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SSスレ(萌え)8

125龍神様の中の人 ◆NdgHDvOgik:2013/01/08(火) 16:42:44 ID:xVyd9URs0
遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
今年もアリのように歩みは遅いですが『帝国の龍神様』をどうかよろしくお願いします。

で、久々のレス返し。

>>国共内戦
地味に帝国に影響を与えている大陸情勢。
国民党の瓦解とその再起は帝国に甚大な影響を与えることになります。

>>黛大佐
陸上巡洋艦や陸上戦艦にてお仕事が回ってくるかもしれない。
多分、陸軍との話し合いの結果だけど、
陸上戦艦二隻と陸上巡洋艦一隻(陸軍も金を出して巨砲が欲しいね案)
陸上戦艦一隻と陸上巡洋艦三隻(陸軍も金を出しての妥協案)
陸上巡洋艦五隻(陸軍も金を出して数が欲しいね案)
陸上巡洋艦三隻(海軍予算のみ)

もちろん、陸軍が金を出す想定戦場は満ソ国境からシベリア。
海軍が想定する戦場は大西洋から欧州上陸という同床異夢。

>>101-102
入ってきてすんなり落ち着きそうなのが、シベリアやアラスカの大森林地帯。
ただ、この二つだと後の列強の植民地獲得戦争に巻き込まれる諸刃の剣。
魔法の概念がインディアンに伝わって、そりゃもう楽しい事に。

>>陸士長さん
投下乙です。
これは防ぐの難しいよなぁ‥‥‥
このあたりを独逸が出してこれるのならば、某パンツじゃないアニメのウィッチ達がそろそろ欧州の空を舞ってもいいかもしれない。
アメちゃんが対独宣戦した時にお出迎えするのが彼女たちとか少し胸熱。

>>41ですさん
投下乙です。
大いに笑わせてもらいました。
博奕打ちの借金のカタで取り上げた極上娼婦『でしかない』サキュバス(ダークエルフ上位種)ディアドラが竜会議でお披露目が決定。
ネタ作ってそのまま放置が多いけど、こう言う感じで再利用できるものは修正して再利用しようと。

では。

12641です:2013/01/29(火) 22:49:19 ID:aYo7HUbE0

「帝国の龍神様」サイドストーリー掌編

 その夜、大原伯爵邸へ戻った俺は、先に帰宅していた綾子に堀中将の話を――するわけがない! 聞いたら最後、目を三角にして強烈な怒気を発しながらの説教フルコースが待ち受けているのだから。しかし、「どんなに痛い目に遭っても三歩歩いたら忘れてしまう」鳥頭の馬鹿竜に注意しておくのを忘れたため、俺が伯爵に呼ばれて話し込んでいた間に撫子が「あかれんがとかで面白い話を聞いたのじゃ」と、得々と喋ってしまったのだ。

 応接間に戻った俺は、綾子の爛々と輝く両の目にすべてを察した。ああ、また二時間も怒声を浴びながら正座させられるのかと頭がくらっとなりかけたが、意外にも綾子は「それがどうかしましたか?」とのたまわったのだ。

「おい綾子、怒らないのか?」
「今さら何を。お兄様と一緒に竜州まで行った者なら、その程度で怒っていては生活する時間がありません。少なくとも撫子さんがこちらの世界に来られてからの経験で、男とは救いようもなく愚かなけだものであると思い知りましたから」
 冷たい笑いを貼り付けた綾子の眼差しに冷や汗を流しながら、俺は猛烈な時化の海で駆逐艦に乗っているような気分だった。怒っているじゃないか! 深く静かに、底の底まで、ブリザードのような絶望が吹き荒れる怒りに凍りついてしまいそうだ。うはあ、さっき伯爵が「綾子は戻ってきてから目つきがすっかり変わってしまった。あちらで何かあったのかね」と聞いていたが、こういうわけだったのか……。ようやく撫子も察したのか、テレパスで(ひろゆき〜、こわいのじゃ〜)と告げながら、ぶるぶると震えて後ずさってやがる。遅いんだよ、この馬鹿竜が!

 かくしてその夜は、予想通りの綾子の怒髪天説教フルコース――にはならなかった。目は全然笑っていない綾子に、能面のような笑みを浮かべて「お兄様、撫子さん、前々から考えていたことがあるのですが」と言われて断れるわけがないだろう。

「実は私、地球規模のクーデター計画を練っておりますの。このくだらない戦争を一刻も早く終わらせて、全世界を平和にするための……」

「撫子さんが言われたように、男という名の愚かなけだものは残らず竜州へ送り込んでしまうのです。彼らは竜州で好きなだけ戦争をやればいい。そして地球は、平和を愛する女性だけの世界にする。どうでしょう……」

「手始めにルーズベルトだけでなく、チャーチルもヒトラーもムッソリーニもローマ教皇も蒋介石も小磯総理も、自分たちが世界の指導者だと思い込んでいる愚かなけだものどもすべてを、ダークエルフで骨抜きにして何でも言うことを聞かせてしまうのです。反対する連中は、フクジョウシとやらにしてやればよろしいでしょう。撫子さんのお話では、そのくらいわけないのではありませんか。彼らも幸福な最後をとげられるなら、殺人などではないでしょう……」

「もうこれ以上、愚かなけだものどもに政治や戦争を任せてはおけません。それでも愚昧な男たちがいいという女も竜州にやってしまえば、人類の理想である平和と正義が実現するではありませんか。そして撫子さん、あなたがた竜は、その新世界の神となるのです。何とも魅力的な構想ではありませんか……」

 当然のように正座させられ、延々と酔ったような綾子の言葉を聴かされるのは説教よりも精神に響いた。ああ、あの純真で清楚な綾子はどこに行ってしまったのか。最後のほうは気が遠くなりながら、ナチス親衛隊の黒い制服をまとって地球を踏みつけ、男たちに鞭をふるう綾子の姿を幻視していた。

(うう、ひろゆき〜、綾子はわらわなど足元にも及ばぬ悪の暗黒女帝なのじゃ〜)
(全部お前のせいだ! 少しは懲りやがれ、この馬鹿竜が!)
(馬鹿竜ではない……いや、これほど綾子を怒らせたわらわは確かに馬鹿竜なのじゃ。アンナとナタリーが戻ってきたときのことを、すっかり忘れてしまっておったから……)

 すごいぞ綾子、撫子が反省している! それだけでもお前は、コイツの調教師として最高の技術を誇っていい。しかし綾子の奴、「腹上死」の意味を知ってて使っているのかは疑問だが。
「お兄様、何かおっしゃりたいのですか?」
「イイエ、マッタクナニモゴザイマセンデス」綾子もテレパスなのか――。

 あとから思えば、こんなのは実にほほえましく楽しい平和な時代だったわけだ。やがて開催された東京竜会議と世界列強首脳会議の裏側で、俺も撫子も綾子も想像もしていなかった人外どもが暗躍する影の世界の暗闘に巻き込まれることになったのだから。

12741です:2013/01/29(火) 22:54:36 ID:aYo7HUbE0
※「例の話を聞いた綾子」というアイデアが浮かんだので、素早くまとめました。「綾子のライト化」どうでしょうか。

128名無し三等陸士@F世界:2013/01/30(水) 12:11:47 ID:Vms3478.0
二次創作なのにどうして上から目線なのでしょうか?
そこが気になります。

129名無し三等陸士@F世界:2013/02/01(金) 16:39:32 ID:9AsJcFl20
ここには読みに何度も足を運んでいるんだが
シェアードワールド型の創作をする場所じゃないん?
Wikiより
>シェアード・ワールドにおける各作品は原則として完全に同じ世界上の出来事とされ、歴史の流れもまた相互に尊重される。
>>127の綾子のライト化とかダメっしょ・・・・
もしやるのなら二次創作っていうのを宣言してからやって欲しい
(本音言うなら、ここからも外れてやって欲しい。けど、SSスレ(萌え)ってスレで建前上は独占の場所じゃないから言えん)

130名無し三等陸士@F世界:2013/02/01(金) 21:44:07 ID:Jn9M/Ao6O
41による原作蹂躙がはじまるのか……過疎化が進むね

131名無し三等陸士@F世界:2013/02/02(土) 00:55:19 ID:qw95jBLg0
>>130
ますます、寂れるね。
正直他所でやって欲しい気がする。

132名無し三等陸士@F世界:2013/02/02(土) 01:48:56 ID:EbYHsVxA0
中の人基準でおもしろければ採用するんだし、ティンとこなければ採用しないんだからいちいち突っかからなくてもいいじゃないか。
自分の考えと違うんだから無視しとこうぜ。

133名無し三等陸士@F世界:2013/02/06(水) 23:03:03 ID:lad/JiLY0
そう

134竜神様の中の人:2013/02/16(土) 23:23:16 ID:xVyd9URs0
久しぶりにバイオな竜神様投稿。

135竜神様の中の人:2013/02/16(土) 23:25:37 ID:xVyd9URs0
 ナブレスの沖に錨を下ろす二隻の帝国艦船にナブレスの住民は釘付けとななった。
 皆の視線を集めているのが軽巡洋艦大井。
 その大きさから、後ろにいる測量艦筑紫はそれゆえに目立ってはいないが、筑紫もナブレスに停泊する木造帆船に比べればはるかに大きいのだが。
 大淀の会議室で神堂辰馬は何気なく思う。

「陸軍の神堂大尉です」
「海軍陸戦隊の谷浦大尉と申します」
「大淀艦長。富岡大佐だ」
「筑紫特務艦長。山高大佐」

 今の帝国を端的に表しているなと辰馬が思うのは、それぞれの後ろに異世界人がついているあたり。
 辰馬の後ろに犬耳族のリールがメイド姿で、海軍連中の後ろには黒長耳族が巫女服姿で佇んでいる。

「今回は海軍の実験に便乗させてもらい、感謝しております」

「いや、こちらもナブレスに拠点があるのとないのではおおいに違う。
 協力に感謝する」

 異世界において陸海軍の行動が円滑に進められているのは、彼女たち異世界娘達のおかげである。
 アンナとナタリーからメイヴ経由で海軍に話が行った以上、断れる訳もなく。
 ましてや、陸軍というより辰馬が主導権(何しろ森のピクニック)を早々に放棄していた事もあって、その最初の打ち合わせは実に穏やかに進んでいたのだった。
 なお、ナブレスと近郊情報はリールからテレパスで既に後ろ二人の黒長耳巫女に伝えられている。
 
