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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15

293ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2018/06/16(土) 09:13:57 ID:4r/3PIrQ0
「敵は、1隻ずつに別れて本艦の捜索に当たっているようだな」
「対潜水艦の索敵においては、悪くない判断かと思われます」

ボールドウィンは、敵側の判断を素直に評価した。

「敵艦、高速で後方より接近!」

ソナー員の報告が逐一艦内に響く。
各所で配置につく乗員達は、上空からうっすらと聞こえるスクリュー音に耳を傾けているが、誰一人として不安に思う物は居ない。
ある乗員などは、頭上付近を通過していく敵艦に中指を立てたり、挑発するような言動を発するほどだ。


通信室の隣に設置された臨時の魔法石監視室では、フィリト・ロイノー少尉とサーバルト・フェリンスク少尉が共に魔法石の作動状況を注視していた。

「始動から15分ほどが経ちますが、今の所異常見られませんね」

フェリンスク少尉は、その特徴ある長い耳をひくひくと動かしながら、笑顔でロイノー少尉に言う。

「まだ安心するな。今は作戦中だぞ」

楽観口調なフェリンスク少尉に対し、ロイノー少尉は憮然とした口調のまま、戒めの言葉を発する。

「昼間に確認された不具合の原因はまだ掴めていないんだ。今の所、この魔法石は仕事を果たしてくれているが、いつ、何時異常を発するかわからん。
何らかの兆候が現れるかもしれんから、魔法石から絶対に目を離すな」
「はっ!」

フェリンスク少尉は短く返答して、より一層注視する物の、内心ではそう肩肘張らなくてもいいじゃないか、とも思っていた。
敵の駆逐艦は、2人の乗る潜水艦の位置を全く掴めず、海上をうろうろするしかないようだ。
今しも、爆雷の炸裂音と思しきものが複数聞こえてくるが、音は離れており、艦には微かな振動しか伝わって来ない。


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