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バトルロワイアルぺティー
77
:
リズコ
:2004/03/15(月) 18:04 ID:1Nf1VncU
刻々と、朝が近づいてきていた。夜には何度か銃声が聞こえたが、今はひっそりと静まりかえっていて、何も聞こえなかった。
千嶋和輝(男子九番)は、朝日が昇ろうとしている空を見ていた。隣には静かに寝息を立てて眠っている、笹川加奈(女子十四番)がいた。
和輝は思った。穏やかだな。これが、あの殺し合いゲームの最中の光景なんて、誰が思うだろうか。
もしこれがなんでもない日常生活の、ある日の一瞬であったら、和輝にとって、これほど幸せなことはないだろう。
だが、これから殺し合いが始まるのだ。
和輝は銃を片時も離さなかった。首輪の幸運を信じるなら、それまでは必ず生き延びなくてはならなかった。でももう殺しあいは始まっていて、和輝の知る限り、一人が既に死んでいた。
ヤル気になっている奴がいるんだ。俺は絶対に笹川を守る。和輝は、穏やかな顔で寝ている加奈を見ながら思った。
和輝はふと、大島薫(女子九番)のことを思い出した。出席番号が同じだったから、よくテストの内容やわからないことを訊くことがあった。あまり女子と話さない和輝が、加奈の次の次くらいに話していた女子だった。
だが、田辺卓郎(男子八番)を撃った時、そして、和輝に銃を向けた時の薫の表情を、和輝は忘れることが出来なかった。何の感情もこもっていない目だった。今までの薫からは、想像もつかなかった。
とにかく大島には要注意。なるべく会わずに済めばいいけど―――
そんなことを考えていると、加奈が目を覚ました。加奈は寝ぼけ眼で、あれ、ここどこ?という顔をした。
そして、目を細めたまま数秒考えた後、思い出したらしく、あー、と言った。そして、殺し合いの途中だということも思い出したらしく、顔を強ばらせた。
和輝はつい笑ってしまった。
加奈は恥ずかしそうに言った。「寝ちゃった、ごめんね」
「ううん、いいよ。ここの辺りは誰も来ないらしい。穴場なのかな」和輝も答えた。
和輝達がいるエリアは、J=4だった。このまま禁止エリアが来なかったら、ずっとここにいてもいいな。和輝はそう思った。
バトルロワイアルにおいて生き残るコツは、なるべく人に会わないということだろう。そのためには、同じ場所でジッとしているのが望ましかった。
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