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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15

313ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2018/06/16(土) 09:31:36 ID:4r/3PIrQ0
「ブランチ一等水兵の話によりますと、彼の班は艦載機格納庫の浸水防止の応援に向かっていた所に爆雷攻撃を受けて人事不省に陥り、
必死に助けを呼びながら防水に努めていたところ、それを聞きつけたフェリンスク少尉が現れて作業に協力してくれたとの事です。
それから15分間、2人は浸水の拡大を最小限に抑え、力尽きてしまいましたが……そこに艦載機格納庫の浸水を止めて、様子を見に来た
兵員が現場に到着し、防水に当たったとの事です」
「後部兵員室前の浸水箇所は、浸水発生の報告が上がっていなかった。もしフェリンスク少尉がそこに来ていなかったら……」
「そのフェリンスク少尉ですが、ブランチ一等水兵は確かに助けを呼んだのですが、彼曰く、必死の防水に努めていたため、
あまり大きな声は出せず、せめて、近場に居る仲間が気付ければよいと思っていたそうです。そこにフェリンスク少尉の登場と相成った訳ですが、
フェリンスク少尉は医務室から後部兵員室前に来ています。医務室は発令所寄りの位置にあり、現場から離れているため、声は聞き辛い。ですが、
フェリンスク少尉はその声を聞いて、現場に駆け付けたと言っています」

ニルソンの説明を聞いたベルンハルトは、フェリンスクの体の特徴を思い出してから言葉を返し始めた。

「……もしかしたら、フェリンスク少尉は殊更耳が良かったのかもしれん」
「と、言いますと……?」
「フェリンスク少尉は恐らく、猫科系の獣人だ。しかも、あの耳の模様は、うちらの世界にいたサーバルキャットの柄とほぼ似ている。俺は以前、
アフリカに生息する猫科系の生態を調べていたんだが、サーバルキャットは耳が良くてな。遠くの異音でもすぐに聞きつけて行動を起こし、
ある時は地中に居る獲物を察知して捕らえる事もあるという。可愛らしい姿の生き物だが、根は立派なハンターさ」
「艦長……では……?」

ニルソンがベルンハルトに聞くと、彼は苦笑しながら自らの頭を指差した。

「俺達は、助っ人の耳に救われたのかもしれんな」

ベルンハルトは苦笑しながら、副長にそう言い放った。

「艦長。燃料の流出が止まりません」

そこに、燃料計を注視していた部下から再び報せが入る。
ベルンハルトは予め決めていたのか、即座に指示を下した。


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