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繰り返される悪夢【長編】
25
:
よこせう
:2004/04/30(金) 22:41 ID:ZDtU6wdk
No:5 水の実態―――そして出発
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
あちらこちらで絶叫が聞こえる。風祭達樹(男子)、はいつもの軽い態度は、もう取れなくなってきた。
(狂ってる・・・・・・―――!)
とても、見てはいられない。腹が思い切り破裂した担任の無惨な姿。・・・やべぇ、吐き気がしてきた・・・!
「はいはいはいはいはいはいはい!皆、先生の方に注目ー!」
驚きと恐怖を隠せない生徒とは裏腹に、立花は、軽い口調で説明を続けた。
「すごいだろぉ!これ、多分、こんな最新テクノロジーは我が国オンリーだぞ!素晴らしい!」
立花は子供の様にきゃっきゃきゃっきゃとはしゃぎまくった。生徒は呆然とした様子でそれを見つめていた。
「あ、そうそう。この水の仕組み、言うの忘れてたな」
生徒がごくりと唾を飲み込む。一体、この水の仕組みとは―――・・・?
「この水は、超光感度の水です。ある、特殊な光を浴びると、面白い事になります・・・ってこれ言ったっけ?」
立花はげらげらと笑い出した。よく笑う男だ。これもBR法の一部らしいけど。
「まぁ、いいや。この水はな、この光を浴びると、胃の中の膜に張り付き、そして、
特殊な光と混合して、特殊な物質を発生させます。
我々政府は、それを【BRX】と呼んでいます。BRXは、体内のあらゆる物質と巡り巡って、
そして・・・・・・・どぉん!・・・と、なります。皆、わかった?ドゥーユーアンダスタン?」
「あぁ、それと、ここはブラジル付近の日本人が所有する島です。皆眠いだろう?
早く時差ぼけに慣れて下さい。先生も眠いの何の」
立花は大あくびをした。
「まぁ、これでおおまかなルール説明は終わりにします。ではでは早速出発してもらいます。
あぁ、そうそう、あそこに見えるのは、ディパックです。まぁ、つまり荷物入れかな。
大小様々な形のディパックがあります。好きなのを選んでください。
でも、一つ選んで、それを取り替えるってのは禁止です。
それではいってみよう!男子1番相川慎太郎くぅん!」
男子1番相川慎太郎は、ゆっくりと席を立った。慎太郎は、ディパックが積まれている台車の前に立った。
「さぁ、好きな物を選べ」
御丁寧に兵士が薦めた。慎太郎は、その声を全く聞いていない振りをして、皆が座っている後ろを向いた。
「皆・・・・・・生き残ろう・・・・・・・」
慎太郎は適当にディパックを選ぶと、教室を後にした。
呼び出しはどんどん続いた。そして、男子24番。
「男子24番、藤沢雅くん!」
雅は立ち上がった。立花はそれを見てぷぷっと笑った。
「君ぃ、まるで女みたいだねぇ、すごい可愛らしいよ・・・ぷはははっ!」
雅はひどく赤面した。そして、ディパックを受け取ると足早に教室から出ていった。
「女子21番由岐春美さん!」
春美は立ち上がった。そして、おどおどしながらディパックを小柄な身体で受け取り、
教室をそそくさと出て行った。
「以上!48名無事送出完了!」
立花の声が狭い教室に響いた。午前3時30分の事だった。
【残り48人】
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