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世界の終わり

41言理の妖精語りて曰く、:2006/12/30(土) 02:42:48
 狂精、と後の世に呼ばれることになる妖精がいた。
 狂精は決して狂っていなかった。
 ただ少し頭が悪く、多分にものぐさで、後先を考えない傾向がある普通の妖精だった。

 ある時、妖精は賢者の言葉を読んだ。
 「量が多すぎるなら、自分で減らしてやればいいのさ」
 覚える事が多すぎる、と以前から不満を抱えていた妖精は、この言葉を実行することにした。
 妖精は、言理の妖精L.A.Phil(エル・ア・フィル)だった。

 妖精は世界に対する編集権を存分に振るった。
 紛らわしいと感じられた存在は、同じ物にした。
 来歴を覚えるのが面倒な存在は、途中で死んだか初めからなかったことにした。
 認めない物を選ぶのではなく、認める物を選ぶように方針が変わるのに、大して時間は掛からなかった。
 時間や歴史という概念が大した意味を持たなくなるのも、時間の問題だった。

 世界は滅亡に瀕した。


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