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小噺をば

1超初心者:2002/12/05(木) 09:15
アイデアノートを兼ねて、この場をお借りしマス^^

小噺その1
KKコーポレーションを、少し離れたビルの蔭から見張っている黒デルモ
「なおみ」ポン、と肩を叩かれ、はっと振り向くとガストの姿。
「盗み見はいけないぜ、お嬢さん…」言いざま、繰り出される拳が女の下腹に沈む
――ドズウッ「うぅッ…!」力なく倒れ掛かる彼女を抱き止め、やれやれの表情
「ったく、まだ藍華を付け狙っているのかよぉ。いい加減、諦めてほしいなあ」
気絶している彼女を肩に担ぐと車に載せ、さっさと走り去る。1時間後。
自分のオフィスに連れこんだガスト、そこには既に50人のデルモたちが先客として
捕われていた。捕われの身、といっても何ら拘束されている訳ではなく、部屋に鍵が
かかっている訳でもない。それどころか、一人一人に豪華な机とPCが宛がわれ、
何か仕事しているように見える。今、一人の画面を覗きこむと、司令の会社への
振込手続き中。大富豪のガストは身銭を切って、司令の会社を支援しているのである。
何の為に?一人、溜め息混じりのガストである――「司令や副官たちも、安易な
リストラしないで欲しいなあ。あぶれたデルモたちが、プー太郎になれば、
以前の惰性で、藍華を狙うのはわかってんだから…もう」雇用創造も楽じゃない。
ガストの隠れた苦労を全く知らない司令たちであった。

95超初心者:2003/07/07(月) 21:10
小噺その45

忙中閑あり、リビングのテレビを漫然と見やるサニアとトニア。今、オンエアされているのは
37年前の番組「サンダー○ード」である。そういえば最近、画面を賑わすのは、やたら
レトロなラインナップ、テレビ番組だけでなく、音楽や映画などもリメイクやカバー
バージョンが相次いでいる。ふかふかソファにむっちりとお尻を沈ませる二人は、誰に
遠慮なく足はおっぴろげ、例の純白パンティも丸見え状態である。いつも時代の最先端を
走るデルモたちだが、たまにはこんな年代物もよしとするのだろう、眼前の映像にも決して
退屈しているように見えない二人。サニアがぽつりと一言を発し、またぞろトニアとの間で、
よもやまな会話が紡がれていく。
「これって人形劇なのよね。昔の番組にしては良く出来てるわねぇ…」
「結構リアルよね、メカの重量感もあるし。大体CGなんて無かったんでしょうに」
「こういう再放送もそうだけど、昔の原作をリメイクするのも流行ってるわねー」
「そういえばサニア、あなたピノキオの実写映画見た?アニメのイメージがあったから
どうかなー、と思ってたんだけど、中々良かったわよ♪」
「そうね、やっぱり本家イタリアだけあるって感じ〜。ベニーニの演技やピオヴァーニの
カンツォーネも良かったわ。私、“星に願いを”が好きだったけど、今回の映画も
嵌まっちゃった。フィレンツェの街並みも素敵だし…」
「あと、ピーターパンとか宝島とか。初回版がもう何十年も前のものばっかりだけど」
「じゃあAIKaもそのうちリメイクされるかなあ。私たち、あんまりセリフ無かったじゃない?
今度は主役張りたいわよねぇ」…そんな二人の願いは程なくかなう。以前からトニアの
隠れファンはワンサカいた上、現在はゴールデン・デルモシスターズ、この大ヒットである。
但しプロデューサーの人選には誤ったかも知れない、いつの間にやら陳腐な女子プロレス
ものに企画が変わってしまい、今回久々の大コケに終わったのだから…。

96超初心者:2003/07/09(水) 21:43
小噺その46(某チーム・ファンの皆様へ^^)

2039年。科学の進歩は相応に目覚ましいが、人間そのものが進化するわけでもない。
個人の思い、集団心理、何れをとってもそう変わり映えしないものである。今、関西のとある
球場では某球団優勝に王手をかけた大試合が行われ、6万人の観客で溢れかえるスタンドは
これ以上ない大フィーバー真っ只中。それもその筈、ここは球団のホームグラウンド、しかも
18年ぶりに優勝を手中にするというのだから、熱烈ファンならずとも興奮否が応にも高まる
もの。振りかえれば1985年、2003年、2021年と、毎回大変な盛上りだったが
今回は応援席に少し変わった連中が加わっている。白、ゴールデン、青、ピンク、黒、と
彩りも鮮やかなコスチューム。大挙して陣取り、焦点のチームを応援する姿は間違いない、
あのデルモたちである。“六○おろし”にデルモたち。いささかミスマッチにも思えるが
その実ノリはピッタリというべきだろう、もともと集団行動には長けている彼女たちである。
皆キュートでスタイル抜群の美女、シーズン当初は好奇の視線やローアングルで狙うカメラ
などが後を絶たなかったが、今や完全に周囲と一体化。純粋可憐な美しさはまさしく最高の
ムードメーカー、観客席のファンだけでなくフィールドにいる選手たちにも大いに励みに
なっている。新参者だけあって決して整然とした応援とは言えないが、そこが又初々しい魅力、
黄色い声を振りまき、飛び跳ねる彼女たちの純白パン○ロは余りにも眩しい。しかも
相手チーム攻撃のイニングでは、無意識のうちか緊張の力みが股間の肉襞を盛り上げ、清楚な
パンティにくっきりとした筋が浮かび上がる。遠くからでも明快に判別できる程、見事な
クレバス。ましてや選球眼の良い選手たちからすれば、その谷間に福与かな肉付きすら
見通せてしまう。これ絶景といわずして何であろう、しかもそれが、よりどりみどり、ずらり
並んだ秘所の数々にはまさに目がテン、いや既にして脳内虚ろというべきか。これではまともに
打つことなど100%不可能というものである。となれば、ここまでの某チーム快進撃、陰の
功労者はデルモたちと言うことにもなるだろう。かくして相手チームの殆どが骨抜きに
される中、それでも鉄の意志を持つ者が数名は残る。薄々デルモたちの影響と感じムキになって
闘志を燃やす彼等、その対象は…カーン!――いま快音と共にライナーでスタンドに飛び込む
ボール。相手チーム4番バッターの文句ないホームランに静まりかえるホームグラウンド、と
言いたいところだが――「うぐッ…!」静寂のスタンドで短くあがる呻き声ひとつ。見れば
一直線に飛びこんだボールはキャサリンのパンティをストライクで直撃している。高速ライナー
の打球だった為、咄嗟に手で受ける暇もなかったのだろう。目を閉じ涎垂らしながらゆっくり
崩折れようとする青デルモを左右の仲間が辛うじて支えるが、既にキャサリンは深い気絶の
迷宮へ。結局試合は3−1で勝ち、目出度く某チーム優勝に終わったが、気を失った彼女は
その瞬間を見れずじまいだった。しかし、それが不幸なことかどうかは一概に決められない。
ここまでのペナントレースでこうしたホームランボールを受けたケースが実は30回、その
何れもがキャサリンへの一撃である。更にそれらは悉く彼女のパンティ、それも秘所の上方に
居する愛の蕾へのクリーンヒット。周囲には受難の気絶と映るだろうが、よくよく注意して
彼女の寝顔を見れば、僅かに口元綻ぶさまが覗える。誰に打ち明けるでもない彼女だけの秘密。
胸の奥深く封印されるキャサリンの宝物、それは、衝撃の一瞬でもたらされる極上の
エクスタシー。とても言葉で言い尽くせない、ミクロの時間に反比例し超高密度に凝縮された、
いわば快感の結晶というべきものである。最初の経験では確かに驚きも混じっていたろう、が。
彼女が病みつきになるにはこの1度で十二分だった。毎試合、律儀に球場へ足を運ぶ
キャサリン、その胸中はときめきでいっぱい…あの経験をしたい、感じたい…想像しただけで
じっとりと濡れる。当然の結果として、履いていないのかと見紛うほどスケスケになる純白
パンティ。それがまた一層相手チームの劣情に火をつける。完封は出来ないものの応援チームは
確実に勝利し、キャサリンは高らかに昇りつめる。実に一石二鳥である。このコンビネーション
はその後しばらく続き、そのまま毎年の優勝に直結した。最近では勝手知ったるファンによって
「キャサリンはここだ!」という矢印付きの横断幕まで登場し、勝利を磐石にしているようで
ある。

97超初心者:2003/07/13(日) 11:32
こんなんでも過激?小噺(過激派スレの5レス目)の続き
(没になったシナリオの続編一部を御紹介)

「きゃうううッ!!…ん…」−−−−−
「あら、いい声で鳴くじゃない。じゃ、ご褒美ね♪」藍華はパンティのクレバスに侵入させて
いた3本の指を更に奥へ挿し入れ、大きくグラインドするようにくねらせる。
「ひゃう!うふうううぅぅ…んんんッッ…」ニナ・エスコの股間にて噴出する愛の蜜は最早
洪水の有様、藍華の手もべっとり粘り気のある分泌液にまみれている。――ズブブ、
ズチュッ、ズチュウ…深く挿入された指が自在に動くたび、膣内に容量一杯満たされた愛液が
淫靡な音をたて、花芯の疼きをストレートに代弁する。と同時に「ひううっ…あひいい…
ふあああッ…!」…何度絶頂に達していようと、突き抜ける快感の先に終点はないのか…
喘ぐ。喘ぐ。ただ、喘ぐばかりの白デルモ。ここに至って尚、花園の外観を晒してはいない。
いや、制服も着用のまま。彼女の秘肉に直接くい込むのは例の純白パンティなのであり、
藍華の指が深淵の園を土足で侵しているわけではない。にも拘わらず。このパンティには
思わぬ相乗効果が内在する。機能性重視ということなのだろう、素材はコットンのようだが、
それ微細に見れば布地の表層小さな繊毛が無数に生え、ただでさえ敏感な秘所の粘膜を
心にくい程に刺激する。その上、押しこんでいる藍華の指使いがまた絶妙、ただがむしゃらに
強く押さえるでなく、時にはじらすように丹念に…最高のスポットをじっくり延々、そして
こびり付くようにねっとりと愛でるのである。
「ひいいぃぃ!…んはあぁ…ふぐううぅぅぅ…」歓喜のあまり、時折呻き声のようなものも
混じるが、藍華が「鳴く」という言葉を用いたのは言い得て妙といったところ。今や、
ニナ・エスコは生命普遍の喜びを体現するためにだけ、ここにいるようなものである。
「あなた、頭が良さそうな顔してるけど、こういうことは学校で教わらなかったでしょ?
ちょっとは感謝してよ、ねッ!」ズブウッ!「はうううぅぅ…ッ!!」またひとつ、ピークを
迎える喘ぎ声。電気が走ったかのように全身が痙攣し、イッたことがわかる。(続きマス↓)

98超初心者:2003/07/13(日) 11:33
「うふふ。可愛いわね…」これで101回目よ、とまでは口にしないが、内心しっかり数えて
いる藍華。かつてのトレンディ・ドラマばりの構想が脳裏を横切ったところで、もう少し
まとまった会話に戻そうと考える。二人しかいないこの空間、対面する女の悶絶ばかりでは
正直見飽きてきた、ということもあろう。一旦、全ての指を引き揚げるのだが、ここまで
暴走してきた性の炎は藍華の都合よく停まってはくれない。「…はあぅぅぅっ…」
ピクンピクンと身体が勝手に跳ね、昇りつめることそれから実に30回!その間、小一時間
にもなろうというもの、退屈な思いを引き摺りながら眼前の白デルモを眺める藍華である。
漸くに沈静化の兆しが見えたか、女の目にうっすらと理知のかけらが宿るようになったのを
見届け、藍華が語りかける。「私ね、何だかあなたのこと、手放したくなくなっちゃった。
あなたも、ここまでイイ思いしたら、もう私から離れられないでしょう?だから、ずっと
人質でいて頂戴、悪いようにはしないから…」「………」無言のままじっと藍華を見据える
白デルモ。それでも、やや間を置いて後、小さく肯く。この後、KKコーポレーションに
特設された座敷牢で囲われの生活を送ったニナ・エスコ。外出の自由こそなかったが社内では
結構な賓客扱い、郷造社長以下、りおんまでが甲斐甲斐しく白デルモの世話を焼く。しかし
それは昼間のこと。もともと仕事一筋、深夜残業の多い藍華だったが、ここにきてその頻度が
やたらと増えている。人気のないオフィスに二人きり。しかも防音完備の特別室。これが
司令と藍華との確執が氷解するまであと数ヶ月の期間限定とはまだこの段階で予期できる
訳もない。永遠に続いて欲しいと密かに願う、乙女二人の饗宴。要は些細なことかも知れぬ、
決して表に出ることもないが、これも又…藍華とデルモたちの不思議な絆を物語る、
秘められた出来事のひとつ、と言えそうである…。(やっぱ、軟弱〜^^;;;)

99超初心者:2003/07/14(月) 01:41
小噺その47

再び2039年。どこまでも広がる大草原の中に、ぽつねんと建つ1軒の家があり、
張り出した2階のオープンテラスに2つの人影が見える。男女ひとりづつ、男の方は相当な
高齢であろう、白髪で頬もやせこけているがまだまだ元気といった様子、そして女の方は青い
コスチュームに流れるような長い髪…孫とも曾孫とも見える年格好の美女である。もう夜中に
なる時刻、澄み切った大自然の空気は少しひんやりするが、頭上に広がる満天の星に囲まれて
ロマンチック気分も最高といったところ。この家の構えとて、古き良きカントリーライフ
そのままに、昔ながらの素朴が息づく温かみが感じられる。軒先にぶらさげたカンテラの灯り
は仄かなものだが、浮かび上がる二人の表情は眩いばかりに明るい。とは言え、時折ふっ…と
感慨の息をはく老人。眼前の若い女に、遠い過去の青春を脳裏に甦らせているのか…愛想も
ない無骨なホーローのコップでブラックコーヒーをすする二人の会話を、今少しだけ聞き耳を
たててみることにしよう。
「あの時、モデルにした女性と君は、イメージが似ているね。もう一度言わせてくれるかな、
素敵だよ、ヴァレリ…」
「有難うございます♪こうしてMr.ジョーンズにお会い出来るなんて夢みたいです。あの、
今でも馬に乗ってらっしゃるんですか?」
「そうだよ。まだまだ現役ジョッキーさ」…いつまでも若さを失わないこと。そして人生の
幸せは、何も特別なものじゃない、ほんのフツーな暮らしにだって満ち溢れているものなんだ…
齢96を数える老人は朴訥な語り口ながら、その目の奥にはかつての面影がしっかり残って
いる。青デルモが、あの曲をおねだりすると、彼は快く応じた。アカペラで歌う二人の声が
しっかりとハモり合い、彼女が生まれる50年前を生き生きと紡ぎ出していく。
…cheer up sleepy Jean,oh what can it been to a daydream believer and a homecoming
Queen…歌いながら、知らずヴァレリは天空を見上げていた。ハーゲン様、聴いて
らっしゃいますか、ヴァレリはいま幸せです。ハーゲン様もネーナ様とあの世でお幸せに…
すると一つの星が強く瞬いたような気がする。彼女の心が通じたのか?いや、確かに伝わった
ようである、が。本来ならば速やかなレスポンスとなるあの夢の啓示は後回し、勝手に
「あの世」だなどと決め付けるなんてヴァレリ、あなたってコは!これはもうキツーイ
お仕置きもんだね、と力みかえる意識と、まあまあ許してやれよ、という意識が侃侃諤諤混在
したままメタルの繭が矢のように宇宙から落下する。ここはアメリカの片田舎。
デイビー・ジョーンズ氏所有の牧場に程近いあの町が今度こそ眉唾でなく、真の脚光を浴びる
ことになるのだろう、「ロズウェルの話は本当だ」と…。

100副官:2003/07/14(月) 01:55
おぉ、懐かしや。モンキーズの「ディ・ドリーム」
私はあのレコード(45回転のドーナツ盤)を持っておりました。
ミッキーの目が「寄り目」の、ちょっとオドけたジャケット。
ジャケット裏にはデイビーのピンナップ。
曲自体も、目覚まし時計のベル音が鳴るユーモラスな仕上がり。

でもそのレコード、30年も前に、ロック好きの友人にあげちゃいました。

101ぱんちーと:2003/07/14(月) 05:56
あっ、副官殿、100ゲットしてる。
さすがは、キリ番の鬼!

102超初心者:2003/07/14(月) 20:20
副官様、ぱんちーと様、ようこそ、おいでませ〜^^

副官様、100ゲットおめでとうございます。当スレは「一応(←かなーり不安)」
創作系デスので次回200は遥か先デスが、何卒まったりとお付き合い下さいませm(__)m

DayDream…イイですよね。実は昨夜テレ東系23:00-「そして音楽が始まる」でやってたのを
偶然見かけたものですから^^;そのあと番組HPでラインナップ見ましたら、次週は
レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジだとか。今までも、ビートルズは勿論、
エリック・クラプトンとかボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル、邦楽では上田正樹や
伊勢正三、赤い鳥などなど結構ピシピシ来ていたようで、昨夜以外は一度も見たことが
なかった私ですが、改めて、へえ〜、という感じでした。

45回転ドーナツ盤…いいなあ…33回転のLP盤も良かったけれど、ドーナツ盤って特に
タイトル作品への思い入れがありますよね^^当時の330円って結構高いイメージも
ありましたし…

1箇所修正(汗)oh what can it been ⇒oh what can it meanでした〜^^;;;
前者でも無理やりコジツケルことはできるでしょうが、やっぱりmeanがしっくり来ますね、
当然^^;この板を訪れる人々もAikaに見果てぬ夢を追うDayDreamBelieverでしょ?

103超初心者:2003/07/15(火) 19:23
小噺その48

白銀基地では司令の陣頭指揮にも拘わらず、完膚無きまでに敗れ去ったデルモたち。しかし、
あれは本当に敗北だったのだろうか?確かに、作戦を率いた司令以下、あの基地にいた
デルモたち全員が藍華や郷造らによって倒され、気絶したことは事実である。だが、
目的とする、藍華の身体能力を記録分析したデータは実のところ、犬吠島本部基地へ既に
転送済みであった…。それは左程考えるまでもないだろう、取得したデータをバックアップも
とらず、たった1枚のディスクのみに保存するなど、彼等の科学力からしてもあり得ないことで
ある。ならば何故、あの基地で、あれだけのディスク争奪戦になったのか。鍵を握るのは二人。
ひとりは司令、もうひとりは…あの瓶底メガネ黒デルモである。あの時、ゴールデン・デルモ
としての活躍をなしたリエですら、ディスクを藍華のハイヒールで無惨に踏みにじられた時
には、泣きわめいて部屋を走り出ていった。唯一の手掛りを失ったと感じた彼女が、絶望と狂乱
ないまぜのまま、ミサイル砲台まで繰り出したことは記憶に新しい。これこそ、まさに敵を欺く
に味方から、のセオリーどおりということ。瓶底黒デルモはデータを送信したあと、あの
データルームで敢えてダミーのディスクを手に持ち、藍華の、いや、リエを含めたデルモたちの
注目をも引いたのである。ある種和み系のキャラだけに、これが演技とは誰も見抜けない、
少なくとも藍華たちは、まんまと策に嵌まってしまったことになる。この絵を描いたのは当然
司令。愛する副官にすら、この計略を明かしてはいなかった。だからこそ、副官も必死に闘い、
挙句に首を締め落とされ、苦しい気絶を強いられたのである。当の司令も、全力で立ち向かって
いったように見えるが今にしてみれば、ひとつ思い当たるふしがある。至近に迫った司令の
胸元に、藍華が例のショック銃を突きつけた時。司令は厳しい表情から一瞬、観念したような、
或いは緊張に耐え切れなくなったような、はたまた無念の相とも言えるような複雑な微笑を
浮かべていた。直後の展開として遠く椅子まで吹き飛ばされ、深い気絶の眠りを余儀なくされた
のだが、あの刹那、彼女の心境もし覗き見ることが出来れば…以下のような思念の糸が
綴られていたに違いない、即ち、基地の全員が倒されたのは計算外だったが、最も大事な所期の
目的は果たし得た。自分は間違い無くこの女に倒されるだろう、こんな間近に銃など
突きつけられ、自分は死ぬのだろうか…いや、この女は今まで私たちデルモの命を奪ったこと
など無い筈だ、それでも私だけは許さないということか…いいや、仮にそうであってもいい。
データさえ手に入れば、デルモゲニィは再び力を取り戻せる。あとは副官に託して…と、一旦
考えを進めてはみるものの、やはり相思相愛の副官と永遠の別れだ、などと思い込めば再びの
恐怖と未練が脳裏いっぱい駆け巡る。実際のところ、余裕一切なく極限状態だったあの時の
司令。藍華たちが去り、随分たって目覚めの時を迎えて初めて、彼女は生き長らえた喜びに
会心の笑みを重ねるのである。事情を知らぬ、まだ気を失ったままの副官を優しく
抱きしめながら、司令のつぶらな瞳は、再起への固い決意に充ち満ちていた。ただ、結論から
いえば、そこまでして得た貴重なデータでありながら、それ結局デルモたちの戦闘能力強化に
向けられることなく終わる。犬吠島決戦が、この後すぐ繰り広げられたため、対応が
間に合わなかったという、いつもながらのお粗末がその原因。藍華とデルモたちとの確執は
この一戦で終焉を迎え、以降、軍事利用への道は放棄された訳だが、それでもまだ、有効な
利用法につなげるあたりが隅に置けない。藍華の強靭な体力はオルタネート・メタルとの
順応の過程で形成された細胞内特異物質の賜物。そのエッセンスを抽出した飲用カプセルは
男女問わず、人類史上最高の精力剤にして最強の催淫剤に結実した。大災害で減少した
世界人口も、この画期的発明によって、再び増加へと転じ新たな繁栄のシナリオが描かれていく
ということなのである…。

104副官:2003/07/16(水) 02:42
超初心者様
第6話の意外な解釈、感服いたします。

あの「瓶底黒デルモ」が司令と組んでの役者であったとは。
私は2ちゃんねるAIKaスレを覗くこと約2年ですが、全く初めての解釈です。
スタッフが「瓶底黒デルモ」を他のデルモとは異なる、特異な風貌キャラにした理由。
成る程と納得いたします。

ショック銃を突きつけられ、フッと微笑む司令。
諦観ではなく、寧ろ何となく「喜び」を感じさせる表情。
司令のこの不可解な笑みが何を意味するのか。
過去色々な意見がありますが、今もって決着していません。
それが「作戦成功」の表情であったとすれば、やはり司令は肝の据わった人物です。

