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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15
312
:
ヨークタウン
◆.EC28/54Ag
:2018/06/16(土) 09:30:58 ID:4r/3PIrQ0
そのまま時間は過ぎていく。
何分経ったか分からないが、フェリンスクはふと、抑えている木板がパイプの側から徐々に押されているように感じた。
「く……なんか、向こう側から押されている気が……」
彼はその違和感に負けじとばかりに、震える手で木板を抑え続けるが、冷たい海水を浴び続けて両手の感覚はとうに失われていた。
いや、両手どころか、体中が濡れているため、感覚が麻痺している。
そのため、2人は同じタイミングで浸水箇所の抑えを緩めてしまった。
その瞬間、抑えが無くなった浸水箇所から噴水のように海水が噴き出し、木板に強い圧力がかかった。
「あ…しまった!」
フェリンスクは、水圧に押しのけられ、背後に転倒しようとしている中で自らの失態を悟った。
同時に、これだけの噴出を、フェリンスクはたった1人で抑えていた水兵の努力と根性に感心もしたが、疲労困憊した2人がこの浸水を抑える事は、
もはや絶望的に思えた。
そして、そのまま背中から壁にぶつかろうとしていたフェリンスクは、不意に別の何かに受け止められると同時に、目の前に現れた2人の水兵が、
木板と棒を持って浸水箇所の抑えに掛かっていた。
その報せを聞いた時、ベルンハルトは半ば仰天してしまった。
「何?そこでも浸水が発生したのか!」
「はい。幸い、ダメコン班のブランチ一等水兵と、フェリンスク少尉が浸水を抑えていたお陰で、大事には至らなかったようです」
「フェリンスク少尉だと……どうして彼が?」
彼は首をかしげながら、報告を伝えて来たニルソンに質問を続ける。
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