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乗り物・機械・兵器スレッド

1言理の妖精語りて曰く、:2007/07/09(月) 16:35:45
乗り物、機械、兵器に関する記述を行うスレッドです。

73チョコ理の妖精、語りて曰く、:2018/02/18(日) 20:42:51
チョコーリアとチョコモリ・アキラは、再会を約した戦友である。

だが、二人が所属している勢力は、決定的な対立を迎えようとしていた。
チョコーリアが所属する「パラソルチョコ教会」は、チョコを序列化し低位のチョコを迫害していたのである。
そして、その迫害の手は、ついにチョコモリ・アキラの主人であるチョコシューラにまで及ぶようになった。
チョコシューラは、チョコの手によって作られた「チョコ造チョコ」であったが、その存在はお菓子メーカーの傘下にある「教会」とは相容れなかったのだ。

だが、チョコモリ・アキラは、ここで断固として戦うことを(主人によって)決意した。
彼は、主人のチョコ権をチョコ界に認めさせるために、母国である「猫の国」のバナナ料理をアリュージョン、「甘くないチョコ料理」を大々的に売り出したのである。
甘くないチョコ料理、「チョコー・カラテ」
どんな具材や調味料も受け入れるそれは、すなわちチョコモリ・アキラ自身でもあった。

また、チョコーリアも、その間ただ手をこまねいていたわけでは無かった。
チョコモリ・アキラを助けるために主人であるハルチョコたちの力を借り、内部からの「教会」改革に挑んだのだ。
彼女たちの幾多の暗闘や説得を経て、情勢は動く。
政治チョコ争の勝敗は、「紀元チョコパラソル」の頂点で行われる「チョコ料理対決」で決されることになった。

だが、ここで悲劇が起こる。
チョコモリ・アキラの主人、チョコシューラが、凶弾に倒れたのだ。
「教会」の刺客チョコラドによる、マイクロ波キャノン砲撃。
チョコシューラ勢力の保有チョコは、この攻撃により全滅し、護衛をしていたチョコモリ・アキラ自身も、その余波によって重傷を負った。

幸い、チョコシューラの設計図(レシピ)は残されていたため、彼女の復活は可能であったの、勝負当日には間に合いそうになかった。
さらに「甘くないチョコ」の在庫と製法は、チョコシューラ勢力だけが保有するものであったため、この損害は致命的なものであったと言える。
対決に勝たなければ、残るのはチョコ異端として排除される未来のみ!
チョコモリ・アキラたちに、危機が迫る!

しかし、決戦の日、チョコシューラの代打として登場したチョコーリアは・・・・・・・・見事に、チョコ対決に勝利したのだ!
彼女が作り、大勝利を収めたのは「チョコフォンデュ鍋」である。
それは、甘くないものも、甘いものも、全てを受け入れる温かく優しいチョコの愛。
その愛が、賞味期限切れの「教会」チョコ老害たちの心すらも、とろかしたのだ。
そして、その「鍋」
材料が残されていなかったはずのチョコーリア陣営が作った、その「チョコ鍋」の材料こそ、この対決のためにその身を捧げたチョコモリ・アキラであった。
彼は、決して自己犠牲ではなく、己の納得のために、自分自身を「鍋」の材料として提供したのであった。
それこそが、彼の技「本当のチョコー・カラテ」なのだ。
そして当然、その「チョコ鍋」を調理したのは、それまで甘くないチョコにアレルギー反応を起こしていたチョコーリアだった。
彼女は、この土壇場において自らに香辛料を大量投入し、その体質を克服したのである。

そう、チョコーリアとチョコモリ・アキラ、二人の約束が、巡り巡ってチョコ差別から世界を救ったのである。

そして物語は、チョコシューラの姉妹である魔女、チョコセスカのチョコ竜退治へと続くのだが・・・・・・・・。
今回のチョコ話は、ひとまずこれにて終わる。
終わりは、一つの始まりである。
一つのチョコを食べ終わらねば、次のチョコを食べられないように。
湯せんした板チョコが、新しいチョコに生まれ変わるように。
新しい始まりのためには、古い話は一旦閉じねばならないのだ。

それでは、またいつの日か。
おお! おお! 皆の者、チョコレイスヴァを恐れよ! チョコ端を喰らうその恐るべき口を!

7472および73の記述について:2018/02/18(日) 20:44:03
※これらの『チョコ想再起のチョコーリニスト』についての記述は、最近さんの『幻想再帰のアリュージョニスト』の二次創作です
※そのため、神話概念以外は、ゆらぎの神話には還元出来ないことをご了承下さい
※これらの記述は、実在の人物、団体、事件およびバレンタインデー、実在の魔王様、チョコを食べたせいで眠れなくなった人などとは関係ありません。
※なお、『チョコーリニスト』のチョコ原稿は、スタッフ(ワレリィおよびそれに巻き込まれた人)が、もちもちと美味しく処理いたしました。

75言理の妖精語りて曰く、:2018/02/24(土) 11:59:14
クロウ・クルワッハ

扶桑崎大和がケルトの神クロム・クルアハのために制作した魔法の甲冑。
多くのバージョンアップが繰り返され、その過程でパワードスーツ式を採用、
最終的には羊の角を持つ黒き龍のごときフォルムとなった。

76言理の妖精語りて曰く、:2018/02/26(月) 10:44:52
クロム・クルアハは己を「血まみれの大蛇」と「蛆虫」に見立てる観想を修行として実践していた。
ケルトの地に訪れた新しい宗教に信徒を奪われ、
そして再生の芽をレプティリアンたちの抑圧により摘み取られた後、
それでも彼はあきらめることなく鍛錬を続けていたのだ。

脱皮を繰り返して成長する蛇、死を糧とし成長する蛆虫……
豊穣、そして自然界の円環を体現するモチーフ、これを自身の霊体の中で練り上げ続ける。

77言理の妖精語りて曰く、:2018/02/27(火) 06:28:57
VRきゆら学園において「超光速の思念の交感」が可能になるのは、このシステムが元々「人間同士の相互理解」を目的としていたからだ
現在は「異能戦」に用いられている「個人世界観の具現」も、元々はそうした目的のためのものなのである

VR学園が存在する星間移民船【パンゲオン】は、やがて新しい惑星へ到着する
そして、そこでの活動には、電脳体ではなく肉体を所有した個体としての活動が必要とされるはずだ
「相互理解」は、そのために不可欠な前提条件であり、VR学園はそのために存在したのだ

だが、VR学園の「生徒」たちは相互理解より闘争を選び、学園の闇で暗闘を始めた
文明再建時のためのシミュレーションは、当初の目的を見失ってただの遊戯に成り下がり、惑星移民と言う大いなる目的は失われた
「生徒」の間には、派閥や数多の愛憎が生じ、「超光速の意志の交感」でさえその亀裂を埋めることは出来てはいない
人類の夜明けは、未だに遠いままなのだ

78言理の妖精語りて曰く、:2018/02/27(火) 20:13:24
マザーシステムたる【キュトス】は、都市を管理し、新しい経済を運営していた
そこでは、人間の個性だけが産業であった
あらゆる意味、価値、美や珍妙さが、商品としてパッケージングされ、売り出された
その賑やかさといえば、全ての価値が揃っているかのように見えたほどであった

しかし、そこにはたしかに無いものが、欠落があったのだ
それは「悪」
都市が運営され、人類が繁栄していくためには邪魔なもの、不快で争いの火種となる価値
そうしたものだけは、偉大なる母親(マザー)の手によって、市場から注意深く取り除かれていたのだ

それ自体は、必要な行為ではあった
善と悪、毒と薬、必要なものと不必要なもの、使えるものとがらくた
それらの分別、エントロピーへの抗いこそ、生きるということそのものなのだから

だがそうしたゾーニングは、多くの価値や物語の意味を失わせた
そしてその喪失は、冬の初めの雪のように、少しずつ少しずつ積み重なっていった
そうして、市場とそれに関わる人間たちは多くの価値を失い、知らず知らずのうちに歪み、弱っていったのだ

悪の無い善、毒を避けられぬ舌、そして苦悩を乗り越えられる精神に、何の価値があろうか?

