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バトルロワイアルぺティー

422ノア </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/09/02(木) 21:59 ID:igZ3kd.k

 大迫治巳(男子二番)はふと顔を上げた。
「凄い音が聞こえた……」治巳は惚けたように呟いた。

ここはE=6だった。180センチ近くある自分の身長が優に隠れてしまうほどの大きな岩が、無造作に置かれていた。一つや二つではない。見る限り、たくさん。大きいのから、一メートルほどの小さなものも、縦横無尽にあった。

何かの芸術品なんだろうか。治巳はそう思った。
凄然と並んでいる岩達には、何か、迫力と、力強さを感じた。



自分の手を見た。土や埃、そして血で汚れていた。

今は、何人に減ったんだろうか。残りは皆、死んだんだ。
治巳の胸には、どうにもならない虚無感だけが残っていた。


思った。和輝に、あの時言ったことは嘘だった。オレはあいつを殺す気なんてなかった。本当に笹川ちゃんと会わせてやりたかった。

大島薫(女子九番)を殺したことを言ったのは、和輝を殺しそうになる自分と、心の中では自分を止めて欲しいと願っていた自分がいたからだった。

だが、一度火がついたら、もう止まることはできなくなっていた。

あいつは多分、オレを恨んだろう。恨まれても仕方ないことを言った。後悔なのか、何なのかはわからなかったが、胸が痛んだ。
もし、もう一回和輝に会ったら――

今度こそ、殺してしまうかもしれない。そんな予感がしていた。



あんなに激しかった雨が、ようやく小降りになってきていた。

治巳は先ほど爆発音がした場所へと急いだ。



そのまま進んでいた。ふと、治巳は足を止めた。
岩陰に隠れた。


……誰か来た。
誰かはよく見えなかったが、小柄な体。女子のようだった。
笹川ちゃんか井上さんだな、と治巳は思った。

シルエット的に、冬峯雪燈(女子二十一番)ではないと感じた。


ポケットに入っていた銃を持ち上げた。
雨で視界が悪くなっていた。ここからだと当たるかどうかわからない。それでも、治巳は、一か八かで撃とうとしていた。


引き金に指をかけた。片目を瞑って、目的に焦点を定めた。
――殺せ。自分の中で、誰かが命令を下した。


それと同時に、撃った。


ぱん。

雨のせいか、音は辺りによく響いた。

撃つ瞬間、しまったと思った。

水で手が滑った。銃弾はあさっての方向へ行ってしまった。


その女子は銃声の聞こえた方向を見回した。


治巳はかまわずもう一度撃った。


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