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キュトス71姉妹2

1 言理の妖精語りて曰く、 :2007/05/05(土) 23:10:54
このスレッドは主としてキュトスの姉妹に関する記述を行う場です。

537 言理の妖精語りて曰く、 :2018/03/31(土) 18:04:26
全世界英雄協会が英雄達の力でもって「現代的価値観」を維持する体制の崩壊。
大汚職時代、に続く企業戦国時代、モナド・リアクター装置に犯罪者を投げ込みエネルギーとすることに
何の疑問も持たれなくなっていく世の中において、それを許さぬ一人の姉妹が立ち上がる。

脳髄洗いコキューネー、脳を洗い、習慣を洗い、新たな人生に罪人を導かんとする魔女である。

538 言理の妖精語りて曰く、 :2018/04/07(土) 13:24:59
氷結のコルセスカは、触っただけでアイスキャンデーを作ることが出来る
そのため、彼女の屋台は暑い日は大人気になる
だが、その彼女の商売には、一つ大きな問題がある

コルセスカは、ゲームで勝ったものにしか、アイスを売らないのだ
小さな子どもやお年寄りであれば、簡単な輪投げなどで勝つだけで良いが、成人が彼女のアイスを手に入れるには、ハードなゲームに勝つ必要がある
コルセスカが、【悪夢の魔女】と恐れられる由縁である

539 言理の妖精語りて曰く、 :2018/04/10(火) 20:12:24
ラプンシエルは、鯨の中
タライに座ってぷかぷか浮いてる

彼女は呟く、私は妹が嫌いだと
ピノッキオに憧れる者の気持ちなんて、分からない
どうせ人間になったとて、愚か者の街(ゴッサム・シティ)で弄ばれるだけなのに

だから私はここにいる
運命に逆らい、使命を投げ捨て、預言者(メッセンジャー)の仕事を放り投げて
敵のためになる預言なんて、誰がしてやるものですか

そして彼女はまたまた呟く
私は妹が大嫌いだと
けれど彼女が呟くたびに
彼女の花はみるみる伸びる
彼女の髪の、アマランサスが、嘘をつくたび、ますます伸びる

ラプンシエルはハサミをもって、伸びる花を刈り取るけれど
刈り取るたびに、ますます伸びる

彼女の花は、どこまで伸びる?
そして、何を連れてくる?

答えは誰も、知りはしない
あるいは、鯨が知っている

540 言理の妖精語りて曰く、 :2018/04/26(木) 20:10:07
ラプンシエルは、その長い髪で有名だが、実際には短髪の魔女である

なぜ、長髪で有名になったのかといえば、それは彼女が髪を使ったまじないに長けているからだ
女性の髪は、元々魔力を宿す
それをラプンシエルは、さらに強化し、強力な呪符(タリスマン)を作ることが出来た

これは、女性の愛を証明するお守りであり、そして同時に裏切りに対する報復の呪いともなるものであった
彼女の作った呪符は、大陸の反対側からでも遠隔操作することが出来た
その髪は、彼女やその髪の持ち主の意志で自在に動く
そして、ひとたび呪符を渡された男が裏切れば、絡みついて締めあげ、首もしくは身体の任意の部位をねじり斬ることすら出来たのだ

これが、彼女が「長い髪」の魔女として恐れられた由縁である

541 言理の妖精語りて曰く、 :2018/04/27(金) 06:23:09
ラプンシエル拳法とは、髪を使って戦うことが特徴の格闘技である
それは、女性に遺産が分与されない文化圏において、護身術として産み出された

その使い手は、幼いころからじょじょに重いものを髪につけて、髪と首を鍛える
珊瑚、真珠、小さな金の輪から始まり、やがては1フィーテ近い女神像や黄金の鎖へと装身具の重量がランクアップしていくのだ

たくさんの宝石や黄金の輪を髪につけている女性を見かけたら、それは、この拳法の使い手かもしれない

542 言理の妖精語りて曰く、 :2018/05/04(金) 20:00:31
ラプンシエルは、絶望の両替商であり、暗い過去の質屋である
彼女は、罪業の塔の上から絶望の重みを計量し、全ての悲嘆を鑑定する

その判定基準は、人類の積み上げてきた過去そのものであり、それには全ての征服されてきた国々、虐げられてきた人々、売られてきた女たちの嘆きが折り重なっていた
そしてそれは、目覚ましい戦後の復興や栄光の大帝国、外面が良い偉人たちの靴底に踏みつけられてきた過去の地層であり、過去としての大地そのものでもあったのだ

543 言理の妖精語りて曰く、 :2018/05/18(金) 19:10:26
ラ=リスキャニアは、売れない役者である
最近は出番が少ない

だが、そんなことでメゲる彼女ではない
彼女は、劇場街であるきゆら市で、様々なバイトに明け暮れているのだ
なんだか、どこかの魔女とキャラが被る気もするが、そんなことは気にしない
世の中、長生きしてはばかった方の勝ちである

おまけに、彼女は異様に器用であり、どんなことも一通りはこなすことが出来た
そんなラ=リスキャニアは、たまの休日に変な番組を見て息抜きをしながら、様々なバイトで自分を鍛え続けるのであった

544 【キシンサッカー・選手名鑑No.51】 :2018/05/23(水) 05:30:45
「ミヒトネッセ=ミラーズ」

チーム【ピュグマリオン・フィギュアーズ】を率いる彼は、自分たちが誰よりも美しいと自認する美少年だ
さらに『人工』を嫌い、女性の美しさを『人工』要素が多いとして嫌ったりもするけど、その彼自身も一日4時間エステにいってたりかなり『人工』であるフシが大きい