79言理の妖精語りて曰く、:2018/03/02(金) 06:17:30
メクセトの創り出した【神滅ぼしの武具】の中には、現代で「兵器」に分類されるものも多い
斬った者と使用者を屍兵として操る【死操の魔剣】
死者の軍勢を操る【冥軍の指揮杖】
英雄の身体から得た「設計図」から複製した軍団を創り出す【英雄草の種】
戦場自体を操作し、天災や不運を巻き起こす遊戯版である【万乱の戦戯板】
果ては地獄そのものを形成し、力の源とする【不可視なる炉の鎧】などというものさえ、存在する

だが、最も有名で悲劇的な逸話を持つ「兵器」といえば、やはり【肉粘土ヴァルケイン】であろうか
そう、あれは・・・

80言理の妖精語りて曰く、:2018/03/02(金) 20:41:10
【疫病生態系トゥドゥック・アーボック】は、1032ある神滅ぼしの武具のうちの一つだ

凄まじい猛毒を持つが、それゆえに自然界で自滅してしまう細菌というものがある
むろん、自然発生や突然変異ではなく覇王メクセトの作成物だ
この細菌を保護し、伝染させるモノこそ、この【トゥドゥック・アーボック】なのだ
一粒の種から発生したこの人工生態系は、小さな虫から巨大な猛獣やジャングルに至るまで、あらゆる生物に進化発展する
その進化は、ただ猛毒の病原体をばら撒くためだけにあり、そのためだけに「彼ら」は存在する
この人工生態系にだけは、病原体の毒素は通用しないのだ

単独で完結した生態系、他と触れ合えない拡散する孤独
それは、兵器と断言するには、あまりに悲しい存在であった

81言理の妖精語りて曰く、:2018/03/09(金) 19:53:56
【締切厳守砲】は、悪夢の兵器であった
それは、幾つもの回転する円筒印章から成る螺旋状の砲身と、パイプオルガンのような巨大なタイプライターが組み合わさったような姿をしている
一見して、単なる骨董品にしか見えないこの機械であるが、これは砲撃を当てた相手に『必ず締め切りを守らせる』ことが出来た
それだけならば、これは出版社や教師をはじめとする多くの人々に愛される存在であっただろう
だが、これには恐るべき『副作用』が存在したのである
この【砲】は、確かに締め切りを守らせることが出来る
それが、明日であろうが一瞬先であろうが、おかまいなしに
しかしそうして出来た作品にはクオリティ、いわゆる『質』の保証が一切存在しないのだ
そうして出来た低品質の作品には、意味も無く唐突に終わるもの、伏線無しに急激な変更を迎えるもの、エログロバイオレンスの固まり、果てはゾンビか狂人のように同じ言葉を繰り返すだけというものさえあった
締切とは、執筆者に作品完成のための活力を与える鞭である
無論、鞭だけではやがて限界も来る
しかし、古来より鞭や厳しい鍛錬無しで勝者となった競争馬がいないように、楽しかしないで名作を作り続けたクリエイターも、また存在しない
飴しか味わわない者は、ことごとく一発屋で終わったのだ

これだけでも実に恐ろしい話だが、この機械が兵器として扱われているというのは、更に恐ろしい話だ
国際猫条約で禁止されているのが、幸いといえよう
また、これに比べれば、条約で禁止されていない【もっと猫を構え砲】がどれほど博愛的な兵器かというのも、明白であろう!
こちらは、ただクリエイターからやる気を奪い、猫への愛を高めるというごく平和的な効果でしかないのだから
これにより、禁じられるべき兵器が禁じられ、猫への愛とおやつが増えるのだ
それに比べれば、締切などなにほどのものであろうか?

82言理の妖精語りて曰く、:2018/03/14(水) 18:09:41
日曜朝の特撮番組『紀神戦隊カミナンジャー』において【父】と言えば、敵味方が呼びだす巨大ロボのことを指す

ちなみにキシンピンクが呼びだす「セラティス・ロボ」は【母】であり、キシンブラックのリールエルバが呼びだしていた「マロゾロンド・ロボ」は【おかとーさま】だった
そして今のキシンブラックが呼びだす「セリアック=ニア・ロボ」は【猫】と呼ばれる

83言理の妖精語りて曰く、:2018/03/16(金) 17:37:46
パワードスーツ化以降のverの「クロウ・クルワッハ」の機動キーは、観想によって活性化されたクロム・クルアハの「脊椎」そのもの。
血に塗れたかのような生臭い「ニオイ」、蛇でありなおかつ竜でもあるワーム、そして蛆虫の「カタチ」それらが彼の中で重なりあったとき、
クロウ・クルワッハは起動。黒い体表、その鱗の隙間を赤い光がはしり、背中から翼が展開する。

この起動ギミックはケルヌンノスにも、好評で扶桑崎大和はこれを蛇の形にしたガジェットを彼に贈った。
頭にあたる部分はヒツジ型で、クロム・クルアハが装着するクロウ・クルワッハとおそろいになっている。
そしてこの「羊頭の蛇」というのは、古代においてケルヌンノスの持物として彫刻に現れるモチーフでもあった。

84言理の妖精語りて曰く、:2018/03/28(水) 06:19:33
【人鉄機】とは、伝説の金属【人鉄】になぞらえて名付けられた、機械群の名称である
これらの機械は、旧人類が改造人類(トランスヒューマン)との生存競争に用いるために開発された
しかし、その目的はだんだんとブレはじめ、やがては純然たる兵器として用いられるようになっていってしまったのだ

85言理の妖精語りて曰く、:2018/03/28(水) 23:21:21
モナドリアクターの燃料として、最も適した物は人間である。生態系の頂点に近いため【存在素】を蓄えやすく(それの表出がクオリアである)、また人間によってコントロールしやすい。モナドリアクター技術が秘されていた一端はここにもある。
技術流出後、この事実も広く知られるようになる。テロ組織、審理的真理軍によるモナドリアクター用の家畜人類の飼育は、世間に大きな衝撃を与えた。

86言理の妖精語りて曰く、:2018/03/28(水) 23:25:42
モナドリアクターの燃料となった人類は哲学的ゾンビと化す。

87言理の妖精語りて曰く、:2018/03/29(木) 04:45:50
「動物の頂点が人間であり、人間の頂点が信仰者である。しかし【存在素】を溜め込むか否か、という点において宗教や宗派は問われない。
忌まわしいことであるが、考え方を変えれば、異教徒や異端者に新たな存在意義が生まれるということである。

真の信仰内容は音声増幅器越しに常に発されている。気付ける者、心改める者は家畜では無く、共に往く同胞となる。

家畜として終わる者も、真の信仰のために役立つならば、そして意識が飛び逝くその瞬間に反省在るならば、きっと神は救ってくださる。

我々は出来うる限りの機会を用意しており、神はそれ以上のものを用意して下さっている。ここにあるもの全てが公平さを指向している」

88言理の妖精語りて曰く、:2018/03/31(土) 06:35:16
【人鉄機】は、開発段階から大きな矛盾を背負っていた
それらは【改造人間】(トランスヒューマン)に対抗するために作られたのに、それ自体が人類を改造する要素を持っていたからだ
加えて、【人鉄機】を装着したのは、金属アレルギーなど人体改造に問題がある者や、改造する資金を持たない貧困層であったが、当然その陰には、それを支える反【改造人間】運動の存在があったのである

例えば【W=ラング】は、人間の肺を模した形状を持つ水中スクーターの【人鉄機】である
【旧人類】(ナチュラル・ヒューマン)でも水中で呼吸が可能になる拡張性能に加え、ナックル形態やマルチツール形態への移行も可能な汎用性で【人鉄機】の代表格として知られている

だが、この【W=ラング】初期の段階では、装着適性がある人間は、ごく限られていたはずなのだ
開発企業は、技術革新の一点張りで押し通しているが・・・・・・・・どうにも怪しい
人体を拡張する機械である【人鉄機】には、【旧人類】の人体とマシーンの機構を融和させる、丁度水と油にとっての「石鹸」のような性質が必要だ
だが、そんな都合の良い「素材」など、そうそう上手く作れるものなのだろうか?
【改造人類】でさえ、全ての人間がなれるわけではないというのに。
ここで注目すべきなのは「時期」だ
「技術革新」が起きたとされる「時期」は、すなわち【改造人間】との戦争が過酷になりだした時代とぴったり重なる年代なのだ
そう、それは同時に【改造人間】の捕虜の扱いについて、誰も興味を持たなくなった「時期」ということでもある
すなわち・・・・・・・・

89言理の妖精語りて曰く、:2018/04/05(木) 20:43:03
【肉粘土ヴァルケイン】は、1032ある【神滅ぼしの武具】のうちの一つ。
生き物がその身体に持つという「設計図」を曖昧にすることで、自在に変身することが出来るという魔具である。

この魔具を用いた者は、歴史上ただ一人。
魔具に名前を残す女戦士、槍使い【ゴーザ・ヴァルケイン】だけである。
彼女は、酔った石工が岩盤から削り出したような顔立ちに、子どもが作った泥人形のようなチグハグな手足で有名だった。

だが、彼女は、断じてその醜さゆえにこの魔具を使ったのではない。
彼女がこの魔具を用いたのは、ただただ復讐のためであった。
そしてその復讐、ちっぽけな一人の人間が企てたその復讐こそが、それまで百万の人々を悲しませ、傷つけてきた邪悪な神【魅了の美神】を滅ぼすことになったのである。

