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【デルタフォース】クラスの三バカの日常Part5

1Ψ:2011/02/05(土) 22:54:39 ID:7MRi28Lg
「クラスの三バカ」こと上条当麻、青髪ピアス、土御門元春、並びに途中でできたバカップル【例:上条×ミサカ・土御門×白雪・青髪ピアス×白井・一方通行×打ち止め 等】はもちろんクラスメートや先生達、常盤台の生徒やオリジナルキャラも登場可能なリレー形式で学園都市や魔術世界の日常をどんどん書いていくスレです。ギャグ中心でシリアスは控えめに。雑談も控えめに。

初心者大歓迎です。

次スレは>>970 の人が建てること。(無理な場合は新しい番号指定お願いします。)

Part1↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1210612236/

Part2↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1262012651/

Part3↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1266059443/

Part4↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1273412014/

まとめwiki↓(2月5日現在、停止中)
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/14.html

291■■■■:2011/06/03(金) 02:12:38 ID:cBJ9/SfA
俺ルール無双はじまた

292■■■■:2011/06/03(金) 12:04:19 ID:QxfbiaJY
月夜はずっと前に登場させてるんだから問題ないんじゃないかい?
オリキャラよりも原作キャラ(番外個体・ていとくん)をフェードアウトさせようという考えがわからねぇ。

外伝のオリキャラは外伝に留まらせておけばよかったと思うよ。

293:2011/06/03(金) 12:14:22 ID:HgdjP70Q
いや、フェードアウトというか、
比較的出番を押さえているなあって。

294:2011/06/03(金) 12:19:36 ID:OOmxNivg
あと、真夜のキャラが海原とかぶってきた気がしたなあ。
彼の現在の1人称は「僕」でいいんでしたっけ?

295ё:2011/06/03(金) 21:19:50 ID:mb4SSZvI
雑談ばかりでSS投下が無いので。

――――――――――

「今日の一方通行はいつもよりカッコよかったよってミサカはミサカは今の気持ちを体で表現してみた!」
「オ、オゥ、ありがとな……(ったくなンつータックルかましやがンだコイツはよォ……。チッ、腹が痛ェ)」
「むーっ、その気の無い返事は何なのってミサカはミサカはむくれながら勝利のキッスをむぎゅ」
「ンなコト人前でやるンじゃねェ!」

 自分達らしくイチャイチャしてる一打を微笑ましく眺めている上琴、当然こちらも自然な感じでラブラブモードだ。

「優勝おめでとう当麻♪ でも……当麻って前半はともかく後半は足引っ張ってたよね。オウンゴールまで決めちゃうし」
「うぐっ……そ、それは上条さんも気にしていたことなのに。けど実際、目立ってたのは他の奴らだったしなぁ。反論出来ねぇな」
「大丈夫♪ 私には当麻が頑張ってるのはちゃんと伝わったから。それに当麻はどんな当麻でも大好きなのは変わらないかキャッ♪」

 美琴の可愛さにあてられた上条、感動のあまり美琴を思いっきりハグする(キスは場を弁えてしない)。
 節度を意外にも守ってる上琴に対して節度やモラルなど関係なくいちゃついてるのは青黒、というか主に黒子。

「○○様、途中出場ながらすんばらしい活躍でしたわ! この黒子、文字通り○○様に惚れに惚れ直しました! というわけで2人の赤ちゃんを今ここで!」
「気持ちは嬉しいけどボクは犯罪者になるのは嫌やねん! 後生やからここは気持ちをクールに」
「よいではないですかよいではないですか。○○様の女性の趣味が黒子一択になればさらにギャフンッ!」

 暴走する黒子を黙らせたのは美琴の雷撃、気絶した黒子の表情は満ち足りているのを見た青ピは柄にも無く真面目に黒子に不安を覚えた。
 その一方でバカップルなのにいちゃついてる雰囲気を見せないのは浜滝と半郭。

「はまづら、優勝おめでとう。けど必要以上にひめがみに下僕っぽかったからちょっとマイナス」
「私も滝壺氏と同意見ですよ半蔵様。いくら球技大会の為とはいえ半蔵様が他の誰かにかしずいているのはちょっとショックでした」

 滝壺と郭がむくれていたのは浜面と半蔵の姫神に対する扱いのことで、球技大会に勝つ為とはいえあそこまでやられるといい気はしないもの。
 結局、姫神に対する態度は球技大会が終わったので改めることを約束させられた浜面と半蔵だが姫神への下僕モードはそう簡単には抜けないのだった。

「悪いが君達、いちゃつくのは閉会式が終わってからにしてくれないか。他の生徒や参加者はすでに集まっている、君達も早く来たまえ」

 バカップルの集まりに容赦なく割り込めるのはそういった空気を全く介さない木山で、上条たちも慌てて動き出す。
 その際、自分達のクラスに結標が居たことを不思議に思ったが翔太を満面の笑みで胸元で抱えてるのを見てすんなりと納得した。

――――――――――

 そして閉会式が始まったが、最初から優勝旗やトロフィーは用意されておらず授与式も無い上に校長の話は黄泉川から巻きが入ったので手早く終了。

「やれやれ、長い長い球技大会が終わってようやく落ち着……いかん、とんでもなく嫌な予感が頭をよぎったぜい」
「嫌な予感?」
「月夜も知ってるだろ? 初春ちゃんがロンドン行ったって話。仮にねーちんと建宮とシェリーに何も言わずに出立したらって考えたら」
「うわぁ……。で、でも大丈夫だと思うよ。初春ちゃんがあの3人に内緒でどこか遠くに行くなんてありえないもん」

 それもそうだな、土御門は白雪の言葉に納得して考える事を止めた。
 しかしシェリーだけが初春の渡英を知っていて、神裂と建宮には知らされていないというある意味悪い真実があることを土御門が知るのは先の話。
 そんな中、木山から今後の日程について発表がされようとしていた。

296ё:2011/06/03(金) 21:56:35 ID:mb4SSZvI
「さて、明日以降の予定だが……GWが終わるまで休みだ」

 まさかの木山の発言に会場に居た友愛高校の生徒は少しの沈黙の後、歓喜の声を高らかに上げた。
 木山はそんな状況下の中でも冷静かつ淡々と続きを話す。

「とはいえ課題はあるからな。課題は明日取りに来るように。それとこのGWを含めた大型連休は他の中学高校でも適用されているぞ」

 今度は友愛高校の生徒ではなく観戦に来ていた他校の中学生と高校生が歓喜の声を友愛高校の生徒に負けない勢いで高らかに上げた。
 他校の中学や高校も友愛高校と同じ形の大型連休にしたのは多くの優秀な新入生が入ったとはいえ、学校の地位的にはまだ低い友愛高校ばかりずるいというしょうもない理由だったりする。
 打ち止めは小学生なので大型連休にはならずにむくれていたが教師として付き添いで来ていた朝陽に元居た席まで連れられた後で宥められていた(赤見と白子が何故か気絶して倒れていた)。

「では最後に球技大会のMVPを発表する。これは優勝したチーム、というか月詠先生のクラス以外の生徒や参加者も対象だ」
「なお、MVPに輝いた選手の人には1つだけうちの学校で叶えられるお願いを叶えちゃいますよー。そのお願いは皆さんが本番前日に書いてもらったものです」

 実は友愛高校の生徒全員が何かのアンケート程度の認識しか持っておらず適当なことしか書いていないという何とも悔やまれる事実があった。
 特典はともかくMVPの称号は素直に嬉しいのでそれぞれに予想を立て始めていた。

「順当に考えりゃまず間違いなく俺だろうなァ」
「馬鹿抜かせアクセラ。ここは1日目と2日目を通してって考えれば上条さんしかいませんのことよ!」
「オレはそんなもん興味無いから誰でもいいけど真面目に考えれば白雪か井ノ原弟も候補だと思うにゃー」
「だったら俺は絶対に無いな。昨日と今日の準決勝の前半まで規制かかってたから大して活躍してないし。俺は白雪さんだと思うな」
「元春と井ノ原くんの推薦があったらもしかしたらって思っちゃうな〜」

 上条達がMVP予想をクラス内でしている一方で【歩く教会】チームもMVPを考えていた。

「私がMVPだったら嬉しいですけど恥ずかしいですね(これでMVPに輝いたら当麻さんの高校で一ヶ月実地研修が出来ます!)」
「根性って点なら俺だろうな!」
「いやいや、全試合通じて超活躍した私にもチャンスはあります(」
「キャプテンの私のが可能性が高いんだよ!(MVPでとうまの学校の食堂の食券5万円分はもらったね)」

 自己主張しているのは五和と削板と絹旗とインデックスだけで残りのメンバーは自分達は無いだろうと考えていた(2人ほど本気の願いを持っていた)。
 そして木山の口から球技大会のMVPが発表された。

――――――――――
☆さん、真夜の怒りは球技大会優勝で完全に収まったので一人称も「僕」から「俺」に、口調もすでに戻ってます。
垣根はともかく番外個体(+もう1人)はGW編に出す予定です、一応仕込みはそれとなくしてます。

297:2011/06/03(金) 22:00:48 ID:i7TjdIUg
・真羅の研究所
「なあ、レイシェル」
 真羅ののろけぶりを聞き流しつつ、ミランダは眼下で自分の脚を直しているレイシェルに、気になることを尋ねることにした。
「ん?何?」
「あんた確か、柵川中学の2年1組を担当していたろう?」
「そうだけど。まあ、ほとんど行ってないけどね。研究しっきりで。」
「そのクラスに初春飾利って奴いるでしょ?」
「ああ、いたね。」
「どんな人?」
「……………あんまり学校行かないからよくわかんないや。」
 それを聞いた真羅は、はあ、とため息をついて(『作業』は辞めずに)言った。
「勧めているんですから、ちゃんと参加してくださいよ。
 あなたはもっと人と関わる方法を身に着けてもらいたいんですから。」
 彼に言わせると、自分の研究においては『人の心』を知ることが重要なそうだが、
目の前で展開されている光景を見るにつけて、お前に言われたくない、とミランダはつくづくおもいつづけた。
「私は会ったことがありませんが。」
(ん?)
 まさか真羅の方から話が続くとは思っておらず、思わず顔を上げる。
「彼の父……隆俊さんとは、高校の頃の親友でしたよ。
 今はお互い家庭を持ったり、進む道を大きく違えたりで、同窓会ぐらいしか会えませんでしたがね。」
「へえ……」
「何故、彼女に興味を?」
「…………」
 この男に初春を関わらせることに激しい抵抗を感じはしたものの、こいつの研究分野には指し触りはないだろうし、
何よりつっぱねたらかえって興味を増やさせることになりそうだと感じたミランダは、彼女が『原子崩し』を圧倒した経緯を話した。
「へえ、超能力者達の中でも屈指の凶暴性、凶悪性を持つことで有名な麦野沈利を、ねえ……レイシェル、今度学校行ったときにでも見てみ……」
「いえ、それが。」
 しかしそこで彼から放たれた言葉は。
「今思い出したんですが、彼女、イギリスへの短期留学を申請してきたんです。一週間ぐらい」
 それを聞いたミランダは、げんなりと呟いた。
「間が悪いったらありゃしねえやまったく。」
 これにより、神裂先生の欠板が多くなったため、担任で会ったレイシェルの通勤が多くなるのは、後の話。
「…ん?ちょっと待て、なんで一週間なんていう超短期留学なんだおい?」
「ああ、何でも……」
 彼からこの後聞かされた『噂』により、始まった。
「科学」の恩恵と悲劇の申し子と、
「魔術」の交錯が。

298:2011/06/03(金) 22:07:26 ID:i7TjdIUg
あれ?井ノ原家の両親って
・朝陽、赤見、黒井 と
・真羅、レイシェル とに分かれていたの?
てっきり夫婦そろってだと思っていたのに(まあ、レイシェルがくっついていたようだけれどさ)。

299:2011/06/03(金) 22:08:43 ID:i7TjdIUg
担任で会った→担当であった

300:2011/06/03(金) 22:13:08 ID:i7TjdIUg
一週間ぐらい

一週間ぐらいの

301:2011/06/03(金) 22:15:30 ID:i7TjdIUg
彼の父→彼女の父

302:2011/06/03(金) 22:19:55 ID:i7TjdIUg
とりあえず、真羅の研究所のシーンはこれで終わりです。

303:2011/06/03(金) 22:56:06 ID:GWp1Gkvw
私的にはMVPは絹旗でしょうか?

304読者:2011/06/04(土) 18:58:56 ID:pFvHPswY

俺的には情報屋で良いと思いますね
なんとなくですけどww

305:2011/06/04(土) 21:15:19 ID:O1hN6zM2
ちなみに当初新坂道男はハーフタイムでセリフ付きで出す予定でした。(>>183
あと、もし新キャラ出さずの縛りがなかったら外伝に出ていた
セレナの友達も出す予定でしたが、まあ、彼女達の紹介は、やはり外伝スレにて
別の機会にでも。

あと皆さん、外伝の方の感想はなかなか書かないんですが、書きづらいかやっぱり興味ないんでしょうか?