その本性というか、実態は彼の母にあった
彼の母親、ルウテト・ミラーズは、美容産業に君臨する大会社の社長さんなんだ
そして、彼と彼のチームは、その広告塔でもある
彼は、一見母親の仕事に反抗しているように見えて、実は宣伝のために裏からしっかりとコントロールされてるのさ
フィギュア萌えの元祖『ピグマリオン』の名前をつけられたチームのトップらしいといえば、らしいのかもしれない

まあ、そんな彼も、コルセスカとの試合を経て、自分自身を見つけつつあるわけだけど・・・まあ、その話はまた今度ということで

545 言理の妖精語りて曰く、 :2018/06/03(日) 12:42:41
ラプンシエル=ジャスティニールは、【髪龍】の異名を持つ正義の女子プロレスラーである
その、最近で最も有名な功績は、対立団体であった【ラクルラール花嫁学校】を叩き潰したことだ

546 言理の妖精語りて曰く、 :2018/06/15(金) 05:34:48
キュトス71姉妹が女性の性質を仮託されることが多いように、同じく71兄弟は、男性の性質を仮託される

547 言理の妖精語りて曰く、 :2018/07/12(木) 05:54:35
【天耳目】フィスナの名は、様々な諜報機関や情報取得端末に引用され、今もまた引用され続けている

548 言理の妖精語りて曰く、 :2018/07/13(金) 05:50:46
エル・ナルは、虚無を司るキュトスの姉妹である
大学都市では、やる気のないものを「あいつは『エル・ナル』」のようだ」と例える
また、文章だけ仰々しくて中身のない論文のこともまたエル・ナルに例えられる

549 言理の妖精語りて曰く、 :2018/07/16(月) 05:31:57
イオン、または【イオネイア】は、ただひたすら死を求めたキュトスの姉妹であった
やがて彼女は、アルセスによって消滅を迎えたが、その遺産として一軒の店が残されたという

その【イオネイアの店】には、首吊り用の踏み台から量子破壊砲や全自動殺戮暗殺者まで、ありとあらゆる「死」のための道具と手段が残され、適切な者にこれを与えるのだそうだ

もっとも、量子破壊砲とはどういうものなのか、誰も知らないのではあるが

550 言理の妖精語りて曰く、 :2018/07/18(水) 06:07:16
【形而上世界オルタ】には、支配者たるキュトスと同等の力を持ちながら、気ままに振る舞う存在である【魔神】が存在する
【コルセスカ】は、その一柱である。

実を言うと【オルタ】世界における力の大きさは、すなわちその存在が持つ現実を否定する思い、あるいは「夢みる力」の強さに比例するのである
そして、【オルタ】は、かつて【ザ・ワールド】と呼ばれた世界を丸ごと取り込み、変性させることで生まれた世界である。
当然、そうして世界とともに取り込まれた人々の中には、心の強いものも多く存在する。
それゆえ、世界の創造主たるキュトス以上の力の持ち主が出てくるのも、また当然の結果と言えるのであった。

コルセスカは、【オルタ】を受け入れるかそれとも否定するかで悩み葛藤し、ゲーム魔王とゲーム勇者の二人に分裂し、【オルタ】に大きな変化の契機をもたらした。

551 言理の妖精語りて曰く、 :2018/07/20(金) 05:22:55
クルトニアは『前世を受け継ぐ』という能力の持ち主である
それはすなわち、好きな前世を持つことが出来るということでもある
だがそれは、同時に過去の因縁やトラウマなども受け継いでしまうということであり、必ずしも良い結果をもたらすとは限らないのである

552 言理の妖精語りて曰く、 :2018/07/25(水) 20:37:58
エディスト・フィルナーレとは「一発ネタ」を司るキュトスの姉妹である
大いなる女神キュトスとはその身の内に全てを含む万象の女神であり、彼女の肢体が後に、世界の全てとなった
当然、その中には時間と共に風化してしまうギャグやアイディア、すなわち【一発ネタ性】も含まれていたとされている
エディストは、女神のそうした性質から生まれた存在であった


そうした誕生の経緯により、エディストはどんな人間とも再会することが出来ない、儚い幻想の姉妹となってしまった
どんな天才であろうとも、同じ名と姿を持った彼女には一度しか会うことが出来ず、長くつき合い続けることも出来ないのだ

まあ、別の一発ネタを思いつけば、すぐさま違う姿と名の彼女に出会うことが出来るのだが

一説によれば、彼女は姉妹の定数である72を超える姉妹を吸収する存在であるとされ
また別の説によれば、彼女は、女神キュトスからその夫であるアルセスへの「遺言」あるいは「最後のギャグ」を託された存在であるとも言われている
だが、女神から神へのメッセージ、神限定のプライベートな通信の実際は、それこそ神のみぞ知る領域でるため、真実は闇の中である

553 言理の妖精語りて曰く、 :2018/07/28(土) 07:16:07
キュトスの【妹】性を持つメートリアンは、つねに自分が妹であることに強くこだわる
だが、そんな彼女が自身の「妹性」を放棄し、「姉」と名乗ることがあれば・・・何かとてつもないことが起きると言われている

あるいはそれは、いまは仮定の存在に過ぎない【未知なる末妹】の現出を意味するのかもしれない

554 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/01(水) 05:28:16
【ネミーラ病】とは、原因不明の記憶喪失を指す病名である
原因不明ゆえに、それはよく「実は仮病」的なニュアンスをこめて使われる