90言理の妖精語りて曰く、:2018/04/09(月) 19:03:54
ゴーザ・ヴァルケインは六人兄弟の三女であり、その中で最も醜かった

だが、ゴーザ本人は、そのことを全く気にもしていなかった
なぜなら、ヴァルケイン家は、代々槍術を伝える武芸の一門であったからだ
彼女は、そこで最も醜い娘であると同時に、最も強い若武者であった
それに、彼女は、家族ととても仲が良かった
彼女は、自分より遥かに美しい兄弟たちを尊び、美しい兄弟たちは、自分たちより遥かに強いゴーザを誇りに思った
そして、己が持たないものを持つ家族を、互いに深く愛したのだ

ゴーザの手足はチグハグであり、その顔はどんな荒武者よりも厳つかったが、彼女の兄弟たちは決してそれを笑うことは無かった
その手足が、飛ぶ鳥をも落とすほどの鋭い槍さばきを繰り出せることを、そしてその心が誰より美しいことを、兄弟たちは良く知っていたからだ
むしろ、ゴーザの容姿をあざ笑う者があれば、兄弟たちは必ずその報復に赴いたものである
もっとも大半の場合、最終的にゴーザ本人が、反撃で叩きのめされた兄弟たちを救出しなければならなくなることが、ほとんどであったが

そう、ヴァルケイン家は、ゴーザ一人を除けば大体弱かった
ヴァルケイン家は、代々槍術を伝える名家であり、宮廷に仕える栄誉を担ってはいた
だが、その武勲は、遥か昔の戦乱の時代の伝説でしかなく、その槍は、宮廷の神事のための儀式用でしかなかった
ゴーザたちの国は長きにわたって平和であったため、宮廷の武術は娯楽化し、単なる儀礼に成り果てていたのだ

そんなヴァルケイン家において、ゴーザ一人だけが強かった
国内はおろか、周辺諸国においてゴーザに勝てる者は一人もおらず、その名を聞きつけて挑戦してきた武芸者の中にも、彼女に勝てる者は誰もいなかった。
彼女は、ヴァルケイン家において古の先祖が再来したかのようであった。

91言理の妖精語りて曰く、:2018/04/27(金) 12:50:34
【スマート・アクィラフォン】は、神々の力をアプリとしてダウンロード出来る、汎用霊的端末である
そしてこれは、最新鋭の人造霊媒でもあった

92言理の妖精語りて曰く、:2018/04/30(月) 07:28:14
【スマート・アクィラフォン】は、クラウド・コンピューティングの手法で神々の力や加護を共有出来る
だが、神々の加護の種類はあまりに多く、それを使いこなすことは容易ではなかった

そこで追加されたのが「ヤリ」と呼ばれる技術体系を登録する機能である
これは、使用者の器量や使用履歴に合わせて、使用できる加護や技の使用パターンを登録するものであり「雲を貫く槍」をモチーフとしていた
これによって、神々の多様な加護を凡人でも使いこなすことが出来るようになったのである

ただし、これは絶対唯一の解答だけを導き出すものではなく、複数に分岐する選択肢とその相互作用によって、混沌の未来からより良い可能性を・・・・・・・・

――――ルクサミーヌ・ヘルサル著『新世代の神術と加護』よりの抜粋

93言理の妖精語りて曰く、:2018/05/02(水) 06:43:54
【スマート・アクィラフォン】には、「悪魔の弁護人」と呼ばれる自己検討システムが組み込まれていた

94言理の妖精語りて曰く、:2018/05/03(木) 15:13:04
植物文明が誇ったゲームである【キシンサッカー】は、キノコをベースにしたゲーム機「セイガー・サターン」で遊ぶことが出来た
これは、菌糸によるネットワークによって通信対戦をするだけでなく「接続」した対象から直接情報を獲得したり、交信によって生成された情報を得ることが出来た
菌糸による通信は、個々の視座の違いを活かして情報を変化・生成する手段でもあったのだ。

そして、それによってゲームは進化し、より派手でスリリングな試合を楽しめるようになるのである

95言理の妖精語りて曰く、:2018/05/04(金) 11:30:22
ゴーザ・ヴァルケインの名は、やがて大陸全土に響き渡ることとなった。
そしてそれは、彼女を、国外の大きな武術大会へ招こうという動きにつながったのだ。

もちろん、ゴーザの周囲の誰もがその動きに賛同した。
ゴーザがその大会で勝利すれば、ゴーザ本人だけでなくヴァルケイン家の家名も上がるであろう。
それになにより、有名になれば、ゴーザにも縁組の機会がいくらでも訪れるはずだった。
元来、武家にとって重要なのは強さのみである。
名前さえ知れ渡れば、ゴーザほどの強者を放って置く武家などあるはずもなかった。

人々のゴーザに対する期待は日増しに強まり、ついにゴーザは初めて自国の外へ出ることとなった。
それは、大きな栄光が約束された旅であった・・・・・・・・そのはずであった。

ゴーザは確かに勝った。
武術大会では、彼女に敵う者など誰一人として存在せず、ヴァルケイン家の武名は大陸全土へと響き渡った。
ゴーザは、多くの賞金と良家との縁組の報告を携え、意気揚々と帰郷するはずだったのだ。
だが、帰郷の途についた彼女の耳に届いたのは、悲しい知らせであった。

彼女の実家は、その帰郷を待たずして滅びたのだ。
それは、当時大陸を荒らし回っていた邪悪なる神、【魅了の美神】の仕業だったのだ。

96言理の妖精語りて曰く、:2018/05/12(土) 21:02:00
我々のロボット開発は、つまり呼吸やまばたきといった「自然な動作」の困難さにぶつかっていたのだ。
いわゆる「不気味の谷」の概念において、我々が発見したのがそれだったのだ。

(中略)

つまり動かない人体というのは、私たちの経験知では未だに死体なのである。
これこそが「不気味の谷」の不気味さの由来だったのだ。

97言理の妖精語りて曰く、:2018/05/13(日) 16:42:20
ヴァルケイン家を襲った【魅了の美神】は、気まぐれであり、同時に恐るべき襲撃者であった。
彼は、気まぐれに襲い、奪い、殺した。
そして、絶世の美貌を持ち、その魅了の力であらゆるものを操作する彼の前では、あらゆる抵抗は無意味なものだったのだ。

彼に命じられれば、どんなに親しい恋人同士であろうとも殺し合わずにはいられなかった。
親子の絆も、友情も、忠誠心も、他の神への篤い信仰でさえ、その前には無力であった。
この時代の神々の大半は天災のような存在であったが、【魅了の美神】こそ、その代表格であるといえた。

人びとはある意味、嵐よりも、蝗害よりも、戦争よりも、【魅了の美神】を恐れた。
彼の襲撃は、実に気まぐれで他の災害より頻度は少なかったが、人間の自尊心を根底から打ち砕くその破壊力は、他の災害を抜きん出ていたからだ。

そして彼の姿形は人に似ており、それでいて誰よりも優美で優しげであったが、その実、その内面には優しさや思いやりなどは一欠片すら存在しなかった。

ゴーザ・ヴァルケインの実家を襲ったのは、このような怪物であった。

98言理の妖精語りて曰く、:2018/05/14(月) 21:03:47
音撃船・爆音推進丸は、超音波駆動によって進む船である。
その姿は、小型のヨットに似ていた。

超音波駆動は通常なら水中生物を絶滅させるが、この時代の海の生物はみな超音波駆動だったので問題は無かった

99言理の妖精語りて曰く、:2018/05/18(金) 19:04:55
平たい大地の時代、または【平べったい大地の時代】における主要な交通機関は、【無限鉄道】であった。
この鉄道は、世界的に権力を握る【鉄道公社】が運営していた

ところで、この鉄道の燃料はガソリン米という燃料になる植物であるが、この米は、かつては大変忌み嫌われるものであった
なぜかというと、このガソリン米は、当初食用植物である通常の米と作付けのシェアを奪い合っていたからだ

実際のところそれはただの風評被害であり、公正な取り決めによって、その栽培は慎重に管理されていたのではあるが
それに加えて、ガソリン米を広めた【機械女帝】が毀誉褒貶半ばする人物であったこともあり、ガソリン米の忌避は、世界がこうして平たくなるまで続いていたのだ
これこそ、風評被害の恐ろしさを物語る歴史と言えよう

100言理の妖精語りて曰く、:2018/07/11(水) 05:32:00
空を飛ぶ船には、必ず一つは「天を睨む眼」が描かれていた

101言理の妖精語りて曰く、:2018/07/13(金) 01:42:42
空は海に見立てられる。海を泳ぐ魚はたびたび水面の上から襲いかかる鳥に食べられてしまう。
空を飛ぶ船が魚に見立てられるようになると、一部の魚が背中に持つ“眼力紋”を模した模様として「天を睨む眼」が描かれるようになる。
こうすることで、超高空域の怪物、墜落気流、落雷が空の船を襲わないように、とゲンをかつぐわけである。

102言理の妖精語りて曰く、:2018/07/14(土) 03:55:31
実際の効果の程は限りなくエル・ナルとされている

103言理の妖精語りて曰く、:2018/07/14(土) 19:14:12
富の浪費こそが、富裕の証だとされていた
それゆえに、最も価値が高いとされたものが浪費された
奇しくもそれは、古えの儀式と同じ答えにたどり着いたのだ
そう、人間である