>副官にすら、この計略を明かしてはいなかった。
私は、AIKaスレの初期、司令に意地悪な解釈をしたことがあります。
その再録をお許し下さい。

司令と副官。闘いを前につかの間の、しかし永遠にも感じる口付け。
二人の唇が離れる。放心し上気した頬の副官。
一方、その副官を見つめる司令の冷ややかな眼差し。
「どう?私のキスの味は。これで満足した?」とでも言いたげな司令。
私はここに「司令の打算」を感じます。

強敵・藍華と闘わねばならない。
ここはどうしても副官の協力が必要。
幸い、副官は自分に想いを寄せており、これを利用しない手は無い。
副官に忠誠させるため、キスの一つでもしてやるか。
どうせ減る物じゃないし・・・

以上は穿ちすぎでしょうか?
実際は、土壇場での副官の告白に流石の司令も胸キュンとなり、自分を抑えられず口付けをした。
だから闘いの後、ニナ・エスコではなく副官を抱いていたのでしょう。

>人類史上最高の精力剤にして最強の催淫剤に結実した。
ムム、これは藍華さんのアソコに麻酔をして入手したデータですネ!?
藍華さん、凄い器をお持ちです。
一度で良いから私も拝ませて欲しい。
でも、その後で首絞めか、ブッ飛ばされるか・・・

105超初心者:2003/07/16(水) 20:04
副官様
>第6話の意外な解釈
  例によって強引な展開で失礼しました〜^^;

>司令のこの不可解な笑みが何を意味するのか。
>過去色々な意見がありますが、今もって決着していません。
  私にとっては大いに気になるシーンなんです。絶対逃げられない至近距離で銃を
  突きつけられてる訳ですからねー^^

>私は、AIKaスレの初期、司令に意地悪な解釈をしたことがあります…
>…以上は穿ちすぎでしょうか?
  いえいえ、充分考えられると思います。最初は打算まじりだった思いが、愛に昇華する。
  あの時の二人は眩いばかりに純粋であったと、私は信じマス^^;

>だから闘いの後、ニナ・エスコではなく副官を抱いていたのでしょう。
  勿論、ニナ・エスコへの慈しみもあったことでしょう。けれど、副官との至高の愛の
  前には一歩譲るも止む無し、といったところですか。

>ムム、これは藍華さんのアソコに麻酔をして入手したデータですネ!?
>藍華さん、凄い器をお持ちです。
  いやー、進化したアソコってどうなってんでしょ(滝汗)
  皆様のご想像にお任せシマス^^;

 ところで、ここんとこキリ番ゲットの副官様へささやかながら記念品を、と思いまして^^
 黒デルモ「あずさ」ちゃんに目録を持たせて、副官様ご自宅まで伺わせます。その節は
 ゆっくりとお相手して頂けますようお願い申し上げますm(__)m
 (あれ、「あずさ」ちゃんは、今ぱんちーと様のお宅にいってるんでしたっけ?^^;;)

106超初心者:2003/07/16(水) 20:06
小噺その49

更に白銀基地でのエピソード。今、壁に追い詰められた黒デルモに、藍華がぴったり
張りついている。最早観念しているのか、だらんと両腕を垂らし棒立ち状態の相手ひとり
など、ほんの一撃で倒すことが出来る筈だが、即座の仕掛けを控えているのか、いつもと少し
様子が違うような。間近に寄ってみればすぐわかることだが実は二人、唇を重ねている。深く
舌を絡め合い、さながら貪り尽くすかのように。しかも、じっと受け身の相手に対し、藍華の
方は至ってきびきびとした動き。その全身を艶めかしくくねらせながら擦るまでに密着させ、
黒デルモの美しい身体を延々舐めるように味わう。二人、豊満な乳房は互いに強く、強く
押さえつけられ、衣服ごしであることなどまるで感じさせない。突出した4つの乳首が
ねっとりと絡まるさまは、それ自体意志を持っているかのような錯覚すら覚えるほどである。
胸まわりだけでなく両手は無論忙しい、左手を女の髪やうなじ、頬から胸元まで丹念に
這わせるかと思えば、右手は黒デルモの露出した太腿からせり上がるように股間へと達し、
愛らしいあの純白パンティの上をなぞらえる。敏感な蕾の突起や、むっちりと食い込んだ
一筋の谷間に分け入る藍華の指は、あくまで繊細にしてしなやかな運び。同性として、相手の
琴線に触れるコツは充分過ぎるほどに熟知している藍華である。「んん…んううぅぅ…ん…」
みるみる昇りつめていく黒デルモの口元から喘ぎが洩れるが、片時も離れないディープキスの
ために、くぐもった声ばかりが続きゆく。しばらくして、秘所の深奥より、愛の奔流勢いよく
噴出するも、極く自然な成り行きといったところ。いつしか、黒デルモはイニシャルDの
如く、ぐいと押し出した腹部を頂点とし、アーチを横にしたような全身弓なり姿勢に
なっていた。「んんんんんッ…!」押し寄せる快感に翻弄され、瞬時にイッたのであろう、
すっかり目を閉じている相手の恍惚を見定めながら、右手の先を拳に変ずる藍華。おもむろに
狙いつける先は黒デルモの下腹部である。ゆっくりと構え…そして鮮やかに突く――ドスッ
「うッ!…ん…」呻き声はほんの一瞬、今まで満たされていた女の表情にも翳りは殆どない。
それでも、相手は間違いなく深い気絶の眠りに落ちた。力を失ったその全身を、優しく
抱きかかえながら、ゆっくりと床へ横たえる。と、その傍らには同じように気を失って
横たわる黒デルモたち5名。今6人目を整然と並べたところでしゃがんだままの藍華が後ろに
声を投げる。「ハイ、次の人…」立ち上がった藍華が目にするものは行列をなす9人の
黒デルモ。おずおずと前へ進み出るひとりが消え入りそうな声で質問する。
「あの…ホントに苦しくないですか…?」答える藍華の方は、いつものようにあっさり
そのもの。「大丈夫よ。この6人を見てればわかるでしょ?悪いようにはしないわ♪」
そして又さっきと同じ、二人向かい合うあのプロセスへ。次々とイき、そして気絶する。
まるで予防接種か、診察のような段取り。15人全員が終了するのは実に1時間が経過した
あとだった。なんとも気の長い顛末。司令たちの部屋へ到達するのに、ここまでの時間を
要したとなればその後の展開にも差し障りがありそうだが、リエもまた状況把握が甘く、
加えて司令たち白デルモも藍華が姿を現わすまで悠長に待ちつづけているあたり、どこまで
いってもデルモである。だが、黒デルモたちのこの奇行は一体何か?いや、奇行と一言で
片付けては気の毒かも知れない。あの廊下で武装した青デルモたち7人があっという間に
倒されたのを見て、背後に控えていた黒デルモたちがすっかり戦意を喪失した、という事情が
あったのだから。こわばった表情の彼女たちからすれば、皆一様に、見逃して欲しい、
というのが本音だった。だが、まだデータ奪還と全員の脱出を果たしていない藍華としては、
彼女たちの気持ちはわかるものの、そのまま了承する訳にもいかない。間をとって
成立したのが、絶頂のうちに気絶させる、という選択肢だった。ところがこれはデルモたちに
とって、望外の刺激。すっかり病み付きになった彼女たちは犬吠島でも群がるように同じ
体験を切望する。あの時、警報が鳴り、司令が侵入者に気付くまでに、既に100人以上の
デルモたちが陶酔のうちに気絶の眠りについていたことなどは、まさに知る人ぞ知る
事実なのである。

107超初心者:2003/07/18(金) 22:53
小噺その50

色々なことがあったものの、平和裡に収まってみれば司令と藍華は大の仲良し。
デルモ・コーポレーションが軌道に乗り、仕事にも多少の余裕が出来るようになってからは
ふたり、週一ペースでカラオケボックスに通うほどである。そのレパートリーも中々広く、
慕情たっぷりの演歌から元ちとせ、バックストリートボーイズ、ブリトニー・スピアーズ、
tATuに至るまで何でもこい。今日もご機嫌上々にブリトニーの「Baby One More Time」で
盛上る。
…My loneliness is killing me
I must confess I still believe
When I'm not with you I lose my mind
Give me a sign
Hit me baby one more time…
ここで司令が悪戯っぽく笑う。
「Hit me baby はいいけど、もう、Knock me outはこりごりよ♪わかってる?」
藍華も爽やかな笑顔満面。「でもホントのところは
I lose my mind without your punch in my bellyなんじゃないの〜?」
横に立つ司令のお腹に軽く拳をあてる。「あぅ…」少し呻き声が洩れるのもご愛嬌。
悶絶というより悦楽の表情を湛えている司令である。これも今や、阿吽の呼吸を通り越し、
文字通り裸の付き合いをするふたりなればこそのじゃれあいか。時たま力の加減を失敗し
司令が気絶することになっても、ソファに眠る彼女に向かい延々ひとりで歌い続ける
というのだから、藍華も只々堂に入ったものというしかない。間奏の合間、気を失い半開き
となっている司令の口元へ唇を重ねる藍華。ボックスの怪しげなカクテルライトに
照らされながら、この濃厚な空間一体どこまで凝縮されるのだろうか…当の二人にも
わからない、ひと夏の一日なのである…。

108超初心者:2003/07/26(土) 19:51
小噺その51(1)

今日も仕事に打ち込む藍華。一心不乱にPCへ向かううち、早くも日はとっぷりと暮れ、
もう9時をまわっている。相田親子や道草は例によって定時退社、今静まり返ったオフィス
には、藍華の叩くキーボードの音だけがリズミカルに連なるのみ。とその時。
ピンポーン…静寂を破る玄関チャイムの音。そして再び、いや、再三。
ピンポーン・ピンポーン・ピンポーン…もううるさいわね、こんな時間に何よ、と不機嫌な
顔で席を立つ藍華。仕事が今一はかどっていないこともあって、ムシャクシャした思いを
そのまま夜間の訪問者へぶつけるつもりでいる。ガチャ。ドアを開けたところで目前の人物へ
投げる一言はしかし。「えっ!?」そこに立ち尽くしているのは、忘れもしないデルモたちの
リーダー、あの「司令」と呼ばれていた女だった。「あなた…」驚きはするが、さすがは
特A級サルベイジャー、決して取り乱すことなく、また寸分の隙もなく、眼前の白デルモを
見据えている。と、そこで司令は開口一番「ごめんなさい、突然に…」
ひょっとして犬吠島の意趣返しにやってきたのか、と内心身構えていた藍華にとっては
拍子抜けするほど殊勝な物言い。ざっと見渡したところ彼女以外に大勢のデルモたちが
潜伏している気配もなく、確かにひとりだけでやって来たのだろう、その彼女自身、只今の
姿勢として敵意は無さそうに見える。となれば戸口での立ち話も無粋なもの、大胆にして決断
早い藍華は司令を中へ迎え入れる。「こんな小さなビルだけど、私たちにとっては大変な
借金をして建てたのよ。もう、爆破するような真似は絶対しないでね」デルモたちがその
つもりなら、正面でチャイムを鳴らすようなことなどする筈がない。犬吠島の一件から半年、
その間まがりなりにも平穏が保たれている事からすれば、少しは彼女たち軟化したのか、と
一縷の期待を寄せもする。念押しめいたセリフは半ば冗談混じり、敢えて明るい顔を向けた
藍華。勧められるままソファに座った司令はしかし、強張った表情のままだった。
「どうしたの?あなたの好きな紅茶でも入れる…?」先ずはリラックスさせようと、軽く
紡ぎだす言葉を制し、ひしと藍華の両手を握り締める司令の目はこれ以上ない真剣そのもの。
「あなたしか、いないの。お願い、助けてっ…!」「ど、どうしたのッ…!?」
(とりあえず、ココまでで御座います^^;)

109副官:2003/07/26(土) 20:40
う〜ン、いい所で読み切り。
超初心者様、この続き物凄く気になります。

110超初心者:2003/07/27(日) 12:50
(2)
司令はあの白デルモのコスチュームそのままである。以前、彼女がここKKコーポレーションを
訪れた時には、藍華たちを欺きおびき寄せる為に、もっともらしい身なりをしていた。それを
思えばこの度は一切策を弄していないということ、よくよく差し迫った事情でもあるというの
だろうか。藍華が更なる疑問を投げかけるより早く、司令が堰を切ったように語りだす。
「私…あなたとの決着を諦めたわけじゃない…でも…でも…今は…助けてほしいの…」
随分虫のいいお願いだ、と突っ込むのは容易いが、白デルモの瞳に宿る必死の思いには一点の
曇りもない。藍華は穏やかな視線の内で、暫くの聞き役に徹しようと考える。
「時期がきたら、あなたと私、1対1で決着をつけるつもりだった。でも、それは決して命の
やりとりではないわ。今まであなたが、何度も闘い勝利しておきながら私たちの命を奪おうと
しなかった事…悔しいけれど、とっても感謝してる。だから…あの時、部下たちには、
もうこれ以上あなたに関わらないよう命じたの」本題に入る前の口上としては少し長い気も
するが、藍華は黙って聞いている。この半年、何事も無く普通の生活が営めたのは、この女
の命令が行き届いていたからだ、と確認出来ただけでもひとつの収穫。この先彼女が単独で
自分に勝負を挑んでくるというのなら、それもいいだろう。白銀基地での時同様、多少
苦しい目にあってもらい、再度の気絶と共に今度こそ全ての確執を洗い流してもらいたいと
願う。それより今回の用向きは何なのだ…?藍華が念ずると、これも以心伝心というべきか、
司令の言葉がいよいよの核心に入る。「実は…ニナ・エスコと、彼女の部署の仲間たちが
…さらわれたの…」「え、えぇーッ!??」思わず声が出てしまうのは仕方がない。
「どういうこと、それ…??」平素は落ち着いている司令だが、この瞬間まだ高ぶる情を
抑えきれていない、早口にここまでの顛末を乱雑に並べゆく。即ち、自分たちデルモゲニィが
犬吠島以降、デルモ・コーポレーションという会社を興し、基地にいたデルモたち全員で
懸命に働いてきたこと。ハーゲンの計画は放棄され、この地球に根ざした活動に終始している
こと。ところが昨夜未明、会社が謎の武装集団に襲われ、コントロール・ルームや
オフィスフロアで残業していたデルモたち数十人が気絶させられた、ということ。その時、
研究開発本部で働いていたニナ・エスコと助手の黒デルモたちも同様に気絶させられ、どこへ
ともなく連れ去られてしまったということ。1枚の置手紙があり、このことを警察などへ
通報すれば人質の命はない、と書かれていたことを…。(又してもココまでデス〜^^;)

111副官:2003/07/27(日) 22:23
物語の途中でお邪魔をいたします。

私は、AIKa続編が製作された場合、そのストーリーについて次の様に考えておりました。

藍華対デルモのバトル繰返しではなく、第三の敵(例えば、ラグ情報を奪還する為、
本国から秘密部隊が送られてくる)が現れ、藍華とデルモは反目しつつもある時は協力して敵に当る。
(サイド・ストーリーとしてデルモ達の百合をタップリと挿入)
最後、藍華とデルモに友情が芽生える/或いは「お互いに相容れない」と改めて確信する。
か、どうかは流れに従うとして、新展開には新たな敵の出現が必須と思っておりました。

今回「謎の存在」が現われ「流石は超初心者様」と快哉を叫んでおります。
超初心者様の続きを大いに期待しております。

112超初心者:2003/07/28(月) 19:33
(3)
ぽたり。藍華の手の甲に大粒の雫が落下する。知らず、司令の目尻には今にも溢れんばかりの
涙が浮かんでいた。すがるような思いからか、彼女は藍華の両手をぎゅっと握り締めたまま
離さない。小刻みな震えがその手を通じて伝わり、司令の窮地を如実に物語る。そんな彼女の
言葉を頭から疑いはしないが、さりとて藍華にとり腑に落ちない点が無い訳ではない。
デルモゲニィと言えば、かつては軍隊相当の組織だったのである。青デルモたちをはじめ、
今日まで引き続き武器を携帯している連中が大勢いても不思議ではない。素手の黒デルモたち
にしても、あの駐車場で屈強な男性ガードを倒す程の格闘術を身につけている筈である。
それなのに、数十人ものデルモたちがこうもあっさりと気絶させられるなどとは…。第一、
謎の武装集団とは一体何者なのだ。動機は…?次々と浮かぶ藍華の当惑を視線の内に
読み取ったのだろう、少し落ち着いてきた司令が補足の言葉を添えていく。
「これも罠だと思ってるんでしょうね…そう思われても仕方がないけれど…」そんなこと
ないわ、ただ状況がまだ良くわからないから、と慌てて返す藍華を見つめ、そうだ、この人は
一々疑ってかかるような人ではない、もっと大胆な人だったんだ、と思い出す司令。
「会社が襲われた時、私と副官はマンションに帰っていたの。だから、細かい状況は私も
わからない。気絶から目覚めた仲間の緊急連絡を受けて駆けつけたのは、もう3時間もたった
後だったのよ。それでも皆の出勤時刻にはまだ早いのが幸運だったわ。会社全体がパニックに
ならないように、他の仲間には、まだこの事を伏せてあるの」
「彼らは重武装していたらしいわ。最初に催眠ガス弾が打ち込まれ、みんな全く抵抗出来ずに
朦朧としているまま、一人残らず当て身の一撃を受けているの。あっという間のことで銃で
応射する隙もなかったらしいし。気がついたら、研究開発本部フロアの仲間たち全員が、
いなくなってた。でも、館内モニターカメラには、ニナ・エスコや部員たちが彼らに倒され、
肩に担がれて拉致される映像がはっきり残っていたわ…」
「彼らの正体はわからない。全員ガスマスクをしていたし、人数が20人くらいだったという
ことと恐らく全員男だった、ということくらいかしら。あの手際のよさは、きっとどこかの
特殊部隊なんだと思う。ただ、そこまでしか手掛かりはないの」(ココまでデス〜^^;)

113超初心者:2003/07/30(水) 18:49
4)
ひとしきり事情を語り終えたところで、もう一言を加える司令。「皇藍華を倒そうと
意気込んでる私が、こんなことまで告白することになるなんて…ホントに情けないわね…」
無理にでも口元に笑みを浮かべたのだろう、が、照れ混じりに取り繕おうとする口上とは
裏腹に、彼女の涙腺は正直だった。内奥からこみ上げる激情のままに、滝のような涙が頬を
伝う。頑強に笑顔を保ちながら、ぼろぼろとこぼれる涙のアンバランス。「う…うぅ…」
どうしても差し挟まってしまう嗚咽と共に、小さく肩を震わせている。そんな、
うつむき加減な彼女の顎にそっと触れる左手。「…?…」びっくりした表情を向けた先には、
藍華の柔和な顔がある。そのまま二人の唇接近し、深い口付けに至るもまさに自然な
成り行きというものか。「う…うう…んん…ん…」とろける程に絡み合う舌。恍惚のうちに
閉じられた目。いつ終えるとも知れぬ時の連なり、数分が数時間にも思える熱い接吻では
あろうがしかし、ここにも無情の終焉は訪れるものである。とろり。吊り橋さながら粘りつく
銀糸のアーチを描き、一旦の解除を止む無く受け入れる二人。胸の鼓動高鳴ったまま、
しばらくじっと見詰め合えば司令が僅かに微笑み、これで4度目よね、とつぶやく。
民間企業を装って副官と共にKKコーポレーションを訪れたのが1回目。白銀基地で藍華の
ショック銃を腹部に押し当てられていた刹那が2回目。犬吠島基地の崖から見おろしていた
時が3回目。こうしてお互い、まじまじと見据える瞬間を今更ながらに振り返る。それでも、
司令の顔に僅かな元気が戻りきたことを確認し、藍華もにっこり。「いいのよ、5度目6度目
があったって。私を倒すことに執念を燃やしてるんなら、これで最後じゃないんでしょう?」
「そうね…今度こそはあなたを倒す時に、ゆっくり余裕で見つめていたいわ。気絶させた
あともたっぷりとね…」(ココまでデス〜^^;)

114超初心者:2003/08/03(日) 10:33
(5)
好敵手という言葉がある。では、この白デルモをもってそう表現するのが相応しいのか…
まだ、藍華にもわからない。この先、互いの間柄がどうなっていくのか、その実さしたる
イメージすらないのである。それでも今、藍華が無言のうちに司令を見る目には、どことなく
暖かい情がこもる。そうね、責任感の強いあなたは、決して私との闘いを投げ出したり
しない。二人水入らずの勝負を挑んで、私を倒したいっていうあなたの気持ちもわかる…
気絶した私をたっぷりと見つめたいですって?はい、はい。もし私が敗れれば、あなたの
お望みのままよ。きっと眠っている私とゆっくり唇を重ねるんでしょう?……
藍華はかつて、リエの操る加速機の強大な遠心力加重で気を失ったことがある。それは当時、
同じ基地内にいた司令も周知の一件。ところが、これは彼女にとって、リエ程の満足を
もたらす展開ではなかったということか。自らの手で藍華を気絶させる。これこそが司令の
達成感につながる唯一の道なのであろう…
わかった、わかった。あなたとは何だかんだ、あったことだし。私だってみすみす倒されは
しない。でも、気のすむまで闘って、どちらかが気絶することになっても…私、あなたの
ことがやっぱり気になるの。おかしなものね…とりとめない思索のループも放っておくと、
きりがない。ここまでで一旦留め置き、司令の持ち込んだ課題の整理に着手する藍華。
「ところで、その武装集団だけど…心当たりは全くないの?ニナ・エスコたちの研究と何か
関係があるとか」「あの部門の研究はどれも優れたものだわ。でも、特別に軍事利用される
ような内容じゃないと思う」「一応聞くけど、もうラグエネルギーで地球規模の大災害を
起こす、なんてことは考えてないわよね?」「ええ、そのことは心配しないで。今私たちは
この地球に根ざした活動をしてる。確かにラグのノウハウを利用しているけれど、もっと
生産的な開発研究を通してでも、ハーゲン様の志は立派に生きると信じているの。ホントに、
地球の未来をこよなく思っていたハーゲン様だったのですもの…」再び感傷の世界に
入りそうな司令を、慌てて現実に引き戻すべく藍華の一言が飛ぶ。「ちょっと、あなたたち、
ひょっとして…ラグ・リアクターを再建したの…!?」「ええ」事も無げに返答する司令。
(ココまでデス〜^^;)

