最近姿を見てなかったな。
しかし、こんなものを手に入れるとは・・・あいつは一体・・・。
「将、知り合いなの?」
「ああ、たまに現れては敵の情報を教えて消えて行く変った奴だよ。」
この書類を見た限り的の本拠地は亜空間、しかもそろそろ全面戦争をかけてくるらしい。
確かに今まで奴の話は当たっていたし、正体こそ不明なもののある程度の信用は出来る。
だが、今回は規模が違いすぎる。
全面戦争?今そんなものを受ければ間違いなく幻想郷は陥落する。
それに博霊と敵対した今、迂闊な行動は避けたい。
今のところ博霊と紅魔が敵対で
永遠亭とにとり、人里にフラン、八雲が友好状態、
妖怪の山と守矢、冥界に魔法の森は中立。
この状態で戦力になるのは・・・絶望的だな。
「でも、本当に全面戦争に持ち込まれたら、私や霊夢、魔理沙でも太刀打ちできないでしょうね。」
「そうね、私と将、それに敵は殺し合いの専門。あなた達は弾幕合戦というゲーム感覚でしかないわ。」
「ああ、俺達は合法的に殺し合いをしながら生か死かの2択の世界で戦ってきた。
 書類を読む限り完全に人の見た目をしているらしいが、彼女らは人を殺すという覚悟は無いはずだ。」
「そうね。だから私はあなた達をこの世界に連れてきたわ。お願い、この世界を守ってちょうだい。
 今頼めるのはあなた達しか居ないわ。」
そう、俺達は子の世界を守るためにつれて来られた。
なら・・・守ってやろうじゃないか。
戦場の死神と呼ばれしのこ俺だな。

187終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/04/24(日) 22:07:37 ID:9FLp3hEo
その後数日間は何事も無くすごす事ができた。
しかし、人里からは少しずつ敬遠されていった。
そんなある日俺は安芸の所に寄ってみた。
店に入って、安芸を呼んでみる。
すると、ガラリと奥の戸が開いて中から安芸が出てきた。
「やぁ、人里は君の話題で持ちきりだよ。何でも君が悪魔だとか霊夢ちゃんを倒したとか色々ね。」
見られていたか?
それとも慧音が喋ったか?
慧音なら無理もない・・・か、信じられないという表情をしてたからな。
・・・いや、待て。
博霊が話した・・・・ありえる。
好き勝手に動くとか言ってたからな。
「その情報はどこで手に入れたんだ?」
「知り合いから聞いた話しだからなぁ・・・大元は霊夢ちゃんとかいう噂だよ。」
やはり、霊夢か。
まぁ、幻想郷を守るためにまずは非力な人里からというのは、妥当な判断だ。
俺は、今までの事を安芸に話した。
こいつはフライングアーマーやギャロップなどのサポート兵器の開発に協力してもらってるので、
話ておいても良いだろうという判断だ。
「それは本当か・・・って君のいう事だ本当に違いないんだろうな。」
安芸に俺が貰った書類を渡す。
「どれどれ・・・。」
安芸の顔がどんどん青ざめていく。
「ちょ、これ!」
「紛れも無い事実だ。」
「にとりに・・・。」
「とっくの昔に愛里が伝える。」
安芸はほっと胸をなでおろして書類を返してくれた。
「とにかく茶を用意するよ。上がっていってくれ。」
「すまんな、おじゃまするよ。」
安芸の家に上がってお茶を飲みながら小一時間ほど話し合いをして、帰る事にした。
とりあえず、安芸をこちら側に引きこむことには成功した。
人里がどうなるかは分からないが安芸だけは味方についてくれるだろう。
永遠亭に帰り、飯を食べ、その日は眠った。
翌日、状況を急変させる出来事があるとは知らずに。