そう、【ネミーラ病】の主な患者とされるのは、政治家たちなのだ

555 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/02(木) 05:57:58
【ムートゥアルーガ】は変装の達人であり、最も親しいものたちにも自分の正体を老婆に見せかけていたという
後に、彼女の名は、恋人の愛を試すためにあえて行う「老け顔メイク」のことを指すようになった

達人は、受け継がれたのだ

556 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/03(金) 05:58:13
【ムートゥアルーガ】の逸話は、『変身・被り物系』と呼称されるタイプの民話体系の一種である
これは、無力な少女が、醜い老婆や野獣の皮をかぶったりあるいは変身することで世の中を生き抜くが、ある時を境としてその変身が解けるというものだ
このタイプの民話は数多く、【猫の国】にも『姥っ皮』や『鉢かづき姫』などという形で伝えられているという

そして、こうした「変身」の民話体系は、話の展開によって大きく二つに分けられもする
一つは「嫁入り系」であり、こちらは「変身」することで富裕な男性との縁を得て、最後にその男性と結婚するというものだ
【猫の国】に主に伝わっているのは、こうした展開のものだ

もう一つは「怪物戦士系」であり、かつて無力な美少女であった【ムートゥアルーガ】が、獲得した変身能力によって怪物的な戦士となって活躍するというものだ
こちらは、ほとんどこちらの世界にしか見られないものであり、【ムートゥアルーガ】逸話がこちらの世界が起源だとする説の根拠にもなっている
こちらの展開の逸話では「嫁入り系」と異なり、不幸になる結末を迎えるものや男性の求婚を断る展開が多い
そのため、こうした逸話は、一部の女性や「怪物好き」な層に根強い人気を誇ることで有名である

結婚にどれだけの重きを置くか、そして怪物への「変身」をどう評価するかが、この二つの展開の分かれ目なのだろう

557 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/07(火) 06:12:44
【クエリ】は、『氷の女王』と対になる『灯火の少女』と呼ばれる存在だという話がある。
【猫の国】の童話では、この一対を『雪の女王』と『ゲルダ』と呼ぶらしい。

クエリは、不屈の闘志と魔法や奇蹟などの幻想を認めぬ心を持つ。
同時に、決して諦めを知ることがないその歩みは、それ自体ひとつの、そして最強にして無敵の幻想であるともいう。
その強度は、彼女一人の幻想だけで、他の姉妹全てに打ち勝つほどだとも。

クエリがアルセスを信仰するのは、彼女が大いなる旅の神に依存しているからではない。
彼女自身が、アルセスと同等以上の力を持つ旅の神だからだ。

つまり、彼女はキュトスの【意志】性を受け継いだ姉妹であり、キュトスの『英雄神』としての一面である。
神話の歯車が少しズレていたら、旅の神として祀られていたのはアルセスではなく彼女、あるいはその性質を強く持ったキュトスだったかもしれないのだ。

また、別の伝承によれば、一対である『氷の女王』コルセスカがクエリの性質を持つときこそ、キュトスが返り咲きアルセスが没落するときであるとも言われている。
その伝承が嘘か真かは、大いなる噂と惑乱の神、エーラマーンのみが知るであろう。

558 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/08(水) 06:37:54
クエリの特異なる能力を【人間原理】と呼称する
これは、彼女とコルセスカしか持たない能力である
彼女の場合、【人間原理】は人間の『常識』で全てを塗り替え、それが許容しないあらゆる幻想を無効化するという効果を発揮する
いわばそれは、人間を基準としてそれにそぐわないものを切り捨てる、保守的な審判であるといえる

これはあくまでクエリが使用した場合の効果であり、コルセスカが使用した場合の効果はまた異なるらしい

559 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/09(木) 05:44:09
キュトスの姉妹1-5【8絶対虚無】(オシュケニア)とは、姉妹が陥る一種の『状態』である
雨で遠足が中止になったとき、推していたアイドルが引退したとき、楽しみにしていたマンガが完結してしまったとき
そんな『何も出来ないほど無気力ではないが、ほとんど何もやる気がしない』ような気持ちになったとき、これを【絶対虚無】と呼称するのだ

なお、ミュリエンティはそもそも何にもやる気を出さないため、リーエルノーレスとクレアノーズは自他への加害を決して止めないため、この状態に陥ることは決して無い

560 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/13(月) 06:52:35
【エミリニェロギッポロネーシャ】は、相談者の魔女だ
彼女はキュトスの【受動】性を受け継いだ姉妹の一人であり、その存在は相談者を必要とするニーズによって左右される
つまり、彼女は相談が必要とされるところであれば、どこにでも現れるのである

土俗の風習にどっぷり浸かった農民たちは、腐ったカブや壊れた農具などを組み合わせて、いつでもどこでも【エミリニェロギッポロネーシャ】を『現出させて』しまった
そのため、ルザナイの『守旧九派』や【カリア正教】の道導師たちは、【エミリニェロギッポロネーシャ】対策のため、そうした不用品を積極的に回収するハメに陥ったという

561 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/16(木) 05:35:08
カルミセアおばさんは、呪詛の魔女である。
まあ、二言目には「呪うぞ」が口癖なだけで、実際にはただの駄菓子屋のおばさんなのだが。
元々偏屈な性格であったうえに、戦争前後で色々あったり、子どもたちが面白がったりしたために、こういう口癖を身に着けたらしい。


