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キュトス71姉妹2
1
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/05/05(土) 23:10:54
このスレッドは主としてキュトスの姉妹に関する記述を行う場です。
261
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/08/06(月) 22:38:03
姉妹の多くは人間の、特に「芸術家」だの「文筆家」だの自称する連中を不可解と感じ、忌避感ないし積極的な嫌悪感情を持つ。
死ぬ気もないくせに死にたい死にたいと耳障りに喚き、いざ死なせてやろうとすると人殺しだの命の平等だの。
いったいなんなのだ。
死にたくても死ねぬ、こちらの身にもなってみろ。
262
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/08/07(火) 11:28:58
>>261
それ、芸術家じゃなくても当て嵌まる
263
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/08/07(火) 11:32:19
バール・マルクス「殉教者を見よ!」
264
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/08/13(月) 22:45:29
アナグレア「墓を掘り返せと?」
265
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/08/27(月) 20:16:30
歌姫カタルマリーナ。
絶世の魔術使い。ありとあらゆる旧古の魔術を知り尽くし、全ての姉妹の中で
最も多くの魔術を使いこなす。
その多彩な魔術の詠唱式は歌声のように美しく響くため、歌姫の異称が与えられた。
266
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/09/02(日) 22:37:30
エトラはいつでも帽子をかぶっている。
眠るときでさえナイトキャップ装備だ。
最近のお気に入りは「かぶると振り返れなくなる帽子」。
なんでもヘリステラがヨミヒラサカとかいう所へ行って戻ってきた時のお土産だそうな。
267
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/09/03(月) 23:41:24
ミュリエンローザ姉さまが言うには、何でもカタルマリーナ姉さまの歌はそもそも
現代で言う文化的な「歌」として意識されてつくられたものではないってことらしい。
ヤオイ族たちが今でも会話に歌を用い、エトラメルティスたちが儀式や呪術に歌を用いるように、
言語、すなわち意思の疎通媒体として存在したのが歌や踊りだ。
それは意思の発露であり、呪術・魔術においては願いや精神の媒介でもある。
と同時に、言語というモノの兆しでもあった。発声と韻律は文法や語の形成よりも先にあったという。
意思を伝えようとするジェスチャーや発声・リズムがまず先立ち、それから体系化された語や文法が生み出されていった。
すなわち、カタルマリーナ姉さまのそれはきわめて原始的かつ根源的な魔術呪術そのもの。
歌が魔術だとか、歌を魔術としているとか、魔術のような歌とか、そういうことじゃない。
歌イコール力。歌イコール姉さまの精神。歌イコール魔術。
古き魔術の使い手。これは意思や念によりまじないを振るうエトラメトラトン姉さまや、
遍く力を手繰り寄せるダーシェンカ姉さまとは違った種類の力の使い方なのよ。
と、言うわけで、私たち限定要員はそのカタルマリーナ姉さまにようやくご対面するわけなんだけど。
いやちょっとまった、ずいぶん聞いていたのとイメージ違うけどちょま、
268
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/15(月) 22:06:42
のどを潰し、ラジオパーソナリティを専業とした現在でも、
彼女は時々、よく晴れた日の屋上で一人、そよぐ風の中ハミングしている。
結局のところ、唄うのが好きなのだ。
269
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/15(月) 22:10:27
エヂューケの持ち込んだ記録を解読していたシャーネスが、何か勘付いたようです。
文献の内容は特に目新しいものではなく、ただ姉妹のそれぞれが「ナンバリング」されたころの世界情勢を羅列したものでした。
270
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/15(月) 22:12:48
アールサシャはこのごろ、立ったままでさえ眠ってしまうことがあり、しかもその間に身体は勝手に何かを行っているようなのです。
彼女はそのことにひどく怯えています。
271
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/25(木) 00:04:43
こっちも掘り起こすか。
実はキュトスの姉妹には、
正真正銘の「キュトス神」に関わる者と、
「邪魔の者」とされて文明社会を放逐されたものと、
一時身を寄せているがいずれ出て行くつもりの者、
の三者がいます。
272
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/27(土) 22:38:42
彼女らの物語でも書かないか。
273
:
インクルーザ
:2007/10/27(土) 22:42:27
もう書いてる。
もうちょっと待っていて下さい。
274
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/27(土) 22:43:38
>>273
いや君のやつはいいよ。
それ以外にもいないかな、と。
275
:
<<妖精は口を噤んだ>>
:<<妖精は口を噤んだ>>
<<妖精は口を噤んだ>>
276
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/28(日) 23:47:33
キュトスの姉妹のメイドロボ!!
ミヒトネッセとかいたよねたしか!!
277
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/28(日) 23:53:06
プリエール。
この全能の眠り姫が、アルセスを殺害する。
278
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/29(月) 00:02:15
セレブレッタが何か叫んでいます。
「今回のアルセス様はっ!!
とってもかっこよかったのにスルーなんてあんまりだとおもいますっ!!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/7039/1166659669/
279
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/10/29(月) 00:03:03
それは同名の他人だよセリィ。
お前ならわかるだろう?
