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バトルロワイアルぺティー

436ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/09/10(金) 20:43 ID:igZ3kd.k

 治巳は二人を見た。どうやらうまくいったらしい。全く、こんなところで青春しやがって。


寝転がって、空を見た。


殺されるのが怖かった。でも、あいつなら、そこまで怖くないかもしれない。

治巳はナイフを空にかざした。

六年前からずっと持ってた。

――もう二度と、家族や大切な人達が殺されないように、オレが守ってやるんだ。


「……大切な人が殺されないように、この殺人鬼を始末しなきゃな」治巳はそう呟いて、笑みを浮かべた。



気がつくと、二人が治巳を覗き込んでいた。

治巳はナイフを弄ったまま、言った。「和輝ぃ。オレ、死ぬわ」

「は? 突然何だよ」和輝は驚いたように言った。
「だってこれ以上自分の大切な人間が死ぬの嫌だもん」治巳はナイフを空高くかざした。「敵は手強かった。今は瀕死状態だけど」
「……何が?」和輝は不可思議な表情をしていた。

「だからー、殺人鬼はオレが始末するから、お前が死ぬ必要もないし、オレを殺す必要もないの」

歪んだ思考を止めてくれる人間がいたから、よかった。

あとは、自分の後始末をつけるだけ――


治巳は自分の首にめがけて、ナイフを振り下ろそうとした。



「治巳!」

和輝に腕を掴まれた。
「今は七時三十分なんだよ」

治巳は和輝の顔を見た。
「何が?」

「井上さんが死んだのが六時二十分ごろ。二十四時間以上人が死なないと、首輪が爆破する――」和輝は加奈と目を合わせて、また治巳の方を向いた。
「まだまだ時間はあるから、有意義に過ごそうよ」


治巳は戸惑った。

「別に、お前らは無理して死ななくていいんだよ。オレは退場する。お前らのごたごたは自分達で話し合えよ。オレを巻き込むな」
「もう結論は出たんだよ」加奈が言った。

「死ぬ前に、思い出作ろうぜ」和輝は言った。



――オレは、さっさと自分の体の始末をつけたいんだよ。

だって、決意が鈍ってしまう。今まで当たり前に過ごしてきた時間、仲間が、こんなに失いたくないものだということが痛いくらいにわかって、惜しくてたまらない。


「お前ら、アホだな……」治巳は顔を覆って、言った。
【残り3人】


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