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バトルロワイアルぺティー
441
:
ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/09/14(火) 02:25 ID:igZ3kd.k
フィナーレ
戦闘実験第六十八番プログラム。改正案試行、第一回。
対象は、県立第三高等学校英文科、二年A組。総勢四十三人。
大東亜帝国中、たった一クラス。偶然にも当たってしまった、運のない高校生達。
その会場となったS県蔵ヶ浦公園では、今までのプログラムにない物があった。
――楽しげな話し声と、笑い声。
人数も少なくなり、殺し合いが一番盛り上がるころだ。生徒達はたった一つの生き残りの椅子を賭けて、殺しあっていた――
はずだった。
「何よこれ……」
橘夕実は不満そうな声を出した。
「こいつらいつまでくだらない話してんのよ! 殺しあいなさいよ!」
「何だかなー。もしかして、明日の夕方までこの調子なんじゃ……」
横山豪は、危惧していた。
北川哲弥は、黙ってコンピュータを見ていた。
盗聴機から聞こえるのは、自分達の中学の思い出話。それはやけに懐かしく、哲弥をほろ苦い気持ちにさせた。
そうだ、こいつら同じ中学だよな……。それで、俺も。
「このプログラムは失敗に終わりそうですねー……」哲弥はそう呟いて、笑んだ。
「それじゃ困るのよ!」夕実は叫んだ。
「おらー、大迫ー! さっきまでのあの活躍はどうしちゃったのよー! 千嶋和輝の毒牙になんかかかってないで、さっさと殺しなさいよー!」
夕実は早口で、兵士に指示を出した。
「放送入れて! 殺しあわないと首輪爆発させるって言うわ!」
千嶋和輝(男子九番)は、熟睡していた。
和輝の寝顔を指で突付きながら、大迫治巳(男子二番)は言った。「寝てるし、こいつ。おらー、起きろー」
「疲れてるんだよ。寝かしといてあげて」笹川加奈(女子十四番)は言った。
「でもさー、せっかくの最後の思い出作るチャンスなのに、もったいないじゃん、時間」治巳はそう言った後、少し小声になって、囁いた。
「オレはしばらく向こうにいるから、二人でいちゃついてなよ」
「えっ……いいよー」
「いやいや邪魔しないから。こいつだって男だし、死ぬ前に生殖本能に火がつくかもよ?」治巳はそう言って、財布の中から、薄っぺらい、正方形の物を取り出した。
「やるよ。使わなくてもいけるかもだけどさー」
加奈はその物体を見て、度肝を抜かれた。
「治巳君! やめてよ!」
……もう。すっかり元通りになってる。心配して損した。
治巳はニッと笑って、加奈の手にそのブツを握らせた。
「じゃあオレ散歩してくるね。ごゆっくり」
何よ。こんなモン、いらないっつのー!
加奈はそのくしゃくしゃになった物を見て、叫びだしたくなった。
加奈は振り返って、爆睡している和輝を見た。
「……和輝、起きて」和輝の体を揺すった。
「……何だよ」
和輝は機嫌が悪そうに加奈を見た後、だんだん気がついたらしく、目の焦点が合ってきた。
「……あ、ごめん。寝てた」
……。
加奈は治巳に渡されたものをポケットに仕舞いこんで、言った。「散歩行こう。約束してたじゃない」
「ああ!」和輝は気づいたように言うと、立ち上がった。
「行こうか」
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