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バトルロワイアルぺティー

443ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/09/14(火) 02:34 ID:igZ3kd.k

「あっ、そうだ。治巳君。遥佳からメール着てたよ」加奈はそう言うと、話し始めた。「バスの中でね。返そうと思ったら携帯使えなくなっちゃったんだけど」
治巳はためらいがちに訊いた。「……なんて着てた?」

「『土産はいらないよ(^o^)治巳に買ってきてもらうから。あいつが浮気しないようにしっかり見はっててね(笑)』だって」

「ふっ」治巳は下を向いて、呟いた。「土産、買ってこれなくなっちゃったな」

 和輝は言った。「俺は元々、何で長戸が治巳と付き合ってるのか不思議でたまらない」
「うっせーな。何か文句あんのかよ」
「そうだよ。当人同士の問題だよ」加奈が言った。
「だってさー、可愛かったのになー、長戸……」

加奈が凄い目で、自分を見ているのがわかった。

「ま、和輝にとっては、笹川ちゃんが一番だろうけどね」治巳が付け加えた。


「ごらー! 殺しあえって言ってんだよ、てめーらー!」

アニメ声の女を無視して、和輝は言った。「最期に、握手」

治巳と、加奈に向けて、手を差し出した。二人はその手をとった。「俺、二人に会えてよかったよ」
「……オレも。お前のこと殺さないで、よかった」
「私も、和輝に会えてよかった」


もうじき、三十分経つ。

「死後の世界って、あると思う?」和輝が訊いた。
「あるんじゃない? わかんないけど」加奈が言った。
「じゃあまた会えるかもね」治巳はそう言った後、苦笑した。「何か小学生みたいだな」


雨はあがり、すっかり涼しくなった丘では、たくさんの星が見えていた。
最期には、ちょうどいい。


時刻は六時二十一分二十八秒。首輪爆発まで、あと三十二秒だった。


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