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皇軍(明治〜WW2)がファンタジー世界に召喚されますたvol.26

1名無し三等陸士@F世界:2017/01/29(日) 10:52:34 ID:ci0mzTRQ0
自衛隊ではない日本の軍隊のスレッドです。
議論・SS投下・雑談 ご自由に。

ローテク兵器VS剣と魔法

戦国自衛隊のノリでいて新たなジャンルを開拓すべし
銃を手に、ファンタジー世界で生き残れ!

・sage推奨。 …必要ないけど。
・書きこむ前にリロードを。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめ。
・支援は15レスに1回くらい。
・嵐は徹底放置。
・特定の作者専用スレは板として不可。
・以上を守らないものは…疫病と戦争、貧苦と死に満ち溢れたファンタジー世界に召喚です。 嘘です。

51303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/29(水) 21:26:13 ID:guO46a5g0
だが南條は陸軍一筋35年の、根っからの軍人だ。
勿論、軍人と言えど士官ともなれば駐在武官として“軍人外交”もするし、国際共同訓練や軍事作戦等で外国軍と連携する事もあり、広い見識は必要だ。
南條は英語が出来るし、洋式のテーブルマナーにも慣れている。駐米武官だった経験もあり、そういう意味では国際派だった。

その南條ですら大陸では戸惑う機会が多いのだから、況や初めての異国に戸惑っている士官や一般兵においてをや。
歩兵中隊長などが役得だと言って喜んでいられるのは、実際にその時が来るまでだ。

酒の飲み方、食事の仕方、会話の内容。
全てに気を遣いながらの宴席は草臥れる。

例えば赤人奴隷は大きく二通りの存在がある。
使用人としての仕事をするかしないかだ。
仕事をする赤人奴隷は、概ね執事の下で働き、食事の時は主人と主賓に対してのみ給仕する。
仕事をしない赤人奴隷は、置物同然として主人の近くに立っている。というか立っているのが殆ど唯一の仕事だ。
後者は、赤人奴隷を使用人として遊ばせておける程の財力のある証なので、ただそこに居るだけで何もしない赤人奴隷は富裕の証、自慢の種である。
男女の赤人奴隷を所有し、彼等が子を産めば、わざわざ女性の赤人奴隷に赤人の赤ん坊を抱かせて立たせたりもする。

そういう奇異な環境の中で、南條たちはさもそれが当然といったように振る舞い、
東大陸における皇国軍の最高司令部の格式を見せつけてやらねばならなかった。
いちいち驚いていたり、気分を害していては身が持たない。

銃を持って敵と撃ち合うのとは別次元の心労と戦いながら、東大陸方面軍司令部は今日も街道を進むのだった。

52303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/29(水) 21:27:02 ID:guO46a5g0
投下終了です。
プチ異文化交流ネタ? でしょうか。


自分でも設定ミスっていたり忘れたりしていたのですが、東大陸に展開する部隊名称やトップの階級について。

・東大陸派遣軍(中将) → 東大陸軍(大将) → 東大陸方面軍(大将)
・東大陸派遣軍(中将) → ユラ神国軍団(中将) → リンド王国軍団(中将)

という二系統ありました。

当初は東大陸派遣軍としてユラ神国からリンド王国を攻める部隊でしたが、リンド戦後はユラ神国軍団となり、
同格組織としてリンド王国軍団が新設(ただし実態はユラ神国軍団がそのまま移動した形)となり、
リンド防衛戦時に骨抜きとなったユラ神国軍団には軍団どころか師団規模の部隊もありません。

同時に、東大陸に展開する部隊が広域に渡り、ユラとリンドを統括する必要から東大陸軍が新設され、そこのトップが大将となります。
そして東大陸軍を改編して東大陸方面軍となります。現状では司令部のみの部隊で、当初はユラにありましたが、現在はベルグにあります。
そしてユラ神国軍団とリンド王国軍団は東大陸方面軍隷下になります。

東大陸軍の司令官は高橋大将という人でしたが、南條大将が着任する時期に東大陸軍から東大陸方面軍に格上げされました。
上級大将云々はその布石でもあります。


ただ、旧軍における上級大将と准将の設定考えていて引っかかったのですが……

親任官:元帥(大将または上級大将)
親任官:上級大将
親任官:大将
勅任官:中将(高等官一等)
勅任官:少将(高等官二等)
奏任官:准将(高等官三等)
奏任官:大佐(高等官四等)
奏任官:中佐(高等官五等)
奏任官:少佐(高等官六等)
奏任官:大尉(高等官七等)
奏任官:中尉(高等官八等)
奏任官:少尉(高等官九等)

まず大将を勅任官に下げるのも違う気がするので、そのままにすると親任官として上級大将と大将が入ってしまいます。
総理大臣もその他の国務大臣も親任官なので、親任官の間で差があっても問題無いんでしょうか。

少将と大佐の間に准将が入るので、高等官一等〜九等はこうなるしか無いですよね。
准将は勅任官なのか奏任官なのかですが、陸軍であれば歩兵団長など、海軍であれば代将相当なので奏任官が妥当かな? と。
准将が勅任官だと高等官三等まで勅任官になってしまい、文官の官吏との整合性や宮中席次がこんがらがりそうです。

史実日本軍でも准将の導入を検討したという話をどこかで見た記憶があるのですが、
その場合は准将は官吏としてどういう位置になる予定だったのか興味があります。

53303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/31(金) 22:19:10 ID:guO46a5g0
F自創作界隈の一部では、拙作の“神賜島”のような天然資源ザクザクの島
という都合の良い設定が「資源島(方式)」と呼ばれているようですね。

これ系の設定を使っている身からして、大元ってどこだろうと思いました。

思い当たったのが山本瑞鶴氏の『大火葬戦史R』という小説で、関東大震災で東京湾に資源ザクザクの陸地が隆起してきた。という設定です。
これと映画『海底軍艦』の轟天建武隊基地となっていた黄鉄鉱、ボーキサイト、マンガン……の島の設定から、拙作の神賜島の設定が固まりました。
『大火葬戦史R』については、今まで言及した事が無かったと思いますが、この設定に限れば『皇国召喚』への影響大です。

『大火葬戦史R』自体は、異世界転移ものではなく古き良き(?)日米戦争ものなのですが、
日本の天然資源不足を解消するチートという意味では、お手本のような設定だと思います。
というか私はお手本にさせていただきました。

異世界転移に際して“本土の近くに巨大な島が出現”という意味では『帝國召喚』の神州大陸を
モデルにしたので、拙作の“神賜島”はそれらの設定を継ぎ接ぎして創らせて貰ったものです。
単に読んで楽しませて貰ったという以上に、先人の作品に感謝感謝です。


雑談はこの辺で、本日は本編の続きを投下します。
確認しているつもりなのですが、以前投下したものの二重投下でありませんように……。

54303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/31(金) 22:30:55 ID:guO46a5g0
皇国海軍の空母が巡洋艦や駆逐艦を従えて東大陸に向かうのは久しぶりの事だ。
北方諸国同盟との戦争の長期化に備え、空母飛鷹と隼鷹が極北洋を進んでいた。

「対空電探に感あり。飛んでいる友軍機はありませんし、この反射波なら飛竜と見てまず間違いありません」
「飛竜……だと?」
「はい。反応の大きさから見て1騎か2騎ですが」
「いや、そういう事ではない。ここは最も近い陸地から300km以上離れているのに、何故飛竜が居るのかという事だ」
「事実飛竜なら、マルロー王国の飛竜母艦という可能性が大です」
「そうだろうな。不味い事になった……」
2隻の空母はセルシーに飛行機を輸送する為、格納庫と飛行甲板は陸上機で満載になっており、戦闘運用可能な機体は存在しない。
随伴する重巡洋艦の青葉、衣笠が搭載している計4機の零式水偵がこの場で戦闘運用可能な航空機の全てである。
航空母艦という軍艦の存在や性能は極力秘匿しておきたい皇国軍にとっては、最悪のタイミングであった。
艦載気球という可能性もあるが、どちらにせよ敵の航空偵察隊である事に違いは無い。

「やり過ごせそうか?」
「難しいですね。最悪2時間ほど全力で逃げ回る事になります。予定航路復帰まで考えると5、6時間を逸します」
戦隊司令官の提督は非常に大雑把な海図を広げ、元居た世界の同じ位置の海図と比較しながら、一点を指差した。
「この季節、風向きは北西である事が多いらしい。すると飛竜の飛んできた方向からして、敵艦隊の位置はこの辺りになる」
作戦参謀や航海参謀も、当然そうだという感じで頷く。
「東大陸での、燃料の補給支援は滞りないな?」
「はい。帰途に使用する物資を積んだ支援艦艇は既にフレータル環礁に投錨待機中です」
「宜しい。衣笠は水偵で直掩に就き、青葉は敵艦隊を襲撃!」
提督の決断は早かった。
「しかし少なくとも飛竜母艦を伴うであろうという以外、敵艦隊の規模が不明です」
「だから直接確かめに行かせるのだろう」
「水偵で確かめてからでも遅くは無いでしょう」
「気付かれて警戒されると、襲撃も困難になる」
作戦参謀が危険性を説くが、提督の決心は揺るがない。
大規模な飛竜隊が居たら、無傷では済まなくなる可能性が出てくる。
飛竜母艦の主たる任務は遠方の敵艦隊捜索だが、飛竜は爆装可能なのだ。
飛行甲板上に露天係止されている機体も含め、輸送中の機体は燃料や弾薬を積んでいないから、
艦の燃料庫や弾薬庫まで攻撃が届かなければ誘爆という心配はまず無いが、被弾1発でも手痛い損害には繋がる。

飛鷹と隼鷹が伴うのは重巡の青葉、衣笠と吹雪型駆逐艦4隻のみ。巡洋艦1個小隊と駆逐隊1個という訳だ。
この状況で巡洋艦を2隻とも分派し、空母の護衛を駆逐隊だけにしてしまうのはそれこそ危険が大きい。
かといって、護衛戦力を単純に二分割して巡洋艦1隻と駆逐艦2隻を差し向けると、空振った時や別に敵戦力が発覚した時の予備が無くなる。
重巡洋艦であればこの世界の軍艦に対しては絶大な威力の主砲を持つから、対空脅威を除けば相手の射程外から一方的な蹂躙が可能だ。
奇襲に成功すれば、対空脅威の源である飛竜母艦をアウトレンジから沈めてしまえる可能性も出てくる。
青葉型も吹雪型もどちらも主砲門数は6門だが、一撃の威力が劣る駆逐艦では無駄な手数を要する。
それに、零式水偵は飛竜相手なら戦闘機としても使えるので、青葉単艦でも直掩機を得られる。
所詮水偵だが、高角砲と機銃のみで対抗するよりは対空戦闘の選択肢が増えるのは事実だ。

「青葉より“本艦は別命により戦隊を離脱。敵艦隊の攻撃に移る”です」
「よし。衣笠は艦載機の発進準備。本隊は予定航路を進む」
飛鷹、隼鷹を中心に輪形陣を組んだ艦隊がノイリート島へ向かうのを横目に、青葉は“敵艦隊”へと転針した。

55303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/31(金) 22:31:41 ID:guO46a5g0
「衣笠1号機より入電。向かってくる飛翔体は、やはり飛竜です! 国籍識別表はマルロー王国!」
既に目視可能な距離になっており、双眼鏡を覗く見張り員も2騎の飛竜を確認した。
水偵を一旦退かせると、飛鷹、隼鷹、衣笠と駆逐隊は主砲と高角砲に仰角を取り、向かってくる飛竜に狙いをつける。
皇国軍艦である事は解るだろうが、初めて見るであろう空母の艦影を正確に確認するには、この世界の望遠鏡ではまだ遠いだろう。
「味方機は退避したな? 照準を合わせた艦は自由に発砲せよ。生かして帰すな!」
対空電探には現在交戦中の相手しか映っていないが、衣笠の水偵は念の為に周辺警戒と上空直掩を続けていた。
別方向から急に敵が来た時に対応したり、逃げる敵を追撃するには予め上空に居る必要があるからだ。

衣笠の主砲から対空用榴散弾が発射されるのを合図に、飛鷹、隼鷹と衣笠の高角砲、駆逐隊の主砲が火を噴く。
次いで本命の対空射撃となる各艦に装備された40mm、20mm、12.7mmと7.62mmの機銃から火線が上がる。
50門を超える対空砲(高角砲と兼用砲)に数十丁の対空機銃の圧力は相当なものだ。

対する飛竜騎士は逃げの一手だ。
艦隊に情報を持ち帰らねばならないのだから交戦している暇など無い。
皇国軍の軍艦は異様だったが、それ以上に異彩を放つのは陣形の中央に2隻ある、上に何かが載せられた箱型の船。
中央にあって周囲から匿われるようにあるという事は、皇国軍にとって重要な艦なのだろう。
周囲に比較物の無い大海原だが、巨大な艦影は長さだけでも一等戦列艦の2倍以上はあるだろう事は容易に分かった。
今まで見た事も無い形状の皇国艦という貴重な情報は、何が何でも本部に持ち帰らねばならない。

しかし皇国軍の対空砲火の苛烈さは想像以上だった。
噂には聞いていたが、実体験としてその場にいる恐怖感は言い知れぬものがある。
何とか回避運動を続けながらその場を離脱しようともがいていたが、ついに炸裂した砲頭の破片が飛竜の腹部に突き刺さった。
即死する程では無かったが、体力が削られて飛行能力が落ちれば続けて被弾する危険性が上がる。
墜落すれば、そこは冷たい海。生きたまま着水出来ても凍死か溺死という運命が待っている。
(苦しいだろうが、頑張ってくれ、相棒!)
人馬一体という言葉があるが、飛竜は馬より断然扱い難い動物である。
馬は良く言えば従順、悪く言えば臆病な気質だが、飛竜のそれは真逆だ。
竜士や調教師の長年の努力と技術の蓄積によって“兵器としての飛竜”が成立している。
幼い頃から寝食を共にしているといっても過言ではない竜士にとって、苦しむ飛竜の姿は心に刺さる。
自分自身もそうだが、傷付きながらも普段どおり手綱に応えてくれる飛竜を簡単に死なせはしない。
そういう思いを胸に、竜士は母艦隊を目指していた。

だが、何とか皇国軍の対空砲火の射程外に逃がれられたと安堵した途端、零式水偵が立ち塞がるように針路を遮った。
全力で飛べば皇国軍艦より速い飛竜だが、皇国軍が誇る飛行機には太刀打ちできない。しかも今は全力どころか負傷中。
必死に回避運動を続けていても、完全に見失わせなければ皇国艦隊に追いつかれてまた集中砲火を浴びる事になるだろう。
そしてこんな状況が長時間続けば、被弾せずとも飛竜の体力が尽きて冷たい海に墜落だ。

56303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/31(金) 22:32:16 ID:guO46a5g0
「1騎、撃墜!」
隼鷹の艦橋で、双眼鏡に目を凝らしてた司令官に待望の戦果が届いた。
間近で炸裂した高角砲弾が飛竜と共に竜士の胴体を吹き飛ばしたのだ。
ボロボロになった飛竜は悲鳴を上げる事すら叶わず力尽きて落下していく。
「全ての砲火を残りの飛竜に集中!」
2隻の空母、重巡洋艦、そして4隻の駆逐艦の持てる火力が単騎になった飛竜を包囲する。
高角砲が炸裂する度に周囲を揺さぶる黒煙。空を切り裂くように狙い撃つ曳光弾。
程無くして、最後の力を振り絞っていた飛竜も火力に抗えず海に没した。

「敵、飛竜騎士が1人、海面にて生存している模様」
水偵からの報告は、一番聞きたくないものだった。まだ生存しているからには救助しますか? という事だから。
墜落して、そのまま海面に叩きつけられて死んでくれれば良かったのに……。司令部の誰もがそう思った。
自身は満身創痍となりながら、海面に軟着水して騎士を守ったのだ。騎士と飛竜の素晴らしい絆である。
「衣笠で救助すればいい。厳重に拘禁していれば良かろう」
「空母を発見した当人ですが」
「青葉も捕虜を連れてくるだろう。合流すれば、どのみちそうなる。
 見捨てたり、わざわざ機銃で止めを刺しても寝覚めが悪かろう?」

皇国軍は皇国版飛竜母艦のようなものを運用している。というのはリンド王国に限らず列強国の見立てだ。
皇国軍の情報部門や前線部隊の指揮官も、そこのところを隠してはいない。わざわざ公言はしないが、聞かれれば答えている。
飛竜母艦を持っているというのは列強国のステータスでもあるから、そのものは無くても皇国版飛竜母艦は持ってるというのは、外交上の強みにもなる。
あとは、それがどんな形状で、どんな能力があり、何隻あるのか。という核心部分が問題。
皇国軍はこの部分を可能な限り秘匿したいと考えていているが、それもいつまでも隠し通せると思っている者もまた居ない。