彼女のところには、面白がって呪われに行ったり、逆に祝福を受けに行く者が後を絶たない。
彼女は、なんだかんだで町の有名人として愛されているのである。

562 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/17(金) 05:57:32
【クラニス】は、ただの人間にしてキュトスの姉妹である
純粋な魔女への憧れと魔女を目指そうとする努力が、彼女をキュトスの姉妹とした

また、別の説によれば、出自も経歴も完全な人間であるにも関わらず、その精神だけが人間から逸脱している者こそが、キュトスの姉妹の66番【クラニス】となるのだとも言う

563 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/19(日) 06:12:10
一説によれば、インスルー、キュトスの姉妹の初代23番は、失敗を司る魔女であった
そのため彼女は、キュトスの姉妹に迎えられる前は山奥に隠れ住んでいたという
インスルーは、何をするにしても幾多の災厄を巻き起こしてしまうため、それを防ぐための行為であったのだ

インスルーは、その失敗と災厄によって自他ともに傷つけ続けていたが、それは彼女の本意では無かったのである
そのままでは、彼女は一生山奥で生涯を終えるところであったろう

長姉ヘリステラが、彼女を迎えに来たのは、そんな折であった
長きに渡る失敗により心も身体も傷ついていたインスルーは、当然その申し出を断った

けれども、ヘリステは嫌がる彼女を説き伏せ、自分たち姉妹の力を彼女に試させることに賛同させたのだ
その試みとは、『路の女王』たるヘリステラが、インスルーの指定したコースをたどってレースを行うというものであった
壊滅都市、破滅文明の遺跡、断絶海の絶望島、死の峠道、地獄谷、インスルーの力によって生み出されたあらゆるネガティブパワースポットを通過したうえで帰還することによって、自らがいかなる失敗や災厄にも負けないことを示さんとしたのだ

レースは過酷であり、ヘリステラとそのマシンは幾度も危機に陥ったが、彼女は姉妹と自分の力を合わせ、見事に試練を乗り越えてみせた
なにより、最終チェックポイントである『死焔火山』において、凶星隕石と死焔の板挟みからヘリステラを救ったのは、他ならぬインスルー自身であったという
かくして、インスルーは、新たなキュトスの姉妹となったのだ

564 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/20(月) 06:46:22
ラプンシエルの瞳は、一見ガラス玉のようである
けれど、その実態は自在にその厚み(ゆがみ)を変える魔法の瞳なのだ
ラプンシエルの瞳は、魔竜バーガンティアに由来しており、あらゆる「認知の歪み」を再現することが出来る

もちろん、厚みの無いレンズがないように、歪んでいない認知などはこの世に存在しないのだが

565 言理の妖精語りて曰く、 :2018/08/21(火) 07:00:48
「クッハッハハッハハッハハッハ!」
闇の中に笑いが響き渡る。
奇怪な人影が、薄暗い闇の中で笑っているのだ。

「フィイッヒッヒフィイッヒッヒ!」

笑い声の主は、しばらく様々な笑い方を試していたが、10分ほど経つと飽きたのかやめた。
そんなところに凝るのは、職業柄だろうか?
ともかく、笑いを止めた人影は、闇に向かって宣言した。

「ついに!ついにこのラ=リスキャニアの時代がやってきたのだ!」
人影は続ける。

「引きこもりと銃マニア、臆病イノシシには眠り薬入りのジュースを飲ませた!成金はワイロで釣った!全財産使った!ブレじいさんはなんか怖いけどいつの間にかどこかへ行った!」

どうやら、自分の犯行をわざわざ独り言で説明しているようだ。
友達いないのだろうか。

「そして、あのシスコン吸血姫の控え室には、あらかじめ時刻をズラしたセリアック=ニア時計をセットしておいた!今頃ヤツはまだ出番が来ないと思って余裕でティータイムをブッこいているはず!勝った!『幻想再帰のアリュージョニスト』四章完!」

自分の工作が成功したことがよほど嬉しかったのか、人影はどんどん喋り続けた。

「だが、このラ=リスキャニアに、『ジョジョ』第三部の運命の輪や花京院のような慢心は、決して無いと思っていただこう!」

「この私は、大道具係の特権を利用して、密かに舞台を改造!自分だけが目立つ仕掛けを用意しておいたのだ!ワタシの計画は完璧だな!」

どんどんノリノリになる人影だが、彼女は決して一人では無かった。
そう、彼女には、その人徳を慕って駆けつけた専用の応援団がいたのだ。

「ワー、ワー、ラ=リスキャニア様がんばれ〜」

「ラ=リスキャニア様サイコー!」

「ラ=リスキャニア様こそ最高の女優にして男優だぜ!」

だが、その動きは不自然であり、応援セリフにもどことなく照れがうかがえた。
そしてなぜか、応援団がしゃべるたびにラ=リスキャニアが動きを止め、なにやらスマホに語りかけているのだが、あれは一体どういうことなのだろうか?

