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繰り返される悪夢【長編】

73よこせう:2004/05/14(金) 23:04 ID:X3qSv9o6
No:25

三杉龍一(男子)は、集落へ向う為、かなりのスピードで走っていたが、今やもうスピードは減速しつつある。
前半2kmは体力、後半2kmは気力で走った。
ふと、脇にある看板を見た。【集落↑ 残り2km】
意気消沈し、右手の方にあった石垣に腰を下ろした。直後、ポケットからM66を取り出した。
今、この無防備な時間帯に狙われたら一間の終わりだ。けれど、休まない訳にはいかない。
一度立った。直後、両足ががたがた震え始めた。痙攣している。
それを確認すると、また座った。座っても痙攣が止まらない。何だかみっともねぇな。
まぁ、残り2km。脚を庇いながら再び痙攣が止まらない足を動かした。
試しに走ってみた。脚が言う事を聞かず、今にも転倒しそうだ。
そこを何とか抑えてゆっくり慎重に歩き出した。走るよりはよっぽど楽だ。これで何とか持つ。


人通りが多いと予測し、裏道へ入った。大通りは人が居ない物の、派手が目立っていたが、
裏道はもう何も無かった。文字通り、がらんどう。
曲がりくねる道の為に、只の2kmがとても長く感じる。曲がり曲がり更に曲がる。
それでもやっと集落に近づいて来た。今度はやけに小さい、木造の看板。
【300m先】
よく見れば、もう背伸びをすると見える。集落が。赤い、傾いている屋根が幾つも見える。
ブラジル方面にしては近代的な家が立ち並ぶ集落。思わず感想。
――――もしかしたら俺の家より良いんじゃねぇの?

そして―――着いた。どこまでも建ち並ぶ家々。どの家も新しく、綺麗で、素晴らしい家だ。
まさかこれが日本というこの国の間裏側の国の中学生がマイホームにずかずか土足で駆け上り、
中で鮮血を撒き散らす殺人ゲームをするなんて―――、ほんとついてねぇな。

まず、建物を凝視した。人間が出入った形跡が無いか、それを確認する―――――あった。
建物の扉、いや、ドアと言った方がいいのか、まぁ、扉が開いていた。
そして見える。靴跡が。間違い無い。この大きさ。女子は有り得ない。男子だ。
息を呑む。侵入した痕跡はあるものの、脱出した形跡が無い。ってことは、―――中?
一気に冷や汗が噴出す。M66を握る手に力が入る。
そして、家の中に入った。

静かに、静かに、抜き足、差し足、忍び足、わずかな音でも聞き逃さない。
聞こえた。ガサガサ、というプラスティックの袋を動かす音が聞こえる。
どうやら大広間の方だ。龍一は、またもや抜き足で大広間に慎重に脚を進めた。
覗いた。そこには、冷蔵庫を漁る神谷塁(男子)の姿が。
「神谷ぁ!」
声を出した。神谷塁が身体を震わせ、こちらに向けて銃の銃口を向けた。
そして、その声の主を確認すると、更に驚き。
「三杉・・・・・・・・・」

【残り44人】


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