両大陸間の国交と通商が増えれば、いずれはそれなりに詳細な情報が伝わるだろう。
だから、皇国軍では“皇国版飛竜母艦”として、旧式で小型の鳳翔や龍驤などをとりあえず広報用に用いる事を検討している。
空母としては小型だが、この世界の船舶の規模からすれば十分過ぎるほど巨大だし、何より同盟国、友好国に対しても嘘を吐かなくて済む。
当面は“皇国軍はこういうのをあと何隻か持っています”と宣伝すればいいし、艦内見学だって部分的には認める方向性で国防省は動いている。

要は、この戦争中は空母の具体的な能力を秘匿出来ればよく、戦後にそれが明らかになっても問題はないし、それは既定路線という事だ。
洋上で救助しても、その後はノイリート島か大内洋上に停泊している捕虜収容船に預ければ、戦後の捕虜返還までは秘匿可能となる。

勿論、死んでいてくれれば艦を停止して救助する手間も無かったが、軍服など遺品を回収して所属や名前を確認する意味はあった。
飛竜騎士というのは貴族や騎士の子弟か、平民でも準貴族同等の有力者の子弟が多くを占めるから、情報量も多い。

「とりあえずこの場は収まった。雷を青葉の増援に回そう」
駆逐艦3隻を警戒に当たらせ、衣笠は漂流する飛竜騎士を回収した。

57303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/31(金) 22:34:00 ID:guO46a5g0
本隊から離脱して単独行動中の青葉は“敵艦隊”の潜伏する想定海域に近づくと、水偵を発進させた。
海域は絞られるとは言え、半径数十km以上はある。正確な位置を割り出して有利な態勢を整える為に、5時間以上の滞空性能を持つ水偵の支援は必要だった。
1機は偵察に出て、残りの1機は60kg爆弾と機銃弾を満載して“戦闘待機”状態である。

偵察機が発艦してから約1時間。
「2号機より入電。艦隊発見。マルロー王国旗を視認。数は8、位置は――」
「北北東に20浬か。24ktに増速し急行せよ! 風上を向いたら速やかに1号機を発艦させろ!」


青葉2号機が接敵した頃、マルロー王国艦隊は大慌てで戦闘準備を行っていた。
西の空から友軍の飛竜が帰って来たと思ったら、皇国軍の飛竜だったのだから。
「動ける飛竜は全部上げろ! 対空戦闘!」
鐘と太鼓が打ち鳴らされ、下士官の吹く号笛の音に従って水兵達が慌しく
旋回砲に散弾を込め、ロケット弾やマスケットの射撃体勢を整える。
旗艦の飛竜母艦に信号旗が掲げられると、早くも発砲が始まった。

各艦から対空射撃が行われるが、そもそもが爆装して鈍重な動きの飛竜に対する気休めのようなもの。
対空砲弾、ロケット弾は見当違いの場所で炸裂し、高速で飛ぶ青葉2号機にはかすりもしない。
程無くして、水平線から黒煙を吐きながら迫る大型の軍艦が姿を現した。

飛竜母艦の弱点は、皇国の航空母艦同様に飛竜の発着時である。
狭い艦の出入りで邪魔にならないよう、帆の全部あるいは殆どを畳まねばならないので、艦の速度は落ち舵の効きも悪くなる。
ちょうど味方が戻ってくる筈の時間だった為、帆を畳んで漂流するように待機していた矢先の敵襲に大慌ての艦内。
飛竜の発着を諦めて展帆作業を優先させるか、畳帆しているのを逆手にとって飛竜を出撃させるか。
今から展帆を始めても、艦が風に乗るまでに襲撃を受けるだろう。だったら時間稼ぎも兼ねて出撃させた方が良い。
と同時に、最悪の事態に備えて手紙をしたため、艦長室の窓から本国の海軍司令部宛の伝書鳩を放った。
そこには『皇国飛竜1騎及び全長1シウスの皇国大型軍艦1隻と交戦状態に入れり』という簡潔な内容と日時が記されていた。


艦内に居る飛竜は全部で9騎だが、全てが飛び立てる状態ではない。
準備が整っているのは、空母艦隊と交戦した2騎の帰艦と交代する形で飛び立つ予定だった2騎だけだ。
残りは休憩中であり、眠っているものも居る。
食事が終わった飛竜を追加で2騎投入できるかできないか微妙な線だった。
対空砲撃や銃撃で甲板は硝煙に包まれるが、それも飛竜が最上甲板に姿を現すまでだ。
火薬の臭いには慣れされているが、飛竜の視界を妨げないよう発着艦時の火器使用は戒められている。

58303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/31(金) 22:35:04 ID:guO46a5g0
青葉の艦橋では双眼鏡で目視確認する見張り員と、電探の反応を照合して索敵結果を確認していた。
「敵艦隊の艦影確認……飛竜母艦1、一層ないし二層甲板の戦列艦またはフリゲート7! 上空には飛竜が2騎!」
「第一目標は飛竜母艦と飛竜だ。最優先で叩け」
先に到着した水偵が既に旋回機銃で上空の飛竜を追い回しているが、やはり戦闘機ではない身ではなかなか命中弾が出ない。
機銃弾に余裕が無いので、あまり派手に連射出来ないといった消極的な理由もあったが、後方旋回機銃しか無いのも大きい。
敵艦隊の詳細確認と味方艦到着までの時間稼ぎという任は果たしたと判断した水偵機長は、
敵の増援等を警戒した周辺哨戒に任務を切り替え、敵艦隊との交戦を青葉にバトンタッチした。
青葉の3基ある20.3cm連装砲が飛竜母艦を捉え、高角砲と機銃は飛竜に狙いをつける。
飛竜の居住空間を確保する為に砲列甲板が無く、船体の大きさに比して帆柱と帆桁が少ない飛竜母艦の判別は比較的容易だ。

優先目標である飛竜母艦は爆弾を抱えて出撃した水偵1号機の攻撃によって損傷を受け火災が発生していたが、
すぐには沈没しそうになく無力化に成功したと言える確信が持てないので、優先順位に変更は無い。
8インチの通常弾は良好な弾道を描きながら、敵艦隊に吸い込まれるように飛翔していった。
重装甲の戦艦に対しては効果が薄いが、逆に言えば戦艦以外の水上戦闘艦艇には十分な打撃力を有する砲弾である。
火災が発生する事で強度が落ちた木造の船体は弾頭炸裂の衝撃波により崩壊し、食い止められない浸水により傾斜が限界を超え、転覆した。
脱出した水兵達は床や壁の破片などにしがみつくが、飛竜にはそれが不可能だから、船が沈没するのに任せて飲み込まれていくしかない。
最後の伝書鳩に託された手紙には『皇国大型軍艦の攻撃により轟沈。全ての搭載飛竜が艦と運命を共にせり』と書かれていた。

「真っ先に飛竜母艦を狙うとは、騎士道精神の欠片も無い野蛮人め……」
列強国同士の戦争でも、別に飛竜母艦を狙ってはいけないという条約がある訳でも不文律がある訳でもない。
ただ戦闘艦を同伴している艦隊が接近戦を演じる段階になれば、ほぼ非武装に等しい飛竜母艦から狙っていく意義は無い。
脅威度の高い方を優先的に狙うのが当然で、それは即ち多くの大砲と海兵を乗せている戦列艦やフリゲートとなる。
それら戦闘艦を撃破、拿捕すれば、飛竜母艦に抵抗する術は無く降伏するしかなくなる。無傷で拿捕出来る訳だ。
結果として、飛竜母艦は狙わないし狙われないという現実が表れるのだが、皇国軍は平気でそれを破った。

大急ぎで飛び立った飛竜は、特に爆装している訳でもない。
攻撃手段は飛竜騎士の持つカービンとピストルとサーベルのみ。
それで青葉に攻撃をかけようとしても、射程が圧倒的に足りない。
乗り込んで白兵戦に持ち込めれば奇跡のようなものだ。

飛竜母艦を沈没させられたマルロー王国艦隊は、残りの戦闘艦で海域を離脱すべく針路を変更した。
所期の作戦目的は失敗した。何とか風下につけて逃げ回り、夜間や悪天候に期待するしかない。
風向きは概ね北西。つまり極北洋からマルロー王国に帰還するに際しては追い風なのだ。
順風でも皇国海軍の方が速いという情報は得ているが、闇夜に紛れるなどして一旦姿を隠せば、帰還する望みはある。
青葉が対水上電探を装備しているという事を知らないし、そもそも電探という存在を知らないから抱ける希望であるが……。

皇国軍は、主戦場に対しては積極的だがそれ以外に対しては消極的だ。
今の所、マルロー王国本土の沿岸を艦砲射撃しに来るような素振りは無い。
故にノイリート島から十分に離れれば、それ以上は追って来ないというのが王国海軍司令部の分析である。
願望といっても良かったが、それでも“リンド王国やノイリート島での攻勢準備が整うまでは”という条件付き。
だからノイリート島の様子を探る目的で派遣された艦隊だったのだが、それが返り討ちにあってしまったのだった。
この海域で大型艦が出張ってくる事態となると、攻勢準備が整ったか整いつつあるという事になる。
決定的な情報は何としても持ち帰らなければならない。

59303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/31(金) 22:36:09 ID:guO46a5g0
「撃沈した敵艦から脱出した漂流者を救助したいところだが……可能かな?」
「敵艦隊は退却しつつあるようですが、こちらの停船を見たら反転して来るかも知れません」
「仕方のないところだが……」
飛竜母艦という最大の脅威は排除したが、単艦行動中に迂闊な真似は出来ない。
敵の3倍速い皇国軍艦とは言え、一旦停止してしまえば帆船でも追いつけるのだ。
「漂流者は自力で何とかしてもらうしかない。敵艦隊を追撃する」

青葉は敵艦隊の射程外から主砲を撃ちまくる。
射程外といっても距離にして3500m程度であり、重巡の砲戦距離としてはかなりの接近戦だ。
良好な命中率を得られ、合計300発も撃つ頃には旗艦を含む敵艦5隻が沈没ないし大炎上し行動不能に陥った。
途中、増援についた駆逐艦雷も加わり、至近距離からの砲戦は一方的な展開で幕を閉じる。

「艦長、霧が出て来ました。濃霧になる前に……」
「着艦させるしか無いな。ここで貴重な飛行機を失う訳には行かん。水偵の回収を急げ。それと隼鷹に通信。
 “悪天候につき飛行機収容の為、敵艦隊の追撃を中断。収容作業完了次第、追撃を再開する”と伝えろ」
固まって逃げてくれるならいいが、方々に分散されると見失うかも知れない。
頭を抑えるよう走り回っていたが、青葉が停止して行動の自由を得れば別方向に逃げるだろう。

水偵の回収と並行して、漂流者の救助を行う。
青葉は水偵の回収と警戒、雷は漂流者救助、作業は短時間で終わった。
冷たい海に投げ出されて長時間放置されていたので多くは助からなかったが、
艦隊司令官を含む士官と下士官兵を合わせて百人弱の救助に成功。捕虜とした。

その後は霧で視界が悪い中で一夜を過ごし、翌日は霧が晴れた午前中に敵艦隊の捜索を再開したが
結局見つからず、隼鷹から再集結の命令で青葉と雷は本隊と合流。本来の任務を済ませて帰路に着いた。
同時に、この戦闘で得た百人弱の捕虜はノイリート島の預かりとなり、城塞に付随してあった捕虜収容施設に収容される。

飛鷹と隼鷹は航空機輸送任務を終えると、その格納庫に東大陸からの輸入品を積み込んで皇国本土への帰路に就いた。
2隻合わせて飛行機120機、滑空機60機、合計で180機の航空機とその燃料弾薬、予備部品類を輸送し、約300t分の保存食品を持ち帰り、影の武勲艦となったのだ。


城攻めというのは難しい。
これは洋の東西を問わず、また今も昔も程度の差こそあれ軍事的な真理である。
皇国の元あった世界にしてもこの原則は当て嵌まる。
厳重に防護された城や陣地を攻める場合、攻撃側に多大な出血を強いる
というのは皇露戦争でも欧州大戦でも嫌というほど味わっている現実だ。

皇国に占領されたノイリート島を奪還するというのは、城攻めに
なる訳だが、陸続きではないので艦船による兵員輸送が必須となる。

軍人や軍属の殆どは大陸本土に押し付けたが、大多数の島民は未だに島内在住である。
ノイリート島にマルロー王国やセソー大公国の旗が立てば一斉に放棄して皇国の牙城も崩れるだろう。
そんな期待を胸にしても、島内との連絡手段が封鎖されてしまっているから、力押しで上陸してみるしかない。

今回はそれが可能かどうかを確認するという名目で艦隊が派遣されたのだが、
皇国軍はノイリート島を囮として占拠しているだけで、実際の防衛には消極的だから
奇襲すれば一挙に奪還可能である。というセソー大公の意見に何の根拠も無い事が露呈した。

皇国軍のたった1隻の軍艦によって、飛竜母艦を含む偵察艦隊が壊滅した。
この一件によって、元々積極的な艦隊行動を控えていたマルロー王国海軍は
より消極的になり、艦隊保全を最優先する姿勢を露骨に示すようになった。
それにより、マルロー王国軍はシテーン湾の制海権を自ら放棄したも同然となり、
北方諸国同盟軍全体の動きがより鈍るという無視し得ぬ打撃を受けたのである。


皇国軍にとっては、ちょっとした不運、小さな遭遇戦に過ぎなかったこの海戦が、
北方諸国同盟軍へ想定外の打撃を与えたことを知るのは、戦後になってからである。

60303 ◆CFYEo93rhU:2017/03/31(金) 22:37:20 ID:guO46a5g0
投下終了です。
飛鷹&隼鷹姉妹と青葉&衣笠姉妹、特Ⅲ型姉妹出してみましたが、多分これが最初で最後の出番だと思います。
吹雪型としか書いてませんが、雷を含む4隻の駆逐隊といえば特Ⅲ型姉妹です。
皇国召喚版の飛鷹型は商船改装空母ではなく、大型軽空母で、当初から空母として建造されています。

61名無し三等陸士@F世界:2017/04/01(土) 16:06:55 ID:tjIVabcc0
東京湾に石油が湧くってSSも読んだ覚えがありますが、戦前なら「資源さえ在れば」悪くないアイデアとは思います
同時に、戦後では異世界モノでしか通用しないアイデアだなーとも思います
資源あってもねぇ……サウジがアメリカより偉くもないし強くもない現実がありますんで

62名無し三等陸士@F世界:2017/04/01(土) 17:06:00 ID:ighuf85w0
資源島は「資源さえあれば…」という日本人の切ない願いの表れというか、「資源もなければ即死やんけ!」という身も蓋もない話なのか…
アメリカは資源も技術も金も人口もあるからずるい、ずるいよ

63名無し三等陸士@F世界:2017/04/01(土) 17:29:46 ID:tjIVabcc0
つーか「資源が無い」って日本人が言っちゃマズいっしょ
資源国だった歴史の無い本物の無資源国が怒るぞ

64名無し三等陸士@F世界:2017/04/02(日) 01:50:33 ID:lEy5xQPg0
独 「そりゃお前」
英 「アメリカと比べたら」
仏 「何処の国だって」
ソ 「ずるいと思うわ…」

65名無し三等陸士@F世界:2017/04/02(日) 21:08:41 ID:tjIVabcc0
>>62
資源と自給率と教育水準でで無理矢理に保たせてた状態だったもんな、開国から列強に加わるまでの日本

66303 ◆CFYEo93rhU:2017/04/02(日) 22:05:05 ID:guO46a5g0
まとめ、感想等、いつもありがとうございます。
そういえば陸戦ばかりで、海戦を投下したのは凄く久しぶり……。

>>61

中東は石油の産地ですが、石油以外で必要な資源全般で言うなら、アフリカとか南米とかも資源の宝庫なんですよね。
サウジとかUAEとか、石油資源だけあっても駄目だという事で、オイルマネーを教育とか科学研究に投資しているとは聞きますが。

>>62

> 資源島は「資源さえあれば…」という日本人の切ない願いの表れというか、「資源もなければ即死やんけ!」という身も蓋もない話なのか…

私の場合は両方……創作上の都合で言えば後者が強いでしょうか。

異世界転移してもしなくても資源が無ければ近代国家として死ぬ……。
最初の一年くらいは派手に暴れられても、そのうち人口の半分を間引きして文明レベルを
江戸時代に戻すくらいしないと立ち行かなくなり、国内の騒乱がメインの話になってしまいます。

「転移で日本は大混乱し内戦状態まで悪化。F世界の列強がそれに付け込んで……」
というプロットは、それはそれで面白そうですが、私が読みたい&書きたいのとは違いました。

> アメリカは資源も技術も金も人口もあるからずるい、ずるいよ

でも、そのアメリカも現代のエネルギー消費量からすると、国内生産分だけで内需は賄えないと聞きます。
あと高度技術や知的財産の根幹は握っていても、実際にそれを生産するのは中国とかで、意外と産業構造に歪な部分があるとも。

>>63

本当の無資源国とは、モナコやシンガポールのような都市国家とか、パラオのような島嶼国家などでしょうか。

日本もかつては金銀とか石炭はありましたが、石油に関しては有史以来ありませんよね。

日本の埋蔵資源は、種類は多いけれど個々の量は少ない。
ゼロではないですが、需要からすれば1%にも満たないからゼロに等しいという意味では「資源が無い」のは事実でしょう。
現代日本だと、塩ですら8割以上が輸入でしたよね。

>>64

英「アメリカがイギリス植民地というIF世界なら最強ですね」

>>65

欧米に比べて人件費が安かったので、人的資源を使い潰すという方向に振れてしまいました。

67名無し三等陸士@F世界:2017/04/03(月) 05:19:24 ID:tjIVabcc0
>江戸時代に戻すくらい

自給自足のプロが揃ってても3千万人が限界で、何度も禁止令が出たほど間引きが必要だったから無理っぽいすね
北海道などの領土増加や技術の進歩では如何ともし難いし、そもそも間引きされる半数が大人しく死んでくれませんし

68303 ◆CFYEo93rhU:2017/04/15(土) 18:49:08 ID:guO46a5g0
ちょっとした小ネタのつもりだったのですが、異世界転移における資源問題への食いつきが予想外に大きかった……。

>>67

現代日本だとむしろ北海道が日本の農業支えてますが、戦前の日本だとまだ開拓途上といった感じで、
そこに転移など重なれば北海道開発に必要なリソースを持って来るのも不可能に感じます。

異世界転移よりは現実味のある仮定の話としては、鎖国して外国との関係を一切絶ったら日本はどうなるかとか。
現代よりエネルギー需要の桁が少なかった昭和初期の時代でさえ、経済制裁を受けたら、海外との船舶の往来が止まったらどうなるか……歴史が証明していますからね。

確か、そのまま戦争を続けていたら昭和20年〜21年で餓死者が1000万でしたっけ?

