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繰り返される悪夢【長編】

18よこせう:2004/04/28(水) 23:16 ID:ZDtU6wdk
No1:出発

「うわぁぁぁぁ!」
機内に、1人の男子生徒の甲高い声が響き渡った。
「ババ、俺かよぉ!」
恥じと言う物を知らずに、絶叫しているのは遠藤祐介(男子)だった。

祐介は、隣の席と、後ろの席の連中とトランプをしていた。
それを見かねたスチュワーデスが、祐介の方をへ歩み寄ってきた。
「お客様?離陸後は、静かに、騒がずに、お願いします」
そう冷たく言い放つと、持ち場につかつか戻っていった。
トランプ仲間の風祭達樹(男子)が、小声で、隣に居る、神楽圭吾(男子)にそっと呟いた。
「なんでぇ、大して可愛くねぇスチュワーデスがよぉ」
声がでかい。
達樹の無神経な一言を聞いて、スチュワーデスが、こちらをじろりと睨んだ。
とばっちりを受けた、圭吾は只ひたすら下を向くしかなかった。

後ろの方では、女子のはしゃぎ声が聞こえた。石井遥(女子)を筆頭に、
沢山の女子が、スチュワーデスを完全無視してくっちゃべっている。
スチュワーデスも呆れた様子で、その光景を見渡していた。

その更に後ろの片隅で、相川慎太郎(男子)が隣に座っている相沢彰久と喋っていた。
「それにしてもスゲーよな、沖縄行くだけなのに飛行機丸々貸しきりだなんてよ」
慎太郎が持参のポテトチップを口に含みながらそう言った。
「なんでも、横島市では最初の沖縄旅行だから、政府が貸してくれたんだよね。
 ホント、太っ腹」
彰久がははっと笑う。そして、慎太郎のポテトチップを一枚、ひょいと摘み上げた。
「どーも」
そう言って、口に含んだ。

笑い声が響き渡る中で、1人だけ、浮かない顔をした男子が居た。
立花雄吾(男子)。
本当なら、こんな盛り上がる場所には、いつも積極的に参加しているのだが、
今日は妙に落ち着き、元気が無い。
先程から下を向いているばかりである。顔が妙に蒼ざめている。
小刻みに、身体が震えている。汗を垂らしながら。

和やかな雰囲気をブチ破る、一つの音が聞こえた。
機体が急に下降した。生徒の悲鳴が聞こえる。担任の中下が立ち上がった。
「みんなぁ、おちついてぇくださぁい。しずかにぃしてくださぁい」
いつものかったるい声。スチュワーデスも皆を宥める。
中には、何人かの男子は、わざと悲鳴を上げて面白がる。
それもそこで終った。機体がぐんと思い切り上昇した。
多分、いや、全員頭を天井にぶつけた。それで、みんな気絶した。
機体は180度回転して、沖縄とは、全く別の方向へ飛び去っていった。

【残り48人】


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