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繰り返される悪夢【長編】

40よこせう:2004/05/03(月) 23:48 ID:eFpAdj06
No:11 突然の敵

「ハァ・・・・・・ハァ・・・!」
蒼火遠音は、海岸に向けて走り出した。もう、結構走り続けたはずだ。
もう、4分の3の距離は走ったんじゃないのか?いや、運動音痴の自分の勝手な思い込みかも知れない。
でも、長い事走り続けている事は事実だ。息が上がってくる。
顎がどんどん上を向いていく。息をするのも辛い。
けど、目的地の海岸は着々と近づいて来る。
――――もう少し・・・・・・もう少しで・・・・・・脱出・・・・・・!
期待が先へ先へと進んでしまう。それに、身体が追い付かない。本当に、情けなく思う。
自分の運動音痴を心底恨む。ほんと、ウザい。
遠音の親は2人とも、大のスポーツマンだった。父は、会社のテニスクラブのキャプテン。
母は、町内のママさんバレーのキャプテン。まぁ、職場と町内のクラブキャプテンじゃたかが知れてるけど。
まぁ、仕方ない。年々体力が減っていくに反比例して、脳内ばかり進化していく。
校内では、もはや【理数の女王】とあだ名が付いている。まぁ、悪くは無い。【理数の女王】は。

前を見た。もう、すぐそこに広がっている。広大な青々とした海が。
驚いた。こんなに綺麗な海は、そうザラに無い。こんな綺麗な所、ゆっくり、泳いでみたかった・・・。
まぁ、全ては生き残った後の話となる。生き残れば、余生は好きな様に使える。
とにかく、生きる事が全てだ。死んでしまえば、何もかも終わりなのだから。

気持ちが海へ海へと突っ走っていくので、遠音は、その音に気付かなかった。
車道のど真ん中を走る遠音の10m斜め前。拳銃を構えた1人の男が立っている事に。
そして、その撃鉄を下げる音も、当然、海の波の音で掻き消されていた。
ぱん、と音がした。遠音は「ひゃっ!」と叫び声をあげると、音のした方を向いた。
そこには、トカレフを構えた鬼島弥勒(男子)が居た。


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