69名無し三等陸士@F世界:2017/04/20(木) 17:18:37 ID:/6/Mu3X.0
歴史の証明って言うには、圧倒的物量を誇る敵国との末期戦て特殊事情が大きすぎるんでは
問題の切り分けをするに、他国から責められない転移の時点で維持だけは不可能じゃなさそうな
政治的に「外へ」は避けられんでしょうけど

70名無し三等陸士@F世界:2017/04/22(土) 21:54:02 ID:M7xF1YeE0
津島の米食えない率ヤベぇ
ttp://uproda.2ch-library.com/9667186ZC/lib966718.gif

71303 ◆CFYEo93rhU:2017/04/23(日) 19:06:02 ID:guO46a5g0
本編の続きを投下します。


>>69

現代ほど機械化されず、人力や畜力に頼っていた昭和初期の時代でも、
転移なんて事が本当に起きたら何年も戦争して末期的状況になるくらい、
あるいはもっと疲弊しておかしくないだろうというのが私の見解です。

史実の太平洋戦争とは違いますが、徐々に衰退するのは避けられないだろうと。
つまり最低限の維持だけでも難しい。

農業に関しては戦前の段階で北海道、本州、四国、九州と沖縄で生産される分だけでは、
そこに住む人々を養いきれないので、台湾、朝鮮、満州から米など輸入していましたよね。

現代日本ものでも大日本帝国ものでも、国ごと転移系の小説の場合は
「日本は転移初期に幸運に恵まれて資源地帯を手に入れて開発に成功した」
というストーリーが多いですが、こういう作者によるご都合主義展開が無ければ
近代国家として死ぬ(下手したら江戸時代より後退する)から仕方ないと思います

それと、仰るように政治的に「外へ」となるとしても、各種資源が無ければ
外へ行く事すら無理なので、真面目に考えると暗い未来しか見えないので
303は考えるのを止めて神賜島に全てを託した……といった感じです。

72303 ◆CFYEo93rhU:2017/04/23(日) 19:08:28 ID:guO46a5g0
「ノイリート島が皇国軍に制圧されたとなりますと……」
マルロー王国空軍の近衛飛竜師団を預かる将軍が地図を広げ、シテーン湾を指差す。
「今迄の皇国軍“飛竜”の行動圏から導かれる結論は――」
指先はシテーン湾からマルロー王国の王都ワイヤンに移動する。
意味する所はシテーン湾全体とワイヤン周辺が全て皇国軍の“制空権”に入ったという事だ。
皇国軍の擁する“飛竜”は外見や性能が様々なので情報が錯綜しているのが現状だが、
“海の上から直に飛び立つ大型の飛竜”であれば、マルロー王国の
全土が“制空権”に入るかも知れないという想定もある。

開戦前の“前提条件”では、皇国軍の飛竜隊はワイヤンまで来る事は無いものとされていた。
ユラ神国やリア公国から、終日ベルグを脅かされていたリンド王国とは状況が違うと。

「リンド王国並びに皇国の外交筋から、北方諸国同盟の即時停戦と講和を要求する書簡が来ております。
 皇国の方は特命全権大使の署名となっていますが、リンドからのものは女王の署名入りです……30日以内の返答を求むと」
書簡は複数の中立国を経由しているのだが、ノイリート島の占領から2ヶ月も経っていないのに手際が良すぎると、レイオンは思っていた。
セソー大公国の情報がベルグに届くのに半月から1ヶ月。手紙に認めてワイヤンに届くのに1ヶ月から1ヶ月半はかかる。

しかもこの中立国の中にユラ神国の名前がある。
確かに北方諸国同盟が戦争しているのはリンド王国と皇国だが、ユラ神国は明確に皇国の同盟国として振る舞っている。
これで何が中立国だ。実際に戦火を交えていないというだけで中立国なら、北方諸国同盟内にも中立国は存在する理屈になる。

皇国のやりたい放題だが、しかしそれを止める力は無い。
大内洋に面するリンド王国とユラ神国、大内洋のリロ王国とオレス王国が親皇国派という時点で、政治的に打てる手は殆ど無い。
では軍事的にはどうだ?

「王都周辺の飛竜基地は、合計すれば千騎以上の飛竜が居ります。
 最悪、これが全滅する可能性も考慮しませんと……」
精鋭の航空戦力を預かる将軍が、実質的に“もうだめだ”と忠告してくる。
「皇国からセソー大公国に対しては、我が国と同じく北方諸国同盟としての降伏をせよと打診があるとの事。
 無条件の降伏ではないのですが、ノイリート島の帰属を巡ってセソー大公国と揉めそうではあります……」
マルロー王国の、特に西部に領地を持つ貴族から感じ取れる雰囲気は不味い。
自分の領地に戦禍が及ぶ危機が現実になりつつあるから、必死だ。

マルロー王国本土の危険度を判定する為に行われた海軍の偵察は完全な失敗に終わった。
ノイリート島は既に皇国軍の防備が固められており、周辺には有力な艦隊が存在する事が判明。
皇国軍艦と皇国飛竜の能力からすれば、最早近付く事すら不可能だろう。

残った全ての艦艇を投入した乾坤一擲の作戦ならば、あるいは
シテーン湾の制海権を一時的にでも確保できるかも知れない
という見方もあるが、相当な損害を覚悟せねばならないし、
ノイリート島を奪還する事が出来たとして、その後は?

島の奪還は目的ではないのに、その為に貴重な艦隊を磨り潰し
飛竜母艦を失えば、東大陸北方での覇権争いを諦める事になる。
大海軍を全滅させるなど、リンド王国海軍の二の舞は御免だ。


もう、潮時か……。
一発殴ってリンド王国から譲歩を引き出す。
という目論見がほぼ達成不可能となった今、政治はいかに“不利でない”条件で敗戦処理を行うかに移りつつあった。

73303 ◆CFYEo93rhU:2017/04/23(日) 19:09:02 ID:guO46a5g0
リンド王国と皇国からの講和要求(降伏勧告)を受け、北方諸国同盟の主だった領邦君主が集まる会談が設けられた。
だが、どういう形で講和するかという会談の筈が、予想に反してセソー大公レオニスだけが徹底抗戦を主張したのだ。
“賠償金もノイリート島の割譲も認められない”という意見にはマルロー国王レイオンも首を傾げた。
要求されている賠償金は払えない程の大金ではないのだから、島と引き換えならば何も問題無いだろう。
各方面で攻撃が頓挫している現状、戦争を長引かせる方が余計な出費になりうる。
セソー大公国の場合、ノイリート島に収まらず全土が占領される危険も現実になっているのだ。
占領まで行かなくても、明らかに全土が皇国の制空権に収まるのだから、爆撃され放題だろう。

しかしマルロー国王以外で、匹敵する発言力があるのはセソー大公しか居ない。
他の貴族は横並びで下位にあるから、マルロー国王とセソー大公の口論になっていた。
「徹底抗戦とは申すが、それは無傷でノイリート島を奪われた国の君主の言葉か?」
「あれはノイリート伯爵の独断によるもの。我が国の同盟への忠誠は変わりません!」
「貴公は臣下の貴族に離反される意味を考えているのか? 臣下に見放された君主の末路を考えているのか?」
「それは、どういう……」
「貴公と、そして同盟の盟主たる余が、ノイリート伯爵に見放されたという事だ」
ノイリート島の占領は、北方諸国同盟にとってはセソー大公国を通る進軍路が常に脅かされる事を意味する。
北側から主力を押し立てようとしているのに、その主力軍団の後方が危ういと戦えるものも戦えない。
そのような初歩的な事が解らないノイリート伯爵ではない。
独断で皇国軍の進駐を許し領土を明け渡したという事実は、
単に裏切ったという以上に重い政治的、軍事的意味を持つ。


「リンド王国の二の舞になりたくなければ、もう皇国の講和案を丸呑みするより他無いであろう?
 今ならまだ、交渉の余地は残されているのだ。同盟一丸となって交渉に臨むのが忠誠とは違うのか?」
「先人は言いました。自分が苦しい時は相手も苦しいのだと。皇国も苦しんでいるのです。
 現状、見かけの上で劣勢だからといって、安易な譲歩は後世に禍根を残します」
「であれば、後世に禍根を残さぬように講和を進めるのが筋であろう」
「しかし、それでは同盟の正義が――」
「ならば! 貴国を此度の軍事同盟から除名する。それで同盟に縛られず心置きなく戦えるだろう。貴公の正義を全うしてくれ」
「わかりました。世に正義の何たるかを示します」

マルロー国王の提案に、セソー大公国以外の全ての国が除名に賛同し、賛成多数で議決された。
付き合いで連名しはしたが、正直“北方諸国同盟”という看板から抜けたいと思っていた国は多い。
皇国側が名前くらいしか把握していない中小国にとっては、早期の講和は願ったり叶ったりの話だ。

そんな都合の良い話に皇国が納得するかはともかく、形式的には北方諸国同盟が一体となって講和するという筋は通せる。
少なくとも、この同盟の盟主であり列強国であるマルロー王国が率先して講和に同意するという形は作れる。
もしも、この提案で通らなければ皇国側に立ってセソー大公国を挟撃してでも、という覚悟もあった。


後世に“不可解な決別”と呼ばれる事となる会議は、想定外の結果で終わった。

74303 ◆CFYEo93rhU:2017/04/23(日) 19:09:36 ID:guO46a5g0
盟主たるマルロー王国が降伏し、中小国も示し合わせたかのように雪崩を打って降伏。
北方諸国同盟は事実上全面降伏、同盟も経済的繋がりは維持されつつも軍事的には解体した。
セソー大公国を除いて……。


この情報はすぐさまベルグに届けられ、リンド王国、皇国と北方諸国同盟間の停戦が成り、同時進行で講和条約の締結が行われた。
時間が無かったため、本来ならばそのまま本国へ帰る筈だった巡洋艦青葉が補給を済ませた上で再度シテーン湾に折り返し、
皇国の外交団を載せてマルロー王国沖に停泊、その艦上でセソー大公国を除く北方諸国同盟の全代表が調印した。


1、リンド王国との国交再開、内政不干渉。
2、皇国との国交、通商条約の締結。
3、賠償金5億5000万リルスを50年で支払う。
4、捕虜を500万リルスと引き換えで返還する。

以上が、皇国、リンド王国と北方諸国同盟で締結された講和条約の基本的な内容である。
これにより北方諸国同盟との戦争は事実上終結したが、セソー大公は未だに徹底抗戦を唱えていた。


北方諸国同盟の盟主であるマルロー王国が降伏すれば、当然にその他諸国も自動的に降伏すると、そう思っていた皇国首脳陣は、
予想外の展開に頭を抱えざるを得なかった。降伏を求めてきたと思ったら徹底抗戦に傾くセソー大公国の変節ぶり。

マルロー王国さえ崩せば、あとは有象無象という考えは甘かった。
だが、折角マルロー王国他、セソー大公国を除く北方諸国同盟が“同盟として”降伏するというのだ。
これを蹴ったら確実に長引く。

北方諸国同盟が降伏すれば、セソー大公国のみを相手にすればいいのだ。
セソー大公国はリンド王国からも飛行機を飛ばせるし、ノイリート島からなら全土が攻撃圏内になる。
マルロー王国の王都ワイヤンを如何に爆撃しようかと思索を練っていた皇国軍からすれば、爆撃難度が大いに下がった。
国土の縦深も無いから、空陸から攻め立てればすぐに崩れるだろう。

リンド王国の王都ベルグの経験から、それくらい解ると思うのだが、何故セソー大公が同盟を離反してまで継戦を望むのか。
マルロー国王やセソー大公の直臣すら計りかねた問題であり、後世に至っても謎のままの問題、皇国も計りかねた。
後世、この同盟脱退劇は『セソー大公、謎の判断』とか『セソー大公、謎の離反』などと呼ばれる事になる。
“疲れていた”とするのが定説になるが、その疲労による誤判断に巻き込まれた方は堪ったものではない。

家臣が講和工作を進めても、結局、君主であるセソー大公が署名調印せねば終わらないのだ。
書類一式準備して、後は署名調印するだけという手筈を整えても、そこで反発されても困る。
大公位継承権者は全員まだ幼い。当分の間、双方の勢力は覚悟を決めるしかなかった。

75303 ◆CFYEo93rhU:2017/04/23(日) 19:13:12 ID:guO46a5g0
投下終了です。
以前投下したものを二重投下していないかビクビクしています。


『現代知識チートマニュアル』

なる本を、書店で見かけてぱらぱらと立ち読みしたのです。
時間が無かったのでとりあえず軍事チートの項目の中の弾丸について読んでみて……。

中世(近世)のマスケットや前装式の大砲を想定して書かれただろう
部分で、ドングリ型の弾丸は球形の弾丸に比べて質量を大きく、
断面積を小さく出来るから遠距離で速度が落ちず射程が長い。

大砲においては球形の弾丸は地面を転がりながら敵を薙ぎ
倒していくがドングリ型の弾丸は地面に刺さってしまう。

銃なら全部をドングリ型に、大砲なら攻城戦等で射程を長く取りたい時は
ドングリ型の、野戦で範囲効果を求めるなら球形の弾丸を使い分けると良い。

球形のマスケット銃弾は空気抵抗が大きく150mも飛ぶと威力が無くなる。

というような事が書いてあって、首を捻ってしまいました。

ライフリングされていない銃からドングリ型の弾丸撃ったらひっくり返るだろうし、
球形砲弾が跳ね回る地面なら浅い角度でドングリ型の砲弾撃っても跳弾するのではと。
大砲で範囲効果を狙いたいなら榴弾を使えば良いのではないか(中近世の
導火線式の時限信管では狙った場所で起爆させるのは難しかったですが)と。

銃弾の威力に関しても、使う銃の種類や火薬の量で違うにしろ、
150mも離れれば安全かのような書き方は誤解を招くのではと。

中世のスムースボア前提っぽい文脈の軍事チートの項目で
ライフルのラの字も出て来ないってどういう事だと。

他にも、攻城戦ではなく野戦で塹壕を提案していたり、
塹壕に対して遠距離からの弓射なら有効だと書いていたり。

他の政治チートや農業チート等の項目は見ていないのですが、軍事チートの項目でずっこけたので、
面白そうな本だけど参考にするのは危険な臭いがして、購入はしなかったのですが……。
軍事の項目が例外だっただけで、他の項目はそれなりに使えそうなんでしょうかね。

「創作で上手い嘘をつく為の糧にどうぞ」みたいな売り文句でしたが……。

76名無し三等陸士@F世界:2017/04/24(月) 09:38:15 ID:DSlPLopA0
あーこれは意図しない泥沼になりそうな…

マニュアルについては逆に参考資料がなんなのか気になりますね

77303 ◆CFYEo93rhU:2017/04/27(木) 21:20:16 ID:guO46a5g0
いつも拙作を読んで下さる方、感想下さる方、まとめて下さる方、ありがとうございます。

今日はまとめwikiの修正のお願いです。
この投稿自体も、修正依頼があったという履歴になるので、まとめに加えて頂けるとありがたいです。


以前、もう1年半前になりますが、対等な国家間関係において
友好関係を示すための贈り物を「献上」はおかしいのではないか。
というご指摘がありました。

それで「献上」から「贈呈」に変更した方が良いという提案を頂き、納得したのですが、
私の方から『献上を贈呈に直して下さい』と修正を求め、機械的に「献上」から「贈呈」に
変更すると、「献上」という表現で正しい部分も変更されてしまう恐れがあるので、保留していました。

今回、最初の投下分から現段階の最新版まで含めて、全部を確認しました。
「献上」という言葉があっても、それで間違っていない箇所(西大陸編35話など)を除き、
全ての箇所を「献上」→「贈呈」にした方が良いと思いましたので、まとめwikiに関して、
私の間違いによる表現から「献上」→「贈呈」に修正して欲しい箇所は以下のとおりです。


・西大陸編

>外伝的掌編『エレーナ殿下の御訪問』
「イルフェス国王への献上品」
→「イルフェス国王への贈呈品」

西大陸編の短編『皇国に献上された赤人』は、あえて“献上”という言葉を使わせてもらいました。
皇国の担当部署的には贈呈なのでしょうけれど、ここは厳密には間違いだと分かった上でご理解下さい。

・東大陸編

>外伝的掌編『最高のレシプロ戦闘機』あとがきと補足
「皇国人と結婚したリンド女王への“友好の証しとしての献上品”」
→「皇国人と結婚したリンド女王への“友好の証しとしての贈呈品”」


この件の確認と修正が遅れに遅れた事をお詫びします。


あと「献上」問題とは関係ありませんが、

・西大陸編

>外伝的掌編『エレーナ殿下と三八式歩兵銃の話』
「皇国は最大で50万丁の売却が可能」
→「皇国は最大で10万丁の売却が可能」

という部分も数字の修正をお願いしたいです。
50万丁は多すぎました。

78名無し三等陸士@F世界:2017/05/05(金) 09:09:41 ID:6UoAnixE0
西大陸編の 『射撃演習場』 でも、

「本国では50万丁の小銃を用意しています」
「50万丁……ですと?」

とありますが、これも修正対象でしょうか?