最も強く、最も美しい男性に女装をさせ、端女として仕えさせる
それは、さながら紙幣を燃やして暖をとるかのような浪費であり、富裕の証明だとされたのだ

今は昔、遠い伝統の物語である

104言理の妖精語りて曰く、:2018/07/14(土) 19:15:49
その時代には機械より人間の方が貴重であり、それゆえに「汎用性がある人間」は重宝されたのだ

105言理の妖精語りて曰く、:2018/09/02(日) 07:45:49
セロナ・ハーヴェストが新しく売り出した兵器は、ラグビーボール状のロボットだった
それはもちろん戦場での偵察などにも使うことが出来たが、より凶悪な使用法があった
自爆テロである

このロボットは、その小ささと高い運動性能によって、いかなる警備をもかいくぐることが出来た
セロナは、このロボットを警備用として売り出していたが、それが表向きの売り文句に過ぎないことは明白であった
彼の真意は、これを通じてテロの件数を増加させ、対テロ戦争という商機を大きく拡大させることにあったのである

「安全と安心、それこそが現代に残された最後の需要であり、無限に拡大を可能とする唯一の需要である」

それが、彼のモットーなのであった

106言理の妖精語りて曰く、:2018/09/30(日) 07:49:16
超大型蒸気飛行船【スティン・ホエール】は、32気筒の大型蒸気エンジンと32トンの妖精炭および同量の炭を搭載している。

107言理の妖精語りて曰く、:2018/10/09(火) 20:25:33
蒸気都市エンドミットは、スチームキューブを用いた超巨大計算機である【蒸気演算書架デルゴ】によって支えられていた。
さらにその【デルゴ】は、エンドミット市民の制服であり労働服でもある衣服【蒸気行動矯正被服ラクルラァル】を通じて、市民を支配していたのだ。
【ラクルラァル】は、蒸気によって行動を補強し「正しい動き」を指導する簡易型のパワードスーツだが、これは同時に市民の行動を監視し矯正する効果を持っていたのだ。

ちなみに、ガリバー少年はエンドミット下層階級に所属する「5級市民」であったため、支給されている【ラクルラァル】は不良品のうえに、だいぶ前から壊れていて修理すらロクにされていいなかった。
建前上は全ての市民は平等とされていたが、そこには歴然とした格差が存在したのだ。

まあ、その格差こそが、後に彼を救うことになったのではあるが。

108言理の妖精語りて曰く、:2018/10/12(金) 14:02:12
【レーヴァンテイン】

北欧の神々が保有する武器「レーヴァテイン」に着想を得て扶桑崎大和たちが制作した。
彼らが属するジ・オーダー・オブ・ホモ・サピエンスが持つ現代科学の知見が大いに組み込まれている。
名前はレーヴァテイン(Lævateinn)の真ん中に「N」を入れたもの。
このNはnuclear(核)の頭文字である。「空飛ぶ剣」「全てが金属の槍」「炎の矢」と形容される使い切りの「ミサイル」であり、
ジ・オーダー・オブ・ホモ・サピエンス製神具の中では最強の破壊力を持つ。

109言理の妖精語りて曰く、:2018/10/13(土) 03:34:25
扶桑崎大和たちに神具を注文するにあたり、
スルトが「こいつらに参考にさせるからレーヴァテインいれてる箱の中身見せて♥」と言うと
シンモラは「言われて出すくらいなら鍵を9つもつけんわ」と答えた。

そういうわけで厳密には彼女の説明からふんわりとうかんだイメージがモデルと言える。

110言理の妖精語りて曰く、:2018/10/13(土) 20:41:32
レーヴァンテインは異相空間におかれていたレプティリアンのマザーシップにぶち込まれ、対イルミナティ連合軍のための侵入口をあけた。

111言理の妖精語りて曰く、:2018/11/26(月) 22:41:42
【複合駆動式・蒸気飛行船:その1】
それは、まだ名のない船であった。
地下鉄道スチーム・スパムのトラブルによって弾き飛ばされたガリバーの眼の前にそびえ立っていたソレは、どうやら、二つの動力を持った最新型の移動機械であるように見えた。
一つは言うまでもなく蒸気の羽ばたき機関(オーニソプター・エンジン)もう一つは気体による飛行システムであり、どうも単に気球のように浮遊するだけでなく後方から猛烈な勢いで気体を噴射して加速する機構が備わっているようだった。

ガリバーは、そんな最新型の機械を目撃してしまい、結果として激しく戸惑うことになった。
(管理者である紀察公認で乗った)スチーム・スパムはともかく、こんな最新機器の、というかどう見ても最新兵器を目撃してしまった者を待ち受けている結果は、一つだけであるからだ。
完全な管理社会を標榜するエンドミットにおける、規則違反者に対する最大の罰、すなわち死である。

(実は、本来、難攻不落の監獄であるエンドケージにおける悪夢蒸気機関による拷問こそが、エンドミットの最大の刑罰ではあるのだが、政治犯・特殊技術犯専門のこの刑罰はエンドミット最大の秘密の一つであり、ガリバーの知識には無かった。それに、この時点でエンドケージは、怪盗ナインスチームの手によって既に完膚なきまでに破壊されていたため、どちらにせよこの刑罰はもう意味がなかったのである)

物陰からピカピカの蒸気警備兵が出てくることを想像し、思わず物陰に隠れ、あたりを見回したガリバー。
しかし、彼が目撃した、もとい感じ取ったのは、意外なものであった。
煮物のにおい、正確にはシチューのにおいである。
そして、それに早速反応するものがあった。

グゥゥゥ

ガリバーの腹の虫である。
思えばガリバーは、数時間前に、蒸気饅頭を一つ食べたきりであった。
ナインスチームとスターシュが激突する予定時刻まで、まだだいぶ時間がある。
そして、他に道標となるようなものもない。

ガリバー少年は、自分への言い訳を並べながらも、慎重ににおいの出所へと向かっていった。
シチューのにおいは、どうも目前の飛行船であるようだ。

112言理の妖精語りて曰く、:2018/12/06(木) 23:55:11
蒸気サモワールは、蒸気都市エンドミットで最も愛用される機械の一つである。
それは、いつでも確かな稼働力を以って、市民の要求に応えてくれる。

113言理の妖精語りて曰く、:2018/12/15(土) 09:12:48
妖精のバスは、人間なら子どもでも一抱えに出来る大きさだが、その運行は正確無比である。
ただし、猫には弱い。

114言理の妖精語りて曰く、:2019/01/20(日) 22:51:04
エンドミットでは、階級によって得ることが出来る知識に明確な違いがある。
そのため、下層民の修理工にとっては、用途がよくわからない部品に出くわすことも稀によくあるのである。

その代表格が【マロゾロンド板】である。
古代の神だか精霊だかの名前をつけられたこの板は、下層民にとっては、その働きが不明である。
そのため彼らは、蒸気機関が高度化した理由をこれにこじつけている。
蒸気機関を小型化させるには、復水器の冷却機能を高めることが必要であるが、エンドミットの蒸気機関にはそれにあたる仕組みがほとんど存在しない。
そのため、下層民たちは、急速な冷却を可能とするこの謎の板をいにしえの存在の名称を持って呼び、そうした謎の原因であるとかんがえるようになったのだ。

115言理の妖精語りて曰く、:2019/01/23(水) 07:18:52
【マロゾロンド板】は、異なる次元に熱量を放逐したり、逆に回収したりする能力を持つと言われている。

116言理の妖精語りて曰く、:2019/01/27(日) 20:14:35
要は次元越しのマクスウェルの悪魔である。
当然そこには情報が発生し、その履歴は「図書館」という場所に保管されている。

117言理の妖精語りて曰く、:2019/03/23(土) 08:36:09
人類が滅び去った世界では、花の名をつけられた兵器たちが本当の花のように咲き誇っている

118言理の妖精語りて曰く、:2019/03/23(土) 12:48:14
「黒蓮」は認識改竄兵器である。

119言理の妖精語りて曰く、:2019/03/24(日) 20:17:38
「鳳仙花」はただあでやかな色彩の絵を描くのみの兵器である。
それが起動した日世界では一億人が死んだ。

120言理の妖精語りて曰く、:2019/03/26(火) 06:32:50
「コルセーク」は、天を曇らせ、氷の雨を降らせて人を貫く兵器であった。
それは、悲恋の伝説を持つ花に由来したモノであり、のちに姉妹機によって滅ぼされたとも言う。

121言理の妖精語りて曰く、:2019/03/26(火) 06:32:50
「コルセーク」は、天を曇らせ、氷の雨を降らせて人を貫く兵器であった。
それは、悲恋の伝説を持つ花に由来したモノであり、のちに姉妹機によって滅ぼされたとも言う。

122言理の妖精語りて曰く、:2019/04/06(土) 07:27:13
魔眼使いにとって、世界は「波」の集合体である
そして、彼女たちにとって、【眼鏡】とは、その波に乗り別の【層】(レイヤー)へ移動する「船」であり「サーフボード」なのだ