115超初心者:2003/08/04(月) 20:29
(6)
ラグ・リアクターといえば、かつてホーリー・ファックス号内に据えられ、艦の爆発と共に
消滅した筈。天才ハーゲン博士だけが実現を可能とした、人類史上初にして唯一の画期的
ユニットであった。それが、デルモたちの会社によって再建されている。恐らくは、既に
細密な構造やスペックが博士から引き継がれていた為に成し得たものだろうが、それは同時に
受け継いだ側のデルモたち、特にニナ・エスコを筆頭とする研究部門スタッフの優秀さを
示すものでもある。藍華としては今更ながら、彼女たちの科学力に対して舌を巻くところ
だが、ことラグというキーワードになると、どうしても敏感に反応してしまう。デルモたち
との闘いに自分が巻き込まれたそもそもの原因がラグ。当時から某国特務機関が執拗に
追っていたラグ…こうした今までの流れから、藍華が今回の事件と関連づけて考えるのは
至って自然な発想だったのかも知れない。「どうも、その辺に鍵がありそうね…」
「ラグのこと?私たちは軍事利用なんてしていないのよ。どうして狙われるの…?」きょとん
とした顔の司令。漸く元気になってはくれたようだが、ついでに人の良さも復活という
感じか、藍華は如何にも純朴な司令の言葉に内心苦笑を禁じ得ない。あなたたちが
軍事利用しないからといって、周囲が放っておくとは限らないじゃない。これだから、
苦労知らずのお嬢様司令官は…と思いながら、表にでる言葉には一応の気をつかう。
「ハーゲン博士は以前ラグ・エネルギーを使って、強力なビーム銃やラグ砲弾を作ったことが
あったわよね。そして、その存在は某国軍も知ってるんでしょ?ということは、今度
の一件にも連中が一枚絡むってこと、考えられるんじゃないかしら…」いつも思いつきで
話す藍華にしては珍しく当を得たセリフである。が、司令はまだ腑に落ちない様子。
「でも、侵入者たちは社内にあったラグの施設に一切手をつけていないのよ。破壊も略奪も
してないの。それに某国は、とっくにクライアントを経由してラグ・データを受け取って
いる筈でしょう?どうして今ごろになってこんなことする必要があるの?」ここにきて
司令の言にも多少の説得力がある。非軍事仕様のリアクターを盗み出したところで、武器
めいたものは作れない、とも言う。しかし、藍華の返事には何故か不思議な自信があった。
「問題なのはリアクターを作れるあなたたちの能力そのものよ。データだけあっても、
彼らの技術では肝心の兵器が完成出来ない、としたら…?」(ココまでデス〜^^;)

116超初心者:2003/08/06(水) 20:07
(7)
「そ、そんな…」動揺する司令の肩に片手を置き、藍華は顔を少し近づける。再度の接吻では
ない。ここからが大事なところと、やや声を落とし、一言ひとこと含むように語るのである。
「落ち着いて考えてみて。あなたたちのずば抜けた技術力がライバル企業の間で話題に
なるってことは確かにあるでしょう。そうした企業にはつきものの裏の顔として、産業スパイ
もどきの暗躍ぐらいする奴らがいるかも知れない。でも、20人もの大規模集団で、それも
こんなに荒っぽく仕掛けたり10人以上の人間をさらったりするなんて、どう見ても民間の
発想じゃないわ。あなただって、どこかの特殊部隊だと睨んでいるんでしょう?そうなると
残りは軍関係者ということになるわよね。それも、あなたたちの才能を既に目の当たりに
していて、今それをどうしても必要としている連中。となれば、ラグの威力を知っている
某国軍が一番怪しいと思わない…?」一気に言を進める藍華としても、勿論確たる物証は
ない。あくまで消去法に基づく推測を並べたに過ぎないとも言えようが、ただあても無く
途方に暮れるよりはマシである。聞き入る司令もうっすらと希望の光点を見出したのか、
その瞳には輝きが宿り、真っ直ぐ藍華を見つめながらこくりと頷く。
「ええ。探ってみる価値はありそうね…」
ひとたび意見が一致すれば、その後は優秀な女性同士、てきぱきと対応策をたてる二人。
司令は本国軍周辺を、藍華はクライアントの動静を密かに調べ、今回事件との関わりを着々と
あぶりだしていく。すると、程なく一つの焦点が浮かび上がった。それは南海のとある小島。
定期便など全くないこの島へ向け、最近日本から一機の自家用ジェットが飛び立ったという。
時期は丁度事件が起きた直後、しかも機の持ち主は例のクライアント筋、と嫌疑の余地は
充分。その小島近辺では更に、妙な現象が見られるという情報も飛び込んできた。この
地域では本来あり得ないオーロラ状の放電が上空に漂っていた、という噂がたったのである。
それはすぐに消え、現地目撃者の誤認だろう、とあまり問題にもされなかったようだが、
藍華や司令にとってはすぐにピンとくる。きっとラグを持ち込んだのだ。そして、秘密裏に
ラグ兵器の開発をしているに違いない…加えて、その海域に某国軍艦艇が頻繁に航行している
というネタまで仕入れたところで、二人の疑いは限りなく確信に近づく。ニナ・エスコたちは
きっとその島に囚われているんだわ…。

117超初心者:2003/08/06(水) 20:08
(8)
100%ではないにしろ、限りなくクロということになれば、自ずと司令のボルテージも
盛り上がる。ついさっきまで憔悴しきっていた人物とはとても思えない、デルモゲニィの
総力を挙げて人質を奪還するわ、と意気軒昂この上なし。と、そこで口を挟む藍華。
気持ちはわかるけど、ここは私にまかせて、と穏やかに申し出る。
「どうして!?大切な仲間なのよ。今頃なにをされてるかもわからないし、拷問を受けてる
かも知れないわ。私たちが行かなければ…」司令の反応は至極真っ当だが、ここはひとつ
冷静さも必要よ、と藍華は続ける。「警察へ通報するだけで人質の命はないってメッセージを
残しているのよね?危険な連中だわ。あなたたちが大掛かりな作戦行動にでれば、本当に
ニナ・エスコたちを殺すかも知れない。軍の特殊部隊ならやりかねないから」
「じゃあ…じゃあ、どうすればいいのっ…!?」藍華は自分のアイデアを訥々と説明した。
曰く、ハーゲン博士が某国艦隊と一戦交えた後は、デルモたちも某国軍から敵性勢力と
見なされている筈だ。それが今日まで彼女たち身辺の安全が維持されてきたのは、日本という
主権国家に身を置き合法的な会社組織になっていたということと、もう一つ大きな理由。
即ち泳がされていたのではないか、という懸念である。であれば、今回の事件で派手に
巻き返しの動きを見せれば、すぐにも彼らの知るところとなり、最悪証拠隠滅を兼ねて
口封じの挙にでるかも知れない。そう考えれば、まがりなりにもクライアントの信頼を得て
いる自分が単独で相手の懐に飛び込み、人質の身柄を確保するところから入った方がよい、
と言うのである。「でも、首尾よく潜入出来たとして、そこからどうやって脱出するの、
10数人もの仲間を連れて…」と司令。「その時こそ、オルタネート・メタルの出番だわ!
今度は私も積極的に変身する。自由に変形するメタルの壁でニナ・エスコたちを彼らの
銃砲弾から守ってあげられる。もうラグ・ビームにすら耐性が出来ているんだもの、どんな
攻撃を受けても絶対大丈夫よ♪」自信みなぎる藍華を見据え、この人ちょっと調子
良すぎるんじゃないかしら、とは思う。しかし目下のところ他に妥当な手段が思い浮かばない
のも事実。変身した藍華の威力を熟知している司令として、最終的には彼女へ全てを託す
決意固めたのであった。(ココまでデス〜^^;)

118超初心者:2003/08/07(木) 01:00
(9)
そのころ。囚われのニナ・エスコたちは鈍い重低音轟く広大な工場の一角で、巨大な装置に
向き合っていた。窓ひとつなく、そこここに種々の機器やコントロール・パネルがぎっしりと
ひしめく物々しい空間。隅に1箇所だけあるエレベーター・ホールの壁面にB9とあるところ
を見ると、地下相当に深いのであろう。彼女たちの周囲にはいかめしい軍服を着込んだ大勢の
男たち。勇壮な髭をたくわえた佐官クラスが数人、あとは皆、銃を構えた兵卒や尉官クラスが
ずらり並び立つ。何丁もの銃がデルモたちへ突きつけられており、命令一下即火を噴く状況で
あること明らか。厳戒体制にあるここは実に秘密基地以外の何ものでもなく、更に言えば
藍華や司令が目星をつけた、例の怪しい小島の地下に建造された施設そのものなのである。
あの襲撃と誘拐はやはり某国軍特殊部隊の仕業だった。クライアントの内偵によってラグ・
リアクター再建を察知した某国軍があの夜ターゲットとしたもの…それは、まさしく藍華の
読みどおり、ニナ・エスコたちの頭脳。ラグ・データは入手していたものの、その兵器開発に
必要なプロセスがどうしてもクリアできず、あの暴挙に至ったという流れもそのまんまで
ある。とはいえ、彼らも多少は巧妙だった。事件が表面化しないように、日本での殺人行為
だけはしない、と決めているように見える。仮に一企業であるデルモ・コーポレーションで
大量殺人など起こせば大事件として取り上げられ、万が一にも捜査当局に足がついたり、
或いは逆上したデルモゲニイ組織が捨て身の復讐に転じるかも知れぬと計算しているからで
あろう。それでも、社内に居合わせた全員ひとり残らず気絶させることで、デルモたちに
恐怖心を植え付け、その後の彼女たちの動きを封じる効果充分ありと踏んでいたのは
間違いない。要するに今は殺さない、ラグ兵器の開発が成就するまでは、というところで
ある。ここに連れてこられたデルモたちも、そのあたり薄々感じ取っているのか皆一様に
顔面蒼白、まだ足の震えが止まらない者も何名かいる。(ココまでデス〜^^;)

119超初心者:2003/08/07(木) 13:53
(10)
「状況はどうかね、ニナ・エスコ君…」機器に向かう白デルモへ軍幹部と思しき男が声を
かける。恰幅よく、立派な髭を誇る男。有り余る権威と自信からか、余裕しゃくしゃくの
物言いである。デルモたちがこの基地へ到着して1週間。見下したような男の言葉を
震える肩ごしに聞くニナ・エスコは懸命に堪えていた。ここに連れ込まれた当初、武器開発の
命令を当然の如く拒否したデルモたち。そこから彼女たちの苦難は始まる。といって、軍の
側もどこかのC級映画よろしく、悪逆非道を絵にかいたようなステレオタイプではない。
緩急取り混ぜ、一応説得めいたアプローチも行っている。使いようによっては、ラグは核を
上回る破壊力を持つだろう。今、世界中に核が拡散している中、今度の兵器が完成すれば、
最終的な抑止力を発揮することになる。ひいては地球の平和に役立つものなのだ、と。
それでも、聡明なニナ・エスコにとっては言い訳にも値しない。手前勝手な理屈でしょ、と
忽ちに論破されれば、軍としてお定まりの「力の行使」という代物にエスカレートする。
3日目のことだった。「どうしても協力してもらえないんじゃ、仕方がない。こんなことは
したくないんだが…」大佐と呼ばれていたその幹部は傍らの兵卒たちに向け、顎をしゃくる。
銃を突きつけられたまま別室へと移されるデルモたち全員が見たものは…ハーゲン艦以来の
お仕置きルーム!壁にはX字型の磔枠、部屋の中央に跳び箱風の木馬、その他、鞭や板切れ等
が所狭しと並び、哀れな女たちを待ち受けているのだった。ネーナの仕置きには慣れっこ
だった黒デルモたちも、いかつい男たちに囲まれた今回はさすがに縮み上がる。いわんや、
お仕置き経験のないニナ・エスコはもう心臓が飛び出るほどの恐怖に襲われていた。しかし
特殊部隊の兵士たちは無表情のまま、ひとりのデルモを選び出す。まさに典型的な見せしめの
手法、いま悲運の女は…黒デルモ”えり”。「いやああぁぁぁっ!」泣き叫んだところで
屈強な男たちに左右がっしりと掴まれれば抵抗らしい抵抗も出来ず、そのまま壁面の拘束枠に
連れていかれ、四肢目いっぱい広げた姿に固定される。と、そこで彼らが持ち出すのは藍華も
用いていた電撃棒。それを何と、女性の股間、純白パンティに覆われた深遠の花園に押し当て
ようとしているのである。「や、やめてえええぇぇっ!!!」(ココまでデス〜^^;)

120超初心者:2003/08/08(金) 11:52
(11)
黒デルモ”えり”。彼女は生来おとなしい女性だった。デルモゲニィに加わるまでは、学校でも
全然目立たないコだったと言われている。大災害で多くの会社が水没し、一家が失業苦に
あえいでいたあの時、バイト感覚でデルモを志望したクラスメート”みさき”の軽い誘いに
乗った彼女。親友ではあるが、何かとソツない”みさき”に比べ、不器用な”えり”はそれからの
順応に人知れず苦労することが多かった。格闘訓練に疲れ、ひとり、部屋の片隅で膝を組んで
涙すこともしばしば。そんな時は決まって、以前から大事にしていた一冊の本を開く。
F・バーネットの名作、小公女。両親からは充分な愛を受け心身とも健やかに成長した
彼女が、デルモゲニィの理念に共鳴しつつもある種の葛藤に悩むひと時である。
そんな彼女だから、多少格闘術を学んだところで心の内にある真面目さ、優しさは決して
失われることがなかった。組織の頂点に立つハーゲン博士は、例の調子のカリスマぶりだが、
意外にデルモ各人へ干渉することがない。一人ひとり皆、高貴な処女を保ったまま不思議な
共同生活に入り、今日に至っているデルモたち。そんな中、他の仲間たち同様”えり”の
実戦経験はここまでほろ苦いの一言に尽きる。あの地下駐車場では自らの気持ちを
奮い立たせて藍華へ向かったが、早々に廻し蹴りの一撃を食らって気絶した。しばらくして
目覚めれば待っていたのはネーナのお仕置き。壁に磔にされ、鞭打たれ、苦痛と快楽ないまぜ
なまま再び気を失う。その後、ペロロンカ・ホテルでは厨房での闘いで藍華の両足キックを
腹部に受け、これまた気絶。何度も何度も自分の不甲斐なさを嘆いた”えり”である。だが
同時に、心のどこかでこうも思っていた。どんなに非力でも一生懸命頑張る。その結果、
闘いに負けてもそれは仕方ない、と。彼女なりに全力で臨んだ闘いに、藍華の方も容赦ない
技で返していることにはなるが、”えり”の受け止め方はここでややニュアンスが異なるもの。
中々説明しづらい感覚だが、どうも当て落とされる瞬間、藍華の愛を感じているらしい。
もしその事を藍華当人に伝えれば、鼻高々でこう言うだろう、今ごろ気がついた?私だって
あなたたちの事を気遣いながら気絶してもらってるのよ、と。藍華やネーナとの間では
そんな、ほろ苦くも微かな甘さが記憶に残っていた。しかし、只今は全く状況が違う。
眼前の男たちの無機質な表情を見るにつけ、今までの自分がどんなに恵まれていたか、
この瞬間つくづく思う。手段を厭わない、どこまでも冷徹で非情な責めの前奏曲。もう私
このまま死んでしまうの?…私…わたし…まだ死にたくない…!
激しく首を振って大粒の涙を飛び散らかす黒デルモ。年若い彼女の脳裏に死の覚悟を
刻み込むとは、拷問の常といえども、あまりに酷い仕打ちと言えるだろう。(ココまでデス

121超初心者:2003/08/08(金) 18:09
(12)
”えり”に張り付いた兵士は、まずスイッチオフのまま電撃棒を、ゆっくりパンティに添える。
「や、やああぁぁッ!」泣き喚く黒デルモに構わず、そのままぐいと押し付ける男。柔らかな
秘肉を覆う真白の布地が圧力に負けて大きく陥没し、無礼極まる異物に渋々の道をあける。
そこのけとばかり侵入してくる棒のあおりで、周辺の双璧は左右に大きく拡げられ、梨界の
辺境に端座する聖なる蕾までが思わぬ刺激に福与かな膨らみを見せていること、布ごしにも
手に取るようにわかる。「あ、はああぁ…」極大の恐怖。にも拘わらず快感の炎が下半身に
着火する矛盾と屈辱。パンティの溝にずっぽり埋まる棒の先端、兵士がもう一押しすれば
彼女の処女は失われ、その証しとなる鮮血が滲むところである。が、一転。黒デルモの
局部から棒を離す。束の間の平穏にほっと一息つく女の目にはしかし、スイッチを押す兵士の
指が否応無く飛び込んでいた。「バチバチッ」「きゃああああぁッ!…」もう駄目、とばかり
あげた絶望の悲鳴だったが、次の瞬間「?」それは彼女の身体から1メートルも離れたところ
でのスパーク、これでは直接の被害など全くない、ゼロである。どういうことか不審がる
間もなく、相変わらず無表情な男はただ事務的に告げるのみ。
「今のが最小電圧だ。これをそこでやればどうなるか、わかるな?」ベタな脅しだが
黒デルモの背筋を凍りつかせるには充分過ぎるほど。「やめ…て…お、お願い…」
もう涙も枯れようとする”えり”。それこそ泣く子も黙る特殊部隊の兵士に対して、このような
哀願が効果ないことも重々わかっている。それでも今は…この言葉にすがるしかない。実際
男の言うように、あの電圧をか弱な秘所に受ければどうなるか。確かに命失うまでには
至らないだろう。けれど逆に、一時的な失禁というレベルで済むだろうか。女性にとって最も
デリケート、最も大切な部位である。赤子を授かり、そして産み落とす神聖の門。それが、
果たして無事に保たれるものなのか。この衝撃が原因で不妊症になってしまったら…!?
「い、いやっ…いや…いやあっ!!」”えり”は必死で首を振っている。(ココまでデス^^;)

122超初心者:2003/08/09(土) 08:54
(13)
絶望の悲鳴をあげている彼女を他のデルモたち、とりわけニナ・エスコが平然と見据えて
いられるわけがない。やめて、やめさせて!と傍らの大佐に訴える。当然わざとであろう、
聞こえぬふりをする男に、涙目のまま何度も繰り返す白デルモ。すると大佐は、おもむろに
顔を向け、悠然と返すのである。「それは君次第だよ。だが、部下のひとりくらいで、
そんなにムキになるかねえ」嘲け笑うような男の言葉に、内心は怒髪天をつくニナ・エスコ。
それでも、ぎりぎりのところで感情を押し殺し、控えめな口調で願い出る。「私たちはもう
平和に暮らしているのです。だから、彼女をこれ以上責めないでください。お願いします…」
フフン、と鼻をならす大佐の口からは、ここで少し長めのセリフが付け加わる。
「今は平和に暮らしている、か。結構なご挨拶だが、じゃあかつての海戦で我が軍の艦船を
破壊し千名以上にのぼる将兵の命を奪ったことはどうなのかな?忘れたとは言わせないぞ。
それを考えれば、今の君たちに、とやかく注文を出す自由も権利もない筈だがね」
「そのことは…不幸なことだったと思います。でも、先に砲撃してきたのは…」
「そっち、といいたいのか。成る程、ひとたび戦争行為になればそれなりの条約規定が
あるからねえ。国際法上では、君たちを一方的に断罪する訳にもいかんだろう。だが…
生憎ここは法廷ではない。君が協力するかしないか、それであの女の命運が決まるだけ
なのだよ…」表向き穏やかな二人の会話を、他の黒デルモたちは、ひたすら固唾を呑んで
見つめている。彼女たちも絶対の苦境に立たされている友を救いたい気持ちはやまやま、
しかし、銘々に冷たい銃口が突きつけられている現状では身動きすることもかなわない。
一方、この部屋にいる数十人の兵士たちがすべからく戦闘マシーンのような鉄面皮で
占められているかといえば、必ずしもそう言い切れないあたりが人間らしいところ。
ひとり、部屋の隅に不動の直立をする若い兵士は、緊張の面持ちながらその眼差しに逆巻く
ような葛藤を抱えていた。基地へ連行されてきてからこの三日間、工場設備の前に
引き出される以外は一人ひとり独房に収容されていたデルモたち。兵士が一人ずつ個々の独房
を警備監視する役回りを与えられ、その中で彼は”えり”の房を受け持っていたという訳で
ある。最初のうちは警戒怠らなかった彼も、二言三言ことばを交わすうち彼女の人と生りが
少しずつ見えてくる。情が移ると言ってしまえばそれまでだろう、が、彼の目に映る”えり”は
決して凶悪な罪人ではない、あくまで普通の、どこにでもいる若い女性そのもの。彼女が
徒党を組んで犯罪行為に走るとはどう考えてもイメージ出来ないのである。
むしろ大人しく気心の優しい女の子ではないか、このコが果たしてあの砲撃戦に加わって
いたのか?どうにもこうにも信じられないし、彼の思惑を置いて、実際の事実関係から
みても彼女はシロ。ニナ・エスコが言うように、最初口火を切ったのは某国軍の方で
あったし、あの時ラグ・シールドが為されていなければ逆に彼女たち全員が海の藻屑と消えて
いただろう。また、応射した責任は当然、命令したハーゲン博士が負うべきものである。
つまり、あの一件でデルモたちに軽微な罪はあっても、苛酷な拷問をもって償うほどの重大性
はない。そのあたりが、直感とはいえ彼の心臓を締め付ける。”えり”…許してくれ…。

