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繰り返される悪夢【長編】

67よこせう:2004/05/11(火) 16:51 ID:F7HPnS/k
No:22

先程、ディパックから取り出したMP5クルツを眺めながら、久保宗鑑(男子)は、笑った。
「ぷぷっ、俺ってラッキー!マシンガン。素晴らしいィ!これならどんな奴でもイチコロだぜぃ!」
そう、はしゃいだ。
弾倉は6つ。十分すぎる数だ。それに、相手の武器も奪えば、より強くなる。
実は、このプログラムでもこのアイテムは、とてもラッキーなものだった。
そう考えると、久保宗鑑の言ったとおり、「俺ってラッキー」。

しかし、肝心の簡易説明書らしき物が見当たらなかった。
それもその筈。簡易説明書は、宗鑑がはしゃいでMP5を取り出したときに、側の茂みに落ちてしまったのだから。
その後、人影の少ない、こんな所に避難した。
実際、避難の必要は無かった。宗鑑が、このSMGの使い方を熟知していればの話だが。

だが、銃火器には無縁の宗鑑がこれを使いこなすには、少し無理があった。
MP5クルツは、MP5の種類でも最小の部類に入るが、重さは、他のシリーズと殆ど変わらない。
それだけに、格好良く、片手で撃とうとした宗鑑は、MP5クルツを持って驚いた。
「重い・・・・・・・・・」
片手で持つには、流石に無理があった。右肘に衝撃が走った。
「ツッ!」
と小さく叫んで、MP5クルツをどさりとディパックの上に落とした。
痺れる右腕を左手でさすった。右腕を大きく5回、回した。少し、痺れが引いた。
今度は、失敗しまいと、両手で持った。それでも、十分重い。

こんなので狙いをつけれるのだろうか。しかも、一つの弾倉に入る弾は意外と少ない。
だから、無駄に撃ち、弾倉を取り換える暇を作ると、もう完全に狙われる。
つまり、まず最初に、こちらに気付いていない相手をさがさなくてはいけない。
それに、チャンスは一度切り。それを見逃すと、反動の少ない拳銃の方が有利だ。


それでも、見つけた。ディパックと5個の弾倉(一個はもうはめてある。当たり前だが)と、
本体を何とか持ちながら、見つけた。
黒井絢女(女子)を。絢女は、宗鑑が手間取りながら狙っている事は勿論気付かず、
石段の上に腰掛けていた。

宗鑑は、MP5クルツを構えた。そして、その銃口を、何とか絢女の胸に向けた。
「討ち取ったり!」
引き金を絞った。

【残り45人】


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