「がんばれー、ラ=リスキャニアちゃんさまがんばれー」

応援団の動きは、異様に規則的であり、まるで遠隔操作される人形のようであった。
というか、どう見ても人形であった。
応援団の招待は、ラ=リスキャニアが舞台で出番を終えたものを回収して引き取り、自分用に改造した人形だったのだ。
この女、ムダに器用である。

「では皆の衆、ワタシの大活躍を見守ってくれたまえ!」

ラ=リスキャニアは、人形応援団に見守られながら意気揚々と舞台へ歩みだし・・・・・・・・次の瞬間、床を踏み抜いた。

「天丼は、天丼はイヤだぁぁぁぁぁーーーーーー!!」

叫び声を上げるも、覆水盆に帰らず。
大規模なギミックを幾度も運用したうえ、不正に改造された舞台は、異様なまでにもろくなっていたのだ。
哀れラ=リスキャニア、自業自得の末路であった。

566 言理の妖精語りて曰く、 :2018/09/08(土) 07:10:45
キュトスの姉妹たちの住処である【星見の塔】には、時折奇妙な挑戦者が現れる
【筋肉神官・パッゲットムジャッリー】もその一人であった
彼は偉大なる【筋肉神】に仕えており、その祈りは筋肉への感謝そのもの、つまりは筋トレであった

567 言理の妖精語りて曰く、 :2018/09/14(金) 06:00:54
「フハハハハ!誰か拙僧に立ち向かうものはおらんのか!キュトスの魔女とやらは、みな筋肉を見放した【もやし】なのかぁ!」

あからさまな挑発。

パッゲットムジャッリーは、言ってみれば一種の【道場破り】であった。
キュトスの姉妹は、最も著名な超人であり、それは最も【神】に近い【人】であるといえる。
ある宗教は、彼女たちを【魔女】として恐れ、またある者たちは崇め、目標とする。
そして、そんな中には、自分もしくは自勢力のアピールのために、こうして【道場破り】を仕掛けにくるものもいるのである。

パッゲットムジャッリーは、最新の挑戦者であり――――――――今までで一番相手にされてない挑戦者でもあった。
なぜかというと、それは――――――――

「汗くさい」

姉妹の誰かが、一言で切り捨てた。
そう、自信満々の【筋肉神官】が放置されているのは、ただそれだけの理由であった。

568 言理の妖精語りて曰く、 :2018/10/09(火) 20:42:05
「ぐわあああ!筋肉が、拙僧の筋肉がーーー!!!!」
大げさな声を上げて、筋肉神官は吹き飛ばされていった。

パッゲットムジャッリーを吹き飛ばしたのは、【星見の塔】の頂点に立つ九人の半神、【九姉】の一人たるラクルラールであった。
わざわざ彼女が出てきたのは、たまたま今の【星見の塔】には、手を使わずに筋肉神官を排除できる姉妹が彼女しかいなかったからだ。
使いようによっては世界を支配できるとまで言われる【九姉】の御業、その完全なる無駄遣いであった。

ちなみに、ラクルラールはこっそり糸をより合わせて筋肉繊維を再現してみせたりしていたのだが、それに気づいた者は別にいなかった。
現在、【星見の塔】では、姉妹の一人【ワレリィ】が作り出した沼にハマる遊びが流行っており、みんなそれに夢中だったからだ。
【幻想再帰のアリュージョニスト沼】、もしくは【アズーリア百合ハーレム漫遊記沼】と呼ばれるこの沼はとても深かったため、ハマっている者は、なかなか外部のことには気づかないのであった。

569 言理の妖精語りて曰く、 :2018/10/09(火) 20:55:05
どこか暗い地の底で

「フゥーッハッハッハッハッハッハーーー!」
声がした。
声の正体は、黒い鎧を着た謎の怪人物だった。
その鎧には【幻想再帰のアリュージョニスト主人公衣装・予備】と書かれており、さらにその首には【私こそが地上の英雄です!】と書かれた看板がヒモによってぶら下げられていた。

地の底へ消えたラ=リスキャニアの生還である。
見れば、彼女の右手にはワイヤーのように太い糸が握られており、その糸は遥か天上よりぶら下がっていた。

こりずに再登場を果たしたラ=リスキャニアは、叫ぶ。
あたかも、その叫びに己が全存在がかかっているかのように。
「おい、その糸の上にいるメンヘラ女!良いことを教えてあげるから、このラ=リスキャニアちゃんに従いなさいな!」

声をかけられた天上では、即座に糸を切ろうとする気配があったが、そこへラ=リスキャニアはすかさず更に言葉を連ねた。
「どうして貴様が男に捨てられたのか、どうして貴様が自分に『価値』を感じられないのか、このラ=リスキャニアちゃんがご教授して差し上げようと言ってるんだよ!」
「もっとも・・・・・・・・嫌なら良いんだけどネ!ずっと過去の栄光にしがみついていたいんなら、そうしてるが良いさ!」

とたんに、ピタリ、と糸の動きが止まった。
そして、上からするすると新たな看板が、別の糸に吊るされて降りてきたのだ。

570 言理の妖精語りて曰く、 :2018/10/09(火) 21:56:09
看板は語る
《一人でイキってて虚しくない?というかあなたも別にモテるタイプじゃないよね?》

「ぐ・・・モテるもん、キャニアちゃんモテるもん・・・あとイキらないとエラソーなヤツと話なんて出来ないもん!」
涙目になりながらも、強気な態度を崩さないラ=リスキャニア。

571 言理の妖精語りて曰く、 :2018/10/15(月) 06:59:59
「だいたいさー、アンタって何事につけ本末転倒なのサ。本末転倒というか、石橋を叩きすぎて叩き割るというか・・・ウィー、ヒック!」
ラ=リスキャニアは、唐突にぐだぐだと語りだした。
《え、もしかして酔ってる?》
表記されている文字の内容を変えながらも、とまどう気配を漂わせる看板。

「酔ってない。酔ってませんよー。ラ=リスキャニアちゃんは、ちょっとだけ景気づけに飲んだだけなのですよー」
《それを酔ってるっていうのだよ・・・》
どことなく看板の文字からも呆れた気配を漂わせるラクルラール。
だが、完全に酔ったラ=リスキャニアは、そんな彼女を気にせずただひたすらに語り続けた。