123超初心者:2003/08/09(土) 08:55
(14)
大佐とニナ・エスコの会話は続いている。「…ラグ照射の件は私たちの思い上がりでした。
そのことで裁きを受けるというなら、どこへでも出向きます。でも、それはこんな形で
あなたたちに協力することじゃありません。そもそもハーゲン様は、ラグを核以上の
最終兵器に仕立て上げ互いに殺し合い、地球を破壊する人間たちへの反感から、あの計画を
立案されたのです。今あなたたちがやろうとしていることは、あの時の私たちと同じでは
ありませんか…」聞き入る素振りの大佐は相変わらずの余裕だが、心の内ではこの娘、中々
頭が切れるわい、と小憎らしい思い。確かにこの女の言うとおり、軍として暴走する力の専横
は随所に見られると自認する。ラグの独占入手を図ったのは、勿論世界の中での軍事的優位を
狙う為。抑止力などと言ってはみたものの、大災害によるダメージで各国の利害がますます
激突する今日ではそんなもの飾り程度でしかない。正義など勝てば官軍の世界、要は
軍事的勝利だけが確かな正義なのだ、と。また当初、軍内部で開発メンバーの中心に
据えていたハーゲン博士を実は最初から信用せず、藍華にとってのクライアント、即ち別系統
の特務機関にラグ探索を命ずる二股膏薬からは、モラルなどまるで無視、目的の為には一切
手段を問わない軍の非情な体質が浮かび上がる。ハーゲン艦に送り込んだメイピアのことも
そう。いざとなったら簡単に切り捨てる冷酷さもあの時本国司令部にいた大佐の良く知る
ところである。クライアントがガストたちに、藍華やりおん共々宇宙戦艦を破壊をする旨
言い放ったのも、そうした軍の姿勢を如実に表わしているものといえよう。
ふ…この小娘の言うとおりだ…だが、それがどうしたというのだ。不敵な笑みを浮かべる
大佐が漸くに沈黙を破る。
「さてと、君との議論もここまでだ。そろそろ時間だよ。返事はどうなのかね…?」
言いながら、大佐は”えり”の側にいる兵士の方へ顔を向ける。「私が三つ数えたら、やれ」
「はっ。大佐殿」再び電撃棒を近づけようとする仕草に”えり”は半狂乱。どうして、どうして
なのッ…こんな…これは…ゆ、夢だわああっ!!錯綜する疑問。現実逃避の幻想夢想。今や
彼女の肉体だけが、ありのままを物理的に受け入れる刹那である。
「えりっっ!」「えりィィィ!!」秒読みの中で口々に声を振り絞る黒デルモたちは”えり”の
方へ足踏み出そうとするが、ピタリ胸元に押し当てられた銃口に妨げられ、無念の棒立ち。
やめてください!を必死に繰り返すニナ・エスコの訴えを見て、自分も白銀基地の階段で
同じ言葉を口にした記憶がある、と気付くような余裕は、今の黒デルモにもさらさらない。

124超初心者:2003/08/09(土) 19:13
(15)
そのニナ・エスコも、やめてください、の次に「やるなら私を責めて」と言い切れないのが
今一迫力不足。正直なところ、こんな修羅場に慣れていない彼女としては、恐怖に
押し潰されまいと堪えるのがやっとということか。”えり”の身代わりを自ら申し出る勇気は
残念ながら持ち合わせていなかった。勿論頭の中では、大切な仲間を救おうという気持ちに
偽りなく、自分が進んで身を投げ出そうとも思う。が、身体が、足が、口が…言うことを
きかない。こんな自分が、本当にもどかしい。情けない。無為な涙だけがぼろぼろと頬を
伝う…大丈夫よ、”えり”。彼らは命まで取らないし、きっと大きな怪我も負わせはしないわ。
だってそうでしょう?あなたも同じ研究開発チームの一員なんですもの。あなたにもしもの
事があったら連中だって困る筈じゃない…胸の奥で唱えながら、じゃあ何故自分が前へ
進み出ない、と責める内奥の声があがる。そんな言い訳でごまかすのか、その楽観に何の
保証がある。そうやって自分を無理やり納得させようとしたところで、見殺しにしている
お前の姿は醜悪以外の何ものでもない…と。そんな白デルモの極まる苦悩などまるで
お構いなく、秒読みは最終段階へ。「さあーーーーー……」伸ばす音が「ん」まで来た
ところで、黒デルモのパンティにあてられている電撃棒のスイッチが入るのは間違いない。
「いやああああああぁぁぁぁぁ……」声枯れるまで止め処なく続く”えり”の悲鳴。
見守るデルモたち全員、そして部屋の片隅に立つあの若い兵士までが張り裂けるような思いの
まま、この理不尽に引きずり込まれようとしていた。秒は既に切っていたコンマのかけらで
ある。と、限界の際まさにぎりぎりの瞬間。「わかりましたッ。協力します!」早口に、
しかしはっきりと大きな声量で放たれるニナ・エスコの返事。大佐は間髪おかず片手を挙げ
彼を凝視していた実行役の兵士も即座にスイッチから指を離す。黒デルモにとって最悪の
危機は回避されたようにも見える。が、彼女は既に放心状態だった。何度も突きつけられる
電撃棒の暴虐に、神経が参ってしまったのである。ぽた、ぽた、ぽたっ…股間を覆うパンティ
からしみ出す生暖かい液体が、真下の床へ規則正しい水滴となって落下する。
涎も流れ出す半開きの口に虚ろな目。いや、彼女の尊厳の為に付け加えれば、決して精神に
異常をきたしたわけではない。ただ、この時点では自らの代謝を律する気構えが一時的にせよ
削がれたということ。乙女として恥ずかしく思う心も暫時棚上げである。(ココまでデス^^)

125超初心者:2003/08/10(日) 11:26
(16)
究極の選択に、断腸の思いで服従の意を表わしたニナ・エスコ。白デルモは、全身の力が
抜け、へなへなと床へへたり込む。見下ろす格好の大佐は、勝ち誇った顔で自慢の髭を
なぞるのである。「やっとわかってくれたようだね。私も一応フェミニストなんだ。あんな
無粋な道具、使わずに済めばそれに越したことはない。だがね…」「まだ何かあるの?いう
こと聞いたじゃない!?」下からキッと見据える白デルモに対して、大佐の方は含み笑い。
「最初から快諾してくれれば、こんな手の込んだ事はしなくてもよかったのだよ。貴重な時間
と労力を消費したんだ、その利息分くらい、あのコにも払えるだろう…」何をするの!という
ニナ・エスコの叫びと大佐の合図が同時だった。−−ドスッ「うッ…!」”えり”の腹部に沈む
兵士の拳。電撃棒を持っていない左腕をストレートに突き込んでいる。短い呻きと共に女は
一瞬虚空を仰ぎ、そのままがっくりと頭を垂れる。そこからはぴくりとも動かなくなった
状況から、兵士の当て身が彼女を深い気絶へ突き落とすに充分な一撃であったことがわかる。
慄然とした表情のまま凍りつくデルモたちに向け、あくまで淡々とした物言いの大佐。
「さあ、これでショーは終わりだ。あの女だけは少し休んでもらうとして、残りの君たちは
早速開発に携わってもらう。一緒に来たまえ」有無をいわさず装置のある部屋へデルモたちを
引っ張っていく兵士将校の一団が去ったあと、お仕置きの部屋には磔枠に固定されたままの
黒デルモとあの若い兵士ひとりが残された。担当の見張りとして、この女を独房へ連れていく
よう命じられたためである。しかし、それは彼にとって願ってもないこと。自分でも整理の
つかない、何か込み上げるような気持ちを”えり”に対して抱いていた彼は、まるで壊れやすい
ガラス細工でも扱うような慎重さで彼女を拘束枠から外すと、力を失った女の全身を包み込む
ように抱きしめる。更にお姫様だっこの格好で独房まで運び、優しくベッドに横たえた後は
至近に同僚がいないのを幸い、そっと彼女の頬に手を添えるのである。透き通った白い肌。
どこか幼さを残す顔立ちながら、立派に成長した体型とのアンバランス。眩しすぎる純白
パンティのふっくらした隆起からは健康的な女性のエロスが尽きることなく放出されている。
無論この時点で兵士の下半身は固まっていた。がしかし。彼の理性はこう告げる。
デルモゲニィは女だけの組織だと聞く。何日か、この女と話した中でも確かにハーゲン以外の
男の存在は感じられなかった。いや、そのハーゲンとも交わったことなどない、と彼女は
はっきり言っている。そう、”えり”は処女なのだ。男のひとりも知らず、女としてもすこぶる
非力なまま…それでも懸命に彼女たちの世界を生き抜こうとしている。そんな健気さを
目の当たりにして、それでも尚、己の肉欲に供することを強いるのか…答えはすぐに出る。
何も、怒張した自分を恥に思うことはない。この娘は充分魅力的だ。いつか、こんな任務や
経緯でなければ、心の底から愛し合える機会があるかも知れぬではないか。その時こそ晴れて
互いの全てを投げ出し、睦みとろけ合う楽園に身を置くことができる筈である。
今は「その」時でない…これが答え。これでいい。彼は窮屈な下半身を抱えながら上体
ゆっくり折り曲げると、静かに唇を重ねる。しどけなく、而して汚れひとつなく眠れる
美女との、この口づけが永遠の時にも思えるほどに…。(ココまでデス^^;)

126超初心者:2003/08/10(日) 17:50
(17)
ブウゥーン…重苦しい機械音が、足元から伝わってくる。機器をチェックしている背中ごしに
大佐から作業進捗を問う声が投げつけられ、いま静かに返事をするニナ・エスコである。
「ラグの応用技術はそんな簡単に開発できるものではないんです。あなたたちの目的に
沿うよう、ちゃんとやっていますから…」無用な会話をする暇などないとばかり、他の
仲間たちと一緒に黙々と仕事をこなす白デルモ。しかし、彼女は4日前のあのことを片時も
忘れたことがない。可哀想な”えり”。どんなに苦しかったろう。どんなに悔しかったろう、
そして、どんなに恥ずかしかったろう…
結果として彼女は無事にみんなと合流できた。当て身の痣がしばらく残りはしたが、他は
どこといって怪我をしたわけでもない。けれども、あの苛酷な責めの記憶はそう容易く拭える
ものではない筈だ。”えり”…遠くで別の作業に取り組んでいる彼女の後姿を見やりながら、
必ずここから脱出してみせる、必ずみんなを助け出すのだ、とますますの意を固めるので
ある。しかし大勢の兵士たちに24時間体制で監視されている現状では、正面突破など全く
無理。そこで利発なニナ・エスコは、先ず冷静に周囲を分析することから始める。その上で
彼女が第一に手をつけたのは、目立たない程度のサボタージュ。これで少しずつ時間を稼ぎ、
脱出のチャンスを窺う。用済みになれば消されるかも知れないとの懸念があれば、尚更必要な
ステップである。次に目をつけたのは通信システム。ラグ・ユニット作業の一環と称して
何らかのデータ授受が必要と訴え、そのどさくさに紛れてこの装置の存在と自分たちが
捕らわれていることを送信する。高度な暗号であれば万一基地の人間に傍受されても解読に
相当の時間がかかるだろう。送り先は…デルモ・コーポレーション。もし自分たちの身に
何かあれば、この事実が会社を通して世界に公表される段取りなのだとする、定番の安全保障
手段である。三つ目は、回路の毀弱化、骨抜きとも言うだろう。こんな兵器が完成した暁には
間違いなく多くの人命が失われる。せめて量産できないよう、製造ユニットの心臓部回路は
すぐにダウンするような微細な仕掛けを施すというものである。が、サボタージュはともかく
後者二つの工作は決して順調に進むものではない。結論から言えば、通信システムの件は
失敗に終わった。厳しい監視の目もさることながら、システムそのものに強力なセキュリティ
がかかっていたからである。こうなれば、武器の完成までおとなしくしているしかないのか…
暗澹たる思いに傾きかけていた白デルモの鼻先に、大佐のむさ苦しい顔がにじり寄る。
「今日はひとついいニュースがある。今、日本の支部から連絡があってね。ひとり、美しい
レディが明日こちらに来るそうだ」「…レディ…?」怪訝な顔をする女に、もって回った
表現で翻弄を楽しもうとする男。「そう、君たちの良く知っている女性だ。名は…すめらぎ…
えーと、下は何だったかな…」「ま、まさか皇藍華っ…!?」「そう、それだよ。君たちを
完膚なきまでに打ちのめした女だ。さぞ懐かしいだろう?わはははッ!」

127超初心者:2003/08/12(火) 18:59
(18)
大佐の高笑いをよそに、ニナ・エスコの脳裏はぐるぐると回り始める。皇藍華…あの因縁の
宿敵。白銀基地で容赦ないエルボーを自分の腹に叩き込んだ憎っくき女。ではありながら、
司令が涙をのんで引き下がった犬吠島の闘い以降は、彼女も司令の命に従い、藍華との
関わりを一貫して避けてきた。ところが車で2時間の距離にあるKKコーポレーションと
デルモ・コーポレーションである、物理的には不測の遭遇も考えられないものではない。
実際、とあるショッピングセンターで見かけた経験のあるニナ・エスコ。遠くの商品棚で
和風かつおだし調味料の品定めをしている藍華の姿が目に入ったとき、彼女は咄嗟に
山積みされていた特売コーナーの陰に身を隠した。お蔭で店員から怪しまれ、買う気も
なかったコシヒカリ5kgパックを購入するはめになった白デルモは、帰路重い買い物袋に
四苦八苦しながら一層の屈辱にまみれたものである。その藍華が一体なぜ、どうして
ここまでやって来るというのだ!?ありありと浮かぶ疑問の相に大佐もすぐ気がついたと
見える、愉快でならないといった調子で饒舌に走るのである。「不思議そうだねえ。いや、
実は私も驚いているのだよ。彼女は以前、ラグ・データ入手の件で我々の為に働いてもらった
繋がりがあるから、知らない訳ではないのだがね。今回の訪問はひょんなことから実現した
ようだ…」ぶすっとしたままの白デルモなど気にもかけず、上機嫌の言葉が並びゆく。
「なんでも彼女の方から我が日本支部へ、新たな仕事を求めてアプローチがあったらしい。
前回の仕事では結構な報酬を手にしているからな、ラグ絡みの仕事は金になると
踏んだのだろう。こっちもこの施設にはもっと多くのラグを必要としているところだから、
優秀な特A級サルベイジャーの腕は大いに借りたい、いわば渡りに舟、というわけだ。
そこで先ずは、こちらの状況をミス藍華に見てもらおう、ということになったのだよ」
何の仕事かよく調べもしないで安請け合いするなんて、藍華って女は!それが自分たちを
救出するための方便だなどとは露知らず、節操の無さに呆れ果てるニナ・エスコ。
思わず質問の一言を差し挟む。「私たちがここに囚われていること、あの女は
知ってるのッ!?」

128超初心者:2003/08/12(火) 20:23
(19)
ここで、ますます上気する大佐。「わっはっは!囚われ、とは随分だな。はっきり協力すると
言ったんじゃなかったのかね?だが、まあいい。一応ミス藍華にはここに到着するまで
君たちのことを秘密にしておこうと思ったんだが、支部の連中がつい口をすべらして
しまってね。そうしたら彼女なんて言ったと思う!?」ニヤついている男が用意している
言葉が何なのか、おおよその想像はつく。ここではそんなこと尋ねる気にもならない不遇な
女の神経を、好んで逆撫でする大佐である。
「いい気味だ、もっともっとお仕置きを受けさせればよい、だと!頼もしいじゃないか、え?
なんなら私がお仕置きの手伝いでもしましょうか、とまで言ってくれている。君たちも
久しぶりにミス藍華の責めを受けてみてはどうかな?私も今から楽しみだ」…聞きながら
際限なく落ち込む白デルモ。これでは脱出など到底覚束ない。やはり悪いことは重なるもの
なのか、と思いつめるうち、ズキン、と腹部に鈍痛が走る。藍華の強烈な一撃によって苦しい
気絶に追いやられたあの時のことがまざまざと思い起こされ、精神的なストレスとなって
神経を刺激するのである。あの女は犬吠島での勝利に飽きたらず、まだ我々を苛むつもり
なのか。何度も何度も気絶させ、我々デルモの身体を蹂躙し尽くそうというのか…。
ここから先は大佐とどんな会話を交わしたか、まるで記憶がないニナ・エスコ。聡明な彼女
らしからぬ、というのはこの場合酷だろう、失意のあまり茫とした意識を引き摺りながら
ただ立ち尽くしていたに過ぎなかったのだから。
…それでも時間はどんどん進む。どんな一日でも長さはぴたり同じ、明日という日は確実に
訪れるものである。仲間の黒デルモたちにこの事を内緒にしていたニナ・エスコは、ひとり
独房の中でまんじりともせずに一夜をあかす。それはそうだろう、藍華がやってくる、それも
軍への協力者として、などと仲間たちへ言えるわけがない。今まで一縷の希望にすがり懸命に
支えあってきた者たちを絶望のどん底に突き落とすようなものである。次の日、再び
ラグ・ユニットの前に立った白デルモは睡眠不足など吹き飛ばす凛とした姿勢で、くだんの
女を待ち構えていた。せめて誇り高いデルモゲニィらしく、毅然とした態度で対峙しようと
悲壮な意を固めていたからである。(ココまでデス^^;)

129超初心者:2003/08/13(水) 23:37
(20)
四六時中こうこうとした照明が灯る地下施設。つい時間の感覚もなくなりそうだが、パネルの
ところどころにあるデジタル表示によって精度だけはやたら細かい現在時刻を知るところと
なる。いま午後2時11分38秒64。遂に来てしまうその時。あながち傲慢とは
言い切れないが、充分に慇懃無礼な大佐の声が響きわたる。
「諸君、今日は素晴らしいお客様をお迎えする。といっても君たちがよく知る人物だから
感動の再会、と言った方がよいかな…?紹介しよう、皇藍華さんだ!」
紹介を受けて男の広い肩幅の後ろから姿を現した女、見慣れた真紅のスーツに颯爽と身を
包んだ女…それは今更見紛う筈がない、デルモたちにとって決して忘れようもない皇藍華
その人である。大勢の兵士たちに銃を向けられ、整列させられているデルモたちをゆっくり
見渡し、おもむろに口を開く藍華。「お久しぶりね、あなたたち…」賓客扱いで悠然と現れた
宿敵に、デルモたち皆一様、刺すような視線を投げる。それでも冷静に観察すれば、藍華が
厭味な素振りでなく、その眼差しにも大佐たちに気づかれぬ程の密かな温かみを忍ばせていた
ことが伝わるのだろうが、苦境にあったデルモたちにはそんな微妙なニュアンスまで理解する
余裕など全くない。そんな中ひとりのデルモが一歩前へ進み出る。寝不足で充血している目を
かっと見開きながら決然と気丈な一言を放つニナ・エスコである。「こんなところまで、
一体なんの用なの!?」挑むような白デルモに対し、あっさりかわす藍華流。
「あら、仕事よ♪」この返事に、じっと堪えてきたニナ・エスコの血は一気に逆巻いた。
「仕事ですって!?ここで何が行われてるか分かってるの?核以上に最悪な殺人兵器が
作られているのよ!お前は、ハーゲン様のご計画をぶち壊しておきながら、こっちの企みには
手を貸すというの!?」最早ありきたりの言葉だけでは収まらないのか、いよいよ自分の
激情を抑えられなくなったのか…それは余りに突然のことだった。脱兎の如く藍華の前へ
駆け寄ると、その胸倉をぐいとつかむ白デルモ。兵士が制止する間もないまさに一瞬である。
「皇藍華!お前は私たちを散々に苦しめた。ここにいる仲間たちは皆、お前に手ひどく
痛めつけられ一度ならず気絶させられた者ばかりだわ。私も…あの時、お前の肘うちで
どれだけ苦しい思いをしたことか。戦意を失った者相手でも容赦なく当て落とし気絶させる
なんて、なんてひどい女かしらと思った。でも今はそんなことどうでもいいくらいに感じる。
今のお前は…サイッテーの最低よっ!!」

130黒デルモえり:2003/08/16(土) 00:33
早く続きを読みたいですっ!
超初心者さんがんばってください。

131超初心者:2003/08/16(土) 11:22
>130黒デルモえりさん
 黒デルモさん直々にリクエストいただけるとは光栄デスね。
 ”えり”さんは元気にデルモしてますか、変な男につかまったりしてませんか(笑)
 このストーリーも、全然小噺じゃなくなってしまいましたが、そろそろ
 収束に向けていきます。今回作では”えり”さんに辛い思いをさせてしまいましたが
 まあ、超初心者の考えそうなラストは大体おわかりでしょう。では、↓にて
 (21)のみアップしますデス〜^^

132超初心者:2003/08/16(土) 11:24
(21)
口汚く罵っているようでも、そのつぶらな瞳からは澄んだ涙がぼろぼろこぼれだしている。
日頃の可憐な顔だちからは、ここまでに感情を剥き出しにするニナ・エスコなど想像も
出来ない、それくらい、今の彼女は憤怒と悔しさを顔面いっぱいに曝け出していた。藍華の
胸倉を掴み、その上体を揺する両手。しかし白デルモ中、最も非力とされる脆弱な腕では
如何せん、ほんの僅か藍華のスーツに皺が寄る程度。わなわなと震える手を通して、自分の
煮えたぎる思いを伝えるのが精一杯である。一方、藍華の方も纏わりつく手を払いのけるなど
容易であろうに、自らの両手はだらんと下ろしニナ・エスコにされるがままの棒立ち状態。
大佐までが、女に駆け寄ろうとする兵士たちを抑え、高みの見物を決め込んでいる。
「こんな…お前が、こんな人だったなんて…」少したつと怒りを通り越して情けない、という
気持ちに転じるのか、藍華のスーツを握り締めたまま溢れる涙を拭おうともしない白デルモ。
彼女の目尻から放たれた涙の飛沫はスコールの如く藍華の上着に降りかかる。たっぷり水分を
吸って、その真紅が一段と鮮やかな深みを帯びたところで、藍華はおもむろに口を開くので
ある。「さあ、今度は私の番ということでいいかしら、大佐?」途中から急遽自分に
投げられた言葉に一瞬慌てるものの、男の上機嫌は変わらない。いよいよ藍華がデルモたちを
打ち倒すシーン到来か、と期待十分である。「いいとも、君の好きなように
やってくれたまえ。但し、まだ働いてもらう女たちなのでね、多少そのあたりの加減は
してやってほしい」「ええ♪わかってますわ。では大佐、例のお部屋を使わせて
いただけません?」例の部屋…その一言にニナ・エスコの背筋が凍りつく。藍華は既に
あの部屋の存在を知っているというのか。まあ、そうだろう、こんな連中を雇い主と
仰ぐような最低の女だ、この時点で意気投合していたとしても不思議ではない。白デルモの
脳裏には、自分たちが拘束具に固定され藍華の責めを受ける光景がありありと浮かぶ。
「さぞ、いい気味でしょう!せいぜい私たちを弄ぶがいいわ。このことは決して忘れない。
きっといつの日か…」再び激高しようとする女の言葉を今度は威圧するように遮る藍華。
「うるさいわね!確かに忘れらない思い出を作ってあげるわよ!」と、くるり大佐の方へ
顔を向け一転の微笑。「大佐はどうぞ自室でお休みになって。このコたちには、ちょっと
時間がかかりそうですから…」ニヤつく男も異存はないと見え、小さく肯くと兵士たちに
デルモたちを連れていくよう命じる。藍華に取りついていた白デルモも屈強な兵士たちに
よって荒々しく引き離され、胸張り裂けそうな程に無念の表情を湛える彼女を藍華は
じっと見据えることになる。自分が今ふっと隙間見せるこの寂しげな目に、眼前の女が
気付いてくれれば、と思うは一瞬、遠く戸口に立つ大佐の声が無遠慮に割り込んでくる。
「お言葉に甘えて、私は失礼する。だが後で、そっちの部屋へもお邪魔するよ、ミス藍華の
責めが最高にノッているころを見計らってね。いい眺めだろうねえ、フッフッフッ…」