280
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/11/02(金) 22:01:55
亜大陸に行ったのは2人。ひび割れた10と破裂せる8。
帰還は3人、もとい、2人と1柱。螺旋を得た8と不死の理さえ平伏した7と新たな10。
そして客人が3人。堅き50と美しき49、そして大いなる女王の子17。
281
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/11/03(土) 07:14:21
やってきた3名が客人と呼ばれたのも当然、既に大陸の50と49は現れていた。そして17は死んでいた。
客人である50と49には7が、17には10が付き添った。渡来者達は大陸の言葉を得ていなかった。そして7と10は亜大陸の言葉を得ていた。
しかし17はすぐに大陸の言葉を得て話すようになった。そして皆を質問ぜめにした。とくに、大地が砂でないことが一番の不思議であったらしい。
282
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/11/09(金) 23:55:47
空席であった7番に人間の霊媒者が座ったのはまだ姉妹が30に満たないころであった。
霊媒者はやがて選択を迎える。
「人間の魔女として死ぬ」か、「魔女という災厄として生きる」か。
女は後者を選んだ。
283
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/11/19(月) 00:58:53
夕の刻、「ゆりかご」の巨大な壁面が長い長い影を作る。
黒々とした楕円はラストライン湖を越え、深緑の森とそれにうずもれたかつてのエルト城、いまはエルト城跡に届くか届かないか。
そんな光景を見下ろしながら、ヴィーエルンは背後で自分と同じく瓦礫に座っている異母妹に声を掛けた。
「F、落ち着いたか?」
返事の声は無く、荒い呼吸が聞こえる。
しかし、それ以外の音、つまり衣擦れの音や筋の収縮音や骨格の軋む響きから、妹が肯定の動作をしたことは判別できた。
そうか、と呟き、外して脇に抱えていた竜面の兜をかぶる。
シュ、と空気の抜ける音がして、高い襟首と全頭兜の間に隙間が無いことを示すサインが脳裏に点灯した。
続いて灯る各種駆動部・武器・火気のインジケータを確認しつつ、人間とは異なる構造の下肢を動かして立ち上がり、全身で振り返る。
「立てるか?」
聞くまでも無く、妹は立ち上がるところであった。
が、ふらついた。
ぐぅん、とヴィーエルンの上肢がのびて妹の左の二の腕をつかみ、支える。
「放してください。平気です」
触られるのがいやだ、というように左腕を振ってFは逃れた。
が、またふらついた。
「・・・くぅっ」
Fは呻くが、今度はヴィーエルンは助けなかった。
かわりに、バランスを崩す原因の、妹が重たげにしていた革鞄をひょいと取り上げた。
「あ・・・!返してくださいっ」
「この瓦礫の山を降りるまでだ」
「でも・・・!」
「信用しろ」
「・・・はい」
不承不承うなづいた妹に兜の中で苦笑を返しながら、竜騎士の姉は銃砲師の妹をともない、かつてダルカイットと呼ばれた塔、今はただ瓦礫の山となった場所を離れはじめた。
284
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/12/11(火) 04:07:23
ヲルヴォーレとコキューネーはどちらも理知的な姉妹であったが、仲は非常に悪かった。
ヲルヴォーレはコキューネーの「脳を洗浄する」という行為を最高の独善と称し、嘲笑した。
彼女にとって、形成された人格を外から力を加えることで改変するという行為は
ただ惨たらしく殺すよりことよりも残酷な意味合いを持っていたのである。
これに対してコキューネーは、自分の行っていることはあくまでも「洗浄」であり
元ある性質を変えることなく、汚れを落としているだけだと反論した。
しかしヲルヴォーレは、例え汚れがあったとしても、脳の「性質」はそれを含めてのものであり
「洗浄」は外からの改変に過ぎないと言い返した。
脳の改変が許されるのは、その脳の持ち主だけであると。
結局この議論は堂々巡りとなり、アリアンローザが間に入って適当に仲裁した。
ビレリアはコキューネーに賛同した。彼女にとって、悪人が消えることは必然であり、そこに疑念を挟む余地は無かった。
カルリアもまたコキューネーに賛同した。彼女は平和を乱す者を嫌っていた。
ペリグラント・アベルやレーラァはヲルヴォーレに賛同した。
彼女らにとっても、九姉達の同意の下に行われる脳髄洗いは恐怖の対象だったから、という理由もあるだろうが。
ナタリエルは両者の言葉に耳を傾け、どちらも興味深い意見だと頷き、カルル・アルル・アはどうでもいいの一言で切って捨てた。
ニースフリルはいいからたまには研究室から出て風呂に入れ頭で虱を飼うのはやめろ、とヲルヴォーレに言った。
285
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/12/14(金) 00:05:39
カンセイウンドウタイ。
ディスペルタとアザナエル、そしてミスカーニスカーが口にした単語。
筆頭魔女の本質についての話題だった。
286
:
ある日の彼女の物語(1)
:2007/12/14(金) 01:30:53
