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武具・道具・祭具

462言理の妖精語りて曰く、:2018/02/04(日) 08:52:01
プルル・・・プルル・・・プルル
色気の無い呼び出し音が、あたりに響きわたる。
プルル・・・プルル・・・プルル
プルル・・・プルル・・・プルル
プルル・・・プルル・・・プルル・・・・・・・・
「ねえ、いつまで待たせるの、コレ?」
「だ、大丈夫!【ラプンシエル】さんのご都合が良ければ、きっと応えてくれるよ!」
「コレ、相手の都合次第なの!?」
「だって、私ただの派遣魔法少女だもん!姉妹の絆とかコネとかないもん!」
叫んだ後、肩を落とすオレオレ。
「アンタに一瞬でも期待した、私がバカだったわ・・・」
そのままであれば、その場の空気は致命的に落ち込むところであったが、なんとかその展開は免れることになる。
オレオレが握りしめていた【マジホ】が明るく輝いたのだ。
通信、接続のしるしである。
「きたきたー!!」
「おお、やっとね」
一人と一匹が固唾を飲んで見守る中、オレオレの【マジホ】から放たれた光は、一点に集約されて一つの幻像となる。
それは、一人の美しい少女であった。
「ムダに髪が長い女ねー。それに、ずいぶんとエラそうだわ」
「しっ、いくら本当のことでも、本人の前で言っちゃかわいそうだよ!」
だが、彼女たちの第一印象はあまり良くないようだ。
そんな言いたい放題なオレオレたちの発言が、聞こえているのかいないのか、少女は淡々と言葉を連ね始めた。
彼女は言う。
「選びなさい。私の【魔眼】の力を借りるか、レタス一個を産地直送価格で購入するか。あなたたちには、二つの選択肢があるわ」
「なんでレタスなのよ・・・」
すかさずつっこむリーリエ。
ツッコミは、魔法少女マスコットの義務なのだろうか。
一方、彼女の相棒は悩んでいた。
「うーん、最近お野菜高いしなー。レタスを安く買うか、【魔眼】の力か。レタス、【魔眼】、レタス、レタス、レタス、レタス・・・」
「なんでそこで悩むのよ!さっさと【魔眼】を頼んで事件を解決しなさい!」
どうやら、ツッコミはマスコットの義務ではなく、不可欠な技能であったようだ。
彼女のツッコミによって、オレオエはようやく決断を下す。
「【魔眼】の力で、この【悪夢】の魔法が関わる事件の数々を整理して下さい!バラバラな事件のつながりが分からなくて、困ってるんです!」
「わかったわ。私にとってどうでもいいことだから、どうでもいいなりに、全力で処理してあげる」
幻像の【ラプンシエル】は、妙なセリフと共に空の高みへと浮かび上がった。
いつのまにか、彼女の足元には塔の幻が出現しており、どうやらそれが彼女を持ち上げているらしい。
「よく分かんない女ねー。あの、ムダに偉そうな態度はどうにかならないのかしら」
「たぶん、そういう『設定』なんだよ。というか、力を貸してくれるんだからどうでも良いよ!【ラプンシエル】さんは、良い人だよー」
「アンタ、結構現金ね・・・」
相変わらずの凸凹主従の会話を無視しながら、彼女は、続けて語る。
「私は『塔の上の姫』世界の全ては、私の下に。どんな壁も、難問も、見降ろしてしまえば単純なもの。『世界よ、私の膝下に広がりなさい』」
その言葉と共に、それまで放置されていたテーブルの上の書類が、舞い上がった。
写真、レポート、インタビュー集、行き詰ったオレオレが書いた落書き・・・【悪夢】の事件に関する、様々な資料たち。
それらは、【ラプンシエル】の言葉とともに、宙を舞い、その位置を入れ替え、一つの絵図をなしていく。
彼女の力によって、書類たちは、一つの秩序のもとに、テーブルの上に並び替えられたのだ。
これこそが、【ラプンシエル】の、そして【キュトスカード】の力であった。


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