133超初心者:2003/08/16(土) 20:07
(22)
このお仕置きマニアのスケベジジイ、と内心に呟くのは簡単だが、不思議なところで
大人びた藍華はこの場を同時に俯瞰するかのような、いくつかの思念を走らせている。
次元も視点も異なる発想をパラレルに進行させる。一体何を考えているのかと、その心中
覗き見れば先ず第一は大佐の性格について。と言って、お仕置き好きだのスケベだのと
いう事をいつまでもとやかく云々するつもりはない。男なんて大なり小なりその手の
嗜好は持っているものだろうし、言ってしまえば男と女の間で色んなドラマは付きものだ、
くらいにさっぱり割り切るあたりが、藍華らしいところ。彼だって突き詰めて見れば
異常人格者の類というより、むしろ極くありきたりの人間のようにも思える。だが、問題は
そこにあるのではない。これから自分はこの男を出し抜くのである、その時裏切られた
怒りに燃えてこの男がどう豹変するか、どういう対抗手段をとってくるか、そして
どこまで冷静沈着でいられるか。藍華にとって当面の鍵を握るこの男が、デルモ司令の
ようにあっさり引き下がればよし、逆に蛇のような執念深さの持ち主だと閉口してしまう。
彼女の直感は前者だった。さして根拠はない、ただ相手が職業軍人だから、という程度の
ものなのだが…。第二は島の飛行場格納庫で待機している司令の首尾について。今回の
作戦のために、クライアントのものとは違うもう一機のチャーター機を脱出用として密かに
手配している筈である。変装して事前にこの島へ潜り込んでいる彼女がうまくやってくれて
いれば、と願う。第三は、ニナ・エスコほか囚われのデルモたちのこと。軍を欺くため
とはいえ、現段階では彼女たちの怒りや恨みを買いっぱなしの状態にある。お仕置きルーム
へ入ってから手間をとらずにデルモたちの理解と協力を取りつけねばあとあと面倒。どういう
言い方がいいかしら、あなたたちのこと愛してるのよ、いや、それも変かなあ、と、細かくも
どうでもいいような妄想にふける。そして第四、第五以下は、もうそれこそどうして今
そんな事を考えるのか、というような些末なネタばかり。日本に帰ってから、この一件を
内緒にしていた皆への埋め合わせ何がいいかしら、サルベージ作業を休んだ穴をどう
埋めよう、あとでデルモ・コーポレーションへいくら請求しようか、等々…極めつけは、日本
帰国日の晩御飯のおかずは、とくるから彼女の守備範囲の広さには全く驚かされるしかない。

134超初心者:2003/08/17(日) 14:03
(23)
大佐と別れ、デルモたちを連行する兵士たちと共に「例の部屋」へ入った藍華。話には聞いて
いたが実際足を踏み入れてみると、さすが軍の特殊部隊というところか、壁面にずらり設置
されている拘束枠や手枷足枷、大小様々な責め具のラインナップに改めて目を見張る。
白デルモ1人と黒デルモ11人。都合12人全員の四肢を手馴れた仕草で壁の磔枠につないで
いく兵士たち。程なく作業終了した男たちをねぎらいながら、藍華としては最後に付け加える
一言を忘れない。「ここから先は私ひとりで充分ですわ。皆さんは暫く部屋の外でお待ち
下さい。大佐がお見えになる時、ご一緒にどうぞ♪」兵士たちの方も否応はない。一番
オイシイ部分は大佐と共に拝めるのだと思えば、想像しただけで涎を垂らす輩もいる始末。
勿論あの”えり”を介抱した若い兵士だけは複雑な思いを引き摺っていた。デルモたちへの、
特に”えり”への責めが軽微で済むよう藍華へ請い願う言葉が喉元まで出掛かっている。
しかし、他の兵士たちの前でそのようなこと口に出せる訳もない、女の力なら知れている
だろう、と無理やり自分を納得させながら、仲間たちと共に部屋を出たのだった。
そして残ったのは女たちばかり−−戸口のドアが閉まればここは完璧な防音空間、声を
あげようが外に洩れることはない。多くの黒デルモたちは絶望に打ちひしがれ意気消沈して
いるが、さっき藍華に掴みかかったニナ・エスコだけはまだ凛とした視線を貫いていた。
藍華として、この冒頭やはり甘受せねばならないだろう、と想定していた叱責の言葉が
口角泡を飛ばす勢いで降りかかる。「こんなことして、あなたって人は…人でなしっ!
あんな男たちのお先棒かついでいい気になって!恥ずかしくないの!?」矢のように
突き刺さる言葉を避けようともせず、ずんずん進み出、真っ直ぐ白デルモの前に立つ藍華。
今回最初の餌食は自分か、と身構えるニナ・エスコは、あの白銀基地を思い出し再び全身の
震えに見舞われていた。足がすくんで立てなかったあの時の私。見逃して、という声も出せ
ないほど怯えきっていた。それなのにこの女は…。無抵抗だった私を膝の上でねじ伏せて。
それだけじゃない…あんなに柔らかいお腹に肘打ちだなんて。か弱い女性の腹部なのよ。
そこを一突きされて…。もう言葉に言い表せないくらい苦しくて。気を失って意識が完全に
途切れるまで、ずっとその苦しみは続いてた。それをもう一度やろうというのか。身動き
ひとつ出来ないこの私を?そんな、そんなあ…加速度的に膨張する恐怖の重圧。部下の
黒デルモたちへの体面など一向構わず「い…」いやあああああぁぁぁ!!、と長く轟く
彼女ならではの悲鳴が発せられる、まさに寸前である。

135超初心者:2003/08/17(日) 18:48
(24)
「ねえ、この鍵でいいのよねえ?」「…?…」顔ひきつらせ半ば目を閉じていたニナ・エスコ
には即座にのみ込めない一言。うっすらと目を開ける彼女が見るものは、自分の手を固定して
いる金具に小さな鍵を近づけている藍華の手指である。この女、私だけ部屋の中央へ
引っ張り出して、部下たちの前で大恥かかせるつもりなんだわ、と根強い勘ぐりは働くが、
とりあえず予定されていた悲鳴だけは引っ込んだらしい。一方、黙々と白デルモの枷を
外してゆく藍華の方も、ふと頭を横切るのが彼女同様白銀基地での出来事。今も生々しく
記憶に留まっているのは司令と副官が繰り出したシンクロ・キックの壮烈さ、あの時は自分も
結構痛い目にあっていた、と。気を抜く余裕など全くない、真剣そのものだった闘い。
相手は全力で立ち向かい、こちらも全力で応えた。条件はイーブンではないか。いや、人数的
には3対1だった筈だ。泣き叫んでいたこの女を当て落としたのも、あの場の成り行きという
ものではなかったか。少なくとも一方的に恨まれる筋合いではないと思う。なのに、ディスク
を粉砕しリエが「ばかあ〜!」と泣きながら出て行ったあとの部屋に、なんだか物憂げな
ピアノの旋律が聞こえたような気がしたのは何故だろう、それも、まるで自分を責めるかの
ように。勿論空耳ではあろう、が、藍華としては、どこかモヤモヤとしたものが残る。
何にせよ今回の奇遇はそれを晴らす良い契機。今は無理だけど、日本に帰ったら
いろいろと、ネ…何が「いろいろ」なのかはこの際省略するとして、4つの金具全てを
外し終わった藍華が快活に口を開く。「さあ、これでいいわ。あなたも、この鍵持って!
手分けして、このコたちの枷を外しましょ!」「えっ!?」元々まんまるの目を更に丸くする
白デルモ。一瞬呆然と立ち尽くす彼女の肩をぽんぽんっと軽く叩く藍華である。「理由は後。
とにかくここを脱出しましょ♪」「で、でも…」「何突っ立ってるの。早くしないと
大佐たちが来るじゃない、さ、早く!」藍華に言われるまま、黒デルモたちのところへ
いって枷を外していくニナ・エスコ。拘束から解き放たれた黒デルモは、渡された鍵を持って
次の仲間を、というねずみ算の要領で、てきぱきと進んでいく。12人全員が拘束を解かれる
のに左程の時間はかからない、晴れて自由に動き回れるようになった女たち。だが、あくまで
この部屋内に限った話である、白デルモが藍華に向かい、素朴な疑問を投げるのも至極当然と
いえようか。「外には兵士たちが大勢いるのよ。どうやってこの基地から脱出するの!?」
もっともな彼女の質問だが、ニナ・エスコの言に実はもうひとつの意味合いが
込められている。それは動けるようになった自分たち12人で藍華を襲うようなことなど
しない、ということ。元々藍華には勝てない、という先入観が出来上がっているせいも
あるだろう、この女に関わるな、という司令の厳命もある。万にひとつここで藍華に勝った
ところで、ここからどうやって出る?藍華を人質にとればあの大佐が素直に応じるのか?
いや、逆だろう。いざとなればこの女もろとも自分たちを抹殺するに違いない。等々、
あれこれの打算から行き着いた結論なのだが、同時に心の中で藍華への敵意が薄らいでくる
自分たちにも気付く。まだ完全に信頼できるわけではないが、何分この女は度重なる
自分たちの攻撃を悉く退け、脱出に成功した、言わば「脱出名人」である。ここは藍華の
考えに従ってみよう、と思うデルモたち。あとはその手段である。そうよ、どうやって
脱出するの…?めいめいに口ずさむ。「まかせて♪」そこで待ってましたとばかり藍華の
返事、但し表情には幾分の恥じらいが。「ま、あんまり見せたくはないんだけど…」
と言い終わる前に、突然の閃光が走り、あの華麗な変身が開始されていく。

136超初心者:2003/08/18(月) 21:49
(25)
眩い光のなか、この時の為にこそ着用してきたビスチェの中心から無数の触手が伸び、忽ちに
藍華の全身を変貌させる。彼女のプロポーションが際立つ、何度見ても見事な変身だが、
犬吠島の記憶が拭いきれていないデルモたちにとっては鳥肌たつ光景でもある。
勿論前回と今回が違うことくらい彼女たちにもわかる、本部基地に襲来して自分たちを
なぎ倒したあの時と、何となく自分たちの側に立ってくれそうな今回との違いが。それでも
秒速で眼前に迫るメタルの恐怖は一度味わった者でなければわからない。驚く次の瞬間には、
首筋や鳩尾などに強烈な触手の一撃が見舞われ、苦しむ間もなく気絶させられたのである。
あの圧倒的なメタルの存在感を再び目の当たりにし、足がすくむのも当然。そんなデルモたち
に、いかにも事務的な手招きをする藍華、両者のコントラストはまあ面白いといえば面白い。
「さ、みんな早く私の周囲に集まって!」えっ?でも…という動揺はどうしても近寄り難い
先入観が働くから。しょうがないわねえ、といった顔で藍華が若干の言葉を補足する。
「今、私の立っている足元の周囲にメタルの皮膜が円形に広がっているの。床の色と違うから
すぐわかるでしょう?そこに、あなたたち立って頂戴。大丈夫、ただの床だと思って立って」
ここまでくれば一蓮托生ということか、おっかなびっくりながら藍華にくっつくデルモ
たち。13人弾けるボディと熱い吐息が密集し、幾分怪しげな雰囲気ないともいえないが
とにもかくにも全員集合したところで速やかにメタルは次のフェーズへと。円形の皮膜は
メタルのコアから藍華の下肢を伝い床面に薄く広がった、まるで薄焼きピザかお好み焼きの
ようなものだが、ただのピザやお好み焼きではこの先次のような芸当逆立ちしても、
かなうまい。即ち、円の縁から更に細かい触手が何本も飛び出し上に長く伸びるものと
床方向へ短く生えるものと大きく二極分化する動き。上に伸びたものは女たちの身長を
あっという間に飛び越すと彼女たちの頭上で再び印を結ぶ。更にそれらが薄皮状態に
拡大すれば、彼女たちの上下左右360度隙間なく被われるメタル・バリアーの出来上がり。
一方、下に生えたものはムカデのような、というとメタルは気を悪くするだろうが、要は
そのような形状で敏速かつ小回りの利く移動を可能にしている。そんなこんなで、最終的に
メタルのご機嫌を戻す表現探すなら、銀色に輝くかぼちゃの馬車、とでも言えば丸く収まる
ところであろうか、とりあえず。

137超初心者:2003/08/19(火) 21:05
(26)
ミシッ…と壁に亀裂が走ったかと思うと、バリバリバリッ!ド派手に壁を破り、お仕置き部屋
に外接する廊下へ突如姿を現したもの。繰り返しになるがメタルの機嫌を損ねないように
言えば、それは銀色に輝くかぼちゃの馬車である。が、警備する兵士たちにとっては、
えもいわれぬ怪物以外の何者でもない。反射的に彼らのサブ・マシンガンが一斉に火を
噴くのも当然。ドガガガガガッ!それこそ蜂の巣にするような銃弾の雨あられが降り注ぎ、
それをまた悉く、楽々とはねつける最強のメタル・バリアー。ネーナのメタルから生じた繭も
そうだったが、比類ない防御力は折り紙つきである。威風堂々の前進を続ける通称
“銀かぼちゃ”。銃を乱射する兵士たちはじりじり後ずさりし、遂には背中を向けて逃げ出して
いく。根性と気合だけで踏みとどまろうとする兵士も数人はいるが、目と鼻の先まで
接近されて一体どうやって戦うというのだろう。これが性悪の怪物なら、どこかの映画に
登場するエイリアンのように男たちを八つ裂きにしたり、頭から食ってしまったりと、
スプラッターそのものの展開となってしまうところ。ところが相手は、こんな格好を
していてもシヴィエ藍華である。無知無謀にも行く手を阻もうとする兵士に対し、腕の形状
をした触手が一本にゅっと伸び、やんわりと、しかし有無を言わさず壁の隅へと男を
追いやっていく。あんた邪魔よ、もっと端っこ歩きなさいよ!という仕草なのである。
一方、中ではどうなっているのか興味本位に覗いてみると、これはまた嬌声の賑々しいこと。
おしくらまんじゅう程ではないにしろ、結構満員状態で立っている女たち。殆ど全裸の藍華と
肌身を摺り合わせ「アアン…」と声震わせる黒デルモ”えり”がいるかと思えば、意図的に
互いの乳房や太股を摺りつけ恍惚の表情を湛える黒デルモたちもいる。「あふ♪だ、誰、
私のアレを揉んでるのは!?」「あら、これ”あゆみ”だったの?すっかり濡れてるのね、
ウフフ♪」「もおう〜っ!”あい”のえっちぃぃ!」「きゃは!かわいぃ〜♪」…
内側ではこんなドンちゃん騒ぎを抱え、片や外側では呆気にとられる兵士たちを尻目に、
“銀かぼちゃ”は大きな廊下をずんずん進む。目指すは地上行きエレベーター。その途中、
いくつかの角を曲がったところで、あのラグ・ユニットの部屋が見えてくる。

138超初心者:2003/08/21(木) 12:18
(27)
この辺で、いくつか整理確認しておこう。現在地はB9フロア。といっても、ここは深さ
何十メートルにあたるのか。いや、その実100メートルは優に超えている大深度。
秘密基地の心臓部として、外部からの核攻撃にも耐えられる頑丈な構造になっている。
次に位置関係。“銀かぼちゃ”が目標とするエレベーター・ホールは施設中最も広いスペースを
占有するラグ・ユニット・ルームの一角にある。即ちエレベーターに乗るためには、
どうしてもこの部屋を突っ切らなければならない。但し一旦乗ってしまえば、地上出口まで
そのままノンストップ、所要時間も僅か20秒という代物ではある。そして最後に大きさ。
“銀かぼちゃ” 現在の形状は底面直径で3m、膨らんでいるところで5m、高さ3m。一方、
エレベーターは全部で6基、うち1基が機材搬出入用に金網剥き出しとなっている大型機と
なっていて、それは横幅4.5m、高さ3.5m、奥行き7mというスペックである。
参考までにラグ・ユニット・ルーム全体は幅50m奥行き120m天井高10mという
巨大さ、その中で20m四方もの威容を誇るラグ兵器製造ユニットがでんと中央に鎮座する。
このように部屋自体が広大な割りに廊下側の戸口は狭いため、結果的に壁を破って
侵入せざるを得ないが、その後は順調に奥へ120m進めば、めでたく機材用エレベーターに
辿り着ける、というのが“銀かぼちゃ”の進行予定である。何にせよこの奇怪な移動物体、
ここまででも断続的な銃撃を受けてきたが部屋に入り込んだ途端、緊迫の様相は一気に
エスカレート。大佐を筆頭に重武装した兵士たち数十人がずらりと並び、夫々の銃口を
標的一本に絞っている。ここで、かぼちゃの側としては単にエレベーターに乗りたいだけで
あるから、兵士たちへ向かっていく必然性も義理もない、戸口を抜けてすぐ横を向き、あとは
男たちの眼前を粛々と通り過ぎるだけで事足りる。ところが兵士たちの方はそう見ない、
何の拍子でこんな化け物が生まれたのか皆目見当つかぬまま…いや、細かくみれば、
機密情報を知る大佐だけは薄々感ずいていたというべきだろう、あれがオルタネート・メタル
の変形した姿なのではないか、と。だとすれば、藍華が変身したものなのか。それにしては
不細工な。情報によれば、メタルと同化した彼女は青く流れるような髪と、殆ど一糸纏わぬ
裸身をさらす、ふるいつきたくなる程美しい容姿だと聞く。「あれ」が本当にそうなのか?
未だに半信半疑ではあるが、このままぐずぐずしてもいられない。あの怪物がこの部屋まで
やってきたということは、きっとラグ・ユニットを狙ってのことに違いと思う。であれば、
ここは絶対にあの怪物を近づけてはならない。いや、この場で何としても倒さなければ
基地全体が危ういかも知れない…等々様々な思惑もこれ以上はもう充分。いま、断固たる
大佐の号令が大音声で響き渡る。「撃てっ撃てええッ!撃ちまくれーッ!!」

139超初心者:2003/08/21(木) 12:20
(28)
廊下での小競り合いで時間を稼いだつもりなのだろう、兵士たちが持ち出した武器には
重機関銃は勿論ロケットランチャーまで含まれている。いくら広い部屋とは言っても室内は
室内。こんなところでぶっ放す神経もどうかと思うが、必死の形相で標的に狙いをつける
いまの彼らに聞く耳や余裕などまったくない。ドガーン!バリバリバリバリ!ドガガガガッ!
言語に絶する猛烈な砲撃銃撃が5分も続けば、弾幕共々立ち上る煙にもうもうと包まれ視界は
殆ど0m。ここで第一波の攻撃成果を見極めるためか、一旦発砲を控え煙の晴れるのを
寸時待つ。すると、程なく浮かび上がってくるのは相変わらず眩しい銀色嬉々として輝かせ、
傷や凹みひとつなく悠々と部屋の奥へと進みゆくかぼちゃの歩み。「な、なにいィィッ!?」
あれだけの弾を食らってびくともしないなんて、そんな馬鹿なっ…!だ、第二波攻撃に移れッ
と大佐が口にしようとしたその時である。「警告。ラグパワー回路に異常発生。あと20分で
臨界に達します。職員は速やかに退去してください…」無機質な自動音声が館内に
こだまする。「何だ!どうした!?」兵士たちが大混乱する中、辛うじて踏み止まる大佐。
何とか状況打開に向けて手を打とうとすぐさま次の指示を出す。それは、デルモたちが来て
から別の雑務に就かせていた軍の技術者たちへのもの。非番同然だった彼らを急遽部屋に
呼び、リカバーを命じるのだが事態は全く絶望的。「大佐どの、エネルギー伝送系に
致命的破損です!コントロール系統も寸断され制御不能!爆発しますっ!!」原因は明快、
兵士たちがこれでもかと乱射した砲弾銃弾がメタル・バリアーに跳ね返されるうち、
いくつかの跳弾がラグ・ユニットやコントロール・パネルを直撃したから。こうなることは
少し考えればわかりそうなものだが、頭に血が昇っていたということか、大佐たちは最も
愚かな選択をした訳である。「あと17分30秒…」はっと気付けば“銀かぼちゃ” は丁度
エレベーターに乗り込むところ。どうしましょう、大佐どの、あの化け物が外に出て
しまいます!という兵士の叫びは無論耳に入っているが、これ以上攻撃を続ける時間的余裕も
ない。先ずは自分たちの脱出が先だ、と大佐が結論づけるのに時間はかからなかった。
「今、あれにかまっている暇はないッ総員速やかに退避ィィッ!」この一声と同時に、わっと
エレベーターホールへ駆け出す男たち。

140超初心者:2003/08/21(木) 12:22
(29)
軍の立場から一転、再び視点を戻してみる。機材用エレベーターの前にいる“銀かぼちゃ” の
内部では、兵士たちのパニックをよそに相変わらずのキャピキャピ状態が続いている。特殊
部隊の総力をあげた攻撃を受けていたにも拘わらず、中は空調・防音・防振完備の快適空間。
狭いのだけは仕方がないが、和気藹々の女たちには苦にもならない。それどころか、デルモ
同士密着し合う姿勢のまま、互いの唇は重ねるわ、胸や股間にまで手を伸ばすわ、でみるみる
昇りつめていく。「はああん♪」「うふうう…ん♪」「うれしい…ィィ」メタルに多少の
発光機能はあるが、照明とまではいえない薄暗さを逆手にとってこれ幸い、こんな、誰とは
なしに声をあげる妖艶な饗宴が延々繰り広げられているのだから唖然としてしまう。
もっとも、藍華だけはその宴に加わっていない。それは当然、外部からの熾烈な攻撃から
内部を守り、かつ快適な環境をデルモたちに提供するために、それなりの集中力がいるもの。
彼女たちと一緒になって乳繰り合ってる場合ではないのである。それでも尚、藍華の傍らに
ぴたり立つ”えり”は先程来の快感からか、更に藍華へ乳房を擦りつけ一層の交歓を求める。
にっこり微笑みながらも、そっと彼女の身体を離す藍華。「あなたが私を求める気持ち、
嬉しいけど今はちょっとね。日本に帰ったらたっぷりしてあげるから」わかったわ、約束よ、
と目を輝かせる黒デルモが少し離れてホッとするのも束の間、新たな問題が発生する。それは
エレベーターのサイズ。前述したとおり、エレベーターは高さ奥行き共に充分なのだが、
惜しいことに横幅だけ50cm足りない。伸縮自在のメタルだから、かぼちゃの膨らみ部分を
すぼめればいいのだが、その分若干、中の女たちを圧迫することになる。既に充分高まって
いたデルモたち。それが数センチずつとはいえ、これ以上くっつくとどうなるか。
「はああああ…」「イ…クゥゥ♪」薄暗がりと密集のどさくさに紛れてイっている
ニナ・エスコをはじめ、瞬く間に12人全員がイキ、秘所から溢れ出す愛の蜜を存分に
滴らせることになる。これら芳香麗しいデルモたちの所産をシャワーのように受けるメタルの
心境今一推し量りかねるが、外部からは一瞬ピンク色に変色し床面から飛び上がったという
目撃情報も報告されているそうである。