世界の最果てにある星見の塔のテラスで彼女は夢を見る。
ずっと昔の夢を見る。
そう、それは彼女がまだ人間の少女だった頃の夢だ。
夢の中で尚、彼女は夢の世界にいた。
楽しい夢ではなかった。
けれど辛い夢ではなかった。
漆黒の闇の中、明るいとも違う光を放ちながらそれは彼女の前にいた。
恐れおののきながらも、それに対する興味を隠し切れずにその場に立ち竦む彼女にそれは語りかけてくる。
最初、彼女はそれが何を言わんとしているのか分からなかった。
だが、次第にそれの言うことが分かってきた。
「私はお前になりたい。だからお前は私にならないか?」
それはそう言っているのだ。
彼女になるということ……
それは、無限ともいえる力を手に入れること
永遠ともいえる命を手に入れること
他人に人生を弄ばれないこと、誇りを手に入れること
彼女になること……
今は異なる存在であるそれと彼我の区別がなくなること
それの構造体の一部として永遠に組み込まれること
生きるために他者の肉体を永遠に取り込み続けること
けれど……
彼女は自分の生涯を、二人の姉のことを思い出す。
一番目の姉は盗賊たちに攫われて殺された。
盗賊達の襲撃の翌朝、集落から離れた場所で辱められた挙句に切り刻まれて発見された。
面白半分に生きたまま切り刻まれたのだ、と集落の誰かが言ったのを覚えている。
姉の身体は、集落の外れにひっそりと埋葬された。
誰もが死んだ魚の目をしていた。
二番目の姉は領主の家来の小役人に貰われて行った。
婦人でも妾でもなく、愛人として残りの一生を慰みものとして過ごすのだ。
けれど姉は喜んでいた、集落の誰もが祝福していた。
「これで貧しい生活から脱出できる」と涙すらしていた。
「食料の食い扶持が一人減る」と、本人の前でこそ口にしていなかったが父親もそう言って喜んでいた。
そして姉の姿をそれより後に見ることは無かった。
必ず送ると約束した便りも一度も来なかった。
最後の娘である彼女自身は、まだ幼かったが、彼女には予想が付いていた……
自分も上の姉か二番目の姉と同じ運命を辿るのだと。
けれど、彼女は嫌だった。
他人に恣にされる人生を歩むのが嫌だった。
自分の人生は自分の意思で進みたい、他人の干渉は受けたくないと考えていた。
「天駆ける青い馬」と言う名前をもらった人生なのだ、その名の通り自分の力で羽ばたいて、自分の思うままに未来を切り開いて生きたいと思っていた。
だから……
「なるわ」
彼女は答えた。
「私はあなたになる!。だからあなたは私になって!」
言うや否や、それは彼女に近づいてきた。
それは圧倒的に大きく、また驚くほどに小さい。
圧倒的に力強く、圧倒的に脆い。
言葉では言い表せない存在感を持ちながら、まるで虚無のように儚い。
そしてそれの表層に彼女は触れた。
自分がまるで灰で出来ていたかのように脆く崩れ去る感覚と共に、この世のいずれをもが砕けないものに自分が変わっていく感覚。
自分の知っていた世界が小さくなり、同時にまた大きくなっていく感覚。
自分の知りうる限りの情報が解けるようになくなっていく感覚と、自分では受け取れ切れないぐらいの多数の情報が流れ込んでくる感覚。
それは矛盾であり、背反であるはずだった。
だが彼女は確かに感じたのだ。確信したのだ。
自分が自分以外の何者かに変わったということを。
287
:
ある日の彼女の物語(2)
:2007/12/14(金) 01:31:27
夢の中、時間はとんで数日後。
それはとても寒い日だった。
その日、集落に黒いローブを纏った女が一人訪れた。
全身を覆うその黒衣はどこまでも黒かった、まるで全てを吸い込む闇を纏っているかのように。
誰もがその女の正体を知っていた。
誰もがその女を恐れた。
何をしに来たんだ、と人々は口にし、その女を遠巻きにした。
そして集落の最中まで来ると、それまで黙していた女は突然口を開いた。
「この中に我々の妹がいる。私は彼女を迎えに来た。さぁ、名乗り出るが良い」
女達は互いを疑うように顔を合わせ、そして女から遠ざかった。
誰もが自分こそが女の言う「妹」だとは思いたくは無かった、ただ一人を除いては……
女達が尻込みして退いた後、たった一人の幼い少女が一人、一歩も退かずにその場に立っていた。
小さな体の小さな目を力いっぱい見開き、彼女は黒衣の女を凝視していた。
「ほぉ」
黒衣の女は口元を歪めて笑いながら言う。
「名は?お嬢ちゃん」
「私の名は……」
少女が名乗ろうとした自分の名前を叫んだ男がいた。
彼女の父親だった。
だが、彼女は父親の方を振り返らずに「今、呼ばれた名前が私の名前よ」と答えた。
「君は……我々の妹なのかい?」
「貴方なら見れば分かるでしょう?長姉ヘリステラ」
その名を呼ばれて彼女はさらに口元を歪めて微笑む。
「間違いない。君こそが我々の29番目の妹だよ」
「半端な数ね」
「欠員が出たのでね」
そう言って女は手を差し出す。
少女はその手を握ろうとしたが、一瞬吹いた一陣の冷たい風に思わず身体を竦めた。
「そうか、まだ魔法は習得していないのか」
女はそう言うと、黒衣の下に自分が羽織っていた外套を脱いで少女に着せた。
幾何学模様の地味な布地で作られたそれは決して高級なものではなかったが、彼女には今までに着たことがあるどの服よりも暖かく感じられた。
「さぁ、行こうか妹よ」
少女は頷き、黒衣の女、人々より忌み嫌われる魔女の集団「キュトスの姉妹」の長であるヘリステラの手を握った。