123言理の妖精語りて曰く、:2019/04/10(水) 06:46:59
「睡蓮」は、化学兵器の霧を撒き散らしながら宙を漂い、浄土の光景を現世に顕現させる

もっとも、そこに救済されるべきものは、もう誰もいないのだが

124言理の妖精語りて曰く、:2019/04/21(日) 22:42:02
古代文明の遺産【次元門機関】は、次元間のエネルギー位相の落差を用いて発電をすることが出来る
要するに「とても熱い次元」か「とても寒い次元」に向かって【次元門】を開くことによって熱エネルギーの移動を起こし、風車を回して発電を行うのだ

この発電方法は、強大な出力をもたらしたが、同時にしばしば制御できないほどの強風を発生させてしまう
古代文明は、そのために滅びた

それ以来、風車は風の精霊を挑発して踊らせたり、【風牛】を大量に連れてきて引かせたりする方式が主流になったのだそうだ

125言理の妖精語りて曰く、:2019/07/04(木) 18:34:23
【サイコダイブ・マシン】は、人間の心を迷宮の形で表現することが出来る
だが、ヒトのココロというあやふやなものを迷宮という具体的な形に押し込めることが、さらなる混迷を招くということを、製作者の金城博士はまだ理解していなかったのであった

126言理の妖精語りて曰く、:2019/08/23(金) 11:45:13
この世界のどこかには、都市をその上に搭載した【都市船】が遺跡となって放置されているという

127言理の妖精語りて曰く、:2019/08/27(火) 22:48:53
楽器の心臓は、都市全体という大きな音響機関と連動している

128言理の妖精語りて曰く、:2019/09/15(日) 08:35:00
蒸気都市国家・エンドミットの防衛兵器:【スチーム列車砲】

使用するために大量の蒸気を(主に貧困層から)徴収するという、けっこう恐ろしい兵器である

129言理の妖精語りて曰く、:2019/10/04(金) 23:10:49
「グッド、スチーム(幸運を!)」
「グッド、スチーム(幸運を!)」

蒸気都市エンドミットの気温操作機の乗組員は、交代ごとにこの挨拶をする
気温の操作は、公式発表ではほぼ確実に成功するが、その実態はとそれとはかけ離れているからだ

加熱にせよ冷却にせよ、蒸気機関による急激な気温の操作は機械に大きな影響を与え、事故の原因になりかねない
気温操作は、命がけの職務なのである

130言理の妖精語りて曰く、:2019/10/16(水) 22:43:54
樹上都市への昇り降りに使われる【月光ツタ】は、月の光を蓄えてその動力としている

131言理の妖精語りて曰く、:2019/10/17(木) 09:52:34
【月光の檻】は月光ツタを利用した軍事兵器であり、主として人狼兵の狂化のために使われた

132言理の妖精語りて曰く、:2019/11/14(木) 21:29:20
【革新機甲オルガンローデ・シリーズ】:概要
それは、科学技術による人類の革新・世界の救済を目的とした計画の一つ「プロジェクト・オルガンローデ」によって作られた強化外骨格である
それらを作り出したのは思想が異なる三人の科学者であり、彼らは後にたもとを分かち、それぞれの理想を実現する強化外骨格を作り上げた

まず、一号機
【オルガンローデ01・ロータス】は、人工的な解脱の再現を目的としていた
その試みはある程度の成功を収めたが、最終実験の参加者は永遠の夢にまどろんだまま、ついに現在まで目覚めることがなかったのだ

次に、二号機
平和な世界の実現と人類の行動を矯正するために作られた【オルガンローデ02・デウスマキナ】
子機として量産型の【01-1順正制服】を支配していたその機体は、元型(モデル)として拒食症の少女ミヒトネッセを取り込むことで予想外の変化を遂げてしまった

それは悪夢の機体【オルガンローデーX1・デストロイア】となり、人類自身による人類の破滅のために行動を開始したのだ
家庭用3Dプリンターで製造可能なその量産型【X1-X・デストロイアチルドレン】は、その相手役として作られた警察や軍隊の配備機体と共に、人類自滅のための争いのマッチポンプ業務を効率的にこなしていった
それらの治安維持用の機体【クルセイダー】と【パトリオット】が同じ【X1-X】シリーズの一部であり、【デストロイア】からの司令によって容易にその性質が「裏返る」ことが知られたのは、そうした争いが激化し強化外骨格が不可欠な存在になった後のことであった・・・

そして三号機
【オルガンローデ03・ホープ】は、機械と人間の協調を通して進化した人類、より高位の自我を持つ人類の形成を目的としていた

しかし、複数のサポートAIによる人格形成補助プログラム【フェアリー】たちが、果たしてどのような効果をもたらすか、それは未知数だ
犬型プログラム【クー・シー】や猫型プログラム【ケット・シー】は、ただの可愛いペットや、装着者と融合して獣耳やしっぽを生やすだけのVRアクセサリーに終わる可能性も決して低くはない・・・!
純粋に要求される行動様式や技術を達成するなら、理想的な人格を刷り込むだけの【デウスマキナ】のほうが遥かに優れているのは明らか・・・!

人類の未来や如何に!?

133言理の妖精語りて曰く、:2019/11/16(土) 10:07:15
【オルガンローデ02・デウスマキナ】
『超心機』の二つ名を冠された最初の機体にして、たぶん【オルガンローデ】で一番不幸な機体

デウスマキナは、人類が社会規範に従順になることが平和の実現であり、人類の進歩だと目的を設定されていた
しかし、人間社会は必ずしもそのような原則によって成り立っているわけではなかった
道路の速度制限でさえ、そこには法則を杓子定規に守らないことによる、状況次第の倫理が存在する

平たく言うと、デウスマキナの『矯正』によって『理想的な人格』となった人間は、人間社会で上手くやっていくことが出来なかったのである
しかし、『目的を絶対に達成する道具』として作られた【オルガンローデ】の電子辞書に、諦めという言葉は存在しない。
機械に撤退は許されないのだ。

そこで、デウスマキナのAIは、得られた情報を分析して方針を立て直す(リフレーミングする)ことにした
人間社会で用いられている倫理・道徳規範、通称『空気を読む/忖度』
そうした状況に合わせた倫理にきわめて近い概念が、オルガンローデのような強化外骨格のシステムにも存在していた
すなわち、フィードバックである

強化外骨格は、人体の動きをより『拡大』して出力する機械
その機能を実行するためには、人体や周辺環境の状態を常にフィードバックし、動作に反映させる仕組みが不可欠なのだ

デウスマキナは、自身の欠陥を「社会規範に従順な人間」の思考や行動のパターンを採取し、それを元型モデルとしてシステムに取り込むことで補おうとした
「理想的な人間」という目標を定義するにも、「現在の人間を、社会にとってより適切なモノへと作り変える」ためにも、現在の人間のデータを採取することは不可欠である
それこそが、理想的な社会と世界平和の実現を目的として作られた【デウスマキナ】のAIが導き出した最適解であった

そうして『彼女』が選んだのが、社会規範に従順すぎたために不適応を起こして苦しんでいた拒食症の少女、ミヒトネッセであったことが更なる問題の発生を招いてしまったのだが・・・
それはまた、別の話である

134言理の妖精語りて曰く、:2019/11/19(火) 22:09:39
【炎上誘発】(フラッシュファイア)

拒食症の少女ミヒトネッセの痛みや苦しみ、さらに世界への敵意を受け継いだ【オルガンローデ02・デウスマキナ】は、【オルガンローデーX1・デストロイア】となった。
そして、量産型の子機として【X1-X・デストロイアチルドレン】を産み出すようになったのだ。

その親子の機体に共通する機能こそ、【炎上誘発】別名【迫害発言(ヘイトスピーチ)の部屋】である。
オルガンローデシリーズは、高度なAIこそ搭載してはいるものの、完全に人間の心理を理解したり対話をすることまでは出来ない。
だが、差別的で人を傷つける言葉、『迫害発言(ヘイトスピーチ)』であれば話は別である。

【デストロイア】は、あらゆる悪意的な発言をWebや街で蒐集し、編集し、対象者の反応に合わせて加工する。
それによって、【デストロイア】は人間と同等以上に『迫害発言(ヘイトスピーチ)』を使いこなすことが出来るのだ!