79303 ◆CFYEo93rhU:2017/05/05(金) 16:30:52 ID:guO46a5g0
>>76

本編の展開は既に泥沼とも言えますが。
敵の幹部の一人がラスボスと思われていた奴を裏切って独自行動をとるって、特撮とかゲームとかでありがちな展開かな。と。

『現代知識チートマニュアル』の参考資料は、普通の書き方なら章ごとか巻末に纏めて書かれる
ものだと思いますが、5分くらい読み流しただけでそこまで目を通していないので、分かりません。


>>78

私の方の確認不足でした。そちらも修正してください。
皇国軍の中古小銃に関して「50万丁」とある箇所は
全部「10万丁」に直していただけると助かります。

80名無し三等陸士@F世界:2017/05/15(月) 02:54:00 ID:FyX.kvDI0
これはもしかしたらセソー大公としたらリンドの王権を狙っていたのでしょうか。
そう考えると単純に覇権の拡大と帝国に対する予防戦争を考えていたマルローと
王権丸ごと狙っていたセソーでは戦争に対する熱意自体が違っていたのではないかなあ
と想像が膨らみました。

81名無し三等陸士@F世界:2017/05/15(月) 18:59:17 ID:w2nCsok60
>>79
>『現代知識チートマニュアル』
Amazonで作者の情報を見てみましたけれど、軍事的な知識があるような
人には見えない経歴でしたね。
恐らくですが、軍事関係や中近世・近代世界史の資料の方にもあまり
接しておられないように見受けられます。

「チート」という言葉が独り歩きしている昨今から見ても工学系の知識など
も何というか中途半端というか「いい加減な」感じを感じとる次第。
中世ヨーロッパ「最大の」発明であるはずのネジ構造(とネジ回し
と旋盤)の事がさっぱり出てこない時点で、この本の読者層というのは
少なくともラノベや小説書きを想定していない気がします。
ネジとネジ回しが出ればライフリングの重要性は把握できますし、上で
303氏がかかれているような「頓珍漢な」書き方には絶対なりません。
「GUN FACT BOOK」すらこの作者は読んだことが無いのでしょう。
もし、読んでいればこんなことは普通書きません。

鞍と鐙や塹壕の話を出しているのに軍の兵士が履く「軍靴」について
は全然項目を作ってないんですね。
「国民国家」以降の近代軍は兵士に制服と靴を支給しましたが、これが
どれほど重要な要素なのかを説明していない時点で作者の方は世界史
や軍事史・被服史などには全く興味が無いか重要性を理解して
いないのでしょうね。
作者は日本陸軍が日本製軍靴の品質の低さ(歩兵の仕事は歩くこと)
によって兵士の落伍率が高まり、結果的に戦力の低下を招いたこと
すら知らないのでしょう(足への負担の軽減をはかれなかった)。

軍事部分で重要な兵站についても項目を割りさいているようではあり
ますが、近代以前の軍隊では兵站の維持には道路事情の改善と
食料生産を維持できる体制と内政の充実が必要なのにその辺りも
言及されていないのかな?
英文資料に当たらなくても、良質な日本語に翻訳された資料というのは
無料で公開されているものも多々あるものなので、そういう本や文章を
読んでみよう&借りたり買ってみようネットで調べることさえ「面倒臭い」と
考える人が読むものなのかも。
個人的にはゆるゆるな設定の小説を書くに辺り、都合のいい部分の
知識をその知識を語る上での背景説明などは抜きにして簡単に
説明(ガセネタも含めて?)している本ともとれます。
自分が本当に作りたい、設定を練り込んだ戦記物・内政物を書きたい
のならこんなネタ本風味の書籍よりもっといいのがあると思えます。

補給戦―何が勝敗を決定するのか-マーチン・ファン クレフェルト (著)
傭兵の二千年史-菊池 良生 (著)
誤算の論理 -児島襄(著)
西洋靴事始め―日本人と靴の出会い- 稲川 實 (著)
激戦場 皇軍うらばなし-藤田 昌雄 (著)
「GUN FACT BOOK-銃の基礎知識」学習研究社
小林宏明訳-全米ライフル協会(NRA)監修
中世の食卓から-石井 美樹子 (著)
ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語
ヴィトルト リプチンスキ (著) 春日井 晶子 (翻訳)

アジア歴史資料センター 電子資料センター(データベース/無料)
近現代(1860年代から1945年前後)の日本とアジア近隣諸国の資料
You Tubeにある中近世のリエナクトメントに関する動画
映画「ワーテルロー」(1970)

みんな大好き西洋式火縄銃の撃ち方とか(動画は紙薬莢を使用)
How to fire a Matchlock musket - English Heritage Event
ttp://www.youtube.com/watch?v=2KTS8PQ06Qo

Brown Bess Musket: Three shots in 46 seconds
マスケット銃(ブラウン・ベス)を46秒間に3発撃つ-熟練兵の速度です
ttps://www.youtube.com/watch?hl=ja&gl=JP&v=SJMbxZ1k9NQ

82名無し三等陸士@F世界:2017/05/16(火) 11:37:57 ID:VLGkK9Dk0
なろう作家がターゲットなら別に問題は無さそう

83名無し三等陸士@F世界:2017/05/16(火) 19:30:41 ID:Imfv7Bj20
>>81
長文を書かれているところ申し訳ないのですがこの本の著者が想定している購買層は
なろうで異世界に行って現代知識SUGEEEEEEEEを書いたりそういう物語を見たいと思っている層だろうから
適当なのもしょうがないのです。彼らは辛い現実なんて知りたくないあくまでもSUGEEEって言われたいだけですから
現実的なものを提示しても売れないのです。道路なんてERAI主人公が一言敷けと命じれば勝手に敷かれ
その予算も労働力も魔法のツボから湧いて出てきます。
古代ローマが交通網の整備と維持にどれだけの時間と予算と人員をかけたかなんてどうでもいいのです。
軍制だって国民国家どころか民族主義すら生まれていなくてもぽんっと常備軍が湧いて出たりしても
不思議に思ってはいけません。なぜなら全ては主人公のSUGEEEちーと知識のための舞台装置でしかないのですから。

84名無し三等陸士@F世界:2017/05/17(水) 20:12:38 ID:LKogINsQ0
>>81
長い、一言「Tueee作家予備軍向けだった」とでも纏めてくれ
あんまり愚痴ると自分で書けコールされるぞ

85303 ◆CFYEo93rhU:2017/05/17(水) 21:08:13 ID:guO46a5g0
現代人の異世界召喚ものの設定を考える度に、集積回路を作るとか、
地上人の持ち込んだチート知識のせいで異世界が戦乱祭りになるとか、
現代人というイレギュラーの介入によって激変する異世界というのを
35年も前にやっていたダンバインって偉大だったんだなぁと。


>>80

あっ、あ……(震え声)


>>81

Amazonレビューだと星五つで、重版かかった書籍なんですがね。

調べましたら、新紀元社の『Truth In Fantasy』シリーズの執筆者だったのですね。
一部ファンタジー界隈でロングボウはクロスボウより威力も連射性能も優れてる! 的なイメージ?
が浸透してクロスボウが不遇なの、このシリーズの影響も多少あったのではないかと疑ってるんですが。

ロングボウが優秀でも、イングランドは結局フランス王権取れなかったしドーバーから追い落とされたんで、
幾らロングボウがフランスの騎士を射抜いても戦略目的が達成できなかった時点で駄目だったよ……って話ですが。


> ネジ

ネジはあっても銃のライフル化という発想が無かった異世界を書いている身としては、ちょっと耳の痛い話です。
逆に言えば、発想さえあればすぐにでも造れる前提技術は整っていたので、皇国軍の影響によってライフルドマスケットが生産されつつあるとしていますが。

ネジも、部分的には古代や中世初期からあったようですが、民需や軍需で本格的に使用されたのは中世後期か近世からでしょうか。
日本でも火縄銃生産で、銃身となる筒の生産は問題無かったが、ネジの部分で難儀したという話はよく出ますね。

旋盤の話だと、大日本帝国軍で部品の標準規格化が出来ず、組み立ての段階や現場で部品の寸法の辻褄を合わせて
いたというのも、結局旋盤の性能が低かったり数が足りなくて、良質の部品が供給出来なかった問題に行きつきますね。

戦艦大和は国産戦艦だけど、じゃあその主砲を削り出した旋盤はというとドイツ製ですからね。
スクリュープロペラの加工とか、蒸気タービンエンジンの加工とかも結局欧米の工作機械が無いと造れない。

逆に言うと欧米の高品質な旋盤を輸入出来て初めて、戦艦大和は誕生しえたというか、何というか。
そういう基礎技術から全部国産だったら、外面だけは何とか取り繕えても実性能が危うかったでしょうね。

駆逐艦島風のボイラーは日本海軍が丹精込めた特注品の高温高圧ボイラーだったけど、
アメリカはそれと大差ない性能のボイラーを量産してたと聞くとげんなりします。

> 軍靴

近世ヨーロッパの常備連隊では、靴職人を雇って居ましたね。

> 兵站

兵站関連の食料事情に関しては多分政治チートと農業チートの項目にあるんだと思います(未購入ゆえ未確認)。
恒例のじゃがいも栽培とかノーフォーク農法とかも載っているようですし。

というか20世紀以降の現代軍でもなければ、軍隊の食料って最初の10日分とかを使い切ったらあとは基本現地調達では?
適正価格で購入するか、武力を背景に略奪するかの違いはあれど、現地調達が基本なのは19世紀になっても変わりませんよね。
食料を現地調達するのが難しい場所では道路や港からの補給頼りですが。

> 映画「ワーテルロー」(1970)

野戦砲兵が普通に居る近世で、グリーンジャケットとかイェーガーとか、ヴォルティジュールとか居る時代だし!
いわゆる中世ヨーロッパ風の映像資料とするには、『バリー・リンドン』なんかもそうですが時代が違うでしょう。
兵士は勿論、士官(中世で言えば騎士)も鎧着てないですし、胸甲騎兵は中世の騎士とは違いますし。

『ROCK YOU !』とか『ブレイブハート』くらいが、中世ヨーロッパの(主に戦闘や戦争を題材にした)映画作品になると思います。

86303 ◆CFYEo93rhU:2017/05/17(水) 21:08:48 ID:guO46a5g0
>>82-84

なろうにそういう作品群があり、一定の需要がある事は私も理解していますし、否定するつもりは毛頭ありません。
私も、たまにそういうの読みますし、私なんかより文章上手いし執筆速い人は多く居ますからね。出版化された物は特に。

それに裾野が広ければ頂点も高くなるという意味で、むしろそういう作品群には肯定的な部類だと思います。
アニメ化までされた『ゲート』等の影響もあるでしょうが、自衛隊を含む転移ものは増えてる感じですし。
勿論、増えたら増えたで検索が面倒臭くなる弊害はありますが、それは私にとっては嬉しい悲鳴です。

ただこの『現代知識チートマニュアル』に関しては、著者側から
「異世界チートというフィクションを書く為に、創作に深みを与えるために本当の事を知ろう。フィクションだからこそ知ろう。
 前提知識を持って嘘を嘘と知った上で書くのと、前提知識なしに知らずに嘘を書いてしまうのは違う。この本はその為の創作資料だ」
というような感じの売り文句(前書きに、そんな事が書いてありました)で並んでいましたから、
そこに書かれている事実内容に関して疑問があれば、突っ込み受けても仕方ないとは思うのですよ。

勿論それは、なろう作家に対してではなく『現代知識チートマニュアル』の著者に対しての突っ込みです。
アマチュアによって無料公開されているなろう作品と違って、プロによる最初から商業出版されてる書籍ですし。


私自身、文章は上手くないし、執筆は遅いし、数多のなろう作家を笑える立場ではありません。
仮に拙作が商業出版されて50万部売れてアニメ化されてBlu-rayも1万枚売れたとかの実績があったとしても、なろう作家を蔑むような事はしたくないです。

少なくとも私の場合、発表している場所がなろうではないというだけで、既存作品に影響されて「なんか楽しそうだから似たようなの書いてみたい!」をやってるだけです。
そしてそれは、数多のなろう作家のやってる事と同じだと思います。
なろう作家の中には、最初から商業出版を目的に、その布石として作品投稿している人も居るでしょうが、そういう人は少数派だと思いますから。

87名無し三等陸士@F世界:2017/05/20(土) 11:15:25 ID:7Y6/XtG60
皇国が海でなく大陸ド真ん中に出現してたら展開も大きく違ったんだろうなー

88名無し三等陸士@F世界:2017/05/28(日) 22:21:16 ID:duMIjbdY0
あっさり滅んでゲームオーバーかな…

89名無し三等陸士@F世界:2017/05/29(月) 01:28:59 ID:FyX.kvDI0
海という防壁がない状態だから周辺諸国が異分子の排除に乗り出し
全方向から攻められ物理的に陸軍の対処能力を超え終了だね。

仮にある程度友好的ファーストコンタクトを取ったとしても
他国の領土に無理やり割り込むわけだから莫大な賠償金の支払いを課せられ
輸入の為の外貨が無くなりお金で食料が買えなくなる事態に国内の貨幣価値が暴落
ハイパーインフレーションが巻き起こり革命勃発
周辺国としたらなんだかよく分からないけど王制を倒す革命なんて絶対に許さない
と波及を恐れ出兵でゲームオーバーかな。
短編なら一本かけそうなネタだけど連載は出来ないだろうね。

90名無し三等陸士@F世界:2017/05/29(月) 10:16:02 ID:duMIjbdY0
というか、海運に頼ってる状態の国が海運使えなくなる時点で経済が持たないと思う。

91名無し三等陸士@F世界:2017/05/29(月) 10:30:13 ID:OgQZplZU0
大陸ド真ん中だと日本海やら太平洋やら領海が超でっかい塩湖になってたりして……
東西が外界と繋がってないと潮の満ち引き無くなって大騒動やけど

92303 ◆CFYEo93rhU:2017/06/03(土) 00:21:25 ID:guO46a5g0
まとめをして下さった方、早速の対応ありがとうございました。
この事を前回の投稿に入れるのを忘れており失礼しました。


>>87-91

日本全土がそのまますっぽり入る巨大な塩湖の中に
出現して、湖の沿岸国の港が使えれば……?