306:2011/06/05(日) 10:27:41 ID:6dC0TH.k
>>297
真羅ののろけぶり→真羅の家族話

307:2011/06/05(日) 23:19:46 ID:77GelVcY
最近になってようやく茜の口調を掴んだ(というか、口調があることに「ようやく」気付いた)感じ。
あやうくこっちが考えていたキャラのと被る所だった危ない危ない。
こういうのを読者によくよく印象づけてしまう鎌池さんの技量には本当に
感服します。

308±:2011/06/07(火) 20:34:37 ID:A.nj1dwE
「MVPは………………………………削板軍覇!!」
「「「「「なっ、何だってーぇえーぇえ!!」」」」」
「ん?やはり俺の根性が一番だったか!」

 削板が選ばれた事に驚くその場にいた全員。
 そしてその様子を見ていた小萌先生がすぐに理由を説明し始めた。

「ちゃんとした理由があるのですよー。削板ちゃんは初日の野球で全打席ホームランの快挙をあげてたのです!それについさっきの試合でも守備の中心となって活躍してましたので見事MVPに選ばれたわけです!!」

 小萌先生の説明によりその場にいた全員が納得し、削板は表彰台に向かっていった。
 一方で、その場にいた生徒たちは削板の望みが気にかかっていた。

「いったい削板のやつ何をお願いするんだろうな?」
「アイツの事だァ………どうせ根性関連の事に決まってる」
「いやー、案外意外な所つくかもしれないぜよ」
「元春がそう言うならそうかもしれないね♪」
「それよりなんでボクじゃなかったんやー、MVP」
「お前の場合、願いが引っかかったんだろう?そんなに活躍もしてないし」
「それより。なぜ私が。MVPではないの」
「本当審査員の奴ら、真の主役が誰か分かってないな、半蔵」
「ああ、そのとおりだ浜面!」

 そんな事を話している間に削板は表彰台の上に上がっており、先生方から表彰をうけていた。

「削板ちゃん、特に何かお願いを聞いてなかったので何にしますか?」
「俺はこの友愛高校の連中の根性に感動した!!だから―――」

 ここまで聞いた途端、その場にいた全員が削板がこの先に何をいうのか理解できた。

「俺は決めた!この友愛高校に転入する!!」
「なっ、なんだってーぇえ!!!」×その会場内にいた全員

 これにより削板軍覇の友愛高校三年への転入が決まり、友愛高校は結果としてレベル5を5人も持つ凄まじい高校となった瞬間だった。
 そしてこれにて閉会式は終了となった。

309:2011/06/07(火) 21:50:15 ID:EbdozAec
あれ?何言うか理解してたんじゃなかったの?

310:2011/06/08(水) 01:30:31 ID:Fl5OuDYc
 とある観客席には、興奮して腕を振り上げているメガネの男と、金髪の少年と、「歩く協会」チームの1名と全く同じ容姿をした無表情な少女がいた。
「先生、やりましたねえ。」
「ああ!やってくれたな真夜!こんちくしょうが!」
「おめでとうございます、とミサカ10090号は応援して送り出した10032号の敗北を少し残念に思いつつも賛辞を送ります。」
「先生、ところで出ているのは息子さんだけのようですね。」
 その指摘を受けた途端、先生と呼ばれた男はさっきまでの威勢が嘘のようにげんなりとしてハァーと、ため息をついた。
「ああ全く、よりによってこんな日に風邪だなんて真昼の奴。普段は馬鹿なぐらい健康な奴なのに。」
「正直ほんとなんですか?あの礼儀正しそうな子がすっごいただれた関係持っているなんて」
「爛れたとは…!!い、言えるかな?確かに私も初めて聞いたときはすっごい驚いたというか、息子を本気で精神病院に入れようかと……」
「ま……まあまた別の機会に窺うとしまして、正直顔や態度はまあ似ていますけど、あの運動神経はやっぱり……」
「言ったろう?朝陽譲りだって。」
「あれ?そういえば朝陽さんはこの会場に来ているのですか?と、ミサカはお父さんの方に聞いてみます。」
「ん?10090ちゃん、君、朝陽を知っているのかい?」
「ええ、私達の上位個体がお世話になっていますので、とミサカは言います。」
「ああそうだったうん。いや、来てはいるんだが……」
「ならどうしてわざわざ私と?」
 金髪少年が疑問の声を上げると、男が観客席のある一部を指差した。
「ほら、あいつが連れている赤やら黒やらが相当監視が必要な問題児みたいで……」
「現在気絶しているあの2人ですねと、ミサカは双眼鏡で確認しながら言います。」
「でも帰り際ぐらいはやっぱり息子に会ってみたら?」
「まあ…そうだな。」
 そう言って男は立ち去りかけ、その間際、少年にこっそりと呟いた。
「子供達の勇姿を見せるためとはいえ、済まなかったな私に同伴させて……」
「いえ、先生の……」
「今度こそゆっくり、彼女とデート楽しむがいいさ。」
 クールな印象を持っていた少年の顔をボンッと赤らめさせて男が去っていくと、少女は不思議そうに少年の顔を覗き込んだ。

311:2011/06/08(水) 01:31:54 ID:Fl5OuDYc
「何を言われたのですかあの人に?とても緊張していますよ、と、ミサカは不安と疑問を……」
「い、いやいやいやいや、な、何でもないから、それよりさ、ほら、なんというか、その……」
「???」
 男からの激励により、かえって話の持って生き方がわからなくなってきてしまった少年だったが、ここでどっかで聞いた豆知識が役立った。
(落ち着け!そ、そうだ、確かこういうイベントの後は、ご飯や買い物と言ったレジャーをしたくなるもので、現に……)
「わ、私はポップコーンだけじゃお、お腹いっぱいにはならないんで、その、も、もしよかったら、その、こっから更に食事に行くのに……」
「ああ、それは丁度いいです、と、ミサカは貴方の提案に渡りに船と飛びつきます」
「は?」
「実は私の妹達と、10032号の残念会を催したいのです。できたらそれに参加させてくれませんか?と、ミサカは貴方を他の妹達に紹介するいい機会を利用させてもらいます。」
「え、ああ、い、いいよ……うん、って、あれ?ちょっと待って待って待って」
 そこで呼吸を落ちつけようとした少年だったが……
「あ、ポップコーンの欠片、とミサカはもったいないと手を伸ばします。」
 ヒョイ、と唇の端についていたポップコーンを取り、そのままパクンと口に含んで美味しそうにゆっくり咀嚼する少女を見てまたも頭が真っ白になってしまった。
(え?あれー?何言おうとしたんだっけ私―?え?え?え?え?うわー!…)
「さて、では打ち上げ会場に行きましょうとミサカは立ちあがって貴方の手を引っ張ります。」
「ええーっと…あ、そうか!!」
「先ほどから一体どうしたのですか?とミサカはこれからの妹達への顔合わせに向けて心配を募らせつつ尋ねます。」
「そう!それだよそれ!」
 少年はようやく彼女に対し「本題」を告げた。
 「妹達」のことをよく……量産化計画から、絶対能力進化実験までを知っている彼だからこそ思い付けた大事なことを。
「ほ、ほら君達クローンでさ、なんか、いろいろいると見分けつかないからさ、とりあえず君のこと分かるように、なにか、そう、メイクとか、髪留めとかつけよう!10090」
「それはいい提案です、と、ミサカは大いに同意します!」
「じゃあさ、まずは近くの小物店にでも行く?」
「行きましょう行きましょう!出来ればひよこかゲコ太の目印がいいです!と、ミサカはどんなのを買ってくれるんでしょうとワクワクしながら貴方の手を引きます!」
 そう言って少女と少年は、幸せそうに、忙しそうに、スタジアムを後にした。

・ミサカネットワーク
「ムッ!何故か唐突に『リア充死ね!』という単語が思い浮かびましたと
ミサカ16254号は打ち上げ準備中に不審な感じと共に言ってみます。」
「まさかミサカ達の誰かが将来有望そうな若者を?と、ミサカ13577号は10090号あたりが発信源でしょうかと、今までの行動から朧気ながら予想してみます。」
「ムー、もしこの後の会でそれを確信させたら?と、19090号はややドキドキしつつ訊いてみます。」
「この会を「10032号の頑張りを称える会」から「10090号をシバく会」へ変更ですと
ミサカ20000号は柔軟な解決策を提案します。」
「「「「「「「了解(ラジャー)っとミサカ達は賛意を表明します」」」」」」

312:2011/06/08(水) 01:39:11 ID:Fl5OuDYc
付け足し。適当な所にでも。

「先生。とりあえず一段落したら…」
「ああ、分かってるさ。2時間後に私の研究所へ。ちょうどいいから
軽いものだったらできる限りあなたに任せてみるとしましょう。」
「ええ!というわけだからさ10090、悪いけどそう時間は……」
「1時間でも結構ですよとミサカは気にしないでと笑顔で励まします。」
(あ。なんとなくわかる。笑顔だ。)

313:2011/06/08(水) 01:44:37 ID:Fl5OuDYc
>>311後ろから5行目の
「そう言って」以後を「そして」にし、
その前>>312を付け足してください。
やっぱり自分で決めたいやこういうことは。

314±:2011/06/08(水) 07:32:39 ID:8x2ApYQ2
削板は他校からの助っ人という事で前日授業でこれなかったんじゃないか?という風に思ったのでこうしました。
なのでそれを含めた上で訂正をしておきます

「削板ちゃん、特に何かお願いを聞いてなかったので何にしますか?」
「俺はこの友愛高校の連中の根性に感動した!!だから―――」
 ↓
「削板ちゃん、前日は授業でこれなかったからお願いを聞いてなかったので何にしますか?」
「俺はこの友愛高校の連中の根性に感動した!!だから―――」

で、おねがいします

315:2011/06/08(水) 12:34:18 ID:.qAH2E4Y
>>312
「2時間後」を「4時間後」にしてください。
セレナが研究所にいくまでに2時間はかかるんじゃないかなあ、と、
勝手に解釈しましたもので。

316:2011/06/08(水) 20:01:35 ID:Fl5OuDYc
「はあ!?今何て……」
「も、元春、どうしたの?」
携帯電話でどこかと連絡を取っていた土御門が唐突に声を荒げたのに不安に感じた月夜が心配そうな面持ちで彼を見ていると、やがて電話を切った彼がガ―っと頭を抱えた。
「ちくしょうが!!なまじっかこっちが選手だったもんだから、試合に気を配り過ぎて見落としてた!!この土御門一生の不覚だ!!」
「元春!!まさか球技大会の間に学園都市に危機が!?」
「いや、そういうんじゃない、むしろ俺達にとってはある意味非常にいいことなんだがにゃー……」
 口調が戻りつつも、非常に渋い顔で彼が指差した先を見ると、
黒いタキシードを着た端正な顔の青年がこっちを見て、わざわざ手を振りながら穏やかに笑っていた。
「あ。あの人は……」
「月夜、お前も知っているか。」
「そりゃあ知っているよ。統括理事会の中でもこの人を知らない人っていないんじゃない?新坂さんがどうしたの?」
 騒ぎやデマを巻き起こしまくるお祭り男新坂道男は、学園都市の政治機構にあまり詳しくない生徒達にも、いや、
むしろだからこそ、統括理事会といったらまずこの人の顔が思い浮かんでしまうくらいの有名人だった。
「このイベント……前々から急な変更に疑問を持っていたんだが、どうやらそれ、あいつがやってたらしいんだ。」
「ああやりそうだねえ噂通りだったら。」
「それでな。今度の俺達の奮闘ぶりに満足したあいつは、以後友愛高校のマネージャーになるんだとさ。」
「えっ!?統括理事会の!?確かあの人ってすっごいお金持ちなんだよね?」
「ああ。要は『金をいくら使ってもいいからもっと面白そうなこと起こしてみろ』とでもいう感じなんだろうさ。他の奴らに知れるのは恐らく
連休が終わってからになるだろう。ま、その連休中にも情報屋あたりの耳聡い奴から『噂』として漏れるだろうがな。」
「スゴイスゴイ!私達の学校、スッゴイ大きくなっちゃうね!?大覇星祭や一端覧祭なんかもスゴイ豪華になりそう!」
「ああ、『学校としては』それでいいんだろうが。」
「?どしたの元春?何かヤバいことでもあるの?」
 あまり浮かない顔の土御門に要領を得ない月夜が疑問を呈すると、土御門は何故か両耳を抑えながら吐き捨てた。
「俺個人としてはな。あいつが世界で一番苦手なんだ。」