その彼女の背中から、力なく父親だった男が声をかけたが彼女は振り向きも、立ち止まりもしない。
この日が来たらどうするかはだいぶ前に決めていたのだ。
だから彼女は予定通りに物事を進めているだけにしか過ぎない。
けれども……
「ムランカ!」
「……お姉さま、ムランカお姉さま」
聞き覚えのある声に瞼を開くと、そこには見覚えのある黒髪の少女の顔があった。
「……宵?」
彼女は一瞬困惑してみたが、寝起きのハッキリしない頭が醒めてみれば、自分は星見の塔のテラスで午睡をしていたのだ、とすぐに思い出すことができた。
……そうか、そのまま夢を見ていたんだ。
そんな彼女に、黒髪の少女、宵は言う。
「お姉さま、日も暮れました。そのような場所で寝ていらっしゃいますとお風邪を召しますよ」
宵の言葉に「そんな馬鹿なことがあるかい」と、フンと鼻で嗤ってみせてから彼女は言った。
「あたし達は無敵・不死身の『キュトスの姉妹』様だよ」
「……それは世間の評判で、実際には無敵でも不死身でもないと教えてくれたのはお姉さまですが」
「つまらないことは覚えているんだね、あんた」
そう言うと彼女は横になっていた長椅子から身体を起こし、大きく伸びをした。
「さて、ちょっと出かけてくるか」
「また飲みに行かれるのですか?」美しい眉を顰めるようにして、宵が咎めるようにいう。「アンリエッタがいなくなってからお姉さまの生活はまた乱れ気味です」
「今日はちょっと違うよ。まぁ、酒は飲むけどね」
そう言うとムランカは宵をその場に残して星見の塔の中に姿を消す。
「最後にあたしの名前を呼んだの、あれは誰だったんだろう?」
そう首を傾げながら。
288
:
言理の妖精語りて曰く、
:2007/12/21(金) 07:44:44
ヘリステラは一ターンに77回行動するそうです。ノーコストで。
製作陣内でも「チートくさい」と囂々。
289
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/14(月) 23:57:08
エトラメトラトンは絵を描く。
290
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/20(日) 22:08:53
【ロータス】
太陽を覆う掛け布。
黒と紫の斑布に銀砂が散らしてある。
イヌの声が響く宵の口に精月という娘によって日を覆い、夜をもたらす。
トリの声が響く夜明けに幽月という娘によって外され、朝をもたらす。
同じ名前の衣料具を所持する魔女が3名いる。
元々の持主であった1名が、他の2名のために刻んで外套として分け与えたのだという。
分け与えられた内、1名はこの布を帯として仕立て直し、もう1名はそのまま外套として押し戴いたという。
その布にくるまれたものは眠りも飢えも疲れも怯えも去り、ただ安らかな心地になるという。
291
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/26(土) 07:13:39
記憶野を使用して術式を行使する魔法形態が増加してきている。
姉妹の中にも使うものは多い。
そして生来的な器官の不足により、使えないものもいる。
292
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/26(土) 12:45:57
いいよそんなすみわけなんか適当で
293
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/26(土) 14:28:46
【フラッシュ】
魔法。
指で指し示す、視線を合わせる、名前を呼び上げる、などで任意に対象を定め、消失させる。
とれる対象の種類や実際の干渉方法については千差万別。
結果として対象が無くなってしまえばなんでもよいらしく、「レコード再生機」と言葉で指定した魔法技術者は、再生針だけが消失した「レコード再生機に少し足りないもの」への変化魔法として作用させていた。
姉妹で使用される場合は個別で名前がついている。
有名なのはNo.1の「削除」(対象:名前)、No.7の「蒸発」(対象:物理的実体)、No,9の「破頁」(対象:アカシックレコードの記録)、No.12の「刳舌」(対象:精神の平衡)、etcetc...。
294
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/30(水) 21:52:19
いいよそんな設定なんて適当で
295
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/30(水) 22:47:11
キュトスの姉妹ナンバー53・【ディルトーワ】ラプンツィエラ・ド=ベルラクルラール。
口癖は、「いいよそんな〜なんて適当で」
そのくせやることは徹底している。
296
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/30(水) 23:01:38
ラプンツィエラとラクルラールは似ている、とある者が言った。
どちらも「あー、やれやれ」だの「どうでもいいよ」だのと面倒そうな態度を崩さず、実際重度の面倒くさがりで、
そのくせ何か事を始めると、まるで別人のような徹底性を発揮する所がそっくりだと言う。
そう言った後で、その者は気がついた。
あれ? ラプンツィエラのセカンドネームに「ラクルラール」って付いてね?