188終わり無き刃黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/05/02(月) 23:22:38 ID:9FLp3hEo
その日目覚めた俺はいつもどうり朝食や武器のチェックを済ませ永遠亭を出ようとした。
すると、その日は珍しく玄関でうどんげに呼び止められた。
「あの、最近人里で将のいい噂聞かないから気をつけなさいよ。」
「へいへい、行ってくる。」
「いってらっしゃい。」
外に出てフライングアーマーに飛び乗り迷いの竹林を抜ける。
しかし、その日の幻想郷はすこし違った。
いつもと比べ物にならないぐらいに眩しいのだ。
しかし、暑さは普段どおりで格別蒸し暑いわけではない。
ただ、眩しいだけなのだ。
でも、なんだこのもやもや感は・・・。
そのもやもや感を残したまま俺は紅魔館に向かった。
紅魔館の門に到着したが美鈴は案の定居眠り中だったので
フライングアーマーを隠して勝手にして中に入る事にする。
中に入ると、真っ直ぐ地下へ向かう。
地下の最も奥の部屋が目的の部屋だ。
ガチャリと扉を開けて声をかける。
「フラン〜遊びに来てやったぞ〜。」
「あ、将だ!」
フランが笑顔でパタパタとこっちに駆け寄ってくる。
今日は前に会った時より嬉しそうだ。
「ねぇ将、外のお話し聞かせて!」
「そうだな・・・なら俺のガキの頃の話をしてやろう。」
俺は子供の頃の話とガルドミラに入りたての頃の話をしてやった。
子供の頃の思い出を、両親を失った悲劇を、愛理との出会いを、包み隠さず話してやった。
フランは時に笑い、時に悲しそうな表情をしながら黙々と俺の聞いていた。
「さて、今日はこのぐらいにしておくかな。」
「え〜もっと聞きたいよ!」
「ダメだ、この続きは次に来た時のお楽しみだ。」
「約束だよ?」
そう言って、フランは小指を出してきた。
指きりか、久しくやってなかったな。
俺もその小指に自分の小指を絡ませ、指きりした。
「じゃあ、またな。」
そう言い残しフランの部屋を後にする。
紅魔館を出ようとすると咲夜に呼び止められた。
「最近のフランお嬢様は昔と比べ非常に明るくなられました。これも貴方のおかげです。」
「いや、俺は当たり前の事をしてるだけだ。気にするな。」
「これは私から気持ちばかりのお礼です。」
渡されたのは何処からか現れた小さな紙袋。
「すまんな。」
紅魔館を出る。
来た時ほどの眩しさは感じられない。
あれは何だったんだろう・・・。
すると。
「フハハハハ幻想郷の諸君よ。」
何処からとも無く聞こえる声。
この声・・・イリスか!
ふと空を見上げると黄金の鎧を纏った騎士が空に映し出されている。
あれが・・・イリス。

189黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/05/09(月) 00:02:34 ID:9FLp3hEo
その姿は俺とは真逆、奴は光で俺は闇といったところか。
「我はイリス、光の使者!」
光の使者だ?笑わせるな。
「この幻想郷にはこの世界を脅かす悪が蔓延っている!」
貴様が幻想郷を脅かす諸悪の根源だ。
「我々は、その悪を粛清するための戦士だ。人民達よ!
 妖怪や悪魔の蔓延る世界で恐怖し怯えながらの生活を続けたいか!?」
やられた、人里の攻略に出やがったか。しかも、厄介な心理戦か・・・
こんな世界だ、人間の心理をついた有効な手段ではあるな。
「我々はそれらに対抗手段がある!我々を受け入れ共に戦う者は
 赤地に黄色の十字の描かれた旗を掲げよ!」
何処からか、うおぉぉぉぉぉ、という雄たけびが聞こえてきたような気がしたが、
今の人里なら聞こえてきてもおかしくは無いか。
空に映し出されていたイリスの姿は青空に溶ける世に消えていった。
俺は紅魔館の門を出ながら誓った。
絶対にあの腐りきった光を潰すと。
フライングアーマーに乗り人里の様子を見に行った。
住人達は歓喜しお祭り騒ぎなのが空から見てもわかる。
人里が陥落した・・・か。
そのまま永遠亭に帰った俺に永琳とうどんげはイリスの話しについて聞いてきたので
今まで秘密にしていた資料を見せ3人で会議をする事にした。
「この内容・・・あの話しを聞く前だったら信じて無かったかも知れないわね。」
「ああ、今日確認した限り人里は陥落していたな。」
「そう・・・。」
これ以上被害を出さない為にも、一刻も早く仲間を集めなくてはならない。
これが幻想郷で最初で最後になるであろう戦争の始りだった。