でも相当数の船舶が無駄になりそうですね。

93名無し三等陸士@F世界:2017/06/03(土) 06:53:55 ID:NG1VpV4A0
元は陸地だと……日本が領海ごと召還されて交通路寸断、国家が幾つも消滅し交通路もズタズタ
悪夢やな

94名無し三等陸士@F世界:2017/06/05(月) 12:20:31 ID:3m2PwJK.0
比重の軽い真水の供給で酸欠を起こした領海が死の海になるかも
やっぱ作中設定のままが最善か

95303 ◆CFYEo93rhU:2017/06/07(水) 21:00:11 ID:veNW9HQ60
今年も日本で開催されたエアレース。
あれを見ていると、急旋回で速度が落ちるのは致命的なんだなと凄く良く分かりますね。
無理な急旋回よりは、多少大回りしても速度を保ったまま飛ぶ方が結果的に速いと。

最高速度120km/hの飛竜を追う皇国軍戦闘機は、ある程度失速がやむを得ないので意外と戦い辛いかもしれないと改めて感じる機会でした。


> 大陸の中に召喚

ロシア召喚とかドイツ召喚とか、元から海とは一切接していないスイス召喚とか、でしょうか。
異世界でも永世中立政策を貫くスイスとか、面白そう……。

アジアで全く海に面していない国はモンゴルとかラオスとか、あとインド北部とか中東の小国ですね。

96名無し三等陸士@F世界:2017/06/08(木) 01:13:10 ID:/YDgp0mI0
逆に異世界からコンニチワしても良いのよ?
次元に手が届きそうな超文明の実験が失敗して五大湖やカスピ海に研究所が転移

97名無し三等陸士@F世界:2017/06/08(木) 07:50:57 ID:FyX.kvDI0
>>95
モンゴル、、、今度こそ地が果て海が尽きる地へとモンゴル大騎馬軍団が進軍を始めるんですね!

98名無し三等陸士@F世界:2017/06/13(火) 08:09:13 ID:YJ6nvwC60
それ、モンゴルが民族ごと地球からリストラされただけ……
ぶっちゃけ幼女戦記の主人公が増えたバージョン

99303 ◆CFYEo93rhU:2017/06/14(水) 20:25:04 ID:C5LTI3lU0
天皇陛下の退位、譲位に関して「三種の神器」は贈与税が非課税。
という話題を見つけて、そういえばこういう古代や中世から続く王家は何かしら
持っているレガリアに、現代国家はどう対処してるのだろうかと興味がわきます。


>>96

帝国の竜神様……はちょっと違いますか。
異世界と“門”で繋がる系とか、異世界から一人ないし数人転移してくる系はなろう等で
見た事ありますが、異世界から現実世界に国ごと転移系は、私は見た事ありません。

次元の壁を超えるほどの技術を持つ異世界人が転移してきたら、
その超技術を得るため第三次世界大戦が勃発しそう……。

>>97

現代モンゴル軍より中世のモンゴル帝国の方が強そう……。
でも海に弱いから、世界は一つの大陸という異世界が好都合ですね。
あと森林や山岳が多い地形も不都合だ……殺風景な異世界になりそうです。

>>98

つまり皇帝(可汗)も兵士も将軍も全員幼女なのですね!

100名無し三等陸士@F世界:2017/06/17(土) 08:49:22 ID:WXa0Ik3I0
そして全員パラノイア……

101名無し三等陸士@F世界:2017/08/01(火) 04:05:45 ID:VLGkK9Dk0
大陸も沿岸部は別として内陸部は沃素が足りんし日本が領海ごと喚ばれたのは意思もつ惑星の栄養補給だったり

102303 ◆CFYEo93rhU:2017/08/07(月) 23:53:07 ID:C5LTI3lU0
303です。

5000兆円欲しいです。

異世界チート、俺TUEEEE、と呼ばれる系統のやつで、このネタ使えそうだと思いました。
『5000兆円貰う代わりに異世界に飛ばされる権利を手に入れた』みたいな。


>>101

個人が召喚されるものだと、世界を救う勇者を呼ぼうとしたみたいな設定も多いので、
国ごと召喚であっても異世界の意思が日本を召喚したみたいな設定でも良いと思います。
「これが世界の選択か……」とか言わせれば万事解決。

ムー大陸なども、実は海底に沈んだのではなく異世界に国ごと転移させられたんですよ。

103名無し三等陸士@F世界:2017/08/10(木) 00:45:47 ID:sWEHjDTA0
>>87
つ陸上の渚
船があっても(相手に)港が無いし、線路や道路を一から作らなくてはならないしで大変だよね!

>>102
GDPの世界合計の半分近くを一個人が保有していたら世界経済が死ぬ。w
どういった形で持つのか、そもそも円として流通している額よりも多くなるが、とか色々と突っ込みどころが。
あと、5000兆円貰っても、異世界行ったらただの紙切れ、金属の塊だから・・・。
異世界転移は本当に地獄だぜ。ヒャッハー!

104303 ◆CFYEo93rhU:2017/08/11(金) 09:00:34 ID:C5LTI3lU0
>>103

異世界転移は真面目に考えると地獄だから、何らかのチートは必要です。
「俺TUEEEE」ではありませんが、古典の不思議の国のアリスやオズの魔法使いだって迷い込んだ世界で普通に会話(主人公は英語を話している筈)が成り立ってますし。動物や無機物とさえ会話してます。
これだって突っ込もうと思えば「異世界なのになんで言葉が通じるんだ(主人公が異世界言語を習得するところから始めるべき)」と突っ込めますけど、それは野暮ってものですし、そもそも魔法の世界だから言葉が通じても不思議ではありません。


・パターン1-1(王道チート)
「チート」ですから、現代日本と異世界の物価を比較してで5000兆円分(インフレなどは考えない)の「何か(異世界通貨でもいいし、ギルドカードのような魔法のプリペイドカードの仮想通貨でもいい)」ですよ。
つまり現代日本で宿屋一泊5000円、異世界の都市で宿屋一泊金貨1枚なら、5000兆円≒金貨1兆枚分という換算(宿屋だけでなく食事やその他を総合的に比較した場合の平均値)です。

勿論、異世界に突然そんな大量の現金が流入して経済が大混乱! なんてのも都合が悪いから無視無視! 主人公がどんな大量に散在しようが物価は変わりません。
RPG(MMORPGは除く)では、カンストになるまでお金稼ぎして、それを散々使ってアイテム爆買いしても、ある町や村の宿屋の値段、アイテムの値段は変わらないでしょう?

現実的に考えれば、主人公の所持金カンストする程度で揺らぐ経済規模ではないと考えるのが自然なのでしょうが。
1G≒1000円くらいのゲーム世界で、主人公が999,999,999G持っているとしても、円換算すると約1兆円。
個人資産として見れば莫大ですが、世界の経済規模から見れば僅かです。

1兆円なら問題にならなくても5000兆円だと問題になるだろうなぁ、というのはまあ……それで世界経済がおかしくならない事も含めて「チート」なのだと“作者と読者が”信じるしかないと思います。

・パターン1-2(覇道チート)
莫大な現金が流れ込んでインフレが起きるが、主人公はその前に5000兆円分の異世界通貨を不動産やら宝石やら貴金属にちゃっかり変えていた。というのでもいいかと。
チューリップだって投機対象になるのだから、ハイパーインフレとバブル景気のダブルパンチが異世界を襲うかもしれません。
パン1個が1億円みたいに異常な物価高騰が進んだ異世界で、地歩を固めた主人公が「パンが無ければ蕎麦でも食ってろ」とか上から目線で庶民を眺めるのも一興。


・パターン2-1(異世界には持っていけなかったよ)
女神様「あなたの(日本の)銀行口座に5000兆円振り込みました。それでは異世界に行ってらっしゃい」
主人公(特に何も持たず異世界に放り出された俺にとって、異世界に転移したという現象そのものがチートだったんだ)

・パターン2-2(主人公、日本を救う)
女神様「5000兆円のうち、贈与税が2749兆9999億9539万5000円。残る2250兆飛んで460万5000円があなたの分です。あ、実は私がお母さんという事にすれば、控除額で240万円有利になりますよ!」
主人公(240万なんて誤差じゃねえか。持ってかれた贈与税だけで国と地方自治体の借金ちゃらにしてまだ余りまくるじゃねーか。良かったな、念願の財政再建だぞ!)


・パターン3(日本以外で日本銀行券が通用する訳ないじゃん)
「5000兆円貰えるなら何でも出来る気がする!」と意気込んで異世界に行ったら「異世界ではただの紙束でした」というオチもありかとは思います。
一万円札なら5000億枚、一円札だと5000兆枚なので、紙の分量だけで凄まじいものとなり、それはそれで何かチート材料に使えそうな気もします。
アルミの一円硬貨だと50億t。精製済みの純アルミだし、魔法のある世界なら素材として活用出来そう?

記念硬貨ですが、法定通貨としても使える10万円金貨とか1万円銀貨とかなら、純金、純銀製だから使いづらいというのはあっても異世界で無価値とはならないでしょうね。
異世界なら勝手に鋳つぶして貰っても法律的に問題無いでしょうし。
凄まじく重くて嵩張るので「アイテムぶくろ」は必須です。

105名無し三等陸士@F世界:2017/08/13(日) 02:11:57 ID:qcQvYnGo0
チートを外部に置くのなら問題は無い筈、掘ってくださいと言わんばかりの資源島とか
昭和20年代までなら、今みたいな一息付けるまでに燃費悪いカラダが保たぬって酷さも無視できる(かも)
平成どころか昭和40年代でも、資源島の経営が軌道に乗る前で力尽きてヒャッハー待った無しだわ

106名無し三等陸士@F世界:2017/08/16(水) 00:40:34 ID:9Ot53Ybo0
少なくとも資源チート島はやらにゃ日本召喚モノは成り立たんわな

つか、史実なんて開戦劈頭に製油施設やタンクまでセットで無傷で占領出来た!
という、資源チート島が可愛く見えるくらいのご都合主義な資源地帯ゲットに成功してる位だし。
史実帝国日本だと採掘能力も精製能力も乏しいので、超良質油田が露出して黒い湖になってる島には上陸しやすい砂浜が!位な必要があるハズ

普通に資源が地下に埋蔵されてる島を入手しました、程度では軌道に乗る前に間に合わない可能性が・・・

107名無し三等陸士@F世界:2017/08/17(木) 11:23:25 ID:RgntUXaI0
可能性ってか、間に合わないだろう、技術者の育成から始める必要がある

108名無し三等陸士@F世界:2017/08/18(金) 20:39:47 ID:KSdTVI4I0
別に技術者が居ないわけじゃないぞ、ソ連と揉めながらもオハ油田を操業してるしね
時期によっては満州で合成石油作り出している
ただ、如何せん操業規模が小さいからなー
日本全体の需要を支えるレベルの大規模石油プラントをさくっと作るのはかなりの難事業だろうね

あと、もっと問題なのが探査能力の低さ。満州で欧米の探査会社に頼らず自力で探査した結果、
大慶油田と遼河油田の結構近くで試掘までやってたのに見逃して終わっている。
だもんで、油田が露出していないと早期着手は難しいって話。

109303 ◆CFYEo93rhU:2017/08/18(金) 20:51:57 ID:C5LTI3lU0
ドラえもんの大長編の『ドラビアンナイト』では、未来の旅行グッズとして「現地通貨が幾らでも出て来る袋」(正式名称忘れました)がありました。
それを使って街で買い物したり、船をチャーターしてましたが、ドラえもんが商人(のび太とかは召使い)という設定で金貨をジャラジャラ出してましたから、使い方によっては相当ばやい道具ですよね。
ドラえもんやのび太たちは人が良いから、船のチャーター料金ぼったくられてるのに気付いてませんでしたし。

5000兆円をぽんと渡されるより、必要に応じて必要なだけ引き出せるドラえもんの道具の方が便利そう……。

>>105-108

近くに資源島があっても、現実の昭和10年代の日本だと技術的に未熟で自力開発出来ない
(全く出来ないか、出来ても欧米ほど高効率に出来ない)分野があり、せっかくのチートを
生かせないので、「全ての必要資源が使用可能な状態で開発済み(何故か日本の工業規格に
適合)」くらいの資源島である必要すらあるのではないかと、考えるようになりました。

鉄鉱石ではなくて純鉄が、ボーキサイトではなくて純アルミが転がる資源島! その他も純金や純銅などがごろごろと転がっています。
どうせチートなのだからチート度合が千か万かの違い。少なくとも近代化以降の日本が助かるにはそれしかないのではないかと。

これなら、現代日本召喚ものでも使える設定です。
液体水素で満たされた超低温の湖でも、核融合炉ですぐ使えるトリチウムの湖でも何でもアリ……。

ただ、いわゆる資源島はご都合主義展開過ぎて萎えるという感想も多いので、そういうご都合主義無しでやっていくにはどういう条件が必要か、考えたりもします。
別ベクトルのチートしか思いつかないのですが。

110名無し三等陸士@F世界:2017/08/19(土) 01:19:02 ID:slz5Sa/Q0
曲がりなりにも自律しうる時代で無人の可住惑星にでも渡ればOKかもな……チート無用の状況こそ至高のチート
つーか石油/鉄/Etcなんて手段であって目的じゃ無い、人は金属や石油を使う為に生きてるんじゃないんだから
ただし戦記モノ好きには詰まらん物語しか出来ないだろう

111303 ◆CFYEo93rhU:2017/08/19(土) 23:06:08 ID:C5LTI3lU0
本編の続き投下します。


現代文明に必要な資源が無くなって徐々に衰退していくしかない世界というと、ゾンビアポカリプスものを思いつきます。
たいてい、警察や軍隊が出動するも手遅れで終末へまっしぐらか、ゾンビが発生した地域を爆破して強引に終わらせるかですが。

異世界で、死霊術師とかが居る世界だと、起こりうる危機ですね。
不死者を浄化する神聖魔法とかもセットであるのがつきものですが、神聖魔法使いの
処理能力を超えて不死者が氾濫し出したら異世界版ゾンビアポカリプスになるでしょうか?

自衛隊(化学学校)が極秘裏に開発していた禁断の薬品トライオキシン246が異世界転移した日本と異世界人を襲う!
自衛隊や警察と異世界の冒険者や魔法使いが協力して、何とか事態を収束しようと試みるものの……。とか。

>>110

異世界開拓物語になってしまって、戦記ものになりませんからね。
それに無人惑星だと、異世界人(原住民)との交流も無くなりますし。

石油はともかく、鉄すら無くても成り立つ時代となると、石器時代か青銅器時代……。
逆にそこまで遡ると、最初から異世界に適した文明として発展するでしょうね。
異世界の人類が現実の人類と同じ姿で交配すら可能なのは、まさか!?