297
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/30(水) 23:18:49
>>296
ベルラクルラール=ラクルラールの被造物
298
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/30(水) 23:21:26
という意訳もできる。
299
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/30(水) 23:45:18
6番の後継、イツノ姫によれば。
ラクルラールの遺した人形の内、傑作と呼べるものは3つあるそうだ。
一つは巨大なもの。創造者とともに大敵に挑んだ「蛇の樹」。その破片はいまだに地中で息づき力を蓄え、主人の声で再び呼び起こされるときを待っているという。
一つは精緻なもの。消えた創造主を追うように機能を自ら凍らせた「無より生まれた淑女」。星見の塔よりいずこかへと持ち去られた彼女もまた、けして来ない創造主の迎えを待っているのだろうか。
そして、なぜか不明とされている最後の一つ。姫によればそれは、「おそらくこの世の誰も完成を見ないだろう品」だという。
300
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/01/31(木) 23:01:40
いいよそんな伝聞なんて適当で
301
:
ノシュトリア記して曰く、言理の妖精覗き見て曰く、
:2008/02/01(金) 21:32:07
魔法。
魔術の発現要素があれば、それが二足歩行知性体だろうが非生命岩石だろうが高温流体だろうが絶対虚無だろうがどのようなモノであっても必ず持つ、使い手個有の専用魔術。
歴史に名を残すような人物や存在は、すべからくこの魔法をもってして業を就した。
例えば新出人類の、右足が沈む前に踏み出した左足ともいえる【人類】。
例えば古代終焉のきっかけたる1万リーデ隕石の、なんとも投げやり極まりないリセットボタン【ばいばい白亜紀】。
例えば電紀の実用化に成功した偉人、ハレタマーの【一万分間の一閃】。
ところで我らが長姉ヘリステラの魔法は、なんらかの「絶対」を強いるものだといわれている。
いわれている、というのはもちろん、その魔法が使われている所を見たものがいないからだ。
非生物記憶を覗き見たり、因果逆演繹も試したが、どうもやはり魔法を使ったという事実そのものが過去に無いようだ。
ではなぜ魔法の内容だけは知られているのだろう。
ヘリステラ自身がふれまわった?
いやいや、ならば内容よりも先ず知られていて当然の物が無い。
魔法の名前、だ。
この世にあるものにはすべからく名前がある。
魔法もしかり、それが他の魔法をはじめとした現象と区別されるものであるならばそこには必ず名前がつく。
何をしたのか定かでないようなハッタリならば尚の事、そこには仰々しい名前がつき物だ。
だから
(ここで途切れている。「おーい、ごはんだよー」の声が聞こえたからだ。今宵のメニューはシロフ肉スープと三色パン。高砂嬢のお土産だ)
302
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/02(土) 07:20:42
いいよそんなの
303
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/03(日) 01:41:46
「最初のうちはいい合いの手になってたのにねえ」とある姉妹は述懐する。
304
:
<<姉妹は抜け出せない>>
:2008/02/03(日) 12:37:17
<<姉妹は抜け出せない>>
305
:
スス
:2008/02/03(日) 14:35:29
あいつは「最初のうち」だけで見限ってしまった。
だからアレが本当に「合いの手」だったかどうかは本当は知るはずないんだ。
でも結果として発言が現実をなぞっていれば、真意なんてどうでもいいんだろうね。
ただ、何度も現実を繰り返す類の連中はあいつのでまかせに気がつくよ。
306
:
スス
:2008/02/03(日) 14:39:18
そうだ、伝聞なんて適当でいい。
307
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/03(日) 15:52:36
そんなものはいらない。もっと熱いものを。
言葉が熱を出して寝込んだから看病をする。
いいよそんなの。
そんなことしなくていいよ。
そんなことしなくても朝ごはんは食べられるし、
テレビだってつければ笑うことができる。
布団の中でもぞもぞしててもいいし。
いいんだってそんなの。
そんなふうにミュリィは呟いている。
308
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/03(日) 16:30:31
何もしないはずのミュリエンティだって呟くぐらいのことはするのだけれど、
その呟きを記述することまではしない。
では、いったい何者がそのようなことをしているのか。
誰が、ミュリエンティ的なる志向を、この世界に織り込もうとしているのか。
……まあ、いいか、そんなこと。
そこまで考えたあと、ふと呟いてしまった自分の言葉に、ビークレットは舌打ちをした。
309
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/03(日) 17:05:47
ミュリエンティとビークレットは同一人物だ。
310
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/03(日) 18:26:03
無害なときの魔女は皆、一まとめにミュリエンティと呼ばれるからな。
だいたい魔女の名前って能力が使える証明みたいなものだし。
ビークレットって名前だって、炎を出す術(と一般に思われている)が発揮できれば複数で名乗っていいんだし。
311
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/24(日) 02:01:34
>>310
それはむしろ称号と言わないか?