317:2011/06/08(水) 20:01:54 ID:Fl5OuDYc
 元から土御門は彼に莫大な借りがあった。
 いくら情報、人心を「ある程度は」操作するプロといっても土御門は所詮個人だ。
 様々な組織を裏切りつつある彼は、むしろそういった分野においては並みのプロ以上の苦労を強いられていた。
 新坂道男はその地位や権限もさることながら、情報操作の面ではもはや土御門ですら舌を巻くほどの腕前を持っていた。
 今まで幾度も起こって来た魔術師の侵攻を始めとする学園都市のトラブルにおいて、土御門が到底カバーしえないどころかどう始末をつけていいか思わず悩むようなところまでをも処理し続けてきた。
「だからこの後、初春飾利とイギリスのシスターが入れ替わりでイギリスと学園都市を出入りすることはもちろん、
そっから先に繋がるであろう『戦争』においてもこいつが間違いなく出しゃばってくるだろうから念を押して打ち合わせでもしておくかと
今こいつと連絡取り合っていたところだったんだ。そうしたら……」
「ああ成程。ふーん、単なる遊び好きの馬鹿じゃなかったんだね。」
「そんな奴だったら数百倍ましだったさ。」
「元春いつだったか言ってたよね、統括理事会は2つのタイプに分かれるって。
 真っ先に死ぬべきクソ野郎と善人であるが故に貧乏くじひちゃう人だって。
 あの人は?」
「間違いなく前者だな。」
(1秒もかからず即答しちゃったよ。騙し合いや頭脳戦が得意な「背中指す刃」のこいつにも苦手な相手がいるんだ。
 元春には悪いけどなんか面白いというか新鮮な気持ちだなあ。)
 しかし月夜がそれで納得してしまった分、やはり彼女自身はまだ土御門の術中に嵌っていたといえた。
(さすがに月夜には言えんよな。俺が一度あの悪魔と対決した結果………生涯最大といっていい煮え湯を飲まされたことなんか。)
 借りがあるどころではない。
 本来裏のかき合いといったものに十分自信があったはずの彼を、その得意分野で圧倒的に上回り、そして………
(未だ疼く。あいつの声を、噂を聞くと耳が……)
 今はもう問題がないが、負けの代償としてかつて限界をこえた音を聞かされたことで鼓膜が破られ、
数か月の間難聴と痛みと疼きに苦しんだ両耳を抑えつつ、
土御門は今もときどき考える。
(もし、あの時ほんの紙一重、俺が油断しなかったら。奴のあの策を見破り、逆手にとって打ち勝ったとしたら……ハッ!もう仕方ないか。いまさら考えた所で。)
 アレイスターがあらゆる要素を備える『人間』だとしたら、そういったセオリーを覆し得る正に「悪魔」といっていいかもしれない。
 その行動原理はあの『人間』と違って分かりにくくなく、単に「面白そうからか」という、単純、且つ最も厄介なもの。
 トリックスターと言われながらも自分の世界を守るという、まだ分かりやすい原理の下に行動している土御門とは根本的に格が違う気さえした。
 しかし、それでも。

(新坂。もし、お前が俺の仲間を、世界をその興味で弄ぶっていうんだったら。

 この「背中刺す刃」は今度こそ、いや、背後といわずどこからでも、お前をめった刺しにする。
 例えそれで俺自身が折れることになろうともな。)

318:2011/06/08(水) 20:27:25 ID:Fl5OuDYc
新坂。もし、お前が俺の仲間を、世界をその興味で弄ぶっていうんだったら。

…まあいいだろう。
だがな新坂。もしお前が俺の仲間を、世界を、その興味で弄んだなら。

319:2011/06/08(水) 20:29:51 ID:Fl5OuDYc
弄んだなら。 →弄んだときは。

320ё:2011/06/08(水) 22:09:07 ID:64EGBY3M
「えー、皆さん。球技大会優勝、おめでとうなのですー♪ そんな皆さんの為に優勝記念パーティーを開いちゃいますよー!」
 
 一度集合した上条のクラスの生徒全員は、小萌のパーティー開催宣言に心の底から歓喜した。
 その後、小萌からそのまま友愛高校の食堂へ向かうように告げられて少しテンションが落ちたが、それでもバカ騒ぎが好きなことには変わりない。
 上条達選手陣は汗を流すためにシャワー室へ向かおうとする中、真夜が1人だけ小萌に呼び止められる。

「頑張った真夜ちゃんにこんなことを頼むのは心苦しいのですが、パーティーに出す料理を作ってもらえますか?」
「別に構いませんよ。でも俺だけってことはないですよね? 他にも人手が無いと」
「その点は抜かり無いのです♪ 先生はちゃんと頼れる人達に声をかけてるので安心して下さい」

 分かりました、真夜は嫌がりもせずに引き受けると荷物を小萌に持ってきてもらうように頼むとその場を後にした。
 その足で真夜は医務室に直行、風邪もほぼ治りかけている真昼と意識を取り戻した茜川を連れて友愛高校へと向かうことに。

――――――――――

「みんな試合ご苦労さんなのよ。ほら、自分のはちゃんと忘れずに持って帰るんだぞ」

 こちらは建宮の居る魔術師達の得物預かり所、預けていた魔術師達は既にシャワーを浴びて着替えも済ませてここに来ている。

「確かに返していただきました。天草式教皇代理、信用できる人物のようですね。ではショチトルに五和さん、自分達も向かいましょうか」
「五和、お前さんどこに向かうってのよな?」
「これから【歩く教会】チームの皆さん、もちろんサッカーの方ですが食わせ殺しでパーティーをするんです」
「ほぅ、それはまた羨ましいのよね。こっちは上条当麻のクラスの連中の為にパーティーの料理作らにゃいかんっつーのに」

 建宮の愚痴を聞き逃さなかった五和とエツァリが建宮に詰め寄る、あまりの速さに建宮は驚きショチトルは呆れていた。
 五和とエツァリは建宮から小萌に自分のクラスのパーティーの料理を作る依頼を受けたことを話したが、2人の興味はそこには無くパーティーが上条絡みということにあった。

「当麻さんの参加するパーティーでご奉仕するべきか、今日の激闘を一緒に戦った仲間達と楽しい時間を過ごすべきか……迷いますね」
「上条当麻が居るということは御坂さんも当然参加するでしょう。そこで自分の出した結論をお2人に告げるいい機会ですがチームの皆さんとも親睦を深めたいですし……」
「2人とも、今日の所は試合を共にした仲間と過ごすのよね。お前さん方が言ったことはいつでも出来る、けどあのチームで楽しく騒ぐことはあまり無いだろう。そうゆう出会いは大切にするのよ」

 建宮のまともな物言いに五和とエツァリが【歩く教会】チームの方を選ぶのを見て、ショチトルは建宮という男に関心していた。
 こうして何の問題も無く終わるかと思われたが、五和の何気ない一言が問題を引き起こす。

「まあ建宮さんの言う通り、当麻さんに大っぴらにアタック出来るチャンスはいくらでもあります♪ 初春さんがイギリスに居る約2週間が勝負ですね」
「…………五和、海軍用船上槍を組み立てろ。悪いがアステカの魔術師のお2人さんは先に行ってるのよ。五和も後で向かうから安心しろ」

 エツァリとショチトルは建宮の豹変ぶりに驚きながらもそそくさと部屋を後にし、五和も言われるがままに海軍用船上槍を組み立てて念の為に構えを取る。
 次の瞬間、建宮がフランベルジェで袈裟斬りしてきたので五和も慌ててガードし、ガギィィィィィン! と大きな音を出すだけに被害を抑えた。

「なっ、ななななな何するんですか建宮さん! 今の斬撃、本気で殺す気満々じゃないですか!」
「五和、世の中には言って良いことと悪いこと、そして言ったら死んで侘びることがあるのよね。飾利姫が俺を置いてイギリスへ行くなどと、死んで償うしか道は無ぇぞ」
「ちょ、ちょっとタイムです! ここはきちんと話をぬぐっ! こ、今度は押し潰す気ですか! うわっ!」

 建宮の斬撃を受け止めたはいいが、私服に着替えてしまった五和には球技大会で見せたほどの力は無く大人げない建宮の押し込みに負け、部屋のドアを突き破って廊下の壁へと叩き付けられる。
 背中に強烈な痛みを感じながらも五和は体勢を立て直したが、それよりも速く建宮の横薙ぎの一閃が迫っていた。
 五和は割と本気でマヌケな人生の終幕に泣きそうになったがそうはならなかった、神裂が七天七刀の鞘で建宮の後頭部に一撃入れて建宮を気絶させてくれたお陰である。

321ё:2011/06/08(水) 22:11:34 ID:64EGBY3M
「まったくこのような所で何をしているかと思えば……。五和、怪我はありませんか?」
「は、はい。あ、ありがとうございます女教皇様」
「先程の試合、服装はともかくお見事でした。ところでどうして貴女が建宮に襲われていたのですか?」

 命を救ってくれ、自分の試合を褒めてくれた神裂に最初は感激していた五和だが、この経緯を説明すれば同じことの繰り返しになると思って頭を悩ませる。
 どうにかして切り抜けようとしたその時、神裂の横にいた佐天に気付くと、

「そのことなら隣に居る女の子に聞いて下さい! おそらく女教皇様の知りたいことも教えてくれますから! では私はこれで!」

 早口かつ大声で佐天へと責任転嫁をしてダッシュで逃げ出したが、神裂も初春のことを知りたがってると瞬時に推測したのは流石である。
 神裂は五和の逃亡に少しだけキョトンとすると、気絶した建宮を引きずって上条たちの居る控え室への歩みを再開させた。

「佐天、飾利はどこに行ったのですか?」
「(その質問97回目……)当麻兄さんか土御門さんが教えてくれます」
「そうであればいいのですが……。もしシェリー辺りが飾利が可愛いからと独り占めしていたらと思うと」

 同じ質問、似たような妄想をする神裂に佐天はげんなりしていた。
 少し歩くと一室のドアが開き、上条のクラスの決勝進出メンバーがゾロゾロと出てきた(美琴、黒子、打ち止め、滝壺、郭はスタジアムの外で待っている)。
 神裂、疲れた表情の佐天、気絶している建宮を見た土御門は状況を理解して自分と上条以外を先へと行かせた、神裂に食い下がる野原を力づくで黙らせて。

「佐天はあなた達に聞けば分かると言っていました。なので聞きます。飾利はどこに居るのですか? 嘘や黙秘は許しませんよ」
「(やっぱりそれか……。下手に引き伸ばすよりもスパッと真実を告げた方がいいな)さ、カミやん。ねーちんに教えてやるぜよ」
「ああ、別にいいけど。あのさ神裂、飾利なら今日からGWが終わるまでイギリスに留学するってさ。多分キャーリサやヴィリアン、最大主教の世話に……神裂、さん?」

 特に深く考えずに初春のイギリス留学を告げた上条、しかし神裂が何のリアクションも見せないことを不思議に思って神裂に近づいた。
 そして上条は気付いた、神裂が立ったまま気絶していることに。

「カミやん、お前さんは本当に残酷な男だぜい。ねーちんに初春ちゃんがイギリス留学してることを平然と告げるとはな。ねーちんの初春ちゃんへの依存っぷりを知ってるくせに」
「当麻兄さん、もう少しくらい優しく言ってあげても……。飾利が誰かと一緒って知っちゃったせいで神裂さん、考えること放棄しちゃったじゃないですか」
「……悪い。いくら神裂でも飾利のイギリス留学でここまでの反応するとは思わなかった。けどとりあえず神裂と建宮、どうし」
「おーい兄貴ー、上条当麻ー、佐天ー」

 自身の軽率ぶりの反省を終えた上条は気絶してる神裂と建宮を置いてはいけないと思い、どうしようか考えようとしていた。
 そこへ舞夏がのほほんとした雰囲気で現れた、珍しく警備ロボットの上に乗らず自分の足で。

「にゃー舞夏ー♪ 会いに来てくれたのは嬉しいんだがちょーっと間が悪かったかな。今カミやんと佐天ちゃんと一緒にこの2人をどうしようかと」
「それなら問題ないんだぞー。私はもともとこの2人を探してたんだぞー。なんてったって兄貴のクラスの優勝パーティーの料理を作るんだからなー」
「だったらこの2人を担いで学校に戻ればいいな。学校に着く間には2人も意識を取り戻すだろ」
「2人がこの調子というのはちと心配だが腕の振るい甲斐はありそうだなー♪」

 神裂を佐天と舞夏で、建宮を上条と土御門でそれぞれ運ぶことに。
 そして残ってくれていた美琴と白雪と合流し、同じく残ってくれていたマイクロバス(運転手は災誤)に乗って友愛高校へと向かうのだった。
 かくして球技大会は幕を閉じ、優勝パーティーというGWを含めた大型連休が始まるのであった。

322ё:2011/06/08(水) 22:13:46 ID:64EGBY3M
球技大会編、これにて終了とさせていただきました。
優勝パーティーからGW編としましたがまあ、優勝パーティーから大型連休の始まりと思ったので。

323:2011/06/08(水) 22:56:01 ID:Fl5OuDYc
私的には浜面と半蔵は、スキルアウト達のパーティーに
参加すると思うんですがどうでしょう?