「こちらが砦の航空写真になります。
 ナブレスの町および近隣の地図はこちらになります。
 バートン大公領の資料はここに」

「助かる。
 表敬訪問なんてものをしないといけない身だとな。
 要約しておいてくれ」

 富岡大佐が辰馬から手渡された資料を後ろにいる黒長耳族の娘に手渡す。
 もちろん、同じものは山高大佐と谷浦大尉にも渡す予定だ。
 大淀艦長である富岡定俊大佐は、海大を首席卒業した切れ者で軍令部や海軍省の要職を順にこなしていたエリートである。
 同時に対米強硬派の一人でもあり、対米戦が竜神様によって非戦となった結果、竜州に島流しという形でこんな所に来ていたりするのをメイヴからアンナとナタリー経由で辰馬は知っていた。
 とはいえ、本人は腐っている訳でもなく、

「尉官時代の陽の当たらない配置に比べれば、一国一城の主。
 何を腐る事があろうか」

と本人の言葉。
 島流しだろうと、自分の仕事はちゃんと弁えている人らしい。
 大航海時代前のこの世界において富岡大佐は一つ男爵位を持つ華族という武器を有しており、これがある種の交易船の側面を持つ異世界交易においてかなり重宝しているとか。
 事実、バートン大公への表敬訪問のあとの晩餐会において、バートン大公の紹介でロムルス国家連合の元老院議員と会う段取りだとか。
 本土は外務省が太平洋宣言から竜会議という外交環境の大激変で竜州にまで手が回らず、引きこもり政策をするならば付き合いは最低限でいいよねとまるで維新前の幕府のような、やっている事はペリーの黒船そのままの政策をとっている帝国にとって、島流しどころか適材適所になっているあたりいろいろとダメな感じ漂うがこの際置いておく。

136竜神様の中の人:2013/02/16(土) 23:27:47 ID:xVyd9URs0
「では、こちらは測量を始めます。
 神堂大尉。測量班はナブレスの屋敷に滞在させてもらって問題ありませんか?」

「大丈夫です。山高大佐」

 測量艦筑紫特務艦長である山高松次郎大佐は、ずっと現場一本の海の男である。
 しかも軍艦だけでなく今回の筑紫みたいな軍艦以外の船の経歴も長く、前職は給炭艦(病院設備つき)室戸だったりするので仕事がはやい。
 後で聞いた話だが、今回の航海において治癒魔法が使えるからと軽視していた黒長耳族を叱りつけて、大淀に医者と看護婦を載せたのは山高大佐の功績だとか。
 で、大淀艦長である富岡大佐との関係が悪くなっていないあたりで山高大佐の才能はわかろうというもの。

「谷浦大尉。
 竜州軍製90式四脚歩行砲試作二型の具体的な実験は?」

 陸戦隊を率いる谷浦英男大尉は、辰馬の言葉に顔を横に背けた。
 あ、なんか地雷を踏んだ。
 なお、この実験そのものが実は陸軍考案の兵器に黒長耳族を抱える海軍が食いついたというもので、これの代償というかたちで森のピクニックはこうやって助けの手を差し伸べられたとかなんとか。

「考案者の前田繁治整備兵と操縦者のベルカが大淀に乗って最終調整をしているのですが‥‥‥」

「ですが・・・・・・?」

「酔うそうです。派手に。
 それに、戦車と比べたら遅い」

 当たり前である。
 四足で歩くということは、安定性が増すが同時に移動時の縦横の揺れが激しくなる事を意味する。
 もちろん、魔法でなんとかなるにはなるのだが、当たり前のように制御を魔法で行っている90式四脚歩行砲試作二型においてそれに魔法を振り分けたら他の所が足りなくなる事もある訳で。
 ならば、何で持ってきたかというと、バートン大公領にはったりかますのにちょうどいいものであったという裏事情が。が。 

「地図と航空写真を見る限りでは、運用に適しているとは言い難いが、使わないといけないのだろう?」

「ご推察の通りで。
 とりあえずあれならば、オークの棍棒で殴られても凹むだけで済みますから。
 陸戦隊はナブレスの邸宅に?」

「そこに合同司令部を置きたいがよろしいか?」

「結構です」

 かくして、陸海軍双方がナブレスに揃った翌日、物資輸送に携わっていた九七式飛行艇が砦から攻撃を受けて消息を断つという報告が飛び込むまでつかの間の休息を楽しむ事になる。


帝国の竜神様 バイオハザードなネタ話 10

137竜神様の中の人:2013/02/16(土) 23:29:20 ID:xVyd9URs0
投稿終了。

ネタを拾っている身からすると、ネタの枯渇は本気で困るので萎縮せずみんなで仲良くお願いします。

では。

138名無し三等陸士@F世界:2013/02/17(日) 18:31:53 ID:b7ZCIkKE0
投下乙。
軽巡大井。一瞬重雷装艦も左遷かと思いました。
ロボットで乗り物酔いというとえっちなコスの某エロゲよりもパトレイバーを思い出したのはおっさんの証か?

139名無し三等陸士@F世界:2013/02/19(火) 05:28:00 ID:M0EL4QAI0
ディードのデザイナーなのでエルフ繋がりでは?

140名無し三等陸士@F世界:2013/02/21(木) 13:21:48 ID:f8cLGwg.0
投下乙です。

平地での運用を考えて足先に駆動輪とか付けたりしてたら、
いずれタ○コマの原型が生まれるかもですね。

141名無し三等陸士@F世界:2013/03/18(月) 01:00:53 ID:q9TBglB.0
殆ど胴体部を動かさずに歩行可能な2足歩行のが乗り心地よさそうだな。

142竜神様の中の人:2013/03/28(木) 00:32:34 ID:xVyd9URs0
 ある時、メイドのリールと英独メイドが派手に揉めた。

「だから、何でも一人で片付けようとしないでください!」
「仮にも上の人間はちゃんと下に仕事を振るのも仕事なんです!」
「じゃあ何をしろと言うんですか!
 愛国丸一隻の掃除ぐらい、一人でできなくてどうするんですか!」

 不老も視野に入り長寿前提ゆえの固体万能主義を貫いているこの世界、すべて一人でできてはじめて一人前と言われる訳で。
 そのアイデンティティの危機に、尻尾をぴんと立てて抗議するリールに英独メイドはため息をつくばかり。

「リール様一人で、万の兵を相手にできますか?」
「できるとも!」

 たとえが悪かったと頭を抱える独逸メイドに対し、英国メイドは面積で攻めた。

「リールさま一人で国を消す事ができますか?
 文明を滅ぼすことができますか?
 人には限界というものがあるのです。
 だから人を使ってその限界を・・・・・・」

 「ぐぬぬ」と聞いていたリールの後ろから馬鹿竜が飛び出した。

「わらわならできるぞ!
 万の人を殺し、国を消し、文明を滅ぼして見せるぞ!!!
 どうじゃ!
 わらわはすごいじゃろう!!!」

「はいはい。
 博之様が勉学中なので暇なのはわかりましたから・・・・・・」

「ま、待つのじゃ!
 わらわの出番これだけか!?」

 ドヤ顔を決める馬鹿竜をなれた手つきで引っ張ってゆくその眷族。
 ぱたんとドアが閉まった後に、英独メイドが声を合わせて一言。

「「ああなりたいですか?」」 

「・・・・・・考えさせてください」


 帝国の竜神様 小ネタ

 多分これがあって、この犬耳メイドはバイオな話に繋がるのかなと。
 思いついたので投下。

143名無し三等陸士@F世界:2013/03/28(木) 16:51:48 ID:YJw4hvmI0
・・・夜叉の眼ってこんな感じなんかな・・・(男キャラですが)
ttp://blog.livedoor.jp/ikesanfromfr/archives/7759838.html#more

144F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

145taka:2013/04/05(金) 14:58:17 ID:oSBGX77E0
馬鹿龍俺だー、この花粉をどうにかしてくれー。
人の限界以前の俺の鼻腔の限界が来ているー。
久しぶりに投下。黒ウサギの過去と厨二病発症。

146陸士長:2013/04/05(金) 14:59:34 ID:oSBGX77E0



少女にとって始まりは唐突だった。
大恐慌の煽りで家族が離散し、孤児院へと放り込まれた。
自閉症で人との繋がりが作れず、やせ細った体は小さいままだった。
祖国で極右が台頭し、再び欧州をかき回す存在へと変貌を続ける間も同じだった。
隣国を次々と吸収し、忌まわしい東方の国を一ヶ月足らずで落とし、英仏を西欧から駆逐してもそうだった。

十代後半になった彼女が、文字通り『変貌』したのはあの日だった。
極東で龍が出現し暴れても、少女の居る田舎町にとっては関係の無いことでしかなかった。

彼女、以外にとってはだったが。

孤児院のシスター、そして神父は子供たちの泣き声に慌てふためいた。
子供たちが逃げ出した部屋を覗き、同じように悲鳴を上げた。

少女の髪は銀色に変貌していた。
少女の肌は不自然なほどに白く透き通っていた。
見開かれた目は右目は赤色で左目は金色。

彼女は唖然としたまま、『自分に降りかかる筈だった食器棚が横倒しに吹き飛んでいる』のを見つめ続けていた。

少女は反省室へと閉じ込められた。
少女へ行われていた陰湿ないじめについても棚上げにされた。
それが、食器棚をぶつけようとするなどといった悪質なものであっても。
子供たちはおびえきり、彼女を執拗に苛めていたグループにいたってはまだ泣き続けていた。
神父たちも少女を閉じ込める以上のことはできず困り果てていた。

青白い光と共に、かなりの重さの食器棚が少女と接触する直前に弾かれ横倒しに吹き飛んだ。

そんな芸当が出来る少女を子供を閉じ込める程度の頑強さしかない部屋で閉じ込めたところでどれ程の意味があるのだろうか。

神父たちの苦悩は、数日後にやってきた親衛隊の将校たちによって解決された。
『悪魔憑き』の少女の姿は、孤児院から消えたのだった。


少女は笑顔を浮かべていた。
ニーベルングの指環の間奏を鼻歌で楽しみながら愛機で宙を切り裂いて飛んでいく。

「君はまるでブリュンヒルデのようだな」
「ブリュンヒルデ?」
「ああ、ワルキューレの一人だ。死んだ戦士たちの魂をヴァルハラへと送る。空を駆け敵を落としその魂を刈り取る。まさに女神じゃないか」