「そんなことはどうでもいいですー!今はアンタの話をしてるんだから!」
《やれやれ。ロクな話じゃなさそう》

「だいたい、価値が欲しいのに、価値を貶めるってどういうことなの?その糸の支配、自分を邪魔してるだけじゃねーの!」
《なっ》
「支配された者は、価値がないただの人形になる。自分よりすごい者に仕えるだけの道具になってしまう。アンタは、そこから脱出したいんじゃないの?」
《それは・・・》
「目標をやりやすく変えるのも、一時的に下げるのも良い。でも、より高みを目指さないのはダメだ。先がない。アンタは自分からどんづまりに足を踏みいれたんだよー」
《知ったふうな口を・・・》

572 言理の妖精語りて曰く、 :2018/10/17(水) 05:35:26
――――三時間経過

闇の中、宙に浮かぶ屋台があった。
《殺菌消毒済みおよび寄生虫撲滅証明取得済み@機械帝国・厚生部品省》と屋根に大きく書かれたその屋台は、一本の糸に吊るされて宙に浮いていたのだ。
地獄より離れ、しかしどこへ到達するでもないその屋台は、まるで『蜘蛛の糸』のカンダタのようであったが、そこに集う者たちには地獄から抜け出る意志など毛頭ないようであった。

その中からは、何かが煮える音や陶器同士がぶつかり合う音、誰かが大声で語ったり突然叫んだり歌いだす声が響き、無数の糸を引き連れて宙を歩くマリオネットのような人影が複数踊っていた。
それは、天地の中間に浮かぶ煉獄の屋台。
誰が呼んだか、その名を《裸栗鼠庵》(らりすあん)という。

そこでは、ただひたすらに、ぐだぐだなガールズトークが繰り広げられているのだ。

573 言理の妖精語りて曰く、 :2018/10/19(金) 05:42:59
突如として発見された聖典である『機械神絶対運命黙示録』という『少女革命ウテナ』の歌のような書物によれば、ラクルラールには神としての強大な側面が存在するという。

彼女が持つ邪視【史的唯物論】は「全ては物質であり、心や魂などは、ラクルラールが承認し操るふるまいの中にしか存在しない」とする世界観であり、それは世界を縛り絶対的に幸福な未来を約束するという。
つまり、ラクルラールとは、「予定説」の神なのだ。

全ての行動をラクルラールが決定し支配するというのなら、精神の定義を彼女が決めるのであれば、確かにこの世からランダムな混沌は消滅する。
その後に残るのは、他と隔絶した唯一の「心」を持つとされる、一柱の女神だけとなるであろう。

574 言理の妖精語りて曰く、 :2018/10/23(火) 05:41:56
ラクルラールが得意とする【シシュウ呪文】は「刺繍」にして「詩集」である。
これは、【猫の国】の戦記『ヒプノシスマイク』などで有名な【ラップ呪文】に匹敵する強大な業として知られている。

【シシュウ呪文】最大の奥義は「九姉」の一人ディスペータに捧げられた業【シュラウド】(死体を覆う白い布)であり、これは「シシュウを防ぐシシュウ」と言われている。

ラクルラールは、この【シュラウド】にセラティスの『乙女ラブソング詩集』を組み合わせ、その恥ずかしさに耐えながらディスペータと戦ったという。

575 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/06(火) 16:48:55
>>573
”『少女革命ウテナ』の歌のような”って記述いるか?
むしろいらんのでは?

576 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/07(水) 04:21:04
「出典の明示のようなものでは?」言理の妖精はいぶかしんだ。

「1997年……俺たちが世界の終わりが来ると本気で信じていた年だ。
しかし7月になっても何も起こらずに、そのアニメはクリスマス・イブの最終回をむかえた」言理の妖精はなつかしんだ。

「それじゃあ、知らない人もいるかもしれない」言理の妖精は有用性をとなえた

「漫画とかでも版権作品の名前を技名とかに使う例あるけど、出典をいちいち書かんよな?別に必要性は無いんじゃね?」言理の妖精は不要性をとなえた

「ちなみに、このアニメの放送年に生まれた子供が今年成人式をむかえたんや」言理の妖星はほろびの呪文をとなえた

「」「」「」「」

言理の妖精は一人ずつ灰となって崩れ落ち、誰もいなくなった。

577 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/08(木) 16:27:53
>>576
そもそも>>573の記述では「出典の明示が必要な引用」(及びそれが必須の内容)をしてるようには見えないんで、
だったら誤解を与えるような記述いらないじゃん?

578 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/10(土) 07:01:22
>>577
誤解ですか?
この場合、どのような誤解やそれによる被害を想定されるのですか?

579 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/12(月) 20:11:38
そうさなぁ、作品名だけ出しての喩えって「言葉を惜しんでる」というかもっと悪く言うと
「手を抜いてパクってる」ように見えちゃうんだよね。
楽してイメージだけ借りようとしてる印象が出ちゃうというか。
んで、「ゆらぎの神話は他所の作品を盗作することを許容してるのか」という誤解が出ちゃうリスクは
避けられるなら避けるというか小さくした方が良いかなって

580 573 :2018/11/13(火) 21:50:05
ううむ、確かにそうですねぇ・・・・・・・・。
私としては、出典元の強い印象があるイメージを不用意に扱うとかえってパクりになるおそれを感じて、区別のためにあえて引喩部分を明確にしたかったのですが・・・・・・・・。

明記による切断と隔離、それによる出典元とは違う方向性の模索、というか・・・・・・・・。

ワイヤー射出パンチや合体変形ロボは、マジンガーやゲッターが無くても存在し得たかもしれません。
しかし、それらが有名作品とは異なる存在として自己を確立するためには、有名作品との明確な差異を打ち出すか、あるいは有名作品を「脇において」区別を明示する必要があるのではないか、とそう思ったのです。
イメージ元に引きずられないためには「そっくりさん」の隣に「本物」が出てきてもらうのが一番というべきでしょうか?

