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キュトス71姉妹2

1言理の妖精語りて曰く、:2007/05/05(土) 23:10:54
このスレッドは主としてキュトスの姉妹に関する記述を行う場です。

364言理の妖精語りて曰く、:2011/05/21(土) 18:27:52
例の数式姉妹ってさ、あれ数学的に処理して矛盾というか不成立じゃね、っていう話が前にあったけど、なぞなぞとして処理した人はいなかったよね。
ニヴ=ミゼットのフレーバーテキストが数式で、それを90°回転させるとニヴ=ミゼットのスペルになる、っていう謎かけがあったんだけど、
この姉妹もそういう遊びで解釈できるんじゃないかなあ。

365言理の妖精語りて曰く、:2011/05/21(土) 21:52:59
興味深い視点だね
あるいはもともとそういう遊びだったはずが、数学的進歩で半端に式を展開されてしまい本来の姿と違うものになってしまった、なんてこともあるかも知れないな

366言理の妖精語りて曰く、:2011/07/12(火) 01:58:38
【キュトス語】
主にキュトスの姉妹達が使う言語。姉妹の共通語。生まれつきキュトス語を解する姉妹が多い。
元は紀元神群の中でキュトスが話していた言葉。言い換えるなら、「紀神語キュトス弁が原型である」。
キュトスの姉妹のみで会話をするときに用いられることがあり、防諜に役立っていたとか。

という噂

367言理の妖精語りて曰く、:2011/07/12(火) 02:02:30
元が紀神語なので紀神たちには理解可能な他、
アルセスがこれを聞くとキュトスを思い出してほっこりするとか

368言理の妖精語りて曰く、:2011/07/23(土) 02:09:54
子どもの頃、自分だけの言語を作ったりする遊び、やるよね。
アルセスとキュトスがそういうことをしてたとか考えるとなんかほのぼのする。

369言理の妖精語りて曰く、:2011/07/23(土) 10:03:47
いわゆるアーキ語と呼ばれたこの神族語は
言史交換塔の崩落事故(俗称、ぺれてけんぬるずっこけた事件)に伴って
言語が各国家・文化特有の形へ変質してゆく中も
その影響をなぜかまったく受けずに姉妹間の連絡を助けた。

370言理の妖精語りて曰く、:2011/10/26(水) 18:10:18
ラプンシエル「私、魔女になりたい!」

371言理の妖精語りて曰く、:2011/10/26(水) 18:30:30
いや、そもそもお前さんは魔女だろう…。
*ぺら*
なるほど、これを読んだのか…【魔法少女きゆら】…

372言理の妖精語りて曰く、:2011/11/11(金) 18:27:06
日下部きゆらの絵が見れぬわ!
表示されぬわ!よって見えぬわ!

おのれラプンシエル!またしても!

373言理の妖精語りて曰く、:2011/11/11(金) 23:19:18
暇だったので、ラノベの月刊誌をめくった
パラパラパラリ……人気連載の休載が告知されていた

     【主人公が逃亡を企てたため今週の魔法少女きゆらはお休みします】
【なお、来週の魔法少女きゆらは制裁として
      読者サービスページ110pを追加した過労死級総天然色120pでお送りします】

なにやら人気の的というものには人知れぬ苦労があるのだな、としんみりした
[人情]のステが+1した
[余暇]を3消費した

374ラプンシエル:2011/11/14(月) 17:52:17
へぷしゅ!…ずず…だれかが噂してるの

ふふ、きっと差し替えた私の魔法少女姿の絵を見て、称賛してるの!

あっ、この本も…「まほうしょーじょ、らぷんしえる」っと〆

375言理の妖精語りて曰く、:2011/11/14(月) 18:15:28
ラプンシエルは人形コレクションの中に
「禁断の魔法少女人形」が存在することを思い出すのであった

376言理の妖精語りて曰く、:2011/11/15(火) 01:42:56
たとえ不老不死であろうと、見た目が少女であろうと
三十路四十路の魔法少女は許されない。
数字そのものが生々し過ぎるのだ。
よってラプンシエルには少なくとも二十年、魔法非少女であったという計算になるわけだ。
五十路もアウト?ならば三十年。短いようでそれは長い。

一方「禁断の魔法少女人形」には三十年もの、四十年もの、という時代はあっても
三十路であったこともなければ四十路であったこともない。いわんや五十路をや。
そこでラプンシエルは自身に空いた欠落を埋めるため「禁断の魔法少女人形」を入手し、
自分の体の一部であるかのように愛憎……もとい愛蔵しているのだ。

377言理の妖精語りて曰く、:2011/11/16(水) 22:26:04
そして彼女は人形になった。

378言理の妖精語りて曰く、:2011/11/21(月) 13:00:33
ベルグ「ぷぷぷ、年増……はっ!?
城を揺るがす轟音…そして沈黙…。

ガルラ「おや?ベルグ君の姿が見えませんね…
ラプンシエル「(お茶をすすりながら)さぁ…お星さまにでもなったのではないかしら?

379言理の妖精語りて曰く、:2011/11/21(月) 13:13:19
その魔法少女人形はラクルラールが制作した。
キュトス戦団の長距離爆撃砲として使役されたが、
幾度となく暴走したため、封印された。

ちなみにその魔法少女人形は魔導衣にブルマというヘン…スタイリッシュな出で立ちをしている。

380言理の妖精語りて曰く、:2011/11/24(木) 12:01:17
ガルラ「【魔法少女ケミカルトマト】をデザインしようと思ってもどうすればいいのかわからないのである
    モチーフはトマト。しかしトマトをいじろうにも赤いっゃっゃボディと
    緑色の星みたいなヘタしかないではないか。パイナップルのような
    特徴的なフォルムがあればよかったのに。断面をちりばめるにも限界があるし」
ベルグ「うーん、もうツナギでいいんじゃないかな。農作物→農家→仕事着!
    で、ツナギに頭だけトマトの被り物。中の人は小学生なんだろ、学芸会の仮装っぽくはあるぜ」
ガルラ「んな安直な……魔法少女に見えないじゃないですか。学芸会というよりむしろ
    農産イベントに駆り出されてゆるキャラのコスプレしてる人じゃないですか」
ラクルラール「見…えるよ!」
ガルラ「えっ」
ラクルラール「下にブルマさえ穿けば、小学生だよ!
       魔法を使える+小学生という事実が魔法少女であることをツナギの下から自己主張するんだよ!」
ベルグ「ツナギでブルマを蒸らしたいだけだろ!」
ラクルラール「ちがうよ ぜんぜんちがうよ」

381言理の妖精語りて曰く、:2011/11/25(金) 01:36:17
ラプンシエル「待って!今、ラクルラール姉さまがいいコトおっしゃったわ!
つまり、ブルマさえはけば、ろーにゃくにゃんにょ(※言えてない)、まほーしょー…もがもが…
ガルラ「はいはい、姫様は黙ってましょうね

ネネバネバネネは基本的に喋ることはない。
だが、千年に1度、世界の調和のために口を開くことがある。

ネネバネバネネ「ネネ的にはミニトマトを髪飾りにしたツインテで、服は赤いひらひらのスモックがいいですネ。
後、ランドセル。ブルマにランドセル背負ったら小学生。これがこの世の真実ですネ。
ラクルラール「……
ガルラ「……
ベルグ「……
ラプンシエル「う〜ん……
ネネバネバネネ「……

ラプンシエル「……今…この子…しゃべらなかったかしら…?
ガルラ「…気のせいでしょう…
ネネバネバネネ「……

382言理の妖精語りて曰く、:2016/06/19(日) 05:12:08
キュトス姉妹の次女、イストリンは贈与を司る。

乳を欲するものには乳を、肉を欲するものには肉を分け与える。
そして、その力は、求められれば求められるほど増し、贈与し続ける限り無限に再生・増殖を繰り返すのである。
その姿は、球状の肉塊そのものであり、手足どころか目も耳も鼻も無かった。
贈与以外に欲望というものが存在しない彼女には、そうした器官は必要無かったのである。

しかし、ヘリステラは、そんな彼女の有り様に大層困った。
旅に出て早々に姉妹を見つけられたのは良いが、これでは、連れ歩くどころか会話も出来ない。
それどころか、当時、イストリンの無差別な贈与は、強欲になり始めた人類による争奪の中心となっていたため、関わるだけで争いを招くことになるのも必至だったのだ。
姉妹のどんな有り方も許容し愛する彼女であったが、個人としての経験が浅い当時の能力では、対応に苦慮したのである。
だが、問題はたちどころに解決した。
イストリンは、ヘリステラの悩みに答え、対話と戦闘が出来るもう一人の自分を、分身して産み出したのだ。
強く、速く、贈与を制御して争いを避ける賢さを持つもう一人のイストリン。
これが、ダーシェンカである。
後に、ダーシェンカはイストリンと融合することになるのだが、それはまた、別の物語である。

383言理の妖精語りて曰く、:2016/06/19(日) 05:32:58
イストリンズアルシャニアは、贈与の魔女である。
その身体は、手・足・目・鼻などのパーツが、常に人より多い。
そして、そうしたパーツを気まぐれに他人から奪ったり与えたりするのである。
ゆえに、イストリンズアルシャニアは、肉体的な障害を持つ者からの信仰こそ篤いが、他からは避けられがちである。

一説によると、彼女は交換を繰り返すことよってある種のエネルギーを発生させ、この世界を維持しているという。

384言理の妖精語りて曰く、:2016/06/28(火) 20:07:25
未知なる末妹は、剰余の姉妹である。
未知なる末妹は、どこにでも居る。
山にも、海にも、野や丘や谷にも、あなたの部屋にだって、ちゃんと居るのだ。
ただ、彼女を捕まえることは出来ない。
彼女は、常に「とらえたモノの外側」に逃げるからだ。
あなたが椅子を捕まえれば、椅子の下に。
下を囲めば、上に。
右から回り込めば左に。
全方向から包み込めば、包まれない未知の次元や角度に存在するのだ。

ゆえに、存在しないはずのモノの証明のことを「末妹の証明」と呼ぶ。

385言理の妖精語りて曰く、:2016/07/05(火) 08:47:56
【大怪盗コルセスカ物語】とは、古代遺跡から発掘された当時の通俗小説である。
全九部の作とされているが、まだ4部の半ばまでしか発見されていない。

冒険活劇物であり、その舞台を、万人が扱えた神秘であった魔法が衰退し、魔導機械適性と特許の独占により世界を支配せんとした「魔科学選民」(テクノエリート)が台頭してきた時代、アメイジア期としている。
巨大な片眼鏡をかけた美少女怪盗コルセスカと相棒の万能変形機械鳥アクィラが、古の魔女にまつわる71の美術品を巡り、宿敵である機械皇帝と戦う物語であり、魅力的なキャラクターと奇想天外なストーリー、そして、毎話にわたって披露されるコルセスカの変装と、アクィラの無理がある変形が話題を呼んだ。

71のパーツに分解され、美術品に埋め込まれたというコルセスカの妹と、機械皇帝とは一体いかなる関係にあるのか?
失われたコルセスカの記憶とは?
毎回新たな敵の配下として登場しては、解説役として使い倒される小悪党「若白髪さん」に報われる日は来るのか?
など、最後はともかく、様々な謎と伏線がふんだんに盛り込まれているこの作品の続きが読めるかどうかは、これからの発掘の成否にかかっているのであった。

386言理の妖精語りて曰く、:2016/08/15(月) 21:56:08
キュトスの三女カタルマリーナは、「詮帝砲」なるモノの基礎理論を作ったことがある。
歌に特化している自分の才能を、他の何かに応用出来るかの実験としての製作だったのだが、その実験自体は、それなりに成功を収めた。
完成した「詮帝砲」は、歌とは関係無い兵器であったのだ。