親衛隊将校の戯れの言葉が、何故かハーゼⅠと呼ばれる少女の気持ちを高揚させる。
敵機の、アブロ・ランカスター爆撃機の背後へ悠々と着く。
必死に放たれる機銃弾の嵐は遠い。見る間に迫る敵機に濃厚な四連の20mm機関砲弾を浴びせて離脱する。

間奏が切れた。再び歌いなおす。
燃料の警告灯が着いたのでそのまま高度を下げて離脱する。今日は3機落とした。まずまずだ。
ドーンという音と共に、ハーゼⅠの遥か後ろで機体から黒煙を大量に噴出した爆撃機が錐揉み状態で墜落していく。
後10機落としたらご褒美に『ニーベルングの指環』の演奏会に連れて行って貰える。
レコードで暇さえあれば聴いているが、実際の演奏も是非観てみたと思っていた。

「でも、その前に……」

滑空するように飛んでいた機体を素早く横に流す。
大量の7.7mm弾と20mm機関砲弾が横を通り抜けていく。
高度を下げて戦場から離脱し始めてから、首の後ろに嫌な違和感を与えていた存在が通り過ぎた。
双発の大型戦闘機。最近になって偵察や強襲爆撃に運用され始めたモスキート。
どうやら損害に耐えかねて、刺客を送り込んできたようだ。

「お前を刈らないと」

一気に加速する。
相手が驚愕したような気配を感じる。
戦闘機は楽だ。チョロチョロ逃げ回るけど、後ろ向きに銃弾が飛んでこないから。
相手が回避行動を取ろうとする。フォッケか普通のメッサーなら何とかなったかもしれないが…遅い。

モスキートの主翼が吹き飛び、勝負はついた。
血塗れの風防が開かないまま、機体は地上から数百メートルまで落ちて爆散した。
少女は勝利と陶酔に満ちた笑みを、その色素の薄い唇でゆがめてみせた。
彼女はもはや孤独な少女でも、悪魔憑きの少女でもない。

「恐れることを知らないしか、私を倒せない。なぜなら、私はブリュンヒルデなのだから」

何者にも討てぬ空駆ける女神の嘲笑が、欧州の空に響き渡った。

147陸士長:2013/04/05(金) 15:00:28 ID:oSBGX77E0
投下完了。別の場所の名前で打っちゃった(・ω<) テヘペロ

148名無し三等陸士@F世界:2013/04/12(金) 22:30:56 ID:kFOVoUwU0
物語は唐突に氏、そろそろ・・・

149パトラッシュ(旧41です):2013/04/21(日) 21:14:16 ID:t.N5V0vk0
「帝国の龍神様」サイドストーリー2(政治編)

 大日本帝国の中枢たる帝都の霞が関一帯は、うなりをあげて全力で回転していた。つい数箇月前までは陸海軍省のみ元気よく他の官庁はついていくだけの状態であったが、いまや神祇院を抱える内務省を筆頭に異世界貿易で得た金貨が積み上がる大蔵省、ダークエルフたちを使った国土再開発計画を推進する商工省、戦争が回避されたことで出番再びと張り切る外務省などが若手官僚を先頭に活況を呈している。米内光政元首相につながる懐疑派もいるにはいたが完全な少数派で、大多数は「やりたいことをやれるうちにやってしまえ」とイケイケドンドンで走りながら政策を考え、実行している有様だった。
 特に東京竜会議の開催に加えて英米首脳の来日という歴史始まって以来の事態が確定した外務省は、後に「陸軍省より戦争状態だ」と回想されるほどの多忙さにあった。ほとんどの官員が連日泊り込みで各国との連絡や大使館との協議、代表団の宿泊地設定まで途切れることのない仕事に取り組み、過労で倒れる者も続出していた。それでも外務官僚は、事務局長役を担う吉田茂竜担当大使の「いまや戦争から外交の時代だ」という激励を受けて頑張っていた――もっとも同じ時期、在外公館は竜州行きを求める現地人男性の勢いが一向に衰えず、仕事もできない状況が続いていた。インドとブラジルでは日本の外交官が拉致され、犯人側から「竜州行きを認めるなら解放する」という脅迫状が届く事件が発生し、現地警察が大慌てしていたが。

 ある夜、ようやく仕事に一段落ついて葉巻を吸っていた吉田は、首相官邸に行っている重光葵外相から至急の呼び出しを受けて駆けつけた。

「吉田さん、中国の汪兆銘政権および蒋介石の国民政府、それにイタリアからも東京竜会議に正式参加したいとの要請がありました。また、オーストラリアとニュージーランドも、マリアナに引き続いて今回も出席する権利があると言ってきたのだが、撫子様はどう思われるか意見を聞かせてください」
 官邸執務室で小磯国昭首相と重光に問われて、吉田は腕を組んだ。政治レベルの問題を実務担当者の自分に聞くとは異例だが、何しろ相手は竜である。現在、海軍を除けば日本政府内で最も竜と親しいとされている自分から判断材料が欲しいわけか。
「マリアナの会合に英米のほかオーストラリアとニュージーランドが参加を求めた際も、撫子様は拒みませんでした。今回、人間側の参加国が増えても同じでしょう。最終的に竜側が決めたことに人間が異議を唱えようとも無駄ですから」
「しかし、それでは帝国の国益も脅かされるのではないかね?」
 小磯が大きな目玉をぐるぐるさせながら尋ねる。ずっと朝鮮総督を務めて外地にあり、首相就任まで撫子や竜州について詳細を知らなかったので、まだピンとこないようだ。
「撫子様は海軍の真田博之少佐と事実上の夫婦関係にありますので、その点は心配ありません。また、帝国は撫子様の要請により、その眷属多数を竜州で奴隷状態から解放しており、彼女らは揃って帝国に忠誠を誓っています。従って各国の参加問題については、帝国の外交面で判断して問題はないかと。私見を申し上げるのならオーストラリアとニュージーランドはマリアナの前例もあるので正式参加を認める一方、イタリアと汪兆銘政権はオブザーバー扱いとし、国民政府の参加は認めないというあたりですか」

150パトラッシュ(旧41です):2013/04/21(日) 21:16:27 ID:t.N5V0vk0

困惑したような視線を交わす小磯と重光に、吉田は新たな厄介ごとが起こったのを察した。やがて外交官としては吉田の後輩に当たる重光は、言いにくそうに言葉を探した。
「吉田さん、私もその意見に賛成なのだが、簡単にいかない事情が出てきたのです。実は汪兆銘だけでなく蒋介石までもが、来日してもかまわないと言ってきまして」
「それはまた……確かに蒋訪日が実現すれば、今後の中国情勢は日本の意向が大きく反映できてしまう。あっさり断るには惜しい話です。いきなり切り札を出してくるとは、国民政府も相当追い詰められていますね」
「撫子様が日本の味方をして三峡を塞ぐほどの力を示したため、新たな中国の竜を目指す蒋介石にすれば立場がありませんから。しかもベルリンからの情報によれば、ムッソリーニがヒトラーに泣きついてイタリアが正式参加できるよう外交工作しているとのことで、三国同盟絡みもあって断るのは難しい。どう線引きしても、不満が残るのは確実ですよ」
「なるほど、シチリアの竜を抱えるイタリアとしては、ここは何としても他国に先駆けて誼を結びたいところでしょう。というか、ドイツがフランスに続きイタリア参加も容認するのは、自国の影響下にある国が竜と友好関係を結べればとの思惑があるようです。そうなれば、自分たちにも竜州への道が開かれるのではと期待して」
「吉田さん、それはつまり……?」
「英米独仏も、また中国やその他の国々も、最も恐れているのは撫子様以外の地球にやってきた竜すべてが日本に味方する事態です。そうなればどの国も日本に膝を屈せざるを得なくなるし、今後も日本が竜州を独占する形で開発を進めればあらゆる利権から締め出される。しかし、満州と違って竜州への道は最初から日本が独占している。各国としては何とか竜に接触し、自分たちの味方となるか少なくとも中立を保つよう説得できないか、また竜州開拓に自国も参加するために撫子様以外の竜を使えないかと考えている。戦時中にもかかわらず最高首脳が訪日する理由は、まさにそれなのです」

 総理執務室は、痛いほどの沈黙に包まれた。存在それ自体が強大な兵器である竜は、これまでの軍事バランスを完全に崩したのみならず、広大な未開拓のフロンティアである竜州の存在は各国の領土占領欲を強烈に刺激した。もし欧州大戦が始まっていなかったら、全世界が日本に向けて戦争を仕掛けてくる事態もあり得たのだ。
(そうなっても撫子様や「歌妃」アニスの力で日本が勝つだろうが、数千万単位の死者が出ていたかもしれない。いくら戦争でも、そんな事態は避けたいしな)

151パトラッシュ(旧41です):2013/04/21(日) 21:17:12 ID:t.N5V0vk0

 考え込んでいた重光は、やがて小磯を振り返った。
「総理、吉田大使の予測が正しいなら、各国は総力をあげて竜と接触し竜州での利権を得ようとするでしょう。英米独仏だけでも利害調整がややこしいのに、中小国まで面倒は見切れません。ここは会議を紛糾させないためにも、参加国を絞るべきだと思います」
「同感だな。各国に厳しい条件をつけて、参加を断念するよう仕向ければ……」
「そうですね。国民政府には汪兆銘政権と満州国の承認を、オーストラリアには白豪主義政策の撤回を要求すればいい。豪州が不参加ならニュージーランドも取りやめます。イタリアとフランスは参加を認めても傍聴者的な扱いにとどめておき、また、英米独仏の代表団にも厳重な行動制限をつけて――」