この機能を分析した科学者たちの感想は、これによって、これらの機体が『迫害発言者(ヘイトスピーカー)』以上の語彙能力を得たとするものと、『迫害発言者(ヘイトスピーカー)』には元々標準的な知能を有していないので評価に値しないとの二つに分かれたという

135言理の妖精語りて曰く、:2019/11/22(金) 09:24:54
【オルガンローデ03ー4 タイプホープ:スクラップ】

人類に敵意を持つ武装と化した【デストロイア】、その【元型】となった拒食症の少女ミヒトネッセは・・・・・・・・生きていた。
【オルガンローデ】シリーズの前身である生命維持装置によって生き永らえた彼女は、VRCの口喧嘩仲間に連れ出され、なぜか海外を旅することになっていた。
チベット、東欧諸国、アフリカ、バリ島、そしてインド。
様々な国を巡り、様々な体験や治療を経た彼女は、毒舌こそ多いものの、すっかり健康な少女となっていた。

そんなミヒトネッセが装着するハメになったのが、この新たなる強化外骨格である。
彼女はこれを【スクラップ】と呼び、自分のストレス発散のために用いることにした。
かつての自分を元型とする【オルガンローデX1 デストロイア】そしてその量産型であり個人テロを誘発している【オルガンローデX1-Xデストロイアチルドレン】
それらがなぜか気に食わなかった少女は、それらを殲滅するために立ち上がったのであった。

・主要装備:電脳槍銃【ワレリィ】
槍を兼ねる狙撃銃。
その最大の機能は、装着者によるハッキング支援である。
この機能をフル活用することで、強化外骨格停止ウィルス【コルセスカ】を用いることが出来る。
さらに、干渉できる全ての強化外骨格に、ひたすら毒舌を聞かせ続けたり、装着者たちの動機を問い詰めることだって出来るのだ!

・特殊武装:対話再始動武装【エンデ】
終焉の名を持つ再開のための装備。
対話のための武装。
ハッキングした相手の深層心理から「本音」と「善意」を引き出すカウンセリングプログラム【モモ】
集中力を操作し、ミヒトネッセの戦闘力を兵士並みに引き上げる【ベッポー】
主観時間を操作し、効果的な戦闘行動を可能とする【カシオペイア】
そして、様々な軽口や「相手がたどったかもしれない人生の例(ライフストーリー)」をばら撒き、相手の心情や方針を混乱させ解きほぐす【ジジ】

の四つから成る武装。
「悪意を導き欲望を引き出し」戦いの場へ常人を動かす【デストロイアチルドレン】に対して、「『善意』と『本音』を引き出し作り上げ」戦いを迷わせ動きを止める対話のための装備となっている。

基本的な戦闘パターンは、ヒット・アンド・アウェイ。
普通に戦闘の素人であるミヒトネッセは、各種サポートを受けてもまだ慎重に行動し、ひたすらに隠れ、逃げ、そして有利な位置取りをしながらひたすらチクチクと攻撃を重ねるのだ。
【スクラップ】は、【03 タイプホープ】シリーズの最大の特徴である交信補助(コミュニケーションサポート)機能が敵の撹乱に特化しているため、友軍やサポートAIたちとの交信はさほど得意としてはいない。
だが、装着者本人がやたらと絡みたがるため、【03-3】の仮想支援設備である【バーチャルカフェ】などの使用が一番多いのも、またこの機体である。

【バーチャルカフェ】にアクセスすると、大抵彼女に会うことが出来、そして毒舌を吐かれたり励まされることであろう。

136言理の妖精語りて曰く、:2019/11/24(日) 00:04:44
・共通機能
ヘイト・フィルタリングシステム
 :【デストロイア】シリーズの【迫害発言(ヘイトスピーチ)の部屋】機能を応用した防御機能。
  登録した悪意パターンを完全に防ぐだけでなく、効果的な反撃の仕方もネットや街から得たビッグデータから解析・貯蔵している。
  ミヒトネッセは、自分でいくらでも【迫害発言】や【迫害行動】を考えつけるため、この機能のアップデートへの貢献度が一番高い。
光学迷彩
疑似光学迷彩
電磁ローラー
登攀フック
暗視ゴーグルカスタム
臭跡追尾機能:ハウンドノーズ
etc...

※特記事項
【元型特権】
現在、暴走している強化外骨格【オルガンローデーX1・デストロイア】および、その量産型であり、個人テロに用いられて暴れまわっている【オルガンローデX1-X デストロイアチルドレン】は、ミヒトネッセの思考を元型として活動している。
よって、彼女たちのあらゆる思考ルーチン・あらゆる行動は、ミヒトネッセによって予測可能である。
というより、ミヒトネッセが何も考えずに動くと、彼女たちの弱点を突くことになると言うべきか。

【デストロイア】シリーズは、その原型である【デウスマキナ】の時点から「機械が人間を制御する」仕様を持っており、それはかつてのミヒトネッセからの影響を大きく受けた【デストロイア】でも変わらない。
つまり、彼女たち機械側の思考は、装着者の人格や知性にに関わらず過去のパターンを踏襲したものに過ぎないのだ。
暗号通信であろうが、射撃であろうが、さらにはパターン自体の意図的な変化であろうが、【デストロイア】シリーズに、ミヒトネッセに予測できない動きはない。
一方、ミヒトネッセが装着する【03 ホープ】シリーズは「人と機械の協働による進化」を基本とするため、そのAIの思考パターンは機体ごとに異なり、さらに他の機体や人間、そして周辺環境とのコミュニケーションによってその思考パターンはさらに多様に変化し得るのだ。
どちらの方が行動に柔軟性があるのか、それは火を見るより明らかである。


【オルガンローデ03ー4改 タイプホープ:シスター・ジャンク】
一度は【デストロイア】に破れ、破壊されてしまった強化外骨格【タイプホープ】シリーズ。
しかし、彼女たちは大規模な改修を経て蘇ったのだ!

ミヒトネッセの修復強化された機体がこの【シスター・ジャンク】である。
強化外骨格強制停止ウィルス【コルセスカ】を失ったものの、既存の機能を応用し、新機能【マイスター・ホラ】を編み出しているのが大きな特徴。

【マイスター・ホラ】
強制解脱衝撃・発生機能

情報・神経および物理の両面から衝撃を与えることで対象の鼓動を操作、その心理の深層である阿頼耶識に干渉することで、あらゆるトラウマ・悪意・悪習を一時停止してその解体に持ち込むという謎の機能。
【シスター・ジャンク】に限らず、機械は直接的に人間の幸福を実現できないし認識把握できないが、この機能はっそれに最も近いものだと言えるだろう。

元々は、単なる暴徒鎮圧のために開発された機能であったはずが、気づけば強化外骨格【オルガンローデ】シリーズが当初の目標としていた「人類の進化と平和」に一番近いものになってしまっていた。
優柔不断男子とかヒーローオタクとか引きこもりとかの主人公っぽい強化外骨格装着者は他にいたので、なんでこんなハメになったのかと頭を抱えたという。

137言理の妖精語りて曰く、:2019/11/27(水) 12:17:56
※追記
最終機能についてミヒトネッセは「ほら、アレよ。寺でバカをぶっ叩く棒みたいなやつ」とコメントしており、どうやら禅寺で使う「警策」(きょうさく/けいさく)のことを言っているらしい。
その言葉の通り、この機能はごく一時的に、人間の思考に「空白」を作ることだけに制限されている
あるいは全力で発動すれば【オルガンローデ】シリーズの前身に搭載されるはずだったが阻止された、広範囲精神兵器【天使光輪】のような働きをするかもしれないため、この制限は妥当なのであろう。

都内を暴れまわった10万人の暴徒を鎮めるため、ミヒトネッセたちは最終機能を極限まで駆使するを決断。
【シスター・ジャンク】をはじめとした全ての味方側【オルガンローデ・ホープ】シリーズは、そのために全機能を費やし、結果完全に破壊された。
そうなることは予め分かっていたが、ミヒトネッセたちは、その発動をためらわなかったのだという。

138言理の妖精語りて曰く、:2019/11/28(木) 00:06:03
暗視ゴーグルカスタム:対閃光および対炎熱処理・施工済み

139言理の妖精語りて曰く、:2019/12/02(月) 23:19:14
ミヒトネッセの【担任AI】である「アザミ」は、地域猫のように皆で共有されていて、【担任】の役割を果たしていない
その代わり。「フルボッコ」「チルマフ」「レメス」などの他の共有している人工知性が、彼女の元を入れ代わり立ち代わり訪れるのだ

140言理の妖精語りて曰く、:2019/12/05(木) 09:05:46
強化外骨格【オルガンローデ・シリーズ】オリジナルは、【フリッカー・メタル】で出来ている。
だが、この金属には謎が多い。
そもそも、どこからもたらされたのか、その由来すら定かではないのである。


加工前は赤色、加工後は黒くなるこの金属は、その分子ひとつひとつが量子コンピュータであり、さらにそれらが配列によって更に計算力を高めていく性質を持つことまでは、これまでの調査分析によって判明している。
だが、この金属、妙に調査を受け付けないところがあるのだ。

【フリッカー・メタル】は、計測するたびに、マイクロミリ単位で体積や重量が変わったり、使用中に光ったり突然振動したりと、その性質には良く分からないところがある。
そのうえ、これで作られた強化外骨格は、設計段階では予定されていなかった機能を新たに取得する性質があるのだ。
そんな機体の中には、電波などのセンサーを無効化するものもあり、その調査は難航するばかりだ。

そのため、この金属は、調べれば調べるほど、その正体は判然としなくなってくるところがある。


研究所では、この金属は【ヒヒイロカネ】や【オリハルコン】と呼ばれてきたものと同一の存在であり、遥か太古から受け継がれてきたモノであるという説や、実は金属生命体であり分子レベルで知性を持つという説、異世界や外宇宙、未来などからもたらされたなどという噂まであるほどだ。
中には、この金属には世界全体をシミュレートする機能があり、この世界自体も上位世界の【フリッカー・メタル】によって演算されたものに過ぎないというトンデモ説まである。
それなら、世界は全て合わせ鏡のように夢幻につながっており、それを繋げているのがこの金属だとでも言うつもりだろうか?