キュトスの姉妹の名前を称号と言うか、能力の性質別に付けるっていうのは面白い発想。
312
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/24(日) 02:08:30
よく覚えてないが確かラクルラールの本名は別にあって、後代のイツノ姫(漢字忘れた)も「ラクルラール」の姓を名乗ってるという記述を見たことがあるような。
でもイツノは人形と関係ないらしいから、ラクルラールの名前は直接「人形遣い」と言う意味ではない、とかナントカ。
313
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/24(日) 21:27:40
16番魔女騎士、バイエルンは心臓である『ミュンヒェン』を破壊されると理性を失い、竜化して暴走する。
314
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/24(日) 21:35:38
そんな噂を流したのはドイツだー?
・・・すまない、なんでもないんだ。
315
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/24(日) 21:37:58
心身を二つに分断される暴走の発作はベルリンシンドロームとでも言うのか。
316
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/26(火) 18:50:17
テール・オブ・サーキットって誰が振るってたんだっけ?
317
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/02/26(火) 20:50:40
聖剣テールオブサーキットの持ち主はLs。
原型となった魔杖剣テリオサーキットならルスクォミーズ。
318
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/02(日) 12:01:34
彼の《夢食い虫》メローリアの容姿はヴァレリアンヌそっくりだという。
319
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/02(日) 12:02:47
夢は夢でもこの夢は起きて見る夢。メローリアはその人の願望を投影する。
320
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/02(日) 23:51:04
メローリアはゆりかごに抱かれ眠り、その寝室は黒の竜と銀の銃がひそやかに領める。
双騎士の守護に比すれば鉄壁すら水飴のごとく。
夢魔とてかの少女の夢を妨げられず。
321
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/04(火) 23:33:55
メローリアとプリシールって似てる?
322
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/05(水) 00:05:23
かの【眠り姫】、プリエール=プリシールのことか。
たしかに共通する部分が多い気もするが・・・。
まあ、眠りというものは誰でも行うものだし、そういう意味ではよく似ているな。
323
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/12(水) 01:06:50
月すこと。
それが、私の全ての望み。
・・・・・・盟約と奉仕の魔女・ミヒトネッセ
324
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/22(土) 00:09:58
「月すこと」
よし、じゃあまずはルビを振ろうか。
>>325
325
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/22(土) 00:23:08
サンズの剣道仲間のコバヤシ嬢は今度の県大会で400m走の選抜出場枠に選ばれたらしい。
公式な記録会では毎回何かしらのトラブルで出場できず、このまま無冠で卒業するんじゃないかと半ばマジで心配されていただけに周囲の祝福もひとしおだ。
しかし当人は、何故公式記録を持っていない自分がいきなり抜擢されたのか、腑に落ちない様子だった。
326
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/22(土) 11:17:06
これはすげえ長いルビだな。素直に「つくすこと」って言ったほうが早いな。
327
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/22(土) 13:29:56
月(つく)す、っていう動詞なんだよな多分。
尽すの事だと思うけど、何か神話っぽい由来でもあるのか、月に。
328
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/29(土) 16:18:47
第一の魔女、魔女の中の魔女、ザ・魔女、それがカルル・アルル・アなのだ。
329
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/29(土) 16:33:12
何しろ彼女の周囲には他に魔女がいないのだ。むべなるかな。
330
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/03/29(土) 16:39:27
他に魔女を知らぬ者どもはやがて彼女を「生ける伝説」へとまつりあげた。
331
:
ラプンシエル
:2008/03/31(月) 19:09:41
>295
>【ディルトーワ】ラプンツィエラ・ド=ベルラクルラール
その名で呼ばないでッ!!
どうでもいいケド。
332
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/04/01(火) 12:09:50
まあまあ、お姫様。
おやつでもドゾー つ◎
333
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/04/06(日) 14:10:25
姫様復活記念アゲ。
_ ∩
( ゚∀゚)彡 姫様!姫様!
⊂彡
334
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/04/13(日) 16:06:33
http://poti.atbbs.jp/flicker/src/OB1208029143656.jpg
上位排斥魔法『ハルシャニア』
かつて大障壁の彼方に存在したと言うオケアノスの大海を召喚し局地的に大洪水を起こす水の属性の最上位魔法。
大陸最大にして最高峰の魔法機関『星見の塔』の中でも水に関する魔法を極めたものだけが使用を許された禁呪。
この魔法を習得した者は「怒涛の王」という意味を持つハルシャニアの名を冠する事を許され名実共に世界最高の水の使い手として認められるという。
代々ハルシャニアを襲名するものは水の精霊に深く愛されており、成人を迎えると海の中に引きずり込まれて行方知らずになると言う。
これを指して人はハルシャニアに呑まれた、と囁くのだ。
335
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/04/15(火) 14:25:28
禍月が出現した後、世界のあらゆる魔に関わるものが狂気に犯された。
魔女達もそれからは逃れられなかったが、辛うじて無事であった二人、何もしないミュリエンティと霧の翼ミストチャイルドは猫騎士マシュシャフの強力を得て禍月出現の元凶である、
逸脱猫レッドレッデルが招聘せし天の三つの災い、失明稲妻 翼持つ猫、吸血雲を打ち倒すための旅に出た。
しかし誤算が存在した。
それは逸脱猫レッドレッデルが、ほかでもないマシュシャフの血を分けた妹であったことだ。
336
:
ラプンシエル
:2008/04/22(火) 21:43:25
>>332
あら、ありがとう。もぐもぐこくん。
まぁ、美味しいわ!究極幻想菓子百選のひとつかしら…?
