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繰り返される悪夢【長編】

21よこせう:2004/04/29(木) 22:39 ID:cTxgDJac
No:4 説明

兵士は、穴だらけとなった雄吾の死体を、素早く教室の中から取り除いた。
「えぇっと、1人死んで仕舞ったけど、まぁ早速ルール説明をします」
立花は、こほっ、と咳をすると、ある紙を取り出した。それを、広げた。そして、読んだ。
「BR法改定部所説明をする!」
何人かの生徒が、その、いきなりの大声に、驚きを露にした。
「BR法改定、その一、生徒はまず、30人になるまで、無人島で殺し合いをする!」
ざわめきたった。生徒の一部が、驚きの声をあげる。
「その二、生徒は、20人になったら、今度は一般住民が交差する、東京、23区でプログラムを実行する!」
またもやざわめき。しかし、そのざわめきを、兵士が鋭い目付きで威嚇した。
(静かにしろ)
「その三、生徒は10人になったら、今度は、こちらで用意した特殊人造機械と、闘う!」
もう、誰もおどろかなかった。―――人造機械?まさか、こんな時代にそんなもの―――?
「その四、生徒は、その人造機械を破壊した後、再び、殺し合いを、してもらう!
 以上、当四点が大まかなルール改定。説明を終える!」
立花は大きく息を吸った。スクリーン越しでも、汗をかいているのが見える。
「ははっ、これ説明するの大変なんだなぁ。ホント。大変大変」
立花は笑った。けど、笑える訳が無い。冗談じゃない。何を戯けた事を。こんな事・・・?
生徒同士で殺し合い?そして、人が縦横無尽に居る東京23区で殺人ゲーム?
一般住民も巻き添えにするってのかよ。そして、人造機械?何を馬鹿な。そんなもの・・・?
でも・・・・・・本当に・・・・・・あるのか・・・・・・?

「あぁぁっ!ごめんごめんごめん!先生、一つ忘れてたよ!」
生徒がスクリーンに釘付けになった。兵士も驚いた様だ。
「あぁ、今年から、首輪ってのが無くなったから。あれ、高いんだよ。
 あんな物使ってるから国民の税金ってのがどんどん割増すんだよな。そんな事してるから、
 反デモが起きるんだよな。だから、首輪は、使いま、せぇーん」
またもや立花は笑った。だから、笑えねぇって。こんな状況下で。あんた、よく笑えるよな。
「あぁ、皆疑問だよな。何で、先生こんなにこにこしてるかってな。
 皆、どうして?とか思ってんだろ。いいよ、教えてやるよ。
 BR対象クラスの担当教官ってのはな、生徒の不安、恐怖を取り除くために、いつもにこにこ
 してなきゃならないの。わかる?でも、先生思うんだよな。これ、逆効果ってな。はははっ」
何度も言うけど、笑えない。
「あぁ首輪の話だったな。まぁ、予算が少ないので、今年から首輪は使いません。
 その代わりに・・・・・・これを使って貰いまぁす」
立花は指をパチンと鳴らした。教室に、白衣を着た男が台車を持って入ってきた。
その台車の上には、丁度(多分)49個のコップが置いてあった。
いや、立花雄吾が死んだ今、実際に要るのは48個だけど。
「皆、これ何?とか思ったろ。当たり?そうだな?」
白衣の男が、机の上に、コップを一つずつ置いていった。ここである女が口を開いた。
相模魚月(女子)。
「これ・・・・・・何・・・?」
立花はまた笑った。
「だから、それを今から説明するって言ってんだろ。
 これはな、我が国の最先端コンピューターを駆使して作った。超光感度の水なんだ。
 つまりな、この水はな、ある特殊な光に反応しやすいんだよ。試しに・・・・・・」
またパチンと指を鳴らした。また、教室に兵士が、台車と供に入ってきた。
その台車の上に乗っていた物。担任の中下。手足は縛られている。口にもさるぐつわ。
「むぐぅ、むぐむぐぅー」
多分、助けて、とでも言っているのだろう。けど、残念。誰も助ける事は出来ない。
「担任の、中下先生には事前に、その水を飲ませてあります。
 ・・・・・・よし、やれ」
立花は兵士に合図をした。兵士は手から小型の懐中電灯らしきものを取り出した。
それを、もがく中下の腹の部分に向けた。そして、スイッチを押した。
懐中電灯からは、恐ろしく透き通った光が放たれた。それは中下の腹に差し込まれた。
「むぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
途端、中下がさるぐつわをされた口で絶叫した。
中下の腹がみるみる膨らんでいった。そして、爆発した。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」
後には腹が吹き飛び、変な物体を腹部から垂れ流した中下という男の亡骸しかなかった。

【残り48人】


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