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繰り返される悪夢【長編】

83よこせう:2004/05/19(水) 22:17 ID:anbXTwCU
No:30

時刻が着々と進んで行った。何時の間にか雀の鳴き声も聴こえなくなり、逆にどんどん暑くなって行った。
杉原朱美(女子)は、腕時計に目をやった。
もう午前12時前。腹が悲鳴を上げている。――――喰わせろ、喰わせろ。
しかしこの熱さは何とかならない物なのか。流石ブラジル付近。暑いの何の。ほんと、汗だく。
首筋を抑える。脂っこい汗が指先にくっつく。鼻も触ってみた。やはり、ヌルッとし、急いでポケットから脂取り紙を取り出した。
それを急いで鼻や首、額に押し付ける。どちらかというと濃い化粧がそれと同時に剥がれ落ちる。
更に手鏡を取り出した。脂取り紙を押し付けた箇所がスッピンに成っている。
――――――早く直したい

腹の音は鳴るわ脂が吹き出るわ化粧が取れるわもう大変だ。
こんな忙しいのもやはりBRの所為何だろうか―――?どうして―――?
そういえばさっきから走りっぱなしだ。まるきりマラソンランナー並の持久力。
まぁ、運動能力は自信があるから、当然―――か?
それでも脚がふら付く。膝に手を付きぜぇぜぇ喘ぐ。何かいやらしい声。あんまり出したくないけど。
馬鹿な淫乱女に見えるのは嫌なんだ。プライド―――っていうのかな?こういうの。

とりあえず、まずはこの腹の虫を治めたい。頼むから静かにしてくれ。
そのとき思い出した。急いで支給のディパックのチャックを開けた。ひょこりと見える銃身。
しかも、長い。見えたのはいかにも古いライフル。昔の字体でこう書いてあった。
【四七式歩兵銃】と。大きい事に越した事は無いと思い、なるべくでかいディパックを貰って来たつもりだが、
これは果たして当たりなのだろうか?こんな女の子が銃なんてわかるわけがないじゃない。

歩兵銃は置いておき、ディパックの中にあった胚芽バンズを取り出した。給食にも出た時がある。
それより、不味そう。いかにも低資金って感じがした。角っこに何かこびりついている(カビ!?)。
その妙に黒い部分を千切り捨て、残りのわずかを口の中に放り込んだ。
味は―――しない。むしろ不味い感じさえある。一気に吐き捨てた。
なんともみっとも無い行為だろうか。まぁ、人気の無い今だからこそ行える行為。

改めて四七歩兵銃を見た。木製(?)なのかこれは。とにかく添付の説明書を探さなくては。
そうやって大型ディパックを漁る内に、後ろから何者かが近付いて来るのを気付かなかった。
1m強もあるディパックをほんの紙切れである説明書を探すには時間がかかる。
その内、近付いて来る。刻々と、刻々と―――。

【残り43人】


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