>>333
御機嫌よう。
復活とゆきたいトコロだけど、我が城は今、カレードラゴンの襲撃を受けていますの。
まったく、ティーを楽しむ余裕すらないわ。
あ、ネネバネバネネ、ティーのお替りをちょうだい?
◇ラプンシエル城、陥落…。
337
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/04/22(火) 22:42:07
カレードラゴンは専用のカレー番として城に住み着きました。
338
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/04/23(水) 13:06:42
ちなみにお供のベルグ=ベアリスはカレー耐性がない為、
毎晩の献立に辟易する羽目になる。
ベルグ「またカレー(辛口)…;;」
言及すると、ベルグ=ベアリスに得意な耐性はない。
全耐性×
339
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/04/23(水) 21:36:35
ラプンシエルの片目は魔眼竜バーガンディアの眼。
ラクルラールがティッタン・タッティンと取引し、ディシルキュトスの髭と交換して手に入れた。
340
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/07/25(金) 01:21:54
>>327
月(つく)すとは、月(衛星)が惑星の周囲を常に周回している事から、なにかにつかずはなれずはべり続ける様子から月=仕えるという発想が生まれ誕生した語句。
341
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/07/27(日) 04:48:20
ノシュトリ、ミブレル、シャーネス。
究極すれば空紀に辿りつける可能性があるのはこのあたりか。
・・・臆病、無情動、避殺主義者、そろってトガッタところがないのは何故だ。お前ら本当に魔女か。
342
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/07/27(日) 14:58:10
>>341
こないだシャーネス様がまた人間ボーリングやってました。
しゃーねすさまこわい。
343
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/07/29(火) 22:47:39
全員をマゾコンプするのは難しいので若干のノーマルなピンが含まれているらしい。
しかもその若干のピンを当たりとみなして狙い撃ちしてくるという話で
マゾとノーマル間にも不和が広がることになったらしい
344
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/07/29(火) 23:32:20
シャーネスの逆ハーレムですか うらやましいですね
345
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/07/30(水) 20:24:28
人間ボーリングを「こわい」、と表現するあたり人間よりの思想だな。
噂をすれば影、とも言うし
>>342
はノシュトリなのか?
346
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/08/02(土) 02:54:38
ヘリステラ「・・・魔界関係の合コンで、兄弟の話題になったから『妹に魔王がいるんですよー』って言ったらそれ以降私に対してだけみんな敬語・・・」
クラシカルハウンド「空気読めよご主人」
347
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/08/05(火) 11:48:18
ヘリステラの剣には名前がない。
彼女はそもそも武器に愛着を抱かない。一線級の武器すらも戦況次第で躊躇なく使い捨てる。
銘のある剣を持っていたことも幾度かあったが、そんなのは彼女にとってはどうでもいいことだ。
第一、ヘリステラは剣士ですらない。たまたま今の手持ちで一番いい武器が剣なのでそれを使っているというだけのことだ。
ヘリステラが剣を手放して油断した敵は、今度は彼女の恐るべき格闘術に戦慄することになるだろう。
また、ヘリステラにはこれといって流派というものはない。イングロールも、バイエルンもそうだ。
そもそも流派という考え方自体が、後に続く者に記憶を残さなければならない定命の種族のものであり、死を奪われたキュトスの姉妹にはそんなものは不要なのだ。
例外はただ一人、宵だけである。
348
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/08/05(火) 23:18:21
ちなみにこの「無銘の剣を使っている」というのは嘘だ。
長年の使用に耐えうる剣が無銘、などということはまずない。刀匠が名無しであろうとも、使い手が、あるいはその剣を知る者が必ず銘をつける。
なぜかって?