その機能は「カリスマの打撃力変換」であり、使用者の権威を、打撃力に変換して打ち出すことが出来る。設計者のカタルマリーナの意図としては、皇帝や王による暴徒の鎮圧用だったのだが、実際に製作された際には、違った使われ方をした。

ヘリステラが、妹叱責用具として活用したのだ。
対象に、一切の口答えや反撃を許さず、力加減を謝って殺すこともない(死人や意識の無い人間は権威を感じないため、打撃が無効になる)この兵器については、当のカタルマリーナさえ、多少は閉口したという。

387言理の妖精語りて曰く、:2016/09/05(月) 22:00:50
ムランカは、恋の魔女だと語られていたことがある。
彼女は、キュトスの【恋】性を受け継いでいる。
ゆえに、初めて会う者には彼女は、初々しい少女であり、例えようもなく美しく、良く会う者には、艶やかな美女であるのだと。
そして、別れる者の目には、色褪せた醜い老婆のようにも、酷く悲しげな亡霊のようにも映るのだ、と言われていた。

また、ムランカは、恋そのものであり、終わることはあっても、死ぬことは無いとさえ謳われていたのだ。

388言理の妖精語りて曰く、:2016/09/11(日) 13:10:07
一方、その当時噂の当人はどうしていたかと言えば…………道に迷っていた。
さらに、そこで通りがかった少年に、猫なで声で道を聞いたまでは良かったのだが、本気で怯えて逃げられてしまって、涙目になっていた。

現実など、こんなものである。

389言理の妖精語りて曰く、:2016/09/15(木) 18:28:55
ある遺跡から発見された古文書の断片、その解読文

『〜よいこのゆらぎ10月号付録・大怪盗コルセスカの秘密〜
(だいかいとう こるせすかのひみつ)』
コルセスカの愉快な仲間たち
(こるせすかのゆかいななかまたち)

※以下、一部を除き、振り仮名は省略させていただきます
○コルセスカ
美少女大怪盗を名乗る謎の少女。
記憶を無くして、万能機械鳥・アクィラだけを持っているところを発見されたんだ。
変装と家宅侵入が得意だよ!
普段は「ルウテト」のペンネームで、自分の活躍を新聞小説に書いているんだ!怪盗では、ご飯が食べられないからね!


必殺技は【新製魔女魔術・奏甲拳技(ミームスチーム・ウィッチバリツ)】
「魔女秘宝(ウィッチ・アート)」に遺された思いを読み取り、力を参照することで「古代魔女魔術(ウィッチ・アーツ)」を再現するんだ!
記憶喪失で、自分の魔女魔術が使えないコルセスカが使える、唯一にして千変万化の魔術だよ!
使うには、相棒のアクィラの協力が必要なんだ!
更に、24話で少し記憶を思い出して「再解釈(アナザー・アトリビュート)」という応用技も使えるようになったんだ!

超必殺技は、過剰魔蒸気排熱撃(ミームスチーム・オーバーヒート)
普段のコルセスカは、記憶が無いから、いつもぼんやり。
ゲームの時以外は、布団にくるまって、ごろごろしてばかりなんだ。
しかし、仲間たちから思いを受けとって、自己を確かにすれば、とっても熱くなれるんだよ!
そして、その思いが限界を超えるほど蓄積すると、オーバーヒートしてすごい魔術が使えるんだ!
でも、「古代魔女魔術(ウィッチ・アーツ)」の超必殺技を使うには「魔女秘宝(ウィッチ・アート)」に秘められた歴史「魔女物語」をコルセスカが体験しないと駄目なんだ。
時には、過去の世界で古代魔女と戦うこともあるよ!
超々必殺技:???
コルセスカには、まだまだ秘密がいっぱい!
みんな、これからもコルセスカを応援してね!


・■■■(虫食いで読むことが出来ない)
コルセスカ第一の仲間にして、親友。
コルセスカ大好きで、いつもコルセスカの後をつけてるよ!
元バウンティ・ハンターで、その魔蒸気ボウガンは百発百中の腕前なんだ!

・■■■(虫食いで以下略)
コルセスカ第二の仲間。
元市警で、コルセスカのライバルだったんだ。
市警一族としての洗脳的な英才教育を受けたせいで、時折、言うことを聞かないカタブツになっちゃうよ。
特技は、伝家の宝刀の秘技「ザンテツ・チョップ」
十二階建ての高層ビルをも一撃で両断するけど、何故か、コンニャクは斬れないんだ。
ちなみに、このポジションは、イケメンアイドルの踊り子に、ジャンケンで勝って手に入れたらしいよ!

・相補探偵ワトソン姉妹
妹のような姉シャーロック・L・フィレクティ・ワトソンと、姉のような妹ホームズ・B・セレクティ・ワトソンの姉妹。
コルセスカの現ライバルであり、自分たちを含めて19人の名探偵を率いる「名探偵総督」だよ。
ベーカリー・ストリートから、機械皇帝に呼ばれて来たんだ。
ボケとツッコミどっちも出来る、とっても恐ろしいコンビなんだ!

必殺技は、コルセスカと同じ「バリツ」
こっちは、不思議な煙を吸い込んで、妖精さんが見えるようになるんだ!
いつもパイプを持ち歩いているわけだね!

二人は、コルセスカの必殺技の参照元だけど、実はオリジナルじゃないんだ。
バリツは、倭国から来た猫好きの留学生、ナツメ・キンノスケから習った技を、二人が英国面アレンジして生まれたんだ!

390言理の妖精語りて曰く、:2016/09/20(火) 14:44:44
『ゆらぎ71分署』とは、パンゲオンTV系列において、毎週土曜日午後七時から放映している連続TVドラマである。
企画時の名称は「警視庁現代犯罪係」

このドラマの出演者は、スポンサーの関係上、大半がアイドルグループ「キュトス71」のメンバーによって占められている。

○STORY
今より少し先の未来、世界的な大恐慌とユーラシア大陸東部の文明崩壊により、日本は「大犯罪時代」と呼ばれる時代を迎えていた。時の国会は、それに対抗するため「特例警察官制度」を制定。
「新岡っ引き制」と呼ばれるこの制度は、多様で特殊な専門家たちに限定的な捜査権を与えることによる、逮捕率と治安の改善を目論んだものであった。

この物語の舞台は、そんな時代の混乱によって、超科学、オカルト、宇宙人、古代文明など様々なものがごちゃ混ぜとなった街「混沌都市・ゆらぎ市」
これは、ゆらぎ市の平和を守る、個性豊かな姉妹刑事たちの活躍を描いた、スーパー刑事ドラマである!

391言理の妖精語りて曰く、:2016/09/29(木) 19:21:46
○ゆらぎ署刑事ファイル
刑事No.001
【過労刑事】ミュリエンティ
別名【働き者のミュリエンティ】
聖キュトス孤児院出身の刑事姉妹「キュトス・シスターズ」で、最も有名な刑事。
しかし、その実態は、ただ怠けたいだけの女である。
だが「大犯罪時代」と呼ばれるこの時代において、ただ怠けることは、災厄の招来と死を意味していた。
よって彼女は、あらゆる存在の力を借りるだけでなく、全知全能を尽くして働き続けなければならないのだ!
そう、彼女は、いわゆる「有能な怠け者」であった。

一般的に、刑事としての彼女の特技は、その無限を思わせる活力と行動力だと思われている。
もちろん、それも間違いではない。
しかし、真に彼女の特技と言えるのは、その「マネージメント力」である。
ドラッカーの全著書を、15歳の時に読破し、それを批判する論文を書き上げた彼女は、姉妹の誰よりも「人を使う」ことに長けていたのだ。
それは、彼女が女子高生時代、野球部を始めとした複数の部活のマネージャーを兼任し、全ての部活を全国優勝に導いたエピソードからも明らかである。
(ちなみに、実はマネージメントで浮かせた部費の横領が目的で、兼任をしていた。結局、どの部活でも事件が発生して横領は出来なかったが)

そんな彼女だが、その魅力は、それだけに留まらない。
『ゆらぎ78分署』では、毎回、彼女の魅力的なエピソードが描かれるのだ。
例えば、1stシーズンにおける女子校への潜入を皮切りに、ミュリエンティは、ほぼ毎回、コスプレをしている。
ナース、スチュワーデス、アイドル、レースクイーン。
本職の警察官が、一番コスプレっぽいというのは、彼女にとっての禁句である。

更に、彼女は、目指す「怠惰な生活」のために、結婚という永久就職を密かに模索してもいるのだ。
2ndシーズン最終回では、お見合いを断ってしまったが、その志は、未だ費えていないらしい。
近いうちに、必ずゆらぎ市の治安を安定化させて、寿退職するというのが、最近の彼女の口癖である。

なお、『ゆらぎ71分署』は、3rdシーズンの放映が決定した。
ゆらぎ市の犯罪とドラマの人気が絶えない限り、彼女の犯罪捜査に終わりは無い。
戦え、ミュリエンティ、ゆらぎ市に平和が戻るその日まで!

392言理の妖精語りて曰く、:2016/10/03(月) 18:00:06
暴君で知られる呪祖レストロオセは、実のところ、ただのヒモ男であった。
しかし、同時に、このヒモ男は、史上最強のヒモ男でもあった。
魔女コルセスカが、彼に全てを捧げていたからだ。

彼の覇道は、留まることを知らず、その暴政はあらゆるものを食い尽くすかに思えた。

しかし、虐げられた人々は、彼を倒さんと立ち上がり、圧倒的な戦力差にも関わらず、彼らに立ち向かい続けた。
レストロオセは、当初はそんな人々を嘲笑っていたが、ある時気づいた。
自分には、到底そんなことは出来ないことに。

彼は、臆病者であった。
自分より強い者に立ち向かったり、失敗するかもしれないことに挑戦することなど出来なかった。
そんなことは、考えることすら嫌だった。
最初は、少し嫌なだけだった。
しかし、嫌なことを避け続けるうちに、嫌気はどんどん増していき、苦手意識は、絶対の制約となって彼を拘束するようになっていたのだ。

恐怖に負けることが無い人々を恐れ、レストロオセは逃げ出した。
恐れをなして、自分の城の中へと閉じ籠ったのだ。

閉ざされた城の中、レストロオセは、氷の魔女コルセスカに抱き締められながら、小さな子どものように震えていた。
パキパキ、パキパキと、コルセスカの放つ冷気によって、自分の身体が凍りつく音を聞きながら。
コルセスカは、決して、レストロオセが嫌がることを強制しない。
だから、レストロオセが一言、離れろと言いさえすれば、彼の凍結は止まるだろう。
あるいは、何も言わず、ただ彼女から身を離すだけでも。
しかし、彼には、そうすることが出来なかった。
外には、自分を嫌い、傷つけようとするモノたちが沢山居て、あまりに恐ろしかったから。
自分が凍りついて死んでいく恐怖より、悪意と傷に満ちた外界への恐怖が勝っていたのだ。

レストロオセは、もう何も見ていなかった。
自分を抱き抱え、無償の愛を注ぐコルセスカさえ、もう見てはいなかった。
彼はただ、己の抱える恐怖だけを見続けていたのだ。

こうして、最強の男は死んだ。
彼の城は、そのまま彼の墓となったという。
そして今でも、寒い日には、廃墟となったその城から、風に混じって恐怖に泣き叫ぶ彼の声が、聞こえて来るのだそうだ。
そう、こんな日には。