324:2011/06/08(水) 23:14:25 ID:Fl5OuDYc
苦手なスポーツものを必死でこなして、作家の皆さんもお疲れさまでした。
今までの話を読み終わってからの途中参加でしたが「外伝キャラを本編に絡ませるべきか」の実験として私にとっても大変有意義な話でした。
どうやら皆さんのキャパをオーバーしているようなのでこれ以上の登場は控えさせていただくとします。
ありがとうございました。

325±:2011/06/09(木) 21:46:10 ID:23HLNIQM
長かった球技大会編もついに完結しましたね!
これで書き手も増える………筈
では優勝パーティー編もといGW編、はじめさせていただきます

☆さん
別に浜面や半蔵スキルアウト達が応援に来てるのを知ってるわけではないのでそのパーティーに参加する必要はないかと思います

――――――――――

「では、今回の優勝を祝して……」
「「「「「乾杯ー!!!」」」」」

 吹寄の合図で全員がグラス(言うまでもなく中身はジュース)を持ち上げて乾杯をした。
 しかし、その乾杯の時に揺れたグラスからこぼれたジュースが上条の頭にかかった。

「……不幸だ」
「と、当麻大丈夫だって!きっといい事あるからさ!」
「いや、美琴がいるだけで俺は幸せだぞ」
「当麻………」

 開始10秒ほどで早速いちゃつき始める上琴。
 周囲の人たちは、もう勝手にやってくれと言わんばかりに離れていった。

「みんなー、どんどん作るからどんどん食べてね」
「なあ〜、なんで優勝に貢献した真夜が調理とか雑用やってんだよ〜」
「真昼さん、そんな事言わないでよ。俺が好きでやってんだしさ。……はい、大好きな麻婆豆腐」
「ん、サンキューな。……ウチの味付けより辛くないな」
「………それは、あんだけ辛かったら殆どの人が食べられないよ」
「……アレがうまいのに」

 実は超辛党の真昼はこの麻婆豆腐の辛さが物足りないらしく、不満げに愚痴をもらしはじめた。
 それを見ていた真夜は仕方ないなと言わんばかりに豆板醤を真昼に渡した。

「……自分のとるぶんの所にいれてよ」
「やっぱり気が利くなー。そういう所、好きだぜ」

 そういう笑顔が俺も好きだよ、と言い残して真夜はまた調理場に戻っていった。

――――――――――

 一方、別の場所では白雪と茜川が仲良そうに話していた。
 当然、話の内容は今日の試合の事だった。

326:2011/06/09(木) 21:52:11 ID:28O/qz2E
……残念。
真羅さんの方はどうやら息子達とすれ違ってしまったようで……
朝陽さんと絡ませようかな……

327:2011/06/09(木) 21:58:36 ID:28O/qz2E
>>324
正確には今出ているキャラで精一杯といったところですのでこれ以上の新キャラの増加は
こちらでは控えることとします。

少し制作裏話を。

328:2011/06/09(木) 22:18:36 ID:28O/qz2E
実は新坂道男は>>96を書いている最中に、この賭けを成立させるために生みだされたキャラです。
あのカップルだと通常女の子の方が所謂お嬢様なのですが、それだとどうしても麗奈がこの賭けを成立させないということになるため、
通常とは反対に男の子の家の方がお金持ちということにしました。(まったく、作者の手を掛けさせる天然君です)

原作だと、やっぱり統括理事会がお金持ちの印象が強かったので職業は決まったのですけど
そうなると、土御門が19巻で言った「統括理事会の善人」の中に入らないような人である一方
やっぱり彼の父親なんだからとんでもない下衆や悪人は違和感あると悩んだ結果
ホーレス・デ・ヴェレ・コールという実在したとんでもない悪戯者のイメージが思い浮かび、
土御門以上のトリックスター的性格になりました。現在ではさながら
「封神演技」(藤崎竜)の申公豹というキャラみたいなものでしょうか。

あと、潮岸や親船のように、学園都市を運営しているキレ者としてちゃんと役割や得意分野を与えたいと考えた結果
大衆を煽るメディアなんかが相応しいような感じがしました。
当初は設定合わせの為に作ったキャラのはずなのですが、なんかすっごい暴走しそうです。

裏設定
・天体観測や宇宙開発部門にも力を入れていて、(礼男が星空に興味を持ったのは父の影響といえる)その理由は
「宇宙人がいたら面白そうだから」
「月や火星に行ってみたいから」といった彼らしいものらしい。

329:2011/06/09(木) 22:22:38 ID:28O/qz2E
彼らしいものらしい。→彼らしいものだという。

真羅とレイシェルも、セレナの設定でどうしても
科学者を絡ませたいので昔にちらっと出てきた設定を拝借させてもらったのと
「学園都市の大科学者」というとなんかイカレ狂った人という印象がある一方
こっちも真夜と真昼の父親という設定故の歯止めがあったのでこうなっちゃいました。
清々しい程の下衆な人を書くことって難しいんだなと痛感。

330:2011/06/09(木) 22:42:39 ID:28O/qz2E
ただ、こっちの2人はまだキャラがはっきりとしていない感じです。
せめて独特の口癖位決めとけばよかったかな。

331±:2011/06/13(月) 18:49:27 ID:W6hjWdpw
うーん………書き手が来ない……………
もし書きにくいのであれば白雪と茜川のからみをなくしてください
………むしろ試合の事が難しいのか?

332ё:2011/06/13(月) 18:53:57 ID:84frBEPA
 ちょっと考えることがあったので投下遅くなりました。

――――――――――

「赤音ちゃん、体の方はもう大丈夫?」
「うん♪ 来てくれた先生の腕が良かったからね〜。心配してくれてありがとね月夜ちゃん」
「良かった、安心したよ。けどお互い、決勝ではあまり活躍出来なかったね。赤音ちゃんの場合は前半しか出場してなかったこともあるけど私は……」
「しょうがないんじゃないかな〜。月夜ちゃんは徹底的に抑え込まれてたもん。でも決勝ゴールのアシスト、見事だったよ♪」

 白雪と茜川、親友同士の会話は実に楽しそうではあるのだが食べている料理がかなり変わったものだった。
 BLTサンドを食べているのは白雪だが挟まれているベーコン、レタス、トマトから冷気が発していて見るからに冷たそうなもの。
 片や茜川はミートドリアを食べているがあまりの熱さにミートドリアが激しくボコボコと音を立てているもの。
 両極端な料理を白雪と茜川が美味しそうに食べているのを周囲のクラスメートは信じられないといった風な視線を送っていた。

「月夜ちゃんが食べてるBLTサンドって土御門君の妹さんのお手製?」
「うん。舞夏のこうゆう気配りはさすがメイドって感じだよ。そうゆう赤音ちゃんのミートドリアは井ノ原くんが作ったんだよね?」
「もっちろん♪ 真優しくて気配りも完璧、でも時には怒ってくれる。私も真昼ちゃんも真夜君が恋人でホント幸せ〜♪」
「はいはいごちそうさま。でも料理を作ってくれる男の子が恋人ってちょっと羨ましいよ。私も元春に料理作ってもらおうかな〜」

 会話に華を咲かせつつ白雪と茜川は次の料理のリクエストを考えていた。

――――――――――

「いやー、一時はどうなるかと思ったが何とか2人でも回るもんだなー。なかなか出来るなー、えっと」
「井ノ原真夜だよ、土御門さん」
「そっかー、お前が例の双子の弟かー。よろしくな真夜ー」

 調理場で慌しくも会話をしながら料理を作る余裕を見せているのは舞夏と真夜、時折来るリクエストにもきちんと対応出来ている。
 本来ならあと2人調理場で料理を作っているはずなのだが、

「建宮のおっさんと神裂さんって人、料理作るどころじゃ無かったね。2人がどんな料理を作るのか楽しみだったのになぁ」
「私も同感だが無いものねだりしても始まらないんだぞー。それに今となってはあの2人が復活してもかえって邪魔だからなー、正直言って」

 舞夏の言葉を少し酷いと感じながらも真夜は今のリズムを崩したくは無かったので同意見だったりする。
 そして2人は楽しげに料理を作り続ける、皆にパーティーを愉しんでもらう為に手伝ってもらうことを断る雰囲気を出し続けて。

――――――――――

 その一方で本来なら調理場で料理を作っているはずだった神裂と建宮はテーブルの一角を占拠して、もの凄く落ち込んでいた。
 お互い無言でウーロン茶を飲んでいる神裂が落ち込んでいる理由、それは当然ながら初春の渡英に他ならない。
 そこへやや申し訳なさそうに土御門がやって来た、右手には沢山のねぎまと串かつを乗せた皿、左手には小萌にばれないように舞夏に用意してもらったオレンジチューハイを携えて。

「にゃー、お2人とも心中お察しするぜい……。2週間も初春ちゃんがイギリスにおぶっ!」
「よくもまあぬけぬけとそのようなことが言えますね。飾利の渡英をっ! 知っていながらっ! 止めなかったっ! 重罪人がっ!」

 いつもの調子で話したのが悪かったのか、土御門は神裂の怒りを買ってしまい5回ほど顔面をテーブルに叩きつけられてしまう。
 聖人たる神裂の手でテーブルに叩きつけられた土御門のダメージは深刻で意識が飛びかけるほどだった。
 そこへ周囲にばれないように回復魔術で傷を癒してくれた建宮に感謝しようとした土御門だが、

「女教皇様も落ち着くのよね。この重罪人を殺るなら話を聞き終わってからでも全く問題無えのよ」

 単に話をさせる為だけにしてくれたことを知ると一瞬で感謝の念は消え去った。
 土御門は目の前の初春バカの2人に真面目な口調で今回の件について話した、当然ながら自分が初春の渡英を今日知ったことも忘れずに。

333ё:2011/06/13(月) 20:10:23 ID:84frBEPA
「成程。あなたも飾利の渡英は今日知ったはいいが渡英理由は知らされていない。そうゆうことですね?」
「まあな。闇咲と対馬が同行するって話だから十中八九魔術絡みだろう。おおかた最大主教が」
「飾利姫のあまりの可愛さにとうとう我慢出来なくなって自分の手元に置こうって考えたわけか、あの年齢不詳の女狐め」
「いや、そんなことは絶対に」
「むぅ、飾利の愛らしさなら起きうる事態ですね。建宮、こうしてはいられません! 我々も急ぎ飾利を追いあうっ!」

 人の話を聞かず、勝手かつおバカな結論を出す神裂と建宮に呆れた土御門は暴走しかけた2人を止めようとした。
 そこへ個展の最終チェックを終えたシェリーが神裂の頭をはたいて暴走を抑えた、真夜に作ってもらったぺペロンチーノを食べながら。

「ったく天草式のトップとナンバー2のお前らが取り乱してどうすんだよ。そんなんじゃ飾利も安心してイギリス行けねぇだろ」
「シェ、シェリー……」
「事情なら私が話してやる、包み隠さず全部な。だからもう妙なこと考えたりするなよ。飾利を困らせたくなかったらな」

 そしてシェリーの口から初春の渡英の理由、その間に入れ替わるように学園都市入りするオルソラとアンジェレネの目的が語られた。
 神裂と建宮はローラの目的に多少納得できなかったものの、キャーリサとヴィリアンとの思い出作りの為の渡英に納得した。
 土御門はローラの呼び出しと初春のイギリスの2人の義姉への配慮にそれぞれのらしさを感じる中、オルソラとアンジェレネに監察役が務まるのか心底不安になった。

「基本、オルソラとアンジェレネの監察対象は私とお前ら2人だけど土御門、お前や他の学園都市支部の奴らも対象に入ってるだろうから気を付けろよ」
「心得てるぜよ。あの2人に監察なんて出来るとは思えねぇけどそれなりに大人しくするから心配いらないにゃー。ねーちんと建宮も分かってるとは思うが」
「分かっています。飾利が居ないからといって腑抜けるようなことはしません。しかしオルソラとアンジェレネが飾利の代わりとは全く以って割に合いませんね」
「それは仕方の無いことなのよ女教皇様。にしてもシェリーには話して我らにはお話して下さらなかったとは……物悲しいものがあるのよな」
(そりゃお前らがそうゆうリアクション取るって飾利が分かってたからだっての……)

 失意のどん底からようやく立ち直った神裂と建宮を見て土御門とシェリーは安心したが、やっぱり初春不在ということを考えると不安が少し残った。
 立ち直った2人が本来やるべきパーティーの料理作りに向かおうとしたが、調理場から発せられる雰囲気を感じ取り向かうのを止めるのと同時に暇になってしまう。
 とりあえず何か食べようとしたその時、神裂の携帯が鳴ると神裂は相手が誰かも確認せずに電話に出た。