「お待ちください」吉田は重光を遮った。「それは非常にまずいと思います。公然たる内政干渉で日本だけが各国の恨みを買うことになり、今後の外交に影響が出るでしょう。会議が多少もめても、要は竜が日本側の希望を最大限に取り入れた決定を下せばよいのです。そうすれば最初に申し上げた通り、どの国も異議を唱えられませんから」
「つまり吉田さんは、参加希望国すべてを受け入れるべきだと?」
「その代わり日本も、満州国代表を参加させればいい。そうなれば英米首脳と蒋介石は竜と接触する機会を得るためにも、日本の傀儡政権と非難してきた満州国と同じ会議のテーブルにつかざるを得なくなる。これは事実上、三国による満州国承認となり、リットン調査団報告は無効化されてしまいます」
 小磯と重光も、ようやく吉田の言いたいことを理解した。リットン報告をきっかけに国際連盟を脱退した日本が、再び国際世界に復帰する最高の舞台として東京竜会議を使えと。
「英米が進んで満州国を事実上承認するとなれば、ハルノートも撤回されたに等しくなる。日米戦争の前提条件が消滅するというわけになります」
「な、なるほど……」
「総理は先の施政方針演説で、竜州の開発を国策とする旨を世界に宣言されました。そのためにも、本土が戦争状態にならないことが保証されるのは結構ではありませんか」
 ようやく小磯の表情に明るさが戻った。

「今回、日本は竜会議と並行して、列強を含む世界十カ国との首脳会議を主催することになります。過去の外国首脳の訪日はハワイ女王と満州国皇帝だけで、これほどの数の首脳が東京に集結した例はありません。彼らが陛下を表敬すれば皇室の国際的立場もいや増しに高まり、歴史に残る外交成果と申せましょう。現内閣に反感を抱く者も、この点に反対できません」
 重光の進言に、小磯は強く頷いた。両者とも皇室崇敬の念は誰にも負けないとの自負があり、自分たちがそれに立ち会えると思うだけで心が躍る。しかし、吉田としては一言釘を刺しておかねばならなかった。
「もっとも総理や外相には、大変な苦労が待っていますが」
「わかっています。外交の大舞台を取り仕切るのは簡単な仕事ではありませんから」
 キャリア外交官出身の重光は歴史に残る国際会議の主催者となるのは望むところとあって、苦笑しながらも目を輝かせていた。一方、外交経験皆無の小磯は日本代表として海千山千の各国首脳と渡り合わねばならない立場を想像し、憂鬱そうだった。

152パトラッシュ(旧41です):2013/04/21(日) 21:18:05 ID:t.N5V0vk0

「無論、英米独仏以外の各国にはすぐに参加を認める必要はありません。散々じらして、相手の忍耐の限界を超えない程度まで日本に有利な条件を引き出してからにすべきです。そのあたりの交渉は外相にお任せすればよいかと。私は撫子様側と協議して、日本側の考えを認めてもらいます。その線でいかがでしょうか、総理」
「わかった……あと吉田君、撫子様以外の竜を味方につけ、竜州への新たな道を開くのが各国の狙いだと言っておったが、阻止する方法はあるのかね?」
「ご懸念はもっともですが、撫子様とマリアナのセドナ殿以外の竜がどんな要求を出してくるか見当もつかないので、日本が他国に先んじて残る竜と接触できるよう撫子様に頼もうと思っています。特にアメリカに敵対しているハワイの竜は相当きつい性格のようで、本気で怒らせたら単独でアジア大陸ほどの面積を単独で焼き尽くすほどの力を持つとか」
「アジアを焼き尽くす力だと――」
小磯が蒼白になってあえぎ、重光も唇を震わせた。グルー米大使らと同様の反応だが、意味するところは逆だ。米英の大使は本国や植民地が焼かれてしまう可能性に恐怖しての震えであったが、首相らは今さらながら撫子が自分たちの味方であることのありがたさを思い知らされたようであった。

「しかし今回、すでにハワイの竜と軍事衝突している米国の大統領が竜会議で同席するのだろう。ルーズベルト大統領は祖国を焼く覚悟で竜と対決するかな?」
「この会議で最も苦しい決断を迫られるのはルーズベルトでしょう。ハワイの竜の機嫌をとるような真似をすれば全国民の激烈な非難を浴びるが、逆なら国家が消滅しかねない。最悪の場合、その決断から逃れるため非常手段を取る可能性もなしとは申せません」
「非常手段とは……」
「帝都に集まった竜を皆殺しにするのです。どんな卑怯なやり方を使ってでも」
「何だと? だ、だが最高度の警戒態勢を敷く予定の帝都で、そんな真似ができるのか。下手をすれば自らの命も失いかねないのに」
「いえ、間違いなくルーズベルトは万が一に備えた準備をしています。彼は露骨ではないが、明らかな人種差別主義者です。神に認められて世界を支配している白人種が、竜などというキリスト教からすれば異端そのものの存在を背景にした黄色人種の日本に敗北するなど、許せるわけがありません。不愉快極まりないですが、それが普通の白人の思考というものです。あるいはルーズベルトが国家のために竜との和解を決断しても、それに反発する米国人が同じ行動に走るかもしれません。自国の大統領もろとも竜を皆殺しにしろと」
「まさか、そこまでやるか……」
「総理、申し上げにくいのですが満州国建国の際、当時の内閣が不拡大方針を決めたのに関東軍が暴走して既成事実を作り上げたではありませんか。米政府や軍内部にいる竜への反対勢力が、関東軍と同じ思考をしたらどうします? 東京でルーズベルトもろとも竜を皆殺しにし、責任をすべて日本政府に押し付けて一気に攻撃をかけてわが国を占領し、ついでに竜州をも奪えればなどと安易に考える輩が米軍にいないと、誰が断言できましょう。帝都と政府が壊滅した日本は反抗できず、蹂躙されるがままになってしまいます」

 最悪の予想を提示されて、小磯もたじろいだ。一兵卒から陸軍大将にまで上りつめた軍人として戦場に立つことは厭わなくとも、テロに等しい攻撃を仕掛けられたら反撃の手段が思いつかない。
「そう、だな。今回の竜会議と列国首脳会議を無事に成功させることに、文字通り帝国の生死がかかっている。内外のいかなる反対派の暴走を押さえ込まなければ、皇室に累を及ぼしかねない……吉田君、直ちに陸海相と内相を加えた五相会議を開き、帝都の安全保障について協議する。君も参加して、先ほどの件について説明するように」
 今夜は徹夜だな……と内心ぼやきながら吉田は頷いた。三人中で最年長の彼もまた、大きな活躍の場を与えられて血をたぎらせる外交官のひとりであった。

 吉田の推理は正しかった。世界には東京竜会議開催に反感を抱き、公然とではないが妨害や中止に追い込むべく策動する勢力がいくつも存在しており、すでに吉田はメイヴや東条英機内相、石原莞爾竜州軍参謀長とひそかに協議を重ね、帝都圏治安警察機構の創設や「歌妃」アニスによる絶対防空体制の構築などを進めていたのだ。ただ、神ならぬ身に思いもかけぬところで動きはじめた陰謀を見通す力まではなく、やがて「東京の暗黒決戦」と国際外交の裏面史で語られる大事件に発展しようとは想像もできなかった。

153名無し三等陸士@F世界:2013/04/24(水) 11:43:11 ID:KsurmZCg0
これはまた、実にありそうな展開が。
政治家も役人も軍警察関係者もみながみな倒れてしまいそうですね(汗

154竜神様の中の人:2013/05/18(土) 08:42:00 ID:xVyd9URs0
バイオの方投稿。

泥沼式に増援を送り込むの図。

155竜神様の中の人:2013/05/18(土) 08:43:25 ID:xVyd9URs0
「九七式飛行艇が落ちたって?」

「はい。
 ナブレスに駐留している部隊より緊急伝です。
 どうも、事故ではなく撃墜された可能性があり、海軍の方も確認しています」

 来るべきものが来たといやでも思うと同時に、まさかの思いもあった。
 とはいえ、この異世界の魔法技術が飛行機を落とせるのはこちらに来た勇者が実証して見せたではないか。
 竜州軍石原参謀長はしばらく目をつぶって意を決すると、副官である瀬島少佐に声をかけた。

「上海でたしか似た様な事やっていただろ。
 あれで増援を送ろう。
 瀬島。お前が指揮をとれ。
 部隊の選定は任せる」

「了解しました。
 臨時編成の独立大隊の指揮をとります」

 この時瀬島少佐が用意したのは、竜州軍で数少ない信頼ができる挺進連隊だった。
 空飛ぶメイドと高級娼婦に降下中に全滅させられたが、それが兵のしての能力が劣っている証拠ではない。
 そして、掃き溜めである竜州軍において彼らは信頼できる連度と士気を持っていた。
 更に、撫子三角州に襲ってきた蟲の教訓から、八九式戦車中隊を借りて独立大隊を編成する。
 そこまでの仕事をし終え石原に報告すると、石原は指で外を指して言った。

「ちょっと海軍さんの所に顔を出してくる。
 お前もついてこい」

 海軍の方も撃墜報告にてんやわんやになっていた。
 何しろ、状況は竜州から千数百キロの果てとはいえ、この程度の距離でうろたえる海軍では本来は無い。
 蟲相手に無双していた驕りがこの醜態と言っていいだろう。
 もっとも、上になればなるほど落ち着いているので、いずれば収まると石原は思いつつ竜州艦隊司令長官の大川内中将の執務室のドアを叩いた。

「邪魔をする。
 九七式大艇が落ちた事は聞いている。
 で、こっちは増援を送る事にしたんだが、そっちはどうするのか?」

「現状、陸戦隊が展開しているがこれ以上の増援を送ると、向こうで飢えるという話は言っていると思うが?」

 上海の日本租界の警備にあたる上海海軍特別陸戦隊の司令官として第二次上海事変を経験していただけあって、彼もまた腹はすわっている男だった。
 現状の増援の問題点を指摘した大川内に対して石原はにやりと笑う。

「承知の上だ。
 こいつを使う」

156竜神様の中の人:2013/05/18(土) 08:44:45 ID:xVyd9URs0
 瀬島少佐が用意していた資料と写真を差し出す。
 それを大川内が確認するのを見て石原は言葉を重ねる。

「秘蔵で向こうでの貨物輸送にも使えないんで、こっちに送ってもらうつもりだった。
 海岸線近くの拠点作りに使うつもりだったが、こういう時に役に立つ。
 本土から呼んで、竜州で編成した独立大隊を積んで向こうに着くのはおよそ一週間後。
 後は、一週間の間持ちこたえる事ができるかという所か。
 九七式大艇の輸送は継続できるのか?」