141超初心者:2003/08/22(金) 00:59
(30)
現在、午後3時36分。南海の小島は今日も強い太陽の日差しと豊かな緑に囲まれ、いつもの
平和な昼下がりが進行しているところである。と、突然、ズズズズッ…ンン…鈍い音が轟き、
この地域では滅多にあり得ない地震発生。こんな小さな島に震度計などないが、近隣の国が
計測したところでは、震度3との由。勿論原因はあれしかない、即ち地下基地の爆発である。
では藍華たちはどうなったか。無事に脱出できたのか…?一言でいえばイエス。500人から
いた基地の軍人たちも全員逃げおおせている。その時の状況をかいつまんで振り返れば、先ず
は藍華たちのことから触れる方が早い。あの時、絶頂の恍惚にあるデルモたち12人を内部に
抱えるとんでもない状態でありながら、外面何ら支障なく悠々とエレベーターに乗り込んで
地上へ出た“銀かぼちゃ” 。ラグ爆発15分前に基地の敷地ゲートを通過したそれは、道路上を
時速100kmまで加速、一息で司令との合流地点である飛行場に到達した。爆発時刻には
既に離陸体勢にあったというから、全くもって楽勝の運びである。おまけで言えば、快感を
満喫した女たちには、もうひとつ愉快なことがあった。兵士たちより一足早く金網の
機材エレベーターに乗り、上昇を始めた“銀かぼちゃ” の下方では、残りのエレベーターに
群がり殺到する男たちの姿が上から見下ろす形となってまるみえ状態である。そこできっと
気を利かせたのだろう、メタルが、かぼちゃの底面近くにピンホール大の穴を作り、
薄暗がりの天井に投影する。いわばプラネタリウムのようなものである。
「ねえ見て!あの慌てぶりったら…」随喜の喘ぎにまみれすっかり自分を無視している
デルモたちに、この瞬間くらい私の言うこと聞きなさいよっ、と合いの手を入れる藍華。
既に何度か果て、とろりとしている目を上に向けると確かにこの光景は最高のサービス
ショット。修学旅行バスでもこうはいかない大爆笑が巻き起こったのであった。一方、大佐を
はじめ兵士たちや施設職員は撤収決断が下された時点から12分で全員の退避を完了し、
なんとか事なきを得る。このラグ爆発は小型核と同等規模だったが、堅牢頑丈にして何重もの
シールドが施されている対核シェルター構造が今回は逆に幸いした形。島に与える影響も
軽微であり、表面的には地下核実験と同じ現象になったということである。

142超初心者:2003/08/22(金) 01:01
(31)
軍の動向については多少補足しておいた方が良いかも知れない。ほうほうの態で脱出した
大佐も勿論あのまま引き下がるつもりはなく、急遽部隊を引き連れ港に待機させていた
大型艦に乗り込むと、体勢建て直しの策を練っている。既に司令の操縦になるチャーター
ジェット機は島から飛び立っているが、マッハ2の艦載機で追いつけないことは
ないだろう。直ちに追撃命令を出す大佐。最新鋭ミサイルを搭載した2機が飛び立っていく。
予定どおり標的をとらえミサイルは全弾発射されるのだがしかし…それは悉く大失敗。全て
空中爆発に終わる。理由は二つ。ひとつは、ジェット機に積んだ最新電波妨害器が功を奏した
ということ。日頃のお嬢様司令がこの時ばかりはと知恵を絞り、日本から持ち込んだ
デルモ・コーポレーション製の優れモノである。これで6発のミサイルのうち、4発が
回避された。それでも尚しつこく追尾してきた2発はどうしたか?それがふたつ目の要因、
またしてもオルタネート・メタルの出番である。ジェット機の機内圧に急激な影響を与えない
よう、後部ドアの微細な隙間から触手を伸ばしたメタルは迫り来るミサイル2基を外側から
すっぽりコーティング。封印させた中で爆発させるという荒技を楽々とこなす。諦めも悪く
銃撃を仕掛けてくる2機にはオイタもいい加減にしなさいよ、とばかりミサイルの小破片を
翼に命中させ航行不能に。カプセルで脱出するパイロットたちを眼下に見届けながら、やっと
落ち着けるわね、と笑みを交し合う女たちなのであった。そして海上でこの結果をチェックし
臍を噛む大佐。ええい、次は核ミサイルかあッ!と声張り上げたところで本国からの通信が
入る。「な、何ですとおおおっ!!?」反駁と驚愕ないまぜの叫びは大佐のもの。画面の
向こうにいる人物は本国軍作戦本部の上級将官である。今、大佐に下された命令は、藍華や
デルモたちにこれ以上関わってはならない、当面の軍事作戦は凍結する、というものだった。
「あの地震で、国際査察委員会が動きだしたのだ。今ラグ兵器の件を探られるのはまずい。
こちらとしては、ただの事故で押しとおすから、そっちも大人しくしていたまえ。それと、
あの皇藍華とデルモ共のことはもうどうでもいい。どのみちラグ・データはこっちに
あるのだ。無用なトラブルを起こすのは得策でない。以上だ」通信が切れ、わなわなと腕
震わせる大佐。だが命令は絶対である。日本の特務機関ともども、命令には服従するしか
ない。立ち尽くす男がいま何思うのか、ここにきて藍華が以前脳裏に描いていた性格診断が
関係する。誇り高い軍人として潔く節目つけるを良しとするか、それとも蛇のようにとことん
しつこい男なのか…?結論から言えば藍華の直感が正しかった。大佐としては水泡に帰した
今回の件に屈辱を感じながらも、前者の道を選択したからである。もっとも老獪な男のこと、
現実的な打算もふんだんにまぶされている。作戦本部は自分を責めてはいない。将官が
いうように、ラグ・データある限りいつでも再起できるのであれば、自分にもチャンスは
ある。また、藍華たちを捨て置くことにもそれなりに納得性は感じられる。何故なら軍事利用
からみたもうひとつの最新材料であるオルタネート・メタルは未だかつてどの国も生成し得て
おらず、今後藍華を捕らえて開発に供させようとするのも100%不可能と思われる為に。
つまり、今まで某国軍の最精鋭部隊をもってしても捕捉出来なかった無敵の彼女に
太刀打ちできる者など地球上どこにもない、ということである。その藍華とデルモたちが
結びついたとすれば、確かにこれは厄介そのもの。こんな女たちを相手にしてトラブルが
起きない訳がない。どうせ彼女たちに軍事的野心はないのだから、放っておけばよい、という
方針に収斂するのも頷ける話である。そうなるとやはりラグだけが依然、兵器開発の
目玉プロジェクト。作戦本部のキーマンである中将が自分を贔屓にしてくれていることも
あり、しぼみかけた昇進の夢が再び急速に膨らむのである。「フン、小生意気な女どもめ…」
小さく呟く大佐は、まさにこの言葉を捨て台詞として、以降彼女たちの前に姿現すことはない。

143超初心者:2003/08/22(金) 21:46
(32)
さて、軍の攻撃を退けたあと彼女たちが機内で何をして過ごしていたかといえば、夫々の
シートを水平にまで倒し、みな激しくも美しく繰り広げられる睦み合い。変身を解き、
すっかり全裸状態になった藍華のまわりにも数名のデルモたちが取り付き、思い思いの体勢で
愛を確かめている。今こうして生命あるを実感できるのは、何と言っても藍華のお蔭。過去に
どんな確執があろうと、自分たちの窮地を救ってくれたことには違いない。命の恩人、という
言い方は勿論だが、ことデルモたちにとっては、自分たちの性を開花させてくれたお姉さん、
と表現する方がしっくりくるだろうか。よほど“銀かぼちゃ” 内での、めくるめく体験が
全身に染み渡っているのだろう、”えり”も日本へ帰るまで待ちきれず他の黒デルモ同様
服を全て脱ぎ捨て藍華のもとへと裸身を投げ出している。そうした耽美な空間には、まさに
ぴったりなのがワインという飲み物。あなたたちの為に冷やしといたわよー、と司令が
マイクで伝えニナ・エスコがみんなに配ってまわるのは何とロマネ・コンティ最上級。
グラスを受け取る黒デルモが、自らはあられもない姿態のまま却って上官にサービスさせて
いる自分たちを深々と詫びると、白デルモはそんなこと気にしないで、と爽やかに返す。
「みんな無事でホントによかった。もう、ここは無礼講でいきましょう♪」本当は彼女も
制服を脱ぎたいところだったのだが、司令の手前我慢我慢。一応白デルモとして上に立つ者の
宿命と諦める。その代わり日本へ帰ったら副官さまと…いや、ひょっとしたら藍華とも…
熱い夜を共にするのだろうか…胸の高鳴りを禁じ得ないニナ・エスコ。そうこうするうち、
しこたま飲んだ快適な空の旅はあっという間に終わり、女たちは無事日本への帰還を果たす。
気圧の低い場所であれだけ飲めばべろんべろんの酔っ払いが出来上がるという説もあるが、
さすがに裸では機外に出ない女たち。タラップを降りたところで、ひとりシラフの司令が
代えのスーツを着用する藍華に近寄りその手をとって語りかける。「本当に有難う。
このことは忘れないわ。あなたの休業補償金もちゃんと払いますから…」まあそんな、などと
謙遜する素振りを見せながら、じゃあいくら請求しようか、などと考えている藍華の耳元で
追加の一言を囁く司令。「でも、あなたとの決着は必ずつけますから…ね♪…」うふふっと
笑みを浮かべる藍華。「どうしても私を気絶させるってわけね…?」
「そうよ。この私の手で気絶してもらうの。そして、あなたを…この先はもういいわね…?」

144超初心者:2003/08/22(金) 21:47
(33)
当たり前だが、一日は昼と夜からなっている。先ず昼間。今回の件に関わっていた間、留守に
していたKKコーポレーションの仕事は案の定の山積み状態。それらを再開するに先立って、
郷造社長や、りおん、道草にここまでの事情を説明するのにもそこそこの時間と労力を
必要とする。復帰早々、会社の大黒柱としてデスクワークに営業に、と飛び回るような多忙の
最中、さりげなく某国軍関係のニュースやクライアントのその後動向をチェックする藍華。
あの島の事件が意外に大きく報じられていない…まぁた軍お得意のウヤムヤ戦術なんだわ、と
呆れるが、それより、物騒な連中があれからデルモたちや自分のまわりにうろつかなくなった
のはいいわねえ、と素直に喜んでいる。藍華やデルモたちに関わるな、という軍の決定が
出されていたことまでは勿論知る由もないが、これまた彼女一流の直感で二度目の襲撃は
ない、と断じ切るわけである。実に羨ましい程の自信というか、あっけらかんというべきか。
何れにしても結果良ければ全てよし。余計な心配もここまでとし、あとは仕事仕事と
打ち込めば昼間の時間はスケジュールもびっしり一杯、外回り中の喫茶店で一休み、という
今までのパターン暫くお預けとなるのは仕方がない。こうしてメチャ忙しの昼間が終わり
夜になるが、これがまた…!藍華とりおん、藍華とニナ・エスコ、藍華と”えり”の3組は
随分早くから予約済み。一方、デルモたちの中でも様々な組み合わせが実現し、
あちらこちらで艶めかしい花が咲き誇る。司令と副官は当然として、副官とニナ・エスコ、
そのニナ・エスコとナターシャ、ポーラとレジーナ、ビアンカとヴァレリ、等などなど…。
青・ピンク・黒の女たちについてはもう、それこそ枚挙に暇がないというものである。
この辺になると、二人だけのお楽しみなのかどうかも一切不明。一番の長を務める司令に
したところで自分と副官の逢瀬にニナ・エスコを混ぜてみたり、黒デルモたちの輪にも
進んで入っていくくらいなのだから。更に付言すれば今回新たなカップルも誕生。
ひとつはキャサリンとりおん。あの一件以来、藍華たちとデルモたちとの接点が少しだけ
広がる中で互いに過去の経緯を気にしていた二人が、まごつきながらも着実なゴールインに
こぎつける、というものである。もうひと組は…”えり”と、あの若い兵士!基地撤退後、
彼は志願して除隊になり本国の民間企業へ勤めるようになったが、どうしてもあの黒デルモが
忘れられずに休暇をとり、はるばる日本までやってきたという訳なのである。

145名無しさん:2003/08/23(土) 08:18
もうヤメテクレ〜。

146超初心者:2003/08/23(土) 15:00
(34)
夜の営み。それはただベッド上、貪り、悦び、昇り詰めるだけのものではない。癒し、
励まし、自覚、共感、そして許し…かつて、「愛だろ、愛…」などという某カクテルバーの
CMがあったが、実際、愛の織り成す形は様々である。例えばニナ・エスコと藍華。一度の
高みに達したあと、白デルモは不意に大粒の涙をこぼす。藍華がそっと尋ねれば、あの海戦を
思い出していたからだと言う。彼女の心に広がるのは、某国軍将兵の人命多数を奪って
しまったことへの深い邂逅と懺悔。向こうが先に戦争の火蓋を切りミサイルを打ち込んでくる
経緯だったとはいえ、ラグ砲弾で応戦した結果が先方大型艦の消滅となった事実は永久に
消えない。あの時はハーゲン博士に尽くすまま無邪気な戦争勝利に沸き立っていたが、今
改めて大佐の言葉が思い起こされるうち、身をよじるほどの心痛が走るというのである。
もっともここで内情を明かせば、デルモ・コーポレーション発足後、既に彼女たちは
少なからずの金銭を某国軍遺族たちに送っている。それも一切「名無し」で。また、
地下基地で大佐が彼女を責めていたセリフに一部誇張があるのも密かな遺族調査の過程から
知っている。随所に自動化された新鋭大型艦にあの時乗り組んでいたのはその実100人。
周辺の小型艦も含め、死亡に至ったのは1000人どころか、120人を下回るものだった。
だが、デルモたち、特に司令、副官をはじめとする指揮官クラスの白デルモたちにとっては、
金銭や人数の問題でない、自分たちの犯した罪そのものが重い十字架となって
のしかかるのである。「じゃあ、どうするの、国際法廷にでも出向くつもり?」
「ええ…司令や副官にはこれから相談するんだけれど…」
「それで死刑にでもなったらどうするの。それでもいいわけ?」
藍華のこの言葉に一段と目が潤む白デルモ。
「だから…だから…この世の思い出に、あなたとのことを身体に刻み付けておこうと…」
ちょっと待ってよォ、縁起でもない、と苦笑する藍華だが、思いつめたような相手の目が
飛び込むにつけ、少し落ち着いて返す方針へと転ずることにする。
…元々戦争に正義なんてない。実際先に仕掛けてきたのは向こうなんでしょう?だから
責任者は双方とも公正に裁かれるべきだわ。ところが片一方の当事者である某国は、あの
海戦の事実そのものを隠蔽してるじゃない。原告席にすら立つ気がさらさらないのよ。それは
どうしてだと思う?ラグ兵器開発のことを世界に知られたくないからでしょう。自分たちだけ
圧倒的軍事優位に立とうとしてるんですものね。それなのに、あなただけがのこのこ
出て行ってどうするの。一方的に泥をかぶって罪に服するの?そりゃ、死刑にはならないかも
知れない。でも軽くはないわよね。それに某国軍の方から見れば笑いの止まらない話よ。
まるで鴨ネギって感じ。自分たちが不利だと思うからこそ法廷に顔をださないというのに、
原告不在のまま被告人が全てを背負ってくれるんですもの…

147超初心者:2003/08/23(土) 15:01
(35)
結果として藍華の説得は効を奏し、ニナ・エスコは思い止まった。ただ、これからも遺族への
償いは続けていく、夫々残された家庭をさりげなく見守ってもいきたい、と答えて。慈愛の
眼差しを注ぐ藍華は内心ほっと胸をなでおろす。と、同時に少し肩がこったなー、という
気持ちも偽らざるところ。全くもって、色んな意味で濃厚な夜が繰り返される中、いや
その前に昼間目の回るような毎日をおくる彼女として、疲労が蓄積しない筈がない。こっそり
ドリンク剤を飲む。頻繁に飲む。がしかし、この事は最も親密なりおんですら知らない程、
見事に表面カムフラージュされるあたり、いかにも藍華らしいといえようか。これは彼女の
屈託ないサービス精神にもよるのだろう、どんな時でもそれなりの雰囲気を醸し出し、相手を
退屈させない。昼間は商談先に対し、そして夜はパートナーに対して…。従って、そうした
ハードな日常に、あのお約束が重なるというのは本来相当なオーバーワークということなのだが。
お約束…言わずと知れた司令との決着の闘いである。「脱出名人」変じて今や
「気配り名人」となるのは結構だがそれだけ精神的負担の大きい現在の藍華と、平素悩みの
少ないお嬢様司令を並べてみれば、傍目にも随分なハンディに映るもの。が、これも結論を
急ぐことにしよう。必然不可避だった二人だけの闘いにも明確な決着はついた。どちらかが
倒され、気を失ったということである。闘いを制した女は、気絶している女と、静かに、
しかし青白く燃え盛る情欲の炎のままに熱い抱擁を交わす。こうなればそれ以降の二人が
どういう関係に至るか、おおよその想像もつこうものだが、さてどちらが激闘に勝利したのか
…それは全国遍く在するAikaファンのみぞ知る秘密のままに…ついでに言えば、非力な
キャサリンには特に自信満々のりおんがどんな愛の交歓を演出するのか、はたまた黒デルモ
”えり”の処女はどうなるのか、等々触れるべき箇所まだまだあるが、これこそは、
あっさりとした藍華流を見習って…いまこの荒唐無稽「小噺」の筆を逡巡なく置くべきと
考えるものなのである。(これにてオシマイデス〜^^;;;)

148超初心者:2003/08/23(土) 15:08
まったく、小噺にあるまじき35レス、例によっての長文・駄文…(汗)
副官様、この程度デスが、ご容赦を〜^^;;;

149副官:2003/08/23(土) 20:30
超初心者様

有難うございました。堪能いたしました。
藍華さんとデルモ達、共通の敵を相手にしたことで絆を深めました。
そうです、続編はこうあって欲しかった。
望んでいた通りの結末に、この副官大満足させて頂きました。

150藍華さん</b><font color=#FF0000>(........)</font><b>:2003/08/29(金) 01:28
超初心者様、ご苦労様でした。
素晴らしいストーリー、大いに楽しませて頂きました。
感想が遅くなり申し訳ございません。

また一つ、新しいAIKaの世界観が広がりました。
その大作をご投稿頂き、この板の開設者として改めて御礼申し上げます。
どうも有難うございます。
これからも引き続き宜しくお願いいたします。

>そうです、続編はこうあって欲しかった。
>望んでいた通りの結末に、この副官大満足させて頂きました。
副官様、よろしゅうございましたネ。

151超初心者:2003/09/02(火) 22:02
小噺その52(前編)

あるシンプルな闘いの顛末。白銀基地から無事脱出した藍華たちが、犬吠島の一件に
巻き込まれる以前のこぼれ話である。いつものように深夜までの残業を終え、くたびれた
身体を引き摺って公園の道を抜けようとした時のこと。ばらばらっと周囲の木陰から飛び出す
多数の人影が、瞬く間に藍華を取り囲む。明るい庭園灯に照らされたそれは、もうすっかり
お馴染みの黒デルモたち。紫色の髪を肩口で少し内巻きにカールした女がお決まりの第一声を
放つ。「皇藍華!今度こそは逃がさないわっ!」無論こんなベタなセリフに藍華が動じるわけ
がない。もう、こっちは疲れてるのにィ、とやれやれの表情でぐるりと見回せば、総勢
20数名もの女たちの顔が否応なく藍華の目に飛び込んでくる。地下駐車場で、
ハーゲン艦で、ペロロンカホテルで、そして白銀基地で…何度も、何度も気絶させた女たち。
実にこの度は、そんな黒デルモのオールスターと言えよう、何としてもこの場の闘いに
勝利したいという執念なのであろうが、単なる人数合わせの感に見えなくもない。そこでふと
藍華の目にとまるのは、白銀基地の廊下で「こっちにこなけりゃいいのにねー」などと非力
この上ない一言を呟いていた、あのいたいけな二人である。あの時は麻酔銃で眠らせたが、
生憎いまはその持ち合わせがない。出来れば力を振るうような野暮など避けたいところだが、
こんな成り行きでは果たしてどうなることやら…あの二人に限らない、デルモたちが何人で
来ようとおよそ結果は見えている。それでも、いや、だからこそ、というべきか。藍華当面の
対応は会話モード。出来るだけ多くの言葉を引き出そうと一応の努力をするのである。
「私は逃げやしないわ。あなたたち、ハーゲンがいないのに、何故こんなことを
続けるの!?」司令たち白デルモには既に投げた質問だが、このセリフ、末端の黒デルモたち
にも改めて認識させておいた方が良いだろうとの、藍華の思いがそこにある。と、その意が
届いたかどうかはともかく、ここで勢いのある反応だけは返ってくる。
「ハーゲン様の崇高なご意志を実現するために、我々デルモゲニィは強くあらねばならない。
その為に皇藍華、お前を捕らえ、その力を分析して我々の能力を向上させるのだ!」
「まぁたその計画?一度失敗してるじゃない。あの時あなたたちも、みんな
気絶したでしょう?あんなこと、私だって本意じゃないの。それに、ハーゲンの意志って
何よ。まだ地球再生計画なんて滅茶苦茶なこと考えてるの!?」(続きマス↓)

152超初心者:2003/09/02(火) 22:05
(後編)
「滅茶苦茶とはなんだ、ハーゲン様のご意志を冒涜する気かあ!」
「あのね…彼はノアの箱舟を気取ってたのかも知れないけど、要は自分とあなたたち以外の
地球生命を全て抹殺しようとしてたのよ。その中には当然あなたたちの家族や友達が含まれて
いるし、何よりそれ以前にハーゲンがこの地球上の生命を脅かす権利なんてどこにもある訳
ないでしょう。あなたたちは命の尊さを何だと思っているの?」…序盤幾つかの会話が
連なるが、この段階ではまだありきたりの応酬というところ。しかし、今回珍しくも粘り強い
やりとりが続く中で、多少前向きな接点が見えてくる。「ハーゲンの意志」一本槍で来ていた
黒デルモリーダーは、その妥当性について僅かながら藍華の意見との融合を試み、藍華の方も
デルモたちの存在や立場について一歩踏み込むアプローチを行うのである。考えてみれば
デルモたちも「ハーゲンの意志」自体、ホーリーファックス号が宇宙へ飛び立つ寸前に一回
聞かされた程度のもの。彼への盲従はあっても、その理念きちんと理解していたとは
言い難い。ハーゲン博士の計画が様々な病巣を抱える地球への問題提起だったのだろうという
見方まで敢えて藍華が歩み寄れば、逆にデルモたちも地球生命を悉く奪おうとしていた
あの計画に無理があったのか、と、胸に手を当てる。とくれば、日頃多くを語らない
藍華でも、この時ばかりはとの思いからか、次のような力説とうとうと述べるのである。
「理想や夢って大事よ。でも、どんな人間でも、どんな生き物でも、命ある限り、みんな
立派な意味を持ってると思う。理想や夢というものは、そんな、みんなの意味を紡ぐ中で
初めて見えてくるものじゃないかしら…?」「う…」段々言葉に詰まってくる黒デルモたち。
更に言葉を交わす中で、あっさり現在の地球を起点とした考えに転じるあたりいかにも天然な
デルモらしく、また微笑ましくもこれご愛嬌の類といえるだろう。が、それでも尚、である。
落としどころとしては、相も変わらず藍華打倒に収斂する。地球生命を尊重せねばならないと
自戒を込めつつも、やはりこれから様々な改革をなしていく為にデルモゲニィを強くする
必要がある、その為には先ず藍華の身体能力を…という、例の論理に逆戻りしてしまう
からである。「だから、お前を倒し、連れていくのよ!」表面上は今までと何ら変わらない
意気軒昂。折角の話し合いもここまでだった。もっとも、藍華としては黒デルモたちが
地球壊滅の企みをここで放棄してくれたことだけでも充分満足、あとは心おきなくこの場の
闘いに専念出来ると感じている。そこから後は例によって例の如きの展開で、黒デルモたちは
次々あっという間に気絶させられ、無様に倒れた場所であられもなく四肢投げ出していく。
早くも残り二人、というところで青ざめた表情の女たちへ向ける一言があり。
「じゃあ、あとは宜しくね。大勢いて大変だろうけど、ちゃんと介抱してあげて。バイバイ♪」
あの非力な二人に手をあげるようでは女がすたる。呆気にとられる黒デルモたちなど
まるで気にせず、自分のあっさり流ばかりに惚れ込みながら、軽い足取りで公園を後にする。
そんな、今回あくまでもシンプル一筋な藍華なのであった…。

153黒デルモめぐみ:2003/09/02(火) 22:09
わーい、私が出てきた。
続きをはやくはやくぅ…。

154黒デルモめぐみ:2003/09/02(火) 22:12
あっ、カキコしてる間に終わっちゃった。
で、めぐみはどうなっちゃったの?

