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バトルロワイアルぺティー

58リズコ:2004/03/10(水) 21:45 ID:1Nf1VncU
紺野朋香(女子十三番)は、エリアF=7に入っていた。ゲーム開始からずっと歩き続けていたので、もうくたくただったが、それでも歩いた。

辺りを見渡した。誰もいないようだった。朋香は小さく舌打ちをした。

朋香はある決意をしていた。絶対に、会いたい人物がいたのだ。そう、あの女。


朋香はあの女が嫌いだった。嫉み、というものも、少しはあったのかもしれない。だが、殆どは違う理由だった。

思った。あいつの目を見ればわかる。あいつは、あたしのことを友人とも思っていない。勿論、他のクラスメイトのことも。ただ、孤立するのが嫌だから、とりあえず一緒にいるだけだ。


そして、たくさんの男に囲まれていても、誰一人本気で愛していない。朋香はそれに気づいていた。しかし、朋香以外の人間はそれに気づいていないようだった。それにも、腹を立てていた。

はたから見れば、可愛くて、性格がよくて、少し頭が悪い。まさしく、男の妄想の中によく出てくる類の女なのだろう。


しかし、裏では複数の男がいて、貢がせて、飽きたら捨てるという女だった。気に入らない同姓には男を使って嫌がらせをする。とりあえず金を持っている男には、平気で取り入ろうとする。プライドってモノがないんだ。
外見しか取り柄がないくせに。朋香はそう思った。


伊藤愛希(女子四番)の本性を、誰も知らない。あいつは馬鹿のふりをして、頭の回転がいい。貢いでいる男も、嫌がらせをされた女も、愛希の仕業とは、全く気がついていなかった。
愛希ちゃんがそんなことするわけないじゃん。皆そう言った。僻んでるの?と言われたこともあった。
悔しかったので、二度と騙された奴らには、本当のことを言わなくなった。


騙される奴が悪いの。愛希はそう言っていた。確かに、そうかもしれない。今付き合っている姫城海貴(男子十六番)も、見事に騙されているのだろう。あんな女に。


朋香は唇を噛みしめた。この高校に入学して、初めて好きになった男だった。しかし、それに気づいた愛希は海貴に近づいた。
愛希は面白半分で、人の好きな男や、彼氏を取ることを趣味にしていた。そうして、愛希と海貴は付き合うことになったのだ。

ショックだった。まあ、もう昔の話だけど。

そして、それから半年後、初めて出来た彼氏も愛希に取られた。愛希は朋香の恋人を寝取って、たった一週間で捨てたのだ。
それを聞いた時、朋香は頭をミサイルで爆破されたような気持ちになった。
まあ、もう昔の話だけど。


朋香は愛希と離れたかったが、愛希の男達の嫌がらせが怖かったのと、あることをばらされるのを怖れて、離れることができなかった。
でも―――



あんな腐った女、殺した方がいい。腐った遺伝子がこれ以上ばら撒かれる前に。そう、決意していた。


手にしていた武器を、もう一度しっかりと握り直した。
朋香の武器は、S&Wチーフスペシャルだった。説明書もよく読んで、使い方もわかっていた。
あとは、愛希を捜すのみだったが、やはり、これだけ広いエリアの中で、たった一人の人物を捜すのは、とても困難なことであった。

ここまで歩いてはみたものの、あまり人はいなかった。朋香が出会ったのは、校門にあった田辺卓郎(男子八番)の死体と、森をぬける時に見た、峰村陽光(男子十八番)の死体と、G=5の川沿いに、一瞬人影が見えたくらいだ(あれは、鈴木菜々だっただろうか)。

いない方がいいのだろうが、どうしても愛希に会いたかった。

―――会って殺す。朋香の決意は固かった。


朋香は愛希を殺すことだけを目的にして、平静を保っていた。【残り38人】


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