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繰り返される悪夢【長編】

81よこせう:2004/05/18(火) 23:08 ID:qqFEzGhI
No:29

春田清史(男子)の頭上で小鳥のさえずりが聞こえた。一瞬、上を向いたが、直ぐに前に向き直した。
清史はUZIを構えた。そして、銃口を妖しげに笑う塩野香織(女子)に向けた。
「手を上げろ。武器が無い事を証明しろ」
冷たくそう言い放つと、UZIのセーフティーコックをフルオートに持って行った。
塩野香織は一瞬(ほんとに、ほんの一瞬)、蒼い顔をしたが、直ぐに両手を挙げた。
「スカートのポケットにも何か入ってないか?入っていたら直ぐに出せ。撃つぞ」
笑っていただけだった香織がようやく口を開いた。

「ねぇ、もういいじゃない。私、闘いたくないの。だから―――見逃して」
清史は香織の取った行動に戸惑った。
――――何?見逃して?今?敵が?眼の前に?居るのに?見逃して?何を―――
「ねぇ」
香織の呼びかけに、びくっと驚いた。それを見て香織がくすりと笑う。
「何?びびってんの?女の私に?ふふっ、面白いわね」

―――――笑っている、この俺を。畜生、女の癖に、クソ、死ね
「これ以上俺を侮辱するのは止めろ。お前の命に関わる」
なるべく動揺を悟られない為に、強気に、冷たく言った。香織は怖がる所か逆に必死に笑いを堪えている様だ。
「馬鹿?何、生きがってんのよ」
血が昇った。散々皆俺を馬鹿にしてきた。それを、今、このマシンガンで殺せる。
なのに?今、俺は侮辱されている。しかも、女に―――――畜生!

引き金に指を突っ込んだ。もう、いつでも撃てる。今、このクソ生意気な尼を蜂の巣にできる。
それは、俺だけ。もう、この指を軽く引くだけで―――引くだけで―――
聞こえた。
「どうしたの?撃たないの?」

「あぁぁぁぁぁぁっ!」
絶叫した。そして、手に持つUZIをクソ生意気な塩野香織の胸の辺りを狙い撃った。
ぱぱぱ、と耳をつんざく様なけたたましい音がし、それと同時に清史の身体が後ろの木に激突した。
物凄い反動、というか物凄い痛み。ぎゃぁっ!っと叫び声を上げると、後頭部を押さえ、のた打ち回った。
丁度枝が生えていた所に清史の後頭部が直撃したのだ。苦痛に身体をくの字に曲げて痛んだ。
涙目になって痛みを我慢する事ができなかった。塩野香織が居る事も忘れて痛みに身体をうねらせた。

UZIの弾丸は、当然当たる筈が無く、塩野香織の立っている場所の丁度上を通って行った。
香織は弾丸が当たってないのを確認すると、スカートのポケットに忍ばせていたヌンチャクで清史の額を強打した。
清史が更に悶え苦しんだ。額から流れる血。香織は容赦なく、弱った清史の頭部をヌンチャクで暫く強打していた。

息も辛くなって来る位叩いていた。気付けば、既にもう、息はしていなく、額から流れる血で、
もう誰の顔か確認する事が出来なかった。
香織は清史の顔面を最後に渾身の力で強打すると、UZIを拾い上げ、素早く立ち去った。
暫くすると、何所からとも無くカラスが飛んで来て、その死体を嘴で突付き始めた。

春田清史(男子)死亡
【残り43人】


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