155超初心者:2003/09/02(火) 22:24
おや、このスレには珍しいクイックレスポンス^^;
めぐみさんと、もう一人誰だっけ…廊下で立ち話ししてたの。
お二人とも、藍華サンに見逃してもらい、しばらく仲間の側にいてあげた
ようですヨ^^

156藍華さん</b><font color=#FF0000>(........)</font><b>:2003/09/02(火) 22:46
>このスレには珍しいクイックレスポンス

30分遅れですが、拝読させて頂きました。

157超初心者:2003/09/06(土) 07:31
小噺その53

公園での闘い以降犬吠島に至るまで。何度となく同じやりとりばかりが繰り返されると
いうのも実際のところ如何なものか。即ち、帰宅途中の藍華をデルモたちが襲うという
ワンパターンへの捉え方である。一度相対し、気絶した女が懲りもせず藍華に向かう。
結果は歴然。しかも目覚めればまた徒党を組んで攻めかかり、再びの気絶。一体何度
気を失えば納得するのだろう、とついつい呆れてしまう。そんな中ではあるが、藍華として
一歩一歩着実前向きな手応えを感じているのか、意外にその表情は明るい。闘いの都度、
デルモたちと少なからず会話を持ち、彼らが地球支配の野望から脱却する過程を自身の目で
確認出来ているからである。何だかこれ、説教強盗みたいね、と内心苦笑しながらやはり
言葉ってそれなりに大事だと思う。自らを強盗に例える心の寛容さも大したものだが、
何にせよデルモたちの目的が藍華打倒に転じるのは彼女にとってもむしろ歓迎というところ。
色々問題あるにせよ、地球生命抹殺はないでしょ。自分が相手して済むならいくらでも
相手になるわ、というノリである。初対面のデルモにはくどくどと。二度目以降の相手には
同じ話も一切省略、さっさと闘いに入り、てきぱき倒すのが藍華の流儀。僅かな期間に
黒、青合わせて都合100人、延べ人数にすれば実に500人が気絶に至ったという次第
に至る。それも全て股間おっぴろげ、涎垂れまくりの有様だが、もっと壮観なのは倒れた
女たちの半数以上が純白パンティから沁み出す愛の蜜によって芳しい泉を床一面形成する
光景。藍華に当て落とされながらイったデルモたちは、その多くが忽ちに病み付きとなった。
延べ500人にして一人あたり平均5回という数字が、熱心なリピーターの存在を如実雄弁に
指し示す。倒す相手全員、怪我ひとつ負わせない藍華の技量も確かなものだが、それ以上に
こうした至福のスペシャル体験にはデルモたち皆、吸い込まれるように身を
投じていくのである。それでも藍華の方として、その実断固たる自己規制があったことは
付言すべきだろう、少なくともあの非力な黒デルモ二人に対しては。毎度の闘いを終えた後、
最後に残った二人がおずおずと藍華の前に進み出てきた時、彼女はこう問い掛ける。
「あなたたちも向かってくるの?」すると、およそ格闘の態をなしていない二人の返事は
こうである。「だって、私たちもイキたいんです…」”めぐみ””ひろみ”という二人の
名前までは知る由もないが、藍華は棒立ちな”めぐみ”の前に近寄ると優しい表情で
語りかける。「女性のお腹って、とってもデリケートなの。あなたたちのような若いコに
むやみな力は振るえないわ。イクって言っても、その前に、とても苦しい思いを
しなきゃならないのよ…」言いながらゆっくり右腕を突き出す藍華。先端に作った拳が
”めぐみ”の黒いコスチュームの真ん中やや下腹部あたりに接すると、少しずつ押し込まれて
いく。女の柔らかい腹部がゆるやかに窪み、沈もうとする拳を中心に放射状の皺を刻む。
「…ぅううぅ…」足踏ん張りながら「く」の字に身体折り曲げ、顔をしかめる黒デルモ。
その苦悶の相を見つめながら、藍華は腕を戻す。
「ね、わかったでしょう?だから、そんな無茶は言わないの。ここに倒れているコたちと
同じくらい、あなたたちが大きくなったら考えてもいいけど…」その言葉に二人の瞳が
ぱっと輝く。あと何年かしたら藍華と闘い、みんなと同じあの甘美な気絶を体験することが
出来るんだ…その日を待たず両者の和解が成立するなどとはよもや想像もしない、純真一途な
思いと憧れ。仲間の失神姿をそれこそ際限なく目に焼き付けながら、じっと夢膨らませる
二人なのであった…。

158超初心者:2003/09/10(水) 21:30
小噺その54

ひっそりとした深夜のバーカウンター。今宵のカップルは久しぶりに司令と藍華、仲良く口に
するのは目にも色鮮やかなソフトカクテルである。先ほど食事を共にした二人がこのバーに
来てからもう2時間。静かな会話に興じるその雰囲気から見る限り下衆の勘ぐりは一切無用、
怪しげな感など、まるでなく。勿論この二人のこと、燃え盛る情熱のままベッドインへ
もつれ込む場合も無いではないが、今回ばかりは至って粛々とした進行といえる。会話の
テーマはずばり、デルモゲニィそのものについて。変な話だが、藍華はその存在を一概に
否定する者ではない。物騒な動きさえなければ、どのような組織活動をしようと頓着しない
あっさり加減。片や司令の方も、そんな藍華の人柄に漸く気付き、数少ない理解者を得た
喜びのまま今日に至っている。今や、込み入った話であれ何の苦もなく互いの胸襟を開き、
語り合える二人。その一節をほんの僅か、覗いてみると…。
「…それにしても、あなたたち、ずっと一緒にいてホームシックにならない?そりゃ、お互い
仲はいいんでしょうけど…」「仲の良い悪いってだけじゃないわね。私たちを結びつけている
のは、やっぱりハーゲン様への忠誠なのよ」あの白銀基地ではこの言葉の先に待ち受けて
いたのが闘いという必然だった。しかし今は違う。司令の言う「ハーゲンへの忠誠」
なるものに純粋な興味を抱く藍華。重ねる言葉にも、決して詰問の意などまぶすことは
しない。「一途なのね…」「今だってハーゲン様、ネーナ様をお慕いする心に微塵の曇りも
ないわ。お二人とも、きっとどこかで生きてらっしゃると思うし…それに、組織としての
まとまりは私たちの誇り。単なる仲良しクラブじゃないのよ」「そう…」フラットな返事
ひとつ。うら若い女性ばかりが集まって、ただハーゲンの為に尽くす。その上誇りを感じる
ですって?…ホント、不思議な集団ね、と藍華は思う。しかも司令の話を細かに聞けば、
デルモたちにはある程度個人の自由も許しているらしい、非番の日などは買い物やグルメを
楽しむこともある由。それでいて、組織の一員であること片時も忘れず、自分の役目を
まっとうしようと努力する。一部研究員や技術要員以外は仕事らしい仕事もないのに、
である。つまるところ警備や格闘を仕事とする?いや、確かに仕事ではあろう、が、それを
もって軍隊組織のノリかというと、それも少々疑問あり。理屈ではない、ただ
「ハーゲンへの忠誠」というフレーズだけが一人歩きし、彼女たちのモラルを
支えているのだから。実際一人ひとりは本当に普通の女である。非力な女である。それでも尚
組織を抜けることがない。肝心なハーゲンとの間で結局何もなかった彼女たち。残された
女ばかりの空間で何が楽しいのかと疑いたくもなる。それでもただ黙々と規律正しい生活を
送る。頑なに処女を守る。年頃の女の子が享受する奔放な暮らしを望むこともなく。
ただハーゲンへの忠誠の為に生きるのだ、という信念の下、仲間同士身を寄せ合い
労わり合い、間々愛し合うことすらある純な乙女たち。もとから一般市民への害意なく、
今や藍華との和解もなった。そんな彼女たちにカリスマ盲従だの集団催眠だのという安易な
形容は当たらないだろう。ストイックという表現ですら妥当ではない。一人ひとり、溢れる
魅力を放ちながら、その振る舞いあくまで不思議な、そしてほんのり甘い香りを底流漂わせる
ばかりなのである…。

159しーぽん&カニは死ね!:2003/09/11(木) 23:39
僕を出してよぉー!
僕はネオデルモの最高指導者なんだぞ!
配下には忠実なデルモ達が沢山いるんだぞ!
分かってる? この意味?

160名無しさん:2003/09/12(金) 00:22
てる君?しーぽん?長門・・・どっちでもいいや
一つ言わせてください。
あなたのハイレグレオタだかなんだか知りませんが、自分の妄想や理想を他人の目的や趣旨が違うスレで爆発させないでいただけますか?
迷惑で、とても困っています。4Life様や、超初心者様のスレではなく、ご自分のスレでおやりなさいよ。なんのために立てられたんですか?
ここや4Life様のスレがとっても好きで見ている私にとっては、ハッキリ言ってとっても邪魔でムカツキます。話の筋を見極めた上での慎重な書き込みを、どうか、お願いいたします。
超初心者様、こんなことカキコして申し訳ありません。

161しーぽん&カニは死ね!:2003/09/12(金) 00:39
よく言うよ。
SSの方が遥かに問題発言が連発されてるのに、
何故オレだけ濡れぎぬ着せられて悪者扱いされんにゃならんのかと小一時間。
フザけんなと言いたいね。

162名無しさん:2003/09/12(金) 00:40
>>160
死ね!馬鹿。

163名無しさん:2003/09/12(金) 00:45
>>160
オイ、テメェ、ブチ殺すぞこの野郎!

164名無しさん:2003/09/12(金) 00:46
まあまあ、みんななかよくしようよ。

165名無しさん:2003/09/12(金) 00:54
>160
変な言いがかり付けるのはやめて欲しいね。
ここの板の趣旨が分かって無い奴の発言だよ。

166名無しさん:2003/09/12(金) 01:12
>>160
他にも問題発言している人物はいるのに、特定の人物だけ名をあげて責めるのは公平ではないだろう。

167名無しさん:2003/09/12(金) 01:24
>160
死ねや!このボケナス。

168名無しさん:2003/09/12(金) 02:37
>>160
この馬鹿が!

169名無しさん:2003/09/12(金) 08:09
>160を叩くのはもうよしなよ。

170超初心者:2003/09/12(金) 20:36
>159-169
いきなりレスが伸びているので、びっくりしましたー(汗)159さんも160さんも
164さんも169さんも有難うございますm(__)m
お互いファン同士、まったりいきましょ〜^^
所詮は愚生ごときの駄文です。皆様お気楽に読み飛ばしていただければ、と。
なにせ私はデルモゲニィ内部犯と目されているのですから^^;;
(4Life様SSスレ参照)

171超初心者:2003/09/13(土) 21:22
小噺その55

藍華とデルモたちとの関係。概ね闘いに明け暮れているよう見られがちだが、人間同士の
やりとりである以上、様々なサイドストーリーがついてまわる。中々表面に出ないが
その実、藍華がデルモたちを助けることだってあるのである。例の公園バトルで黒デルモたち
10人を倒した藍華が、少し疲れた足取りで自宅に向かう途中のこと。ふと、ご愛用の耳飾り
がひとつ、なくなっているのに気付く。さっきの闘いで外れてしまったに違いない、もう、
ほんとにィ、とぼやきながら公園へ戻ると、何やら怪しげな人影数名あり。傍らに
大型トラックが停まり、その荷台に女たちを運び込んでいるような気配である。あの
地下駐車場と同じく青デルモたちが暗躍してるのかと最初は思うが、よく目を凝らして
みると、それは女でなく、いかつい格好の男たちばかり。近くの植え込み伝い、密かに
接近して様子を窺えば彼らの低い声が否応なく耳にも届く。「フフフ…こりゃあ、
上玉だな…」「相当な値段になるぞォ、これは…」「しかも、噂じゃ全員処女だって触れ込み
だぜ。たまらんなあ」「こいつらに手を出そうとした仲間が今まで散々やられてきたが、
あの女のお蔭で万事うまくいく。笑いが止まらない、とはこの事だな!」フハハハ…どす黒い
悪意と狡猾が入り混じった下卑な笑いである。この男たちの正体が何なのか正確には
わからないが、およそロクでもないことだけは明らか。デルモたちへの義理はないが、
ひとりの黒デルモの胸元にのる藍華の耳飾りを男が胡散臭そうに拾い上げ
「フンッ、こんなもの!」と道端の側溝に投げ捨てた時には、さすがに藍華も我慢の限界を
越えていた。さっと姿現し、凛とした声で言い放つ。
「あなたたち!そのコたちをどうするつもりなのッ!?」(To be continued^^)

172超初心者:2003/09/14(日) 12:44
小噺その55の後編

男たちは5人。服装はまちまちで背広にネクタイ姿の者もいたが、その人相お世辞にも良い
とは言えないだろう。およそ堅気の人間とは思えない、訳ありな雰囲気が全身に
充満している。藍華の出現に一同ぎょっとはするがそれも瞬時のこと、すぐニヤけた笑みを
口元に浮かべ彼女を取り囲む。どれも似たような風貌の中で僅かにリーダー然とした男が、
気持ち悪い程の愛想で返す答えがある。「これはこれは、ミス藍華。どうなされましたか?」
「どうって、それはこっちのセリフよ。何をしてるのか…教えて頂きたいわ」
「見ての通り、こいつらを連行して調べるんですよ。あなたに何度も襲い掛かった悪い
奴らでしょう?」自分の名前を呼ばれたことから、この連中がそれなりの下調べと計画を
練っていたことがわかる。藍華にとってその計画が何を意味するのかは分からないが、
一貫して持ち続けている自己の信念だけはこの場においても微動だに揺るがない。信念…
それは次の言葉で明らかになるもの。「これは、私とこのコたちとの問題なの。
手を出さないで頂きたいわね。それに見たところ、あなたたち警察でもなければ救急隊
でもないようだし。上玉だの値段だのっていうさっきの会話もばっちり聞かせてもらってる
のよ。二度とこんなことしないで頂けないかしら?」藍華とデルモたちだけの問題である。
純粋な闘いである。男たちの黒幕や狙いに興味はない、ただ自分たちの確執に立ち入るな、
その一点なのである。ちょっと考えれば、随分鷹揚な発想。男たちを追及するでもなく、
翻って彼らが素直に引き下がれば何ら痛い目に逢わずに済んだのだろうが、格闘に場慣れして
いる自信と数の優位が冷静な判断を狂わせる。間髪おかず、周囲から一斉に殺到する男たち。
が、雲泥の差とはこういうことを言うのだろう。二人ほどは銃まで出したが結果は同じ、
あっという間に全員が地に這った。まったく、何て男たちよ!と呆れ顔の藍華。再び手にした
耳飾り、ついた汚れをハンカチで丁寧に拭きとり装着したところで、もうひと仕事が待って
いる。それは気絶した黒デルモたちを揺り起こすこと。「う…う〜ん…あ?…ああ…」
怯える女にニッコリ微笑む藍華である。「さ、早く仲間を助け起こしてあげて。この男たちが
目を覚ます前に」10人全員を起こしたところで、藍華は簡単に説明する。油断も隙も
あったもんじゃないわ。あなたたちも気を付けてね、と。敵である自分たちまで救ってくれた
藍華に黒デルモたちは感激一杯、胸がつまるのも当然か。涙目を潤ませながら去っていく
女たちは最後に一言を残した、もう公園では闘わない、と。不逞の輩に付け込まれないよう、
場所を選ぶということだが、闘いそのものは放棄しないというしぶとさの表れでもある。
あとは自分たちの基地である犬吠島まで一直線…最終決戦に向けたシナリオがここに
出来上がったという訳なのである。(End^^)

173名無しさん:2003/09/15(月) 15:34
>>171 >>172
超初心者さんのSSをいつも楽しみにしています。
今回のSSを読んで、気づいたのですが、
藍華さんが、男たちと格闘するというシチュエーションは、OVA本編でも、コミックでも、
そしてSSでも初めてのことなんじゃないでしょうか?
ナジカもOPでは複数の男たちと格闘していましたが、本編ではそういうシーンは、
なかったんじゃないでしょうか?少なくとも印象に残っていません。

これからもSSを期待しています。
それからイラストももっと描いてください。

174超初心者:2003/09/15(月) 17:09
>173様
 私のような駄文にまでお付き合いいただき、有難うございますm(__)m
 最近は数十レス以上の長文だらだらデッチアゲストーリーを書く気力が伴わず
 小噺中心に妄想しておりマスが、その分シチュエーションのデタラメさは
 膨張する一方(笑)本編では、クライアントが結構ワルに描かれていたように
 感じましたが、郷造のような苦労人もいれば、ズルイ奴らもいる、ということ
 デスネ^^私の独断と偏見としましては、OVA本編の主役を藍華に限定して
 いません。敵味方を超えた女性たちの躍動がまぶしく映るばかりなのでアリマス。
 多くの皆様も仰ってますが、Aikaはコンセプトの段階でも中々良く練られていると
 思いますね。(もっとも、私はコミックすら読んでないのですが…汗汗)
>イラストももっと描いてください
 えーーっ!?あんな鉛筆落書きですよ?研究所様のゲスト画廊もどんどん
 ハイレベルになって、私などもうお恥ずかしの一言デス(大汗)
 カラーCG関係の資料や本を読んだだけで、頭クラクラ…現在ギブアップ状態です^^;;

175ぱんちーと:2003/09/15(月) 18:45
いえいえ、超初心者さんのイラストにはそこはかとない味があります。

176超初心者:2003/09/15(月) 20:19
ぱんちーと様、いつも暖かいお言葉、有難うございます。
>そこはかとない味
  絵師の皆様がお描きになるダイナミックで美しいCGの足元にも及びませんが、
  何か、雰囲気のかけらだけでも醸し出せれば、との思いデシタ^^

 PS:副官様、例の優勝フィーバーは今ごろ最高潮では^^?
   当小噺その46でも触れさせていただきました。3-1と予測しましたが
   3-2でしたネ^^

177副官:2003/09/15(月) 20:28
>優勝フィーバーは今ごろ最高潮では

今夜は愚息が「飛び込み」で有名な道頓堀・戎橋に見物にいっております。
さて、何時ごろ帰ってきますやら。
サンTV(阪神全試合中継)がず〜と放送しております。

178超初心者:2003/09/17(水) 22:40
小噺その56(その46の尾ひれ羽ひれ)