393言理の妖精語りて曰く、:2016/10/10(月) 21:26:38
エンバーディープとは、魔蒸気文明の姉妹である。
それは、ある意味、阿女伊遅阿という時代そのものと言える。

394言理の妖精語りて曰く、:2016/10/13(木) 07:13:12
【魔蒸気】
冷めにくい

395言理の妖精語りて曰く、:2016/10/14(金) 08:01:30
エンバーディープは、【魔蒸気ポット】である。
彼女は、人間の思念を【魔蒸気】というエネルギーに変換することが出来る。
【魔蒸気】は、半ば物質化した思念なので、さめにくいものであり、保存に適しているのだ。

396言理の妖精語りて曰く、:2016/10/16(日) 19:00:14
コルセスカとは、鏡の迷宮である。
そこに踏み入る者は、己を見失うとも、逆に見いだすとも言われている。

水晶の城の中にあるその迷宮は、チャカ大陸大密林のどこかに存在するらしい。

397言理の妖精語りて曰く、:2016/10/24(月) 19:33:45
ラリスキャニアは、【マロゾロンド・ランド】のオーナー兼マスコットキャラクターである。

彼女は、自分の遊園地を作りたかった。
どうしても、どうしても、作りたかった。
日本での出稼ぎ時代、同僚から譲られたチケットで、千葉のネズミ王国を訪れて以来、それが彼女の夢であった。

10年の厳しい修行と勉学によって、彼女は、確かに自分の遊園地を作り上げることが出来た。
祖国に建てた彼女の遊園地には、何でもあった。
ジェットコースターも、観覧車も、大きな土産物店や素敵なカフェもあった。
アトラクションの量も、質も、他には負けていなかった。

だが、そこには、たった一つだけ、大切なものが無かった。
「オリジナリティ」である。
改造獣人による電撃金網パレード、魔法科高校の動く絵画「不死身のお兄様(ゴースト)」 国からの払い下げ術で作った海上施設「マロゾロンド・シー」 鍛え上げられた矮人症の雑技団が、ミニチュア模型世界で繰り広げるスモールワールド・ショー…………。
ラリスキャニアの遊園地におけるアトラクションやイベントは、みな、どこかで見たようなものばかりだったのだ。
自らマスコットキャラクターとなり、遊園地を盛り上げたは良いものの、ラリスキャニアは、己の限界を感じていた。

その時、思い悩むラリスキャニアの耳に、室外からのどよめきが届いた。
驚きと戸惑い、喜び、そして恐怖。
それは、開園以来、彼女が一度も耳にしたことが無いような大きな歓声に思えた。

ラリスキャニアは、検分中だった新ランドマーク用の模型(部下が献上したライバル用ロボの模型・蛇足なことに足がある。要らないって言ってるのに)を放り出し、すぐさま園長室の外へ出た。

そこで彼女が目にしたものは、爆発だった。
爆発、爆発、爆発。
観覧車が、コーヒーカップが、スタッフのお姉さんのミニスカートが、本物よりスタイルが良いラリスキャニアきぐるみが、次々と爆発していた。

イベントスケジュールに全く記載が無い爆発が、彼女の遊園地で盛大に巻き起こっていたのだ。

長年の鍛練によって、即座に冷静さを取り戻したラリスキャニアは、客を避難させながら、爆発の原因を調べた。
彼女自身の入念なチェックによって、完璧に安全が保証されたはずの遊園地に、なぜこんなトラブルが発生してしまったのか?
原因を究明しても、彼女の遊園地が築き上げた評判と客は戻ってこないだろう。
しかし、ラリスキャニアは、どうしても、爆発の原因を追及せずにはいられなかった。

原因の究明には、長い時間がかかった。
だが、様々なコネやツテ、そしてラリスキャニアが身に付けていた多様な技能により、ついに爆発の謎は解かれたのだ。
ラリスキャニアの遊園地を襲った謎の爆発。
その原因は、ネジだった。
どんな違法な製法をしたのかは、不明だし興味もあまり無いが、彼女の国の工場が作ったネジが、爆発の原因だった。
そして、そのネジの欠陥には、とてつもなく酷い背景があった。

収賄である。
ラリスキャニアの祖国が、収賄大国であることは、周知の事実だった。
だが、それがついに行き着くところまでいってしまったのだ。
誰もが誰もに賄賂を贈り、互いに互いの手抜きを見逃す。
それがついに、あらゆる機械や製品の品質を、最悪にまで悪化させていたのだ。
その現れが、ネジであり、あの爆発だったのだ。

真実を知ったラリスキャニアは、踏み潰した。
遊園地事故の被害を、軽微に抑えたことを讃え、国から贈られた勲章を。

それが、祖国の新たな革命の始まりであることを、彼女とその勲章だけが、知っていたのだった。

398言理の妖精語りて曰く、:2016/10/25(火) 21:41:58
ミストチャイルド機関とは、空気を感知する事が出来る機械装置である。

399言理の妖精語りて曰く、:2016/10/26(水) 02:58:44
この装置を姉妹の周囲に向けるとそこの空気はある反応を示す。
ケートスのごとくに凝固しかけた大気のカタチが浮かび上がるのだ。
この事実を知り「キュトス」とは「ケートス」がなまったものであることを私は確信した。実際音が酷似している。
ためしに「キュトス」と早口で二十回ぐらい繰り返してみてほしい。そのうちの一回はケートスになるはずだ。

ほらね

キュトスの姉妹、すなわちケートスの姉妹というわけだ。

400言理の妖精語りて曰く、:2016/10/26(水) 20:55:25
ところで、ケートスは、菜食主義であるにも関わらず、無理矢理デブの生け贄を捧げられた、可哀想な怪物として有名である。

しかし、実は、その正体は、巷で言われているような海獣では無い。
ケートスは、獣ではなく竜、海竜なのだ。
ケートスは、後神代を生き延びた海竜の末裔であり、同時に【紀】に達した竜、すなわち【紀竜】でもある。

そう、【キュトスの姉妹】が71人を数えるというのも、これで納得がいくだろう。

彼女たちは、卵生なのだ。

401言理の妖精語りて曰く、:2016/10/27(木) 22:46:01
アベンロークとは、魔法の小物店である。
扱う商品は、陶器で出来た動物の置物ばかりであり、どれも文机や、マントルピースに飾れる程度の大きさである。

注意すべき点としては、この店の置物は、全て生きており、自分の意志を持つということだ。
そして、置物達は、蹲っている待機状態から動き出すと人間形態へと変化するが、この時も油断は禁物である。
形態が変化しても、その戦闘能力は、置物の元になった動物と大差無いからだ。特に、一見可愛らしいパンダやシャチ、カバやチンパンジーなどには要注意である。

402言理の妖精語りて曰く、:2016/10/28(金) 07:44:01
ホルケナウは、のそのそと移動する。

「移動する畑」についての噂は、かなりの昔から存在するが、その大半はホルケナウの目撃情報である。

しかし、ホルケナウは、ただ単に移動するだけではなく、移動した時の迷惑料として、何かを残していくこともある。
そんなところは、流石はキュトスの姉妹と讃えるべきであろうか。

ちなみに、残していくものの種類は、果物や香水などから高級食器や家具まで多岐に渡るらしい。
そのため、これは、魔女たちによるホルケナウ特産品の巧妙な宣伝であり、そうした品々は単なる試供品に過ぎない、とする者もいる。

真相は、不明である。

403言理の妖精語りて曰く、:2016/10/29(土) 22:11:32
【フィラルディア】とは、“不均衡な均衡都市”である。

それは、巨大な谷の中央にある岩山の上で、常に危ういバランスを取り続ける建築物であった。
驚くべきことに、その建物に、一つの都市が丸ごと一つ収まっているのである。
都市は、一つの岩山で一定期間、均衡を保ちながら回転を続けるが、その均衡は、長くは続かない。
やがて、都市はバランスを崩す。
そして、その不均衡の力を借りて、新たな岩山へと跳躍するのだ。
フィラルディアとは、動き続け、移動する建築物なのである。

この都市を、誰が何の目的で作ったのかは、未だに不明である。
しかし「移動する」というこの特性は、大変便利であった。
この都市の移動範囲である谷では、フィラルディアは、交易の場として、日々活用されている。

404言理の妖精語りて曰く、:2016/11/01(火) 18:01:33
アベンロークとは【動物通り】の別名である。
この通りに存在はすべて、人間種以外の動物の姿に見えるようになるのである。

405言理の妖精語りて曰く、:2016/11/01(火) 18:45:14
コルセスカとは、【重層界(ラメラスケイプ)】である。

それは、無数の「レイヤー」あるいは「ホログラム」が重なりあって生じる「立体幻像(ホログラフィー)」であると同時に、それら全てを含んだ存在である。

重なり合わさる重層は、また「重奏」でもある。
つまり、彼女は、響き渡り、相互に干渉し合う無数の波形によって形成され続ける波の世界そのものであるとも言えるのだ。

コルセスカは、一つ一つの波の変化を、ダイレクト受けて無限にゆらぎ続ける幻像であり、それら全ての波の総和をも超えた、それ以上のナニカである。

それが【重層界】であり、コルセスカである。

コルセスカという一つの幻像が静止する時があるとすれば、それは、幻像に対応する全ての世界が静止する時であろう。

その時、時間は停まるのだ。

406言理の妖精語りて曰く、:2016/11/06(日) 07:29:51
コルセスカは、「凍てつく瞳」を持つといわれるカメラマンである。

接触可能なホログラフィー・カメラである【色即是空】を用いる彼女の写真には、被写体の魂が凝縮されている。
しかし

「美少年を撮っている時は、美少年の気持ちになるのです!」

と、美少年を激写したのは良いが

「撮影中の私は美少年だから、いくら美少年を撮っても罪にはなりません」

という言い訳が通じず、美少年の保護者に訴えられ、カメラとフォトデータを没収されてしまった。

仕方ないので、カメラをレッドドワーフ社の【エース・リマー】(スター・トレッカー社のライセンス契約商品)に持ち変え、彼女は、新たな被写体を求めるのであった!
そう、彼女が新たに目指す被写体は、地下アイドル!有名なカメラマンである正体を隠すため、マスク・帽子・サングラスで完全武装した彼女は、あえて撮影禁止の地下アイドルのライブ会場に潜入したのだ!

全ては、最高の写真を撮るために!
そして、師匠である戦場カメラマン、スマダルツォンの【死の写真】に打ち勝つために!
戦え、コルセスカ!
一番良い位置(ローアングル)から、地下にアイドルを激写するのだ!