「一週間?
 ここからイッソスまで四日かかるはず。
 それを考えたらナブレスに着くのは下手したら十日はかかるはず」

 戦場はここからはるか離れた地である。
 増援を送るのはいいが着いた時には全て手遅れなんて事態はさけないといけない。

「撫子様のお力をお借りする。
 転移呪文で送ってもらうのだ」

 その手があったかと大川内が手を叩こうとしてその手を止める。
 万能転移呪文にも制限がある事を思い出しだのだ。

「たしか、転移呪文は術者がその場所を知っている事が条件のはず」

「だから、撫子様が行った事があるイッソスに飛ばす。
 イッソスからナブレスまで早ければ三日だ。」

 ちゃんと対処手があったかと大川内が思いつつ石原の質問に答えた。

「九七式が落とされた以上、安全の確保が再開の条件になります」

 常時飛ばせるだけの数がある訳でもない。
 即応で現地部隊に補給や増援が遅れる九七式はか細い命綱であるだけに、慎重を期さないといけないと考えての発言である。
 それを理解した石原は安全の確保について即座に手を打った。

「そいつは落ちた九七式の探索と同時に向こうの部隊に任せよう。
 大淀にはどれぐらい武器や弾薬、食料の余裕がある?」

「半月程度は。
 一週間で着くのでしたら、十分そちらの船が間に合うまで持つと推測します」

 石原は満足そうに頷く。

「戦争は数だ。
 で、向こうで飛行機が落とされたという事は、こっちに敵対的な輩がいるという事だ。
 向こうからの報告だと、敵勢力の見積もりは中隊規模。
 こっちは小隊規模で、海軍は大淀に中隊規模の陸戦隊を乗せている。
 城攻め三倍じゃないが、何かあったときの為に大隊規模の増援を送りたい」

「こちらからすればありがたいのですが、東京には何と?」

「何、100人規模の黒長耳族と獣耳族の救出作戦だ。
 大蔵の試算だと、こちらが全滅してもおつりが来るという保障つき。
 止めやしないよ」

(そうやって満州事変起こしたんだろうなぁ)

 という大川内のつっこみに気づいていながら気づかないふりをする。
 それに気づいても気づかないふりをした石原にあわせてその話題をスルーした大川内も話の続きを優先した。

「決まりだ。
 こいつ、神州丸で大隊をナブレスに送り込むぞ」


竜神様バイオハザード11

157竜神様の中の人:2013/05/18(土) 09:04:42 ID:xVyd9URs0
投下終了。

ゾンビに襲われるねたをテーマにしたのに、近代軍強すぎがこの醜態。
やっぱり、クローズド・サークルにしないと駄目だね。
という訳でレス返し。

>>軽巡大井
大淀の間違いorz
ちなみに、とある赤城さんが慢心してドックから出てこなかったりするゲームをゃっているのですが、出てこないのです。こいつorz。
無課金だとリアル日本海軍オンラインが楽しめてお勧め。
なお課金だと米帝プレイ。

>>タ○コマの原型
スタート時から完成している訳ではなくて、試行錯誤や戦訓なんて取り入れられたらと。
今回の神州丸もいろいろ戦訓を得て次の船に生かすのでしょう。陸軍が。あれ?

>>陸士長さま
投下乙なのです。
次の本編投稿は状況整理の為にクレタ戦のまとめと今後の地中海情勢の予測をする予定。
とりあえず、決まっている事は、
枢軸 クレタ奪還もしくは砲撃
連合 北アフリカからの枢軸勢力駆逐。起点はエジプトから


>>パトラッシュ(旧41)さん
投下乙です。
そうか。このタイミングで国民党が満州国を承認すればいいのか。
ちなみに、今の国民党南京や上海が守りきれないと危惧するぐらいやばいです。
共産党への寝返りによって。
これが結構史実路線だからあの国は・・・・・・

では。

158F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

159F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

160名無し三等陸士@F世界:2013/05/20(月) 18:28:06 ID:cbJwYWIE0
基本的に日本が不利な世界観ですが、果たして救援は間に合うのでしょうか。
と色々考えさせられながら続きを待ちます。

161F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

162パトラッシュ:2013/06/08(土) 21:09:45 ID:WsRTftk.0

 「東京の暗黒決戦」の震源となる策謀のひとつは東京で吉田らの密談が行われる少し前、中華民国臨時首都が置かれた四川省重慶市郊外の古ぼけた民家から始まっていた。みすぼらしい外見にはおよそ不釣合いに巨大な太極旗が掲揚され、白木の板に『大韓民国臨時政府』と大書された看板が館の主を示している。この日、国民政府陸軍旗の小旗をつけた米国製高級車が滑り込んできたことが舞台の開幕となったのだ。

「帝国の龍神様」サイドストーリー3(陰謀編:某作品とのクロスオーバー)

「そ、それは本当なのか? 彼がチョッパリ(日本人の蔑称)の味方に転向したなど……」
「間違いありません、主席。京城に送り込んだ間諜からの情報です」
 重慶市郊外にある古い中国家屋。壁に大きな太極旗が飾られた一室で「閣議」を開いていた大韓民国臨時政府主席の金九は、趙素昴外務部長の報告に絶句した。同席の「閣僚」たちも、信じがたいニュースに声もなく顔を見合わせる――『反日運動の闘士として有名な任侠団体「鐘路派」の若き頭目である金斗漢が、天皇への忠誠と日本の朝鮮総督府への無条件協力を公に表明した』と。
「しかし、金斗漢の光復(独立)にかける熱情は本物だった。日本軍の武器庫を爆破したり、日本の暴力団と抗争して叩き潰すなどの活躍は、知らぬ者はいないぞ」
「ソウルの総督府で記者会見した金斗漢は『独立運動に協力してきた自分は間違っていた。天皇陛下の慈愛溢れる統治こそ朝鮮に必要なのだ』と述べて、親日派の中央日報の記者すら唖然とさせたそうです。表向きの理由はそれで通しておりますが……」
「拷問か買収でやられたのか? そんなもので売国奴になり下がるとは思えないが」
「申し上げにくいのですが、京城の裏社会では金斗漢は竜州行きを約束されて光復の志を捨てたとの噂がもっぱらだと――」
 金九の顎が、がくりと落ちた。他の臨時政府閣僚も呆然としている。
「つ、つまり金斗漢は、あの竜の支配する異世界とやらで女を好き放題にできることを、光復の志より優先したのだと? そんな馬鹿な!」
「残念ですが主席、竜州には性奴隷になりたがる美女がたくさんいるという例の噂が世界を駆け巡って以来、総督府の警察はそれを利用して独立運動家に対し、日帝に従えば竜州に行かせてやるとささやいているのです。その悪魔の誘いに金斗漢だけでなく多くの同胞が飛びついてしまい、朝鮮全土で独立の気運が急速にしぼんでいます……それだけでなく、竜州行きを目指して日本軍に志願する同胞が激増しているのも事実です。ただでさえ少なくなっていたわが臨時政府への献金も急減しておりますし。状況は満州や日本の在留同胞でも同じとのことです」
「おのれチョッパリめ、卑怯な真似をして、わが民族を貶めおって!」
 吐き捨てる金九に、閣僚たちも口々に日本を非難する。しかし、話はこれで終わりではなかった。

163パトラッシュ:2013/06/08(土) 21:11:03 ID:WsRTftk.0
「それに在米の李承晩元主席から、米国外交筋を通じて連絡がありました」
「李承晩が? 今さら何用だと言うのかね」
 金九の表情が一気に険しくなる。かつて臨時政府主席だった李承晩は、路線を巡り臨時政府内部での政治闘争に敗れてからアメリカへ移り、政界へのロビー活動に専念している。一貫して反李承晩派に属してきた金九にすれば、日本人の次に許しがたい政敵であった。
「実は在米同胞にも日本が手を伸ばしているらしいのです。日本に味方すれば竜州へ行かせてやるぞと。李元主席の側近がひとり、誘いに転んで情報を流していたとか。まことに恥ずべき話だが、そちらでも裏切り者が出ぬよう気をつけてほしいとのことでした」
 会議室の空気が一気に冷え込んだ。いくら政敵とその同調者でも、金斗漢に続き同じ民族の同胞が日本の策略に引っかかって独立運動を裏切るとは、情けなく悔しい話だ。しかも、転向した理由が拷問や買収ならともかく、好きなだけ女を抱ける世界に行きたいからだとは恥ずかしくて声も上げられない。
「日本を非難するために公表するわけにもいきませんな。韓国人はその程度の民族だと日本側に返されたら、恥の上塗りになるだけだ……」
「ええい、世界の中心であるはずのわが韓民族の誇りはどこに行ってしまったのだ! 光復よりも女を取るとは」
「ふん、そんなことを言って、実は自分も竜州とやらに行きたいのではないかね」
「何だと貴様、その侮辱は許せんぞ――」
「やめたまえ! われわれが喧嘩して分裂するなど、日本を喜ばせるだけだ!」
 金九の一喝に、閣僚たちは沈黙した。いくら独立運動の闘士とはいえ、臨時政府の小さな組織内部にも激烈な党争(派閥争い)は存在する。かつての李氏朝鮮内部で当たり前のように繰り広げられていた党争は、韓民族の宿命的な業病ではないかと最近の金九は思えてならない。かつて豊臣秀吉の朝鮮侵略時、唯一日本に勝利した李舜臣将軍も党争に巻き込まれて地位を追われ、その間に朝鮮水軍は大敗して亡国の瀬戸際に追い込まれたのだ。
 情けなさに押しつぶされそうな表情の金九に、内務部長が手をあげた。
「……それにしても主席、この先どうしましょうか。残念ながら今後も、竜州行きというエサにつられてチョッパリどもへ寝返る同胞が増えるのは確実です。わが臨時政府としては放置できぬ事態ですぞ」
「どうしろと言われても――女より光復こそ第一だと、内外同胞に訴えるしかあるまい。愛国の志こそ民族の栄光そのものであると理解させなくては」
「しかし、そのための活動資金はどうします? 現状、わが臨時政府は組織維持のための費用すら賄えていません。国民政府からの支援金は、二箇月も滞ったままではありませんか。何とか揃えた光復軍部隊のわずかな人員さえ、装備や訓練にもこと欠く有様です」
 内務部長の発言は事実であった。大韓民国臨時政府の財政は当初、内外の朝鮮人同胞からの献金によって支えられていたが、組織が拡大するにつれていくらあっても足りなくなり、やがて満州などで日本企業や日本人を対象にした恐喝・強盗を起こして資金を得るようになっていった。このため関東軍や満州国警察による厳しい取り締まりに遭ったほか、日本政府の外交圧力もあって外国からの送金も困難になり、この当時は蒋介石率いる中華民国の中国国民党政権(国民政府)からの支援に頼りきりの状態であった。
しかも龍神の出現以降、国民政府が日本との関係改善に力を入れているため、支援も先細り気味となっている。この場の誰も口にしないが、臨時政府が重慶中心部の比較的立派なビルから住宅街に近い古家へ移転を余儀なくされたのも、ひとえに金がないせいだ。
 貧乏所帯の臨時政府の面々は、戦争とは金でするものと骨身にしみていた。さらにジリ貧となれば、自分たちは自然消滅してしまう。それこそが日本の狙いだとすれば――。
 全員が言葉もなく下を向く。静まり返った会議室の扉が叩かれ、秘書が顔を出した。
「国民政府軍の周遠峰中校(中佐)が来られました。至急、主席にお会いしたいと」
「周中校が? わかった、閣議は休憩とする」