『もしも』
「飾利ですね! 良かった、渡英する前に貴女の声が聞けて!」
『あ、あの火織お姉ちゃん、黙ってイギリスに行くことになってゴメンなさい。けど安心して下さい、必ず火織お姉ちゃん達の所へ帰ってきますから』
「いいんです、いいんですよもう……。私も建宮もこうして貴女が電話をしてくれただけで充分です。ところで今どちらに居るのですか?」

 電話を掛けて来た初春から第二三学区の国際空港に居ることを伝えられた神裂、今回は心に余裕が出来たので建宮にも初春と話す許可を与えた。
 建宮も初春の言葉を聞いて心から満足していた、ただし初春と神裂の会話内容と殆ど同じことに気付かずに。
 神裂は建宮から電話を返してもらうとオリアナが居ることを初春から聞かされたので、オリアナと電話を代わってもらった。

334:2011/06/13(月) 21:09:45 ID:NcHUVPb2
「はーい。天草式の聖人さーん。こちらオリアナ・トムソン。
 貴方とまあた遊べなくなっちゃったのは残念だけど安心してえ。
 プロの『運び屋』の名に懸けて貴方の可愛い妹ちゃんはお姉さんが責任を持って
運んであげるからね♡」
「また…?」
「あっ。いやいや、こっちの話よん。」
 何だか気になることを言われたのだが神裂にとってそれ以上に気になることは。
(な……何ていうか……私とはとても相いれなさそうな危険な香りを感じさせる女ですね。
 こんな女に本当に飾利を預けて大丈夫なんでしょうか)
 若干の不安を感じつつも、とりあえず飾利の『輸送』についての確認を慎重に取ることにした。
 だがこの後の彼女の卑猥極まりない発言の連発により飾利の身を別の意味で非常に案じることになるのだった。

 一方盛り上がっているパーティーの中、その誰にも気付かない異変に気付いたのは同じく誰にも気づかれずにいたとある少女だった。
「……服部君と。半蔵君は。どこ?」

・男子トイレ
『えー。そっちの方に参加するんですか―?』
「ほんっとゴメンな。まさか正直お前らが来てくれてたとは知らなくて……」
『仕方ありませんね。後日2人の為に別に打ち上げ用意してあげますよ。主役なんですから。』
「いやもうほんとすまん!!」
 半蔵は別の場所でパーティーを開催していたスキルアウトの仲間達と連絡を取り合っているところで、側では浜面もメールで謝罪していたのだが。
「……ん?お、おい!半蔵!代われ!貸せ!」
「どうした浜面?」
 半蔵から携帯をもぎ取った浜面は電話の向こうにいるスキルアウトに確認した。
「植森、本当か!お祝いとして京都に行けるって!費用なしで!」
「なにーーーーー!!」
『ああ、言い忘れていましたね。ほら、新坂と苑内の奴らも来てて、ノリで一緒に楽しんでたんですが……』
「ゲッ!まじかよあの化け物カップルが!!」
「ええ、それでですね……」
 それから浜面は、彼らが新坂と苑内のトトカルチョの外ウマとして乗ったこと。
 その結果乗った苑内に勝ったということで、天然坊ちゃん新坂礼男の費用持ちで、夏休みの蛍体験もできる京都観光旅行に行ける旨を知らされた。(ついでに学園都市統括理事会が友愛高校のマネージャーになる件も)
「うわー!マジかよ!!」
『ほんっとあなたたちさまさまですよ。行きますよね?』
「あったりめえだろ!なあ、半蔵!」
「異議なし!!」
『あ。ですが一つ補足が……』
「ん?何?」
『俺達とお2人さんと新坂、苑内を入れたらあと1人しか連れてこれないらしいんですよ。
予算の都合で。
 ですからその、2人の恋人に関しては……』
「………」
「………」
 互いに顔を見合わせる浜面と半蔵。しかしやがて
「…譲るよ。半蔵。」
「…い、いいのか?だって、お前も、その、あいつと…」
「滝壺は暗部で稼いだ貯金があるって。
 だけど……」
「?」
「こういうのってさ……男の方が他人に出してもらって、女には自費でって……何かかっこ悪いだろ?」
「………」
「だからだ、その……もし行くとしたらさ……何とかバイトでも何でもしてちゃんと稼いで……自分の分は自分で支払いたい。
 というわけだ植森。
 俺の分は空けて郭ちゃんを入れてくれ。」
『浜面さん……』
 思ったら初めてかもしれない。
 それまで裏路地の汚い仕事で金を得てきたただの高校生の浜面が、全うな方法で金を得たいと思ったのは。
 それはもしかしたら、それまでの不良少年としての人生からの決別をはっきりと決意した故だったかもしれない。とにかく。
『分かりました。でわ……』
「ちょっと待って。」
「「え?ひ…姫神様?」」
 球戯大会が終わったにも関わらず、特訓によって背後から感じてしまった威圧に思わず振り向いた2人。その目の前には。
「聞かせてもらった。その話の流れだと。あと1人分は空くんだよね。」
『「「そ、その通りですが……」」』
 物静かな威圧を込めた声に、彼女と話したことのない植森ですら敬語になった。
「2人を率いて。抜群の。チームワークを見せて。チームに貢献した私を外すって話は。無いよね。」

335:2011/06/13(月) 21:12:15 ID:NcHUVPb2
そういうばかなり昔の話なんですけれど
月夜の超能力者昇格パーティーで、一方通行と土御門が
「よく人を殺した後に飯なんか食えるな」って言い合っていましたが
店に行く前に「グループ」として何か仕事していたんでしょうか?

336:2011/06/13(月) 21:19:10 ID:NcHUVPb2
 その結果乗った苑内に勝ったということで、
 ↓
 その結果乗った苑内が勝ったということで、

以後の本編で絡ませるべきか外伝で出すか迷うエピソード

・学校全体のパワーバランスを保つために苑内に呼び出された絹旗。
 その場に同行した佐天(苑内×新坂の関係は知らない)が、苑内に新坂への想いを打ち明けてしまい……

後日談
・新坂と佐天のデートをセッティングしてしまい、浮かない気持ちでいた苑内。
 絹旗達と会ったことでB級映画で憂さ晴らししようとし。

337:2011/06/13(月) 21:26:50 ID:NcHUVPb2
余談ですが、苑内と新坂は
現在それぞれの家に帰っています。彼らは健全な青少年ですので。

338:2011/06/13(月) 23:41:47 ID:NcHUVPb2
パーティー本会場では、別の人物の電話も鳴っていた。
「ん?母さんか。ああ、真夜は今パーティーの調理中。
 そっちは?ああ、父さんと。」

339ё:2011/06/14(火) 20:45:35 ID:EbLoHZv.
 真昼に電話をかけて来たのは母親でもある朝陽、子供達(茜川含む)への釘刺しが主な用件だった。
 朝陽に言われるまでも無く真っ直ぐ家に帰るつもりだった真昼は少しうんざりしながらも母親の忠言を最後まで聞いた。
 真夜と茜川はともかく真昼は羽目を外しまくると予想していた朝陽は娘の態度に安堵した後で、

『それはそうと真昼。さっきから私や真羅のことを母さんとか父さんって言ってるけどどうかしたのか? いつも通り』
「ちょ、ちょっとは女らしくしようって思ってだな……。いつまでも母ちゃんや父ちゃんじゃ女らしくねぇだろ?」
『無理する必要は無いと思うぞ。真夜だってありのままのお前に惚れたんだろ? だからそのままでいろ、変わる必要なんてどこにも無いんだからな』
「……ありがとな母ちゃん。今日は父ちゃんと飯食えるといいな」
『どうせ今日も研究に没頭して泊り込みってパターンだろ。ま、そうなったら2人分の飯を私が食えばいいだけだし』

 我が娘の追求する女らしさのズレに呆れながらも真昼に自分らしくあれと諭した。
 ちなみに井ノ原家の父でもある真羅だが、自身の研究に没頭する癖があり約束を忘れることもあるのだが家族全員慣れっこだったりする。

「んじゃそろそろ切るな。母ちゃんは父ちゃんが喜んでくれそうな美味い飯でも作ってやれよ」
『ああ。それとな真昼、女らしいお前を想像してみたんだが正直に言う。親の私から見てもすっげー不気味だぞ。じゃあな♪』

 最後にとんでもない暴言を残して電話を切った朝陽に最初は怒った真昼だが、冷静に考えてみて自分でも不気味だと納得してしまいちょっと悲しくなった。
 気晴らしに真昼は【線形視認】を使って周囲の感情のベクトルを見ていると面白い動きをしている2つのベクトルに気付く。
 その2人が何かコソコソと話しているのに気付いた真昼は会話内容を聞きたいと思ったが当然ながら小声の会話など聞こえるはずもない。
 するとどうゆうわけか1人寂しくブラックコーヒーを壁にもたれてストローで飲んでいる一方通行を発見すると、

「おーいアクセラ。何1人で黄昏てんだよ?」
「ンだよ姉の方か。今、打ち止めが上条と御坂の所に行ってて暇してンだよ。そうゆうテメェは俺に何か用事でもあンのかァ?」
「あそこに吹寄と紫木が皆から離れて話してんだろ。紫木はともかく吹寄がオレンジとピンクの入り混じったいい感じのベクトル出してんだよ」
「確かオレンジは好意でピンクは愛情……それがゴチャゴチャになってるベクトルをデコ女が出してるってかァ。面白ェ会話が聞けそうじゃねェか」

 球技大会を経ていい感じになっている吹寄と情報屋の会話を盗み聞きさせるようにベタながらも誘導、一方通行もあっさり受け入れた。
 一方通行は少し精神を集中し、周囲の声を遮断しながら吹寄と情報屋の声のみをよく聞こえるようにベクトルを操作し始めた。

――――――――――

「というわけで初春は無事にイギリスまで送り届けるから安心なさい。第二王女と第三王女たっての頼みでもあるし。あ、お姉さんのおっきな胸でもあの子を守ってあげるから♪」
『どうやら移動手段には別段問題は無さそうで……待ちなさい! 誰の胸で飾利を守ると?』
「お姉さんの胸でよ♪ 何だったらこの柔らかくて気持ちいい胸であの子を抱きしめちゃおうかしら? 一緒に添い寝もいいわね〜♪ そうそうお風呂も一緒に」
『そこで待っていなさい破廉恥魔術師! 私の唯閃では、放しなさい土御門! 建宮にシェリー、あなた達ま』

 イギリスまでの移動手段を神裂に説明した後、気紛れに神裂をからかったオリアナだが予想以上の反応に途中で電話を切った。
 少しやり過ぎたと反省していると初春、対馬、闇咲から窘められてしまう。

340:2011/06/14(火) 21:11:19 ID:X9rjNO4o
いや、単に忘れていただけです。
真昼が両親を「母ちゃん」「父ちゃん」と呼ぶこと。

もし、戦争における対抗戦案を採用するのなら、「ブレイン」の幹部達の総称ですけれど、
「ジャック・スポット」っていうのはどうですか?

341:2011/06/14(火) 21:11:59 ID:X9rjNO4o
違った、「ジャックポット」だった。

342:2011/06/14(火) 21:15:03 ID:X9rjNO4o
メンバーについては色々思い浮かぶんだけど
みなさん新キャラ増加についてこれていないみたいで……
もし気があるのならちょっと設定とか載せてみます。
あと、>>336のエピソードっていつかやる予定…あります?