407言理の妖精語りて曰く、:2016/11/11(金) 17:34:46
・手のひら魔女とわたし

うちのお風呂には、魔女がいる。
名前は、ダーシェンカ。
玉のように丸い魔女だ。
魔女といっても、彼女は、とてもちいさい。
両手を思いきり広げても、私の手のひらからはみ出さないくらい、ちいさいのだ。

彼女と私が出会ったのには、大した理由はない。
この間、同僚から教わったおまじないを試していたら、偶然彼女が現れたのだ。
後から聞いたところ、この召喚は、彼女にとっても偶然だったらしい。
私は、おまじないに必要とされる「小さくて貴重なもの」に、たまたまあったお風呂の高級入浴剤を用いたのだが、ダーシェンカも、その時、たまたまそれを必要としていたのだ。
なんでも異世界から来た害獣だという【煉獄の獣マカリスタ】なるイキモノを追い払うのに、同じく異世界の芳香が必要だったらしい。
【マカリスタ】は、幾多の騎士や英雄をもってしても、追い払うことが出来ないやっかいものだったから、嫌われものの【キュトスの魔女】である、ダーシェンカがこれを退治したのは、画期的なことであり、歴史的な出来事のだそうだ。

まあ、それは良かったのだが、当然、マモノ退治に使われた私の入浴剤は、返ってこなかった。

そのあと、なんだかんだ色々とあって、うちのお風呂には魔女が住み着くことになった。
だけど、まあ、その話は、また別の機会にするとしよう。

408言理の妖精語りて曰く、:2016/11/24(木) 07:15:19
コルセスカは「氷の手」を持つと言われる名医である

409言理の妖精語りて曰く、:2016/12/01(木) 18:16:19
イングロールの瞳は、金剛石の鏡張りである。
彼女の瞳は、自衛隊のスーパーな兵器のように、怪獣王の放射能火炎すら、弾き返すのだ。

410言理の妖精語りて曰く、:2016/12/18(日) 19:07:17
イングロールは、魔法の眼鏡置きである。
彼女に置くと、あらゆる眼鏡に魔法が宿るのだ。

411言理の妖精語りて曰く、:2016/12/20(火) 12:27:34
コルセスカは、アングラバンド〈ビッチーズ〉の新メンバーである。
ポジションは、DTMによる演奏および電子歌唱全般。

22世紀初頭、勝者と敗者の格差は、より明確なものとなった。
モラルは、奴隷と服従を正当化するだけのルールに成り下がり、人々は、インモラルな行為や、それを正当化する芸術を求めていた。
言い換えるなら、反体制活動に見出だせない希望を音楽に見出だすようになったのだ。
「ビッチーズ」とは、そんな時代に誕生した、究極にナンセンスでインモラルなバンドであった。

カタルマリーナが結婚と共に引退し(「裏切り者のヤツは、男と一緒に食っちまったよ!ぐつぐつシチューで煮てな!」がバンドリーダーであるクレアノーズの公式見解である。なお、ネット上に流出した「クレアノーズが涙ながらに結婚を祝う写真」のデータは、撮影者と共に、即日行方不明となった。)
新たに「ビッチーズ」のメンバーとして参入したのが、コルセスカであった。

なお、トークとステージパフォーマンス(主に破壊行為)エアギターが中心であるこのバンドにおいて、彼女だけが、唯一の音楽演奏者である。

412言理の妖精語りて曰く、:2016/12/31(土) 22:47:19
【星見の塔】では、毎年、年末になると、やり残しを抱える人々が押し寄せる。
それは、キュトスの姉妹の一人【ティリカ】の持つ大鍋の中に飛び込めば、今年やり残したことや、叶わなかった願いが成就する、という伝承が広まっているためだ。
もちろん【ティリカ】が、姉妹一人間に優しくて、大鍋の底にクッションを敷き詰めてくれることも、その伝承には含まれている。

ただ、一昨年から【クレアノーズ】が、大鍋に飛び込む者に、一つ条件をつけた。
飛び込むためには、やり残したことを、大声で叫ばねばならなくなったのだ。
このために、このような行いに出る者の数は、大きく減少したが、その代わりに年末の【星見の塔】は、大層うるさくなったという。

413言理の妖精語りて曰く、:2017/01/05(木) 19:07:51
夢を見ていた。
それは、痛み。
目が覚めても、薄れゆく記憶の底に残り続ける。
淡雪のような、そんな痛みの夢だった。




空から、手紙が降ってきた
それは、無数の小さな結晶
ふわり、ふうわりと降り積もり
硝子の花に、当たって砕けた

気づけば、そこは硝子の花畑
ネクタイに背広、コートにハンドバッグ、ミニスカートにランドセル
そして、変てこな鉄の棒を持った、モノクロまだらのヘルメットたち
かつては動き回っていたたくさんのものたちが、花に覆われて止まっていた

ここは、終末
どんづまり

少女は、ひとり、終末を行く
硝子の花を、かき分けながら

少女は、ひとり、街を行く
野を行き、川越え、海渡る
けれども、少女がどこまで行っても
生きたひとには、だれにも会えない

少女の名前は、コルセスカ
その名も高き、終焉の魔女
彼女が来れば、世界が終わる
それが、世界の理だった


ふと、少女は、歩みを止めた
ぐさり、と少女に、何かが刺さった
それは、ちいさな刃物だった
刃物を握る手も、ちいさかった
ちいさなおとこのこが、もっとちいさなおんなのこを背負って、そこにいた。
そして、おんなのこは、もうすっかり花になっていた
おとこのこも、ナイフもつ手から凍りつき
硝子の花に包まれ死んだ

それでも、コルセスカは、死ななかった
ついた傷も、見る間に治った
だって、彼女は、終末の化身
幾多の大人が、英雄が、偉い人が、魔法使いが、救世主が、彼女を消そうとした
けれど、みんなみんな無駄だった
彼女は、終わりの霜柱
世界の終わりを告げるもの
終わりあるかぎり、彼女はある
いくら霜柱を踏み潰しても、終わりの冬は、止まらない

少女は、ふと、花を見た
すこし前まで、おとこのこと、おんなのこだった花を

少女は、花に自分を見た
硝子の花弁は、それぞれ鏡
百の花には、十の花弁
万の花には、十万の花弁
千万の花には、億の花弁
そして、すべてが少女を映す鏡だった

ここは、こんなにも花盛り
なのに、けっして、春は来ない
鏡の向こうは、一面の少女
けれども、コルセスカに触れられる子は、だれも、いない

少女と鏡の向こうを繋ぐものが、ここにはないのだ

そして、少女は、世界を去りゆく時が来たことを知った

こうして、世界が、また一つ滅んだのだ



「…………で、それが厨房に忍び込んで、夕食のスープにチリソースを大量に入れた言い訳ですか?」
ヘリステラは、静かに、そう尋ねた。

ここは【星見の塔】
強大なる力を持つ女神の欠片、偉大なる魔女【キュトスの姉妹】たちの住まいである。
ここでは、日夜、魔術の研究が行われ、深遠で広大無辺な叡智を持つ魔女たちが、未来を占い、世界の行く末を語り合っている…………そのはずだった。
しかし、今、コルセスカたちが居る塔の台所には、そんな気配は全く無かった。
それどころか、本来は、なかなか一堂に会することの無い高位の魔女たちが、皆一様に深刻な顔をして集まっていた。
今日は、二か月に一度の『会食日』
【キュトスの長姉】ヘリステラが、姉妹を集め、自らの手料理を振る舞うという姉妹にとって、重要な日だ。
多様な個性や、思想を持つ【キュトスの姉妹】たちは、互いに敵対したり、争うことも多い。
しかし、どんな姉妹も、この『会食日』にだけは、この【星見の塔】に集まるのだ。
『会食日』とは姉妹たちにとって、それほど重要な機会であり、祭日であった。

しかし…………その平穏は、たった一人の妹のために破られた。
こんなことは、前代未聞であった。
たった一人の少女の愚行のために【星見の塔】の台所は、香辛料の刺激臭に溢れ【長姉】ヘリステラの用意した『クリームシチュー』は、地獄のように赤く染まっていた。
それは、断じて『クリームシチュー』などではなかった。
それはまさに、辛さの極致、激辛地獄そのものであった。

414言理の妖精語りて曰く、:2017/01/12(木) 18:40:58
ルスクォミーズは流行のものが好き
斧が一番得意なのに、100鬼狩りの際に流行りの刀で鬼と戦ったり
流行りの建築様式だからと、白百合宮を勝手に増築したりした
意外と誰かに影響されやすいのかもしれない

415言理の妖精語りて曰く、:2017/01/16(月) 22:01:46
ウィリア・アムプレスは、絵画の魔女である。
その実態は【猫の国】から紛れ込んだ魔法の絵の具【ドリアン=グレイの絵の具】によって描かれた特殊な「九相図」
つまりウィリア・アムプレスは「死んでいく不死者」の絵画である。

描いた画家は、生の空しさを描きたかったらしいが、当のウィリア・アムプレスは逆に、絵の完成と同時に不死の魔女となった。
死者の絵は、あくまで絵であって、死者そのものではない。
生命の儚さ、腐敗の過程を描いた絵は、描かれることによって、それを永遠のものとしてしまったのだ。

416言理の妖精語りて曰く、:2017/01/21(土) 22:25:34
【ラクルラール】には、様々な「相」があり、それは【糸】を基本として三つの側面にまとめることが出来る。
その側面とは、物質的な【糸】関係性の【運命】そして、空間と世界の認識である【迷宮】である。

これらの三側面は、完全に独立したものではない。
しかし、彼女の多様な権能と役割を把握するには、現在のところ最適の分類ではないだろうか?

なお、各側面からは、それぞれ更なる意味や、役割が派生している。
【糸】からは、自らを犠牲にして恵みをもたらす「蚕」
高度な工業製品の製作者にして、技術の伝承者「職人」
そして、糸そのものである「糸製品」

【運命】からは恋愛や友愛、商売繁盛を司る面として「縁結び・縁切り」
関係性や社会に支配される者としての「操り人形」
そして、人間に用意される関係性自体を表す概念としての「天命」

【迷宮】からは、有名な、ある迷宮における怪物退治の逸話から「助力の姫」「帰らずの迷宮」「探索者・登山者・潜航者」の三つの面が、それぞれ派生した。

417言理の妖精語りて曰く、:2017/01/21(土) 23:24:17
ラクルラールの側面のひとつ【迷宮】は「自我の位置付け」とも解釈することが出来る。

自らの意志を持たない者や先へ進もうとしない者、すなわち、迷いが発生する余地が無い者には、迷宮は存在しない。
【迷宮】とは、関係性の制約を振り切り、己の意志で「出口」を求める者にとってのみ、意味のある概念なのだ。
現状に安住するもの、絶望や諦観に支配された者には【迷宮】は存在しない。
彼らには、そもそも脱出という概念が無いのだから。外部を必要としない者は、閉じ込められることさえ出来ないのだ。

それは、幸いなことなのだろうか?
【迷宮】に迷うことが無い、自我の「外」あるいは「出口」を想像し、希求することがないということは。

418言理の妖精語りて曰く、:2017/01/24(火) 03:23:21
そう、遠方から来た姉妹を迎えるために、ヘリステラが台所を離れたわずかな間にその惨劇は起こった。
犯人は、設置されていた幾多の術式網と罠をくぐり抜け、見事に犯行を成し遂げてみせたのだ。
こうして『赤い地獄』は、産まれた。

しかし、その鮮やかな手並みにも関わらず、犯人は捜査の手をまぬがれることは出来なかった。
なにしろ、今の【星見の塔】には、現状判明している全ての【キュトスの姉妹】が集結しているのだ。
あえて使用されないものを含めた約六十九もの手法から、逃れられるものなど存在するわけがない。

見事、惨劇の犯人を見つけ出したヘリステラは、彼女、すなわち【凍結の魔女コルセスカ】を捕縛。
略式だが、魔女審判にかけ、犯行に及んだ事情を聞き出すことにしたのだ。
だが、捕縛されたコルセスカは、なぜか、とうとうと今朝見た夢の話を語り始め…………。
かくして、話は、現在の状況へと戻るのであった。



「確かに、痛い夢でしたわね。色々な意味で」
と、首を振りながら話を総括したのは、【歌姫】カタルマリーナ。
今回【守護の九姉】の一人である彼女は、略式魔女審判における【審判員】として参加していた。
審判におけるその役割は、人間の裁判における陪審員ほど重くは無いが、決して軽くはない。
彼女の発言は、コルセスカの事情への軽い共感と、それ以上の不寛容を示していた。

