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英国(第二次世界大戦勃発直前)がファンタジー世界召喚されますた。

171HF/DF ◆e1YVADEXuk:2017/07/31(月) 20:16:02 ID:SOvPWnV60
「魔法というのは凄いものですなあ」「荷台までひとっ飛びとは、いやはや」
「今となってはこの程度のものしか出来ないのですけど」

彼女の魔法の技を目の当たりにして驚きの言葉を並べる一同、一方ファウナ自身はこの思いがけぬ賛辞をいささか気恥かしげに受け入れた。
そしていざ出撃、だが一行の歩みは初手から躓くことになる。
砂漠という過酷な場所での使用により徐々に限界を迎えつつあったトラック、その心臓部であるエンジンが昨日の戦闘で酷使されたせいで不調を訴え始めたのだ。
もちろんこのことはブラウンも承知しており、事実昨日の整備ではかなりの時間をエンジンの調整と整備に割いている。だが現状では本格的な整備はまず不可能。結局エンジンがその調子を取り戻すことはなかった。結果野営地を出発する時にはエンジンを始動させるために何度もスターターを掛ける羽目になってしまい、これに加えて走行中に数度に渡ってエンジンが不調を訴えるという事態まで起きている。
そんな状況を不安がる一同の前でことさら陽気な調子で「これくらい大丈夫ですよ、これよりひどい状態のやつで偵察をやった時もあるんです」と話したブラウン。だが、そんな彼の言葉を聞いても一行の顔色は晴れなかった。
その後一行はオアシスから十分離れた開けた場所まで数十分かけて移動。幸い移動中に怪物が現れることはなく、また停車直後を奇襲されるというある意味最悪の事態にも陥ることはなかった。
そして到着後トラックのエンジンを切り、地面に置いた『フリムジー』に水を満たした後これを覗きつつ怪物の接近を待ち続けた一行。
彼らは今、待ちに待った怪物との決戦に突入していた。

場面は再び車上に戻る。
激しく揺れながら風を切って疾走するトラックと怪物との距離は急速に離れつつあった。
助手席の上に膝立ちになり、背後にある荷台の囲いにしがみつきながら前と後ろを交互に見るブッシュ。その隣ではブラウンがただ真っ直ぐ前のみを見てトラックを走らせている。
一方ウールトンとファウナは荷台の床に座ったまま。ただしその姿勢は自分たちの指揮官の命令に応えてすぐ動けるようなものだ。

「ブラウン、停車だ! 手はず通りに行くぞ!」

下される命令。だが誰一人として答えるものはいない。ブラウンが即座にブレーキを踏み込んだからだ。急激な減速、車上の誰もが手近なものにしがみつき、振り落とされまいと必死になる。
派手な土煙を立てて止まるトラック。車上の四人は即座に動き出す。


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