164パトラッシュ:2013/06/08(土) 21:12:15 ID:WsRTftk.0

 主席執務室に戻った金九は、周遠峰が同道してきた男に目を剥いた。いや、ペトロというクリスチャンネームを持つキリスト教徒としては見慣れた姿だが、国民政府の軍人とカトリック神父という組み合わせはあまりに奇妙すぎた。
「初めましてぇ金九主席ぃ、アレクサンド・アンデルセンと申しますぅ」
 がっしりとした長身と刈り上げられた金髪。流暢な広東なまりの中国語を話す口許には優しげな笑みを浮かべているが、分厚い眼鏡の奥底で少しも笑っていない眼差しが鋭い光を放つ。野太い声に無精髭を生やした姿は、屈強な古参兵が間違って法衣を着ているようだ。差し出された手を握った金九は、神父の握力の強さに顔をしかめた。
「それで周中校、聖職者とご一緒の用向きとは何なのです?」
「主席、こちらのアンデルセン神父はバチカンの外交官で、カトリックの教宗(教皇の中国語表現)猊下よりの提案を携えてこられました。その提案を蒋介石総統はわが国民政府のみならず、大韓民国臨時政府にも極めて有益なものと判断されたので、主席にお話しするよう総統の命を受けてきました」
「バチカン、ですと――」
 カトリックの総本山に対して、これまで臨時政府側から接触したことはないし、逆に関係者と話すらしていない。困惑する金九を、アンデルセンは正面から見据えた。
「ご存知のように間もなくぅ、地球に来た五匹のドォラゴンどもがぁ東京に集まってぇ会議を開きますぅ。ナデシコとかいう日本のドォラゴンが主導してぇ、ドォラゴンと人間との平和共存を模索するためとされていますがぁ――まぁだ公表されていませんがぁバチカンが得た情報によるとぉ、実はこの会議に英米両国首脳が参加するというのですぅ」
「な!……」金九は自分の顔が蒼ざめるのをはっきりと感じた。「英米の首脳というと、チャーチル首相とルーズベルト大統領が訪日すると言うのですか?」
「ええ。しかもぉ英国と戦争中のドイツとフランスもぉ、ヒトラー総統やペタン元帥が訪日できないためぇ、両国の駐日大使を副首相に任命して政府高官が参加する形をとろうとしておりますぅ。いわばドォラゴンたちの会議はぁ、同時に日米英独仏五カ国の首脳会議にもなるわけですぅ。これがぁどういう意味かぁ、閣下にはおわかぁりでしょうぅ」
 アンデルセン神父のもたらした驚くべき情報を吟味した金九は、何とか気持ちを立て直した。間もなく対日戦争に突入すると踏んでいた英米両国の首脳が、敵国に等しい日本を訪れるとは。竜という巨大な存在と何とか折り合いをつけようとする大国の思惑がうかがえるが、弱小亡命政権幹部を長年務めてきた金九には即座に最悪の想像が頭に浮かんだ。
「……竜が来たことで日米戦争はあり得なくなり、スターリンが死んで大混乱の渦中にあるソ連は事実上世界の大国から脱落している。そこで新たな力である竜の参加する首脳会議で、世界の権益を再配分しようというわけか」
「おっしゃる通りです。そしてわが中華民国は、その場に招かれておりません」周中校が口を挟んだ。「ソ連はともかく、かの五カ国にとって中国など無視して構わないとしか思われていないのです。わが国さえそうならば、大韓民国臨時政府はどうなりますかな」
 どうもこうもなかった。臨時政府の存在などハナにもひっかけられず、せいぜい日本のご機嫌をとるためにテロリスト集団扱いされるのが関の山だ。日米開戦と同時に対日宣戦布告を行い、米国に味方することで独立回復を図るという臨時政府の目論見が潰えるどころか、米英にまで弾圧される事態になっては救いようがない。

165パトラッシュ:2013/06/08(土) 21:13:24 ID:WsRTftk.0
 失神したくなるのを気力でこらえながら、金九は必死に考えをめぐらした。
「そ、それで、この件にバチカンがどう関係してくるのでしょうか?」
「わぁがバチカンとしてはぁ、ドォラゴンの存在など認めるわけにはいきません。奴らは人を惑わす魔法や魔術を使うだけでなくぅ、シチリアのドォラゴンなどは眷属たる吸血女ドラキュリーナを情報収集のため全欧州にばらまいておりますぅ。おかげでぇ欧州各地ではぁ、恐慌に陥った無知な者どもが無実の女たちが大勢殺している有様ですぅ。このようなぁ主の教えを辱める真似をして恥じぬドォラゴンは、断じて許せません。そのため教宗猊下はぁ、ドォラゴンどもに対する十字軍の発動を決断されたのですぅ」
「じ、十字軍ですと……」
 さすがの金九も、十字軍などという前時代的なセリフを平然と口にするアンデルセン神父の正気を疑った。しかし、隣の周遠峰はまじめな表情を崩さず、神父の言葉に頷いている。そういえば周は、蒋介石側近中でも特に熱心なクリスチャンであったが。
「今回の十字軍はぁ、カトリック単独ではありません。プロテスタントや正教のみならず、ユダヤ教からイスラームなどに対してもぉ協力を呼びかけておりますぅ。世界中の宗教が一致団結して、ドォラゴンどもを倒すため戦おうとぉ。十字軍と申しましたがぁ、正確には世界宗教連合軍の結成を目指しておるのですぅ」
「対ドラゴンの宗教連合軍……し、しかし、そのようなものが本当に実現するので? 私も一クリスチャンとして、カトリックとプロテスタントの抗争は幾度も目撃してきました。まして他の宗教が、対ドラゴンのためとはいえカトリックに協力するとはとても」
「難しいのは承知しておりますぅ。昔のように教宗猊下の命令一下、忠実な信徒が馳せ参じる時代ではありませんしぃ、日本の軍事力も侮れませんからぁ。だぁが各宗教はどこも異端者や敵国から教団を守り、神のために命を投げ出す者を揃えておりますぅ。今回はぁそうした力を結集してぇ、ドォラゴンどもを退治する軍団を組織するつもりなのですうぅ」
 各宗教の私兵軍団による対竜殲滅作戦――あまりにも壮大な構想に、金九はめまいを覚えた。ただひとつ光復という目標のみに邁進してきた自分などには、間違っても思いつけない話だ。もし実現すれば世界全体を巻き込む大戦争が発生し、日本も否応なく巻き込まれる。日米戦争で目指していた、自分たち大韓民国臨時政府も光復のため戦う機会を改めて獲得できよう。だが、キリスト教との結びつきが強い中国国民政府はともかく、宗教とは無縁の自分たち臨時政府のような極小で無力な存在が、世界宗教連合軍の中でどのような役割を果たせるというのか。
「バチカンの主張はわかりました。しかし、問題は英米独仏というキリスト教世界で最も影響力があり、かつ神の教えより自国の政治的利益を最優先する諸国が、宗教連合軍の結成や目的を認めるかです。チャーチル英首相は、ドイツとヒトラー政権を倒すためなら悪魔とでも手を組むと公言しました。その悪魔とはスターリンのことかと思っていましたが、彼が死んだ今となってはドイツ打倒のため竜と結ぼうと考えるのではありませんか?」
 笑っていなかったアンデルセン神父の眼差しが、一気に凍りつく。金九は息をのんで肘掛けを強く握り、周もごくりと喉を鳴らした。

166パトラッシュ:2013/06/08(土) 21:14:32 ID:WsRTftk.0
「英国国教会はぁ、今回の教宗様の呼びかけに応じないでしょう。あの連中はぁ成り立ちの経緯もあってぇ、長年にわたりカトリックと敵対してきましたからぁ。国教会の組織はあくまで英国王室に忠誠を尽くしぃ、訪日するチャーチルを守る立場をとるでしょうぅ。つまぁり、彼らはわれわれの敵になることが確定しておるのですぅ」
「すると英国以外のプロテスタントなどは、バチカンの提案に賛同していると?」
「まぁだ打診の段階ですがぁ、前向きな感触は得ておりますぅ。アメリカで独自に発展したプロテスタント諸派はぁ、われわれ以上に主イエス・キリストを否定するドォラゴンに反発しておりますのでぇ、日本がドォラゴンの力を得たことは断じて許せぬと真っ先に賛成してきましたぁ。ルーズベルトも彼らの反感を買っては選挙に勝てませんしぃ、ハワイ以来のドォラゴンに対するアメリカ国民の憎悪は変わっておりませんのでぇ、まず黙認するでしょう。バチカンと最も激しく敵対してきたルター派やカルヴァン派もぅ、ドォラゴンという共通の敵の出現に危機感を感じているのは同様ですぅ」
「で、ではそれ以外の宗教はどうなのです?」
「イスラームもアッラーがドォラゴンによってないがしろにされるのではと怯えているので、協力する方向ですぅ。正教会はギリシャの有力聖職者が賛同の意向を示しておりますがぁ、中心地であるロシアや東欧諸国の大部分がドイツの占領下にあり、ヒトラーがドォラゴンとの協力を進める方針のためぇ、反ドォラゴンの姿勢を明確に打ち出せていません。しかしぃ、ドイツ政府内部にもカトリックへの協力者は大勢いるのでぇ、間違いなく味方になってくれると予想されておりますぅ。ただユダヤ教徒はドイツの苛烈な弾圧を受けている最中のためぇ、余裕はないようですがぁ」
 世界宗教連合軍の実現に向けて、バチカンは着々と手を打っているらしい。あらゆる場所に信徒のいる巨大宗教の力に、金九は圧倒される思いだった。かつてスターリンはカトリック教会を嘲笑し、「バチカンは何個師団持っているのだ?」と言い放ったという。自分も何となくスターリンの意見に同感していたが、ここにきて教皇の意志は大軍に等しい力があると思い知らされた。竜州行きの切符に引きずられて独立の機運が急速にしぼみ、味方だったはずのアメリカが頼りにならぬ現状、バチカンの構想に参加する話は魅力的だが、臨時政府を率いる立場としては簡単には乗れなかった。
「竜とその眷属に戦いを挑む、ですか。しかし、竜の力には恐るべきものがあります。恥ずかしながらわが同胞も、多くが竜の力に屈して日本に従う道を選びました。米国もハワイの竜に手も足も出せぬではありませんか。とても世界宗教連合軍に勝算があるとは……」
「金九主席ぃ、化け物どもを殺して何が悪いのですかぁ!」
 腹の底から響く大喝に、金九はのけぞった。椅子の肘掛けで身を支えたが、あやうく意識が飛びそうなほどの強烈な威圧感に冷や汗を流す。独立運動や政治闘争であまたの修羅場をくぐってきたが、アンデルセン神父は格が違いすぎた。彼は外交官などではない。その手で数え切れないほど直接殺していると、金九は恐怖とともに確信した。