「これには元ネタはあるが、それとは違いますよ」と明確に判別出来るようにすることで、イメージ元に回収されることを防ぎ、自由度を上げつつ個性の確立を狙・・・いたかったのですが、読み直すと上手く行ってませんね。
これでは、ただの例えか軽口の一種です。
いやまあ、これはただ単に、上手いネーミングを見つけられなかった私が悪いのですが。


ともかく、この失敗はフィードバックして次に繋げさせていただきますね!
ご指摘ありがとうございました!

581 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/13(火) 22:18:42
100年以上昔の古典文学とか1000年前の神話とかだったら(相対的に)あんまり文句付かない気もするんだが、
これが「15年前のアニメ」とか「連載中の漫画」とかをタイトルのみ引用で比喩するとまーなんかかなり厳しい目で見られる感じがあるに。
だからそういうときはパロディというか明言しないぼかしの方が安全な気がするにゃ
そのものズバリのウルトラマンじゃなくて「光の巨人」と呼ぶとかね。

582 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/29(木) 08:31:09
「そ、そんなバカな!」

怪新世紀元1546年、世界は戦乱の渦の中にあった。
かの【大破壊】を経て、かつての旧人類の文明は崩壊し、それを構築していた純粋な科学は失われた。
残ったのは、出所不明の怪異な技術――――かつて、魔法やまじないと呼ばれていたオカルトが混じった新たなる科学である【怪科学】であった。
科学と共に純粋な人類も失われ、滅びかけた各国はそれぞれ異なる技術系統に属する【怪科学】によって、それぞれ異なる形で人類を再生させたのだ。
それは、あるいは大いなる過ちであったかもしれない。

【怪科学】によって再生された新人類たちは、それぞれ全く異なる生物種に変わっていたのだ。
死体や道具を縫い合わせてヒトガタを取り繕ったもの、術式プログラムを本体とするもの、オオカミやクマなど獣と一体となったもの、夢想こそを本体とする幻影となったもの・・・・・・・・その有り様は様々であり、意思の疎通や交易こそ可能であったものの、人種間の交配や本格的な相互理解は困難を極めた。
世界は、国ごとに種族が異なる怪物たちの領域へと変貌してしまったのだ。

それによって発生した問題の中で最大のものは”共生の困難さ”であった。
国が違えば、種族も異なる。
それは、同じ新しい人類【怪人類】であったとしても、国境を一つまたげば全く生活習慣や好悪、心身に対して有害なものや生存に必要とするものが、全く異なることを意味していた。
【ウィッチ欧州】の魔女が好意で持ち込んだ銀製品が、【ウェアビースト米国】の人びとを傷つけてしまい、あわや戦争という事態に発展するなど、そうした種族間の差異は深刻なレベルに達していた。
確かに、【怪科学】によって人類は復興したが、それは国家レベルのみの段階でとどまってしまったのだ。
真に国際的な交流が出来なければ、国際的な経済の活性化などは不可能である。
ましてや、旧世界の文明を取り戻すなど、夢のまた夢でしかない(【ドリームワールド豪州】では夢こそが現実であるため、この言い回しも通じないことであろう。新しい世界では、万事においてこの調子なのだ)
長い時を経て文明を取り戻してきた怪新世紀の時代は、こうして更に長い停滞の時節を迎えようとしていたのだ。

だが、そんな世界で、いやそんな世界だからこそ覇権を狙い、全世界に勢力を伸ばそうとするモノたちも、また存在した。
ラクルラール商会は、その一つである。
ラクルラール商会が、【世界再統合】のために発案した手段は、とてもシンプルであり、どこか旧世界の匂いがした。
それは”同じ系列の道具を使用することによる、人類の調和”と呼ぶべきものであり、消費と技術による問題の解決を志向していたからだ。
端的に言えば、人造の奴隷である。

ラクルラール商会は、ポルターガイストを応用した自動紡錘機の販売によって勢力を伸ばした機巧の企業であり、木工製品の開発にも優れた実績を持っていた。
それらの技術の応用によって商会が産み出したものこそ、【家具】と呼ばれる人形たちであった。
美少女や美少年の姿を象って作られた彼ら彼女らは、高い汎用性と知能を持ち、あらゆる家事をカバーするとともに、主人のあらゆる欲望を受けとめた。
それぞれの【家具】が、それぞれの主人の特異なニーズや好悪を理解し、主人同士のあいだをとりもつことによって、ようやく新人類は異なる国家間でも親しく交友を交わすことが出来るようになったのだ。

583 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/29(木) 08:43:57
そうして、ラクルラール商会の覇権が、世界に訪れるかのように見えた。
だが、そこへ異を唱えるものが現れたのだ。