112303 ◆CFYEo93rhU:2017/08/19(土) 23:07:21 ID:C5LTI3lU0
極北洋、シテーン湾。
闇夜の中を、木造帆船の艦隊が走っていた。
それは確実に、目的地に向かって進んでいた。

「集結したのは13隻、陸兵1900か……」
「残りを待ってから上陸しますか?」
出発時は19隻だった艦隊は13隻しか居ない。約3割が脱落したのだ。
「皇国軍艦が居る筈だからこれ以上は待てん。霧が晴れたのは上陸準備には
 好都合だが、それだけ敵に発見される危険も高まる。作業は慎重に急がせろ」
セソー大公国海軍の戦列艦であり派遣艦隊の旗艦となる90門艦プランヴィーネの艦橋で、ノイリート島への
奇襲攻撃任務を指揮するギューナフ海軍中将は、上陸部隊指揮官であるヴィットール陸軍中将に詫びを入れた。

旗艦プランヴィーネは、乗船していた陸軍の旅団司令部を先に上陸させると、
各マストのゲルンスルのみを展帆し、微速で残りの艦の周囲の警戒行う。
灯りを全く点けずに作業したいのはやまやまだが実際それは難しく、
被発見のリスクを覚悟して点けざるを得ないので、その対処だ。

霧や夜に乗じてノイリート島に陸軍を上陸させるという作戦だったが、揚陸準備は島からある程度離れた場所でしか出来ない。
母艦となる戦列艦やフリゲートから、上陸用の小型舟に乗り換えて浜から上陸する訳だが、
手漕ぎボートでは長距離を移動出来ないから、陸軍部隊が揚陸を完了するのは時間がかかる。
上陸地点が限られる島の場合、防衛用の砲台もその周辺に指向されて配備されるのは当然だ。
上陸する側は予め何らかの手段で砲台を無力化してからでないと上陸中の被害が甚大になる。

セソー大公国軍からすれば、自分達で構築した要塞や陣地の位置や数は
把握しているから、大胆な奇襲上陸作戦に打って出られたとも言えたが、
ノイリート島からセソー大公国軍の将兵が引き上げた以上、要塞砲の操作員が居らず全体的に
守備兵力が少ないと言っても、特に重要な防御地点についての情報は敵方に知られているのだ。
皇国軍とセソー大公国軍の参謀の間で「上陸するならどこか」「緊要地点はどこか」と問われれば意見が一致するだろう。
奇襲が奇襲として成立するかどうかは、セソー大公が楽観視するよりずっと危うい賭けであった。

なので上からは奇襲しろとの命令だったが、実際は強襲作戦を織り込んでいる。

ノイリート島要塞を海側からの砲撃で無力化させるには戦列艦で20隻程度の砲撃が必要。
上陸開始から完了まで数時間の優位があれば良いのだが、それが上手く行かない事も見越して
戦列艦が囮になって皇国軍守備兵の注意を向けているうちに、別の地点から上陸する手筈なのだ。
本来上陸に向かない地形に強行上陸する分効率が落ちるが、集中砲火を受けて完全失敗するよりは良い。
囮となるのは2隻の戦列艦から成る分艦隊で、コマントル代将の指揮する74門艦ナングリューが旗艦。
乗船する陸軍は2隻合わせて100人弱。上陸指揮官も将官や大佐ではなく少佐であった。


シテーン湾に派遣された皇国軍の戦闘艦は、リンド王国のセルシー沖で給油した駆逐艦の蓮と菱。
武装は12.7cm単装砲3基、20mm連装機銃2基、12.7mm単装機銃3基、53.3cm連装魚雷発射管2基、爆雷投下条2基。
水雷兵装は搭載しておらず魚雷発射管や爆雷格納庫は空であるが、無い袖は振れず致し方なかった。
その代り、主砲弾と機銃は定数一杯の量を搭載していた。大規模な飛竜編隊にでも襲われたら
それでも危ないが、“飛竜母艦が出て来ない限り大丈夫”という事で送り出された。
唯一の危険である飛竜母艦が出て来ないとする根拠は無いのだが、強いて言えば“悪天候だから”である。
セソー大公国軍は飛竜母艦を1隻しか保有しておらず、言わば虎の子であるから運用は慎重になるだろうし、出て来たとしても、
陸上の飛竜基地や飛竜陣地と違い、1隻の飛竜母艦で運用可能な竜の数ならば襲撃を受けても捌き切れるという勝算もあった。
爆弾からの回避という点においては、的が大きく舵の利きが鈍い戦艦や空母より駆逐艦のような小型艦の方が優れている。
飛竜対策として他には、昼間は大陸に近づかず、近付く場合は夜間のみに限定する。

上陸のし易さだと、揚陸地点は5ヶ所に絞れる。
十数人といった規模で潜入するならば他にもあるが、
数百人や千人超の規模で陸兵を揚げるならその5ヶ所だ。
加えて中〜大規模な港が2ヶ所(小規模も含めれば7ヶ所)ある。

電探を装備していない艦なので、夜間や悪天候での敵発見は困難だ。
電探装備の巡洋艦と比べれば、索敵可能な範囲は数倍以上違う。
故に、艦だけで不足な分を島からの索敵に頼っている。

113303 ◆CFYEo93rhU:2017/08/19(土) 23:07:51 ID:C5LTI3lU0
ノイリート島の西海岸砲台がある砦付近に帆船が現れたという連絡を
受けた蓮の艦長兼隊司令は、それが敵の本隊なのか判断に困った。
報告によると見える範囲では2〜3隻というから、何とも難しい。
それが先鋒で後続部隊があるかも知れないし、それだけが辿り
着いたのかも知れないし、それは囮で本隊は別の場所かも知れない。

「見逃すというのも危険だろう。左砲戦用意」
皇国軍の2隻の駆逐艦は増速し、帆船の艦隊を探照灯で照らし出す。
「敵は3隻ではなく2隻でしたね」
「まだ上陸もされていないな。早めに叩くぞ」


皇国艦の強力な灯りで照らし出されたのは戦列艦ナングリューであった。
発見された後続艦は、ライトを載せたボートを曳航していたが、それを切り離す。

セソー大公国の艦隊は74門艦と54門艦で、どちらも戦列艦である。
隻数だけで言えば互角で、一方の艦隊は戦列艦のみで構成されている訳である。
小規模ではあるが、普通なら激しい砲撃戦、銃撃戦、白兵戦が起きておかしくないものだ。

甲板では水兵達が慌ただしく動き回り、砲門が開き、装填完了した砲から次々に突き出される。
ナングリューの艦橋ではコマントル代将が作業を見つつ、懐中時計とも睨めっこしていた。
リンド王国の主力艦隊すら壊滅させた相手を前に、1分でも長く足止め戦闘をせねばならないのだ。
「準備出来次第、撃たせろ。引き付けて狙う必要は無い。どうせ相手はその距離まで来ないだろうからな」
彼我の距離は4kmを超えて5kmに迫るようなもので、通常の交戦距離とはかけ離れている。
だが皇国艦は長距離砲戦にて一方的に戦場を支配するという情報は広く伝わっている。
故に、通常の交戦距離である1〜2シウス以内は望むべくもない。

2隻の戦列艦から放たれた約60発の砲弾は皇国艦の遥か手前に水柱を立てた。
舷側の砲列甲板に並ぶ主力砲だけでなく、対空ロケット砲まで使って皇国艦隊を威嚇する。


「敵艦発砲! 敵艦発砲!」
もう少し距離を詰めてから発砲開始しようとしていた矢先、蓮の艦橋は慌ただしくなった。
飛竜からの空襲を除けば、水上艦同士の戦闘では常に先手を取ってきた皇国海軍が先手を取られた。
しかも、皇国海軍が得意とする夜戦での事。艦橋内の雰囲気は一変した。
「応戦! 砲撃始め!」
戦列艦の発砲から十数秒後、砲弾は蓮の手前1000m付近に着弾した。
狙いは全く不正確で、散布界も大きく、そもそも届くのかどうかすら怪しいものであったが、
この砲撃によって2000mや3000mといった距離に近づいて精度の高い砲戦をするという選択肢が潰された。
重装甲の戦艦ならともかく、装甲板の無い駆逐艦では、万が一があり得るのだ。
特に露出している艦橋構造物や主砲に被弾したら目も当てられない。

お互い腰の引けた“無様な砲撃戦”が始まった。

114303 ◆CFYEo93rhU:2017/08/19(土) 23:09:54 ID:C5LTI3lU0
短いですが、投下終了です。
砲戦距離100mくらいなら、結構いい勝負になると思うのです。

115名無し三等陸士@F世界:2017/08/20(日) 07:07:41 ID:slz5Sa/Q0
投下に乙
着いたばっかで疲れ果ててるだろうに公選して上陸かー
宮仕えは辛いやね、相手は通信で情報も送れるのに

116名無し三等陸士@F世界:2017/08/21(月) 09:20:38 ID:KSdTVI4I0
乙乙

まさかの日本海軍及び腰
装甲が基本無くて船体外板の普通鋼10mm程度が便りだから下手すると戦列艦相手に不覚を取りかねないのか・・・
史実の戦列艦だと最大級のカノン砲でも精々40ポンド級(20kg)砲丸なので多分大した事は無いだろうけど
(駆逐艦の12.7cm砲弾(25kg)より軽い)
けど射程圏内だと戦列艦のずらっと並んだ砲に一斉に撃たれると見た目怖いね

117名無し三等陸士@F世界:2017/08/24(木) 21:41:01 ID:FyX.kvDI0
お疲れさまでした。
まあこれは駆逐艦乗組員の責任ではないですよねえ。
無様な砲撃戦というのなら戦略要衝なのは分かっているのに
敵を舐めた上にケチって艦を出さなかった艦隊司令部、軍令部の無様ですね。

118303 ◆CFYEo93rhU:2017/08/26(土) 22:28:10 ID:C5LTI3lU0
>>115

軍隊という社会は、今も昔もそんなところではないのでしょうか。
現代の先進国で漸く、少し待遇が良くなったといった程度で……。

たとえ電波通信があったとしても、哨戒網や監視に発見されなければ通報も何もありませんから。


>>116

そこなのですよね。
海軍が何をそこまで恐れるのか、というのは書いていてあまり自信が持てませんでした。
日清戦争(皇清戦争)より昔の世代の、昭和10年代の時点でも骨董品の大砲ですから。
陸軍の方が、生身で曝露される兵士の突撃時に大砲を警戒するのは解るのですが。

一応、理屈をこねるなら、この旧式駆逐艦の能力と派遣された隻数に対して、与えられた任務が過大でした。
ノイリート島周辺海域の哨戒と、敵性対象(現時点ではセソー大公国のみだが、マルロー王国残党が襲って来ないとも限らない)への適切な対応です。
本来なら巡洋艦が出て来るべきなのですが、後の最終攻勢の為の準備期間でシテーン湾に巡洋艦は居ません。

さらに、以前のメッソール沖海戦(東大陸編の小ネタ(本編関連)『ディギル海賊団』参照)で同様の旧式駆逐艦が損傷を受けて、危うく沈没しかけた事があります。
この時は旧式とはいえ戦艦が居たのと違い、今回は駆逐艦のみ(潜水艦は浮上して姿を見せる訳にはいかない)なので、慎重になり過ぎた……とかでしょう。


>>117

戦力をケチっているのはまあ、事実ですが、敵を舐めて「この程度で十分だ」と考えてる訳ではないです。全く舐めてないとも言いませんが。
船舶用の重油の手当ては、皇国国内の運輸、神賜島関連、皇国から東西大陸の輸送船の順位が高く、純粋な戦闘艦への手当はケチってます。
海賊騒ぎもあったし、むしろ巡洋艦や駆逐艦は輸送船の護衛艦としての需要の方が高いから、余計に皺寄せが最前線に行くという感じで。



戦列艦やフリゲート(等級艦)の長砲としては
1バルツ(12ポンド級)、1.5バルツ(18ポンド級)、2バルツ(24ポンド級)、3バルツ(36ポンド級)
が多く用いられています。接近戦用として0.5バルツとか0.25バルツ、0.125バルツ砲もあります。
今回の74門艦は4バルツカノン砲(42ポンド級)は積んでません。カロネード砲は積んでますが射程が……。

あとこの世界の大型軍艦で常用されるのは、多連装ロケットランチャーです。

距離100m以内で戦う。斬り込み可。双方撤退せず戦闘不能になるまで続ける。
という設定なら、皇国艦の砲や機銃が制圧するのが早いか、戦列艦の一斉射撃で皇国艦が沈黙するのが早いか?


ここの掲示板ではなく、どこか他の掲示板かブログかツイッターなどの情報だったと思うのですが、
対戦車砲どころか昔の大砲でも九七式中戦車の装甲は抜けるというのをどこかで見た記憶があるのです。

江戸初期のカルバリン砲なのか幕末の四斤山砲なのかでもだいぶ違うのですが、
まあチハたんはそれだけ装甲が薄くて脆い戦車という話なのだと思います。

20〜25mmの表面硬化装甲を貫徹しうるという意味にしか取れないのですが、この話、本当でしょうかね。
幾らチハの装甲が弱いといっても、5mくらいの距離から撃っても砲弾の方が変形して終了ではないか。

日本の装甲製造技術は低かったから、他国の同じ厚みのFHAに比べると防御力が弱かった
という話は聞きますが、だからといって亜音速のただの鉄球弾に貫通されるのはあんまり。
日本製は性能のばらつきが大きかったので、たまたま不良品の不良部位に
当たったら割れるかも知れないとか、そんな話の気もするのですが……。

119名無し三等陸士@F世界:2017/08/27(日) 12:34:49 ID:9Ot53Ybo0
ID変わってるだろうけど>>116です

>>118
>慎重になり過ぎた……とかでしょう。
自分は”無被害に慣れ過ぎた”と考えればしっくり来るのでは、と思います
国を問わず、人でもフネでもポンポン失う時はその被害に案外慣れてしまうもので、
史実日本海軍もソロモン沖の苛烈な消耗戦に慣れ過ぎた結果、気付いたら決戦時の駆逐艦も満足に揃えられない程艦を無為に失いました。
逆に平和になり、まったく艦の喪失が無い時代になると、艦が事故って凹むだけで大騒ぎです。

海戦毎に駆逐艦が1,2隻失われる程度の脅威度でもあればここまで腰が引けるようにはなっていなかったんじゃないかな…と

>対戦車砲どころか昔の大砲でも九七式中戦車の装甲は抜ける
カルバリン砲(18ポンド)とか喰らって無事な戦車はそう居ないと思う・・・
てのは置いておくとして、出所不明な話だと「小銃弾でも貫通する」なんて話まで横行してたからなぁ

ただ、当時の陸軍戦車の鋼板は陸軍官僚の無知により硬度最優先な為、浸炭焼入硬化後の高温焼戻しをしなかったそうで
その結果鋼板の外と内側に応力差が発生し(硬化した外部とされてない内部が鋼板内で引っ張り合う)、
製造後に勝手に割れる事もあり、また、その場で割れなくとも衝撃が加わると簡単に割れる要因になるので
冗談抜きに四斤山砲の至近射撃で絶対に割れないとは言えないのかも。
戦車砲弾についてもAPCR(硬芯徹甲弾)どころか弾芯割れや滑りを防ぐ軟鉄被帽のあるAPC(被帽付徹甲弾)すら無く
タダでさえ小口径なのにずーっと単なるAPなので弾が砕けやすかった、という事もあり、
防弾と貫徹、双方から見てかなり遅れていた感はありますね

120名無し三等陸士@F世界:2017/08/28(月) 00:08:19 ID:FyX.kvDI0
戦前の日本の鉄鋼冶金技術は一部は国際水準にまで到達していたのですが
全体としてみると周辺技術が育っておらずまだまだ途上国のそれでした。
なので主に鉄鋼の原料である銑鉄や屑鉄を輸入して国内の鉄鋼メーカーが鋼材にするという産業体系でした。
ところが取引の大きいアメリカをはじめとする連合国がそれらを禁輸し鋼材の原料が無くなってしまったのです。
国内には大きな鉄鉱山はなく大陸の鞍山に活路を求めますがここの鉄鉱石は質が悪く
なんとか鋼材にしても質自体が大戦前より悪くなってしまいました。
普通はここで海外に頼れないなら自前で技術開発をし質の向上を目指すのですが
セクショナリズムと予算不足、さらには鞍山鉄鉱石を銑鉄にするために小型高炉を大量建造したのはいいが
電力不足でろくに動かせないというお粗末な有様でどんどん質は下がっていきました。

結果M2機関銃に撃破される中戦車という笑えない代物が出来上がったというわけです。

121名無し三等陸士@F世界:2017/08/28(月) 21:13:33 ID:r9zdHepU0
アニメ関係の世界でフクロウのような存在が女陰をばらまいてたよ!
フクロウは青の祓魔師に出てくるような感じだったね。

122名無し三等陸士@F世界:2017/09/16(土) 22:12:59 ID:B8RxRp8k0
>>118
補給・兵站線が伸びすぎているというのもあるんでしょうな。
陸軍の物資・装備や航空機などは民間船舶のチャーターなども行いながら
船腹をやりくりしているうえに、それらの護衛用や民生用に大きく取られて
いるのもあるでしょうし、完全な戦時体制でも無いので民間の需要にも答え
無ければならないと。
皇国世界は史実日本より遥かに工業化されていて、発展途上国レベルどころか
1.5流国並の工業国にはなってますが根幹となる粗鋼生産量などでは米国には
数段劣りますからこれは仕方ないですよね。
米国とは行かぬまでもソ連並の粗鋼生産量があればまだ変わるのでしょうが。

史実の日本には冶金技術の遅れが致命的な要因に繋がったかもです。
いやしくも迫撃砲とてそれなりの精度と工業製品としての安全性・信頼性
を持って作られるはずですが実際は弾薬の消耗とそれに対する補給が十分
に手当できないとして迫撃砲の研究・配備などは諸外国に比べて劣って
ました。
当時の日本は迫撃砲生産に必要な(おそらくは野砲榴弾砲砲身素材
より製造ハードルがずっと低いはずの)砲身素材になる特殊鋼製造
技術と生産能力すら、限られた物しか持っていなかったであろうと
いう事を考えると迫撃砲よりずっと技術的な難易度の高い野砲や山砲
の徹甲弾貫徹能力が劣るのもむべなるかなですね。
あれこれいえば、結局八幡製鉄所の製鉄能力の限界に行き着くとも言えます。
限られた製鉄能力を海軍と陸軍と民間で食い合う・・・どうにもならんすな。

123名無し三等陸士@F世界:2017/09/16(土) 22:28:06 ID:B8RxRp8k0
皇国世界とは直接関係ないかもですが、異世界の軍の歩兵の背嚢って
ランドセル方式なんでしょうか?
地球世界においてランドセル方式の背嚢を採用した最初の正規軍は、
フレンチ・インディアン戦争中に北米大陸で活動していたイギリス
軍軽歩兵やフランス海軍歩兵中隊でしたが、これはどちらも現地軍
(イギリスはアメリカ人レンジャー、フランスは民兵)の装備を
北米限定で採用した非正規装備品という扱いでした。
正規軍全体への採用は7年戦争終了後(だったハズ)の1763年の軍服
改定時に一部で採用が始まり、1767年の軍服改定時に犬または山羊革
のランドセルを全面採用としています。

七年戦争ではどの国の軍でも(正規装備品としては)肩掛け式のカバン
を左右交互にたすき掛けにして運用していましたので(正面からみて白い
帯が胸で交差しているのがそう)、パン袋や水筒や弾入れや雑嚢を交互に
負うので胸が両側から締めあげられ疲労が蓄積しやすかったとされて
ます。
もし異世界軍がまだ肩掛け式のカバン装備なら、皇国軍の背嚢装備などは
理にかなったものであると理解できる人間はどれほど居るのでしょうね。

ttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/30/Seven_Years%27_War_Collage.jpg
肩掛け式のカバン(右上の絵の兵士など)

124303 ◆CFYEo93rhU:2017/09/18(月) 20:42:08 ID:A3j40Ras0
一般人からすれば、小銃も機関銃も「拳銃ではない長い銃」という括りで一緒の扱い。
なので機関銃では貫通するが小銃は流石に貫通しないという装甲でも「銃で貫通した」という事実は変わらないのです。


>>119

昔の大砲は、初速こそギリギリ超音速だが、すぐに速度を失うので数百メートル飛翔した段階では音速未満。
そして砲弾は硬化処理とかしていないただの鉄球なので、装甲板に当たったら強度的に負けそうと感じたのです。
弾着時の砲弾の速度は、1.5〜2倍くらい違うので、単純な運動エネルギーでは3倍くらい違ってくるだろうから、
砲塔正面は難しいと思ったのですが。意外と、あっさり貫通してしまう可能性ありなのですね。

考えてみれば37mm対戦車砲の弾頭重量と、カルバリン砲などの弾丸重量を比べたら10倍くらい違うから、
37mm砲で貫通してしまう防御力しかない戦車に対してなら、骨董品のような大砲でも行ける計算になる?


