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バトルロワイアルぺティー
48
:
リズコ
:2004/03/09(火) 17:16 ID:1Nf1VncU
峰村陽光(男子十八番)は、那須野聖人(男子十三番)と争った場所から北へと向かいながら、心臓の高鳴りを抑えるのに苦労していた。
俺は人を殺した!すげえ!やれば出来るんだ!
とどめをさしていなかったことに気づいたが、もうどうでもよかった。腹に穴を空けられて、長く生きてられる奴はそういないはずだ。
ふっ、あのいけすかねえ野郎を、ついにやったぜ!
陽光は元々負けず嫌いで、自分を馬鹿にする人間が許せなかった。陽光の心には、後悔の心は、みじんもなかった。それどころか、胸をワクワクさせていたのだ。
人間って案外脆いもんだな。この調子でいけば、十人くらい目じゃないだろ。生き残るために俺は人を殺す。まあしょうがないじゃないよな。陽光は割り切って考えていた。
陽光は足を止めた。でも、今はとりあえず腹ごしらえだ。腹が減っては戦は出来ぬ。その通りの言葉だな。一人で納得しながら、陽光はデイバックの中からパンを取りだした。
顔をしかめた。まずそうだな。生き残ったら、真っ先にレストランに行って、おいしい料理を喰うぞ。陽光はそう思いながら、パンの袋を開けようとした。
ぱらぱらぱら。古びたタイプライターのような音がするのが聞こえた。
そして、陽光のデイバックと食料は、ぐちゃぐちゃになっていた。
あっ、俺のパンが。
振り返ると、そこには、小柄な体型に幼げな可愛らしい顔。小さな手に似つかわしくない、大きな箱のような物を持った、(陽光には名前がわからなかったが)井上聖子(女子五番)が立っていた。
よくも、俺のデイバックを。「てーめー!何すんだよ!」陽光は叫びながらボウガンを掴み、矢を放とうとした。
聖子は顔をしかめた。
もう一度ぱらぱらぱらという音が聞こえ、陽光の体には穴が三つ開いた。
くう・・・。
陽光は恨めしげに聖子を見たが、そのままばたんと倒れた。
聖子は、峰村陽光が死んでいるのを確認すると、辺りを見回し、武器を拾った。
軍用ナイフにボウガンか・・・もらっておくべきかな?
ボウガンは幅を取るから却下。軍用ナイフは・・・一応取っておくか。何が起こるかわからないのが世の中だしね。聖子は鼻歌を歌いながら、その場を去っていった。
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