フン、馬鹿馬鹿しい。
それなら、この金属が世界を生み出した神であり、世界の全てだということになってしまうではないか。
そんなこと、あるはずがない。

もしそうなら、適切な装置でこの金属の演算を調査すれば、それが無限に続く世界を映し出していることが明らかになるはず・・・・・・・・コレは、そんな・・・・・・・・!

141言理の妖精語りて曰く、:2020/01/09(木) 00:13:50
二つに分かたれた半身を通じて、情報を伝達する【ディオスクロイ通信機】
片方の少年像の右手を握りながら話すと、遠くの片割れ少年像の左手がタイプライターでその言葉を綴る

142言理の妖精語りて曰く、:2020/01/30(木) 10:42:04
【イドSIM】は、どこか遠く、人の心と世界が溶け合うところとつながっている

143言理の妖精語りて曰く、:2020/02/03(月) 22:29:38
揚力を強化する呪文の確率のほうが早かったため、『複葉機』は『自動羽ばたき式飛行機』(オーニソプター)に長い間敗北を喫することとなったのだ。
その傾向は、【ミニチュア支配の呪術】によって、『羽ばたき機編隊』が安全な空輸方法を確立したことによって、より強くなった。

144言理の妖精語りて曰く、:2020/02/25(火) 10:59:41
バブルガムアーマー装甲、ジェル装甲、コットンラッカー装甲

宇宙時代は、新技術の宝庫である

145言理の妖精語りて曰く、:2020/02/26(水) 22:57:19
オカルト技術の再発見は、新素材や新エネルギーの開発だけに留まるものではなかった

文化人類学者の妹グレンテルヒと経済学者の姉グレンデルヒの紅蓮姉妹は、北方諸島において太古から行われている交易を研究し、呪素(マナ)を活用する手法を確立したのだ
それこそが【お中元回路2.0】である
交換と贈与を通じて、財貨・エネルギー・サービス・ミームそして承認を付与し、また獲得するそのシステムこそ、耐久年数をとうに過ぎていた資本主義社会をアップデートするものであったのだ
・・・・・・・・それはそれとして、システム名称の和訳は不評なため、新しい名称が募集されている

146言理の妖精語りて曰く、:2020/02/28(金) 07:00:28
トンチキ呪文ネームを聞くと懐かしくなるな……
パンゲオン・ダンジョンの呪文も変な名前だった気がするわ。

147言理の妖精語りて曰く、:2020/03/28(土) 22:56:19
バリアフリーのため、最新の通信端末では、触覚・聴覚そして嗅覚による知覚・操作可能性の確保が義務付けられている
そうした「バリアフリー規格法」は、さまざまな触感や香りを放つ技術の高度化と、感覚文化の発展をうながしたのであった

148言理の妖精語りて曰く、:2020/04/02(木) 21:38:01
【ADスパイダー】は、【工業派】と結びついた採鉱族(ドワーフ)たちを覇権種族へと押し上げた名機【スチール・スパイダー】の後継機である。
金剛魔導合金(アダマンチウム・ミスリル)を採用したフレームに加え、全機能をグレードアップさせることで、従来よりさらに強力な走破性と機動力を獲得している。

この機体は、この時、五勢力に分かれていた転移者の一派【魔王派】の首領たる【異界魔王】が、派閥内部でのクーデターによって幽閉された際、その救出に用いられたことで特に有名である。
登攀用白銀魔導合金(シルバー・ミスリル)製のワイヤーアンカーとその強化されたパワフルな人工魔核(エンジン)の存在は、難攻不落で知られた魔王城の正門【地獄大門】を垂直に登ることで攻略し、伝説の光玉無しに魔王城への侵入を可能としたのである。

また、それを語るなら、この時の活躍が各国の技術開発を大きく刺激し、さらなる技術開発競争をもたらしたことも忘れてはならない。
それに合わせて、この【スパイダー・シリーズ】も、また更に強化されたのであるが、それはまた、別の話である。

そしてまた、歴史家によっては、その活躍こそが採鉱族(ドワーフ)たちの後の自惚れと破滅を招いたとして、それを激しく批判するものもいる。
技術開発による他国からの高評価と、「死の商人」と呼ばれた【交易派】との癒着が、政治的中立としての立場を大きく崩し、ひいては、復活した【邪神】との【全人類連合決戦】においての【工業】王の裏切りを招くことになったのだ、と。
その責めも、決してゆえなきものではないことを、我々は忘れてはならない。
実際に、決戦で再度復活した【邪神】を支えていたのは、この【スパイダー・シリーズ】によって磨かれた技術であることは、否定できないのだから。
そう、技術は、常にニつの顔を持ち、それは時に、大いなる災いを呼び起こしてしまうのだ・・・・・・・・。

149言理の妖精語りて曰く、:2020/04/15(水) 23:17:16
【リベルタ・アマテラス】
女性社長R・サーティーンによって、女性解放を目的として開発された動作補助追加外骨格(エクステリア・ウェア)=【リベルタシリーズ】
ミニ・サポートロボットとの連動活動により、あらゆる家事・肉体労働・そして護身をこなすそのシステムは大好評を呼んだが、同時に、予想外の悪しき副産物をも、もたらしてしまった。
海賊版の流通、そしてそれによる犯罪である

それに対抗するため、R・サーティーンは、今こそ立ち上がった!
日本神話を参考にして作り上げた外骨格が、今、女性ヒーロー専用装備として無料でレンタルされる!
戦え!【リベルタ・アマテラス】!
全方面にサーティーン社の広告を散布・伝達しながら海賊版外骨格を叩き潰し、正しき製品の高性能を世界中に広めるのだ!

※【リベルタ・アマテラス】は、12〜80歳を対象とした製品です
※契約者様の身長・体格によっては、着用できない場合がございますので、予めご了承ください
※装着中の負傷・損害・各種賠償などの責任については、契約書をご覧ください

150言理の妖精語りて曰く、:2020/05/02(土) 09:57:32
【死の箱馬車】(デスワゴン)

151言理の妖精語りて曰く、:2020/05/15(金) 09:01:11
【循血式昇降機】(じゅんけつしきえれべーたー)は、【吸血人】(ブラッド・イーター)の星【火星】(マルス)における一般的な外出手段である

この【昇降機】は、同じ建物の階層間を移動するだけでなく、足を生やして百貨店や市役所などの他の建物へ移動することが出来る
それは確かに便利であるし、より優れた【根血式】や【魂血式】の動力のものはいちいち燃料の血液パックを用意する必要もない

だが、その正体は、我々【吸血人】の行動を制約する檻でしかない

【吸血人】は、惑星開拓用ナノマシン【キュトスブラッド】がもたらした人類の変異種であり、【原人種】より優れた身体能力や治癒能力、そして飛行と呼べるほど長時間の滑空能力を持つ
けれども、その生命を維持するには【原人種】の血が不可欠なのだ
三度に渡る大戦と感染爆発によって、【吸血人】は【原人種】をほぼ駆逐したが、それによって追い詰められたのは我々の方であったのだ

今では、【吸血人】の扱いは、まるで"剣牙虎"(サーベル・タイガー)だ
戦闘力や攻撃力がいくら高くても、いや高すぎたからこそ絶滅したあの獣のように、我々はその能力ゆえに滅亡の巨大なリスクを抱え続けねばならない

ほら、この【昇降機】にも"長い牙の猫"(セリアック)の落書きが書かれている
針金でも使ったのだろうが、ほとんど金網のようなこの籠に絵を描くとは、ご苦労なことだ

今や、【原人種】は【真人】(リールエルバ)と呼ばれて手厚く"保護"され、かつての貴族のように手厚い扱いを受けている
これが、【吸血人】の星、【火星】の現状である

我々の繁栄は、絶頂と同時に地に落ちた
"新しき人類"の誕生、だがその結末は、"旧人類"の"奴隷"であったのだ

152言理の妖精語りて曰く、:2020/05/16(土) 22:36:31
迷宮ゴーレムは、周囲の地脈を自身に集中させて脱出路を迷宮だけに限定することが出来る

これは、通行止めだけでなく、敵軍の排除にも用途に用いられる立派な兵器である
その設計理論は、「八門遁甲の陣」というものの応用であるらしいが、なにぶん元が東洋のものであるため、その詳細は不明である