>>120

高品質なアメリカの屑鉄を輸入して、それを利用していたくらいですからね。
日本の装甲の場合、性能評価試験で使用する砲弾も日本製で品質が良くなかったから、
試験では防げたのに実戦で同レベルのアメリカ製の砲弾受けたら防げなかったという話も。

逆に、当時でもアメリカやドイツなどの製鉄技術やそこから生み出される装甲技術なら、
同じ厚み(チハと同等の25mm)でも機関銃は勿論、カルバリンなどの古式大砲も防げるのでしょうか。
厚みが同じ装甲板でさえあれば何でもいいという条件で、米英独ソなど主要な戦車開発国に造らせたら。


>>122

ソ連並みとなると、アメリカ程では無いにしろ結構凄くないですか。
アメリカが圧倒的1位でも、2位がソ連ではありませんでしたっけ。

あまり図体が大きい国だと、維持費が余計にかかるジレンマがあって。鉄の生産には燃料が要りますし。
炉の火を完全に落とすと再開が大変だから、生産量を落としてる段階ですが。
イギリス並み……くらいが限度ではないかと。


>>123

「現代の歩兵は鎧なんか着ないから古代の歩兵より楽な仕事だろ」
「じゃあこれ全部装着して銃持って立ってみな」
「うおっ、苦しい……」

異世界のモチーフは、凡そ三十年戦争から第二次百年戦争の時期なので、どの国の背嚢もたすき掛けタイプです。

ただ、兵士の装備について理に適ってるかどうかで動けるのは、ポゼイユ侯爵のような、割り切ってる人だけでしょう。
なのでポゼイユ侯爵領の領内憲兵(地元警察)くらいは、皇国式の軍服を参考に大胆な変更してみたり、するかも知れませんが、他の一般兵の装備までは……。
そもそもリンド王国軍に関しては背嚢どうとかそれ以前の話で、いやむしろ軍服とか個人用装具を刷新する良い機会なのか?


それはともかく、かばんとか武器とかの保持の為にガチャガチャとベルトやらボタンやらがついてる、あの時代の軍服は実用性はともかく見た目が、ファンタジーっぽいでしょう。

一目見て軍服だと分かり、なおかつファンタジックとなると、17〜18世紀頃が最適、ギリギリで19世紀というのが持論です。
ランツクネヒトとかのは、一目見て軍服とは思わないでしょうし、中世だとそもそも統一規格の軍服なんて存在しないですし。
近世でなければ古代ギリシアやローマになりますね。古代の重装歩兵と近世の戦列歩兵のどちらが良いかは、好みの問題ですが。

歩兵でなくて良いなら、中世末期の、いわゆるプレートアーマーの騎士とか、フサリアあたりが一番ファンタジーっぽいとは思いますが。

「ファンタジー 軍服」で画像検索すると、ダブルジャケットや肋骨服みたいのが上位にヒットしますね。
ファッション関係だと迷彩柄以外に、コスプレ用とナポレオンジャケットがヒットしますね。

「中世 軍服」で検索すると甲冑ばかりですが。

125303 ◆CFYEo93rhU:2017/09/18(月) 20:52:22 ID:A3j40Ras0
訂正です。

「中世(中世ヨーロッパ) 軍服」で検索しても近世風の軍服ばかりでした。
甲冑ばかりなのは「中世(中世ヨーロッパ) ファンタジー」で検索した時でした。

つまり「中世(中世ヨーロッパ)」でイメージされるのは近世で、「中世ファンタジー」でイメージされるのが実際の中世に近いという事……?

126120:2017/09/21(木) 03:44:04 ID:FyX.kvDI0
装甲25mmですと欧米の軽戦車が近い装甲厚ですね。
口径12.7mm機関銃でしたらよほど運が悪くない限り防げます。
豆戦車ほど薄いと流石に欧米の鋼材でも防げなかったようですが。
カルバリン砲についてはネットに上がっていた再現実験の結果を見ると
13ポンドの弾を初速408メートルパーセクで撃ちだす能力があったそうで
約500kJのエネルギーになります。
これはWW2期間中の兵器だとドイツのマウザーMG151(マウザー砲)の約10倍のエネルギーです。
有効射程内で撃たれればたとえ欧米の装甲でも25mmしかないと問答無用で撃ち抜かれますね。

127名無し三等陸士@F世界:2017/09/24(日) 02:41:20 ID:FyX.kvDI0
現代にまで残る英国のレッドコートとかスウェーデン近衛兵の青い軍服
バチカンスイス衛兵隊とかファンタジー色溢れますよね。

128名無し三等陸士@F世界:2017/09/24(日) 20:35:24 ID:B8RxRp8k0
>>124
ソ連の戦時中のイメージでいうとすごそうですけれどあれは米国から
鉄鋼材を輸入してもらいながらの粗鋼生産量なのと、工業力の配分
を軍事に「思い切りよく」割り振った結果と鋳造技術と冶金学
の発達によるものなので。
素の工業生産から見た粗鋼生産量はドイツの粗鋼生産量に近い
と思われます(じゃあ史実のドイツ並との比較でもいいんかも)。
英国の粗鋼生産量って戦中日本の三割増し程度だったような(ダンケルク以前)。
皇国の自動車産業の発展ぶり(自動車向けガソリンの確保の話とか)や船舶量を
見る限りでは英国並だとすると幾つかの記述の説明がつきません。

英国は都市部はともかく、田舎などの道路舗装率は当時の日本やイタリアより
マシというぐらいですので自動車の一般普及率が史実より高いとするならば
皇国の粗鋼生産量も史実よりマシマシで見ないと全量輸入なのか? となって
しまいます。
以前にT型フォード自動車を侯爵令嬢? が運転している事を見ると自動車の
運転技術を教える組織などがあり、史実よりドライバーの確保が出来て
いるようですのでそれに比して自動車の普及も成されていると仮定すると
史実英国の粗鋼生産量だと足りなくないかなぁと。
米国が来るまで、ソ連と満州で殴り合いするために下駄履かせているならば
史実英国並だと初期損耗で立ち直れない可能性が出てきます。

129名無し三等陸士@F世界:2017/09/24(日) 21:28:29 ID:B8RxRp8k0
>>124
>リンド王国軍に関しては背嚢どうとかそれ以前の話
皇国にとっちゃ儲け話ですね。
だって装備の一新なんて数十年に一度あるかないかですからねー。
国内の繊維製品の需要だけじゃ商売にならないのなら同盟国に
売りつければいいし、国内需要に繊維を取られるからって言う
のなら「合成繊維」を混ぜればいいでしょう。

史実では1939年に桜田 一郎と川上博と李 升基(戦後北朝鮮籍)の手に
よって世界で2番目に作られた合成繊維であるビニロンが出てきます。
高強度・高弾性率、耐候性、耐薬品性、綿に似た風合いがあり吸湿性
も持っている合成繊維です。
染色しにくくごわごわするため一般の衣料用の繊維としては使いにくい
部分もありますが、背嚢とかテントとか軍の下級兵向けの制服などには
使えそうです(学生服や作業服への採用事例があります)。
一時は学生服用の木綿を凌駕し、不動の地位を築いた時代もありました。
汚れにくく、丈夫で、洗濯もしやすい(耐アルカリ性)となれば軍事用と
しても売りやすいですからね。
何より合成繊維ですから天然繊維にはない利点もありますし・・・。
天然繊維しか見たことがない異世界人からすれば、合成繊維はある意味
魔法の素材かもしれません。

近代以前だと余程の超大国か先進的な軍制を持った国でも無い限り、常備軍
の概念が薄いので統一規格の軍服っていうのはあまり出てこないかも。
大量生産・共通規格という概念は19世紀に起こった産業革命(工業化)以降
の話ですのでこの当時だとある程度共通化された軍製品って精々、靴くらい
でしょうか。
歩兵は歩くのが仕事なので靴を支給されるかどうかだけでも生存率が変わって
来ますからね。

>>125
>プレートアーマー
あれって中世初期から中期くらいの工業力だとほぼ一品物に近い生産
体制なので現在の価格で換算すると約1,000万円くらいする代物だそうで
(新品)。
なので普通は親から子へ受け継がれる財産的な意味合いが強い資産
ともよべる装備でした。
中世欧州、一般兵はすんごい軽装だったので盾が重視されたという
地域的な背景もあったからでもあるんですがね。
これには欧州は金属精錬の技術が当時、他の地域(中東以東のアジアと
比較して)より遅れており効果的な鎧を「安く量産」製造する事が
出来なかったからという要素もあるです。
そして、中世後期に入ると一般兵士もフルプレートや、軽装でも改良
された鎧が普及するようになり楯は必要性が薄れて両手持ちの武器が
主流(或いは長槍や火砲を装備する)になります。

あとコレは日本にも言える話なのですが、日本は大河ドラマや時代考証
無視の時代劇の影響で戦国時代の史実と異なる変なイメージが定着しており、
欧米はアーサー王物語とか騎士道文学とか19世紀以降の劇場や映画文化の
影響でやっぱり史実と異なる変なイメージが定着してしまいそれが検索結果に
出てきているのでしょう。

130名無し三等陸士@F世界:2017/09/24(日) 21:53:54 ID:B8RxRp8k0
うろ覚えモード。
アメリカ軍のM3ハーフトラックの基本装甲は表面硬化処理された
厚さ1/4インチ(6.35mm)、運転席前面など重要部位だけ1/2インチ
(12.7mm)くらいなので通常のライフル・機関銃弾に対しては十分な
抵抗力・防弾性があると見做されてはいたハズ。
輸出用廉価版で均質装甲のM5ハーフトラックでは、5/16インチ(7.9mm)
が基本装甲で若干防御力が下がってマス。
まあ、ハーフトラックだからこんなもんなのでしょう(大量生産された
民生向けトラックの軍事転用品だからしゃーないない)。

131303 ◆CFYEo93rhU:2017/09/25(月) 20:42:09 ID:Qhuby3Sw0
ラノベを中心に異世界ファンタジージャンルは増えていると思うのですが、全体が増えたせいで、異世界戦記ものが相対的に少なく見える303です。
色々返信ありがとうございます。


>>126

25mm程度の装甲だと防げない……骨董品と侮れませんね。
とすると、F世界側が陸戦で艦砲や要塞砲を使って、それが運悪く(運良く)皇国戦車に直撃したら、撃破出来る訳だ……。
陸上の野戦だと、3〜6ポンド級(1/4〜1/2バルツ)が主力で12ポンド(1バルツ)は師団や軍団砲兵の重砲大隊なので、絶対数は少ない筈ですが。

13ポンド砲でも、命中時の残速が280m/s(およそマッハ0.8)だと約231kJ。6ポンド砲が280m/sで命中したなら約106kJ。
砲口初速は400m/sでも、数百メートル離れた所ではこれくらいではないかと思うのですが、正確なデータを持っていません。
これが事実と近いなら500kJと比べると着弾時の威力は半分以下に下がりますが、それでも貫通しそう、貫通しなくても結構な損害受けそうです。
やはり12.7mmのように、弾頭重量が何十グラムという単位でなく、何キログラムという単位になるので、速度が遅くても質量で押し切ってしまうと。
仮に貫通されなくても、命中すればガン!と音を立てて、戦車兵に心理的な圧力はかけられるでしょうし。

船体を支える構造材としての鋼板のみで、装甲なんて張ってない駆逐艦が近距離から9〜36ポンド級の艦砲を受けたら、抜かれると考えて良いですね。
遠距離を維持しながら恐る恐る戦った皇国駆逐艦は正しかった!


>>127

スウェーデンの王宮で見た衛兵が、天気も良くて美しかったですね。
ヴァーサも見ました。現代軍艦に比べれば小さいといっても、かなり迫力ありました。

イギリスやバチカンは行った事が無いのですが、イギリスは王子(エリザベス陛下の孫)の結婚が日本でもかなり報道されていて、
王族の方々が軍服着用で、ブルーズ&ロイヤルズとライフガーズが居たので、動画を通してなら目にする機会は多いでしょうか。
フランスも、第一共和政時代やナポレオン帝政時代などの軍服着たパレードはあるようですが、流石に王政フランスのは駄目か……。

「中世 軍服」で画像検索すると、殆ど全部近世そのものか近世風でした。
実際の当時の軍服を描いたの絵画や再現写真、コスプレ用衣装、ドール用衣装、ゲーム画像……。
「近世 軍服」で画像検索した結果と大して変わらないのが、何とも言えない気持ちになります。

という事は!
「ファンタジー 軍服」の画像検索結果と、「中世 軍服」の画像検索結果がそこそこ似通っている
のだから、『皇国召喚』の異世界は「中世ファンタジー」と、これはもう堂々と言えるのではないかと。

日本で言えば「鎌倉武士の鎧」という見出しで戦国時代末期の南蛮鎧の写真見せられてる気分ですが、
「ファンタジー 軍服」の画像検索結果と、「中世 軍服」の画像検索結果がそこそこ似通っていて、なおかつ双方とも
近世風の軍服であるのだから、『皇国召喚』の異世界は「中世ファンタジー」と、これはもう堂々と言えるのではないかと。

132303 ◆CFYEo93rhU:2017/09/25(月) 20:43:49 ID:Qhuby3Sw0
>>128

自分で設定しておいて、結構なチートでしたね。

アメリカからの支援があったとはいえ、その支援を受け入れて兵器の増産が可能だっただけ、ソ連は凄いです。
史実日本なら、数億トンの良質な鉄鉱石が降って湧いたとしても、生産設備の余力が無くて持て余すでしょうから。

皇国の運転手の確保や国産自動車開発、舗装率改善は、陸軍の強い後押しもあり、国内産業の発展に寄与するという歴代内閣の方針もあり、
明治末期から大正初期の時期から同時並行的に進められてきた……としていますが、それにしても約20年で発展しすぎだとは思います。

掌編でT型フォードを運転していたのはポゼイユ侯爵。侯爵令嬢ではなくて本人が侯爵(女侯爵)です。
名前はリアン=シャニィ・セレシア・ラグナ・ニュールモンというのですが、こんな設定覚えている人は多分居ない。


>>129

靴だけではなく、軍服や鞄などの装備一式はある程度規格化されている大量生産品では?
軍服(シャツやコート)自体も、士官は自前で仕立てますが、兵士は中古のお仕着せなので、
標準体形から離れている人はきつすぎたり緩すぎたりする事はあったみたいですが。

擲弾兵は身長190cmとかの規定があるのは、つまり190cm前後の身長に丁度良いサイズで大量に作ってるからという意味でもありますよね。
身長175cmの人が190cm用の軍服着たらいかにも見栄えが悪いでしょうから。