斬り倒された相手の墓に刻むためだ。
剣はただ剣のみには斬れず、人もただ人のみでは斬れず。
人を殺すのは道具と人。
そう、かの剣に裂かれた命の持ち主、その生涯に打たれた石の句点にはこう刻まれるのだ。
「魔人ヘリステラの爪『便所殺し』により此所に永久の眠りを得る」と。
無銘の剣ということにしておこう、と余人が思うのも無理はない。
349
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/08/05(火) 23:34:49
武器運用術 〜槍以外の武具・人道逸脱編〜
魔女・ヨイの剣技は今でこそ我流と区分されているが、その根底は東方国アワラに興された流派、『菱伎流』であるとされる。
開祖の菱伎一比良(ひしぎ・ひとひら)は流派として遺すつもりはなかったが、その戦友であり甥の菱伎篤沖(ひしぎ・あつおき)が体系付け、カタナを使用した一対一の対人制圧術として興したと記録されている。
興味深いのは「カタナを使用した」と自ら紹介するにもかかわらず、その基本形にいわゆる三刃「斬・突・撃」が存在しないことである。
「ワザ」以前の基礎修練「カタ」はアワラ周辺に普及する民間格闘術『カラテ』をほぼ踏襲しており、この格闘術の熟達者が次のステップとして門戸を叩くことも少なくないようだ。
以下略
350
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/08/06(水) 20:16:05
「殴殺、毒殺、刺殺、縊殺、感電死、転落死、窒息死、と。もう七回も死なされてしまった」
「一日一回のペースですか。今度の妹様は過激ですね」
「成功するまで同じ方法で何度もかかってくるからなあ。魔女狩り養成教育を受けてたせいか結構スジもいいし、末恐ろしいよ」
「初日に花瓶で主人殿を襲った後、拝んで冥福を祈っていましたよ」
「おお、殊勝だな。生きる糧とした者への感謝を心得ているとは感心だ」
「四日目は主人殿をタングステンワイヤーでハンギングした後、念入りに頭蓋と心臓を潰して対吸血鬼用聖句を唱えておりました」
「それで目覚めたらニンニク臭かったのか・・・」
「本日は硬化カーバイトの貯蔵槽に主人殿を突き落とした後、攪拌ブレードを全速稼動させておりました」
「それで目覚めたら肌がカピカピだったのか・・・」
「明日あたりは紀化爆弾の絨毯爆撃などを警戒なさってはいかがでしょう」
「日焼けしそうだな。クリームでも塗っておくか」
351
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/08/09(土) 21:25:25
列紀1332年、最初の月期、最初の日期。
魔女に人権が付与された日。
これにより、魔女に対して正当な理由があれば国家など公的機関が「命令」を下すことができるようになった。
その代わり、魔女はそれまでなかった「人間と同等の権利」を得た。
同日、「正当な理由」を根拠に逮捕された魔女は1072名。
三日以内に同根拠で下された実刑判決は995件。
内、923件が死刑、または司法取引による終身刑。
五日以内に全ての逮捕者の審判が完了。
釈放者なし。
公的機関への協力を条件に収監猶予の者、35名。
脱走者、71名。
352
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/10/16(木) 21:46:32
『ヤミ』アウロラ
「私は闇の中でしか存在できない。夜明けと共に消え去る私の姿が暁の女神と結び付けられたのはどういう因果か」
353
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/12/27(土) 22:21:56
ワレリィの【扉】を通れるのは本人だけ、
ということはいつも生まれたままの姿で
彼女は【扉】を行き来しているということだ。
アメイジングなことではないか。
354
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/12/31(水) 14:25:01
服を着たまま生まれたんですね。
実にアメイジング。
355
:
言理の妖精語りて曰く、
:2008/12/31(水) 21:33:47
尾村愛蔵。
男が差し出した名刺にはそう記されていた。
所属も連絡先も無し。
受け取ったエンバーディープはとりあえずひっくり返してみたが裏も白紙なだけだった。
しかたないので四文字の漢字を何ともなしに読み上げてみた。
「おむら……あいぞう、さん」
「オソリと読みます。オソリ・クラと申します」
誤読に間髪入れず訂正を入れたオソリは眼鏡のブリッジをくい、と押し上げた。
「本日は面会のお約束を果たしに参りました」
こちらは約束を記した書状です、とスーツの内ポケットから小さなカードも差し出した。
「はあ・・・・・・」
エンバーディープはどうしたものかと考えた。
男がやって来て、名乗り、用件を告げ、その正当性を示す書面も提示した。
普通であれば門番である自分が面会の相手である誰かしらに取り次ぎ、迎えに来させるか案内すべきなのだろう。
だがここは魔女の棲まう塔。
普通の場所ではないのだ。
具体的には「男は進入不可」。
356
:
言理の妖精語りて曰く、
:2009/01/01(木) 00:25:30
愛を蓄える処、そんなかわいい名前をしてるんだね!
という感じで変質者に絡まれたことがあるらしい。
要は女の子っぽい。だから白羽の矢がたったのだろう。
357
:
言理の妖精語りて曰く、
:2009/01/02(金) 11:01:25
男性は入域できないことを告げると、尾村愛は
「そうですか。では塔外へお出でになるまで待ちます」
とあっさりと辞去した。
358
:
言理の妖精語りて曰く、
:2011/04/12(火) 14:07:40
ダーシェンカはウサミミ
359
:
言理の妖精語りて曰く、
:2011/04/13(水) 01:08:07
おれとおそろい
360
:
言理の妖精語りて曰く、
:2011/04/17(日) 13:44:32
我輩とおそろいなウサシッポ娘はおらぬのか
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