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創作文芸板支援集積スレ

62「蛍光」「ヒエラルキー」「片想い」:2005/03/10(木) 11:58:43
 宇宙人の介入により、核戦争の危機から逃れて15年。
 人類は、いまだかつてない平和と繁栄を手に入れていた。
 知識階級ともいうべきヒエラルキーを形成した宇宙人。決して驕らず
全てにおいて完璧な彼等にも、抑えきれない衝動が一つだけあった。

 その日。別れの挨拶にやってきた彼女の姿を見て、僕は息を呑んだ。
 全身がピンク系の蛍光色に染られ、背中に大きく「人類」と刺青されている。
 それは、宇宙人の唯一の衝動「好奇心」を満たす、人類ショーの印だった。

 「これからの私に「見世物」以外の価値ってないから…」と、彼女は俯いた。
 それはそうだ。どう頑張っても、宇宙レベルで優れた能力を持つなんて無理だ。
 ただ一点、人類独特の風習・特徴の観光的価値を除いては。
 エリート教育を受けてきた彼女は、高1でそれに気付いてしまったのだろう。

 しかし自分には、若干片想いながらも彼女は価値ある存在だった。
 翌日、僕は全身を紫色の蛍光色に染められ、「人類2」の刺青を彫られていた。
 彼女は泣いて喜んだ。「いいって、収入だって桁違いの高給だしさ」

 ショーが始まる。人類独特の風習…宇宙人には思いもよらぬ夫婦生活の数々が。
 それは昔の言葉で言えば、カップルの温泉芸者そのものだったが。


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