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バトルロワイアルぺティー

449ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/09/17(金) 21:32 ID:igZ3kd.k

 一面大きな霊園となっている土地を、一人の男が歩いていた。
茶髪だった髪は黒に戻り、無造作に伸びていた。

北川哲弥は、ポケットに入っているラジオの電源をオンにしたまま、霊園の道を歩いていた。
周りの人々にじろじろ見られているのにもおかまいなしで。


無機質な声音で、ニュースキャスターが言っているのが聞こえた。「今回のプログラムの優勝者はなし、荒木氏は責任を取って辞表を提出したということです。なお、次回のプログラムについては全くの未定となっており、与党は高まるプログラム批判をこれ以上押さえつけることができなくなっているとの見通しが出ております」

哲弥はにやっと笑い、ラジオの音を小さくした。


「……ここか」
哲弥は呟いて、笹川家墓と書いてある墓地の階段を上がった。

「聞いた? 次のプログラムは未定だってさ。お前らのおかげかもな」
哲弥は墓場には酷く場違いな薔薇の花束を飾って、手を合わせた。

俺は冷たい人間かもな。結局お前に何もできなかった。お前が死ぬのを、ただ見てるしかなかったよ。


大学も辞めて、住んでた家も追われてきた。それでも、今日だけは来たいと思って、ここまでやってきた。

「今日はお前の誕生日だもんな……」
哲弥は顔をあげると、呟いた。
「十七歳おめでとう、加奈」


さて、千嶋と大迫の墓にも寄ってくか。
哲弥は立ち上がると、もう二束あった花束を持って、階段を降りていった。

「きっと、忘れないからな」


哲弥はそう呟いて、鼻歌を歌いながら走り出した。



「ママー、あの人変だよ?」近くにいた子供が言った。
「ほっといてあげなさい。でも、まだ若いのに、可哀相ね」
子供の母は頬に手を当てて、言った。


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