謎の魔女コルセスカ。
そして、その配下でありながら、主人を裏切り、不可解な行動を取る謎の仮面メイド【アクィラちゃん】である。

アクィラちゃんは、ラクルラール商会の技術を用いながら、その販売するどのブランドにも属さない非合法(イリーガル)なメイドであり、その行動は支離滅裂であった。
そして彼女は、どこの国家の勢力に属するか見当もつかず神出鬼没な存在であったため、商会の厳しい【家具検査網】をも自在にすり抜けてしまうのであった。
ゲーム感覚でラクルラール商会の商品を破壊し、そのビジネスを妨害する彼女は、いつしか”ブルーディアー”の二つ名によって恐れられるようになっていった。
そんな”ブルーディアー”と商会のいたちごっこは、永劫に続くかのように思われた。

だが、それは唐突に終わることになった。
”ブルーディアー”アクィラちゃん自身による商会への挑戦状。
それは、商会にとって避けることが出来ない大勝負であったのだ。

584 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/29(木) 18:27:54
この勝負、決して負けるわけにはいかない。
商会は、必勝を期した戦いに、史上最高の傑作である【家具】ミヒトネッセを投入。
アクィラちゃんの敗北は必至かと思われた。

だが、その予想は大きく覆されることとなった。
第一勝負――――料理対決。
ミヒトネッセは、全力で最高のフルコースを用意し、あらゆる種族の好みに合わせた味付けと自身の肉体をメインディッシュとした背徳的なサービスによって攻めた。
しかし、アクィラちゃんは、それに地元農家から無料で分けてもらったワケあり野菜とミヒトネッセの妨害によってダメにならなかった残り物によって、対抗

制限時間ギリギリまでを、審査員の”思い出の味”の調査に費やし、限られた材料でそれを再現して見事勝利した。

第二勝負――――洋品店における接客勝負。
【家具】としての性能を試される戦いであり、ミヒトネッセはこの勝負における勝利に絶対の自信を持っていた。
ここにおいて、彼女は最高の対応を見せ、女性客には美少年や相手より劣る女性として、男性客にも同様の外装と振る舞いによって対応。
更には、自分の身体を足乗せ台として使用させることによって、相手の優越感を刺激させ、どの顧客からも高い評価を引き出した。

こんなサービスを実行できるのは、最も優れた【家具】である自分しかいないに違いない。
勝利を確信するミヒトネッセ。
だが、勝負相手であるアクィラちゃんの様子をうかがった彼女は、愕然とすることになる。
なんと、アクィラちゃんも、同じ”足乗せ台サービス”を行っていたのだ。
しかも、こちらはあらゆる種類のマッサージやウォッシングのオプションを、顧客の好みを予測して行っていた。

結果、勝負は引き分け。
アクィラちゃんは、接客能力というか暴力を用いないコミュニケーション能力に大きな問題を抱えていたが、その暴力的な対応が逆に”気を使わなくていい””遠慮なくこちらも暴力を振るえる””おもちゃとして遊んで楽しい”と主に男子児童の層に大きな評判を呼び、その欠陥を大きくカバーしたのである。

585 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/29(木) 18:49:23
そして運命の第三勝負――――メイドレース
あらゆる困難を乗り越え、指定された主人を目的地まで送り届ける、メイドの全性能が試される勝負。

ラクルラール商会は、これに全財力・全人員を投入。
あらゆる手段をもって、アクィラちゃんを妨害した。
その妨害は熾烈を極め、アクィラちゃんが目的地である地底都市外周部の固定通信機まで到達するのは、絶対に不可能であるかに思われた。

そして実際、期限である日没時に、地底都市外周部にアクィラちゃんの姿は無かった。
それどころか地底都市は、商会が密かに発動した地震兵器により、壊滅的な損害を受けていた。
これでは、勝負どころか、地底都市に生存者が存在している可能性ですら無いであろう。

壊滅した地下都市を眺めながら、正面からアクィラちゃんを打ち破れなかったことをわずかに後悔するミヒトネッセ。
後悔など無用な感情だ。
【家具】に必要なのは、ただ奉仕するための機能だけなのに。

だが、だが、そこでミヒトネッセは、目撃したのだ。
夕日に照らされる地底都市の出入り口から、たくさんのヒトびとが姿を現すのを。
大人が子どもが、老人が、妊婦が、魔女が人狼が夢見る人影が、地底都市の全ての住民が、誰も生き残れなかったはずの廃墟から無事に脱出した、その姿を。

そう、それこそがアクィラちゃんの仕業だったのだ。
地震兵器の発動を察知した彼女は、全てのコネと資金を用いて、可能な限り地底都市の住民を救出。
更には、禁断の魔女の力まで用いて、古代の遺産である迷宮と自身を融合させて自分自身を地底都市の”補修材”として運用。
見事、地底都市の崩落を防いだのだ。

そして物語は、冒頭に戻る。

「そ、そんなバカな!まさか、エロトラップダンジョンと融合する能力をこんなふうに使うなんて!あの馬の骨は、地底都市の全員に踏みしだかれる道を選んだと言うの!?」
相手の能力と、自己犠牲精神というか自己を顧みない無謀さを甘く見ていたミヒトネッセは、脱出した地底都市の市長が勝利条件である”外周部の通信機”を”アクィラちゃんとの糸電話”に再定義するのを見届けるまでもなく、その勝利を認め、その場に崩れ落ちたのであった。

586 言理の妖精語りて曰く、 :2018/11/29(木) 18:52:22
"ブルーディアー”アクィラちゃんのドMもとい、自己犠牲精神を甘く見たラクルラール商会の敗北であった。
こうして、ラクルラール商会の覇権は、未然に防がれたのである。


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