中世の鎧は、代々鍛え直して使っていたのも多かったようですね。
王様とか金持ち貴族になると、代ごとに新調していたようですが。
映画『ロックユー』に、体格に合わない鎧に難儀するシーンがあったような。

中世初期の一般兵というと、そこらの山賊と大差ないような格好で、斧か槍と盾持ってるようなイメージです。
騎士の武具を剥ぎ取って奪えれば一財産築けるから、それ目当てに参戦する一般兵も居たようですね。

> 中世のイメージ

日本語の「中世 軍服」だと近世軍服の画像ばかりですが。
英語で「middle ages uniform(military uniform)」と画像検索すると、概ね中世のチェインメイルにサーコートのような画像が出て来るんですよ。
だから「(ヨーロッパの)中世というと実際の近世がイメージされる」のは日本固有の問題だと思ったのですが、どうなのでしょう。
英語圏でも、近世に建国したアメリカと中世に建国したイギリスでは中世に対するイメージが違うかも知れませんが。


>>130

戦車とそれ以外の車両の装甲差は大きいですから。
戦車は、その誕生の経緯からして機関銃陣地に突入する為の重防御が必須だった訳ですし。

133名無し三等陸士@F世界:2017/09/25(月) 21:53:29 ID:gQ3AzgPs0
>>131
まあ当時と全く同じ組成の装薬でもないですから
再現実験と言っても限界はありますがカルバリン砲の弾丸の持つエネルギーは
大体どの資料でも初速で400kJ以上は確実にあったようですね。
しかも球形弾丸にも関わらず有効射程は1500m〜最大射程は6000m近くはあったようですね。
小型の陸上移動目標である戦車に狙って直撃させることはなかなか厳しいかもしれませんが
それでも有効射程内で当たればほぼ撃破でき数を用意さえできればかなりの脅威でしょうねえ。

134名無し三等陸士@F世界:2017/09/25(月) 21:58:17 ID:B8RxRp8k0
>>132
>軍服や鞄などの装備一式はある程度規格化されている大量生産品では?
特定の大きさとして、サイズを統一させ大量生産させられるという概念が
出来る以前の「規格化」というのは現代の我々が考えているような厳密性
が無い代物です。
現代ではJISやASMEなどによって日々の食事のパン(形や素材)や麺類
(乾麺の長さや量)なども共通規格で定められて製造されています。

工業化(産業革命)以前の規格品というのは公差が大きく取られている・・・
というよりとらざるを得ないという代物です。
工場なんてものがあるわけではないので、共通規格言うなれば体格にあった
製品を用意する余裕があるわけではなく、身体を製品に合わせるみたいな部分
もありました。
おっしゃる通り「190cm前後の身長に丁度良いサイズで大量に作って」いる
製品というのはまさにこの公差が大雑把な量産品ですね。
量産と言ってもジェニー紡績機や水力紡績機、ミュール紡績機(ジェニー式
と水力式のいいとこ取りな装置)以前の製糸生産量というのは工業化以後
ほどではなかったですね。
綿工業が本格的に発達する以前だとそもそも服にするための布の供給が
需要に対して少なかったのもあります。
一度に大量に糸や布を確保するのが難しいということは「計画的にかつ
共通規格」で決められた製品を安定して生産できなかったというのもある
と考えられます。
原材料がまとまった形で手に入った時に様々な工房などで作れるだけ
作っておくためには、厳しい規格を定める事は工業化以前の産業力では
荷が重い部分もありました。
綿工業には紡績=綿糸を紡ぐ工程と、織布=綿糸で布を織る工程があり
これらの工程は十分な技術さえあれは機械化が可能でした。
原材料が安く手に入りさえすれば糸や布の大量生産が可能となります。

135名無し三等陸士@F世界:2017/09/25(月) 22:32:50 ID:gQ3AzgPs0
実は王政フランス末期時代の軍服とナポレオンのグランダルメは
ほとんど軍服は変化していないんですよね。変わったのは帽子がシャコ帽になったくらいで。
よく革命政府は王政フランスから何から何まで全面的に変えたと誤解されたりしますが
フランスの近世の軍服はルイ14世からルイ16世にかけて徐々に変化していったらしいです。

三兵戦術を使いドラゴンを使った三次元戦闘が行われていたとしても中世ったら中世!ですね。わかります。

136303 ◆CFYEo93rhU:2017/10/01(日) 03:58:58 ID:lKo/SRwk0
136:名無し三等水兵@東大陸 :1542/09/31(★) 03:58:48 ID:CFYEo93rhU

初カキコ…ども…

俺みたいな13で戦列艦乗り込んでる腐れ水兵、他に、いますかっていねーか、はは

今日の艦内の会話
あの流行りの女かわいい とか 給金ほしい とか
ま、それが普通ですわな

かたや俺は軍医の横で死体を見て、呟くんすわ
it’a true wolrd.狂ってる?それ、誉め言葉ね。

好きな音楽 艦内葬送曲
尊敬する人間 火薬の父(暴発はNO)

なんつってる間に八点鐘っすよ(笑) あ〜あ、朝直の辛いとこね、これ


303「ネタが古い?それ、誉め言葉ね。」

>>133

後装式の速射砲と違いますから、大砲の位置を元に戻して、射撃誤差を修正して、再装填して……なんてしているうちに戦車は移動してますね。
刺し違える覚悟で近距離から散弾(ブドウ弾)を撃った方が効果的でしょうか。
対戦竜戦闘では、散弾(ブドウ弾)を使うか、砲は捨てて砲兵だけ逃げるのがF世界の従来の戦闘と考えていますが。

あと、戦車にとって危険なのは飛竜の爆弾あたりでしょう。


>>134

現代の、一ミリの誤差では誤差が大きいので許容しないとかそういうレベルの規格化は漸く20世紀になってからなので、さすがにそこまで厳密な規格化は想定していません。
軍服なら6フィートの身長とか、銃ならば5フィートの長さとか口径は0.75インチとか、誤差は大きかったにせよ、その当時なりの規格はあったので。

あと、布や糸を大量に用意できないからこそ、軍服も除隊した人の中古を支給されるのが基本だったのだと思いますが。
服くらいはまあ、中古でも良いかも知れませんが、他人の使った靴は嫌だなぁ……。

歴史上の西欧の工業化は、植民地支配と無関係でないので、そういうのなしに近代化一歩手前まで迫ってるのはファンタジー。

中世の一般兵の防具は簡易的な盾くらいですが、古代の重装歩兵だと鎧を着た上で盾を持ちましたね。


>>135

主に想定するのは白旗に白い軍服のフランス軍です。ルイ15世の時代ですね。
白旗が軍旗(特に軍艦旗)として用いられていた時代のフランス軍は、軍旗と交戦の意思なしとの旗をどう使い分けていたのか気になりますが。

革命軍が、ブルボン朝時代のものを何から何まで否定して破壊しつくしたのなら、イギリスとか諸外国からの干渉に対抗する術も無く自滅して終了したでしょうから。
この時代の軍政について調べると、大まかには従来のフランス王国軍をナポレオンが改良した。という感じの解説を見ます。
幾ら天才ナポレオンと言えど、ゼロから強力なフランス軍を作り上げるのは無理なのは流石に理解できます。


『皇国召喚』の初期設定を練っていたのは10年位前なので、その頃に理解していた事と、今の理解では矛盾点もあるのですが。
中世ファンタジー作品は、小説でもゲームでも中央集権で高度に組織化された軍隊があったりするので、『皇国召喚』は中世ファンタジーです。

137名無し三等陸士@F世界:2017/10/01(日) 12:15:58 ID:B8RxRp8k0
>>136
>中世の一般兵の防具は簡易的な盾くらいですが、古代の重装歩兵だと鎧を着た上で盾を持ちましたね
んん?
古代と中世では兵士の運用やそれを担っている兵士そのものの質もドクトリン
も違うので、装備だけを以て古代と中世は違うよねーと言われてもなんかピン
と来ないのですがどういう意味なんでしょうか?

釈迦に説法だとは承知の上ではありますが、古代欧州世界というより
西アジアより西方では鎧を着ているけれどでかい盾も持っているというのは
重装歩兵という兵種だからだと思います。
対して中世一般兵の盾が簡易的になっているのは場合によりけりですが、
鎧自体の性能が上がってきているもしくは頭数を揃えることが大事だったり
装備の数が足りないとかも時代と状況、地域によってはあることも
ありますでしょう。
重装歩兵にしても、マケドニア式ファランクスより前の時代やその後
の装備と後期ローマ軍団コミタテンセスは大盾を持っていても軍の運用
も戦術も装備内容も変わってます。
超大国(古代ローマやペルシア帝国)や大国(マケドニアとか)の正規兵と
中世の一般兵(動員兵や傭兵)は比べようがないでしょう。
欧州中世は野戦もやってますが攻城戦なども含めた規模の小さい
小競り合いも沢山起きていた時期の装備ですので。

ttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f3/Greek_hoplite.png
古代ギリシアの重装歩兵
ttp://blog-imgs-67.fc2.com/l/e/g/legatus/rm5NL2.jpg
ttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/ab/Legionista_1.jpg/768px-Legionista_1.jpg
ローマ軍団

138名無し三等陸士@F世界:2017/10/09(月) 16:39:19 ID:A3lMrA/.0
時差を無視したいくらい日本が嫌いなウリナラの恨(ハン)が奇跡を起こした!!
みごと異世界へと日本を追放に成功、大勝利!!

これがF世界召喚ならぬF世界追放劇の始まりだったニダ

139名無し三等陸士@F世界:2017/10/09(月) 22:56:04 ID:PWWuALII0
時は大韓帝国末期、近代化も改革も思うように進まぬこの国を尻目に隣国の日本は大改革と近代化を成し遂げ
さらに二度の戦争に勝利することでこの国を自国勢力下におさめつつあった
そんな日本を敵視し憎悪するこの国のとある勢力はある日偶然発見した書物に載っていた儀式を執り行う
そして一月後、大日本帝国という新興国とその国の人々はこの世界から姿を消した…

という話を思いついたが、この当時の様々なことについてしっかりとした知識が無い私は続きが書けない
知識があって文章も書ける人、どこかにいませんかね?
前ド級戦艦と装甲巡洋艦が未知の海を征き、騎兵旅団が異世界の大陸を駆ける話ってのも
結構面白そうな気がするんですが…

140名無し三等陸士@F世界:2017/10/10(火) 03:42:04 ID:gQ3AzgPs0
大砲を対戦車戦に使うとなると今も昔もやはり伏兵が一番かなと思います。
古くは東部戦線、最新ならシリアやイラクでも使われている方法ですし
命中率を距離で補うってのは王道ですからね。
先に当ててしまえば次を考えなくていい(必ず当たるとは言っていない。)
というまことに島津的戦法ですがw

141303 ◆CFYEo93rhU:2017/10/11(水) 20:00:00 ID:lKo/SRwk0
以前、自衛隊vs韓国軍というスレに誤爆していたようです。
お騒がせしました。


>>137

十分な鎧があれば盾は要らない(両手持ちの武器などに使う)。
というふうに読めたので、鎧と盾を併用する歩兵も居ましたよね。
というつもりでした。

古代の重装歩兵と、中世の歩兵と、近世の戦列歩兵では使う武器もドクトリンも違うので比較しても意味が無いというのは、そのとおりと思います。


>>139

騎兵(抜刀突撃はしない)ですね。
1909年頃ならギリギリ弩級戦艦の時代になってますが……。


>>140

皇国の戦車が接近してきたところを奇襲攻撃という感じでしょうか。
嘉数の戦いではそれでM4中戦車の戦車隊に大損害を与えましたね。
至近距離からの大砲なら行けるのか……。

142名無し三等陸士@F世界:2017/10/11(水) 21:20:11 ID:/WUDdHno0
あれ、もしかして北朝鮮なら転移しても21世紀国家として生き残れる?今でも陸の孤島みたいなもんだし
日本の一部だった時代じゃないからスレ違いだけど

143303 ◆CFYEo93rhU:2017/10/14(土) 02:00:01 ID:lKo/SRwk0
本日は、
掌編を投下します。

144303 ◆CFYEo93rhU:2017/10/14(土) 02:00:33 ID:lKo/SRwk0
事件が起こった。
皇国軍にとっては大事件といっても良いだろう。

既にセソー大公国の国境を超え、首都に迫ろうとしていた皇国陸軍に対し、セソー大公国は為す術なく退却の繰り返しであった。
制空権は無く、北方諸国同盟の背後を守る同盟国も無い状況では、相手がリンド王国軍でもこうなっていただろう。

だが、事件が起きたのはそんな時だった。
街道を走る八九式軽戦車の小隊のすぐ傍で砲声が鳴り響くと、先頭を走っていた戦車が停止した。
先頭車は砲塔側面から内部を貫通し、車長は重傷、砲手は戦死。何とか自走は可能だが戦闘不能な状態にまで打撃を受けた。
突然の出来事に、皇国軍部隊は自分達を攻撃した砲声と砲煙の方向に銃砲撃を加え、歩兵を
中心とする捜索隊によって“犯人”と思しき壊れた大砲を鹵獲し、砲兵の死体を回収した。

「作戦行動に支障は無いな?」
戦車中隊長は聞き返した。
1両の戦車が脱落したくらいで、前進が止まる程に皇国軍は脆くは無い。
だが、問題は別のところにあった。

早くもその日のうちには、セソー大公国内で「皇国軍の鋼鉄の戦竜を打倒した」という話が広がっていた。
同じ落伍といっても、敵に撃破されたとなると、故障などで後退するのとは意味が違う。
敵味方の士気に影響が出て来る。今回問題なのは特に敵の方だ。
負け続けだったセソー大公国軍は、この戦果をこれでもかと流布している。
セソー大公国から東大陸北方、東大陸全土、そして西大陸まで広まるのも時間の問題だろう。

皇国軍無敵神話の牙城がまた一つ崩れた訳だ。
同時に、セソー大公国軍の骨を断たせて肉を切るような攻撃は暫く続き、皇国軍を悩ませる事になる。

元々、リンド王国やマルロー王国ほどの国力が無いのに、貴重な重量級野戦砲や
精鋭歩兵連隊、飛竜連隊を使い潰すような戦いで自ら疲弊していくセソー大公国軍。

だが皇国陸軍にとっては、兵站への負担が大きいと派遣を躊躇っていた
九七式中戦車や二式中戦車が投入される契機にもなった事件であった。

145303 ◆CFYEo93rhU:2017/10/14(土) 02:01:10 ID:lKo/SRwk0
投下終了です。
似たようなシチュエーションは以前から考えていたのですが、
具体的なイメージが湧いた良い機会だったので書いてみました。

146名無し三等陸士@F世界:2017/10/14(土) 03:07:36 ID:OiLcRKIc0
投下乙です
予想以上の粘りを見せるセソー大公国をちょっと応援したくなってきたw

147名無し三等陸士@F世界:2017/10/14(土) 21:31:10 ID:gQ3AzgPs0
お疲れさまでした。
古今東西正規軍を最も悩ませるのはゲリラ戦ですねえ。
大衆が裏で協力をするゲリラ兵は数千倍の国力を持つ相手でも戦うことができるのは
ベトナムで証明されてしまっていますからね。
(まあ、米帝様らしく末期には軍事的にはほぼ壊滅状態にまで追い込みましたが
これをどうにかするには米帝様並みのスーパーパワープレイか
そうでなければ占領統治政策をよっぽど上手いことしないといけないんですが
この時代の陸軍でそれが出来そうな人物って史実だと数える程しかいない上
将兵自体が上から下まで現地民を蛮族扱いしてかなりの反感を買っちゃうんですよね。

148名無し三等陸士@F世界:2017/10/15(日) 18:15:55 ID:dEKVAQgc0
乙です。
まとめの方のタイトルはこちらで付けておきました。
まさしく皇国には大事件ですね。

149303 ◆CFYEo93rhU:2017/10/15(日) 20:24:11 ID:lKo/SRwk0
>>146

判官贔屓ですね。


>>147

大衆が裏で協力してる訳ではないですがね。
軍隊に食料を提供したりといった程度の協力はしますが、それ以上の特別な協力はありません。
逆に、皇国軍も金(価値のある物品)さえ払えば現地住民の協力を得られている訳で、お互い様です。


>>148

まとめの方、いつもありがとうございます。

元々は、新型の30t級中戦車(M4、T-34、Ⅳ号戦車相当)を出すのに、大陸派遣部隊の
八九式軽戦車では対処できない場面に遭遇して貰わないと……という事から考えていました。
流石に50mmとか75mm級の装甲なら1バルツ砲(12ポンド砲)でも抜かれない……筈。

150名無し三等陸士@F世界:2017/10/15(日) 23:10:28 ID:gQ3AzgPs0
>>149
なるほど、まだナショナリズムは生まれてないのですね。
そうなるとどちらかというと封建主義国家で領主が変わるようなものですか。


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