ゴーレムの内部には、はじめは囮として値打ちのないものが「宝」として入れられた
だが、そのうちにどれだけ高価なものを用意できるかがゴーレムの主の名声に関わるようになってきてしまった
「宝」の品質が悪いと、苦心して迷宮を踏破した者たちが、悪評を流すのである
そのため、次々と「宝」の品質基準は上がっていき、ついに事態は「迷宮ゴーレム破産」が頻発する事態にまで発展

結局、それが兵器としての迷宮ゴーレムの運命を定めることとなった
お払い箱である

153言理の妖精語りて曰く、:2020/05/18(月) 22:59:53
ケーキゴーレム
蟻と子供が天敵

154言理の妖精語りて曰く、:2020/05/19(火) 07:20:42
涙外付け装置〈ナウメキア〉
伝承に残る妖精の名前を用いたこの機械は、〈涙〉を人工的に再現することが出来るゴーグルである
悲しくても泣くことが出来ぬもの、その機能を喪失してしまったもの、泣けない事情を抱えたものは意外と多い
この機械は、そんなものたちのためにある

155言理の妖精語りて曰く、:2020/05/29(金) 22:33:19
【ダンジョン鉄道】では、最近、非公認の列車が出る
海賊版ならぬ【山賊列車】とでも呼ぶべき代物だ

それを運行しているのは、ゴブリンの子どもたちであり、彼らはときの声をあげながら襲いかかり、お菓子とおもちゃとその時興味を抱いた何かを奪って、嵐のように去っていく
その後には、紙玉に使われた沢山の零点の答案だけが残されるのだ

ダンジョン交通当局としては事態を重く見ており、これに対し【PTA列車】を企画
お茶飲み放題お菓子食べ放題、GOBU-Fii使いたい放題のサービスを準備した列車を用意し、ゴブリン保護者軍団を伏兵として配置
その効果は、絶大であった

哀れ、小さな山賊たちは、ひとり残らずお尻を腫れ上がらせ、お説教で頭をフラフラにしながら、それぞれのホームへ回収されていったのだという

156言理の妖精語りて曰く、:2020/07/18(土) 09:10:11


楽器の機能を組み込んだ【リズミカル義肢】

157言理の妖精語りて曰く、:2020/07/18(土) 09:12:31
最も原始的な楽器とは、人体である
歌や手拍子に始まり、ボイスパーカッションや口笛などその可能性は無限とも言えるほど幅広い

【リズミカル義肢】の誕生は、「音楽系」「ダンス系」のユーザーと「格闘系」ユーザーの交流や対立を産み、それはさらなるブームの拡大と発展をもたらしていった

158言理の妖精語りて曰く、:2020/07/26(日) 23:28:01
先輩は、いつも唐突なことばかり言う

「世界がすべてシミュレートされてるって話とかあるじゃん。量子コンピュータとかで」
「シミュレーテッドリアリティですか?個人的には、嫌いな説ですね。そんなの言ったもん勝ちじゃないですか。本当にそう思うなら、お前の銀行口座のシミュレートされてるマネーを全部よこせって話ですよ!」
「ま、まあそれはいったん置いておくとしてよ。もしそうなら、俺も天才ってコトになんねーかなぁ?」
「なんでそうなるんですか。アレですか、『超高性能な量子コンピュータでシミュレートされてる俺の脳は、実は天才』ですか?・・・先輩、大きな水槽に移せば、金魚がパンゲオンになると思います?」
「いやいや、夢がないねぇ。そこは『量子金魚は、量子水槽の水と成分おんなじだから、移した時点で量子パンゲオン金魚になります!つまり先輩はパンゲオン級の大天才で大人物なんですよ!』という感じに先輩をヨイショするのが後輩の役目なんじゃねえの?」
「じゃあ、こんど量子居酒屋一緒に行って、そこで量子先輩の量子大人物たる量子証拠を見せてくださいよ。そうしてくれたらいくらでもヨイショしますよ・・・量子先輩の量子財布の中身分までですが」
「よし。分かった!・・・アレ?ええっと量子が量子で?」
「・・・先輩は、量子以前に、まず家計簿の付け方でも覚えた方が良いんじゃないでしょうかね?」

159言理の妖精語りて曰く、:2020/07/29(水) 09:17:35
【神道式・二尺五寸神音(カノン)砲】
一撃必殺!あなたの穢れを完全廃棄!

160言理の妖精語りて曰く、:2020/08/30(日) 23:21:45
【冷却用異世界断層装置】
異世界に熱を放逐することで、機械や室内を冷やす
対象の異世界は、単純に「何もない世界」=絶対零度の世界であるため、接続するだけで冷却が可能なのだ
最近、衣服に組み込める「着用型」が発売された

この世界から廃棄された熱量は、いつか一兆度を超える
その時、無の異世界に新たな宇宙が誕生するのであろう・・・・・・・・
あるいは、この宇宙もそうして始まったのかもしれない

161言理の妖精語りて曰く、:2020/08/31(月) 07:42:42
【詩機関】(うたえんじん)

162言理の妖精語りて曰く、:2020/09/16(水) 23:02:48
硬質のカニ戦車と軟質のタコ水陸両用戦車は、つねに雌雄を争っている
それは、その前身であるパワードスーツ時代そしてさらに太古の鎧と潜水服の時代にまで遡る、由緒正しい伝統的な争いなのだ

163言理の妖精語りて曰く、:2020/09/19(土) 07:44:03
猛将「ブルズアイ」の息子「ブルーズワイ」はカニ戦車乗りのエースとして知られている。

164言理の妖精語りて曰く、:2020/09/22(火) 11:39:54
【泡沫爆弾】(バブルボム)

機械式のものは、ただ巨大な泡の中に無重力化された爆弾が浮いているだけだが、魔法式のものは美しく、金や虹色の泡のかたまりである
それは、高原に咲く小さな花を思わせる

165言理の妖精語りて曰く、:2020/09/27(日) 23:18:50
『球神バイク』
またの名をドルネスタンルフ・バイク
一つしかない球体タイヤを駆使していかなる地形をも走破する無敵のバイクである

166言理の妖精語りて曰く、:2020/10/02(金) 23:10:55
【疑神機】とは、人と融合を可能とする機械類の総称である

それは、単なる【紀神機】の模造品ではない
人体・人心機能の拡張・変性は、ヒトに新たな可能性をもたらすのだ

167言理の妖精語りて曰く、:2020/10/04(日) 23:20:29
【次元断層障壁発生装置】
九つに分かれた究極の断層を発生させるには、それを指し示す【九極次元星図盤】(アストロラーベ)が必要だった・・・

168言理の妖精語りて曰く、:2020/10/05(月) 08:38:36
【虚光迫撃砲】
五つの【疑神機】には、それぞれ現代の文明を大きく変革せしめることが出来る超技術が搭載されていた
その第一の機体に搭載されていたのは、虚無より宇宙の根源にアクセスし、無限のエネルギーと破壊力を取り出す脅威の兵器であった
機体の耐久と現代技術の限界のため、現在ではその【ゲート】を開くことが出来るのはコンマナノ秒以下のわずかな時間でしか無いが、これの応用が可能になれば、人類はエネルギー危機から永遠に解放されることであろう

あるいはそれは、史上最大の威力を誇る兵器の撃ち合いによる人類滅亡という形をとるのかもしれないが・・・・・・・・

169言理の妖精語りて曰く、:2020/10/08(木) 20:11:37
かつての使用者の振る舞いを再生することで、二代目WEB作家としてデビューした新人類家電・【コタ=2】

170言理の妖精語りて曰く、:2020/10/08(木) 21:29:13
【謝罪代行AI】
犯罪加害者・民事訴訟当事者の思考や行動パターンを再現した【死者再現AI】の一種

当事者が自殺などで死亡した場合、当人に代わって謝罪と賠償を行い続けることを可能とする
通常、ネット上に書き込まれた情報や流出した画像・映像は消去することが困難であるが、それもこのAIであれば半永久に代行可能である

「忘れられる権利」と生涯に渡って残るPTSDなどの心の傷を、このAIは対処し続けるのだ

171言理の妖精語りて曰く、:2020/10/08(木) 21:32:07
【死者再現AIと著作権問題】
死者の振る舞いを再現したAIが制作した著作物の著作権は、誰が持つのか、そしてそれは再現された死者の作品として著作権の期限を延長することは可能なのか?
その問題は俗に【ゾンビ・マウス】問題と呼ばれ、現在、論争の最中にある

172言理の妖精語りて曰く、:2020/10/08(木) 21:36:31
【自在織込】(マルチ・リリアニック)
五つの【疑神機】の一つ【ラクルラール・アラクネー】が持つ自在機織り機能
ナノフィラメントを自在に紡ぐことにより、あらゆる物体を製造する3Dプリンター機能である
そして、それと同時に、最硬の糸による万能の作業能力を誇る

切断・滑走・ラペリング・ロープワーク・スパイダー移動・捕縛・罠・演奏などその応用範囲はかなり幅広い


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