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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15

474HF/DF ◆e1YVADEXuk:2019/02/02(土) 22:03:27 ID:/1e016WM0
言い終えると同意を求めるような視線を向けるベルフェス。そんな彼にシーゲルはわかってるよ、と言いたげな表情を作って応じる。
再び降りた沈黙、それをベルフェスが破る。今度はことさらに明るい声で喋りつつ、部下がもう一つの木箱から取り出したものをシーゲルへと見せた。

「今度はこっちを見てくれ。俺たちのとっておきの武器でね、こいつらがあったからこそ今の俺たちがあるのさ」

こちらの銃は無骨で実用一点張り、しかもかなり荒い造りだった。短めの銃身は幾つも穴の空いた被筒で覆われ、そのすぐ後ろの機関部からは四角い弾倉が下向きに突き出し、さらにその後ろには引き金とピストルグリップが配置されている。一方機関部上部には大きめの排莢孔があり、そこから指掛け穴を開けられた遊底が見て取れた。無骨な機関部の後尾には簡素な造りの金属製銃床が蝶番を介して取り付けられている。
どうやら高価なM1の代わりに配備が進められつつあるM3サブマシンガンを独自に改造したもののようだが、使い勝手より生産性を重視したオリジナルと比べて細かなところに改善点が見て取れた。

「俺の『兄弟たち』が拵えたシロモノさ。貴族さまのお高いおもちゃにゃ見てくれでは勝てねえが、あいつ一挺拵える時にかかる金と手間でこいつがざっと十挺は揃えられる計算だ」

そう言って手にした銃を壁際にいる男たちの一人に抛るベルフェス。その男は危なげなく銃を掴みとると手慣れた様子で銃床を伸ばして射撃姿勢を取り、遠くの的を狙い撃つ仕草をしてみせた。

「あんたらの国ではこいつを"シカゴ・タイプライター"って呼ぶそうだが、それに倣えばあの銃はさしずめ"バルランド・タイプライター"ってとこだな」

ことさらに冗談めかした口調、だが彼の青い両目は笑っていない。

「この国は腐ってる。ろくでもない貴族共がのさばって、政治に戦争、その他諸々の事に毎度毎度口出しをしてやがるんだ。そのせいでこの国は滅びる一歩手前まで行ったんだぜ。あんたたちの国がこの世界に召喚されてなけりゃ今頃この国は滅んでいたさ」

強い口調で祖国のありよう、とりわけ貴族たちを批判するベルフェス。その整った顔には内心の怒りがありありと浮かんでいる。

「だがあんたたちの国は違う。威張り散らす貴族はいないし、やる気と才能さえありゃのし上がれる。俺はあんたの国には行ったことがないが、聞こえてくる噂を話半分に聞いてもほんとうに素晴らしい国だよ」

今度は笑みを浮かべ、アメリカという国に対する尊敬と憧れを口にする。


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