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繰り返される悪夢【長編】
50
:
よこせう
:2004/05/04(火) 23:03 ID:I4FMzw0U
No:14 同志発見
静まり返る島内に機械的なアナウンスが流れて早一分近く経った。今、何人、この放送を聞いているのだろうか。
その内の1人、細川竜司(男子)はそのアナウンスの内容に驚愕しながら歩みを進めた。
歩んでいるのは、脱出を試みる同志を発見する事。しかし、その野望もそのアナウンスで脆くも粉砕された。
≪脱出は不可能・・・・・・≫
その言葉が何度も何度も竜司の脳裏に行っては来、行っては来、を繰り返していた。
「脱出は・・・・・・出来ない・・・・・・」
思わず自分でも口ずさんでしまう。それでけに、ショックが大きい。
「脱出は・・・・・・不可・・・・・・」
死者にとり憑かれた祈祷師の様に、何度でも、何度でも・・・・・・。
ふいに、カツッ、とコンクリートに鉄がぶつかった様な音がした。それで、正気に戻った。
音がした方を咄嗟に向いた。手では、ポケットに仕舞い込んであった支給武器の折り畳みナイフを開いて。
建物の近くにあった影が動いたのを、竜司は見逃さなかった。
そして、自分が、コンクリートの道路のど真ん中に、無防備な体勢で立っているのに、やっと気付いた。
急いで、建物の陰に隠れた。そして、その影に声を掛けた。
「誰だ?俺は闘う気は無い。話し合おう。さあ、出て来てくれ!」
影は少し身体を動かすと、建物の陰からひょっこり頭だけが見えた。
竜司は、それが誰なのか一発で分かった。卯月由香(女子)。
影は、ひょっこり身体を出した。相手も、こちらが誰かわかったらしい。
「細川君・・・・・・!」
けれど、竜司だと分かると、何の警戒心も躊躇いも無く、歩み寄って来た。
竜司が口を開く。
「卯月・・・・・・一緒に・・・・・・脱出しよう・・・」
由香は、少し戸惑った。下を向いた。しかし、上を向き、とびきりの笑顔で笑って見せた。
「いいよ・・・・・・」
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