167パトラッシュ:2013/06/08(土) 21:15:12 ID:WsRTftk.0
「教宗猊下は化け物どもをこの地上から一掃するためぇ、あえてプロテスタントやイスラームなどの異端者や異教徒と手を結ぶという苦汁の決断を下されましたぁ。教宗様の思いに応えずして、誰がクリスチャンと名乗れましょうかぁ。ましてぇ中国や韓国の敵である日本は、ナデシコなるドォラゴンを完全に味方につけておるのですぞぉ。今度の会議でぇシチリアやアイスランドのドォラゴンまでもが同じく日本の味方となり、ドラキュリーナのようなきゃつらの眷属がすべて日本の手先となったらぁ、どぉうなると思いますかぁ?」
「ドラゴンの力を背景に、日本が世界を支配する……」
「いかにもぅ。そんな事態を英米独はドォラゴンとの話し合いで避けようと考えておりますがぁ、甘いとしか言えません! 神をないがしろにする化け物は、滅ぼさねばならないのです。さもなくば朝鮮が再び独立国となる日も来ないでしょう」
 確かに竜が日本の味方である限り、光復はあり得ない。女をエサにされた同胞が次々と親日派に転向している状況は、アンデルセンの言葉そのものではないか。額に脂汗を浮かべた金九は、指の震えを押さえながら神父の強烈な眼差しを見返した。
「そ、それでバチカンは、わが臨時政府に対して何を求められるのです?」
「ドォラゴンとの戦いは、われわれ宗教連合軍が担当しまぁす。しかぁし、われらは日本における足場があまりない。日本の言葉や風俗習慣を解する者も少なく、何よりあの国で外国人は目立ちすぎるぅ。そこでぇ、貴殿らには日本での後方支援をお願いしたぁい。多くの朝鮮人が日本に住んでおりぃ、不本意でありましょうがぁ怪しまれにくいでしょう。その見返りにバチカンは、臨時政府を外交的に支援する。いかがですかなぁ?」
「わ、わかりました。直ちにバチカンの提案を閣議に諮りましょう……日本に有利に傾きつつある国際情勢を打破するためにも有効な手段であると、私も思います」
 金九としては、他に言いようがなかった。
「……アンデルセン神父、最後にひとつお聞かせください。恐るべき力を誇る竜に、果たして世界宗教連合軍が本当に勝てるのでしょうか。いや、無論あなたがたの信仰や信念を疑うわけではありませんが、世界最強の軍事国家である米国も竜を打倒できないでいる現実から目を背けるわけにはいかないのです」
 再び怒声を浴びるかと肘掛けをつかむ金九に、アンデルセンは子供に接するような笑顔で頷く。しかし、その口から発せられた言葉は、優しげな口調にもかかわらず金九も思わず失禁しそうな威圧に満ち満ちていた。
「我らは唯一絶対なる神の代理人、神罰の地上代行者としてぇ、我が神に逆らう愚者どもを、その肉の最後の一片までも絶滅することが使命なのですからぁ。塵に過ぎぬドゥラゴンどもは塵に帰るべきなのですぅ。主は勝利し、主は支配し、主は君臨される。主を愛さぬ者あらば呪われよ! 我らの主よ、来たりませぃ!――父と子と聖霊の御名において、AMEN(エイメン)!」

168パトラッシュ:2013/06/08(土) 21:15:52 ID:WsRTftk.0

「総統閣下、大韓民国臨時政府は今回のバチカンからの提案を受諾いたします」
「ありがとうございます、主席。これが成功すれば、わが中華民国もようやく日本と共産党に反撃する足がかりがつかめます。立場上、公然とはできませんが国民党としても全力で支援いたしますので」
「感謝します。当然ながら、この件は私と閣下だけが知っており、双方が個人的に動かせる人員だけを使うということでよろしいですね?」
「無論です。特に英米には絶対に知られてはなりません。主席と私の連絡役は周中校だけが担当し、どのような些細な件も他の者には洩らさぬようお願いします」
 その夜、国民政府陸海総司令部を訪ねた金九は、蒋介石に臨時政府の決定を伝えた。今回のアンデルセン神父の来訪について臨時政府内部には、反ドラゴンを訴えるバチカンの主張を内外の同胞に発信するよう要請されたと説明していた。費用もバチカンが出す話を受けようという金九の提案を、閣議は一も二もなく承認した。カトリックの総本山を外交的後ろ盾に持てるという見返りは、窮状にある臨時政府の面々にとってこの上ない魅力であったのだ。無邪気に喜ぶ閣僚たちに「反ドラゴンのための世界宗教連合軍構想」などという真実を伝えても、正気を疑われるだけであろう。
 それに、金九としても個人的な野心に駆られていた。今回のバチカンからの依頼をひとりで動かせたら、アンデルセン神父が約束したカトリック教会の後ろ盾を自分が独占できる。それは臨時政府の完全掌握につながり、今後の光復運動において大きな政治的資産になろう。失敗すればすべてを失うが、先の見えない現状を打破するためにもやってみる価値はあると決断していた。
(竜……すべては竜が日本に味方などしたからだ。ことここに至っては手段など選んでいられない。たとえ国民政府が滅んでも、我々が生き残るために。何よりも、この作戦が成功すれば光復後の祖国は私を絶対指導者として迎えることになる。私こそが朝鮮の新たな竜たるにふさわしいと誰もが認めるだろう……)

169パトラッシュ:2013/06/08(土) 21:17:18 ID:WsRTftk.0

中国人には古代より竜への信仰が深くしみついており、歴代皇帝は竜の生まれ変わりとされてきた。その竜が日本の味方をしている現実は、次の「竜」たる中国の支配者を目指す蒋介石と国民政府への支持を失わせるに十分な理由だった。竜とて不死身ではないと民衆に知らしめねば、国民政府の立場がない。その点は共産党も同じなので、情報が洩れても妨害はなかろうと蒋介石は踏んでいた。スターリンが死んでソ連が弱体化している現在、共産党は国民政府以上に行き詰まっているのは明らかなのだ。
「ところで総統閣下、あのアンデルセン神父とは何者ですか? 周中校のお話ではバチカン国務省の使者とのことですが、とても外交官などとは思えません。上海や香港の暗黒街の住人ですら、あれほどの恐ろしさは感じさせなかった……」
 蒋介石は周遠峰と視線を交わした。周が頷くと、態度を改めた蒋は身を乗り出した。
「金九主席、あなたの見立ては正しい。彼は外交官などではありません。アレクサンド・アンデルセン神父の正体は、バチカンの擁する秘密戦闘部隊の指揮官です」
「バチカンの秘密戦闘部隊……」
「カトリック教会が過去に多くの異端者や魔術師と見なした者、さらに異教徒を苛烈に弾圧してきたのはご存知かと。当然、相手も黙ってやられるわけがなく、死に物狂いで反抗しました。敵対者と千年余にわたって知られざる戦いの歴史を重ねてきたバチカンが数世紀をかけて整えてきた戦力こそ、アンデルセン神父の所属するローマ教宗直属の闇の組織、通称イスカリオテ機関なのです」
「イスカリオテですと……何と不吉な! 裏切り者ユダの名を冠した組織がバチカンにあるなど、とうてい信じられませんが」
 そう言いながら、ようやく金九はアンデルセンと会見した際に感じた圧迫感の正体が理解できた。あれは狂信者と対していたからだ。自分とて祖国の独立を強く信じているが、弱肉強食が当たり前の世界で弱小亡命政権を率いて苦労を重ねた経験から、国際政治や外交で一方的な狂信など百害あって一利なしであるとは心得ている。しかし狂気をまとったアンデルセンは、バチカンがいったんこうと決めたなら、どのような妨害も叩き壊して突き進んでいくだけなのだ。「神のために死ぬことが自分たちの使命」と信じて疑わない死兵の群れ。理想的だが恐るべき兵士といえる。
「これは世界の支配層にしか知られていない極秘事項です。私も最近ごく一部を知った程度で、とても熟知しているとは言えません。一方、対立する英国国教会もバチカンに対抗すべく王家に忠誠を誓う国教徒による実戦部隊を組織しており、イスカリオテ機関と世界の裏側で戦ってきました。創設者の名を取ってヘルシング機関と呼ばれているとか」
「ヘルシング――では、彼らが日本でチャーチル首相の護衛に付くわけですな」
「はい、竜と共に最大の敵となる相手です。心してかかってください。それからこれは申し上げるまでもありませんが、イスカリオテ機関やヘルシング機関については一切他言無用に願います。うっかり口を滑らせたら、双方の刃が主席に向けられるでしょう。そうなっても私たちも、かばうつもりはありませんから」
 首ふり人形のように頷きながら、金九はバチカン支援のための作戦を考え続けていた。確かに日本国内には百万人を超える朝鮮人が住んでいるが、日本の警察や憲兵隊に疑われることなく任務を遂行できる能力と立場を兼ね備えた人材は限られる。まして今回は、自分の手の及ぶ範囲内から有能な者を選抜しなくてはならない。自然と金九の思考は、数名の人物に絞られていった。
(実働部隊には信頼できる人物を選ばねば。日本側に疑われず、むしろ信用される者を。そういえば朴正煕は満州国軍少尉として、東京の陸軍士官学校に留学していたな。彼は優秀な軍官だし、祖国のためと説得してみる価値はある。あと、日本に忠誠を誓っている同胞が支援してくれたらなおいい。旧李王家や朝鮮貴族などは最初から論外だが……まてよ、洪思翊は先年、日本陸軍少将に昇進したと聞いた。彼に使者を送ってみるか)