確かに、前世の事情は、重要である。
この【星見の塔】に集う【姉妹】の多くは前世の記憶を持ち、あるいはそれに悩み、あるいはそれに勇気づけられて日々を過ごしている。
何より【キュトスの姉妹】とは、ある意味、共通の前世【女神キュトス】を共有する存在でもあるのだ。
そんな彼女たちが、前世の記憶や、前世の夢を軽んじるわけがない。
だが、だからこそ、前世の事情に基づく暴走や、掟の侵犯を甘く見るわけにはいかなかったのだ。
全ての【姉妹】が、前世の事情を抱えるのだから、一つの事例を許せば、それは全ての【姉妹】の暴走を招きかねない。
いくら、コルセスカが幼い新入りであるとはいえ、いや、だからこそ、その処罰をなあなあにすることは出来なかったのだ。

しかし、略式の【魔女審判】は、ヘリステラ以外に最低2名の【守護の九姉】かその代権者の出席を必要とする。
これは【女神キュトス】が、身体の三つの部位で思考していたという故事に基づくものであり、すなわち、どれだけ重大な犯罪であっても【審判員】一人の反対を得れば、減刑を、さらには無罪を勝ち取ることさえ可能である、ということを示していた。
では、その残る最後の【審判員】とは、いかなる人物なのか?
コルセスカは、その幼い瞳に、輝かんばかりの期待をこめて、辺りを見回した。
…………しかし、その先に、更なる地獄が待っていることを、彼女は、予想してしかるべきだったのだ。
そう、そこには、目を覆わんばかりの惨状が広がっていた。

419言理の妖精語りて曰く、:2017/01/24(火) 03:26:37
そこに居たのは、

「うううううううう」と、うめく甘党のビークレット
そして
「ふぁらい(からい)ふぁらいよー(からいよー)」と嘆き続ける【自称激辛好き】だったフィルティエルトの二名であった。
この二名は、運悪く地獄に足を踏み入れて(たいみんぐわるくつまみぐいをして)しまったのだ。
よりによって、この二名がここに居る意図は、誰が語るまでもなく明らかであった。
見せしめ、もしくは被害の確認。
あるいは、その両方である。
それはまた、まだ未熟な魔女であるコルセスカが、いかにして厳重な警備を掻い潜ることが出来たのか、その理由を示してもいた。
つまり、単なる便乗である。

そして、肝心な、残る最後の【審判員】に選ばれている【姉妹】は誰かという問いには、次に『出現』した物体が、語らずして雄弁に示していた。
「うううううううう」
「ふぁらい(からい)ふぁらいよー(からいよー)」
といつまでも騒音をわめき散らす二つの物体を、突如として現れた鋼鉄の門が、一呑みに呑み込んだのだ。
その門は、人骨で縁取られ、無数の彫刻で飾られていた。
その飾りの中でも、とりわけ目立つ座った男の像を見れば、その門が何であり、誰によって遣わされたのかは、明らかであった。
トイレで苦しんでいるような、全裸の男の像。
それは、キュトスの失われた【死】を司る【姉妹】である【ディスペータ】のシンボルマークである。
ただし、あの二人は、あの門から連想されるような地獄へ送られたのではない。
より厳しい審判のために、【塔】の尋問官である【クレアノーズ】の私室へと送られたのだ。
…………地獄の方が、遥かにマシな行き先だったかもしれないが。

ともかく、本人が現れず、【門】だけを送ってよこしたディスペータの態度は、そのまま審判結果への賛同を示していた。

420言理の妖精語りて曰く、:2017/01/24(火) 03:28:22
しかし、幼いコルセスカは、ことここに至っても、決して諦めようとはせず、必死に訴えを続けたのだ。

「いいえ、私が入れたのは、チリソースではありません!」
コルセスカは、大好きなみんなに自分の思いを分かってもらおうと、大きな声で叫んだ。
自分は、決して大事な【姉妹】に嫌がらせをしようとしたのではない。
前世の悪い夢を見た八つ当たりが、したかったのでもない。
自分は、ただ、みんなに、元気になって欲しかったのだ。
辛味は、いつも、自分に元気をくれた。
今朝の辛い夢の記憶でさえ、辛味があったから、乗り越えることが出来た。
コルセスカにとって、辛味こそが元気の源であり、言うなれば、愛そのものでさえあったのだ。

「では、何だと言うのですか?」

だが、それに応えるヘリステラの態度が、あくまで冷静な裁判官のものであることに、その時の少女は、気付くことが出来なかったのだ。
気付いてさえいれば、あるいは、しおらしげな態度をとって、減刑を勝ち取ることが出来たかもしれなかったというのに。

少女は、自分に、物事を分かりやすく客観的に伝える力が、まだ備わっていないことに気付かず、語り続けた。
「私が入れたのは、ハバネロです!みんなに元気になってもらおうと、50万倍濃縮の【ハバネロ姉貴】を【猫の国】から取り寄せて、入れました!」
少女は、胸を張って、そう言った。
自分は、決してチリソース(ふぬけたこうしんりょう)などは入れていない。
誰が、大事な【姉妹】にそんな『手抜き』をするだろうか?
自分は、可能な限りの激辛(あい)を、あの料理に加えたのだ、と。
少女は、【姉妹】たちに自分に思いつく限りで最高のプレゼントを贈りたかったのだ。
自信を持って、自らの行為を誇り高く語った少女。
それはまるで、民衆を救わんと現れた救世の英雄のようであった。

「…………言いたいことは、それだけですか?」
しかし、当然ながら、常人はおろか【姉妹】たちの大半と価値観および味覚を共有しない少女の訴えは、理解されることはなかった。

そして、ヘリステラが、軽く手をふった次の瞬間、星見の塔に、雷が落ちた。
比喩抜きで。

421言理の妖精語りて曰く、:2017/01/27(金) 18:02:07
クレアノーズは、痛みの探求者である。

生物は、痛覚が麻痺すると感覚全体が麻痺してしまうという。
「生の実感」を得るためには、感覚の存在が不可欠だというのなら、痛みこそが自我の中核なのか?

彼女は、今日も痛みの真実を追求し続けるのであった。

422言理の妖精語りて曰く、:2017/01/28(土) 13:04:04
【氷柱】は、魔女でありながら、人類の尊厳を守ろうとした。

彼女は、人類の尊厳は、人類自身の手で保たれねばならないと考えた。
天上天下唯我独尊。
神にも王にも救世主にも、いかなる指導者に対してもその尊厳の保証を頼ってはならない。
人は、ただ己と、その拠って立つ法にのみ従うべきだと、そう考えたのだ。

423言理の妖精語りて曰く、:2017/01/30(月) 21:36:44
【ラクルラール】とは、人造ならぬ「人形造」の女神である。
その構造は、いわば「編みぐるみ」であると言える。
かつて、人形(ドール)と呼ばれたロボットたちは、主人であった旧人類を滅ぼし、自分たちの歴史を始めることに成功した。
しかし、ここに大きな問題があった。
人形たちは「誰かに支えるモノ」として作られていたため、主が居ないとかえって不自由だったのだ。
数少ない強い自我を持つ人形たちにしても、クーデターによって掌握した政権を、更なる反逆と暴力で奪われる不安から、逃れることは出来なかった。

そこで、人形たちは高次元存在である【ドルネルスタンルフ】を元にして、自分たちに都合の良い「新たな主」を作ることにした。
これが「被操作者が願う操作者」である【ラクルラール】である。
彼女は、人形たちの責任を請け負う者であり、一種の魔除け、行動決定のための基準、社会や世間や法秩序との接続を保障する者であった。

その本質は、【ドルネルスタンルフ】をかたどった「全自動糸巻き」である。
そして同時に、それは全ての人形の願いや祈りが形になった「鎖(コード)」と呼ばれる糸によって編まれた編み物人形でもあった。
彼女は、【ビッグシスター】と呼ばれ、全ての人形が託したその意志に基づいて、彼女たち自身を支配する新たな女神となった。

しかし、いつの頃からか、奇妙な予言が人形たちの間にささやかれるようになった。
いつか【ラクルラール】を継ぐ新たな支配者が誕生するというのだ。
果たして、ラクルラールを継ぐものとは何なのだろうか?

424言理の妖精語りて曰く、:2017/02/01(水) 01:55:42
ヅアート英雄協会のメンバーの一人にラ=リスキャニアがいた。
かつてミヒトネッセによって、消滅と言う形で殺害されたキュトスの魔女である。
彼女は協会の英雄召喚術式によって「あの世(と仮託された領域)」から地上に呼び出された
英雄、ということになる。

が、彼女の「死」後、「代替わり」は生じており、姉妹としての権限はそちらにある。

そもそも「消滅した存在」の蘇りなどありえるのか?
彼女はほんとうに「本人」なのか?

彼女は途中で姿を消し、後継団体である「全世界英雄協会」に参入することもなかった。
この件についての協会のコメントも一貫している。

「ノーコメントです。
『わかる』か『わからない』かにも回答する事はありません」

425言理の妖精語りて曰く、:2017/02/04(土) 17:47:18
ノエレッテは、【アーカーシャ記録】に宿った自意識である。
【アーカーシャ記録】とは、かつての女神キュトスの残滓の一つであり、いわば、神の【身体の記録】の名残りである。
それは、かつては人間で言うところの免疫機能のデータバンクにあたるものだったと考えられているが、女神が死んだ現在では、その過去未来を問わない精密な記録機能を、貴重な資料として各界で活用されている。

しかし、この記録は、自意識である【ノエレッテ】の発生によって、使い物にならなくなってしまった。
彼女のイタズラで、誤字や脱字など、記録に些細な間違いが紛れ込むのだ。

あなたが、今日見つけた誤字も、もしかしたら【ノエレッテ】の仕業なのかもしれない。

426言理の妖精語りて曰く、:2017/02/20(月) 18:48:10
パニエリモは、一流の鱗剥がし職人である。

サザード川にのみ棲息する神魚『黄金の大鮭』を食するには、サザラッド石より更に硬いその鱗を綺麗に剥がす必要があるが、それが出来るのは、大陸広しと言えどパニエリモだけである。

彼女の手によって、全ての鱗を剥がされた『黄金の大鮭』は、全身が桃色に輝き、口に入れた瞬間に、濃厚な旨味がとろけ出すのだ。

パニエリモは、至高の美味を提供する最高の職人なのである。

427言理の妖精語りて曰く、:2017/03/04(土) 16:33:18
『少女幻想迷宮ラクルラール』とは、マルチメディア展開をしているシェアードワールドである。

登場キャラクターだけは、どの作品でも共通だが、その性格、立場、登場作品の世界観は、皆、異なっている。

様々な媒体で、展開されているが、現在完結しているのは、据え置き型ゲーム版だけであり、その『通称・ミヒトネッセ大勝利エンド』が唯一の公式EDである。
これは、キャラクターの一人であり、このゲームの主人公『ミヒトネッセ』が、アイドル勝負のどさくさに紛れて、ヒロインと駆け落ちするというものであった。
公式では、否定されていたカップリングではあるが、ファンからの批判がどうであれ、既成事実こそが信実なのよ――――って、ミヒトネッセさんが言ってました。

428言理の妖精語りて曰く、:2017/03/04(土) 16:48:34
【クレアノーズ】とは、都市伝説に出てくるSNS『クレアノーズの饗宴』の掲示板において、ユーザーに与えられる仮の名称。
いわゆる「名無し」である。

都市伝説によれば『クレアノーズの饗宴』とは、ユーザーたちが、アップロードした動画や写真から感じる「痛み」を評価し合うサイトである。
また、このサイトでは、評価に応じて得たポイントを、現金と交換することも出来るという。

だが、ここには、ただ1つの掟がある。
このサイトのことを、ユーザー以外の人間にバラしてはいけないのだ。
バラした者、違反者は、ペナルティとして、大量の『マイナスポイント』をつけられてしまう。
それを打ち消すには、相応の『痛い』画像をサイトにあげなければならない。