343ё:2011/06/14(火) 21:25:25 ID:EbLoHZv.
「ダメですよオリアナさん。火織お姉ちゃんは純粋な上にいい意味でも悪い意味でも真っ直ぐな人なんですから」
「初春の言う通りだ。私は君とは初対面だがただの好奇心で人をからかうのは良くないな。もう少し大人の対応を望む所だ」
「確かにからかいが過ぎたわ、反省してる。……それよりも対馬って言ったわね。お姉さんの喉元に突き立ててる物騒な物を引っ込めてくれない?」

 初春と闇咲は割と軽めの窘めだが天草式の対馬は女教皇である神裂へのからかいを許せず、迷い無くオリアナの喉元へレイピアを突き立てる。

「ご心配なく。きちんと認識阻害の術式をかけてますので。先程の女教皇様への態度を改めると誓ってくれればすぐに下げますのでご安心を」
「わ、悪かったわよ。これからは天草式十字凄教のトップに相応しい対応をするから、ね?」
「対馬さんもこの辺で許してあげて下さい。オリアナさんも悪気があったわけじゃなくて火織お姉ちゃんとコミュニケーション取りたかっただけなんです。悪乗りが過ぎたとは思いますけど……」
「……まだ反省の色が見えない気はするけど初春もああ言ってくれてることだし許してあげるわ」

 多少納得出来ない所はあれど初春からの言葉も受けてオリアナを許した対馬、スムーズにレイピアを袋に収めた。
 そして搭乗手続きを済ませた初春たちはオリアナの案内で自分達が乗る飛行機がある場所へと向かう。

「それにしても王族の専用機に乗れるなんて夢みたいです♪ てっきり噂に聞く超音速旅客機に乗らされるとばかり思ってましたから」
「第二王女と第三王女からのお達しでね。イギリスまでの空の旅を快適かつ幸せなものにしろって話なのよ。ホントに貴女ってあの2人に愛されてるのね」
「アハハ……。じゃあステイルさんも?」
「ステイルって確かルーン魔術の子でしょ? あの子は問答無用で超音速旅客機よ。最大主教が結構怒っててね、地獄の空の旅を提供するみたい」

 ステイルに同情しながらも対馬と闇咲は初春と同行するだけでVIP扱いされることをラッキーと思っていた。
 そして王族の専用機に乗り込んだ初春一行はイギリスに着くまでの長い間、快適かつ幸せな空の旅を堪能することに。

――――――――――

 その頃、吹寄と情報屋の会話を聞く為のベクトル操作を終えた一方通行はかなり楽しみにしていた。
 聞こえてきた内容、それは今日の決勝の頑張りと明日の学校で課題を受け取った後のデート(吹寄曰く遊び)についてだった。

――――――――――

☆さんの>>336のエピソードは外伝でお願いします。
こうゆう本編にあまり関係無さそうな話こそ外伝でやって欲しいと思うので。

344■■■■:2011/06/14(火) 23:39:28 ID:LFJ/Wzgg
ついてこれないというか、あまり登場させ過ぎて原作から離れすぎるのが嫌なんじゃ無いかと
特に原作キャラとオリキャラのカップリングとかは嫌悪感とまで言っていいかは分かりませんが
好み時では無い方も多いでしょうしね。

そういう意味で原作キャラとオリキャラの日常パート以外の絡みは
外伝スレの方でやった方がいいかと

345■■■■:2011/06/14(火) 23:42:07 ID:LFJ/Wzgg
訂正

好み時では無い方も多いでしょうしね。

好みでは無い方も多いでしょうしね。

346:2011/06/15(水) 00:42:40 ID:bnl1b3DM
ありー、柵川中学も友愛高校並みの曲者ぞろいにしたかっただけに残念。
個人的には原作キャラ×オリキャラ(土御門×月夜)なんかより
白井黒子×青髪ピアスのカップリングの方に違和感を感じますね。

どうでもいい話。

登場させる気は毛頭ないんですが、この調子だともし月夜の母親なんてのがいたとしたら、
「黒夜」は被るから「闇夜(やみよ)」といったところでしょうか。
白雪闇夜……なんか悪の親玉みたいだな。

347■■■■:2011/06/15(水) 01:07:57 ID:h1rqyeZg
どうでもいい話のベクトルがその文体だとわからねェんだが
上下どっちに向いてるんですかァァァ

348:2011/06/15(水) 12:45:56 ID:o.Hd9lWY
下。のつもり。
でも上もどうでもいいっていえばどうでもいい。

349■■■■:2011/06/15(水) 16:58:52 ID:4fg0njdY
勃起不全のおっさんvsヤリマン娘w※画像有り
ttp://yariman.zxq.net

350:2011/06/15(水) 17:58:38 ID:dqk4y2Yk
>>344
え?>>336の佐天×新坂って
日常パートの絡みだと思っていました。

351■■■■:2011/06/16(木) 00:44:00 ID:yuKoYgm6
>>350
日常ではあるかもしれませんがスレタイにある通りここは上条さんの
高校が主であって佐天さんの在籍している中学は本編とは違うと思うのです

その考え故に外伝の方かなと

352:2011/06/16(木) 01:32:46 ID:8L/4o3qw
分かりました。

353:2011/06/16(木) 01:35:04 ID:8L/4o3qw
じゃあ……本編でそれとなく佐天さんが新坂君を意識しているぐらいに
留めておきます。

354:2011/06/16(木) 01:36:36 ID:8L/4o3qw
本編で→本編では

355■■■■:2011/06/21(火) 23:53:16 ID:vpI5mGGg
www

356±:2011/06/22(水) 22:22:16 ID:qRjedTeM
皆さん、お久しぶりです。
ここ最近テストが近づいてきたのでこの場に足を運ぶ事が少なくなり、書き込む事が出来なくなってきました。
とりあえず7月はじめにテストが終わるので、それまではあんまり来れませんが、暇があれば書き込むので、その時はよろしくお願いします。
………受験生はつらいぜ

――――――――――

「………ところで、情報屋。課題貰ったあとの遊びに行く計画はちゃんと出来てるのか?」
「ああ、それなら―――――もしかして楽しみにしてくれてるのか、吹寄――?」
「ちょっ!!な、何を急に言い出すのだ、貴様はぁ!ただ聞いただけだろう!自惚れるな!」

 顔を真っ赤にしながら完全否定し始める吹寄。
 端から見たら完全にツンデレなのだが、それを聞いた情報屋は精神的に大ダメージをおっていた。

「そっか……吹寄は俺と出かけるのがそんなに――」
「――そ、そんな事は言ってない!………で、結局どこに行く予定だ?」

 自分が言った言葉が情報屋を傷付けた事に責任を感じた吹寄はすぐさま話題を変えた。
 そのあと、情報屋は自分の考えている計画を話したが、それが実は聞かれており、当日に様々なメンバーがその場に集まって来ることをまだしらない。

――――――――――

 一方、そのころ青ピと土御門は会場の中心で論議を繰り広げていた。
 その論議の内容とは…………………………

「何をいってんねん、ツッチー!チアの服が一番似合うのは黒子はんにきまっとるわ!」
「青ピ………それには賛同できないにゃー。チアが一番似合うのは月夜以外いないぜい!」

 ――ただの自分の彼女が一番チアが似合うという事を主張してるだけだった。
 当然、この状況でその会話を止める奴はおらず、むしろ会話に加わる者もいた。

「何言ってんだ。美琴がこの世で一番かわいいに決まってんだろ!」
「チアは関係ないが、真昼さんと赤音さんが一番に決まってる」
「あっ、淡希だって負けてないよっ!」
「馬鹿め!滝壺が一番だぁ!」
「さすがにそれには賛同出来ないぞ、浜面。郭が一番似合ってた」

 なんとクラス内の彼女持ちの奴らが一同に集まって彼女自慢を始めてしまった。
 一方で、それを聞いている彼女たちはそれぞれ様々な反応を示していた。

357:2011/06/22(水) 22:31:22 ID:FG.Gj4jg
ジャージや和風やメイド雪女や変態のチアってどんななんだろ。

358:2011/06/22(水) 22:39:33 ID:FG.Gj4jg
あと真夜、こればっかりは1人に決めてくれ。

359:2011/06/23(木) 19:56:05 ID:IAS.sh5s
訂正
>>95
父さんと母さん→父さん 新坂家の設定ができたのはこの後です。
>>297
一週間→二週間
>>127
『アイテム』ほど彼女を邪険にすることこそなかったものの→『アイテム』に対するほど邪険にすることこそなかったが、

――――――――――――――――――――――――――――――――

 治療を終えたセレナが返った後の研究所では、帰り支度を始めていたレイシェルが、論文を書き続けている師に話しかけた。
「せんせー、息子さんとは会えたんですか?」
 それを聞いてピタ。と真羅が手を止めてしばらく時間が止まり、やがて彼は切り出した。
「いや。あのあと優勝パーティーにまっすぐいっちまってね。また会えずじまいさ。」
「そうですか。」
 なんとなく聞いただけだったのでそのまま帰ろうとしたら、真羅がぽつりと続けた。
「……いつもそうなんだよなあ。」
「は?」
「あいつらが中学生の頃の一端覧祭、見に行くって約束してね。
 前日は学会での発表のみにした。」
「ふーん。それで?」
 口調は変化無し。その代わり真羅はそこでギリッと止まっていたペンの筆圧を上げた。
「当日。バカな教授達への分かりやすい説明を求められるやらやら、挙句の果てには
『実際見せてくれ』ということでの実習まで行って結局午後までかかって
会えずじまいだったさ。」
「……あー……」
「翌年の大覇星祭にも、参加することを約束した。」
「……どうしたんですか?」
「当日、何か暗部でごたごたがあって私の力がいるとかでひっぱりだこになった。」
「……天才って辛いですね……」
「んで、久々に一家団欒になったら、知らん間に娘と息子がインモラルになってて、妻が
当たり前のようにそれを受け入れていた。あと、これは私個人のことなんだが……」
「はい?」
「実家の実父の危篤を受けて、急いで実家に帰ろうとしたら……」
「間に合わなかった。」
「ああ、仕事を『最低限』に抑えて急いだにも関わらず20分程遅く、死に目に立ち会っていたのは
息子ではなく義理の娘と孫達というのを見てどうにもな……」
 ふう、と溜息をついた男にレイシェルは話しかけた
「今からでも帰ったらどうです?」
「だよなあ。このペースだと子供達の結婚式や葬式にも遅れちまう。(まあ恐らく真夜と茜川とかいう方とだろうな……多分。)
 だから……浮気なんかもされるんかいなあ。」
「え?されてるんですか?」
 思えば教職上の理由と言っていたが、夫婦であるはずの彼等が息子の活躍の日に別行動をしていたのはていたのはそんな事情があったのだろうか?
「お前、妻を見たろう、いくつに見える?」
「30代でしょうか?」
「正解は41。私と同年代だ。」
「…若々しいですね。」
「美人か?」
「醜くはないですね。」
 正直で悪くないはずの答えを聞いた真羅は心配ごとが当たった風にげんなりと溜息をついた。
「はあ、やっぱりか……正直年相応の見た目だったらまだ安心できんだけどな。
 なんか最近態度が急に優しいし……」
「いいことじゃありませんか?」
「子供には分からんさ。」
「?えーっと……じゃあ、そっちは浮気とかしないんですか?
 ほら、同僚の研究者にも美人なのとかが確か……」
「こういうのに携わっているとな。人間の見た目の美しさにどうもあんまりビビッと
こないんだよ。」
「ああ、何か分かります。」
13歳で大学を卒業して学園都市の最先端研究にも携わっている天才少年をして「天賦の才」と言わしめた程の研究者を見たレイシェルはなんとなく納得した。
(そりゃぁ普段から人の体いじくりまくってたらねえ。むしろ実験に性的に近い興奮感じるような人ですから。もちろん子供いるから普通の性欲もあるでしょうけどね。)
 そしてもしここにセレナかミランダがいたなら、恐くてとても口に出せはしないものの思っただろう。

 必要ないだろう。普段から自分を含めて老若男女問わず、主に「置き去り」なんかを実験(凌辱)しまくっているあんたには。

 そしてそんな師匠の窮状に流石にいたたまれなくなった少年は話題を戻すことにした。
「帰ったらどうです本当に?」
「ああ。そうするよ。球技大会の勢いにでも乗る気だったが明日にでも仕上げるかこれは。
 ありがとう。」
 真羅はそう言って書きかけの原稿を放っておいて帰り支度をして呟いた。
「でも結局子供達は恐らくまだパーティーだろうな。家にいるのは妻のみだろ。」
「いい機会じゃありませんか。しっぽり愛し合いましょうよ。」
「馬鹿!師をからかうな!」
 レイシェル・フーバーは、顔を赤くして怒った師を見て、とりあえずドームでのお返しができたことに満足した。

360:2011/06/23(木) 20:19:56 ID:IAS.sh5s
真夜の浮気なんかとは無縁な気質は
こういうところを受け継いだのかもしれませんね。

361:2011/06/23(木) 21:38:31 ID:IAS.sh5s
返った→帰った

362ё:2011/06/25(土) 21:38:55 ID:GSyT8o5k
「○○さま、黒子をそのように想って下さるだなんて感激ですわ! 今宵は黒子流フルコース夜伽をギャフンッ!」
「バカなこと言ってんじゃないわよ、というかフルコース夜伽って何よ……。どうかした? 滝壺さん」
「しらいに雷撃お見舞いしたのにみさかの顔にやけてる。やっぱりかみじょうにこの世で一番かわいいって言われて嬉しい?」
「……ちょっと言いすぎかもって思ったけどやっぱり嬉しいものは嬉しいみたい。滝壺さんも人のこと言えないと思うけどなー」

 髪の毛をもっさりアフロにして気絶した黒子をスッパリ忘れて自分の恋人の言葉を嬉しく思っている美琴と滝壺、分かりやすい位に顔が緩んでいる。
 美琴と滝壺が静かに喜んでいるのとは対照的にテンション高めで喜んでいるのは郭。

「聞きましたよね白雪氏、茜川氏! あの半蔵様が私のことを皆さんの前で、皆さんの前で……キャーッ! 私、幸せすぎて困っちゃいます!」
「く、郭さん落ち着いて……って無理だね。会話の内容はともかくやっぱり好きな人に一番って言われるのって嬉しいよ♪ 赤音ちゃんは……ちょっと違うかもだけど」
「私? 私はいーのっ♪ 私と真昼ちゃんを同じ一番に想ってくれてこその真夜君だもん。私としては料理の手を休めて発言してくれたことがポイント高いよ〜」

