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バトルロワイアルぺティー

61リズコ:2004/03/11(木) 20:32 ID:1Nf1VncU
中西諒(男子十番)と、仲田亘佑(男子十一番)は、H=6にきていた。北西の方角には、白い廃城が見えていた。小さな小屋があったので、そこに入ることにした。


部屋で腰を下ろすと、仲田が言った。「つーかさー。オレ、思ったんだけどー」
「何だよ」
「大島って誰?男?女?」

諒は少し沈黙した後、考え込んだ。やがて言った。「・・・わかんない」
「それじゃ捜しようがねーじゃねーかよ!」仲田は叫んだ。


そう、二人とも、クラスメイトとはあまり関わりがなかったので、大島薫(女子九番)が、誰だかわからなかったのだ。しかも、千嶋和輝(男子九番)は下の名前を言わなかったので、性別すらもわからないという非常事態(?)が発生していた。

「誰かに訊く?」
「絶対に逃げられるだろ」
「そっか。そうだな」

二人は考え込んだ。

「あっ、名簿とか入ってないの?」
「あっ!」
諒はデイバックの中を探した。地図と一緒に、薄っぺらい紙があった。
「プログラム参加者名簿・・・あった!」

二人は紙に書いてある生徒の名前を観察した。

「・・・・・・・・・・・・・いた!女子九番大島薫。でも顔はわかんない」
仲田は言った。「まあいいよ。女ってことはわかったんだから。誰でもいいからとっ捕まえてーヤっちまおーぜ!」
諒は少し考えた。仲田のことだから、本気でやりかねない。


「待て。落ちつけ」
「何だよ!お前も卓郎の仇打ちたいだろ」
「だれかれかまわず殺したら敵討ちにならないじゃん」
「んなこたあどーでもいいんだよ!誰かが殺したんだろ?下手な鉄砲も数うちゃあたるっていうじゃん!もしかして犯人かもしれないし・・・」
「・・・」
それは駄目だ、と諒は思った。


諒は言った。「そういうのは趣味じゃないから嫌だ」
「オレだって趣味じゃねーよ。でもさー、こんなゲームの中だし、仕方ないじゃん?」そう言った後、仲田は小声で囁いた。
「・・・」諒は考えた。でも・・・

諒は強めの口調で言った。「そんなん嫌だよ」

仲田はやや呆れたような笑みを浮かべた。
「あー、わかったよ。でも、何でそんなに拒否ってんの?」

「親父と同じになっちゃうから、やだ」
「ああー」仲田は納得したように頷いた。
諒は更に言った。「それに、可哀相だろ。関係ない奴を巻き込むとか」

「・・・だな。そんなことより大島って奴をどうやって捜すか考えようぜ」仲田は言った。



亘佑は顎に手を当てた。思った。諒は昔っから、どっか甘いと言うか、フェミニストと言うか、生ぬるいところがある。
そこがあまりにも普通すぎて、亘佑は時たま物足りなさを感じることがあった。

しかし、喧嘩は亘佑よりずっと強かった。どこで覚えたのは知らない。諒は誰にも話そうとしなかったからだ。

亘佑が諒から聞いたのは、自分の親父を異様に嫌っていることと、誕生日が五月だということ。それだけだった。その他は又聞きしたことなので、省いておく。

そこにも苛立ちを覚えることがあった。自分のことはあまり話さない。仲間なら、腹を割って話すべきだろ?


そういう部分では、亘佑は熱かった。親がやくざなせいか、強さに最もこだわった。
そして、喧嘩で負けた以上、諒を自分より上の存在だと認めていた。親父も、諒のことは気に入ってる。オレも、こいつの強さには憧れてる。

ただ―――


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