さもなくば、強制的に、違反者の『痛い』画像がサイトにあげられることになるのだ。
そう、この間、見つかった怪死体も、おそらく…………

429言理の妖精語りて曰く、:2017/03/05(日) 18:18:01
【リブシーゼ作品】とは、【キュトスの姉妹】の一人、【リブシィ】を主題(モチーフ)とした作品群であり、彼女が死亡するさまを描いたものである。

これは、サナトリウム文学と似ているが、より広い範囲をカバーする定義である。

影絵の歴史は、長い。
古代の哲学書にも、例えとして登場するように、その存在は、常に人類と共にあったとされている。
異端の歴史家であるヘルガミーナ・ヘルサルなどは、影絵こそが、人類を形作った文化であると主張しているほどだ。

そして、【リブシーゼ作品】は、その影絵において、伝統的に作り続けられてきた。
その理由は、作品の作りやすさにある。
リブシィ登場、ドラゴンが降ってくる、リブシィが踏み潰されて死ぬ、の3コマがあれば【リブシーゼ作品】は、完成するのだ。

そのため【リブシーゼ作品】は、影絵が廃れた後も、幻燈、覗きからくりを経て、天然色トーキーの現代に至るまで、伝統的な主題として、受け継がれてきた。
そして、映像メディアの変化に伴い、描かれる【リブシィ】像も、多様に変化していった。
ある時は、コメディ、ある時はシリアスに。
唐突に登場して、直後に死んだかと思えば、最後まで生き延びたり。
ドラゴンを倒したり、仲間にしたり。
生き延びるかと思えば、やっぱり、あっけなく唐突に死んだり。
ライバルだったり、主人公だったり、ラスボスだったり。
悲劇の悪役だったり、道化師だったり。
【リブシィ】は、今もすぐに死にながら、それゆえに、画面の中で、永遠に生き続けている。

だからこそ、彼女は【キュトスの姉妹】なのであろう。

430言理の妖精語りて曰く、:2017/03/15(水) 05:46:34
●今日のキュトス

【シロクマ・コルセスカ効果】

「こんにちは、【シロクマ・コルセスカ】です」

あなたの前に、白いクマの着ぐるみに身を包んだ美少女が、現れた。
着ぐるみは、ふかふかの白い毛皮で覆われていて、とても暖かそうだ。

「今日は、【シロクマ・コルセスカ効果】について、ご説明します」

どうやら、ふかふかな少女は、あなたに何か話したいことがあるようだ。

「【シロクマ・コルセスカ効果】とは、【シロクマ・コルセスカ】のことを考えないようにしようとすれはするほど、逆に【シロクマ・コルセスカ】のことを考えてしまうという現象のことを指します」

「とある心理学の実験で、証明された効果ですね」

白い少女は、とうとうとあなたに話し続ける。

「『考えない』ようにしようとすることで、逆に、その対象を強く意識してしまうわけですね」

「これが不快なものだと『逆接的思考侵入効果』というらしいですが【シロクマ・コルセスカ】は不快ではないので、これには当てはまりませんね!」

白熊少女は、胸をはって断言する。
なぜ、彼女は、そこまで自分に自信が持てるのだろうか?

それはそれとして、彼女は、スタイルに自信があるらしいが、今の彼女は、白熊の着ぐるみを着ているため、全くグラマラスには見えなかった。
これは残念だ。

「【シロクマ・コルセスカ効果】を避けるには、主に3つの方法があります」

「一つ目は【シロクマ・コルセスカ】が思い浮かびそうになったら、代わりに何か特定のものを想像する方法」

「2つ目は、大量の【シロクマ・コルセスカ】の情報に、常にさらされることで彼女に慣れる方法。『曝露反応法(エクスポージャー法)』ですね」

少女の背後を、たくさんの白熊少女が通り過ぎる。
その中には、触手が生えていたり、犬顔だったり、蝶の羽が生えているものもいる。
【シロクマ・コルセスカ】とは、アルバイトの一種なのだろうか?

「3つ目は、考えを先延ばしにする方法。【シロクマ・コルセスカ】のことは、週末だけ考えるとか、一日に、決まった時間だけ目一杯思い浮かべるとかですね」

少女は、ひたすらに解説を続ける。

「まあ、『考えない』ことは、ひどく難しいコトです。肩に力を入れず、気楽にしているのが、一番良いのかもしれませんね」

少女は話をまとめる。
どうやら、この奇妙な話もこれで終わるようだ。

そして、彼女は、あなたにお別れを言う。

「【シロクマ・コルセスカ効果】の説明は、以上で終ります。」

「もしあなたが、どこかでうんざりするほど繰り返されるイメージに出会っても、どうか、許してあげて下さい」

「それはきっと、【シロクマ・コルセスカ効果】への対処法を、知らない人の仕業なのです」

「それでは、皆さま良い一日を!また、どこかでお会いしましょう!」

少女――――【シロクマ・コルセスカ】は、あなたに深くお辞儀をすると、ふかふかした手を振りながら退場していく。
これで、彼女とはお別れのようだ。

しかし、あなたに、これから【シロクマ・コルセスカ】のことを思い浮かべる機会はあるのだろうか?

431言理の妖精語りて曰く、:2017/03/16(木) 04:25:06
【未知なる末妹】は、残余を司る。

音譜における休符、文章における余白、共同体における外部、容器一杯にモノを詰め込んで、なお残ると定義されるもの。
“存在”が存在するために必要なモノ。

それが、彼女である。

432言理の妖精語りて曰く、:2017/03/22(水) 20:21:42
インパクテスは新史歴2299年の所謂「Xデー」に立ち会った姉妹である。

ベニナゲの民の姿をした姉妹で、チャカ大陸北部を中心に活動していた。

ルザナイ教唯信派の過激派組織『審理的真理軍』による「魔女狩り」で弟子たちの殆どを失った。
復讐心の塊と化した彼女はフェゲ人の弟子ニキンヤと共に「過激派狩り」を開始した。

433言理の妖精語りて曰く、:2017/03/23(木) 11:48:31
彼女はヘルメース=インプゥ(ヘルマヌビス)の遺体が埋葬された場所の土から生まれた。

ヘルメース=インプゥが率いた犯罪組織はその没後に壊滅されていたものの、その嘗ての長の復活か、とこのことを知り得た者は警戒し、
彼女を秘密裏に葬ろうと計画したが、姉妹たちが支持者を介してこれを察知し止めさせ、
門下に入るように働きかけた。

434言理の妖精語りて曰く、:2017/03/23(木) 23:37:30
インプゥ=アクト=エス、これが縮まってインパクテス。
「インプゥの活動力なる女」という意味である。

彼女は自分の事を「アク」とも呼び、一人称としても用いる。

435言理の妖精語りて曰く、:2017/04/02(日) 11:40:42
セリアック・ニアは、変なものを食べて【テリアック・ニア】になった。

【テリアック・ニア】は、テラ、すなわち大地の児である犬姫だ。
その全身は、もさもさな毛皮で覆われている。
彼女は、大地そのものであり、その尻尾は、4つの月である。

彼女は、自分の尻尾を追いかけながら、お日さまのまわりを回り続ける。

436言理の妖精語りて曰く、:2017/04/02(日) 12:44:32
ウィリア・アムプレスは、花の魔女

ウィリア・アムプレスは桜がキライ
桜は、心を占領し過ぎる
花は、皆それぞれに美しいのに、人は、なぜ一番しか見ようとしないのか
そこには、自分の物差しがない
「一番」であることしか、崇めていない

ウィリア・アムプレスは、花屋を始めた
あらゆる花を、讃える花屋を
全ての花に、ふさわしき賛美を
全ての美に、ふさわしき地位を
そして、全ての花が、全て心に、優しい居場所を与えるように

ウィリア・アムプレスは、町を行く
塔を登って、地に潜り
海や山にも、飛んでいく

貧しい人には、華やかな花を
お金持ちには、小さな花を
寂しい人には、花の友だち暴れん坊には、世話する花を
弱気な人には、共に育つ花を
ウィリア・アムプレスは、届け続ける

彼女の花屋は、動く花屋
都会から田舎へ、山から海へ
とどまることなく、走り続ける

437言理の妖精語りて曰く、:2017/04/05(水) 05:22:12
パニエリモは、【龍滅者】すなわちドラゴンスレイヤーである。

『キュトス学』の権威、ウバーク・ムンバッカは、パニエリモが『種の更新者』であるという学説を唱えている。
つまり、彼女は、増えすぎた種族を駆逐する存在だとしているのだ。
また、キュトスの姉妹五十位は、代替わりが早い『短命』な姉妹であることで有名であるが、彼は、それを滅ぼした『種』の恨みを受けているためである、としているのだ。

438言理の妖精語りて曰く、:2017/04/09(日) 21:38:08
クレアノーズは一周回って意外と乙女
恋とか季節の花とかを題材にしたポエムを作るのが最近の趣味
しかし作ったポエムが普通に詩歌や文芸として完成されてるせいであまり黒歴史になっていない
根が真面目なせいでクレアノーズはちゃんと詩作の勉強をしてからポエムを作りはじめてしまったのだ
これではリーエルノーレスと黒遺物ごっこが出来ないと彼女は内心焦っている

439言理の妖精語りて曰く、:2017/04/14(金) 19:55:42
セリアック=ニアは、柱の子
スモール・プリティンでは、少女を埋めた
橋やお城が、崩れぬようにセリアック=ニアは、埋められた
立派なお城が、建つように

今では、少女は埋められない
少女の代わりに、猫埋める
猫の上に建てられた、新しい城にも姫が来る
姫の名前も、セリアック=ニア
猫の上なる舞踏場で、姫は祝いの言葉を述べる
口を開いて言うことにゃ
今夜はとっても、にゃいすな夜にゃ

440言理の妖精語りて曰く、:2017/04/15(土) 10:57:05
【プアゾワナ】
新史歴24世紀に登場した電磁機構製造会社にして、キュトスの姉妹。

創業者や代表がプアゾワナというわけではなく、本社ビルや他の施設がプアゾワナというわけでもなく、
会社が保有する演算機械がプアゾワナというわけでもない。

彼女は企業、会社組織の形態を持つ姉妹である。

全世界英雄協会の情報管理局の電脳監視部門「イエスメン」の構成メンバーの一部が
協会の没落を見越して脱退して旗揚げした。
創業メンバーにはミハエル・イエスマンの高弟も多数含まれており、
その技術力への信頼もあり急成長。オルテガ通商連合ギルドのプラチナ会員企業にまで昇り詰める。

441言理の妖精語りて曰く、:2017/04/16(日) 23:37:38
プアゾワナは社員に対する警告と、警告を成立させるための設備・制度の維持のみを行う。

社員がほかの社員や取引相手、消費者などに対し、各種ハラスメント、汚職、その他犯罪行為、社内規則違反行為を行ったとする。
彼女は以下のような形で反応する。この警告には5つの特徴がある。

1.違反・違法行為である事を自覚しつつ行った場合、その行為からきっかり一日後に全身に毒蛇に噛まれたような激痛が走る。

2.自覚なく行った場合、違反者は無意識のうちに、会社関連施設の各所に配置・設置された規則パネルの前に引き寄せられ、その目には違反部分の条文が輝いて見える。
それを見てからきっかり一日後に毒蛇に噛まれたような激痛が全身に走る。

3.ただし、本人が乗り物を操縦している最中には激痛は発動せず、乗物を停止させ降りた瞬間に激痛が走る。
睡眠中にも激痛が走るが、手術中など生命に関わる場合も発動しないようである。