 郭のテンションの高さに圧倒されつつも、やっぱり自分の恋人に一番と言われて嬉しい白雪と茜川であった。
 ちなみに真夜があの集まりに参加したのは発言したほんの一瞬、発言後はすぐさま厨房へと戻って料理作りを再開させている。
 そして本来なら翔太の発言を聞いてハッスルしそうな結標だがここには居ない、心理掌握の能力で友情が一番状態が継続中で【歩く教会】チームのパーティーに参加しているのだ。
 そんな中、1人だけあの集まりに恋人が参加してなくて寂しげな打ち止めが美琴の制服の裾をクイクイッと引っ張った。

「打ち止め、もしかしなくてもアクセラが一番って言ってくれなくて不満なんでしょ。でも仕方ないわよ、あいつってそうゆうことあまり人前で言うタイプじゃないし」
「分かってるけどやっぱり言って欲しかったなぁってミサカはミサカはパパに一番って言われたママがすっごく羨ましいって僻んでみる!」
「はいはい分かった分かった。とりあえずアクセラ呼んで……って珍しい組み合わせね」

 むくれてる打ち止めを宥めるように頭を撫でる美琴が一方通行を探すとすぐに見つかったのだが真昼と一緒ということに少し驚いていた。
 その一方通行は真昼を連れて厨房のカウンターから顔を覘かせて真夜を呼んでいる所だった。

――――――――――

「明日の紫木と吹寄さんのデートを尾行するぞって何でそれを俺に言うんだ? 一方通行」
「しゃあねェだろ、姉の奴がテメェの許可が下りねェと参加しねェって抜かすンだからよォ。で、どうなンだ?」
「なぁいいだろ真夜。俺の【線形視認】があればあいつらのフォローもしやすいし。それに何より吹寄にも分かってもらいてぇんだよ、愛の素晴らしさってやつをさ」

 真夜は少し悩んだ後で許可を出した、その間も料理を作る手を休めずに。
 一方通行と真昼はそのまま上条たちの所にも報告しようとするが、真夜から待ったがかかる。

「ただし。面白半分で2人を尾行したりしないこと。俺はあくまで紫木と吹寄さんが上手くいくように動くつもりだからさ」
「オゥ、当然じゃねェかァ。俺は基本、カップルの味方だからよォ」
「真昼さんは聞くまでもなかったね。俺は昼から参加する、当日の尾行するみんなの分のお弁当作るから。後で何人参加するのか教えてね」

 真夜は一方通行の答えがとても頼もしかったが、他に誰が尾行に参加するのか気になると同時に不安になった。
 今度こそ一方通行と真昼が上条たちの所へ向かおうとするが、今度は呼び止められたのではなく目の前に置かれたデザートに足を止めた。

363ё:2011/06/25(土) 22:14:04 ID:GSyT8o5k
「ンだ、これ?」
「コーヒーパフェ♪ 一方通行が好きって聞いて試しに作ってみたんだ。で、こっちが」
「マンゴーシャーベットだぞー。数量限定の珠玉の一品だー」

 コーヒーパフェ、要はコーヒーゼリー、コーヒークリーム、コーヒーアイスなどコーヒー味満載のパフェである。
 マンゴーシャーベットは舞夏製作で、味も三ツ星クラスではあるが20個と数に限りのあるものだった。
 一方通行はコーヒーパフェ、真昼はマンゴーシャーベットをそれぞれ口にすると、

「う、うっめェ!! コーヒーの苦味とパフェを形作る甘味がいい具合にマッチしてやがる! うめェ上に俺好みの味、やるじゃねェか弟ォ!」
「こっちのマンゴーシャーベットも絶品だぜ! シャーベットそのもののシャキシャキ感にマンゴーの果肉が残すほんの少しの柔らかさ。しかも瑞々しい甘さ、最高だぜ♪」

 これ以上無い高評価を聞いて真夜と舞夏はハイタッチで喜んだ。

「これでみんなのリクエストに応じたパフェがいけるな♪ あくまでパフェに出来そうなリクエストに限るけどみんなきっと分かってくれるから安心かな」
「マンゴーシャーベットは私の今日の自信作だからなー♪ 美味そうに喰ってくれて一安心だぞー。さー2人とも、それを食べながらそれとなく宣伝してこいー」

 舞夏に促されるまま、一方通行と真昼はコーヒーパフェとマンゴーシャーベットを食べながら上条たちの所へ今度こそ向かった。
 2人が去った後、舞夏と真夜はパーティーのお開きの時間を考慮し、デザートの準備に本格的に取り掛かるのだった。

――――――――――

「つーわけでテメェら明日、紫木とデコ女のデートを尾行するぞ。参加してェ奴は手ェ挙げろ」
「言っとくが面白半分とかは認めねぇからな。あくまで紫木と吹寄のカップル成立のフォローをするんだからな」

 上条たちと合流した一方通行はコーヒーパフェを、真昼はマンゴーシャーベットを食べながら明日の情報屋と吹寄のデート尾行の参加を募った。
 そして返答だが上条、土御門、青ピ、浜面、半蔵は手を上げて参加決定、翔太1人が手を挙げないというものだった。

「ゴメン、明日は前々から淡希が2人っきりで過ごしたいって言ってたから……」
「ま、しゃあねェか。結標の奴がこうゆうのに興味あるとも思えねェし、久々に2人っきりでいちゃつきてェだろうしな」
「となると残るは俺たちの恋人の方だな。とりあえず美琴にも話を……ってちょうと皆一緒にいるじゃねぇか。おーい美琴ー、みんなー」

 情報屋と吹寄のデート尾行参加を決めた上条だが恋人達にも伺いを立てようと思い、偶然にも美琴、黒子(気絶中)、打ち止め、滝壺、郭、白雪、茜川が一箇所で固まってるのを発見。
 上条に呼び出された恋人達は一方通行に代わり、こうゆう説明が得意な土御門が情報屋と吹寄のデート尾行について説明した後で参加するかどうかを尋ねた。

364:2011/06/25(土) 22:35:03 ID:R7wnQMz6
・裏設定
 騙され易く世間知らずな性格故に家計は妻に管理されていますが、
天才科学者である真羅の収入は朝陽よりずっと多く、井ノ原家の生活自体は
彼1人の収入でも維持できます。

365:2011/06/26(日) 21:12:58 ID:ykHja6pc
「見た目年齢30代の、そこそこの器量の女性」
井ノ原朝陽さんの外見に関する描写はこれでいいでしょうか?

366:2011/06/29(水) 23:22:21 ID:dzEwXbGk
・二人目の達成者

 友愛高校チームが宴たけなわの真っただ中、「歩く協会」チームの方はと言うと……
「こまりましたね。」
「困ったねえ。」
「超困りました。」
「困ったもんだねえ。」
 とぼとぼとぼとぼと商店街を徘徊していた。(御坂妹は、妹達の打ち上げの方に参加していた)
「うー!も、もうお腹と背中がくっつきそうなんだよご飯ご飯ごはーん!!」
「インデックスさん、皆気持ちは同じなんですよ。わがまま言わないでください。」
 心理掌握に窘められて駄々をこねているシスターを見たチームの幾人かは軽い殺意を覚えた。というのも、
当初予定していた【喰わせ殺し】での打ち上げが頓挫したのは彼女に依る所がおっきかったからだ


遡ること数時間前
「すっすまねえ皆、今日ばっかりはリクエストに答えられそうにねえ!」
 店に来たところでいきなり店長に頭を下げられて告げられた言葉に慌てふためいた
チームの皆が理由を尋ねた所、店主からの返事は更に衝撃的なものだったのだ。
「いや出ちゃったんだよ!」
「出たって何がだい?」と、顔なじみのステイルが詰め寄ると、店長は頭を掻きながら答えた。
「ここの1500円コース完食に挑戦して今、まさに制覇せんとしている兵が!」
「「「「「「「「「な、何―――!!!」」」」」」」」」
「そ、その人ちょっと見ていいかい?」
「おう、あそこだ。」
 そう言ってくい、と、店長が指差した先にいたのは。
「いやあ、あの娘にしろインデックス譲ちゃんにしろ、まさかこんなかわいい女の子達に
うちが喰い殺されるとは……分からないもんだな世の中は。」

 その少女の食べっぷりは、インデックスとは全く違っていた。
 がつがつとした、セレナが「貪るように」と形容して嫌悪を催したインデックスのそれとは違い、ごく普通に食べているといってよかった。
 ただ普通と違ったところは。
 気迫。
 一心不乱に、話をするでもなく、ただただ目の前の器や食材と格闘している、
そう形容するのが相応しい。
 背筋をぴんと伸ばしたままカッカッカッと丼を丸ごと掻き込み終えたかと思うと、味噌汁に
手を伸ばしてズズズズズ、とすすり上げ、脇の小鉢を箸でつまみ上げて食し、その次には皿に盛られた
ハンバーグをスプーンとフォークで切り分けて食す。
 動作一つ一つ自体はインデックスが挑戦したときと比べると非常に普通で、丁寧なもの
なのだが、まるでやりてビジネスマンかマシーンが高速で処理しているかのように手早くパキパキと
済ませていた。今にも手に残像がかかって数本に見えてもおかしくなさそうだ。
やがて全ての皿の料理を高速処理し終えた少女が店長を呼び、「これで完食でいいの?」と確認し、
店長からの言質を取ったところ、パチン、と、持っていたスプーン(最後に食べていたのはスープだった)を卓上に置いて手を合わせて
「ごちそうさま」と告げた。
 店内が水を打ったように静まり返る中、少女の脇にいてその様を眺めていた少年が店長に
「じゃあ、僕の分はただでいいんですか?」と尋ねるた。「おお、いいとも!」と太鼓判を押した店長は、入り口に戻ってステイルに頭を下げた。
「というわけなんだよ。2人だけとはいえただでさえ食べ放題モードになっちゃっててそっちを優先させなきゃならん今、インデックス譲ちゃんや他のみんなのお腹まで満足させられる器量が
うちにはなさそうなんだ。勘弁してくれ。」
「いや……なら仕方ないさ。悪かったね店長。」
 申し訳なさそうに何度も謝罪を繰り返す店長の様にいたたまれなくなったステイルは絶望と空腹でげんなりしている
インデックスを連れてチームの皆と徘徊する羽目になったのだった。
 その去り際、本来の恋心を押さえられたままの結標淡奇がなんとなしに呟いた。
「いけないいけない、てっきりあの男の娘にビビッときちゃった……」
 そしてボブカットの少女が、その男の娘のことを思い出して苦い表情を浮かべていたことは誰も気付かなかった。

367:2011/06/29(水) 23:24:15 ID:dzEwXbGk
「ここにしましょう。」
「はい?」
 先ほど史上2人目の偉業を成し遂げた巻き毛の女王、苑内麗奈の言葉に、板についたテーブルマナーで無料の西洋料理を食べていた
男の娘、新坂礼男が反応した。
「この店。料理のバリエーションも店内の環境も、店員の態度も、どれを取っても上位ランク。
 おまけにさっきのやり方でグループは無料。
 ここなら、今後の剣道部の皆の打ち上げや歓迎会なんかにうってつけじゃない?」
「はい。僕もそう考えていましたよ。」
 自らの意を得た答えに満足し、以後はバーにいるかのように目を瞑って一人ごちている
少女の様を見た少年はつくづく思った。
(ほーんと。嘘みたいだなさっきまでの。
 普段はあんなんじゃないのに。)
 苑内は普段から大喰らいなわけではなく、むしろ普段の食事は常人以上に簡素で
少量だ。だがその反動からか本気で。つまり満腹まで食べるとなれば、
さっきまでの取りつかれたような様相を見せ、【喰わせ殺し】の1500円コースを食べて切ってまだ余裕綽々といった表情を浮かべるほどだ。
(バレンタイン以外で生かせるとはねこの性質。)
 バレンタインには学校内の誰よりも女子からのチョコをもらってしまい、
「本人の気持ちを無碍にしたくはない」というので時間がかかりつつもちゃんと食べて丁寧に返事を出して、
そしてまた女子生徒からの好感度を上げてしまっている苑内。
 そんな生真面目な彼女が、新坂は大好きだった。

368:2011/06/29(水) 23:36:42 ID:dzEwXbGk
>>337とかなり矛盾してしまいました………

369:2011/06/30(木) 00:31:07 ID:H3TDUs3w
>>366
器量→容量

370■■■■:2011/06/30(木) 00:34:45 ID:FIJ6gGsY
誤字とかそんなれべるじゃなく読みづらいな
なんだこれ

あえて晒しage

371:2011/06/30(木) 00:39:08 ID:H3TDUs3w
あれ?読みづらい?確かに
量が
うちにはなさそうなんだ。勘弁してくれ。」
は失敗だったけれど
なるたけ丁度よく改行したつもりが裏目に出ましたかね?