2039年9月17日、某大都市圏。フランチャイズ球団優勝の興奮冷めやらぬ街のあちこち
では、大きなパーティから小さな飲み会に至るまで様々な人々が感激に酔い痴れている。
ここ、とあるダイニング・バーでも50余人もの女性たちが貸切状態で大盛り上がり。
黒、青、ピンク、ゴールデン、白…もう言うまでもないだろう、何れ劣らぬ美女揃いの
コスチューム姿は勿論デルモたちのものである。大勢のデルモたちに混じって藍華やりおんの
顔も見え、女性ばかりの嬌声はただひたすらに姦しい。本来彼らの職場である関東圏からは
離れているが、この日ばかりは距離など問題でないと、夫々に出張をデッチアゲこれだけの
人数が集まったということである。店内BGMにかかるのは何故か上田正樹「OsakaBayBlues」…
バラードだと盛り下がるのでは、と考えるのは早計で、女たちの会話を妨げないこの程度が
まさに最適といえようか。およそまとまりのあるおしゃべりではないが、順不同に彼女たちの
コメントをひろってみると…。
「“勝ち組、負け組。そんなん、ないんや”なんて格好いいこと言うわよねえ、このお爺さん」
「とても92歳とは思えないわよね。見た目もまだ若いし、何だか私のタイプ♪」
「え〜っ?マジ〜〜ッ!??」一方こんな黒デルモたちの喧騒とは別に、ゆったり進行する話
もある。「キャサリン、今年はお疲れ様でした。あなたたちの応援が効いたって、昨日監督
以下球団関係者の方がお見えになって感謝状を頂いたわ」「有難うございます、司令。でも私
なんか、気絶ばかりしててお恥ずかしいです…」「うふ♪まあ、あなたらしくって
いいじゃない?それより、あなたに球団マスコットガールになってもらいたいって申し出が
ありましたけど、それはお断りしましたよ。あなたにはこれからヴァレリと一緒に続編製作に
携わってもらわなくてはならないんですから…」続編、と聞いて身を乗り出す藍華とりおん。
「やっぱりあなたとの決着、という話になるのかしら?」水を向ける藍華に微笑む司令。
「そうね…ただ、それをどういう味付けで見せるか、よねえ。前作も色々な評価があった
でしょう?色んな嗜好の人がいるし、そういう人たちが小異を捨てて大勢集まって支えて
下さった結果あのヒット作が生まれたんですものね…考えてみると難しいわ…」と、ここで
深い思索に入る司令の思惑など微塵も構わずりおんの突っ込みが放たれる。「水ポチャ!
これは絶対入れましょうよー!ペロロンカホテルのプールや白銀基地の浴室みたいな!
今度は道○堀川に投げ込むってのがいいなー♪」単なる勢いで出したアイデアだが、意外に
これは現実味を帯びる。あれ以来ラグの平和利用をリードしたデルモ・コーポレーションは
その卓越した先端技術を使い、地球浄化ならぬ河川浄化で目覚しい成果を挙げた。かつては
ヘドロの堆積層にこんもり覆われていたあの川が、今や山間の渓流に匹敵する清水に生まれ
変わっている。飲料にすら適する程の水質まで改善させたデルモたちの技術をPRするには
実におあつらえのロケーション、ということ。何も自分たちが水に入ると決め付ける必要は
ない、主役は藍華たちと限らないじゃないと思いつつ、ここは社業発展のためにしょうが
ないか、と割り切るデルモたち。実に百人が橋から落ちることになったシナリオ第一稿の
キッカケは、こんなとりとめない雑談から生まれたのである…。

179副官:2003/09/17(水) 23:10
超初心者様

拝見いたしました。
早速に、阪神優勝/飛込み/デルモ・コープ/続編の各ネタを見事に纏めておられます。
流石です。

180超初心者:2003/09/18(木) 17:31
副官様、ご当地ネタを勝手な妄想でかきまわし、失礼致しマシタ。
飛込みは、もはやシャレで済まなくなってしまったこの節ですので
今後、注意いたしますー(汗)

181超初心者:2003/09/18(木) 21:18
小噺その57

昨晩は結構な深酒だったにも拘わらず、翌日は朝から元気に観光へ繰り出すあたりが若さの
証明。長く連なる山々が間近に迫る某ハーバー・シティにやってきた彼女たちは異人館めぐり
や輸入アイテムショッピング、中華街でのグルメ三昧などを次々と満喫し、今は山上にある
広大な牧場を訪れている。澄み切った空気、のんびりと草を食む牛馬たち…この手の場所では
定番の濃厚脂肪ソフトクリームに舌鼓、透き通る青空のもと思い思いに開放空間を楽しむ
女たちである。特に牧歌的な雰囲気がお気に入りの白デルモ・ナターシャは、草地に腰を
おろすと、一冊の本を開きそのままメルヘンの世界へひとっ飛び。読み耽る厚手本は勿論あの
「花とゆめ」に相違ない。とその時、悠然と彼女の近くを通りかかるホルスタイン。ある種
わかりやすいコントラストの妙に、あのオッパイならお似合いねー、などと陰口をたたく
黒デルモたちは当然いるが、当の本人はまるで気づいていない様子。淡く色づく山間から
微かな涼風に乗って飛来したトンボが、ちょこんと羽休めることが出来るのも彼女の福与かな
胸あればこそ。こんな、微笑ましくも不可思議な情景にかぶさる音がまた渋い。遠く
クラブハウスから聞こえてくるのは昔日のソーバッド・レビュー、ウエストロード・ブルース
バンド、憂歌団などのご当地ラグタイム・ブルース。実にアンバランスでミスマッチなこの
一角を、それでも羨望の眼差しで見据える女がひとりいる。それは藍華。あのコ、あれだけの
豊乳でも垂れないなんて…白デルモの服越しに天をつく程せり上がった乳房、ツンと上を
向いた乳首の隆起に、思わずゴクリと呑み込む生唾ひとつ。今この女たちの中で最年長、
僅かな体型の崩れにもナーバスな彼女として、このコのライフスタイルってひょっとすると
大きな参考になるかも、とは思うもの。どういうお手入れをしてるのかしら、毎日何を
食べてるの、運動は…?聞きたいことなど山ほどあるが、いきなりの質問から入るのも如何な
ものかと、先ずは当り障りのない会話からアプローチを試みる藍華。結果として彼女の望む
収穫は得られず、特段秘訣らしいものもないまま常識的な答えに終わってしまう。がしかし。
この日を境にひとつだけ明記できることがあるのだろう、ニナ・エスコ、ナターシャ共々、
都合3名の「花ゆめ」派が岩より固い契りをもって結成されたということが。

182研究所:2003/09/20(土) 11:27
「花ゆめ」派....
まだこの設定が生きていたとは?(笑)
生かして頂けて光栄です。

183超初心者:2003/09/20(土) 13:14
小噺その58

社員が数百人といえば、既に小企業の部類には入らないだろう。新興の
デルモ・コーポレーションも一応の体裁なった組織として、社員の福利厚生やその一環として
の健康診断まで自前で行う中々の会社に成長した。デルモ社員の健康チェック。といっても
社長を兼ねる司令の暖かい思いやりが光る、懇切丁寧なメニューである。年数回に分けて実施
されるその診断日には多くのデルモたちが医務室に集まり、いつも賑やかなことこの上なし。
検査する医師や助手たちも全て身内のデルモたちだから、誰に遠慮するでなく裸のまんまで
列を作る開けっぴろげ具合はもう壮観そのものといえる。その中で、身長・体重測定くらい
までならともかく、聴診器を胸にあてたり、検査台に横になったりするさまは、まさに眩しい
の一語。しかも気心知れた者同士、リラックスしようとしているのか、はたまた軽く
じゃれ合っているのか、あちこちで挙がる喘ぎ声がまた言い尽くせないほどに悩ましい。
乳がん検診のために乳房を揉めば「アアンッ…♪」
子宮筋腫発見のために超音波ローラーを下腹部に這わせれば「はううぅぅ〜んん♪」
心電図計測のため小さな電極パッドを胸周りに置けば「きゃう!冷たあぁい♪」…
黄色い声だけではない。日頃格闘ではチビリっぱなしの彼女たちが改めて尿検査を受けると
なれば、皆、紙コップに満ちていく自分のオシッコをまじまじ見つめ、深い感慨にふける。
これが私のオシッコ、私の生の証し…おもらしした私を人が何と笑おうが、これも
かけがえない命の営みなんだわ…と。圧巻はバリウム飲んだ後の胃部X線撮影。自在に
回転する検査台の上で、身をよじらせる度にデルモたちは「うう…」と呻く。彼女たちの
大半が藍華の当て身を食らった経験があり、今も姿勢によっては腹部などに鈍痛を覚えるから
である。そんな被験者の呻き声などまるでお構いなしに次々と注文を出すレントゲン医の
ピンクデルモ。「うつ伏せから仰向けになって少し息を止めて下さぁい。それで両手は上に
あげてぇ」全裸の被験者デルモは一々健気に従おうとするのだが、時折無理な要求が混ざる
こともあり、傍目にはお仕置き以上の体勢に陥ることも。例えば台が頭を下にするほど
傾くと、ずり落ちないように両手は左右のバーを掴むが、傾斜角度が極端になると、両足の
方が知らず開いてしまう。「あううぅぅ…」この場に男がいないから良いようなものの、
呻き悶えながら懸命に裸身を支える女の姿態は余りにも刺激的。普通に目を向けただけで、
露わになった女性の房中が、すぐ鼻先に見える。ところが更に状況をややこしくするのが
助手デルモの働き。下肢だけでなく上体もろとも台から転落すると思い込んだ助手は慌てて
駆け寄り被験者の身体を押さえようとするが…伸ばした両の手のひらの一方はまだ鈍痛残る
お腹をギュウ!「うぐううぅッ…!」もう一方、指が絡まる先は何と!いたいけな秘所の蕾。
「あふうぅっんん…!」台上の女が苦痛と絶頂ないまぜの喘ぎ声を放ちながら、あえなく気絶
に至るのも当然の理。目を閉じ全身の力を失った彼女は支える助手を下敷きにしてドタリ!と
床へ這う。巻き添えで失神する助手も出てくる中で、一体こんな検査先に進められるのかと
心配になるが、彼女たちにとって時間はたっぷりあるのだろう。むしろ当人たちにとっては、
生まれたままの自分の身体を改めて愛しく感じる充足の時…少しでも長く、長く味わって
いたい、思い出を刻む一日なのである…。

184超初心者:2003/09/20(土) 19:44
>182研究所様
  あとさきになりましたが、「花ゆめ」派、健在デス^^
  補足:小噺その56と57は続きものです。57の舞台は、六甲・神戸を
     イメージしてるかも(って、モロバレじゃん…)

185副官:2003/09/20(土) 20:40
>57の舞台は、六甲・神戸をイメージ

えっ、あの街並み描写は神戸だったのか!(w
「超初心者様は関西ご出身かしら」と思いながら拝読しておりました。
(当方大阪府在住です)

「憂歌団」
このグループ、詳しくは知らないのですが、大阪が根拠地で
「お掃除おばちゃん」という曲(題名だけで聴いたこと無し)があった様な。

186超初心者:2003/09/20(土) 21:01
副官様
 大阪ミナミで阪神優勝のどんちゃん騒ぎをしたデルモ+藍華サンたちが、翌日
 神戸・三宮へやってきた、という筋書きで如何でしょー^^;;
 ナターシャたちがやってきたのは六甲山牧場ということで。
 (一回しか行った事ないのに、よくここまでデッチアゲルもんだと、我ながら
  大汗デス…)でも今ごろ六甲おろし、凄いんでしょーねー^^

187副官:2003/09/20(土) 21:27
>今ごろ六甲おろし、凄いんでしょーねー

日本橋ではエンドレスで流しているスポーツ店があります。
私?勿論「六甲颪し」のCDを所有しております。
えぇ、それはもぅ、ずーと以前から・・・


しかし一方、読売ジャイアンツの「闘魂こめて」も持っておりまして。
作曲は両方とも古関裕而。
奇しくもライバル球団両方の歌を、同じ方が作曲している訳です。
(ついでに夏の甲子園大会歌「栄冠は君に輝く」もです)

188黒デルモあゆみ:2003/09/21(日) 09:23
>>187
>作曲は両方とも古関裕而。
なあ〜んだ、「モスラの歌」や「イヨマンテの夜」と同じ人なんじゃん。
「比島決戦の歌」も…。

♪いざこい、アイーカ、めがねっこ
 出てくりゃ、地獄へ、逆落とし

きゃはははは。

189超初心者:2003/09/21(日) 18:03
>古関裕而
  これまた、すんごい御大が登場デスね^^;;大正〜昭和初期って感じじゃ
  ないですか?確かに「阪神」以前に「大阪タイガース」ですもんね^^
>黒デルモあゆみサン
  よ、よおおおーーー……っくご存知で…(後ずさり、、、)
  実年齢をうかがうのも憚られますガ、あなた様はひょっとして某財閥の
  お嬢様!??でしたら、ポケットマネーでさっくりと続編製作費
  出してくださああい^^

190匿名黒:2003/09/25(木) 19:28
>>188
あゆみ〜、あんた今度からシルバーデルモって呼ぶわよ。

191超初心者:2003/11/16(日) 14:41
小噺その59

「お疲れ〜〜」夜11時、居酒屋の前。りおん、道草と飲んでいた藍華は二人と別れ、ひとり
会社の方へ歩き出す。仕事熱心だが、それを全く苦にしないのも藍華流。しこたま煽った安酒
のせいで少し足がふらつくが、意識はしっかりしている。コツ、コツ…ハイヒールの音を
響かせ悠然と歩いているようで、その実既に気付いているのが尾行の気配。何回か角を
曲がったところで、藍華は壁に張り付き身構える。程なくぬっと現れる人影に凛と放つ一声。
「私に御用かしら?」「あ…」街路灯に照らされた人物は、読まれていたことに驚きを隠せ
ない様子。片や藍華にとってはすっかりお馴染みのデルモ制服、またか、という感じである。
しかも見覚えのある顔…尾行者は、あの地下駐車場で巴投げの末、鳩尾に当て身をして
気絶させた黒デルモその人に違いない。「一度お会いしてるわね。名前はなんて言うの?」
「あずさ…」あけすけに聞く藍華につられてつい答える黒デルモが次の瞬間はっとして
睨みつける。敵意満ちる視線を正面から受け止めながら、藍華はあくまでマイペース。
「ねえ、あずさ。もう終わったんでしょ?これ以上何をしようというの?」
「わ、私は…お前を倒す…なんとしても…」夜の路上には二人だけ、通りかかかる人も
いなければ周囲に仲間が潜んでいるとも感じられない。となれば1対1の勝負を望んでいる
ことになるのだろう、そんなもの常識的には結果が見えている。それでも藍華は片隅に緊張の
面持ちを忘れず言葉を紡ぐ。「いいわ。気のすむまでかかってらっしゃい」…この後の展開は
推して知るべし、たちまち路面に叩きつけられたあずさ仰向けの身体。その柔らかな腹部には
藍華電光の拳がまさに突き込まれる刹那だった。−−ドボッ!!「ぐぁッ…!」衝撃の反動で
四肢や頭が跳ね上がるが、すぐに力なく横たわる。深い気絶の闇に落ちた黒デルモの傍らに
ひざまずき、その顔じっと見つめる藍華は例によって寂しげな表情への移ろい。半開きに
なった口元から流れ落ちる涎も前回同様見慣れた光景だが、おもむろに股間へ目をやると…
剥き出しになった純白パンティから沁み出すように、いや、こんこんと湧き出すような水溜り
ができている。ぐっしょり濡れたパンティを通して、ぴったり貼りつく女陰の色彩形状も
鮮やか。同性の藍華も見とれる程の眩しさだが、しばらくすると意を決したように
立ち上がる。一旦この場を離れた彼女が数十分後に再び現れた時、ひとつの袋をぶら下げて
いた。それから時間は更に流れ…あずさの目覚めは公園のベンチにて。(あの女がここまで
運んできてくれたのか…)路上に放置しない気遣いは嬉しいが、またしても負けた、という
のが素朴な第一感…悄然とする彼女の脇に1枚のメモが置いてある。
手にとってそれを読むうち「えっ!?」と、素っ頓狂な声。思わず股間に手を伸ばす。と、
その表情には複雑な微笑み。あずさの脳裏にはいくつかの思いが無秩序に飛び交っていた。
ブラック仲間やブルーへの言い訳をどうしよう、ああ、でもこれ中々いい、あの女への挑戦は
止めないけど憎めない相手だわ、いや本当は感謝しなけりゃいけないんでしょうけど、でも
やっぱり藍華は私たちの敵だ…などなどなど。一体何が書いてあったのか、この際メモの
一部を読み上げてみることにしよう。「…近くのコンビニにあったのは男性用パンツだけ
だったの。だからこれで我慢して。あなたの濡れたパンティは私が持ち帰って
洗濯するから…」失禁した自分への恥じらい。敵である筈の藍華からかけられた情け。官給品
であるパンティの紛失届をどんな理由にするか。にしてもこのパンツ意外に履き心地がいい、
前が開いてるのも○○に都合いいし…と、ここまで諸々の事情が重なれば、あずさvs藍華
の闘いに小休止が打たれるのも至極当然というところなのである。

192超初心者:2003/11/18(火) 19:54
ラーメン。唐突だが、日本独自の進化を遂げたこの一品はデルモたちにもファンが多い。
今、とある人気店前の路上。もう深夜にもなろうというのに相変わらず引きもきらない行列の中、
3人の黒デルモたちの姿が見える。「ここって麺とスープの絡みが絶妙なのよネー!」
「ホント。つまみも沢山あるし、ビールをきゅーっとやりたい時には最高♪」
風も冷たくなってきているが明るくはしゃぐ3人組には気にもならないのだろう、時折強く
吹き付ける北風に、はためくスカートの裾からのぞく純白パンティも愛らしい。
優に30分は待ったあと、漸く店内に入った彼女たち。満員の店内はもうもうと湯気が立ちこめ視界0m、
「こちらにご相席でお願いしまーす」と案内されたテーブル席につく。向かい側にも3人、
一心不乱にラーメンをすすっていたがフ〜〜ッ…と一息つき顔持ち上げたところで「あーっ!!」
喧騒の店内では全くどうということもない一声だが、当の6人には驚愕の瞬間。席順にみてみよう、
向かい側左から道草、藍華、りおん。手前側左から、あずさ、ジュン、ゆうこ、である。
犬吠島以来の再会、「藍華に関わるな」という司令の厳命はあってもやはり緊張は走るもの。
そんな中、ドギマギする黒デルモたちの表情をいち早く読み、先んじて一言発する藍華は流石に
年長者の余裕といったところだろうか。「ココ、いけるわよね。あなたたちもよく来るの?」
「え?ええ…」慌てて返事するのはジュン。あの地下駐車場で腹部に電撃棒を突き込まれ
気絶した彼女である。少なからず複雑な思いにもかられていよう、と藍華流心配りの言葉は続く。
「元気そうで何よりだわ。おなかの方も大丈夫だったでしょ?私の当て身って、気絶する時
一瞬苦しいけど、目覚める時はかえってスッキリしてる筈だから」
こうもあっけらかんと言われれば黒デルモとしても拍子抜け。何よりここは満員のラーメン屋、
喧嘩腰となるには余りにふさわしくない。折角長時間並んだのだから、ということもあってか、
6人共々取り敢えずはその場を取り繕う。いや、それどころか、ビールやつまみを次々追加し
果ては麺大盛りだなどと、このテーブルの盛上がり相当なもの。しっかり長居を決め込んだあと、
一同ほろ酔い気分で外へ出るとジュンが藍華の耳元でそっと囁く。
「明日夜10時。港湾倉庫にひとりで来て。私もひとりで行くから…」黒デルモの瞳に曇りは
ないが、さて今後の雲行き一体どうなっていくのであろうか…?

193超初心者:2003/11/18(火) 21:53
↑小噺その60(忘れてマシタ…汗)

194超初心者:2003/12/03(水) 21:38
小噺その61(デルモたちのクリスマス・キャロル)

大災害後の社会がどう変貌していこうと年間行事は揺るがないということか、時候はそろそろ
クリスマスである。科学の進歩とは裏腹に心の片隅でファンタスティックな夢や希望を抱く
人々もいて、この伝統への関心は相変わらず根強い。そう、まさしく伝統的なクリスマス。
互いに贈り物をし、愛を確かめる日。毎日元気に活躍するデルモたちも聖夜が近づくにつれ、
特別な思いが胸にこみ上げる。デルモ・コーポレーションの社用車
「ホーリー・エクスタシー」号も既に整備は万全、もはや当日を待つばかり。そんな彼女たち
目下の活動は年末助け合いボランティア。街頭に立って、恵まれない人たちへの寄付を募ると
いうものである。これは世間を欺くカムフラージュ?いや、確かに遊覧船ガイドやファミレス
のウェイトレス同様、ある種情報収集の一面はあるがハーゲン計画を放棄した今、彼女たちの
善意もあながち嘘ではない。あの際立つデルモ制服のまま路上を吹き抜ける北風にめげず
募金箱を持つデルモたち。時折風が下から吹き上げると、清楚な純白パンティは丸見え。
のみならず、いたいけな秘所のぷっくりとしたふくらみや可愛いおへそまでが惜しげもなく
露わになり、その都度目を釘付けにして立ち止まる通行人から気前のいい募金が飛び込む。
こうして全体としては結構な金額が集まってくるがここに一つのハプニングあり。それは
某クライアント老人との遭遇である。ラグデータの入手で莫大な利益を得た彼がボディガード
を引き連れ悠然と歩いていた時、何人もの黒デルモたちから声をかけられる。互いに面識が
あるとはいえ、ラグ争奪の一件は過去の話。毛頭無闇な波風たてるものでなく、ひたすら
丁寧に募金を呼びかけるデルモたちなのだが、彼の態度はけんもほろろ。びた一文出さず自宅
豪邸へ戻った彼が、その晩3人の幽霊の訪問を受ける。ひとりは過去の亡霊。老人が若かりし
頃、純粋な恋に身を置きながら欲望のために別れた苦い青春の思い出を見せる。過去の恋人は
どことなくネーナ似のクール・ビューティだった。二番目は現在の亡霊。ハーゲンそっくりの
長髪内巻カールが特徴のその亡霊は、老人が薄給でこき使うひとりのボディガードの家庭を
見せる。頑丈な身体つきと黒サングラスで強面に見せていても、黒デルモたちによって簡単に
倒される彼はその実、貧しい家庭と病弱で小さな息子を抱える非力な男だった。それでも彼と
その家族は質素ながら楽しい団欒を持っている。しかも雇い主の老人に感謝しクリスマスを
祝ってくれる彼らに、老人の良心はズキンと痛んだ。そして三番目。未来の亡霊は黙ったまま
彼をクライアント・オフィスへ連れていく。そこでは大勢の人間が喜色満面に騒いでいた。
彼らが喜んでいたのはある人間の死。それが誰かと言えば他ならぬ老人の事。三番目の亡霊は
死神だったのだ。助けてくれ…!無限の暗黒に引き込まれながら彼は泣き叫ぶ…と、はっと
目覚めればベッドの上。これが夢でも幻でもないと感じた老人は、傍らの机にある時計を
見る。イブはまだ終わっていない。そうだ!彼は自宅を飛び出し、七面鳥ならぬステーキ+
タラバガニ詰合せと回転木馬ならぬコンピューターゲームを買いこんでボディガードの家へと
急ぐ。本人に対して給料も充分に上げると伝えた後は、デルモたちのところへ戻ってこれまた
盛りだくさんなプレゼント。即ち、大枚の募金である。喜びと悲しみを分かち合う素晴らしさ
に今更ながら気付く老人だが、同時に感激を残す思い出の一品もゲットした。募金に感謝した
黒デルモ“ももえ”がその時履いていたパンティがそれ。その時、ついでに中まで拝ませて
もらったのかどうか…その点は不明なままであるが…。


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