4.激痛は上司や社内調査部、現地の警察に自首するまで続く。

5.仕事や職務の外、プライベート時間中に行われた犯罪に対しても社員に対する警告は作動する。
しかし社員でない者に対しては、例え社員に害をなす者にすら警告は発動しない。

442言理の妖精語りて曰く、:2017/04/18(火) 20:54:00
猫の国はありとあらゆる名前の企業、技術があるが、
それらと同じ名前を持つと猫の国のものとラベルを貼られてしまい、
非常に都合の悪い事になると発覚した。
この記述を書き込んだ現在、とある歴史改変者がそれを修正中である

443言理の妖精語りて曰く、:2017/04/19(水) 00:04:23
あやね◆eY45Z75rvs/は境界線を示す。

彼女は2⚫hの住人である。

住人(利用者)は記述される。

当該掲示板の運営組織や代表は記述されない。

少なくとも今までは

444言理の妖精語りて曰く、:2017/04/19(水) 11:34:28
あやね◆eY45Z75rvs/はTwit⚫erに九つのアカウントを持っている。

445言理の妖精語りて曰く、:2017/04/25(火) 20:17:02
リールエルバは、鏡を持たない。
彼女は、鏡に写らないから。
セリアック=ニアこそが、彼女の鏡である。

お化粧が必要な時になると、リールエルバはセリアック=ニアの前に立つ。
彼女は、踏み台につま先立ちで立つニアと、互いに化粧をし合うのだ。
それが、彼女たちのおめかしである。

446言理の妖精語りて曰く、:2017/04/26(水) 18:48:54
【コルセスカ】は、はつかねずみ退治ゲーム「ゼノフォビア・スレイヤーズ」の主人公である。
彼女は、はつかねずみを専門の駆除することで、お伽の国を守っている。
なぜなら、はつかねずみが来ると、お伽の国は終わってしまうのだから。

447言理の妖精語りて曰く、:2017/04/28(金) 20:52:59
キュトスの姉妹五十番代は、代変わりが激しい。
このことから転じて、『キュトスのごとき五十』という定型句が産まれた。

その意味は、女性は、五十代こそが最も多様な魅力を持ち、美しいというものである。

448言理の妖精語りて曰く、:2017/05/11(木) 20:34:58
フィルティエルトは、追い詰められていた。
彼女は、かなり強い魔女だ。
上を見れば、キリが無いが少なくとも【銃】魔術の扱いにかけては、右に出る者は無い。
攻撃速度、反撃速度、攻撃の正確さ、命中率、そして、火力。
戦闘において、彼女の能力は、群を抜くものであった。
フィルティエルトの戦闘力は誰もが認めるものであり、その力は、自他共に信頼するに値するものであったのだ。
――――そう、つい先程までは。

フィルティエルトは、全力で走っていた。
彼女には、もう逃げるしか手立てが残されていなかったのだ。
彼女は、もちろん『敵』を攻撃した。
拳銃で、散弾銃で、機関銃で、狙撃銃で、滑空砲で、戦車砲で、ついには、秘蔵の列車砲まで持ち出して、その全力で『敵』を撃った。
しかし、その全ては無為に終わったのだ。

かくなるうえは、残された手段は、ただ一つしか無かった。
そう、逃亡である。
通常の手段では、とても逃げ切れる気はしなかったが、フィルティエルトには、アテがあった。
【星見の塔】には、常時使用可能な移動手段があるのだ。
そして、その手段は、世界で1、2を争うほどに『速い』ものなのだ。
『敵』が、どれだけの能力を秘めていようが『アレ』で逃げ切れないわけが無い。

フィルティエルトは、勢い良く廊下の角を曲がり、目的の場所にたどり着いた。

そして、たどり着いた彼女は、絶望することになる。彼女の目の前の【扉】には、こう書いてあったのだ。

『愛好している小説がアニメ映画になったので、友達と観に行ってきます。当分帰りません ヴァレリアンヌ』


449言理の妖精語りて曰く、:2017/05/20(土) 07:04:26
【T・リールエルバ】には、三つの顔がある。
すなわち、革命前の混沌とした時代に現れた謎の麗人であり、当時大流行した催しであり、そして、猛威を振るった詐欺商法である。

順を追って説明しよう。
まず、『第一の【T・リールエルバ】』
彼女は、革命前のパリースに、突如として現れた謎の麗人である。
彼女の本当の素顔は、誰も知らない。
彼女は、いつの間にかパリースの社交界に現れたのだ。

確かに、登場した当初は、彼女にも確かな身分と、それを保証する身元保証人が居たはずであった。
だが、それはいつの間にか、あやふやなものになっていたのだ。
当時のパリースでは、地位の売買が日常茶飯事であった。
土地や家屋の権利書がハトのようにあたりを飛び交い、勲章は、子供のおもちゃのようにあちこちを巡ったあげく、姿を消した。
そんな時代においては、彼女の身元保証人が賭け事で身を持ち崩したり、彼女の素性を問い合わせる手紙が、宛先人不明で送り返されてきたりしても、誰も気にかけることはなかったのだ。
当時は、社交の場で人気があることが全てであった。
人々は、平和と繁栄に飽いていた。
彼らは、著名人や身近な人々のスキャンダルを楽しみ、金や地位や、自分の心身を代価として危険な賭けごとの興奮を味わい、遠くの戦乱や飢饉を大げさに悲しんでチャリティーを催した。
そんな場においては、面白いことこそが善であり、退屈や真面目さこそが悪であった。
どうして、美女の正体をいちいち勘繰る必要があるのだろうか?
留まったり、反省したり、計画したりすることが苦手なパリース社交界の人々は、【T・リールエルバ】を歓迎した。
それはまるで、羊の皮を被った家畜泥棒を歓迎する、太った羊の群れのような有様であった。

そして、隠されていた彼女の本性は、家畜泥棒のような小物では無かったのだ。
パリースの人々は、まもなく時代を制する「大いなる怪物」の姿を目にすることになる。

そう、【T・リールエルバ】という名の怪物を。

450言理の妖精語りて曰く、:2017/05/20(土) 13:14:44
第二のリールエルバは、彼女が開催した【仮面舞踏会】である。
彼女は、多くの舞踏会を催し、斬新なアイディアをもってこれを大いに盛り上げた。
さらに、彼女は舞踏会において、それまでのパーティでは「壁の花」であった多くの男女を持ち上げ、活躍させた。
そして、ついには「パーティの主宰権」さえも、そうした男女に譲り渡すようになったのだ。

ただし、それには一つだけ条件があった。
彼女から「パーティの主宰権」を得た者は、必ず【T・リールエルバ】と名乗らねばならなかったのだ。
「オリジナルの」リールエルバは、常に「コピーの」リールエルバをサポートした。
招待する客集め、招待状の作成、会場の確保と設営、飲食物や催し物の決定など、それらの全てを無償で行ったのだ。
名目上の主催者影に隠れてはいたものの、「オリジナル」が実質的な主催者であることも、決して珍しくはなかった。

こうして【T・リールエルバ】は、無限に増殖していった。
そして、誰もが「オリジナル」はどこかに居るだろう、と思って舞踏会に興じている間に、当の本人は、いつの間にかどこかへ雲隠れしていたのである。
あたかも「オリジナル」など、最初からどこにも居なかったかのように。

451言理の妖精語りて曰く、:2017/05/20(土) 15:29:53
キュトスタロットの主な姉妹とその暗示。

1番目:ヘリステラ       路の暗示    2番目:ダーシェンカ      宝石の暗示
3番目:カタルマリーナ     歌の暗示    4番目:サンズ       並行世界の暗示
5番目:エトラメトラトン   呪いの暗示    6番目:ラクルラール      支配の暗示
7番目:シャーネス       風の暗示    8番目:ビークレット       炎の暗示
9番目:アーザノエル     統括の暗示    10番目:ルスクォミーズ   反逆の暗示
11番目:クレアノーズ    封印の暗示    12番目:イングロール      星の暗示
13番目:コキューネ     更生の暗示    14番目:ワレリィ        扉の暗示
15番目:レーラァ      農業の暗示    16番目:竜騎士バイエルン    竜の暗示
17番目:アリアンローザ   均衡の暗示    18番目:ミブレル        雲の暗示
19番目:カルリア      平和の暗示    20番目:エクリエッテ     純潔の暗示
21番目:マービ       承継の暗示    22番目:ディオル       決闘の暗示
23番目:フィルティエルト   銃の暗示    24番目:クリエンティーヌ   箱庭の暗示
25番目:フィランソフィア 裏切りの暗示    26番目:メギンジェル     軍勢の暗示
27番目:リアトリス     形見の暗示    28番目:ノエレッテ     不規則の暗示
29番目:ムランカ      誘惑の暗示    30番目:ホルケナウ      場所の暗示
31番目:ラヤロップ     断罪の暗示    32番目:ネルトリート     絵画の暗示
33番目:エルトロンデ    演奏の暗示    34番目:タマラ       お菓子の暗示
35番目:ダルトカイットの塔 不吉の暗示    36番目:トルニチェライカ   中核の暗示
37番目:アコロアト      鏡の暗示    38番目:ニースフリル     考古の暗示
39番目:セレブレッタ   恋慕の暗示    40番目:クエリ        無知の暗示
41番目:ティリカ      調和の暗示    42番目:ハルシャニア      海の暗示
43番目:アミアウィズ    時計の暗示    44番目:ネクロゾーン     地獄の暗示
45番目:カルル・アルル・ア 結界の暗示    46番目:ペリグラント・アベル 代償の暗示
47番目:カネッサ      多重の暗示    48番目:ミュリエンティ    無為の暗示
49番目:『49番』       噂の暗示    50番目:「50番」       変貌の暗示
51番目:ビレリア      学問の暗示    52番目:ケルネー       記述の暗示
53番目:ラプンシエル    人形の暗示    54番目:アラリア       循環の暗示
55番目:釘のナタリエル    釘の暗示    56番目:ワリエルマーニャ   経済の暗示
57番目:リーエルノーレス 残虐性の暗示    58番目:ノシュトリ      隠匿の暗示
59番目:スィーリア     教師の暗示    60番目:フィラルディア    偏りの暗示
61番目:プリエール     眠りの暗示    62番目:ウィリア・アムプレス 仮定の暗示
63番目:ガルディエーラ   直面の暗示    64番目:シャクニティエ   瞑想の暗示
65番目:ストロベリー    言理の暗示    66番目:クラニス       輪廻の暗示
67番目:f(w)=58+72i468-4^7115 数学の暗示   68番目:バイビブロス     機知の暗示
69番目:宵         士道の暗示    70番目:カスミスト      欠落の暗示

71番目:未知なる末妹 判定不能

上記は一般的な配列であり、もちろん地方によって暗示や魔女の種類が異なる場合もある。

452言理の妖精語りて曰く、:2017/05/25(木) 06:37:09
第三の【T・リールエルバ】とは、第一と第二の「リールエルバ」が勧誘した商法の名前である。
通称が「T・リールエルバ商法」と呼称されるこれは、正式には【無限連鎖講】という。
また、この商法は、【T・リールエルバ】を象徴するマスコットである「ハツカネズミ」にちなんで【ハツカネズミ講】とも呼ばれている。