※金九、金斗漢、朴正煕、洪思翊=Wikipedia参照

※続きを書けるとは、ワタクシも思っていません。

170名無し三等陸士@F世界:2013/06/08(土) 22:13:22 ID:3.P8WlhM0
投稿乙

世界を人の手に有るべき姿にと言うのは同意、人の世に忌むべき力、一国のみが手にしたチート
を封じるべく動くのは必然だが・・・世界宗教連合とは・・・なんと言うかご愁傷様としか言え
ないよ・・・・

アンデルセンいい味出しすぎ、ワロタw

171名無し三等陸士@F世界:2013/07/19(金) 12:00:21 ID:YJw4hvmI0
殺伐とした魔女狩り中の欧州に天の助けが!
ttp://oyoguyaruo.blog72.fc2.com/blog-entry-5725.html

……凄い所だなスペインは(;・∀・)

172名無し三等陸士@F世界:2013/12/20(金) 15:01:04 ID:8gVXQwng0
竜神様読み始めたら面白いくてここまできてしまった
中の人早くきてくれー!

173竜神様の中の人:2013/12/22(日) 21:58:58 ID:NCJO571U0
読んでいた人いたのか。

という訳で久しぶりの突発一レス更新。
バイオ11の小話。

 石原がその話を撫子に持っていった時、石原も博之もおつきのメイヴも同じ幻想を見るハメになった。
 つまり、『尻尾ふりふりで遊びに連れてってもらえるわんこ』という。

「安心せい!
 わらわの力を持ってすれば、盗賊の砦の一つや二ツや三つや四つまとめて大地に沈めてくれるわ!!!!!」
「人の話はちゃんと聞きやがれ!この馬鹿竜が!!」

 ああ。さっきまでのドヤ顔からしゅんとしていじける姿へ。
 またその背中が比べ物にならないぐらい哀愁を誘う。
 そんな事は皆おくびにも出さないが、どうせテレパスでばれているのである。

「で、近くやって来るこの船をナブレスに飛ばすと?」
「はい。メイヴ殿。
 後はこちらでなんとかしますゆえ」

「わらわならば何とかどころか、何でもできるのじゃぞ。
 ここでわらわの力を見せ付けて、博之にいろいろごほうびもらうというわらわの企みがぁ・・・・・・」

 人は優しさを持つ生き物である。
 馬鹿竜様の嘆きを聞かなかった事にして事は淡々と進むのであった。


 リハビリがてらに小話投下。
 色々手を広げすぎたので、竜神様は優先順位的に後回しになりがちなのでご容赦を。
 これが大友の次に資料調べるの大変なので。

174名無し三等陸士@F世界:2014/05/26(月) 21:33:17 ID:.5cjn02k0
艦これをやってたら無性に読みたくなったので久しぶりに、
撫子に船を艦むすにしてもらえばトラックなり電車で移動できて国内の移動分の油節約できるんじゃねとか考えた
海軍士官さんとかいないかなとか考えてみたり。
ゴーレムに担がれてテンションあがった那珂改二とか面白そうだなとか思ったり

175詰めた鋳物 ◆ywVgXTwd3Q:2014/06/02(月) 21:09:42 ID:DzQGRXgA0
「帝国の龍神様」の一部再編集版が、小説家になろうにて「帝国士官冒険者となりて異世界を歩く」ttp://ncode.syosetu.com/n7036ca/ として掲載された事に伴い、
同作の二次創作作品として萌スレ7にて当方がUPした二次作の一編を、「ノモンハンの亡霊」ttp://ncode.syosetu.com/n2192cd/のタイトルにて、小説家になろうに転載しました。
小説家になろうの二次創作作品に関する規約に従い、中の人の許諾済です。

176名無し三等陸士@F世界:2014/08/28(木) 10:43:12 ID:1inbxKUk0
なろうの方、完結乙でした。

177F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

178名無し三等陸士@F世界:2014/11/08(土) 13:21:24 ID:M/9deZXc0
若輩でも大丈夫。

この手順ならオトせると思うよ。

基本、女子も考えてること一緒っすからね。

ttm2t.com/er9/1108.jpg

179F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

180F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

181F世界逝き:F世界逝き
F世界逝き

182竜神様の中の人:2015/08/16(日) 14:27:35 ID:nOwQ22HA0
 大日本帝国において魔法兵という兵科が登場した時、その混乱は陸海軍に留まらない悲喜劇を発生させた。
 理由は簡単。
 あまりにも汎用性が高いことだった。

 武器を持たずに間接攻撃が打てる。
 人間以上の身体能力で攻撃が行える。
 水中から空中までその行動範囲の尋常ではない広さ。
 どれをとっても、何処に押し込めても問題が発生することが分かっていたからだった。
 だが、世界は世界大戦の真っ只中。
 異世界植民地竜州を維持するためにも、現地志願兵の使用は待ったなしな状況になっていたのである。
 で、この厄介極まりない状況を帝国は以下のように解決しようとしたのである。

 まず、竜神とその眷属達が太平洋宣言以降帝国内国家扱いになった事で、満州国方式を取ろうと考えた。
 竜神は神ゆえに国家元首にせず、その下の眷属たる長耳族と黒長耳族を元首とする国家樹立を考えたのである。
 竜神によって与えられた地の隣にある大森林地帯。通称緑州はこの方針によって緑州竜国として書類上独立することになった。
 この緑州独立の滑稽極まりない点は、その緑州がある異世界人類と竜および竜の眷属達が決定的なまでに敵対しており、そのような国をまったく認めようとはしなかった事にある。
 だが、地球にある大日本帝国は、南洋竜国の建国に合わせて欧米列強にハッタリをかます為だけにこの方針を押し通した。
 これが巡り巡って国名変更に繋がるとは誰も考えなかったのである。
 大日本帝国は後に『日本帝国および諸竜国連合』通称『日本連邦』と名乗ることになるのだが、その始まりはハッタリによって始まったのである。

 こうして、緑州竜国軍が設立し、その下に魔法兵を入れることにしたのたが、その実態は現地軍事行動だけでなく行政面にも介入している竜州軍の一部隊でしかなかったのである。
 緑州竜国軍の兵力は、二個師団規模で、現地召集の兵士などを組織し臨時の連隊として現地民を受け入れる所から始めたのである。

 緑州竜国軍 第一師団

  長耳族第一連隊
  黒長耳族第二連隊
  獣耳族第一連隊
  獣耳族第二連隊

 緑州竜国軍 第二師団

  緑州歩兵第一連隊
  緑州歩兵第二連隊

183竜神様の中の人:2015/08/16(日) 14:28:17 ID:nOwQ22HA0
 長耳族連隊、つまりエルフだが、彼女たちは森から離れるとその強大な力を失うという特性を持つ。
 緑州の中心たる世界樹の警護もある事から、実質的に動かすことができないので、近衛連隊扱いとして国境警備等に活躍してもらう事にした。
 黒長耳族連隊、つまりダークエルフだが、エルフのような制約がないので、実質的な魔法兵連隊の中核を担うことになった。
 魔法兵の研究はこの黒長耳族第一連隊から始められたのである。
 獣耳族連隊、ワーウルフ等をはじめとする獣人たちなのだが、もとの動物の特性を受け継いてでいるので、魔法より肉体攻撃に特化している種族が多い。
 その身体能力と、エルフには劣るが魔法使用ができるという特性を近代戦に馴染ませる教導連隊としての役割を期待されていた。
 第一師団はその種族的特性から全て女性で構成されているのに対して、第二師団の歩兵連隊は日本人男子によって構成されることになる。
 別名、緑州の女に誑かされた勝ち組とも言う。
 後に、竜州開拓において傭兵としてやって来ることになった異世界の冒険者達の為に歩兵第三連隊が創設される事になるが、それは後の話である。

 こうして、器は作られた。
 その上で、魔法兵という兵の使い方に議論が進んでゆく。
 まず、議論上に上がったのが、勇者と呼ばれるような高位魔術師連中を何処に入れるかである。
 今は、黒長耳族や長耳族、獣耳族程度しか居ないが、竜州植民が勧めば2000万の帝国臣民がかの地にて生活することになる。
 その時に、彼女たちを娶ったハーフに魔法適正が出る可能性を考えると、魔法兵の議論は避けては通れなかったのである。
 陸軍も海軍も一人でも多く取ろうと暗闘を繰り広げた結果、後のクーデター未遂によって政治的影響力を失墜。
 統帥権問題が首相就任時に復活させた太政大臣位を首相に贈るという鬼手と、同じく復活させた兵部省によって解消された事で兵部省直轄部隊として一括管理される事になった。
 これによって、核魔竜冷戦時における実質的な日本の戦術核部隊として諸外国に認識されるようになったのである。

184竜神様の中の人:2015/08/16(日) 14:29:41 ID:nOwQ22HA0
投下終了。
なろうに吐き出したのもこっちに乗せておこう。
しかし、修正や一回の投稿文量とか考えるとやっぱり小説投稿サイトは便利だわ。

基本こそっとUPしてゆく予定。

185名無し三等陸士@F世界:2015/09/06(日) 22:20:21 ID:MUILovw20
おやまあ、竜神さまだw

186名無し三等陸士@F世界:2016/07/06(水) 22:29:39 ID:9k5QTiKY0
なろうに行ってたのか・・・・・・!

187名無し三等陸士@F世界:2017/02/19(日) 19:14:37 ID:XiyVDv5E0
35:54

10:40
ttps://www.youtube.com/watch?v=WTdY7h129Mk

ttps://www.youtube.com/watch?v=8R0luOy8ce8

188名無し三等陸士@F世界:2017/02/19(日) 23:46:56 ID:4t3sG4S60
これか

修羅の国九州のブラック戦国大名一門にチート転生したけど、周りが詰み過ぎてて史実どおりに討ち死にすらできないかもしれない


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