190このResは【魅上照】によって削除されました:このResは【魅上照】によって削除されました
このResは【魅上照】によって削除されました

193黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/05/24(火) 23:35:20 ID:9FLp3hEo
翌日、俺は紫の屋敷に向かった。
ガルドミラの旗を手に入れるためだ。
昨日の話を聞いて俺は決めた。
反イリスの勢力として、幻想郷防衛勢力として、ガルドミラ兵のゴーストとしてイリスと戦うと。
そして、紫の屋敷にて寝起きの紫に頼み、ガルドミラの旗を数枚手に入れることに成功した。
これの旗を持ってにとりのラボに直行する。
「将、これは何の旗だい?」
「ガルドミラの旗ね・・・。どうやって手に入れたのよ?」
「これは俺達の所属していたガルドミラの軍旗だ。紫に頼み込んで数枚手に入れてきた。
 俺は、反イリス勢力ガルドミラを作ろうと思っている。」
「主に妖怪や鬼を仲間に引きこむのね?面白そうね。」
「私は、全然OKだよ、すぐに旗をつけるね。」
にとりは旗を持ってラボの奥に入っていくと、リフトに乗って天上まで上り旗を吊るした。
ここにガルドミラ第1拠点が誕生したのだ。
フライングアーマにガルドミラのエンブレムをペイントしてラボを後にする。
そのまま永遠亭には戻らず妖怪の山に向かった。
妖怪から信仰を集める守矢神社。
博霊よりは効果がある気がするので守矢神社にはちょくちょく通っていてるが
イリスの件でどうするかを聞きに行くためだ。
うまくいけば味方に引き入れる事ができるかもしれない。
そうなれば、妖怪の山全体を味方に引きいれられるかもしれないな。
守矢神社に着き境内を見回すが、早苗は居ない。
境内が綺麗に掃除されているから掃除が終わって神社の中に戻ってしまったのだろう。
神社の裏手に回ってみよう、誰か居れば気配でわかるだろうしな。
そう思い、神社の裏手に回ってみるも気配は感じられない。
後は・・・風神の湖か。
本殿の脇の抜け湖へと足を運ぶ。
そこで思いもよらぬ光景を見ることになった。
金色の鎧を纏った騎士と対峙する、早苗と諏訪子、神奈子の姿だった。

194黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/06/06(月) 01:25:10 ID:9FLp3hEo
あの姿・・・間違いない、あの時、空に写しだされた騎士の姿だ。
しかし、どうして今まで気づけなかった?
「来たな・・・これで役者は揃った。」
待っていたといわんばかりのセリフだな。
「将さん・・?」
早苗がこちらに気づきこっちを向くも俺の意識は湖上に浮遊するイリスに集中していて
早苗が俺に気づいたことの事など気づきもしなかった。
「もう一度問おう。八坂 神奈子よ、我らと手を組む気は無いのだな?」
「その通りさ、妖怪からの信仰を得る事を目的に移転したんだらね。
 それを取られちゃあ堪ったもんじゃないね。」
「では闇影 将よ。お前は──」
「知れたこと、お前が光なら俺は闇だ。我らガルドミラは絶対にお前を殺す。」
その余裕そうな喋り方、気にくわねぇ。
腰のデザートイーグルに手をかける。
「無駄だ、これは立体映像だ。・・・まぁいい、ぜいぜい頑張るんだな。だが、人里はもう我らの手中にある。」
畜生、人里が人じちに取られては、迂闊に手が出せないじゃねぇか。
イリスが話し終えると、立体映像は透明になるかの如く消え去った。
湖の辺に残された俺達は、数秒間は呆然と立ち尽くすしかなかった。
「あいつ、本当に何者なんだろうね。」
この沈黙を最初に破ったのは諏訪子。
「さぁねぇ。でも敵には間違いないようだけどね。」
「イリス・・・必ずこの手で仕留めて見せる。」
「皆さん、とりあえず本殿でお話しましょう。」
早苗の提案で本殿の一室で話しをする事になった。

195黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/06/12(日) 01:30:08 ID:9FLp3hEo
案内された部屋は小さな部屋で中央に机がありその周りに1人ずつぐらいのスペースしかない。
俺は机の南に座り、正面に守矢神社の二柱の1人、八坂神奈子が座る。
右に諏訪子、左に早苗が座り話しが始った。
「加奈子様、奴と手を組むとはなんだ?」
イリスの話しについてといい正す。
奴がわざわざ立体映像を使って直接コンタクトを取った理由が分からん。
話しを通すだけなら、また空に映像を映し出せば済むし、人里の住民が仲間に引きこもうと
やって来て奴らには有利になるはずだ。
だが、奴らはそうしなかった。
それなら何らかの理由があると見て間違いないだろう。
「それはだね。」
神奈子が重い口を開く。
「あいつ等は私の神の力を利用してこの山の妖怪を始末しようとしたのさ。
 もちろん断ってやったけどね。」
奴ら・・・そんな事まで考えていたのか。
だが、それが裏目に出たらしい・・・いや待て、奴はあの時役者は揃ったと言った。
もしかしてこの事も計算済みか?
在りえるかも知れん。
「どうしたんだい?」
「いや、あの時奴はこう言った。これで役者は揃った・・・と。」
「それがどうしたんだい?」
「こうは考えられないか?こうなる事は奴の計算の内だと。」
神奈子も早苗もう〜んと考え込むが諏訪子は違った。
「でも、もう断ったんだしいんじゃないかな?」
確かにそうだ。
今考えても後の祭り、考えたところで奴の戦略が完璧に分かるわけでもないし、
戦略が分かった所で予想でしかない。
それならこれからの事を考えた方が得策だろう。
「それもそうだな。諏訪子様の言うとおりだ。」
「将さん、ガルドミラって一体なんですか?」
おっと忘れる所だった。
この話しをしに来たんだった。
「俺達は、先ほど反イリス勢力ガルドミラを立ち上げた。それで仲間を集めているんだ。」
ガルドミラの旗を取り出し机の上に置く。
見る限り3人とも興味を示しているようだった。
神奈子が手に取り旗を手に取り広げる。
「これは?・・・意外と大きいんだね。早苗。」
早苗に指示をだし、2人がかりで旗を広げる。
広げられた旗は、灰地に赤で六芒星の後ろにに青い斜めのクロスが描かれていた。
「これは俺達ガルドミラの旗だ。手を組んでくれるならその証にその旗をつけて欲しい。」
神奈子は顎に手を当て悩んだ後、諏訪子の意見を聞いた。
「どう思う?」
「いいんじゃないかな?」
「という事だ。さて何処につけたものか・・・。」
「室内でも構わん。」
「分かった。つけておくよ。」
話し始めてから気にはなっていたが、無視していたこの気配。
隠れている場所の大体想像はつく。
俺は立ちあがり後ろの障子を開ける。
「文、出て来い。それとも瓦の上で蜂の巣になりたいか?」
「あやや〜、それは勘弁してもらいたいですね。」
しゅたっという効果音が欲しい程、文が華麗に屋根から姿を現した。
「」

196黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/06/26(日) 00:15:17 ID:9FLp3hEo
「話は聞かせていただきましたよ。そういうことでしたら、天魔様に掛け合ってみますよ。」
ニヤニヤと笑いながら、文が話しを持ちかけてくる。
ほう、これ乗らない手は無いだろう。
「あたしからも話してみるよ。」
神奈子からも頼んでくれると心強いな。
なら、彼女らに託してみよう。
「ぜひ頼む。」
「あやや〜私ってそんなに信用ないですかね?」
俺が無言で首を縦に振ると、皆も一緒に首を振る。
「あやや〜。」
文は困った顔で頬をポリポリとかいている。
「まあいい。ほらよ。」
文に旗を渡し立ち上がる。
「後は頼んだ。俺は他の所を見て回らないといけないからな。」
俺はそのまま守矢神社を後にする。
これなら、妖怪の山は仲間に引きこめるだろう。
後は・・・紅魔館、魔法の森、冥界ぐらいか。
博霊は・・・多分向こうだろう。
そんな事を考えながら紅魔館に向けてフライングアーマーを飛ばす。
紅魔館に着いた。
美鈴は合いも変わらず居眠り中。・・・いや、今日は狸寝入り中か。
特に呼び止められなかったので、そのまま中へ。
妖精メイドと挨拶を交わしながら地下のフランの元へ行く。
部屋の前に着いた。
軽くノックをして・・・・返事がない。
「フラン、居るか?」
声をかけても返事無し。
「フランお嬢様なら。レミリアお嬢様のに居られますよ。」
後ろを振り返るとモップやらバケツやらを持った咲夜が立っていた。
「サンキュー。」
お礼を言って部屋を離れる。
レミリアと一緒となると・・・アソコか?
頭の中に浮かぶのは広い謁見の間みたいな部屋。
・・・行ってみるか。
階段を上り例の部屋の前に着く。
案の定、中からはレミリアとフランの声。
少し立ち聞きしてみようか。
俺は扉の横にもたれかかって、耳を澄ました。

197黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/08/02(火) 00:00:03 ID:oTu.NjiU
「フラン少しの間闇影 将と会うを禁じるわ。」
レミリアの静かな声。
「どうして!?」
フランが驚き声を荒げる。
「フラン、貴方は知らないと思うけどイリスとかいう奴から宣戦布告があったわ。
 だから、貴方には地下で大人しくしててもらうわ。それが貴方のためよ。」
「なんで大人しくしてなきゃいけないの!?私だってお姉さまと一緒に戦いたい!
 それに、将が居たらあんな奴ら倒してくれるわ!だから・・・。」
「その将が危険なのよ!」
レミリアが急に声を荒げ、それに驚いたフランが押し黙る。
「彼は、外の世界の人間よ。銃という科学の武器を使い、単体の戦力は私さえも凌駕する。
 そんな彼が裏切ったらどうするの?貴方を誰が守るの?私はあなたの事が心配なのよ。」
彼女がどんな表情そしているのかは分からない。
でも、その声は震えていて、多分泣いているんだろう。
「お姉さま・・・。」
さて、そろそろ登場するか。
俺はもたれるのを止めドアの正面に立ち軽くノックする。
しかし、返事は無い。
右の扉を押して中に入ると、レミリアとフランは既にこちらを向いており
俺だとわかるないなや、それぞれ驚きと喜びの表情に変化する。
「少し話を聞かせてもらった。確かに俺を危険視するのは当然だろう。
 今もイリスやアイオーンを倒すために、俺は今も力を求め続けている。
 だが俺は仲間を裏切ったりはしない。」
歩きながら話し始め、話し終わる頃にはレミリアの正面、2mも離れていない所に立ち止まった。
レミリアはごしごしと目を擦るが少し目の周りが赤くなっている。やはりたいていたんだろうな。
「証拠仮が無いわ!」
俺はガルドミラ旗を取り出し大きく広げた。

198黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/09/11(日) 22:00:21 ID:oTu.NjiU
「俺達と手を組まないか?」
「将!」
フランが抱きついてくる。
その頭を軽くなでてやると話しを続けた。
「俺達は反イリス勢力ガルドミラを組織し今も仲間を探している。
 現在は河童に守矢が仲間になり妖怪の山の天狗にも交渉中だ。」
「なるほど、でも何故あなたが私達と手を組むの?
 あなたは何度も私と何度も戦わされ、フランの件でも話しが決裂してる。
 それれのに何故?」
レミリアが立ち上がって声を荒げた。
もっともな意見だ。
確かにあの時俺とレミリアの話しは決裂している。
それに、レミリアの事も好きでは無い。
だが、これだけは言える。
「お前だけがフランを守りたいのはお前だけだと思うなよ。」
その言葉にレミリアは背を向け沈黙した後、咲夜を読んだ。
「お呼びでしょうか?」
フランを部屋に連れて行ってちょうだい。
「え・・。」
フランが寂しそうな声を上げるがレミリアは話しを続けた。
「但し、間闇影 将と会う事は許すわ。だから、フランもう少しの間我慢しててちょうだい。」
その言葉を聞くとフランの顔は明るくなり。
「はい、お姉さま!」
元気よく返事をした。
「では、参りましょう。」
咲夜がフランの手を引いて部屋を後にする。
すると、レミリアが向き直り質問を投げかけた。
「フランに対するその思い、本当なんでしょうね?」
俺は即答する。
「もちろんだ。」
そう・・と呟くと、椅子に腰掛け話し始めた。
「なら、闇影 将。反イリス勢力ガルドミラについて聞きましょうか。」
その声からはさっきのような驚き等は感じられず、いつもの通りの威圧的な態度とカリスマだ。
どうやら本調子にもどったみたいだな。
「ああ、分かった。」

199黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2011/10/05(水) 21:38:53 ID:oTu.NjiU
俺はガルドミラの説明、敵の動向、現状と友軍の事、その他もろもろについて
レミリアに話した。
「なるほど、大体把握したわ。・・・・・・少し考えさせてちょうだい。」
「分かった。ならこの旗は先に渡しておく。手を組むなら中にでも飾ればいいし、
 不要なら燃やせばいい。」
「分かったわ。」
「これで話は終わりだ。では、失礼する。」
俺はレミリアに背を向け紅魔館を出た。
扉を出るとあたりは真っ赤な夕焼け。
「そりそろ、永遠亭に帰るか。」
紅魔館の門をくぐると美鈴はいつも通り門の柱にもたれかかって爆睡している。
その光景に苦笑しつつも、フライングアーマーに乗って永遠亭に帰った。
「あ、お帰りなさい。」
丁度、買い物から帰って来たワンピース姿のうどんげと鉢合わせした。
ほう、着てくれてるんだな。
「ただいま」
そう告げて、俺は部屋に戻った。
そして、夕飯。
今日は、焼き魚か。
そして、全員揃って夕飯を食べ始めた。
「全員後で集まってくれ。話しがある。・・・こら、てゐ。人の魚を取るな。」
「ヤダウサ!」
てゐから焼き魚を防衛しつつ夕飯を終えると、部屋に戻って少し荷物を整理する。
永琳の答えは想像がつくからな。
荷物を整理し終え、居間に向かうと、既に全員揃っていた。
「遅いウサ。」
「すまんな。それよりも本題だ。」
俺はガルドミラを作った事、現状、現在の友軍について話した。
として沈黙。
その沈黙を最初に破ったのは永琳だった。
「大体の事はわたったわ。それに、うどんげとてゐは知らないでしょうけど、
 昼間にそのイリスとか言う人がやって来て手を組もうとか行ってきたわ。
 もちろん断ったけど。でも、私達はガルドミラに付くつもりも無いわ。
 私達はあくまで中立なの。」
予想どうりの返事。
やはりな・・・。
「話はこれで終わりだ。集まってもらって悪かったな。」
「あ、将・・・。」
俺は居間を後にした。
部屋に戻ると荷物を纏め始める。
荷物を纏めている間、部屋には誰も来なかった。
いや、わざと部屋に来なかったのかもしれない。
俺にとってはもうどっちでも良かった。
そして、全員が寝静まった夜、俺は音を立てないように荷物をフライングアーマーに載せ始めた。
「「ここを出るのか?」」
「ああ、俺はガルドミラだ。中立じゃない。」
「「そうか。」」
荷物は積み終わった。
フライングアーマーには荷物が山盛りで重量限界ギリギリだろう。
俺は歩く・・・か。
フライングアーマーを起動して永遠亭に背を向け歩き出した。
「行くのね。」
背後から永琳の声。
気配からして全員揃っている。
「ああ、もうここに俺は居られない。」
「そう・・・引きとめはしないわ。それがあなたの決断ならね。」
「でも、ここは将の家。いつでも戻ってきていいのよ。じゃあ、その時まで・・・・行ってらっしゃい。」
「・・・・ああ、行ってくる。」
俺は歩き出した。
ガルドミラのトップとして。
一人の軍人として・・・再び。

200黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2012/01/06(金) 21:38:55 ID:oTu.NjiU
永遠亭を出てきたが行く当てなど無い。
こんな時間に起きてるのはせいぜい妖怪ぐらいだろう。
とにかく、妖怪の山方面に歩こう。
それは、迷いの竹林を抜けて少し歩いた時の事だった。
「わはー、あなたは食べてもいい人間?」
不意に背後から声がした。
振り返ると・・・黒い球体が浮かんでいた。
「あなたは食べてもいい人間?」
「食ったら腹壊すぞ。」
「そーなのかー。」
いかにも残念という声。
よっぽど腹が減っているのだろうか?
それよりこいつは何だ?
俺は黒い球体に手を突っ込んでみる。
手はすんなりと入り、簡単に出す事が出来た。
「お前は何なんだ?」
「私はルーミア。」
すると、黒い何かが消えて中から金髪の少女が出てきた。
「うどんでも食うか?」
「食べる!」
俺は近くの木の下にフライングアーマーを降ろして
荷物から持っていたどんべぇを取り出すと
手早くお湯を用意しどんべぇを作ってルーミアに渡した。
「いただきまーす。」
俺も食うかな。
隣で旨そうに食べていると自分も欲しくなってきた。
残りのお湯をカップに注いで、どんべぇを食べる。
「ごちそーさま。」
ルーミアが食べ終わる。
少し遅れて俺も食べ終わった。
「ねーねー、名前は?」
「俺は闇影 将だ。」
「ふーん、何してたの?」
「行く当ての無い引越しだな。」
「・・・・・・すーすー。」
何だ寝たのか。
どんべぇを食べてお腹が膨れたのだろうか、
ルーミアは俺の隣で寝てしまった。
仕方ない、放っておくわけにも行かないので、
その夜はそこで野営する事にした。

201黒騎士 ◆/U2i7AL6pc:2012/07/21(土) 17:27:52 ID:PN6LgdNk
諸事情により、ここで終了となります。
続けたい方は勝手につづけてください


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