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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15

310ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2018/06/16(土) 09:27:07 ID:4r/3PIrQ0
パイプから噴き出す海水の量は多く、フェリンスクはその水兵同様、あっという間に全身ずぶ濡れとなってしまった。
しかも、真冬の海水を全身に浴びているため、体が急激に冷えてガタガタと震え始める。
フェリンスクは木板を投げ出したい気持ちに駆られたが、それを心の中で抑えて、布の上に木板を当てた。

「当てたぞ!」
「OK!俺が棒で抑える。あんたも一緒に抑えてくれ!」

フェリンスクは水兵と共に浸水箇所の抑えにかかった。
パイプからの浸水は幾らか弱まったように思える。
しかし、体は冷たい海水を浴びて震えており、先ほど負傷した胸の辺りからも、鈍い痛みが伝わって非常に苦しくなる。

「畜生!こいつらがまともに動けてりゃ、もっと楽になったのに……!」
「今倒れている仲間は、先の爆雷攻撃でやられたのか?」

フェリンスクの質問に、水兵は浸水箇所を見据えながら答える。

「そうだ。別の浸水箇所の応援に向かっていたら、いきなりシホット共の爆雷が降って来てな。それでこの辺で踏ん張って耐えようとしたら、
衝撃であちこちに叩きつけられてね。それで、この様さ」

水兵は、半ば自虐めいた口調でフェリンスクに語った。
よく見ると、水兵は頭から血を流しており、顔の右半分が赤く染まっていた。

「君……怪我をして……」
「ああ。痛いよ!だが、今は俺の怪我の心配をしている場合じゃない。ここの浸水箇所を放置したら取り返しのつかない事になる。あんたは知らん
だろうが、最初はとんでもない量の海水がここから噴き出してきやがったんだ。それを必死で抑えてたところに、あんたが来てくれた」

水兵は寒さで声を半ば震わせつつも、フェリンスクに顔を向けた。

「これで、俺達が生還できる確率は、5%上がったなと思ったね」
「5%か……なにも役に立たんよりはマシって事かな」


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