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繰り返される悪夢【長編】

51よこせう:2004/05/05(水) 10:46 ID:GhImhppA
No:15 脱出談話

細川竜司(男子)と卯月由香(女子)、はネオン灯が派手に光り輝く繁華街の、狭い横道を抜けて行った。
そこは、正面道の派手さとは全くの正反対の薄暗い街路路だった。
丁度、そこにはコンクリートが敷いてあった。そこに、2人並んで腰掛けた。
久しぶりの休息。お互い、分校からここまで走りっぱなしだった。それだけに、この休息の時間はお互いにとても重要な時間となる。
暫く、お互い気まずい雰囲気で沈黙を通していたが、その重圧に耐えられない竜司が口を開く。
「なぁ、俺達、どうやって脱出しようか・・・・・・」
由香は下を向かせていた顔を竜司の方に向けて、また、下を向いた。
また竜司。
「なあってばよ!」
それで、由香はびくっとした様に(実際驚いたのだが)、竜司の方を素早く向いた。
「えっ!?」
竜司は頭を掻き毟った。
「聞いて無かったのかよぉ」
それで、由香は面目そうに、頭を下げた。「ごめん!ごめん!」
「・・・・・・で、何?」


「あっ、どういう風に脱出するかって事だよね。だから、今度はちゃんと聞いてるってば。
 ねぇ!」
竜司はやれやれといった風に、顔を上げた。
「ん、まぁね。それを今から考えないと。このままじゃ、やばいよ何とかしないと」
由香はまた下を向いた。それから、慌てて竜司の方を向いて、付け加えた。
「あっ、大丈夫。私、考える時は下を向くの。決して、聞き忘れじゃないからね!」
「わかってるよ。それは俺にもわかるから、さぁ、脱出の方法を考えよう」
一瞬、戸惑った由香。けどすぐに「うん」、とOKの合図。

その後は、2人乱雑な討論の言い合い。普段はあまり喋らない由香も、今日は喋りまくった。
討論では負けじと、竜司も反論の嵐。まさか、こんなに討論が盛んになるとは、お互い想っても無かった。
あまりに討論に熱中しすぎて、2人は忍び寄る影に気付く訳が無かった。

パシュン、と音がした。その次の瞬間、竜司のこめかみに何かがかすって行った。
びくっ、としてこめかみに手を当ててみた。
―――流血。
「隠れろ!」
討論の最中、自分の意見を先程から連発していた由香は、いきなり邪魔をされて、
「な、何?」と呟いた。けど、それも竜司の一喝で消えた。
「早く!」
その一言で由香は一目散に、コンクリートの陰に隠れた。その後、竜司も陰に隠れた。
勇気を持って陰から自分の頭を陰から出した。
そこには、拳銃を持った男が立っていた。
大原克己。そして、微かに笑うと、また、発砲してきた。
ちなみに、竜司の手持ちは、ナイフ。

【残り46人】


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