372■■■■:2011/06/30(木) 00:43:15 ID:FIJ6gGsY
改行とかそんなこと言ってんじゃなくて、
全体的にごちゃごちゃっとしすぎてるんじゃねって言いんだが

セリフと地の文の間に空行挟むとかさ、もちょっとなんかゴニョゴニョ

373:2011/06/30(木) 01:10:31 ID:H3TDUs3w
分かりました。
皆さんからの要望ということでしたら、そうするよう努めます。

374:2011/06/30(木) 01:17:08 ID:H3TDUs3w
(バレンタイン以外で生かせるとはねこの性質。)

は、設定上新坂君の考えです。分かりづらかったかな?

375目から汗が…乙です:2011/06/30(木) 01:47:42 ID:LVRRxcKo
とりあえずハンバーグはナイフとフォークで食べるもんだと
思うんだが……

376涙目:2011/06/30(木) 08:36:05 ID:YcJBd1/c
他のSS作者の文面と比較すれば判ると思うんだけど
読みやすいかどうかなんて

377:2011/06/30(木) 12:10:09 ID:XNkzlGqU
>>375
すいません、間違えました。

読み易い文を目指して、もっと精進します。

378:2011/06/30(木) 14:30:17 ID:XNkzlGqU
 そんなわけで代わりの店を探してさまよう羽目になった「歩く教会」チーム。
 基本的に無言だったのだが、先ほど愚痴を窘められてふてくされていたインデックスの、

「でもでもなんなんだよ新参者なのに私とステイルのポジションを奪おうとしているあの
クルクルビューティーにサラサラ男女は。」

と、いう不平には皆一斉につっこんだ。

379:2011/06/30(木) 14:32:40 ID:XNkzlGqU
こんな感じでしょうか?

380涙目:2011/06/30(木) 18:14:48 ID:YcJBd1/c
376です
空行入れると入れないとでは違いますよ

楽に文を追っていけます
好きなリレースレなんで、小言を申し上げてしまいました

職人さんの苦労を理解できないのに意見ばかり申し訳ありません
今後の展開も期待してます!

381:2011/06/30(木) 19:09:47 ID:H3TDUs3w
もうひとつ、絹旗と新坂の因縁ですが、
やがて外伝に投下予定の短編では、
浜面が来る前に「アイテム」の仕事として彼の暗殺を請け負った結果
返り討ちにされた過去があったということにしています。
(このときはフレンダ、絹旗、滝壺で相手をしたため麦野には会っていない)

追伸
 現在ここの舌のブログ記事に出ているデカ目中国少女(賛否両論あるので
〝美″はつけませんでしたが、私にとっては慣れればそれなりにいいと思う。)
の反響を見ていると、ノクターンが実在したら「美少女」になるのかちょっと不安になってきました。

382:2011/06/30(木) 20:01:36 ID:H3TDUs3w
舌じゃなくて下…

383:2011/07/01(金) 15:06:07 ID:25PCAtBk
 しかし、そんな彼等に希望が舞い降りた。
「あれ?【歩く教会】チームの皆さん、どうしたんですか?」
 と、ある男に声をかけられた。
 サポーターの1人かとでも思ったステイルが軽く事情を話して受け流そうとした所、
「なら私に奢らせてください。」
「えっ、いいんですか?」
「ええ、負けたとはいえあなたたちもよく奮闘したそうですし、
あっちの方だけがパーティーで盛り上がるっていうのは不公平でしょう?」
 その声に、それまでしょぼーんとしていたインデックスがパア―っと顔を輝かせた。
「おじさんいい人!」
「ありがとう。」
 ステイルが念を入れて名前を尋ねると、男は眼鏡を押さえて答えた。
「井ノ原真羅といいます。友愛高校チームの井ノ原真夜の父ですよ。」
 それを聞いた海原と心理掌握は、言われてみれば彼にどことなく似ている風貌の男に対して
(やっぱりあの人の父親だけあっていい人だ)と思った。
 かくてインデックス達がうきうきと周囲の飲食店を物色している中、当の真羅は苦笑しながら自虐的に呟いた。
「まあいいか…あいつにとっても、私に早く帰ってきてもらわない方がいいだろうし。」

384:2011/07/01(金) 15:07:10 ID:25PCAtBk
喰わせ殺しにて優雅に西洋料理を食べていた新坂礼男は、ふと、自分の父親のことを思い出していた。
先ほどかけたところによると、彼はまだ帰ってきていないようだ。

(父さんもレストランで舌鼓を打っているか、仕事か……或いは……
やっぱりアサヒさんのところかなあ。)

 頭に浮かぶのは、最近かなり父と親しげな雰囲気の若々しい女性。
 この球戯大会でも、2人はかなり近いところにいた。競技が終わった後も、それこそ学校内でも自分と苑内のように何気ない調子で1言2言言葉を交わしていた程度だったのだが、
同じような隠れた関係を持っていた礼男にはなんとなく分かってしまっていた。

(新しいお母さんか……うーん……)

 物心着いたころから父や使用人に囲まれて育った彼からしてみれば、もちろん乳母なんかはいたものの、
所謂「お母さん」のポジションに位置する年上の女性と上手く付き合う方法などよく分からなかった。正直な話、変な異物感を抱えながら生活するよりは、
今のままの父子家庭でいいとさえ思っていた。

(それにあの人の側にいた赤髪や黒髪の子共達……連れ子かな……とも一緒となると、なんかちょっと色々とややこしそうなことになりそうだし………)

385:2011/07/01(金) 15:08:00 ID:25PCAtBk
すいません、まだ空白行を開けるのに慣れなくて>>383で忘れてしまいました。

386:2011/07/01(金) 18:37:10 ID:25PCAtBk
気になる表現は出しちゃいましたが、
前にも言いました通り私は新坂道男をこの本編に直接登場させる気はありません。

387■■■■:2011/07/01(金) 20:55:27 ID:25PCAtBk
>>384
ややこしいことになりそうだし………

ややこしくなりそうだし………

どうでもいいけどこっちの方がすっきりするかなと。

388■■■■:2011/07/01(金) 21:02:08 ID:25PCAtBk
ややこしいことになりそうだし………

ややこしそうなことになりそうだし………

元の分もまちがっていた。ホント、くどくどしい表現だな。

389±:2011/07/02(土) 16:28:21 ID:4aaCo0gE
テスト終わりましたー!
いや、正確に言えば終わったのは昨日だけど色々と忙しくて今日になってようやくこれました。
じゃあ、いつもどおり始めたいと思います。

――――――――――

「―――って感じだけどどうするんだにゃー?」
「「「「「「行くっ!!(ってミサカはミサカは断言してみる!)」」」」」」

 土御門が説明し終えて参加を聞くと同時に参加を表明する彼女達6人(集まった7人のうち黒子は未だに気絶中)
 さすがに速攻での参加表明に男性陣は驚いたが、こうなるであろうと予測していた土御門は淡々と今回の計画の説明を始めた。

「―――っと、あとは現地で説明するからこの集まりはいったん解散だにゃー」
「ん?どうしてだ土御門?ここで一気に説明してしまった方が―――」
「―――バカだぜい、カミやん。こんな風に集まってたら吹寄と情報屋が気付くにゃー。あくまで今回は見守るんだからにゃー」
「………あぁ、そっか。流石だな土御門」

 土御門の説明に納得する上条たち。
 でもまあ。と土御門は続けた。

「――この場で全部の計画を話しても、カミやんや浜面みたいなバカは明日には忘れてしまうってのもあるにゃー」
「ちょっと待て、土御門!上条はともかく俺がバカってのは酷いだろ!」
「大丈夫、はまづらがバカでも私は見捨てない」
「うおぉぉぉ!!!滝壺ぉぉぉおぉおーーーぉぉ!!!!!!」
「ちょっ!なんで上条さんへのフォローはないの!?」
「だって………当麻がバカなのは否定できないし…………」
「がはぁ!!!!」

 美琴の容赦ない一言で上条はその場に倒れふした。
 そしてその様子を見てたメンバーは言われたとおり吹寄と情報屋に気づけれないように散りはじめた。

――――――――――

ここに☆さんの>>366から>>384までを入れる予定

――――――――――

 そしてようやくパーティ会場にたどり着いた【歩く教会】チーム。
 ここまでの長い道のりのせいか、はたまた【喰わせ殺し】で出会った連中のせいか、インデックスの食いっぷりは半端ないことになっていた。

390ё:2011/07/02(土) 19:25:01 ID:6BwPC/lM
 インデックス達【歩く教会】チームが選んだパーティー会場、それは上条のクラスがパーティーをしている友愛高校の食堂だった。
 本来、真羅のおごりでパーティーをしようとしていた【歩く教会】チームが上条達のパーティーに現れたのには理由があった。
 インデックスを中心に飲食店を物色している所に真羅に電話があり、

「はいもしもし」
『真羅、お前仕事はもう終わったんだよな?』
「朝陽……あ、ああ。今日はこれから」
『だったら早く帰って来い。せっかく作った料理が冷める』

 朝陽からの帰宅を促すものだった。
 真羅は戸惑いながらも断ろうとするのだが、

「わ、悪いけど今日は外で食べたい気分なんだ。それに僕が居てはご飯も美味しくなくな」
『はぁ? 何言ってんだ真羅。私はお前と2人でご飯食べたいから待ってるんだぞ。下らないこと言ってないで』
「下らなくなんかないさ! 朝陽は魅力的だからモテるし朝陽も僕と居るよりも他の男性と一緒の方が」
『いい加減にしろこの馬鹿。私の事を魅力的と言ってくれたのは嬉しいが、私が浮気してるとか勝手に決めるな』

 スパッと真羅の断りを拒否、さらにはグチグチ言っている真羅を嗜めた。
 朝陽は自分の夫のネガティブっぷりに呆れ、長いため息を吐いた後で真羅に自分の気持ちを伝える。

『最初に言っておく。私は真羅、お前の事を愛してる。たとえお前が嫌だと言っても離れてやるつもりはない。私は自分の家族が大好きだからな』
「ほ、本当かい? そ、それは僕にとっても嬉しい言葉だけど君が前に新坂統括理事と親しげに話してるのを見たって助手が……」
『……あれは私を自分の部下になるように誘ってきた、それだけだ。ったくあの阿呆には困る、アレイスターの奴にも釘刺しされてるだろうに』

 真羅は朝陽からの愛の言葉と誤解を払拭する真実を聞いて、憂鬱な気持ちから一転して幸せな気分になった。
 ちなみに朝陽を暗部に引き戻さないようにと指示を出しているのはアレイスターで、自分の手元に置いておくには厄介極まりないというのが理由。
 過去に自分の家族を盾に暗部へと朝陽を引き戻そうとした者も何名か居たが、その悉くを完膚なきまでに叩き潰した実績も持っているほどだ。

『とにかくあの阿呆のことは心配するな、二度と下らん誘いをしないように手は打っておく。だからさっさと帰って来い真羅。2人っきりのディナー、楽しみにしてるからさ』
「分かった! 今すぐ帰るから待っててくれ! じゃあまた後で」
『ああ。けど帰ったら一発殴るから覚悟しとけよ。下らんこと抜かした罰だ』

 朝陽に殴られることを告げられた後で電話を切った真羅、しかしこればっかりは仕方ないと思い素直に受け入れることに。
 真羅は自分の妻とのディナーが入ったことを告げた後で謝罪すると、インデックス達も何も言えず素直に真羅を帰した。
 その際、真羅が何気なく自分の息子たちのパーティーに参加してはどうだろうと提案したのを受け、

「それもアリかも。皆、とうまの高校に乗り込んでとうま達を驚かせるんだよ! そしてご飯を乗っ取ろうよ!」

 他の【歩く教会】チームも了承して友愛高校で開かれている上条のクラスのパーティーに乱入を決意するのだった、ご飯を乗っ取ることはするつもりゼロで。

――――――――――

「うまうまうまうまうまーーーーっ!」
「うめぇ! うめぇじゃねぇかこのメシ! 料理人の根性がたっぷり入ったうめぇメシだ!」
「うまい、超うまいですよ! 【喰わせ殺し】のメニューに勝るとも劣らない超素晴らしい料理です! コックさんたち、じゃんじゃんおかわりを超要求です!」
「最愛落ち着いて食べようよ、美味しいから気持ちは分かるけど。すみませーん、あたしもおかわり♪」

 舞台は再び友愛高校の食堂、舞夏と真夜の料理を大絶賛しながら猛然と食べているのはインデックス、削板、絹旗、絹旗と一緒だった佐天。
 その一方でステイル、エツァリ、ショチトル、心理掌握の良識派の面々は小萌に謝罪しながら自分達のパーティー参加を頼んでいた。


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