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バトルロワイアルぺティー

62リズコ:2004/03/11(木) 20:33 ID:1Nf1VncU
「とりあえず、大島を捜そう。女子の、単独で行動している奴に名前を訊く。これしかないよな」諒が言った。
「でも、それじゃしらばっくれられちゃうだろ」
「・・・それが問題なんだよな。どうしよう」
亘佑は言った。「顔知ってる女子に、大島を一緒に捜してもらうのは?」
「いいけど。おれ、女子の顔と名前、ほっとんど一致しねーよ」
「・・・誰がわかる?」
諒は名簿を見て、指を差した。
「有山って子は最初に出発したから何となく覚えてる。あと新井も知ってる。それから、小笠原ってのは、今日千嶋と一緒にいた子だと思う。あとは伊藤。内ってのはハーフっぽい子だろ。あとは、冬峯と濱村と鈴木さん。残りは・・・わかんねえ」
「それだけわかれば上等だ。とりあえず捜してみようぜ」亘佑はそう言って、続けた。「午前中と午後に分かれて、一人ずつ捜しに行こう。で、時間がきたらここに戻ってくる。いいだろ?」
「ああ」諒は頷いた。それから、ちょっと笑みを浮かべた。「何か頼もしいじゃん」
「まあ、ここの出来が違うから」
 亘佑は自分の頭を指でつついた。少し得意げになっていた。

「じゃあ、どっちが先に行く?」
「お前が行けよ」

二人の間に、短い沈黙が流れた。それから十分間言い争って、挙げ句の果てに、単純にじゃんけんで決まった。

結局亘佑が行くことになってしまった。
亘佑はチッと舌打ちをした。まあいいか。どーせ行くことになるんだし。

「あっ、そうだ、諒・・・」
「あん?」諒は亘佑を見上げた。

「・・・何でもない」
自分の考えを言うのはやめておいた。まだ、時間はある。

亘佑は支給武器のゴルフバットを肩にかけた。「じゃあな」そう言って、小屋を後にした。



亘佑は思った。卓郎は殺された。諒は復讐をしたいと言ってる。だが、あいつはゲームに乗ることなんて考えてないんだろう。

いくら喧嘩が強くても、お前には大事なもんが抜けてるぜ。もっと、空気を読んだ方がいい。

オレが・・・お前の言うとおり、大人しく大島を捜そうとしてると思ってんのか?


亘佑は呟いた。「残念ながら、オレは最初からゲームに乗るつもりだったんだよ」


涼しい夜風が、亘佑の背中を叩いていた。今まで経験したことのない緊張感が、亘佑を襲っていた。
【残り38人】


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