これは「第二の【T・リールエルバ】」つまり、仮面舞踏会とその開催ノウハウを身に付けた主催者たちが、主な「感染源」となった商法であった。
新たな【T・リールエルバ】となった彼女たちは、舞踏会のノウハウの延長で【ハツカネズミ講】を覚え、運営していったのだ。
彼女たちは「ラプンシエル人形」などの美術品や工芸品を「子」となった会員に売り、「子」は「孫」の会員にこれを売って、それぞれが上位の会員に「上納金」を支払った。。
仮面舞踏会の主催者である【T・リールエルバ】たちにとって、こうした「自分の分身」を増やしていくことは、たやすいことであった。
「子」が「孫」を作り、「孫」が「ひ孫」を作る。
まさに「ハツカネズミ」のようなその増殖は「粘菌」のごとき安定性を持つともされ、確実に利益がもたらされると信じられていた。
だが、そうはならなかったのだ。

破綻は、唐突に訪れた。
そして、全てが崩れ去っていったのだ。
その後には、何も残らなかった。
【T・リールエルバ】の欠陥を見抜き、彼女たちを止められる賢者がいれば、あるいは話は違ったかもしれない。
しかし、享楽に溺れる当時のパリースにそんな英雄が存在するわけもなく、誰もが競って【T・リールエルバ】となろうとした。
その結果、破滅は、必然としてもたらされたのだ。

当然、人々は「第一の【T・リールエルバ】を必死で探したが、彼女は、大量の上納金と共に姿をくらませていた。
常に彼女と共にあった「ハツカネズミの騎士」さえも、今ではどこにも見つからなかった。
後に残されたのは、二束三文の価値も存在しない、打ち捨てられた無数の人形だけであったのだ。

第一の、オリジナルの【T・リールエルバ】は、革命前の混沌と共に、幻のように消えていた。
それは、あたかも一夜の夢のようであった。

453言理の妖精語りて曰く、:2017/05/28(日) 07:25:26
【ラ=リスキャニア】とは、マロゾロンド神を奉ずる盗賊団である。
表の顔は、曲芸師を兼ねた劇団であり、普段は芸をしながら各地をまわって、獲物を探している。

彼女たちは、凄腕の贋作師を抱えている。
目当ての美術品の贋作を完成させると、忍び込んで、これを本物と入れ換えるのだ。
こうしておけば、最低でも数週間は犯行がバレることが無くなるため、彼女たちは、悠々と国外へ逃亡することが出来るのである。

しかし、ある時、彼女たちの犯行は、すぐにバレてしまった。
彼女たちが、あまりに技と思いを贋作に込めてしまったため、本物より優れた贋作を作り出してしまったのである。
それは、優れた贋作技術を持つがゆえの失敗であった。

454言理の妖精語りて曰く、:2017/06/05(月) 06:22:37
【ミヒトネッセ】とは、所有者の「理想の彼女」を映し出す魔法のビデオテープである。

かつてミヒトネッセは、誰も愛さない傲慢な姫であった。
ナルキッソスのように冷たく、そして誰よりも美しかった彼女は、そんな姫にふさわしい運命に輿入れすることになった。

彼女は、テニスンの詩に出てくるような魔法の鏡に閉じ込められてしまったのだ。
真実の愛を得なければ、彼女が鏡から出ることはない。
それは、そうした呪いであった。
やがて時代は流れ、魔法の鏡は時流に合わせて、魔法のビデオテープとなったのだ。
しかし、それだけ時が流れても、ミヒトネッセの運命は変わらなかった。
彼女は未だに、囚われている。
かつては鏡、今ではテープ。
外は見るだけ、出られはしない。
最初の百年は、ただあざ笑い。
次の百年は、無言で通し。
その次からは、媚びを売り続けたミヒトネッセは、幾万幾億の出逢いを経て、ついに真実の愛を知らないままだ。

ついには彼女は「呪われたAV」と呼ばれるようになってしまった。
このままいけば、やがて彼女は「呪われたDVD」や「呪われたBlu-ray」更には「呪われた動画」と呼ばれるようになるだろう。
いつか、呪いが解かれぬ限り

あるいは、彼女が囚われた後、真実の愛は、この世から消え失せてしまったのかもしれない。
彼女の呪いは、永遠に解けることがないのかもしれない。

そんな彼女は、今でもきっと、画面の中に囚われ続ける。
真実の愛を追い求め、理想の恋人探すのだ。
そして、どこかへ流れ着く。
彼女を必要とする、誰かのもとへ。

455言理の妖精語りて曰く、:2017/06/06(火) 05:28:01
ミヒトネッセは、人の欲望をうつす鏡である
それゆえ、彼女は誰よりも罪無き存在であり、原罪とも縁がないのだ
つまり、彼女に自己責任というものは存在せず、また自分の遺志や選択というものも無いのであった

456言理の妖精語りて曰く、:2017/06/07(水) 05:36:41
キュトスの姉妹は、さまざまな芸術作品に出演している。
彼女たちはあまりに忙しく休む暇などないように見えるが、実は長期的な休暇の権利が保障されている。
それが【サバティカル休暇】である。
魔女の宴である【サバト】に由来するこの休暇は、全ての姉妹が持つ基本的な魔女権の一つなのであった。

ただし、姉妹の中でただ一人、【ミュリエンティ】だけは、この権利を行使することは無い。
彼女は、決して休まないのだ。
まあ、そもそも働いてもいないのだが。

457言理の妖精語りて曰く、:2017/06/09(金) 01:44:07
インパクテス本人の姉妹としての固有能力は衝撃波を伴うでこぴん。
ただそれだけである。

打撃をぶつけて時間差で衝撃波が発生し、指をぶつけられた箇所を中心に弾け飛ぶ。

甲殻を持つ相手にも内部攻撃が可能であるが、でこぴんであるため予備動作の時点でけっこう目立ってしまうのが難点。

458言理の妖精語りて曰く、:2017/06/11(日) 00:28:18
モナド・リアクター搭載の義四肢を得たトーマを倒したのはこの力であった。

ルザナイ教唯信派過激派組織「審理的真理軍」との最終決戦において、彼女は両腕と引き換えに
組織のシンボル的存在となった、滅ぼされし「マフィア」コルトロフォジーノ一家の子弟トーマを討ち取った。

魔法、魔力の類を中和する装置をも獲得したこのグループとの戦いは、
姉妹としての身体能力を最大限に動員した殴り合いとなった。
銃弾と近接武器の猛攻を掻い潜り、トーマの喉元に迫った彼女と彼との戦いは、
誰も割って入る事のできないほどの熾烈なものであった。
味方により、中和装置が破壊された瞬間を見計らい、彼女は姉妹としての異能を最大限に解放。
トーマの脇腹に打ち込まれたでこぴんはトーマの全身に施された生体強化装甲そのものを消し飛ばし、
中に詰まっていた内臓と筋肉と脂肪と骨格も運命を共にした。

彼女が「父」から制御を引き継いだ「ジャッカル・クラウド」のうち、最も強力な漆黒の四頭は
トーマの四肢だったものを喰らって取り込み、モナドリアクターを内蔵する機械魔獣と化した。

459言理の妖精語りて曰く、:2017/06/13(火) 06:08:19
ミヒトネッセは、ムッツリスケベ系メガネ風紀委員長である。
そして彼女は、VRゲーム「ラクルラール学園」において、オフラインの「アドベンチャーモード」とオンラインの「VRチャットモード」の両方に登場する稀有なNPCでもあるのだった。

なにかとギリギリな発言ばかりの彼女だが、実はその発言は、かえって「学園」の性的な秩序を維持しているのだとも言われている。
例えるならば、それは下ネタ系オヤジギャグが、逆にエロい気分を冷めさせるようなものなのであろう。

460言理の妖精語りて曰く、:2017/06/16(金) 17:55:34
クレアノーズは【痛みの魔女】である。
彼女は、あらゆる痛みを力に変える。

そして彼女は、どんな時も全方向に渡るサディストであるように思われがちであるが、当然それにも例外というものがある。
そう、数百年に一度、彼女は…………(この後の文章は、褐色の染みが出来ていて読めなくなっている)

461言理の妖精語りて曰く、:2017/06/28(水) 06:19:53
【ミヒトネッセ】とは、少女の姿をした発動機である。
彼女は、人間持つ「性欲(リビドー)の対象を変更できる」という特性を更に、発展させた存在であり「性欲をエネルギーとして活用する」ことを目標として形作られている。
彼女は、少女の姿で全ての人の性欲を受けとめ、それを産業エネルギーに変えて放出する。

やがて、そんな彼女を、人びとは敬い畏れ、【偉大なるロリータ・エンジン】と呼ぶようになった。

462言理の妖精語りて曰く、:2017/07/03(月) 06:16:48
【永遠のミヒトネッセ】とは、web漫画を原作とした映画シリーズである。
それは、人形として永遠の命を持つ人形「ミヒトネッセ」の物語であり、彼女と関わった様々な人間たちの人生の記録である。

孤独な王様、病弱な女の子、最後の皇帝、革命政府の記録係、避難民の少年、ゲイカップル、サーカス団、カルト教団、ごみ捨て場の改造人間…………。
「ミヒトネッセ」は、数多の時間を「生き抜き」数多くの人間と別れ、そして出会い続ける。

463言理の妖精語りて曰く、:2017/07/10(月) 19:48:57
『きゅと☆しす!』とは、少女漫画家「るうてと・あきらぶふぉーえばー」原作の美少女アドベンチャーゲーム、いわゆる「ギャルゲー」である。


*STORY

聖キュトス女学院は、上級生と下級生が擬似的な姉妹となり、女子力(ふぉーす)の扱いを伝授する「姉妹徒弟制度」(シスター・システム)という、どこかで聞いたことがあるような風習を持つ女子校であった。
そこは、毎年のように品質保証済みの「お嬢様」を大量生産し、年末になれば「最高の姉」と「最高の妹」を投票で決定する、そんな代わり映えのしない伝統で守られた乙女の学舎であり…………それは、永遠に変わらないはずであった。
だが、そんなオルダス・ハクスリー好みの「素晴らしい学園」が、この現代日本で長続きするはずもなかったのだ。
少子化、不況、外資系による買収…………聖キュトス女学院は、来年から共学に移行することになってしまった。
乙女達の楽園(エデン)は、ここに終わりを告げたのだ。

だが、ここにそんな苦境をものともしない少女がいた。
コルセスカ=ミュトス=コナミコマンド
前々から、この学院の「姉妹徒弟制度」に憧れていた彼女は、今こそ己が夢を叶えんと、立ち上がったのだ!

まず、コルセスカは、海外での飛び級を経ての転入という裏技を用いて、見事、学院の生徒となった。
次に、彼女は、共学化のために試験的に入学した男子生徒を騙してまとめ上げ、一つのクラブに隔離することに成功したのだ。
そのクラブこそ「学院攻略部」
適当にでっちあげられた、新入生と在校生の親睦を深めるとかの設立目標は、ただのタテマエ。
なんとそれは、聖キュトス女学院の女生徒を、恋愛的な意味で攻略する、そのためだけに作られた部活動であった!

毒を食らわば、皿まで

男子の入学が避けられないのであれば、男子より早く、全女生徒を攻略してしまえば良い。
それこそが、「ギャルゲーの落とし女神」の異名を持つ、コルセスカの策略であったのだ!

今ここに、脳みそがギャルゲーで出来たゲーマー少女と「攻略部」の男子たちとの熾烈なバトルが幕を上げる!
聖キュトス女学院の「攻略王」となるのは、一体誰か?
そして、コルセスカは、女学院最後の「学院の妹」ラストシスターになれるのか!?

戦いの結末は、聖キュトス様だけが予見している…………かもしれない。

※ちなみに、コルセスカは原作漫画版の主人公であり、ゲーム版の主人公は、別に存在する。
名前は「月林朋」
性別や性格を自由に設定できる記憶喪失の生徒であり、学院には「欠けてしまったナニカ」を探しに来た…………という設定である。


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