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バトルロワイアルぺティー

99リズコ:2004/03/20(土) 13:28 ID:1Nf1VncU
梁島が行きたいと言ったのは、エリアC=7だった。すぐ近くに休憩所があるから、そこの近くで過ごそう。梁島はそう言った。なぜ休憩所で休まないのかは疑問だったが、博巳は大して問題にもしなかった。



少しの間、二人は慎重に歩き続けた。



梁島の眉がぴくりと動いた。「誰かきた」
へ?博巳は辺りを見回した。「隠れろ」梁島は言った。

すぐに博巳を木陰に引っ張って行き、ドンと押した。博巳は転んだ。
いってーな。何すんだよ。博巳は恨みがましい目で梁島を見た。
梁島は隣で息を潜めていた。

耳をすました。かすかに、誰かの歩いてくる音がした。梁島は銃を装備した。梁島はチラッと博巳を見た。

通り過ぎるまで大人しくしていろという意味合いのものだったが、博巳には伝わらなかったようだ。

「殺すの?」博巳は言った。
「馬鹿!声出すな」梁島は声を抑えて言ったが、すぐにやばいという顔をした。

二人は藪から外を覗いた。


そいつが、近づいてきた。足元しか見えない。ゆっくりと、しかし、迷っているかのように少し戻り、また踵を返してこっちにきた。

やがて、怯えたような声が聞こえた。「誰かいるのか?おれは争う気なんかない。仲間を探してるんだ。もしそっちも争う気がないなら・・・出てきてくれ」

博巳はその声に聞き覚えがあった。少し声音は変わっていたが、普段一緒にいる仲間だと気づいた。

「勇人!」博巳は藪から顔を出した。隣で梁島が、あーあ、という顔をしていた。



初島勇人(男子十五番)は、一瞬心から驚いたようだったが、博巳を見ると歓喜の声を出した。「・・・博巳。よかった。仲田とかだったらどうしようかと・・・」
勇人は力が抜けたように、そのまま座り込んだ。


少し間を置いて、梁島が出てきた。
「永良、いきなり飛び出すなよ。もし撃たれでもしたらどーするつもりだったんだ?」
それから、博巳のすぐ近くにいる男子生徒を見た。

博巳は言った。「大丈夫。おれの友達だよ。信用できるって!おれが保証する」そして、絶対に名前を知らないだろうな、と思って付け加えた。「男子十五番、初島勇人だ」

梁島は勇人をじろじろと見た。「本当に信用できるのか?ゲームに乗ってない証拠なんてないだろが」
博巳は少しむきになって言った。「そんなことないよ。なあ梁島、こいつも仲間にいれてやろうぜ。勇人、お前敵意なんかないだろ」

勇人は頷いた。「信用できないなら、おれの武器やるよ。それならわかってくれるだろ?」そう言って、武器を差し出した。
梁島は目を丸くした。
「・・・そんなことして、もしおれが実はやる気になってたらどーするんだよ」

あっ・・・。勇人は気まずそうに梁島を見た。
やがて、言った。「博巳の仲間だろ?信用するよ」

梁島はぷっとふきだした。そして笑い出した。
二人はあっけにとられて、梁島を見ていた。

梁島はくくく、と声をあげながら、勇人を笑んだ目で見た。
「あんたら、二人揃って、お人よしだね」そう言って、立ち上がった。
「仲間か・・・それも、悪くないかもな」


梁島は言った。「いいよ。信用してやるよ。人目につく前に、早く行こう」
「・・・ああ」勇人は嬉しそうに顔を上げた。

「それから・・・」梁島は地面に落ちていた銃(SIGP226)を拾って、勇人に渡した。「これはあんたが持ってな」
そして、背を向けて、行くぞ、と言った。


勇人が博巳に話しかけてきた。「梁島ってあーゆー奴なんだな。何か、意外かも」
博巳は笑った。「きっと悪い奴じゃないよ」そう、思っていた。

そうこうして、三人の男子生徒は、C=7へ向かっていった。
【残り36人】


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